JP2011108447A - 非水系電気電子部品用セパレータ - Google Patents

非水系電気電子部品用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】非水系電気電子部品、特に2次電池の安全性について重要な特性であるシャットダウン機能と高温時での形状安定性に優れた非水系電気電子部品用セパレータを提供すること。
【解決手段】200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーと300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質とが接触した状態で存在する薄葉材を、ドライの状態で該熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で熱処理してなる非水系電気電子部品用セパレータ。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系電気電子部品、例えば非水系2次電池内において、正極材と負極材を隔離し、電解液中の電解質もしくはイオンを通過させるセパレータに関する。特に、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属のイオンを電流のキャリアーとして使用する非水系2次電池のセパレータとして有用な、異なる熱特性を有する複数の物質からなるシートによって構成された薄葉材からなる非水系電気電子部品用のセパレータに関する。
2次電池、キャパシター、燃料電池、太陽電池は携帯電子機器等の電源として使用され、また、電気自動車、ハイブリッド自動車用の電源としても一部実用化されている現在、これら電子機器、電気自動車、ハイブリッド自動車への各種電池の搭載が検討されている。なかでも、小型・軽量、エネルギー密度が高く長期保存にも耐える高性能な2次電池、キャパシターへの期待は大きく、幅広く応用が図られている状況にあり、特に、耐電圧が高く、エネルギー密度の高い非水系の電解液を使用した2次電池、キャパシターへの期待は大きい。代表的なリチウム2次電池は、主として、正極活物質としてLiイオンを含む遷移金属との複合酸化物をそれぞれ利用した正極、負極活物質としてLiイオンを吸蔵・脱離しうるカーボン系材料を用いた負極、正、負極間に介挿されたセパレータ、およびLiPFまたはLiBF等の電解質と有機溶媒とからなる電解液から構成される。さらに、電池容器内に上記発電要素が収納され、それぞれ正極、負極に接続される正極端子、負極端子およびガスケットにより密封されている。正極および負極に対してそれぞれ所定の金属を用いた集電体が帯状に加圧成形されている。
この場合、セパレータに要求される一般的特性として、
(1) 電極材を隔離する機能の他に、各部短絡などで大きな電流が流れたときに電池回
路を遮断する機能(シャットダウン特性)を有すること、
(2) 上記シャットダウン特性を有すると同時に瞬時の大電流による大きなジュール熱
による温度上昇にも溶融しない耐熱性を有すること、
(3) 電解液を保持した状態では電解質・イオン透過性がよいこと、
(4) 電気的絶縁性を有すること、
(5) 電解液に対して化学的に安定であると同時に、電気化学的にも安定であること(
長寿命特性)、
(6) 機械的強度を有すること、膜厚を薄くできること
等が挙げられる。
特に、長寿命特性は、電気自動車、ハイブリッド自動車用の電源として電池を使用する場合、電池の寿命にかかわることであり、電池の交換回数を減らし、安定走行する意味で極めて重要である。
従来、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマーを用いて、製膜した多孔質シートが、上記セパレータとして広く使用されている。この多孔質シートは、1)可塑作用を有する溶剤とポリマーを混練し製膜した後、溶剤を抽出洗浄する方法(一般に湿式法と呼称されている)、または2)溶融ポリマーを押し出し成形にてシート化した後に延伸処理を施し、亀裂を生じさせ微細な孔を形成させる方法(一般に乾式法と呼称されている)によって製造される。このようにして製造されるセパレータは、1層または複数層重ねてあるいはロール状に巻いて電池内において用いられる。
セパレータの材質として溶融温度が130℃であるポリエチレンと溶融温度が170℃
であるポリプロピレンを採用することにより、上記のように外部短絡で電池内に過大な電流が流れたときに発生する発熱や外部要因による温度上昇によってセパレータが熱収縮/融解し、それにともない微多孔が閉塞するので電池回路を遮断する役割を果たしている。より低い温度で微多孔が閉塞される方が安全であるとの観点から、セパレータ材質はポリエチレンが主体となっている。
