JP2011111655A - プラズマcvd装置のクリーニング方法、半導体薄膜の成膜方法、光電変換素子の製造方法およびプラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd装置のクリーニング方法、半導体薄膜の成膜方法、光電変換素子の製造方法およびプラズマcvd装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排気配管の温度変化によりクリーニング完了時を判断することにより、より適切なクリーニングを行なうことができる、プラズマCVD装置のクリーニング方法およびプラズマCVD装置を提供する。
【解決手段】成膜室2の内部に、エッチングガスを導入した状態においてプラズマを発生させる第1工程を備える。また、排気配管の温度が、クリーニング開始前における排気配管の温度から所定の温度以上上昇した後に、プラズマの発生を停止する第2工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマCVD装置のクリーニング方法、半導体薄膜の成膜方法、光電変換素子の製造方法およびプラズマCVD装置に関する。
プラズマCVD装置においては、薄膜が形成される基板以外に、装置の構成部品の表面にも膜が堆積する。膜の堆積が進行すると、その膜が剥がれ落ちて基板の薄膜中に混入することがある。堆積膜が薄膜中に混入することは、基板に形成される膜の膜質の低下の原因となる。このため、成膜室の内部を定期的にクリーニングする必要がある。なお、本明細書においては、プラズマCVD装置には、成膜室だけでなく、ガス供給および排気などに関係する周辺機能も含まれる。
プラズマCVD装置のクリーニングは、以下の方法で行なわれる。カソード電極とアノード電極とからなる電極対が配置された成膜室内にエッチングガスを導入し、成膜室に接続された排気配管に設けられた圧力調整バルブによって、反応容器内の混合ガスの圧力を略一定に調整する。その後、電極間に高電圧を印加して、プラズマを発生させる。
プラズマのエネルギーによりエッチングガスが励起され、エッチングガスに応じたラジカルおよびイオンの少なくともいずれかが発生する。この発生したラジカルおよびイオンが、堆積膜をエッチングすることができるエッチング反応種(エッチャント)となる。堆積膜とエッチャントとが反応することにより堆積膜は気体になり、この気体が排気配管を通じて排出されることで、クリーニングが行なわれる。
プラズマCVD装置におけるシリコン系堆積膜のクリーニングの一例としては、フッ素系のガスを成膜室内に導入した状態でプラズマを発生させることにより、エッチャントであるフッ素ラジカルを生成させる。生成させたフッ素ラジカルとシリコン系堆積膜とが反応することにより、シリコン系堆積膜が気体となって除去され、プラズマCVD装置のクリーニングが行なわれる。
エッチャントは反応性が非常に強いため、成膜室内をクリーニングする際のクリーニング時間が堆積膜をクリーニングするために必要な時間に対して長すぎる場合(オーバーエッチング条件)、成膜室の内壁または成膜室内に配置された電極などの構成部品自体が、エッチャントに腐食される。
逆に、構成部品の腐食を防ぐために、クリーニング時間を堆積膜をクリーニングするために必要な時間に対して短くした場合、成膜室内におけるクリーニングが不足して堆積膜が残る箇所が発生する。この場合、残った堆積膜が剥がれ落ちて、基板に形成される薄膜中に混入し、膜質を低下させることがある。
上記の問題を解消するため、最適な条件で堆積膜を除去する事ができるクリーニング方法または装置が必要となる。
プラズマCVD装置におけるクリーニングモニタ方法を開示した先行文献として、特許文献1がある。特許文献1に記載のプラズマCVD装置のクリーニングモニタ方法においては、成膜室内の電極カバーに設けた温度センサからの検出結果に基づいて、クリーニングの終了時点を判断している。
具体的には、クリーニングを行うと、付着物とエッチャントとの反応熱により、膜が堆積しているプラズマCVD装置の構成部品が加熱される。堆積していた膜が完全に除去されると、反応が終了して加熱がとまる。温度センサを用いて成膜室内の構成部品の温度上昇が止まった時点を検出し、その時点でクリーニングが完了したと判断して、クリーニングプロセスを終了させる。このようにして、成膜室内のクリーニング不足および過剰クリーニングを防止している。
成膜ガスおよびエッチングガスの排出ならびに成膜室内の圧力調整のため、成膜室には排気配管が接続されている。成膜プロセス時には、排気による気体の流れに乗って拡散したガスが気相反応することにより発生する固体の反応物が、排気配管の内壁にも堆積する。従来、排気配管の内壁への付着物は、成膜室内のクリーニングでは除去することができないと考えられていた。そこで、排気配管の内部の付着物を除去することができるプラズマ処理装置を開示した先行文献として、特許文献2を示す。
特許文献2に記載のプラズマ処理装置においては、排気配管内にクリーニング用のプラズマ発生電極を設け、クリーニング時に、排気配管内にプラズマを発生させている。排気配管内においてエッチャントを直接発生させることにより、排気配管内の堆積膜とエッチャントとを反応させてクリーニングしている。
特開2002−212734号公報 特開平5−90229号公報
しかしながら、プラズマCVD装置の成膜室内には、カソード電極およびアノード電極の他にもガス配管、電力導入配線、基板搬入出機構および冷却配管など様々な構成部品が配置されている。それぞれの構成部品は、プラズマが発生する領域からそれぞれ異なる距離および位置に配置されている。そのため、成膜室内をクリーニングした際のクリーニングの進行状況には、場所によりばらつきがある。また、成膜室に限らず、プラズマCVD装置として見たときにも、同様である。
特許文献1に記載のプラズマCVD装置のクリーニングモニタ方法においては、温度センサの取り付け位置近傍におけるクリーニング終了点しか検出することができない。そのため、プラズマCVD装置のクリーニング状況を正確に検知することができない。
特許文献2に記載のプラズマ処理装置は、排気配管に別途クリーニング用電極を設ける必要がある。そのため、この装置は、電極および電力供給配線の追加に伴う装置コストの増加、メンテナンス性の悪化、および、感電防止などの安全対策にかかるコストの増加などの問題を有している。
