JP2011108766A - エピタキシャル成長装置のメンテナンス方法およびパイロメータを校正する方法、並びにパイロメータ校正用サセプタ - Google Patents
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Abstract
【課題】メンテナンス中にプロセス時のスリップ発生の有無を予測し、メンテナンス後の炉内開放ではなく、メンテナンス中にスリップ発生に対する対応を行う。
【解決手段】エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの中心位置に対応する位置に配置した主熱電対13aと、該主熱電対13aとは異なる位置でかつウェーハの半径方向の所定位置に少なくとも1つの補助熱電対13bとを備えた校正用の第1サセプタ11を用い、前記エピタキシャル成長装置1の反応炉2を昇温しながら前記主熱電対13aおよび前記補助熱電対13bで前記第1サセプタ11の面内温度分布を経時的に測定し、前記主熱電対13aで測定した温度データから前記パイロメータ9を校正し、前記主熱電対13aの測定値と前記補助熱電対の測定値との差から、エピタキシャル成長プロセス用の第2サセプタ上15に載置したウェーハ表面にエピタキシャル層を成長させて形成したときのスリップ発生の有無の予測を行う。
【選択図】図4
【解決手段】エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの中心位置に対応する位置に配置した主熱電対13aと、該主熱電対13aとは異なる位置でかつウェーハの半径方向の所定位置に少なくとも1つの補助熱電対13bとを備えた校正用の第1サセプタ11を用い、前記エピタキシャル成長装置1の反応炉2を昇温しながら前記主熱電対13aおよび前記補助熱電対13bで前記第1サセプタ11の面内温度分布を経時的に測定し、前記主熱電対13aで測定した温度データから前記パイロメータ9を校正し、前記主熱電対13aの測定値と前記補助熱電対の測定値との差から、エピタキシャル成長プロセス用の第2サセプタ上15に載置したウェーハ表面にエピタキシャル層を成長させて形成したときのスリップ発生の有無の予測を行う。
【選択図】図4
Description
本発明は、エピタキシャル成長装置のメンテナンス方法、特にパイロメータの校正方法に関する。さらに、パイロメータ校正用サセプタに関する。
シリコンウェーハ上にエピタキシャル膜を有するエピタキシャルウェーハは、エピタキシャル成長装置(気相成長装置)の反応炉内で、気相成長法によりエピタキシャル膜をシリコンウェーハ上に成長させて製造する。このとき、エピタキシャル膜は反応温度によってその特性が大きく変動するので、エピタキシャル成長装置の温度を厳密に管理する必要がある。従来、このエピタキシャル成長装置の温度管理には、装置の上部または下部に備えられたパイロメータ(放射温度計)により反応炉内の温度監視を行っている(例えば、特許文献2を参照)。したがって、厳密な反応炉内の温度管理を実現するためには、パイロメータの校正が極めて重要である。
例えば、従来のパイロメータの校正は、ウェーハの中心に対応した位置に熱電対を組み込んだ校正用サセプタを取り付け、熱電対による反応炉内の温度測定値にパイロメータの読み値を合わせるように調整することによって行っている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、校正用サセプタを反応炉内に取り付けおよび取り外しする際には、反応炉を大気中に暴露させる必要があり、この時に、大気中の不純物によって反応炉内が汚染してしまう。よってエピタキシャル成長処理を再開するためには、反応炉内の洗浄や焼き慣らし等の作業を行わなければならず、汚染レベルを下げるために膨大な時間を要するという問題があった。よって、パイロメータの校正作業は可能な限り少なくしたいという要求が存在し、通常は1〜2年に1回程度の定期メンテナンスを実施し、反応炉内に配置される部品の解体・組付け時に、パイロメータの校正作業を行っている。
一方、従来のエピタキシャル成長装置のメンテナンス作業において、メンテナンス終了後の製品(シリコンウェーハ)投入の可否判断は、実際にシリコンウェーハを投入してエピタキシャル成長を行い、成長させたエピタキシャル膜の品質確認(膜厚分布、抵抗率分布、顕微鏡スリップ検査など)をするまで判定できない。その結果、長時間かけて汚染レベルを枯らす焼き慣らし作業を行っても、品質確認でスリップ発生が発見された場合には、再度、反応炉内を開放して、炉内部品の配置調整や交換などを行って、反応炉内の温度分布の調整を行わなければならないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、エピタキシャル成長装置のメンテナンス中に、パイロメータの校正を行うとともに、メンテナンス中にエピタキシャル成長処理することなく、エピタキシャルプロセス時のスリップ発生の有無を予測し、予測結果をメンテナンス作業に反映させることができるパイロメータの校正方法を提供するものである。また、このパイロメータの校正方法に用いる校正用サセプタを提供する。