無論、電池回路の保護のため、セパレータ以外にPTCなどの安全装置機能を外部回路に組み込むことは可能である。しかし、今後大きく発展することが期待される電気自動車、ハイブリッド自動車用途の2次電池においては、衝突事故などの際の衝撃によって、外部安全装置回路が破損する可能性があることを考えあわせれば、安全性について、フールプルーフの観点からシャットダウン機能を有するセパレータは必要不可欠と考えられる。さらに、このシャットダウン特性とともに、シャットダウン後に温度上昇が継続した場合のセパレータの形状保持力が重要な要素となる。すなわち、ポリエチレン、ポリプロピレンのような120〜170℃の温度範囲内に融点をもつポリマーをセパレータに採用した場合、シャットダウン後も何らかの要因で温度上昇が継続すると、セパレータ自体が溶融してしまう結果、電流遮断機能がほぼ完全に消滅してしまう問題が指摘されている。あまりに早くセパレータ形状を失うようでは、電極の短絡を招き危険な状態になる。
上記問題を解決するために、2次電池のセパレータの材質として、高融点材料と低融点材料とを組み合わせ、低融点材料にシャットダウン機能を、高融点材料に高温での形状保持機能を持たせた多成分材料がいくつか提案されている。
たとえば、特許文献1には、芯鞘構造を持つ複合繊維不織布が開示されており、また、特許文献2には、融点の異なる複数種類の材質で形成された微多孔膜が示されている。
一方、特許文献3には、低融点樹脂からなる微孔製膜とこれより融点の高いポリマーから成る不織布を積層した構造体が提案されている。
しかし、これら特許文献に示されている高融点化合物の融点は高々270℃であり、ポリマーの熱運動が開始する目安の温度であるTg(ガラス転移温度)は、100℃以下である。したがって、突発的かつ局所的な温度上昇が生じた場合、セパレータ形状および短絡防止機能が完全に保持されるとは言えない。特に、通常のセパレータを構成するポリマーの場合、熱伝導率が一般に小さいため、局所的な温度上昇と融解の可能性は否定できない。
また、ポリエチレン多孔質フィルムとポリプロピレン多孔質フィルムを積層したセパレータも実用化されているが、この場合も熱的に不安定である問題は本質的には解決されていない。
その他にも、熱的に安定なアラミド(芳香族ポリアミド)をセパレータ成分に用いることが提案されている(特許文献4、特許文献5、特許文献6を参照)。これらは耐熱性に優れたアラミド繊維/パルプを使用したものであるが、シャットダウン機能を付与することについては何ら記載されていない。
特許文献7には、少なくともフィブリル化された有機繊維を含有する電池セパレータ用不織布が開示されている。この不織布はポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの低融点繊維を含んでもよいとされている。しかしながら、低融点成分が繊維形態である場合、仮に溶融したとしても被覆できる面積は大きくなく、既述したシャットダウン機能が十分であるとは言い難い。
特許文献8には、少なくとも200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーと実質的に安定融点を有しない有機化合物からなる紙料とから混合して成形されたシートである電池セパレータが開示されている。特許文献8において有機化合物として使用されるアラミドは、平衡水分率が少なくとも1.0%以上と非常に高く、アラミドに存在する結合水を除去するためには少なくとも150℃以上の温度での熱処理必要であるが、特許文献8には、水分に除去について何ら記載されていない。水分を除去しないか又は水分の除去が十分でないと、電解液を注入後、電解液中に抽出された水分が電解液と反応し、長期の使用中に、ガスが発生するなどして、電池の寿命が短くなるという問題が発生する可能性がある。
特許文献9には、シャットダウン層と耐熱多孔質層を有し、パラアラミドをポリエチレン多孔質フィルムに塗布することが記載されている。パラアラミドの平衡水分率は少なくとも2.0%以上と非常に高く、水分を除去する場合、アラミドに存在する結合水を除去するために少なくとも150℃以上の温度が必要であるが、ポリエチレン多孔質フィルムの透気度が700秒/100ccなどと大きいため、150℃以上の温度で熱処理すると、ポリエチレン多孔質フィルムの孔が閉じてしまうので、事実上、60〜100℃の熱処理温度で処理しなければならず、水分を十分に除去することができない。水分の除去が十分でないと、電解液を注入後、電解液中に抽出された水分が電解液と反応し、長期の使用中に、ガスが発生するなどして、電池の寿命が短くなるという問題が発生する可能性がある。
特許文献10には、実質的に安定的融点を有しない有機化合物からなる薄葉材を内包してなる200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーから成形された多孔シートが開示されており、実質的に安定的融点を有しない有機化合物としてアラミドなどが挙げられている。アラミドの平衡水分率は少なくとも2.0%以上と非常に高いため、内包されているとはいえども、製造工程中に表面に露出する可能性があり、水分を除去する必要があるが、この場合も、透気度が400秒/100ccなどと大きいため、上記特許文献8の場合と同じ問題が発生する可能性がある。
