JP2011111105A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングコラムとコンビスイッチブラケットとの圧入部の寸法精度の管理を厳しくしなくても、通常使用時においてステアリングコラムとコンビスイッチブラケットとの回転方向の相対位相のずれを防止する。
【解決手段】ステアリング装置のステアリングコラムと、コンビスイッチブラケットとの嵌合部において、ステアリングコラムとコンビスイッチブラケットに貫通孔を設け、前記貫通孔に挿入される抜け止め部材を設けた。
【選択図】図3
【解決手段】ステアリング装置のステアリングコラムと、コンビスイッチブラケットとの嵌合部において、ステアリングコラムとコンビスイッチブラケットに貫通孔を設け、前記貫通孔に挿入される抜け止め部材を設けた。
【選択図】図3
Description
本発明は、ステアリングコラムの端部にコンビスイッチ用のブラケットを備えるステアリング装置に関するものである。
車両用ステアリング装置において、ステアリングコラムに軸受を介してステアリングシャフトが回転自在に支持してあり、ステアリングシャフトの車両後方部にステアリングホイールが装着してある。また、ステアリングコラムの車両後方部にはターンシグナルスイッチやワイパースイッチが取り付けられたコンビスイッチが中空で円筒状のコンビスイッチブラケットを介して装着されるようになっている。
特許文献1には、ステアリングコラムの車両後方部に軸受が装着してあり、この軸受を介してステアリングシャフトが回転自在に支持してあるステアリング装置が開示されている。このステアリングコラムにコンビスイッチブラケットのスリーブがステアリングコラムの車両後方部に圧入されている。それによってスリーブの先端部が軸受の外輪に当接し、軸受をステアリングコラムの軸方向に位置決めするとともに、軸受がステアリングコラムから脱落することを防止している。
しかしながら、特許文献1のステアリング装置は、ステアリングコラムの車両後方部にコンビスイッチブラケットのスリーブを圧入嵌合しているため、もし嵌合部の締め代が少ない場合は回転方向の相対位相がずれてしまうおそれがあり、もし嵌合部の締め代が多い場合は圧入部に割れが生じてしまうおそれがあるため、圧入部の締め代を厳しく管理しなければならないという問題があった。
上記問題を解決するために、本発明の請求項1に係るステアリング装置は、ステアリングシャフトを軸受を介して支持するステアリングコラムと、前記ステアリングコラムの車両後方部にコンビスイッチブラケットを介して固定されるコンビスイッチとを備えるステアリング装置において、前記コンビスイッチブラケットは前記ステアリングコラムと嵌合しており、前記嵌合部には相対移動阻止手段を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ステアリングコラムとコンビスイッチブラケットとの圧入部の寸法精度の管理を厳しくしなくても、通常使用時においてステアリングコラムとコンビスイッチブラケットとの回転方向の相対位相がずれてしまうことを防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係るステアリング装置について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るステアリング装置の模式的斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係るステアリング装置の分解側面図である。図3はステアリングコラムとコンビスイッチブラケットとの嵌合部の部分拡大断面図であり、図4は抜け止め部材の側面図である。
図1および図2に示すように、ステアリングホイール1はステアリングシャフト9の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト9はアルミダイキャスト製のステアリングコラム12およびその車両前方側に固定された電動パワーステアリング装置2を挿通した状態で、回転自在に支持されている。尚、図示の例は、電動モータ3を補助動力源としてステアリングホイール1を操作する為に要する力の低減を図る、電動パワーステアリング装置2を組み込んでいる。
ステアリングシャフト9の前端は、伸縮可能な中間シャフト4が自在継手を介して連結してある。この中間シャフト4の下端は、別の自在継手を介してラック・ピニオン式のステアリングギヤ5のピニオン軸7が連結してあり、ステアリングギヤ5はタイロッド6等を介して車輪が連結してあり、これにより、車輪が操舵できるようになっている。
図1および図2に示すように、ステアリングコラム12の車両後方部位には、ターンシグナルスイッチ10やワイパースイッチ11などで構成されるコンビスイッチ100が設けられている。
図2に示すように、ステアリングコラム12の車両前方側には電動パワーステアリング装置2が配置されている。電動パワーステアリング装置2のハウジング部から車両後方側へ向けて円筒部2aが突出しており、円筒部2aの外周面とステアリングコラム12の車両前方端の内周面とが圧入嵌合して固定されている。円筒部2aとステアリングコラム12とは、既知のクランプ機構によって軸方向位置を調整可能に連結されていてもよい。
図2に示すように、ステアリングコラム12の車両後方端の内周面には、略円筒形状で中空の機械構造用炭素鋼などで形成されたコンビスイッチブラケット13の外周面が圧入嵌合して固定されている。