本発明は上記の問題点に鑑み成されたものであって、排気配管の温度変化によりクリーニング完了時を判断することにより、より適切なクリーニングを行うことができる、プラズマCVD装置のクリーニング方法、半導体薄膜の成膜方法、光電変換素子の製造方法およびプラズマCVD装置を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に基づくプラズマCVD装置のクリーニング方法は、成膜室および成
膜室に接続された排気配管を含むプラズマCVD装置の内部をクリーニングする方法である。プラズマCVD装置のクリーニング方法は、成膜室の内部にエッチングガスを導入した状態においてプラズマを発生させる第1工程を備える。さらに、プラズマCVD装置のクリーニング方法は、排気配管の温度がクリーニング開始前における排気配管の温度から所定の温度以上上昇した後に、プラズマの発生を停止させる第2工程を備える。
本発明者は、プラズマCVD装置のクリーニングにおいて、成膜室内のクリーニングが完了した後において、成膜室に接続された排気配管の内部のクリーニングが開始されることを初めて発見した。上記のプラズマCVD装置のクリーニング方法によると、成膜室内の付着物のクリーニングが完了した後もクリーニングを継続することにより、排気配管の内部をクリーニングすることができる。排気配管の内部をクリーニングすることにより、堆積膜が排気配管を閉塞させることによる排気圧変動、および、排気配管の内部から剥がれた堆積膜が真空ポンプに吸引されてポンプを停止させるトラブルなどを抑制することができる。
本発明における一形態として、上記第2工程において、排気配管の温度が、プラズマを発生させる前の排気配管の温度から5℃以上上昇した後に、プラズマの発生を停止させる。このようにする場合、電極のクリーニングが完了し、排気配管の温度が僅かに上昇した時点で、クリーニングを停止することにより、成膜室の内部の付着物を除去するとともに、成膜室の内部をオーバーエッチングすることを抑制することができる。
本発明における一形態として、上記第2工程において、排気配管の温度が、プラズマを発生させる前の排気配管の温度から20℃以上上昇し、かつ、排気配管の温度がピーク値から低下した後に、プラズマの発生を停止させる。このようにする場合、成膜室内部の腐食を最小限に抑えつつ、成膜室および排気配管の内部の付着物を十分に除去することができる。
本発明の他の局面に基づくプラズマCVD装置のクリーニング方法は、成膜室および成膜室に接続された排気配管を含むプラズマCVD装置の内部をクリーニングする方法である。プラズマCVD装置のクリーニング方法は、成膜室の内部にエッチングガスを導入した状態においてプラズマを発生させる第1工程を備える。さらに、プラズマCVD装置のクリーニング方法は、排気配管の温度上昇率が所定の温度上昇率以上になった後に、プラズマの発生を停止させる第2工程を備える。
上記のプラズマCVD装置のクリーニング方法によると、成膜室内の付着物のクリーニングが完了した後もクリーニングを継続することにより、排気配管の内部をクリーニングすることができる。排気配管の内部をクリーニングすることにより、堆積膜が排気配管を閉塞させることによる排気圧変動、および、排気配管の内部から剥がれた堆積膜が真空ポンプに吸引されてポンプを停止させるトラブルなどを抑制することができる。
本発明における一形態として、上記第2工程において、排気配管の温度上昇率が、1分毎0.2℃以上になった後に、プラズマの発生を停止させる。このようにする場合、電極のクリーニングが完了し、排気配管の温度上昇率が所定の温度上昇率以上になった時点で、クリーニングを停止することにより、成膜室の内部の付着物を除去するとともに、成膜室の内部をオーバーエッチングすることを抑制することができる。
本発明における一形態として、上記第2工程において、排気配管の温度上昇率が1分毎3℃以上となった後、排気配管の温度がピーク値から低下し始めた時点で、プラズマの発生を停止させる。このようにする場合、成膜室内部の腐食を最小限に抑えつつ、成膜室および排気配管の内部の付着物を十分に除去することができる。
本発明に基づく半導体薄膜の成膜方法は、上記のいずれかに記載のプラズマCVD装置のクリーニング方法を用いてプラズマCVD装置をクリーニングする工程と、プラズマCVD装置をクリーニングする工程の後に、プラズマCVD装置を用いて半導体薄膜を成膜する工程とを備えている。
上記の半導体薄膜の成膜方法によると、基板に薄膜を形成する際の成膜室内の堆積膜が除去されているため、高品質の膜質を有する半導体薄膜を形成することができる。
本発明に基づく光電変換素子の製造方法は、上記に記載の半導体薄膜の成膜方法を用いて半導体薄膜を成膜する工程を含む。
上記の光電変換素子の製造方法によると、基板に薄膜を形成する際の成膜室内の堆積膜が除去されているため、高品質の膜質を有する光電変換素子を形成することができる。
本発明に基づくプラズマCVD装置は、電極が内部に配置される成膜室および成膜室に接続された排気配管を含むプラズマCVD装置である。プラズマCVD装置は、電極間にプラズマを発生させる電力を供給する電力供給部と、成膜用プロセスガスおよびエッチング用ガスを選択して成膜室に供給するガス供給部とを備えている。また、プラズマCVD装置は、成膜室から排気配管を通じて排気されるガス量を調節する排気バルブと、排気配管の外壁または内壁に設けられ、クリーニング時の排気配管の温度を検出する第1温度検出装置を備えている。
上記のプラズマCVD装置によると、成膜室内の付着物のクリーニングが完了した後もクリーニングを継続し、第1温度検出装置により排気配管の温度を検出してクリーニングの終了時点を判断することにより、装置コストの上昇を抑制しつつ、排気配管の内部までクリーニングすることができる。排気配管の内部をクリーニングすることにより、堆積膜が排気配管を閉塞させることによる排気圧変動、および、排気配管の内部から剥がれた堆積膜が真空ポンプに吸引されポンプを停止させるなどのトラブルを抑制することができる。
