JP2011111966A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライディングモード制御系において、希に制御入出力がハンチングする問題の実効的な解決。
【解決手段】スライディングモードコントローラ51が演算する非線形入力Unlを、Unl=−(SB)-1Jσの形に改めた。ここで、Sは切換超平面を構成する行列、Bは状態方程式における入力行列、Jは非線形入力Unlの算出にあたり乗ずるゲイン、σは切換関数である。これにより、切換関数σが0に近い即ちプラントの状態が切換超平面Sに近い値域で上下したとしても、非線形入力Unlが急激に増減せず、ハンチングの引き金とならない。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関またはこれに付帯する装置を制御する制御装置に関する。
下記特許文献1に開示されている排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)システムは、過給機を備えた内燃機関のEGR率(または、EGR量)を制御するものである。EGR率と過給圧との間には相互干渉が存在し、一入力一出力のコントローラでEGR率及び吸気管内圧力(または、吸気量)の両方を同時に制御することは難しい。しかも、内燃機関の運転領域によって応答性が異なる上、過給機にはターボラグ(むだ時間)がある。このような事情から、非線形制御対象に対して有効な制御手法であるスライディングモード制御を採用し、相互作用を考慮した多入力多出力のコントローラを設計してEGR制御をしている(例えば、下記特許文献1を参照)。
スライディングモード制御系においてコントローラが算出する、制御入力Uの要素である非線形入力項Unlは、原理的には下式(数1)の形をとる。
Figure 2011111966
Sは切換超平面を構成する行列、Bは状態方程式における入力行列、kは非線形入力Unlの算出にあたり乗ずる非線形切換ゲイン、σは切換関数である。
非線形入力Unlは、プラントの状態を切換超平面に引き寄せ、超平面上に拘束する働きをする。だが、プラントの状態が超平面に近づくと、非線形入力Unlが高速で切り換わり、超平面上を滑るのではなくその近傍で高周波振動するチャタリングを起こすおそれがある。よって、通常、平滑化係数ηを導入することで、非線形入力の変動の平滑化ひいてはチャタリングの抑制を図っている(例えば、下記特許文献2を参照)。平滑化係数ηを導入した場合の非線形入力Unlは、下式(数2)となる。
Figure 2011111966
スライディングモードコントローラによる内燃機関のEGR及び吸気管内圧力制御は、大いに有望である。しかし、特定の運転領域(より具体的には、高回転高負荷域)で、希に制御入出力がハンチングし発散することがあった。
特開2007−032462号公報 特開2006−283826号公報
本発明は、スライディングモード制御系において、希に制御入出力がハンチングする問題を実効的に解決することを所期の目的としている。
本発明では、内燃機関またはこれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、スライディングモードコントローラが演算する、操作部に与えるべき制御入力Uのうちの非線形入力項Unlが下式(数3)の形で表されることを特徴とする制御装置を構成した。
Figure 2011111966
ここで、Sは切換超平面を構成する行列、Bは状態方程式における入力行列、Jは非線形入力Unlの算出にあたり乗ずるゲイン、σは切換関数である。
従前の平滑化係数ηを導入した非線形入力Unl(数2)について、再度検討する。図5に、切換関数σと、非線形入力Unlを規定する因数Σ(数4)との関係を模式的に示している。
Figure 2011111966
σ及びΣは制御入力Uと同次元数のベクトルであり、図5は数学的に正確ではないが、敢えてこの図5に則して述べると、σ=0においてグラフの傾きが最も急峻であり、σの絶対値(または、ノルム)が大きくなるほどグラフの傾きは緩やかになってΣ→±1に漸近する。また、σ=0周辺でのグラフの傾きは、平滑化係数ηが小さいほど急になる。図5から、σの絶対値が0に近い、即ちプラントの状態が超平面付近にあるときには、σが少し増減するだけでもΣひいてはUnlが大きく変動することが分かる。