コンビスイッチ100はターンシグナルスイッチ10やワイパースイッチ11などで構成されており、断面が円形状の内周面を有する円筒部101が車両前方側へ向けて突出して形成されている。前記円筒部101の内周面とコンビスイッチブラケット13の車両後方端部の外周面とを圧入嵌合して、コンビスイッチブラケット13とコンビスイッチ100とが相対回転不能にかつ軸方向に相対移動不能に固定される。
図3を参照しながら本発明の実施の形態について具体的に説明する。図3はステアリングコラム12とコンビスイッチブラケット13との嵌合部の部分拡大断面図であり、図4は抜け止め部材の側面図である。
中実で円筒状のステアリングシャフト9を回転自在に支持するように、ステアリングコラム12の車両後方側の内周面には軸受14が配置され、軸受14の内輪がステアリングシャフト9の外周面に嵌合されている。ステアリングシャフト9の外周面には外径寸法が変化する箇所に段差部9aが形成されており、軸受14の一方の側面が段差部9aに当接している。またステアリングシャフト9の外周面に形成された溝にCリング15を嵌着し、軸受14の他方の側面に当接させることでステアリングシャフト9と軸受14とを軸方向に移動不能に固定している。
管状のステアリングコラム12の内周面には軸受14の外径よりも小さい内径を有する環状の突起12aが形成されている。ステアリングコラム12の内周面に嵌合された軸受14の外輪の一方の側面は前記突起12aに当接している。また、ステアリングコラム12の車両後方側端部に圧入嵌合されたコンビスイッチブラケット13の端面を軸受14の他方の側面に当接させることで、ステアリングコラム12と軸受14とを軸方向に相対移動不能に固定している。
図3、図4に示すように、ステアリングコラム12の車両後方側の端部であってコンビスイッチブラケット13との嵌合部には、ステアリングコラムの外周面から内周面にわたって貫通している貫通孔12bが形成されている。本実施の形態では貫通孔12bはステアリングコラム12の周方向に2箇所、ステアリングコラム軸に対して対向するように形成されている。本実施の形態では、貫通孔12bの断面形状は円形としているが、貫通孔であればどのような形状でも良く、また1つ以上の貫通孔を形成していればよい。
コンビスイッチブラケット13の車両前方側であってステアリングコラム12と嵌合する箇所にはコンビスイッチブラケット13の外周面から内周面にわたって貫通している貫通孔13aが周方向に2箇所形成されている。本実施の形態では、貫通孔13aの断面形状はステアリングコラム12の貫通孔12bと同じ内径の円形としたが、貫通孔であればどのような断面形状でも良い。図3、図4から分かるように、ステアリングコラム12とコンビスイッチブラケット13とが圧入嵌合された状態のときに、貫通孔12bと貫通孔13aの軸方向位置および周方向位置が一致しており、ステアリングコラム外周面からコンビスイッチブラケット内周面にわたって貫通するようになっている。そのため、貫通孔13aは、貫通孔12bと対応するように1つ以上形成してあればよい。
図3に示すとおり、ステアリングコラム外周面からコンビスイッチブラケット内周面にわたって貫通した貫通孔12b、13aには、樹脂製の抜け止め部材20が挿入し固定されている。
図4を参照して、抜け止め部材20の具体的構成を説明する。抜け止め部材20は、頭部20a、胴部20b、先端部20cで構成されている。頭部20aは、略円盤形状をしており、その外径寸法は、ステアリングコラム12に形成した貫通孔12bの内径寸法よりも大きくしている。胴部20bは前記頭部20aに連続して成形されており、その外周面は円筒形状をしている。またその中央部は軸方向にわたってスリット20dが形成されているため、径方向に弾性的に変位可能となっている。負荷のかかっていない自由状態での胴部20bの外径寸法は、貫通孔12b、13aの内径寸法よりも小さくなっている。また胴部20bの軸方向長さは、貫通孔が形成された箇所のアウタコラム12の肉厚とコンビスイッチブラケット13の肉厚の和よりも大きくなっている。先端部20cは前記胴部20bに連続して形成されており、その外周面は頭部20aから遠ざかるにしたがって徐々に外径寸法が小さくなる略円錐形状をしている。またその中央部は軸方向にわたってスリット20dが形成され、径方向に弾性的に変位可能となっている。先端部20cには、胴部20bの外径寸法よりも径方向外方に突出した部分があり、胴部20bの外周面に対して直交する段差面20eが形成されている。段差面20eの外径寸法は貫通孔13aの内径寸法よりも大きくなっている。
ステアリングコラム12とコンビスイッチブラケット13とを貫通孔12b、13aの軸方向位置と周方向位置が一致するよう所定位置まで圧入嵌合させた後、それぞれの貫通孔に抜け止め部材20、20を挿入する。抜け止め部材20の先端部20cを貫通孔12b、13aに挿入すると、スリット20dの幅が縮んで先端部20cが挿入可能となる。挿入を進めていき、ステアリングコラム外周面に頭部20aが接触すると、先端部20cの段差面20eがコンビスイッチブラケットの内周面から突出する。このとき先端部20cは貫通孔による径方向の負荷から開放され自由状態となるので、先端部20cは径方向外方へ広がる。自由状態での先端部20cの外径寸法は貫通孔13aの内径寸法よりも大きいため、抜け止め部材20は軸方向移動ができなくなり、その位置に固定されることになる。このような組立作業手順によって、図3に示すように抜け止め部材20、20がそれぞれ貫通孔12b、13aに挿入された状態を維持するようになる。