本発明の上記課題は、エピタキシャル成長装置のパイロメータを校正する方法であって、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの中心位置に対応する位置に配置した主熱電対と、該主熱電対とは異なる位置でかつウェーハの半径方向の所定位置に少なくとも1つの補助熱電対とを備えた校正用の第1サセプタを用い、前記エピタキシャル成長装置の反応炉を昇温しながら前記主熱電対および前記補助熱電対で前記第1サセプタの面内温度分布を経時的に測定し、前記主熱電対で測定した温度データから前記パイロメータを校正し、前記主熱電対の測定値と前記補助熱電対の測定値との差から、エピタキシャル成長プロセス用の第2サセプタ上に載置したウェーハ表面にエピタキシャル層を成長させて形成したときのスリップ発生の有無の予測を行うことによって達成される。
また、前記補助熱電対は、少なくともエピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置することが好ましい。さらに、前記補助熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置した第1補助熱電対と、ウェーハのエッジ部に対応する位置に配置した第2補助熱電対からなり、前記スリップ発生の有無の予測は、前記主熱電対の測定値と前記第1補助熱電対の測定値との差、または前記第1補助熱電対の測定値と前記第2補助熱電対の測定値との差、もしくは、前記主熱電対の測定値と前記第2補助熱電対の測定値との差から行うこのが好ましい。
本発明の別態様によれば、エピタキシャル成長装置のメンテナンス方法であって、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径方向の所定位置に少なくとも第1熱電対と第2熱電対とを備えたメンテナンス用サセプタを用い、前記エピタキシャル成長装置の反応炉を昇温しながら前記第1熱電対および前記第2熱電対で前記メンテナンス用サセプタの面内温度分布を経時的に測定し、前記第1熱電対および前記第2熱電対の測定値が所定の温度範囲にあるときの、前記第1熱電対の測定値と前記第2熱電対の測定値との差に基づいて、前記エピタキシャル成長装置内の温度分布の調整を行うか否かを判定することも好ましい。
また、前記第1熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの中心位置に対応する位置に配置され、前記第2熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置されることが好ましい。あるいは、前記第1熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置され、前記第2熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハのエッジ部に対応する位置に配置されることも好ましい。
また、前記判定は、前記第1熱電対の測定値と前記第2熱電対の測定値との差の最大値が第1の閾値よりも大きい場合は温度分布の調整を行い、該差の最大値が第1の境界値と等しいか第1の閾値よりも小さい場合は温度分布の調整を行わないとすることが好ましい。
さらに、前記メンテナンス用サセプタは、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径方向の所定位置に第3熱電対をさらに備え、前記第3熱電対の測定値と前記第1熱電対、および/または、前記第2熱電対の測定値との差に基づいて、前記エピタキシャル成長装置の調整を行うか否かを判定することが好ましい。
本発明の別態様によれば、エピタキシャル成長装置のパイロメータを校正するための校正用サセプタであって、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの中心位置に対応する位置に配置した主熱電対と、該主熱電対とは異なる位置でかつウェーハの半径方向の所定位置に少なくとも1つの補助熱電対とを備えることもできる。
また、前記補助熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置した第1補助熱電対と、ウェーハのエッジ部に対応する位置に配置した第2補助熱電対からなることが好ましい。