本発明における一形態としては、排気配管が曲折した曲部を有し、第1温度検出装置が曲部の排気配管の外壁または内壁に設けられている。このようにする場合、付着物が堆積しやすく排気配管の温度変化が顕著に現れる曲部において排気配管の温度を検出することにより、クリーニングの終了時点を的確に決定することができる。
本発明における一形態としては、第1温度検出装置が検出した排気配管の温度に基づいて、電力供給部、ガス供給部および排気バルブの少なくとも1つの動作を制御する制御部を備えている。このようにする場合、第1温度検知装置の検出結果に基づいて、制御装置により自動でクリーニング動作の一部または全部を制御することができる。制御装置としては、別途、プラズマCVD装置にハードウェアを付帯してもよいし、プラズマCVD装置のプロセスコントローラーにプログラムを追加することにより実現してもよい。
本発明における一形態としては、成膜室の内部の温度を検出する第2温度検出装置を備えている。上記制御部は、第1温度検出装置の検出した排気配管の温度および第2温度検出装置の検出した成膜室の内部の温度に基づいて、電力供給部、ガス供給部および排気バルブの少なくとも1つの動作を制御する。
上記のプラズマCVD装置においては、第1温度検出装置および第2温度検出装置により排気配管および成膜室内の温度を検出して、排気配管内および成膜室内のクリーニング
状況の両方を検知することができる。その結果、クリーニングの進行状況をより確実に判断することが可能となり、クリーニング条件を適切に決定することができる。
本発明によると、成膜室内の付着物のクリーニングが完了した後もクリーニングを継続することにより、装置コストの上昇をおさえつつ、排気配管の内部までクリーニングすることが可能となる。
本発明の実施形態1に係わるプラズマCVD装置の構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態に係わるプラズマCVD装置においてクリーニングした際の、排気配管の温度を計測した結果を示すグラフである。 同実施形態に係わるプラズマCVD装置においてクリーニングした際の、電極間電圧を計測した結果を示すグラフである。 同実施形態に係わるプラズマCVD装置の制御部の制御関係を示すブロック図である。 同実施形態の第4変形例として、排気バルブの近傍に熱電対を取り付けた状態を模式的に示す断面図である。 排気バルブの構造の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態2に係わるプラズマCVD装置の構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態に係わるプラズマCVD装置の制御部の制御関係を示すブロック図である。 本発明の実施形態3に係わる薄膜シリコン太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態1におけるプラズマCVD装置のクリーニング方法およびプラズマCVD装置について、図を参照しながら説明する。
実施形態1
図1は、本発明の実施形態1に係わるプラズマCVD装置の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、実施形態1に係わるプラズマCVD装置1においては、成膜室2の内部に、カソード電極5およびアノード電極8から構成される電極対が配置されている。なお、プラズマCVD装置には、成膜室2、ガス供給装置15およびガス導入管13などのガス供給部、交流電源19および整合回路20などの電力供給部、排気配管16および排気バルブ18などの排気系が含まれる。
成膜室2は、プラズマ処理を行うための空間である。成膜室2内の真空度は、成膜室2に接続された排気配管16を通じて、排気されることにより調節される。排気配管16は、真空ポンプ26に接続されている。これにより、成膜室2の内部を大気圧以下の圧力に保持することができる。排気配管16には、排気調節用の排気バルブ18が設けられている。本実施形態の排気配管16には、曲折した曲部17が設けられているが、曲部17を設けなくてもよい。
交流電源19および整合回路20から電力供給部が形成されている。カソード電極5は、整合回路20を通じて交流電源19に接続されている。交流電源19は、カソード電極5とアノード電極8との間に交流電力を供給するものであり、たとえば、RF(Radio Frequency)電源である。整合回路20は、電極対および交流電源19の間のインピーダンス
整合を行うものである。
カソード電極5は、シャワープレート3および母材4から構成されている。シャワープレート3においては、矩形状のプレートにガスの流路となる複数のガス供給孔6が形成されている。母材4には、溝7と、溝7に接続された貫通孔とが形成されている。母材4の溝7にシャワープレート3の複数のガス供給孔6が接続されるように、母材4の下面にシャワープレート3が取り付けられている。
カソード電極5の母材4の貫通孔に、ガスを導入するガス配管12が接続されている。本実施形態においては、ガス配管12は、二重配管構造で形成されており、内管10と外管11とから構成されている。ガス配管12の材料としては、装置内で容易に曲げることのできるフッ素樹脂を用いた。クリーニング時間を長くすると、エッチングにより外管11の表面が腐食されるが、ガス配管12を二重配管構造とすることで、内管10が腐食されることを抑制することができる。
ガス配管12、ガス導入管13およびガス供給装置15からガス供給部が構成されている。ガス導入管13には、ガス供給装置15が接続されている。ガス供給装置15は、成膜室2において、成膜処理を行う際には成膜用のプロセスガスを供給し、成膜室2において、クリーニングする際にはエッチングガスを供給する。ガス供給装置15により、ガスの流量調整、および、ガスの供給の開始または停止の調節が行なわれる。成膜用のプロセスガスとしては、シランなどのシリコン系のガスを用いた。また、エッチングガスとしては、NF3などのフッ素系のガスを用いた。
上記の構成により、成膜用のプロセスガスまたはクリーニング用のエッチングガスが、カソード電極5とアノード電極8との間に、複数のガス供給孔6から均一に供給される。