各種センサを介して計測される制御出力Yの値は、(その振れ幅自体は微少であったとしても)頻繁に上下するのが普通である。制御出力Yと状態量Xとの間にはY=CXなる出力方程式の関係が存在し、制御出力Yが頻繁に上下することは状態量Xが頻繁に上下することを意味する。従って、切換関数σ=SXもまた、頻繁に上下し得るということになる。
そして、σが0に近い値域で頻繁に上下すると、非線形入力Unlが急激に増減し、それが制御出力Yに影響を及ぼしてYを振動させる。さらに、制御出力Yの振動がσの振動を惹起して、Unlの急増減に拍車をかけ……というように、Yの振動が帰還する状況となり、制御入出力U、Yがハンチングするに至っていた。
本発明は、上記の事象に初めて着目してなされたものであり、非線形入力Unlを(数3)の形に改めることによって、Unlのチャタリングを回避しながら、σが0に近い値域で上下したとしてもUnlが急激に増減しないようにしたのである。
また、非線形入力Unlから平滑化係数ηが消失することに伴い、平滑化係数ηの適合を行う工数を削減できるという副効用もある。ηは、制御入力Uと同次元数のベクトルであるので、多入力系では設計工数削減の意義が小さくない。
尤も、式(数3)の非線形入力Unlは、σの絶対値の増大に伴って際限なく巨大化するおそれがある。そこで、式(数3)に則って算出した非線形入力項Unlが所定閾値を超えた暁には、非線形入力項Unlを当該閾値にクリップした上で制御入力Uを算定することが望ましい。
本発明によれば、スライディングモード制御系において、希に制御入出力がハンチングする問題を実効的に解決することができる。
本発明の一実施形態におけるEGRシステムのハードウェア資源構成図。 同実施形態の制御装置の構成説明図。 同実施形態の適応スライディングモードコントローラのブロック線図。 同実施形態の制御装置が実行する処理の手順を示すフローチャート。 切換関数σと平滑化係数ηを導入した因数Σとの関係を概念的に例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に示すものは、本発明の適用対象の一であるEGRシステムである。内燃機関2に付帯するこのEGRシステムは、吸排気系3、4における複数の流体圧または流量に関する値を検出するための計測器11、12と、それらの値に目標値を設定し、各値を目標値に追従させるべく複数の操作部45、42、33を操作する制御装置たるECU(Electronic Control Unit)5とを具備してなる。
内燃機関2は、例えば過給機を備えたディーゼルエンジンである。内燃機関2の吸気系3には、可変ターボのコンプレッサ31を配設するとともに、その下流に吸気冷却用のインタークーラ32、及び新気量を調節するDスロットルバルブ33を設ける。また、新気量を計測する流量計11、吸気管内圧力を計測する圧力計12をそれぞれ設置する。
内燃機関2の排気系4には、コンプレッサ31を駆動するタービン41を配設し、タービン41の入口には過給機のA/R比を増減させるためのノズルベーン42を設ける。タービン41の下流には、DPF(Diesel Particulate Filter)(図示せず)を設置する。そして、内燃機関2の燃焼室より排出される排気ガスの一部を吸気系3に還流させるEGR通路43を形成する。EGR通路43は、吸気系3におけるスロットルバルブ33よりも下流に接続する。EGR通路43には、排気冷却用のEGRクーラ44と、通過する排気ガス(EGRガス)量を調節する外部EGRバルブ45とを設ける。
本実施形態では、EGR率(または、EGR量)と、吸気管内圧力(または、吸気量)とについて各々目標値を設定し、双方の制御量を一括に目標値に向かわせるべく複数の操作部、即ちEGRバルブ45、可変ターボのノズル42及びスロットルバルブ33を操作する制御を実施する。
EGRバルブ45、ノズルベーン42、スロットルバルブ33は、ECU5により統御されてその開度をリニアに変化させる。各操作部45、42、33は、駆動信号のデューティ比を増減させることで開度を変える電気式のバルブや、あるいはバキュームコントロールバルブ等と組み合わされ弁体のリフト量を制御して開度を変える機械式のバルブ等を用いてなる。