本発明によれば、エピタキシャル成長装置のメンテナンス中にパイロメータの校正を行うとともに、メンテナンス中にエピタキシャル成長処理することなく、エピタキシャル成長プロセス時のスリップ発生の有無を予測し、予測結果をメンテナンス作業に反映させることができるパイロメータの校正方法を提供できる。より詳しくは、パイロメータの校正時に、エピタキシャル成長プロセス時のスリップ発生の有無も予測することができるパイロメータの校正方法を提供できる。さらに、このパイロメータの校正方法に用いる校正用サセプタを提供できる。すなわち、本発明によれば、多大な時間を要する焼き慣らし作業の前にスリップ発生が生じない炉内温度条件に制御することができるので、メンテナンス作業時間が大幅に短縮される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1および図2は、それぞれ本発明に係るエピタキシャル成長装置の反応炉内に校正用またはエピタキシャル成長プロセス用サセプタを収容した状態の概略断面図である。最初に両図に共通した構成について説明する。
図1および図2に示されるエピタキシャル成長装置1は、反応炉2の中にシリコンウェーハを格納し、反応炉外の上部および下部に配列されたハロゲンランプ(ヒータ)3によって、反応炉2を加熱する構成をとっている。反応炉の上部4および下部5は、石英などの熱線を透過する素材で形成され、側面部6には、エピタキシャル成長の原料ガスの供給口7と排出口8とが設けられている。上部および下部のハロゲンランプ3は、同図には概略的にのみ示されているが、円周方向に均等間隔で離間して複数配置され、この複数個のハロゲンランプのうち一部はウェーハを直接照射して加熱し、他の一部は反応炉2を加熱するように、リフレクタの角度が設定されている。また、反応炉内(とくにウェーハ中心位置)の温度は、炉外上部および下部に設けられたパイロメータ9によって監視され、コントローラ10がパイロメータ9の測定結果を用いてハロゲンランプ3の制御を行う。
図1は、エピタキシャル成長装置1の反応炉内2に校正用サセプタ11を収容した状態を示す。同図に示されるように、校正用サセプタ11は、サセプタ支持アーム12によって、反応炉内2の中心付近に保持されている。サセプタ支持アーム12は、回転軸を有し回転可能な構成をとっている。校正用サセプタ11は、内部に主熱電対13aと補助熱電対13b,13cを備えている。本実施形態は、例えば200mmウェーハ用の校正用サセプタとして、ウェーハの中心位置13a、半径の1/2点13b(ウェーハの中心位置からの距離:50mm)、およびエッジ部分13c(ウェーハの中心位置からの距離:95mm)の3箇所に熱電対13a−13cを配置している。これら3つの熱電対13a−13cは、ウェーハの同一半径方向に配列されていることが構成上好ましく、さらに、3つの熱電対13a−13cによる測定結果はコントローラ10に送信され、パイロメータ9の校正にも活用できるように構成されている。なお、校正用サセプタ11には、炉内の温度特性をプロセス中と同じにするために、ダミーウェーハ14を載置することが好ましい。
図2は、エピタキシャル成長装置1の反応炉内2にエピタキシャル成長プロセス用サセプタ15を収容した状態を示す。図2では、サセプタ支持アーム12によってエピタキシャル成長プロセス用サセプタ15が反応炉内2の中心付近に保持されている。エピタキシャル成長プロセス用サセプタ15は校正用サセプタ11と異なり熱電対を有さない。エピタキシャル成長プロセス用サセプタ15の上にはウェーハ16が載置され、パイロメータ9によって温度管理されながら、エピタキシャル成長が行われる。このとき、エピタキシャル成長プロセス用サセプタ15は熱電対からの測定結果を取得するための配線等を持たないので、サセプタ支持アーム12によってプロセス用サセプタ15を回転させながらエピタキシャル成長を行うことができる。
なお、従来型の校正用サセプタにおいては、ダミーウェーハ14の中心位置に対応させた主熱電対13aのみを有するものであった。よって、本発明の校正用サセプタ11は、従来型の校正用サセプタに補助熱電対を追加することによって構成することができ、従来型の校正用サセプタが有する機能を損なうことなく、本発明の実施に用いることができる。
次に、上記のように構成されたエピタキシャル成長装置1および校正用サセプタ11を用いて、スリップ発生の有無と熱電対の測定値との相関に関する試験結果を説明する。なお、スリップとは、熱応力に起因したシリコンウェーハ内に発生する結晶欠陥のことである。
本試験は、様々なレシピの温度状態にて、上記に説明した校正用サセプタを用いて反応炉内の温度分布を測定し、その後、そのレシピでのエピタキシャル成長でスリップが発生しているかを確認した。特に、各温度段階(ランプアップ時・ベーク時等)におけるサセプタの面内温度分布に着目してスリップの発生を試験している。図4はスリップ発生の有無と熱電対の測定値との相関に関する試験結果を示す表であり、本試験により得られた結果のうち、本発明の説明に必要な部分を抜粋して記載したものである。