アノード電極8は、カソード電極5のシャワープレート3に所定の間隔を置いて対向するように配置されている。アノード電極8は、接地されており、また、プラズマ処理される基板23を支持することができるように構成されている。さらに、アノード電極8には、基板23を加熱するためのヒータ9が設けられている。基板23としてガラス基板を用いたが、基板23はこれに限られない。
カソード電極5およびアノード電極8は、エッチングされにくいアルミニウム合金を用いて形成されている。ただし、成膜室2の内部のオーバーエッチングを抑制してクリーニングする場合には、アルミニウム合金よりもエッチング耐性の低い、ステンレス鋼またはカーボンなどを用いて電極が形成されてもよい。
曲部17排気配管16の外壁に、排気配管16の温度を検出する第1温度検知装置21である熱電対が取り付けられている。本実施の形態においては、排気配管16の外壁に設置する構成を示しているが、排気配管の内壁に設置する構成も可能である。
本実施形態のように排気配管16の外に第1温度検知装置21である熱電対を取り付けることにより、熱電対がエッチングガスに接触しないようにすることができ、熱電対の腐蝕を防止することができる。また、熱電対の交換の際に、排気配管を分解する必要がないため、メンテナンス時間の短縮を図れ、装置稼働率を向上することできる。曲部17の排気配管16の外壁に熱電対を取り付けたのは、曲部17において流路が曲折しており、排気抵抗が局所的に高くなるので、膜が直行配管部より厚く堆積しやすいからである。そのため、曲部17の排気配管16では、クリーニング時の温度変化が顕著に現れる。よって、曲部17の排気配管16は、クリーニング終了点を検出するのに好適な場所となる。
第1温度検知装置21は熱電対に限定されず、温度を逐次検出できる装置であればよい。第1温度検出装置21は、制御部22に接続され、制御部22は検出温度を逐次モニタリングしている。制御部22は、ガス供給装置15、交流電源22、圧力コントローラーと各装置の動作を制御可能に接続されており、第1温度検出装置21の排気配管温度検出結果に基づいて、成膜室2内へのエッチングガスの導入、成膜室2内の圧力を調節する図示しない圧力コントローラーおよびプラズマの発生を調節することができる。
成膜室2の内部において、プラズマを発生させることにより基板23上への膜形成が行われる。以下、本実施形態のプラズマCVD装置における成膜方法を説明する。
アノード電極8の上面に基板23が載置される。ガス導入管13およびガス配管12を通して、成膜用のプロセスガスが供給される。プロセスガスとしては、原料ガスであるSiH4ガスと、希釈ガスであるH2ガスとの混合ガスが用いられる。成膜室2に導入されたプロセスガスは、排気配管16から排気される。プロセスガスの導入速度と排気配管16からの排気速度とのバランスが制御されることにより、成膜室2内の圧力が、たとえば、数百Pa程度になるように調節される。成膜室2内の圧力は、300Pa以上2000Pa以下であることが好ましい。
次に、電極対において放電されてプラズマが発生させられることにより、基板23上においてシリコン薄膜24の成膜が行われる。成膜終了後、放電およびプロセスガスの導入が停止される。その後、基板23が成膜室2から搬出される。
上記の成膜の際に、カソード電極5の表面、アノード電極8のうち基板23に覆われていなかった部分や成膜室内の他の構成部品の表面に、膜が付着する。この膜は堆積が進行すると剥離しやすくなる。剥離した膜が、成膜中にシリコン薄膜の中に取り込まれると、膜の特性劣化などの問題となる。そのため、この付着物を除去するために、成膜室内のクリーニングが行われる。以下、本実施形態のプラズマCVD装置におけるクリーニング方法について説明する。
まず、ガス導入管13およびガス配管12を通して、エッチングガスが成膜室2の内部に供給される。エッチングガスは、反応性エッチングを行うための反応性ガスと、この反応性ガスを希釈するための希釈ガスとの混合ガスであり、本実施形態においては、反応性ガスであるNF3と希釈ガスであるArガスとの混合ガスを用いた。
成膜室2に導入されたエッチングガスは、排気配管16から排気される。エッチングガスの導入速度と排気配管16からの排気速度とのバランスが制御されることにより、成膜室2内の圧力が調節される。
交流電源19から電力が供給されることにより、電極対において放電が開始され、成膜室2内にプラズマが発生する。このように、成膜室2の内部に、エッチングガスを導入した状態においてプラズマを発生させる工程が第1工程である。交流電源19の供給電力値は、アノード電極とカソード電極との間にグロー放電プラズマを発生させることができる最低電力以上であり、エッチング処理速度などの所望のエッチング条件を実現する電力値とする。クリーニング中に、交流電源19から供給される電力が、適宜変更されるようにしてもよい。
成膜室2内のクリーニングが完了した後、エッチングガスの導入、および、プラズマの発生が停止される。このクリーニングの完了時点を、成膜室2に接続された排気配管16の温度を第1温度検知装置21である熱電対により検出し、その検出結果に基づいて、制御部22が判断する。この工程が、第2工程である。本実施形態においては、第1温度検
知装置21および制御部22を設けているが、第1温度検知装置21および制御部22を設けていなくても、排気配管16の温度が、クリーニング開始前における排気配管16の温度から所定の温度以上上昇した後に、プラズマの発生が停止させられるようになっていればよい。
図2は、本実施形態に係わるプラズマCVD装置においてクリーニングした際の、排気配管の温度を計測した結果を示すグラフである。図2においては、縦軸に排気配管の温度を、横軸にクリーニング開始時からの経過時間を示している。
本実施形態においては、0.1℃単位の測定が可能な熱電対を用いて、排気配管温度を測定した。温度は、常時、測定し続けることが望ましいため、シーケンサーのサンプリングタイムに依存して、100msec程度の間隔で測定を行っている。プラズマCVD装置の成膜室内での、ヒーターの使用状態、装置周辺の環境などから排気配管の温度は影響を受け、測定値にゆらぎがみられる。言い換えれば、一時的に測定値が上がったり下がったりすることがある。そのため、排気配管の温度の1分間通した変動を把握して、クリーニング終了の時点を決定するようにした。