特許文献11には、実質的に安定的融点を有しない有機化合物からなる不織布状シート層と200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーから成形された多孔質シート層を積層したシートが開示されており、実質的に安定的融点を有しない有機化合物としてアラミドなどが挙げられているが、この場合も、透気度が300秒/100ccなどと大きいため、上記特許文献8の場合と同じ問題が発生する可能性がある。
特開昭61−232560号公報 特開昭63−308866号公報 特開平1−258358号公報 特開平5−33005号公報 特開平7−37571号公報 特開平7−78608号公報 特開平9−27311号公報 特開平11−40131号公報 特開2002−151044号公報 特開2006−054127号公報 特開2006−264029号公報
シャットダウン機能及び高温形状安定性と長寿命特性とを兼ね備えた非水系電気電子部品、例えば電池、キャパイシター、特に2次電池用のセパレータのためのシート状材料はこれまで皆無であるという状況であった。今後リチウム2次電池の産業用途への展開を図る上で、このような安全装置機能と長寿命特性を有する電池セパレータを開発することが待望されている。
本発明の目的は、非水系電気電子部品、特に2次電池の安全性について重要な特性であるシャットダウン機能と高温時での形状安定性とに優れたセパレータを導電部材間の隔離板として使用することにより、寿命の長い非水系電気電子部品を提供することである。
本発明者らはかかる状況に鑑み、シャットダウン機能と高温形状安定性を備え、さらに高温で熱処理することにより水分含有量を低くすることが可能なセパレータ用材料を開発すべく鋭意検討を進めた結果、今回、熱特性が異なる複数の特定の物質からなるシートによって構成された薄葉材を開発し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーと300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質とが接触した状態で存在する薄葉材を、ドライの状態で該熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で熱処理してなる非水系電気電子部品用セパレータを提供するものである。
本発明に係る薄葉材は、電解液に含浸した状態での融解によるシャットダウン機能に優れた熱可塑性ポリマーと、高温形状保持機能において優れた特性を示す、300℃以下において融点を有しない有機高分子物質、特にアラミドとから構成されているので、優れたシャットダウン機能を有し、高温での形状保持力に優れている。また、ドライ状態での熱処理後も孔が小さくなることがなく、電解液を保持した状態で良好な電解質・イオン透過性を示す。本発明に係る薄葉材は、ドライ状態で熱処理することにより、水分が除去され、電気化学的に安定となって、長寿命化が期待できる。さらに、熱可塑性ポリマーのコーティングにより、薄葉材の引張強度が高くなり、より薄葉化が可能で、エネルギー密度を向上させることができる。
以下、本発明の非水系電気電子部品用セパレータについてさらに詳細に説明する。
融点
本発明におけるポリマーの融点は、DSC(Differential Scanning Calorimetry)、DTA(Differential Thermal
Analysis)などの熱的方法にて測定される。一般に、ポリマーは、単一でない分子量成分を含んでいることおよび結晶化の程度の違いなどを反映して幅広い融解挙動を示す。本発明においては、DSC分析による吸熱ピークに対応する温度を以って融点とする。
200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマー
本発明において用いられる200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーとしては、特に制限はないが、特にポリオレフィンが好適である。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンおよびこれらの共重合体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびこれらの共重合体が好ましい。これらのポリマーは、直鎖状構造
を有するものに限定されず、分岐鎖、架橋部位などの構造を含んだものであってもよい。
このような熱可塑性ポリマーは、ドライの状態で融点以上の温度に加熱されると、融解し流動性が高まるため、毛細管現象により、薄葉材を構成する周辺の300℃以下において実質的に融点を有さない有機高分子物質の間隙に浸透し、空隙を効率的に充填することができる。また、電解液に浸した状態では、空隙がないので、融解した後、ニュートンの法則に従って膜状に拡がり、この結果、本発明のセパレータはシャットダウン機能が発現する。
300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質