ECU5は、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはフラッシュメモリ、A/D変換回路、D/A変換回路等を包有するマイクロコンピュータである。ECU5は、EGR率及び吸気管内圧力を検出するための計測器11、12の他、エンジン回転数、アクセルペダルの踏込量、冷却水温、吸気温、外部の気温、大気圧、DPFの前後差圧(DPFの上流側排気圧と下流側排気圧との差)等を検出する各種計測器(図示せず)と電気的に接続し、これら計測器から出力される信号を受け取って各値を知得することができる。
因みに、本実施形態では、EGR率を直接計測していない。内燃機関2のシリンダに入る空気量は、可変ターボのノズル開度を基に予測することが可能である。その空気量の予測値をgcylとおき、流量計11で計測される新気量をgaとおくと、推定EGR率eegrについて、eegr=1−ga/gcylなる関係が成立する。ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、可変ターボのノズル開度とシリンダに入る空気量との関係を定めたマップデータが記憶されている。ECU5は、可変ターボのノズル開度をキーとしてマップを検索し、シリンダに入る空気量の予測値を得、これと新気量とを上記式に代入してEGR率を算出する。
並びに、ECU5は、EGRバルブ45、可変ターボのノズル42、スロットルバルブ33や、燃料噴射を司るインジェクタ及び燃料ポンプ等(図示せず)と電気的に接続しており、これらを駆動するための信号を入力することができる。
ECU5で実行するべきプログラムはROMまたはフラッシュメモリに予め記憶されており、その実行の際にRAMへ読み込まれ、プロセッサによって解読される。ECU5は、プログラムに従い内燃機関2を制御する。例えば、エンジン回転数、アクセルペダルの踏込量、冷却水温等の諸条件に基づき要求される燃料噴射量(いわば、要求されるエンジン負荷)を決定し、その要求噴射量に対応する駆動信号をインジェクタ等に入力して燃料噴射を制御する。その上で、ECU5は、プログラムに従い、図2、図3に示すサーボコントローラ51及び補正制御部52としての機能を発揮する。
サーボコントローラ51は、スライディングモードコントローラであって、EGR率及び吸気管内圧力のスライディングモード制御を担う。フィードバック制御時、ECU5は、各種計測器(図示せず)が出力する信号を受け取ってエンジン回転数、アクセル踏込量、冷却水温、吸気温、外部の気温及び気圧等を知得し、要求噴射量を決定する。続いて、少なくともエンジン回転数及び要求噴射量に基づき、目標EGR率及び目標吸気管内圧力を設定する。ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、エンジン回転数及び要求噴射量に応じて設定するべき各目標値を示すマップデータが記憶されている。ECU5は、エンジン回転数及び要求噴射量をキーとしてマップを検索し、EGR率及び吸気管内圧力の目標値を得る。さらに、マップを参照して得た目標値を基本値とし、これを冷却水温、吸気温、外部の気温や気圧等に応じて補正して最終的な目標値とする。
そして、ECU5は、計測器11、12が出力する信号を受け取ってEGR率及び吸気管内圧力の現在値を知得し、各制御量の現在値と目標値との偏差からEGRバルブ45の開度、可変ターボのノズル42の開度及びスロットルバルブ33の開度を演算して、各々の操作量に対応する駆動信号をそれら操作部45、42、33に入力、開度を操作する。
EGR率の適応スライディングモード制御に関して補記する。状態方程式及び出力方程式は、下式(数5)の通りである。
Figure 2011111966
本実施形態では、状態量ベクトルXを出力ベクトルYから直接知得できる構造とする、換言すれば計測器11、12を介して検出可能な値を直接の制御対象とすることにより、状態推定オブザーバを排して推定誤差に伴う制御性能の低下を予防している。出力行列Cは既知、本実施形態では単位行列とする。
プラントのモデル化、即ち状態方程式(数5)における係数行列A及び入力行列Bの同定にあたっては、各操作部45、42、33に様々な周波数からなるM系列信号を入力して開度を操作し、EGR率及び吸気管内圧力の値を観測して、その入出力データから行列A、Bを同定する。各操作部45、42、33に入力するM系列信号は、互いに無相関なものとする。これにより、各値の相互干渉を考慮したモデルを作成することができる。