図2に示すように、クリーニングを開始した時点からP1分経過するまでの間は、配管温度はT1℃で略一定である。この区間Aにおいては、成膜室2内のクリーニングが進行している段階であり、排気配管16の内部においては、クリーニングがほとんど進行していない。区間Aの終点Xにおいて、カソード電極およびアノード電極のクリーニングが終了している。本実施形態においては、区間Aの終点Xは、クリーニングを開始してから36分経過しており、その時の配管温度は60℃であった。
区間Aの終点Xを経過した後、排気配管16の温度が徐々に上昇する。P1分経過からP2経過までの区間Rは、電極以外の成膜室内部のクリーニング段階であって、排気配管16の温度も徐々に増加することになる。区間Bの終点Yにおいて、成膜室2全体のクリーニングが終了し、その時の排気配管16の温度はT2℃になっている。本実施形態においては、区間Bの終点Yは、クリーニングを開始してから55分経過しており、その時の配管温度は77℃であった。
区間Bの終点Yを経過した後、排気配管16の温度は引き続き上昇するが、排気配管16の温度上昇率は徐々に低下する。P2分経過からP3分経過までの区間Cは、排気配管16のクリーニングの終期段階であって、区間Cの終点Zにおいて、排気配管16の温度はピーク値であるT3℃になり、その時の温度上昇率はゼロとなる。本実施形態においては、区間Cの終点Zは、クリーニングを開始してから65分経過しており、その時の配管温度は110℃であった。
区間Cの終点Zを経過すると、排気配管16の温度上昇率はマイナスとなり、排気配管16の温度が低下する。P3分経過以降の区間Dは、排気配管16内部のクリーニングが完了した段階である。この段階においては、成膜室2の内部および排気配管16の内部に堆積していた膜は、十分にクリーニングされ、エッチングガスとの反応が生じない状態となっている。
図3は、本実施形態に係わるプラズマCVD装置においてクリーニングした際の、電極間電圧を計測した結果を示すグラフである。図3においては、縦軸に電極間電圧(Vpp)を、横軸に電圧印加時間を示している。電極間電圧(Vpp)は、高周波電力の交流成分のピークからピークまでの一周期分の電圧であり、一般的に、プラズマ処理室内に励起されたプラズマの状態、たとえば、プラズマ密度の変化に伴って変動する。このため、電極間電圧(Vpp)を常時測定することにより、プラズマ処理中のプラズマの状態を正確に把握するこ
とができる。
図3に示すように、クリーニングを開始した直後に電極間電圧(Vpp)は急激に立上りV1(V)となる。その後、成膜室2の内部がクリーニングされている区間Aにおいては、電極間電圧(Vpp)は、V1(V)で略一定になった後、電極上の堆積膜の減少に伴い、緩やかに低下し始める。電極のクリーニング終了時には、電極間電圧(Vpp)は、V2(V)に低下する。
上記のように、クリーニング時の電極間電圧を確認することにより、区間Aと区間Bとの境界であるPE経過時を検知することができる。このPEは、図2に示したP1と略一致している。本実施形態においては、区間Aにおいて、電極間電圧が4200Vで略一定になった後低下し、PE経過後、3900Vで略一定となった。
上記のように、プラズマCVD装置のクリーニングを行なった場合、クリーニングによってカソード電極に付着した膜が除去されるため、膜に起因するコンデンサ容量がなくなり、電極間のインピーダンスが変化する。膜が除去されてインピーダンスが変化すると、広がっていたプラズマが縮小し、電極上に局所的にエッチング速度が異なる領域が発生する。
そのため、カソード電極に局所的なダメージが発生しないようにするとともに、クリーニング速度を維持するために、図3の区間Bにおいては、プラズマの発生条件を変えるようにしてもよい。具体的には、電極間電圧の値が、V1を維持するように、供給電力を逐次増加させる。または、エッチングガスのNF3の濃度を減少させてArの濃度を増加させるようにすることにより、電極間電圧を維持するようにしてもよい。
図4は、本実施形態に係わるプラズマCVD装置の制御部の制御関係を示すブロック図である。図4に示すように、第1温度検知装置21による排気配管16の温度の検出結果が、制御部22に送られる。制御部22は、受信した第1温度検知装置21の検出結果が所定の条件を満たした後に、プラズマCVD装置1に電力を供給する交流電源19をOFFにすると共に、成膜室2の内部にエッチングガスを導入するガス供給装置15を停止する。成膜室2内に残留するエッチングガスを迅速に排出させるために、制御部22からの信号により排気バルブ18が全開にされるようにすることが望ましい。
上記の所定の条件として、本実施形態においては、排気配管の温度が、1分毎0.2℃以上の上昇率で上昇し始めた時点で、成膜室の内部へのエッチングガスの導入、および、プラズマの発生を停止するようにした。上記の時点は、図2において、区間Aの終点Xの直後の時点に相当する。
区間Aの、終点Xの直後の時点は、電極のクリーニングが完了し、排気配管16の温度が上昇し始めた時点である。この時点でクリーニングを停止することにより、成膜室2の内部の付着物を除去するとともに、成膜室2の内部をオーバーエッチングすることを抑制することができる。
本実施形態の第1変形例として、別の条件を設定してもよい。第1変形例においては、排気配管16の温度上昇率が、1分毎3℃以上となり、かつ、排気配管16の温度がピーク値から低下し始めた時点で、成膜室2の内部へのエッチングガスの導入、および、プラズマの発生を停止する。上記の時点は、図2において、区間Cの終点Zの直後の時点に相当する。
区間Cの、終点Zの直後の時点は、排気配管16の内部のクリーニングが完了した時点
である。この時点で、クリーニングを停止することにより、成膜室2および排気配管16の内部の付着物を十分に除去するとともに、成膜室2の内部のオーバーエッチングを最小限に抑えることができる。
排気配管16の温度が、1分毎3℃以上の上昇率で上昇した後としたのは、この時点で、成膜室の内部のクリーニングがほぼ終了するからである。