本発明において用いられる融点を実質的に有しない有機高分子物質としては、例えば、1) 加熱昇温した際に架橋反応が進行し実質的に融点が有機高分子物質の分解温度以上
に上昇するもの、
2) 有機高分子物質の融点と分解温度が近接していて融解と並行して有機高分子物質の
熱分解が生じるもの、
3) 融解特性がなく、したがって融点を持たないもの
などを使用することができる。
本発明においては、これらの物質のなかで、300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質が使用される。本発明おいて用いられる有機高分子物質物としては、例えば、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート(全芳香族ポリエステル)、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特にアラミドが好ましい。
これらの有機高分子物質の形状としては、例えば、繊維、フィブリル化した繊維、ファイブリッド、微多孔フィルム、紙、不織布、織布などが挙げられるが、上記物質を主成分として構成され、かつセパレータとして十分なイオン透過性を有するものであれば、その形状には特に制約はない。具体的には、特開2003−064595号公報、特開2005−307360号公報などに記載されるアラミド薄葉材が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明において使用される有機高分子物質は一般に少なくとも0.2%、通常少なくとも1.0%の平衡水分率という高い含有率で水分(結合水など)を含有しており、これらの含有水分は、後述するように、本発明に従い熱処理することにより除去される。
アラミド
本発明において、アラミドとは、全芳香族ポリアミドであって、芳香環、例えばベンゼン環またはナフタレン環を連結する結合の60%以上がアミド結合である線状高分子化合物を意味する。ベンゼン環を有するアラミドの場合、アミド結合の置換位置に応じてメタ系アラミドおよびパラ系アラミドに大きく区分される。メタ系アラミドとしては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミドおよびその共重合体、パラ系としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミドおよびその共重合体、ポリ(パラフェニレン)−コポリ(3,4ジフェニレンエーテル)テレフタルアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アラミドの製造方法もまた特に限定されないが、一般には、芳香族ジアミンと芳香族酸二塩化物との縮合反応による溶液重合法、2段階界面重合法などが挙げられ、これらの方法によって工業的に製造されている。なお、アラミドの特性を損なわない範囲で、上記アラミドに他成分を共重合することもできる。本発明において用いられるアラミドの形態は、特に限定されないが、アラミドファイブリッド、アラミド短繊維、フィブリル化したアラミド、アラミド薄葉材などの形態が好ましい。
アラミド薄葉材
本発明に使用されるアラミド薄葉材としては、原材料として上記アラミドを使用して作製された薄い多孔質シート状のものであれば特に制限はないが、孔径の調整が容易であるために特にアラミド短繊維を使用した薄葉材が好適である。
アラミド短繊維は、アラミドを原料とする繊維を切断したものであり、そのような繊維としては、例えば、帝人テクノプロダクツ(株)の「テイジンコーネックス(登録商標)」、「テクノーラ(登録商標)」、デュポン社の「ノーメックス(登録商標)」「ケブラー(登録商標)」、帝人アラミド社の「トワロン(登録商標)」等の商品名で入手することができるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
平衡水分率
本発明において、平衡水分率とは、試料を絶乾状態にした後、温度20℃、相対湿度65%の環境に96時間暴露した試料について、JIS L−1015に従って算出した値である。
200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーと300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質とが接触した状態で存在する薄葉材
本発明において、200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーと300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質とが接触した状態で存在する薄葉材としては、上記熱可塑性ポリマーと上記有機高分子物質とからなる薄い多孔質シート状の材料であって、ドライの状態下で上記熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で加熱しても孔のサイズが小さくならず、またセパレータとしての形状を保持することができるものが使用される。