図3に、本実施形態の適応スライディングモード制御系のブロック線図を示す。スライディングモードコントローラ51の設計手順には、切換超平面の設計と、状態量を切換超平面に拘束するための非線形切換入力の設計とが含まれる。1形のサーボ系を構成するべく、当初の状態量ベクトルXに、目標値ベクトルRと出力ベクトルYとの偏差の積分値ベクトルZを付加した新たな状態量ベクトルXeを定義すると、下式(数6)に示す拡大系の状態方程式を得る。
Figure 2011111966
スライディングモードコントローラ51は、EGR率y1及び吸気管内圧力y2を制御出力変数とし、EGRバルブ45の開度u1、可変ターボのノズルベーン42の開度u2及びスロットルバルブ33の開度u3を制御入力変数とした3入力2出力のフィードバック制御を行う。状態変数の個数(システムの次数)は、当初の系(数5)では出力変数の個数と同じく2、拡大系(数6)では4となる。制御出力及び状態量をこのように特定することで、排気ガスに直接触れる箇所に流量計等の計測器を設置する必要がなくなる。
安定余裕を考慮し、切換超平面の設計にはシステムの零点を用いた設計手法を用いる。即ち、上式(数6)の拡大系がスライディングモードを生じているときの等価制御系が安定となるように超平面を設計する。切換関数σを式(数7)で定義すると、状態が超平面に拘束されている場合にσ=0かつ式(数8)が成立する。
Figure 2011111966
Figure 2011111966
故に、スライディングモードが生じているときの線形入力(等価制御入力)は、下式(数9)となる。
Figure 2011111966
上式(数9)の線形入力を拡大系の状態方程式(数6)に代入すると、下式(数10)の等価制御系となる。
Figure 2011111966
この等価制御系が安定になるように超平面を設計することと、目標値Rを無視した系に対して設計することとは等価であるので、下式(数11)が成立する。
Figure 2011111966
上式(数11)の系に対して安定度εを考慮し、最適制御理論を用いてフィードバックゲインを求め、それを超平面とすると、下式(数12)となる。
Figure 2011111966
行列Psは、リカッチ方程式(数13)の正定解である。
Figure 2011111966
リカッチ方程式(数13)におけるQsは制御目的の重み行列で、非負定な対称行列である。q1、q2は偏差の積分Zに対する重みであり、制御系の周波数応答の速さの違いにより決定する。q3、q4は出力Yに対する重みであり、ゲインの大きさの違いにより決定する。また、リカッチ方程式(数13)におけるRsは制御入力の重み行列で、正定対称行列である。εは安定余裕係数で、ε≧0となるように指定する。
なお、上記式(数12)、(数13)に替えて、以下に示す離散系の超平面構築式(数14)及び代数リカッチ方程式(数15)を用いてもよい。
Figure 2011111966
Figure 2011111966
超平面に拘束するための入力の設計には、最終スライディングモード法を用いる。ここでは、制御入力Uを、線形入力Ueqと新たな入力即ち非線形入力(非線形制御入力)Unlとの和として、下式(数16)で表す。
Figure 2011111966
切換関数σを安定させたいので、σについてのリアプノフ関数を下式(数17)のように選び、これを微分すると式(数18)となる。
Figure 2011111966
Figure 2011111966
式(数16)を式(数18)に代入すると、下式(数19)となる。
Figure 2011111966
非線形入力Unlを下式(数20)とすると、リアプノフ関数の微分は式(数21)となる。
Figure 2011111966
Figure 2011111966
従って、切換ゲインkを正とすれば、リアプノフ関数の微分値を負とすることができ、スライディングモードの安定性が保証される。
そして、式(数20)における切換ゲインkを式(数22)で置き換えると、非線形入力Unlは式(数23)となる。
Figure 2011111966
Figure 2011111966
非線形ゲインJは、下式(数24)に示すように、ベクトル因数Jkにスカラ因数kを乗じたものである。
Figure 2011111966