本実施形態の第2変形例として、排気配管16の温度が、プラズマを発生させる前の排気配管16の温度から5℃以上上昇した時点で、成膜室2の内部へのエッチングガスの導入、および、プラズマの発生を停止するようにしてもよい。上記の時点は、図2において、区間Bの時点に相当する。区間Bの時点は、電極のクリーニングが完了し、電極以外の成膜室内部がクリーニングされている時点である。この時点で、クリーニングを停止することにより、成膜室2の内部の付着物を除去するとともに、成膜室2の内部をオーバーエッチングすることを抑制することができる。
本実施形態の第3変形例として、排気配管16の温度が、プラズマを発生させる前の排気配管16の温度から20℃以上上昇し、かつ、排気配管16の温度がピーク値から低下し始めた時点で、成膜室2の内部へのエッチングガスの導入、および、プラズマの発生を停止するようにしてもよい。上記の時点は、図2において、区間Cの終点Zに相当する。区間Cの終点Zは、排気配管16の内部のクリーニングが完了した時点である。
この時点で、クリーニングを停止することにより、成膜室2および排気配管16の内部の堆積膜を十分に除去した上で、成膜室2および排気配管16の内部のオーバーエッチングを最小限に抑えることができる。排気配管16の温度が、20℃以上上昇した後としたのは、排気配管16のクリーニングの初期段階において、エッチング反応の不均一および熱電対の測定ばらつきなど、何らかの理由で一時的に排気配管の温度が低下した場合に、その時点においてクリーニングを終了しないようにするためである。
本実施形態においては、曲部17の排気配管16の外壁に熱電対を取り付けることにより、排気配管16の温度を検出した。これは、曲部17の排気配管16の内壁に付着物がたまりやすいからである。付着物がたまっている箇所は、クリーニングの際のエッチングが最も活発に起こるため、反応熱により排気配管16の温度が最も上昇する。そのため、温度変化の大きな曲部17の排気配管16の外壁に熱電対を取り付けて排気配管16の温度を検出することにより、クリーニングの進行状況を的確に把握することができる。
図5は、本実施形態の第4変形例として、排気バルブの近傍に熱電対を取り付けた状態を示す断面図である。図5に示すように、本実施形態の第4変形例として、第1温度検知装置21である熱電対を排気バルブ18の近傍に取り付けてもよい。排気バルブ18の近傍の排気配管16の内部には、段差または凹凸があるため付着物がたまりやすい。そのため、クリーニングの際に、排気バルブ18の近傍の排気配管16の温度上昇が顕著である。排気バルブ18の近傍に熱電対を取り付けて排気配管16の温度を検出することにより、クリーニングの進行状況を的確に把握することができる。
図6は、排気バルブの構造の一例を模式的に示す断面図である。図6に示すように、排気配管16が、互いに直交する方向に曲折する箇所において、排気バルブ18が取り付けられている。図中の矢印は、排気方向を示している。排気バルブ18が押し込まれることにより、排気の流路が塞がれて、ガスの排気が遮断される。このように、排気バルブ18が設けられている箇所は、排気の流路が複雑になるとともに、排気配管16が細くなるため、内部に付着物がたまりやすい。本実施形態においては、図6に示すような排気バルブを設けたが、ガスの流量を調整する排気バルブにはさまざまな形態があり、この形式に限
られるものではない。
上記のプラズマCVD装置のクリーニング方法によると、成膜室2内の付着物のクリーニングが完了した後もクリーニングを継続することにより、排気配管16の内部までクリーニングすることができる。排気配管16の内部をクリーニングすることにより、排気配管16の内部から剥がれた付着物が、真空ポンプ26に吸引されることにより発生するトラブルを抑制することができる。
また、排気配管16の温度を検出し、その検出結果に基づいて、クリーニングの完了時点を検知することにより、成膜室2の内部を完全にクリーニングすることができる。さらに、成膜室2の内部の構成部品が、オーバーエッチングされることを抑制することができる。成膜室2内のクリーニングの完了時点を安定して正確に検知することにより、好適な条件でクリーニングすることができる。
また、本実施形態において、排気配管16の温度が所定の値を超えて異常に上昇した場合には、制御装置22が、プラズマCVD装置1に電力を供給する交流電源19をOFFにし、成膜室2の内部にエッチングガスを導入するガス供給装置15を停止する、クリーニング動作緊急停止用のインターロックが設けられている。これにより、異常昇温による排気配管の熱破損を防止することができる。
実施形態2
図7は、本発明の実施形態2に係わるプラズマCVD装置の構成を模式的に示す断面図である。図7に示すように、実施形態2に係わるプラズマCVD装置30においては、成膜室2の内部の温度を検出する第2温度検知装置25である熱電対が備えられている。本実施形態においては、第2温度検知装置25として熱電対を用いたが、温度を検出できる装置であればよい。第2温度検知装置25以外の構成については、実施形態1と同様であるため、説明を繰り返さない。
図7においては、第2温度検知装置25である熱電対を成膜室2の外壁に取り付けているが、成膜室2の内部の温度を計測できる位置に取り付けられていればよく、成膜室2内に配置された構成部品の表面に熱電対を取り付けてもよい。第2温度検知装置25は、制御部22に接続されている。
図8は、本実施形態に係わるプラズマCVD装置の制御部の制御関係を示すブロック図である。図8に示すように、第2温度検知装置25による成膜室2の温度の検出結果が、制御部22に送られる。制御部22には、第1温度検知装置21による排気配管16の温度の検出結果も送られている。
制御部22は、受信した第1温度検知装置21および第2温度検知装置の検出結果が、所定の条件を満たしている場合は、プラズマCVD装置1に電力を供給する交流電源19をOFFにする。また、制御部22は、成膜室2の内部にエッチングガスを導入するガス供給装置15を停止する。さらに、制御部22は、成膜室2内に残留するエッチングガスを迅速に排出させるために、排気バルブ18を全開にするようにすることが望ましい。
上記の所定の条件としては、成膜室2の内部の温度が下降し、かつ、排気配管16の内部の温度が上昇し始めた時点において、クリーニングを停止する。この時点でクリーニングを停止することにより、成膜室2の内部の付着物を十分に除去するとともに、成膜室2の内部をオーバーエッチングすることを抑制することができる。