特許請求の範囲の相対移動阻止手段は、本実施の形態のステアリングコラム12の貫通孔12b、コンビスイッチブラケット13の貫通孔13aおよび抜け止め部材20に対応する。
本実施の形態によれば、ステアリングコラム12とコンビスイッチブラケット13とを圧入嵌合させただけでなく、さらにステアリングコラム12の貫通孔12bからコンビスイッチブラケット13の貫通孔13aにわたって抜け止め部材20が挿入し固定されている。そのため、ステアリングコラムとコンビスイッチブラケットとの嵌合部の寸法精度を厳しく管理する必要はなくなり、通常運転時にコンビスイッチ100からコンビスイッチブラケット13へ回転方向の荷重が入力されたとしても、ステアリングコラム12とコンビスイッチブラケット13との回転方向の相対位相が変化することを防止することができる。
ステアリングコラム12およびコンビスイッチブラケット13の材料は、本実施の形態に材料に限定されること無くどのような材料にしてもよい。例えば、ステアリングコラムの材料はマグネシウム合金、亜鉛合金や樹脂などでもよい。また、ステアリングコラムの材料を機械構造用炭素鋼とし、コンビスイッチブラケットの材料をアルミ合金、マグネシウム合金、亜鉛合金や樹脂などとしてもよい。また、抜け止め部材20の材料に関しても、樹脂に限らず金属などでもよい。また、本実施の形態では抜け止め部材は頭部、胴部、先端部の3部材で構成されていたが、例えば単純な円筒状のピンを貫通孔12b、13aに圧入固定してもよい。
本発明は、ステアリング装置として各種車両の操舵部分に利用可能である。
1 ステアリングホイール
2 電動パワーステアリング装置
3 モータ
9 ステアリングシャフト
12 ステアリングコラム
12b 貫通孔
13 コンビスイッチブラケット
13b 貫通孔
20 抜け止め部材
100 コンビスイッチ
2 電動パワーステアリング装置
3 モータ
9 ステアリングシャフト
12 ステアリングコラム
12b 貫通孔
13 コンビスイッチブラケット
13b 貫通孔
20 抜け止め部材
100 コンビスイッチ
Claims (2)
- ステアリングシャフトを軸受を介して支持するステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムの車両後方部にコンビスイッチブラケットを介して固定されるコンビスイッチとを備えるステアリング装置において、
前記コンビスイッチブラケットは前記ステアリングコラムと嵌合しており、
前記嵌合部には相対移動阻止手段を設けたことを特徴とするステアリング装置。 - 前記相対移動阻止手段は、
前記コンビスイッチブラケットと前記ステアリングコラムとの嵌合部において、
前記ステアリングコラムに形成した貫通孔と、
前記コンビスイッチブラケットに形成した貫通孔と、
前記ステアリングコラムの貫通孔とコンビスイッチブラケットの貫通孔に挿入し固定される抜け止め部材とで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載したステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009271340A JP2011111105A (ja) | 2009-11-30 | 2009-11-30 | ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009271340A JP2011111105A (ja) | 2009-11-30 | 2009-11-30 | ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011111105A true JP2011111105A (ja) | 2011-06-09 |
Family
ID=44233758
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009271340A Pending JP2011111105A (ja) | 2009-11-30 | 2009-11-30 | ステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011111105A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013189056A (ja) * | 2012-03-13 | 2013-09-26 | Nsk Ltd | ステアリングコラム装置 |
JP2014240278A (ja) * | 2011-10-11 | 2014-12-25 | 日本精工株式会社 | ステアリングコラムの製造方法 |
-
2009
- 2009-11-30 JP JP2009271340A patent/JP2011111105A/ja active Pending
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JP2013189056A (ja) * | 2012-03-13 | 2013-09-26 | Nsk Ltd | ステアリングコラム装置 |
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