ここで、「接触した状態」には、熱可塑性ポリマーと有機高分子物質とが混合された状態、有機高分子物質上に熱可塑性ポリマーが少なくとも部分的に被覆されている状態などが包含される。
熱可塑性ポリマーをアラミド薄葉材にコーティングした薄葉材
セパレータとして十分な強度、加工性を有するという観点から、本発明では、上記熱可塑性ポリマーを上記アラミド薄葉材にコーティングした薄葉材が好ましく用いられる。
コーティングの方法としては、例えば、上記熱可塑性ポリマーを融解した状態で塗布した後、一対のロール間などの任意の隙間を通すことにより、表面を均一化する方法、上記熱可塑性ポリマーの微粒子を液体中に分散させた後、その分散体を片面に塗布するか、あるいはその分散体中にアラミド薄葉材を含浸した後、一対のロール間などの任意の隙間を通すことにより、表面を均一化しかつ上記分散体の付着量を調整し、液体を乾燥により除去する方法などが挙げられ。その際、片面に塗布後、さらに反対側の面に塗布し、付着量を調整し、液体を乾燥により除去してもよいし、上記塗布、含浸、均一化を任意の順に複数回繰り返した後、液体を乾燥により除去してもよい。中でも上記熱可塑性ポリマーの微粒子を水に分散させた分散体を塗布後、一対のロール間を通し、乾燥するいわゆるディップ・ニップ法が環境に優しく、塗布後もアラミド薄葉材の孔を保持しやすいことから好ましく用いられる。
上記熱可塑性ポリマーの微粒子の粒径としては300nm以下、特に200nm以下であることが好ましく、300nmよりも大きいと液体に均質に分散しがたく、均質なコーティングが困難となる。
また、塗布する上記熱可塑性ポリマーの量は、アラミド薄葉材に対して、重量比で1〜
50%、特に2〜15%の範囲内が好ましい。該重量比が1%未満では、電解液中でサーマルシャットダウン機能が十分に発揮されず、また、50%を超えると、薄葉材の孔が小さくなり、ドライ状態で上記熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で加熱した場合に上記熱可塑性ポリマーが膜状に上記薄葉材の孔を塞ぎ、イオン透過性を妨げる可能性がある。
透気度
本発明の熱処理前の上記薄葉材は、100秒以下、特に50秒以下、さらに特に20秒以下のガーレー透気度を有することが好ましい。熱処理前の薄葉材の透気度が100秒より大きいと、薄葉材の孔が小さく、ドライの状態で上記熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で加熱した場合に、上記熱可塑性ポリマーが膜状に薄葉材の孔を塞ぎ、イオン透過性を妨げる可能性がある。
薄葉材のドライの状態での熱可塑性ポリマーの融点以上の温度での熱処理
上記薄葉材をドライの状態で上記熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で熱処理(乾燥)することにより、高い平衡水分率で水分を含む上記有機高分子物質の水分を除去することができる。上記熱処理は、上記薄葉材のみの状態で実施することができ、あるいは電極シートなど他の部材と組み合わせた後に実施することもできるが、熱処理実施後は、有機高分子物質が再び吸水しないように、可能であればドライ状態を維持し、速やかに電解液を注入することが好ましい。
熱処理は、例えば、真空乾燥機を使用し、真空度20mmHg以下、好ましくは10mmHg以下の雰囲気で、又は加熱乾燥炉に絶乾状態の不活性ガス、例えば窒素、アルゴンなどを導入しながら、上記熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で熱処理することにより行うことができる。
かくして得られる熱処理後の薄葉材は、一般に100ppm以下、特に20ppm以下の水分含有率を有することが望ましい。
その結果、熱処理後の上記薄葉材を導電部材間の隔離板として使用した場合、水分が電解液中に抽出されず、電解液の劣化も抑制され、電気電子部品の長寿命化を期待することができ、例えば、非水電解液電池の寿命を大幅に長くすることが可能である。
かくして、本発明に係る熱処理後の上記薄葉材は、非水系電気電子部品用セパレータとして有利に使用することができる。
ドライ状態
本発明において、ドライの状態とは、周囲雰囲気中に実質的に水分が存在しない状態、例えば、真空度20mmHg以下、好ましくは10mmHg以下の真空状態が挙げられる。
電気電子部品
本発明の熱処理後の上記薄葉材を導電部材間の隔離板として使用した電気電子部品は、熱可塑性ポリマーに起因する200℃以下での効率的なシャットダウン機能と、アラミドに基づく高温形状安定化機能を兼ね備えている。したがって、本発明の熱処理後の上記薄葉材は、例えば、陽極、陰極、電解液及び隔離板から構成される非水系電気化学電池、特にリチウム2次電池の隔離板として好適に使用することができる。このような電池は、従来の携帯電話、パーソナルコンピューターなどの電気機器電池用途のみならず、電気自動車のような大型機器のエネルギー貯蔵/発生装置としても応用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