本実施形態においては、成膜室2内の温度を検出することにより、成膜室2内のクリー
ニング状況を検知することができるとともに、排気配管16内の温度を検出することにより、排気配管16内のクリーニング状況を検知することができる。このように、成膜室2内および排気配管16内のクリーニング状況を検知して、クリーニングの進行状況を判断することにより、クリーニングの終了時点を精度良く決定することができる。
この結果、成膜室2内の付着物を十分に除去しつつ、成膜室2内のオーバーエッチングを抑制することができる。また、排気配管16内の付着物を十分に除去しつつ、成膜室2内のオーバーエッチングを最小限に抑制することができる。よって、成膜室2内のクリーニングの完了時点を安定して正確に検知することにより、好適な条件でクリーニングすることができる。
実施形態3
本実施形態においては、上記の実施形態1または2のプラズマCVD装置のクリーニングを行なった後に、そのプラズマCVD装置を用いて半導体薄膜を成膜する方法について説明する。
以下、本実施形態に係わる半導体薄膜の成膜方法を含む光電変換素子の製造方法として、薄膜シリコン太陽電池を製造する方法について説明する。
図9は、本発明の実施形態3に係わる薄膜シリコン太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。図9に示すように、基板41上に第1電極42が形成され、第1電極42上に、p型半導体層である第1導電層43と、バッファ層44と、光電変換層45と、n型半導体層である第2導電層46とが順次積層されてなる第1pin構造積層体51が形成される。
続いて、結晶質シリコン層からなる第1導電層47、光電変換層48および第2導電層49が順次積層され、第2pin構造積層体52(シリコン系薄膜)が形成される。第1pin構造積層体51および第2pin構造積層体52により二重pin構造積層体53が構成され、二重pin構造積層体53上には第2電極50が形成され、薄膜シリコン太陽電池40が完成する。
第2pin構造積層体52の形成に際して、実施形態1,2と同様に、プラズマCVD装置のクリーニングが行なわれる。以下に、第2pin構造積層体52としてのシリコン系薄膜の形成方法について詳述する。
まず第1導電層47であるp型結晶質シリコン層を形成する。p型結晶質シリコン層は、たとえば以下の形成条件において形成することができる。形成時の成膜室2内の圧力は、240Pa以上3600Pa以下であることが望ましく、本実施形態では2000Paとしている。また、カソード電極5の単位面積あたりの電力密度は0.01W/cm2以上0.5W/cm2以下とすることが望ましく、本実施形態では0.15W/cm2としている。
成膜室2内に導入される混合ガスとしては、たとえば、シランガス、水素ガス、ジボランガスを含むガスを使用できる。シランガスに対する水素ガスの流量は、30倍から数100倍程度が望ましく、本実施形態では100倍としている。
p型結晶質シリコン層からなる第1導電層47の厚さは、i型結晶質シリコン光電変換層からなる光電変換層48に十分な内部電界を与えるため2nm以上が好ましい。一方、非活性層である第1導電層47の光吸収量を抑え光電変換層48へ到達する光を増大するためには、第1導電層47の厚さはできる限り薄いことが望ましく、通常50nm以下と
される。本実施形態では、第1導電層47の厚さを40nmとしている。
第1導電層47は、非晶質または結晶質のシリコンカーバイド、シリコンゲルマニウムなどの合金材料からなる層で形成されていてもよい。また、第1導電層47は、異なる複数の薄膜を積層したものでも良い。
次に、光電変換層48であるi型結晶質シリコン光電変換層を形成する。光電変換層48は、たとえば以下の形成条件において形成することができる。形成時の成膜室2内の圧力は、240Pa以上3600Pa以下であることが望ましく、本実施形態では2000Paとしている。また、カソード電極5の単位面積あたりの電力密度は0.02W/cm2以上0.5W/cm2以下とすることが望ましく、本実施形態では0.15W/cm2としている。
成膜室2内に導入される混合ガスとしては、たとえば、シランガス、水素ガスを含むガスを使用できる。シランガスに対する水素ガスの流量は、30倍から100倍程度が望ましく、本実施形態では80倍としている。
光電変換層48の厚さは、光電変換層として十分な光吸収量を確保するため0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。一方、光電変換層48の厚さは、良好な生産性を確保する点で20μm以下が好ましく15μm以下がより好ましい。本実施形態では、光電変換層48の厚さを2μmとしている。
なお光電変換層48であるi型結晶質シリコン層を良質な膜質でかつ高い形成速度で形成するために、カソード電極5とアノード電極8との電極間距離をたとえば15mmとし、全ての工程において同一の電極間距離としてもよい。
このようにして、ラマン分光法により測定される、480nm-1におけるピークに対する520nm-1におけるピークのピーク強度比I520/I480が3以上10以下である良好な結晶化率を有するi型結晶質シリコン層を、光電変換層48として形成できる。
光電変換層48としては、i型結晶質シリコン薄膜または微量の不純物を含む弱p型もしくは弱n型で、光電変換機能を十分に備えている結晶質シリコン薄膜が用いられてもよい。さらに、光電変換層48の材質は上記の結晶質シリコン薄膜に限定されず、合金材料であるシリコンカーバイドまたはシリコンゲルマニウム等の薄膜が用いられてもよい。
次に、第2導電層49であるn型結晶質シリコン層を形成する。n型結晶質シリコン層は、たとえば以下の形成条件によって形成することができる。形成時の成膜室2内の圧力は、240Pa以上3600Pa以下であることが望ましく、本実施形態では2000Paとしている。また、カソード電極5の単位面積あたりの電力密度は0.02W/cm2以上0.5W/cm2以下とすることが望ましく、本実施形態では0.15W/cm2としている。
成膜室2内に導入される混合ガスとしては、たとえば、シランガス、水素ガス、ホスフィンガスを含むガスを使用できる。シランガスに対する水素ガスの流量は、30倍から数100倍程度が望ましく、本実施形態では80倍としている。