式(数24)におけるベクトルJk=[jk1,jk2,jk3Tは、従前の非線形入力Unl(数2)における切換ゲインベクトルkと同様、EGRバルブ45の開度u1、可変ターボのノズルベーン42の開度u2及びスロットルバルブ33の開度u3の各々と、EGR率y1及び吸気管内圧力y2の各々との間の入出力特性に基づいて決定する。
各制御入力u1、u2、u3に対する各制御出力y1、y2のステップ応答を観測すれば、バルブ45、42、33の開度u1、u2、u3が単位量(典型的には、開度値1%)変化したときのEGR率y1、吸気管内圧力y2の変化量を知ることができる。Jkは、ステップ応答における、各バルブ45、42、33の制御出力y1、y2に対する寄与度を均等化するように定めることが好ましい。つまり、EGRバルブ45の開度変化に対する制御出力y1、y2の感度は比較的低い(EGRバルブ45を操作しても制御出力y1、y2はあまり変化しない)ので、EGRバルブ45に係る非線形入力値unl1を算出するために乗ずるべきゲインjk1は比較的大きな値とする。逆に、ノズルベーン42の開度変化に対する制御出力y1、y2の感度は比較的高い(ノズルベーン42を操作することで制御出力y1、y2が少なからず変化する)ので、ノズルベーン42に係る非線形入力値unl2を算出するために乗ずるべきゲインjk2は比較的小さな値とする。
ベクトルJkは、例えばJk=[2.18,0.68,1]Tと決定する。この例示値Jkは、ステップ応答において、EGRバルブ45の開度u1を2.18%変化させた際に生ずる制御入力y1、y2の変化量と、ノズルベーン42の開度u2を0.68%変化させた際に生ずる制御入力y1、y2の変化量と、スロットルバルブ33の開度u3を1%変化させたときに生ずる制御入力y1、y2の変化量とが概ね等しいと考えられる旨を意味している。
また、式(数24)におけるスカラkは適合係数であり、コントローラ51設計時の適合を通じて適宜に決定する。
総じて、スライディングモードコントローラ51が算出する制御入力Uは、下式(数25)となる。
Figure 2011111966
尤も、本実施形態のような3入力2出力のシステムでは、det(SBe)=0が成立し、行列(SBe)は正則とはならない。そこで、逆行列(SBe-1を、一般化逆行列として算定する。一般化逆行列には、例えばムーア・ペンローズ型の逆行列(SBeを用いる。
しかして、補正制御部52は、内燃機関2の現在の運転領域等に応じ、操作部45、42、33に与えるべき制御入力Uに補正を施す。
まず、補正制御部52は、スライディングモードコントローラ51が式(数23)に則り算出する非線形入力Unlが所定閾値を超える場合に、非線形入力項Unlを当該閾値にクリップする。即ち、コントローラ51が算出する非線形入力Unl=[unl1,unl2,unl3Tの成分unl1、unl2またはunl3が、それぞれに対する閾値を超える場合に、その成分値unl1、unl2またはunl3を閾値に書き換える。本実施形態では、各成分値unl1、unl2またはunl3に対する閾値を、バルブ45、42、33の開度値換算で±50%と定めており、unl1、unl2またはunl3の値が50%を上回るのであればそのunl1、unl2またはunl3の値を50%にクリップし、−50%を下回るのであればそのunl1、unl2またはunl3の値を−50%にクリップする。
並びに、補正制御部52は、線形入力Ueqと非線形入力Unlとの和である制御入力U(数25)に、さらに補正項Umapを加味する。スライディングモードコントローラ51の設計においては、特定の運転領域、即ちある特定のエンジン回転数及び要求燃料噴射量の下における内燃機関2のノミナルモデル(行列A、B)を同定し、状態方程式(数6)を得て切換超平面Sを導出している。ノミナルモデルと実プラントとの間のモデル化誤差(摂動)は、低回転低負荷域や高回転高負荷域等、ノミナルポイントから離れた領域では拡大する。補正項Umapは、このモデル化誤差を縮小して非線形入力Unlを速やかに0へと収束させるための適応項(マップ項)である。
mapマップは、個々の運転領域[エンジン回転数,燃料噴射量]毎にその運転領域に適した(または、代表的な)目標EGR率及び目標吸気管内圧力を定め、この目標を実機の内燃機関2で達成した定常状態における各操作部45、42、33の開度Ubaseを計測するとともに、同一の目標をスライディングモードコントローラ51に与えて偏差のない定常状態における線形入力Ueqを演算させることによって作成する。実機での操作部45、42、33の開度の実測値Ubaseから、スライディングモードコントローラ51による線形入力の算出値Ueqを減算すれば、個々の運転領域[エンジン回転数,吸気管内圧力]に対応したマップ項Umap=Ubase−Ueqを得られる。
ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、エンジン回転数及び要求噴射量に応じて設定するべきUmapを示すマップデータが記憶されている。ECU5は、エンジン回転数及び要求噴射量をキーとしてマップを検索し、補正項Umapを知得、そのUmapをスライディングモードコントローラ51が算出した制御入力Uに加算する。最終的に、操作部45、42、33に与えられる制御入力Uは、下式(数26)となる。
Figure 2011111966
なお、現実の内燃機関2の制御では、運転領域[エンジン回転数,燃料噴射量]が同一であったとしても、達成するべき目標EGR率及び/または目標吸気管内圧力が相異するケースが発生し得る。現実の制御における目標がマップの作成の際に定めた目標と異なる場合、最適なマップ項Umapも変わってくる。故に、マップを参照して知得したマップ項Umapに、さらに環境補正を加えるようにすることがより好ましい。環境補正は、目標EGR率及び/または目標吸気管内圧力の基本値を補正するパラメータである冷却水温、吸気温、外気温、大気圧等に応じてマップ項Umapを補正するものである。
また、補正制御部52は、スライディングモードコントローラ51が非線形入力Unlの算出に用いるゲインJ(ベクトルJk及び/またはスカラk)を、内燃機関2の運転領域に応じて切り換えることができる。非線形入力Unlの急激な増減に起因した制御入出力のハンチングは、高回転高負荷の運転領域にて発生する可能性が高い。そこで、高負荷高回転領域におけるゲインJを、それ以外の運転領域におけるゲインJよりも小さな値に設定することが考えられる。
ECU5のROMまたはフラッシュメモリには予め、エンジン回転数及び要求噴射量に応じて設定するべきJを示すマップデータが記憶されている。ECU5は、エンジン回転数及び要求噴射量をキーとしてマップを検索し、ゲインJを知得、以後の演算サイクルにおいてはそのJを用いて非線形入力Unlの演算を実行する。
無論、単純にゲインJを切り換えるのみであると、その切り換え前と切り換え後とでスライディングモードコントローラ51が算出する非線形入力Unlがステップ的に変動する。これにより、操作部たる各バルブ45、42、33の開度が跳躍するように変わってしまうため、却って制御入出力のハンチングを引き起こしかねない。従って、ゲインJを切り換えるときには、スライディングモードコントローラ51が参照する状態変数Xeの書き換えを行い、ゲイン切り換え前の非線形入力Unlと切り換え後の非線形入力Unlとの乖離を抑圧する。
ゲインをJn-1からJnに切り換える直前に算出された非線形入力Unl(n-1)と、切り換えた直後に算出される非線形入力Unl(n)とが等しくなるためには、下式(数27)が成立する必要がある。
Figure 2011111966
σn-1はゲイン切り換え直前の時点における切換関数、σnはゲイン切り換え直後の時点における切換関数である。式(数27)を満たすσnを算出し、さらに式(数7)に基づいて当該σnを実現するXeを逆算すれば、Unl(n-1)とUnl(n)とを等しくすることができる。
状態量Xe=[xe1e2e3e4Tは、その成分として、制御出力Yと目標値Rとの偏差の時間積分xe1、xe2と、制御出力Y自体xe3、xe4とを含んでいる。状態変数xe3はEGR率y1そのものであり、状態変数xe4は吸気管内圧力y2そのものである。他方、状態変数xe1及びxe2は、非線形入力Unlに影響を及ぼすが、線形入力Ueqには影響を及ぼさない(行列Aeの定義に留意)。よって、式(数27)を満足するような状態変数xe1及び/またはxe2を逆算し、これを書き換えることとする。状態変数xe3及びxe4は、書き換えない。
図4に、ECU5が実行する処理の手順例を示す。ECU5は、エンジン回転数及び要求燃料噴射量等を参照して、過去の演算サイクルと現在の演算サイクルとの間で運転領域が大きく変化してゲインJを切り換える必要があるか否かを判断する(ステップS1)。