図3において、(C-R/2)_Maxは中心位置と半径の1/2点(中心から50mm)との熱電対の測定差の最大値、(C-Edge)_Maxは中心位置とエッジ部(中心から95mm)との熱電対の測定差の最大値、(Edge-R/2)_Maxはエッジ部(中心から95mm)と半径の1/2点(中心から50mm)との熱電対の測定差の最大値、(Edge-Ave)_Maxはエッジ部(中心から95mm)との熱電対の測定値と3点の測定値(C, R/2, Edge)の平均値との差の最大値である。また、最大値とは各温度段階(昇温過程(Ramp up):850℃〜950℃、950℃〜1050℃、1050℃〜1150℃、水素ベーク(BAKE開始から):0から9秒、10から19秒、20から29秒)における最大値のことを意味する。図4は、縦の列で示される温度分布((C-R/2)_Max, (C-Edge)_Max, (Edge-R/2)_Max, (Edge-Ave)_Max)と、横の列で示される各温度段階との交点に示される二重丸等で、スリップ発生の有無との相関を示している。
図3から明らかなように、スリップの発生は水素ベーク時の温度分布には相関が見られないが、昇温時における各測定点の温度差との相関が見られる。特に、(C-Edge)_Maxおよび(Edge-Ave)_Maxよりも、(C-R/2)_Maxおよび(Edge-R/2)_Maxの方が、スリップの発生との強い相関があることがわかる。
したがってこの試験結果から、中心位置に主熱電対13aを1つ備えた従来の校正用サセプタに、さらにもう1つの補助熱電対を追加してスリップの発生予測に利用する場合、エッジ部に補助熱伝対を設置することである程度スリップの発生を予測することができるが、エッジ部に設置するよりも、ウェーハ半径の1/2点13bに設置する方が、スリップ発生の予測精度が高いことがわかる。さらにもう1つの補助熱電対を追加する場合、中心位置13aとウェーハ半径の1/2点13bとウェーハエッジ部13cとの3点に熱電対を配置することが好ましい。
中心位置13aとウェーハ半径の1/2点13bとウェーハエッジ部13cとの3点に熱電対を配置する場合には、中心位置13aとウェーハ半径の1/2点13bとの温度差、もしくはエッジ部13cとウェーハ半径の1/2点13bとの温度差、もしくは中心位置13aとエッジ部13cとの温度差を測定することが好ましい。
また、スリップ発生の有無を予測するため温度分布測定は、850℃から1150℃まで昇温する間で測定することが好ましく、特に、950℃から1050℃の温度区分を通過する時における温度差の最大値で予測することが好ましい。
以下に掲げる表1は、本発明の実施に係るスリップ予測の判定の閾値の例である。以下に挙げた閾値は本発明の実施に用いる閾値の1例であり、本発明を実施する者が必要に応じて適宜調節されるものである。また、例えば各閾値の1つでも条件を満たさない場合は、スリップ発生が予想されると判別することも可能であり、閾値の1つに着目してスリップ発生の有無を判別することも可能である。なお、閾値の1つに着目して判定する場合、スリップ発生の有無と相関が強いCenter − R/2に着目して判定することが好ましい。
次に、本発明の実施形態を利用した、エピタキシャル成長装置のメンテナンス作業の手順を図4により説明する。すなわち、本発明の実施により、メンテナンス中に(パイロメータの校正と実質的同時に)スリップ発生の有無の予想をして、その予想結果をメンテナンス作業に反映する手順について説明する。なお、以下で説明するメンテナンス作業は、上述したエピタキシャル成長装置を用いて行うものと仮定し、同一の符号を用いることによって各要素の構成の説明を省略する。
図4に示されるフローチャートは、本発明を利用したメンテナンス作業の開始から、生産プロセスの開始までの手順を説明するためのフローチャートである。メンテナンス作業は初めに、エピタキシャル成長装置1のメンテナンス解体や部品のクリーニング等、そして部品の組み上げを行う(ステップS1)。このとき、サセプタ支持アーム上12には校正用サセプタ11を反応炉内2に設置する(ステップS2)。
その後、ハロゲンランプ3を点燈することにより、反応炉2およびその内部の校正用サセプタ11を加熱し、このときの熱電対13a−13cの測定値を取得する(ステップS3)。より詳しくは、3つの熱電対13a−13cから、ウェーハ中心に対応する主熱電対13aと半径の1/2点に対応する補助熱電対13bとの測定値の差、ウェーハエッジ部に対応する補助熱電対13cと半径の1/2点に対応する補助熱電対13bとの測定値の差、およびウェーハ中心に対応する主熱電対13aとエッジ部に対応する補助熱電対13cとの測定値の差の3つの値、並びに、ウェーハ中心に対応する主熱電対13aの測定値を算出する。そして、ウェーハ中心に対応する主熱電対13aの測定値は、パイロメータ9(より具体的には上部のパイロメータ)を校正することに用いる。