測定方法
(1) シートの坪量、厚みの測定
JIS C2111に準じて実施した。
(2) ガーレー透気度
JIS P8117に規定されたガーレー透気度測定器を使用し、外径28.6mmの円孔を有する締め付け板により押さえられたシート試料(面積642mm)を100cc(0.1dm)の空気が通過する時間(秒)を測定した。
(3) 多孔度:空孔容積/薄葉材容積×100(%)
但し、空孔容積=含水重量−絶乾重量
含水重量とは、薄葉材を10分間水に浸した後の重量。
絶乾重量とは、薄葉材を真空度15mmHg以下の真空状態で24
時間乾燥した後の重量。
(4)引張強度の測定
テンシロン引張試験機を幅15mm、チャック間隔50mm、引張速度50mm/minで実施した。
(5)薄葉材の水分含有量の測定
ドライ状態で熱処理後、露点−60℃のドライルーム内で重量を測定することにより以下の式より求めた。
(熱処理後のサンプルの重量―サンプルの絶乾重量)/熱処理後のサンプルの重量×1
000000(ppm)
原料調製
アラミド短繊維として、短繊維繊度0.8のデニールメタアラミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製、テイジンコーネックス(登録商標))を、長さ5mmに切断し、また、フィブリル化したアラミドとして、トワロンパルプ(帝人アラミド社製、トワロン(登録商標))を比表面積14m/g、濾水度85mlに調製し、抄紙用原料とした。
実施例1、2及び比較例1、2
(アラミド薄葉材の製造)
調製したアラミド短繊維及びフィブリル化されたアラミドをおのおの水中に分散しスラリーを作製した。このスラリーを、アラミド短繊維及びフィブリル化されたアラミドが表1に示す各実施例の配合比率となるようにして混合し、タッピー式手抄き機(断面積325cm)で処理してシート状物を作製した。次いで、これを金属製カレンダーロールにより温度330℃、線圧300kg/cmで熱圧加工し、アラミド薄葉材を得た。その平衡水分率は3.8%であった。
このようにして得られたアラミド薄葉材の主要特性値を表1に示す。
(熱可塑性ポリマーをコーティングしたアラミド薄葉材の製造)
熱可塑性ポリマーの水分散体として、住友精化(株)の「ザイクセン(登録商標)AC」(固形分の融点80〜95℃、粒径200nm以下)の固形分濃度を20%に調整したものを使用し、それをディップ・ニップ法にて上記アラミド薄葉材に含浸塗布し、60℃で4時間乾燥した。
このようにして得られた薄葉材の主要特性値及びドライ状態で熱処理した、すなわち、真空乾燥機を使用し、真空度3mmHgの雰囲気で熱処理したときの主要特性値を表2に示す。
Figure 2011108447
Figure 2011108447
また、上記実施例1、2及び比較例1、2の薄葉材を300℃で45分間熱処理したが、薄葉材自体の変形、収縮は観測されなかった。

Claims (9)

  1. 200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーと300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質とが接触した状態で存在する薄葉材を、ドライの状態で該熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で熱処理してなる非水系電気電子部品用セパレータ。
  2. 該薄葉材を該熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で熱処理した後の該薄葉材の水分含有量が100ppm以下である請求項1に記載の非水系電気電子部品用セパレータ。
  3. 該有機高分子物質の平衡水分率が少なくとも0.2%である請求項1または2に記載の非水系電気電子部品用セパレータ。
  4. 該薄葉材を該熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で熱処理する前の該薄葉材の透気度が100秒以下である請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電気電子部品用セパレータ。
  5. 該有機高分子物質がアラミドである請求項1〜4のいずれかに記載の非水系電気電子部品用セパレータ。
  6. 該アラミドがアラミド薄葉材の形態である請求項5に記載の非水系電気電子部品用セパレータ。
  7. 該薄葉材が該熱可塑性ポリマーを該アラミド薄葉材にコーティングしてなるものである請求項6に記載の非水系電気電子部品用セパレータ。
  8. 該熱可塑性ポリマーがポリオレフィンである請求項1〜7のいずれかに記載の非水系電気電子部品用セパレータ。
  9. 陽極、陰極、電解液及び隔離板から構成される非水系電気化学電池であって、該隔離板として、請求項1〜8のいずれかに記載の非水系電気電子部品用セパレータを用いたことを特徴とする非水系電気化学電池。
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