第2導電層49の厚さは、光電変換層48に十分な内部電界を与えるため2nm以上が好ましい。一方、非活性層である第2導電層49の光吸収量を抑えるためには第2導電層49の厚さができる限り薄いことが好ましく、通常50nm以下とされる。本実施形態では、第2導電層49の厚さを40nmとしている。
第2導電層49は、非晶質または結晶質のシリコンカーバイド、シリコンゲルマニウムなどの合金材料で形成されていてもよい。
以上のようにして、第2pin構造積層体52が、同一の成膜室2内において連続して形成される。
本実施の形態によれば、第2pin構造積層体52の形成にともなって行なわれるプラズマCVD装置のクリーニングが、実施形態1,2において説明した方法によって行なわれる。よって実施形態1,2と同様、成膜室2内および排気配管11の内部の堆積膜を除去した状態において、基板23上に薄膜を形成することができる。この結果、高品質の膜質を有する光電変換素子を形成することができる。
本実施形態においては、光電変換素子の製造方法について説明したが、半導体薄膜の成膜方法は、たとえば、薄膜トランジスタなど種々の半導体装置の製造に適用することができる。
上記の実施形態においては、1対の電極を備えたプラズマCVD装置を用いたが、電極を2対以上備えたプラズマCVD装置においても、同様にクリーニングを行うことができる。
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 プラズマCVD装置、2 成膜室、3 シャワープレート、4 母材、5 カソード電極、6 ガス供給孔、7 溝、8 アノード電極、9 ヒータ、10 内管、11 外管、12 ガス配管、13 ガス導入管、14 継ぎ手、15 ガス供給装置、16 排気配管、17 曲部、18 排気バルブ19 交流電源、20 整合回路、21 第1温度検知装置、22 制御部、23 基板、24 シリコン薄膜、25 第2温度検知装置、26 真空ポンプ、30 プラズマCVD装置、40 薄膜シリコン太陽電池、41
基板、42 第1電極、43,47 第1導電層、44 バッファ層、45,48 光電変換層、46,49 第2導電層、50 第2電極、51 第1pin構造積層体、52 第2pin構造積層体、53 二重pin構造積層体。

Claims (12)

  1. 成膜室および該成膜室に接続された排気配管を含むプラズマCVD装置の内部をクリーニングする方法であって、
    前記成膜室の内部にエッチングガスを導入した状態においてプラズマを発生させる第1工程と、
    前記排気配管の温度がクリーニング開始前における前記排気配管の温度から所定の温度以上上昇した後に、前記プラズマの発生を停止させる第2工程と
    を備える、プラズマCVD装置のクリーニング方法。
  2. 前記第2工程において、前記排気配管の温度が、前記プラズマを発生させる前の前記排気配管の温度から5℃以上上昇した後に、前記プラズマの発生を停止させる、請求項1に記載のプラズマCVD装置のクリーニング方法。
  3. 前記第2工程において、前記排気配管の温度が、前記プラズマを発生させる前の前記排気配管の温度から20℃以上上昇し、かつ、前記排気配管の温度がピーク値から低下した後に、前記プラズマの発生を停止させる、請求項1に記載のプラズマCVD装置のクリーニング方法。
  4. 成膜室および該成膜室に接続された排気配管を含むプラズマCVD装置の内部をクリーニングする方法であって、
    前記成膜室の内部にエッチングガスを導入した状態においてプラズマを発生させる第1工程と、
    前記排気配管の温度上昇率が所定の温度上昇率以上になった後に、前記プラズマの発生を停止させる第2工程と
    を備える、プラズマCVD装置のクリーニング方法。
  5. 前記第2工程において、前記排気配管の温度上昇率が、1分毎0.2℃以上になった後に、前記プラズマの発生を停止させる、請求項4に記載のプラズマCVD装置のクリーニング方法。
  6. 前記第2工程において、前記排気配管の温度上昇率が1分毎3℃以上となり、かつ、前記排気配管の温度がピーク値から低下した後に、前記プラズマの発生を停止させる、請求項4に記載のプラズマCVD装置のクリーニング方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマCVD装置のクリーニング方法を用いて前記プラズマCVD装置をクリーニングする工程と、
    前記プラズマCVD装置をクリーニングする工程の後に、前記プラズマCVD装置を用いて半導体薄膜を成膜する工程と
    を備えた半導体薄膜の成膜方法。
  8. 請求項7に記載の半導体薄膜の成膜方法を用いて半導体薄膜を成膜する工程を含む、光電変換素子の製造方法。
  9. 電極が内部に配置される成膜室および該成膜室に接続された排気配管を含むプラズマCVD装置であって、
    前記電極間にプラズマを発生させる電力を供給する電力供給部と、
    成膜用プロセスガスおよびエッチング用ガスを選択して前記成膜室に供給するガス供給部と、
    前記成膜室から前記排気配管を通じて排気されるガス量を調節する排気バルブと、
    前記排気配管の外壁または内壁に設けられ、クリーニング時の前記排気配管の温度を検出する第1温度検出装置を備えた、プラズマCVD装置。
  10. 前記排気配管が曲折した曲部を有し、前記第1温度検出装置が該曲部の前記排気配管の外壁または内壁に設けられた、請求項9に記載のプラズマCVD装置。
  11. 前記第1温度検出装置が検出した前記排気配管の温度に基づいて、前記電力供給部、前記ガス供給部および前記排気バルブの少なくとも1つの動作を制御する制御部を備えた、請求項9または10に記載のプラズマCVD装置。
  12. 前記成膜室の内部の温度を検出する第2温度検出装置を備え、
    前記制御部は、前記第1温度検出装置の検出した前記排気配管の温度および前記第2温度検出装置の検出した前記成膜室の内部の温度に基づいて、前記電力供給部、前記ガス供給部および前記排気バルブの少なくとも1つの動作を制御する、請求項11に記載のプラズマCVD装置。
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