ウェーハ中心に対応する主熱電対13aと半径の1/2点に対応する補助熱電対13bとの測定値の差、ウェーハエッジ部に対応する補助熱電対13cと半径の1/2点に対応する補助熱電対13bとの測定値の差、およびウェーハ中心に対応する補助熱電対13aとエッジ部に対応する補助熱電対13cとの測定値の差の3つの値は、実際の生産プロセスでウェーハにスリップが発生するか否かの予測に用いる(ステップS4)。具体的には、上述のように950℃から1050℃の温度区分を通過する時における3つの取得値の最大値を用いて、例えば表1に記載の閾値を用いて判定を行う。
上記の判定によって、スリップ発生が予測される場合、反応炉内2の確認、ハロゲンランプ3およびそのリフレクタの調節、劣化部品の交換、サセプタの組み直しなどを行う(ステップS5)。このとき、従来では1つの主熱電対で1点の温度測定をしていたものを3つの熱電対で温度分布を測定しているので、リフレクタの調節等にこの測定結果を用いることができる。その後、再びステップS3へ戻り、反応炉2の加熱およびそのときの熱電対13a―13cの測定値の取得を行う。
一方、ステップS4にて、スリップ発生が起きないことが予想される場合、校正用サセプタ11を取り外し、エピタキシャル成長プロセス用サセプタ15を設置する(ステップS6)。その後、炉内開放による汚染レベルが減衰するまでダミーウェーハ14を用いた焼き慣らし作業を行う(ステップS7)。この作業の後に、生産プロセスを開始する。
上記のように、本発明の利用によるメンテナンス方法では、ウェーハ中心に対応する主熱電対13aを、パイロメータの校正に用いると共にスリップ予測にも用いることにより効率良い温度測定となっている。
ここで、本発明の効果を説明するために、従来のメンテナンス作業の手順の一例を図5に示す。なお、本発明と従来方式との差を理解しやすくするために、図4と図5は符号を対応させて説明を行う。
図5に示されるように、従来のメンテナンス作業の手順も、解体・クリーニング・組み上げを行い(ステップS1’)、(主熱電対13aが中心部に1つのみ備えられた)従来型校正用サセプタを設置し(ステップS2’)、ランプアップ時の主熱電対13aの測定結果を取得し、パイロメータを校正する(ステップS3’)。その後、従来型校正用サセプタを取り外し、エピタキシャル成長プロセス用サセプタを設置し(ステップS6’)、ダミーウェーハ14を用いた焼き慣らし作業を行う(ステップS7’)。
その後、顕微鏡を用いたスリップ検査などの一連の品質検査を行う(ステップS8’)。この検査により、スリップ発生が確認された場合は、反応炉内の確認、劣化部品の交換、サセプタの組み直しなどを行い(ステップS5’)、ステップS7’に戻り焼き慣らし作業を行う。なお、スリップ発生の原因がランプ等の反応炉外にある場合、焼き慣らし作業をしないで済むが、スリップ発生の原因が反応炉内にある場合、炉内開放をすることに伴い、焼き慣らし作業が必須である。そして、ステップS8’の検査で以上が発見されない場合には、生産プロセスを開始する。
図4と図5に示されるメンテナンス作業を比較すると解るように、本発明を利用したメンテナンス作業では、ステップS5’に関わるループバックに焼き慣らしの手順を含まないので、メンテナンス作業全体の作業時間が大幅に短縮される。
本発明によれば、本発明によれば、多大な時間を要する焼き慣らし作業後の前にスリップ発生に対処ができるので、メンテナンス作業時間が大幅に短縮されるので、エピタキシャル成長装置のメンテナンス作業に有益に利用可能である。
1 エピタキシャル成長装置
2 反応炉
3 ハロゲンランプ
4 反応炉の上部
5 反応炉の下部
6 反応炉の側面部
7 供給口
8 排出口
9 パイロメータ
10 コントローラ
11 校正用サセプタ
12 サセプタ支持アーム
13a 主熱電対
13b 補助熱電対
13c 補助熱電対
14 ダミーウェーハ
15 プロセス用サセプタ
16 ウェーハ
2 反応炉
3 ハロゲンランプ
4 反応炉の上部
5 反応炉の下部
6 反応炉の側面部
7 供給口
8 排出口
9 パイロメータ
10 コントローラ
11 校正用サセプタ
12 サセプタ支持アーム
13a 主熱電対
13b 補助熱電対
13c 補助熱電対
14 ダミーウェーハ
15 プロセス用サセプタ
16 ウェーハ
Claims (10)
- エピタキシャル成長装置のパイロメータを校正する方法であって、
エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの中心位置に対応する位置に配置した主熱電対と、該主熱電対とは異なる位置でかつウェーハの半径方向の所定位置に少なくとも1つの補助熱電対とを備えたパイロメータ校正用の第1サセプタを用い、
前記エピタキシャル成長装置の反応炉を昇温しながら前記主熱電対および前記補助熱電対で前記第1サセプタの面内温度分布を経時的に測定し、