ゲインJを切り換える必要がないと判断した場合、線形入力Ueqを算出し(ステップS2)、また以前のゲインJをそのまま用いて非線形入力Unlを算出する(ステップS3)。算出した非線形入力Unlの何れかの成分Unl1、Unl2、Unl3が所定閾値を超えているのであれば(ステップS4)、閾値を超えた成分Unl1、Unl2、Unl3を当該閾値にクリップして最終的な非線形入力Unlを得る(ステップS5)。並びに、エンジン回転数及び要求燃料噴射量等に基づき、補正項Umapを決定する(ステップS6)。
翻って、ゲインJを切り換える必要があると判断した場合には、エンジン回転数及び要求燃料噴射量等に基づいてゲインJを決定する(ステップS7)。さらに、式(数27)の条件を満足するような状態量Xeを逆算、ECU5のメモリに記憶保持している状態量Xeの書き換えを行う(ステップS8)。その上で、線形入力Ueq及び非線形入力Unlを算定し(ステップS2ないしS5)、補正項Umapを決定する(ステップS6)。
しかる後、線形入力Ueq、非線形入力Unl及び補正項Umapの和である制御入力Uを操作部45、42、33に与え、これら操作部45、42、33を操作する(ステップS9)。ECU5は、上記のステップS1ないしS9を反復する。
本実施形態によれば、内燃機関2またはこれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、スライディングモードコントローラ51が演算する、操作部45、42、33に与えるべき制御入力Uのうちの非線形入力項Unlが式(数23)の形で表されることを特徴とする制御装置5を構成したため、切換関数σが0に近い、即ちプラントの状態Xeが切換超平面Sに近い値域で上下したとしても、非線形入力Unlが急激に増減せず、ハンチングの引き金とならない。また、非線形入力Unlから平滑化係数ηが消失することに伴い、平滑化係数ηの適合を行う工数を削減することにもつながる。
加えて、式(数23)に則って算出した非線形入力項Unlが所定閾値を超えた暁には、非線形入力項Unlを当該閾値にクリップした上で制御入力Uを算定するため、非線形入力Unlが際限なく巨大化することもない。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、内燃機関の運転領域に応じてゲインJを切り換えていたが、ゲインJを運転領域如何によらず一定とする態様もとり得る。
制御入力Uに加味する補正項Umapの決定手法もまた、一意には限定されない。
EGR制御における制御入力変数は、EGRバルブ開度、可変ノズルターボ開度及びスロットルバルブ開度には限定されない。制御出力変数も、EGR率(または、EGR量)及び吸気管内圧力(または、吸気量)には限定されない。新たな入力変数、出力変数を付加して、4入力3出力の3次システムを構築するようなことも可能である。例えば、吸気系に過給機(のコンプレッサ)をバイパスする通路が存在している場合、その通路上に設けられたバルブをも操作することがある。このとき、当該バイパス通路内の圧力または流量等を制御出力変数に含め、当該バイパス通路上のバルブの開度を制御入力変数に含めることができる。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、例えば、過給機及びEGR装置が付帯した内燃機関のEGR率を制御するための制御コントローラとして利用することができる。
5…ECU(制御装置)
51…適応スライディングモードコントローラ
52…補正制御部

Claims (2)

  1. 内燃機関またはこれに付帯する装置をスライディングモード制御するものであって、
    スライディングモードコントローラが演算する、操作部に与えるべき制御入力Uのうちの非線形入力項Unlが下式(数28)の形で表されることを特徴とする制御装置。
    但し、Sは切換超平面を構成する行列、Bは状態方程式における入力行列、Jは非線形入力Unlの算出にあたり乗ずるゲイン、σは切換関数
    Figure 2011111966
  2. 前記式(数28)に則って算出した非線形入力項Unlが所定閾値を超える場合には、非線形入力項Unlを当該閾値にクリップした上で制御入力Uを算定する請求項1記載の制御装置。
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