前記主熱電対で測定した温度データから前記パイロメータを校正し、
前記主熱電対の測定値と前記補助熱電対の測定値との差から、エピタキシャル成長プロセス用の第2サセプタ上に載置したウェーハ表面にエピタキシャル層を成長させて形成したときのスリップ発生の有無の予測を行うことを特徴とするエピタキシャル成長装置のパイロメータを校正する方法。 - 前記補助熱電対は、少なくともエピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置する、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置のパイロメータを校正する方法。
- 前記補助熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置した第1補助熱電対と、ウェーハのエッジ部に対応する位置に配置した第2補助熱電対からなり、
前記スリップ発生の有無の予測は、前記主熱電対の測定値と前記第1補助熱電対の測定値との差、または前記第1補助熱電対の測定値と前記第2補助熱電対の測定値との差、もしくは、前記主熱電対の測定値と前記第2補助熱電対の測定値との差から行う、請求項1または請求項2に記載のエピタキシャル成長装置のパイロメータを校正する方法。 - エピタキシャル成長装置のメンテナンス方法であって、
エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径方向の所定位置に少なくとも第1熱電対と第2熱電対とを備えたメンテナンス用サセプタを用い、
前記エピタキシャル成長装置の反応炉を昇温しながら前記第1熱電対および前記第2熱電対で前記メンテナンス用サセプタの面内温度分布を経時的に測定し、
前記第1熱電対および前記第2熱電対の測定値が所定の温度範囲にあるときの、前記第1熱電対の測定値と前記第2熱電対の測定値との差に基づいて、前記エピタキシャル成長装置内の温度分布の調整を行うか否かを判定するエピタキシャル成長装置のメンテナンス方法。 - 前記第1熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの中心位置に対応する位置に配置され、
前記第2熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置される、請求項4に記載のエピタキシャル成長装置のメンテナンス方法。 - 前記第1熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置され、
前記第2熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハのエッジ部に対応する位置に配置される、請求項4に記載のエピタキシャル成長装置のメンテナンス方法。 - 前記判定は、前記第1熱電対の測定値と前記第2熱電対の測定値との差の最大値が第1の閾値よりも大きい場合は温度分布の調整を行い、該差の最大値が第1の境界値と等しいか第1の閾値よりも小さい場合は温度分布の調整を行わない、請求項4から請求項6の何れかに記載のエピタキシャル成長装置のメンテナンス方法。
- 前記メンテナンス用サセプタは、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径方向の所定位置に第3熱電対をさらに備え、
前記第3熱電対の測定値と前記第1熱電対、および/または、前記第2熱電対の測定値との差に基づいて、前記エピタキシャル成長装置の再調整を行うか否かを判定する、請求項4から請求項7の何れかに記載のエピタキシャル成長装置のメンテナンス方法。 - エピタキシャル成長装置のパイロメータを校正するための校正用サセプタであって、
エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの中心位置に対応する位置に配置した主熱電対と、該主熱電対とは異なる位置でかつウェーハの半径方向の所定位置に少なくとも1つの補助熱電対とを備えたパイロメータ校正用サセプタ。 - 前記補助熱電対は、エピタキシャル成長プロセス中のウェーハの半径の1/2点位置に対応する位置に配置した第1補助熱電対と、ウェーハのエッジ部に対応する位置に配置した第2補助熱電対からなる、請求項9に記載のパイロメータ校正用サセプタ。
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JP2009260579A JP2011108766A (ja) | 2009-11-16 | 2009-11-16 | エピタキシャル成長装置のメンテナンス方法およびパイロメータを校正する方法、並びにパイロメータ校正用サセプタ |
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