JP2011258462A - 非水系電気電子部品用薄葉材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、電気・電子部品の高容量化・高出力化による大電流に耐えうる、均一な微細孔を持ち、低抵抗かつ高耐熱性の隔離板(セパレータ)用材料を開発することである。
【解決手段】300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質からなるシート層の少なくとも一方の表面に、耐熱性物質からなる耐熱層が積層されていることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気・電子部品内において導電部材間を隔離し、電解質もしくはイオンなどのイオン種を通過させる隔離板(セパレータ)として有用な薄葉材およびそれを使用した電気・電子部品に関する。
携帯通信機器や高速情報処理機器などの最近の進歩に象徴されるように、エレクトロニクス機器の小型軽量化、高性能化には目覚しいものがある。中でも小型、軽量、高容量で長期保存にも耐える高性能な二次電池、キャパシタへの期待は大きく、幅広く応用が図られ、部品開発が急速に進展している。これに応えるため、部材、例えば電極間の隔壁材料であるセパレータに関しても技術・品質開発の必要性が高まっている。セパレータに要求される様々な特性の中でも、特に次の三つの項目が重要と認識される。
1)電解質を保持した状態での導電性が良いこと。
2)電極間遮蔽性が高いこと。
3)機械的強度を有すること。
従来、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系ポリマーを用いて製膜した多孔質シート(特許文献1)、同ポリマー繊維を用いてシート化した不織布(特許文献2)、ナイロン繊維を用いてシート化した不織布(特許文献3)などがセパレータに広く使用されている。このようなセパレータは1層又は複数層あるいはロール状に巻いて電池内に用いられる。
これらの微多孔膜及び不織布はセパレータとして良好な物性を有しているが、近年、電気自動車用の電池、キャパシタなどに要求されている高容量化や大出力化には必ずしも十分な対応ができていない。
高容量、大出力が要求される電池、キャパシタなどの電気・電子部品中のセパレータには、
1)電解質を保持した状態での導電性が良いこと(低抵抗)。
2)電極間遮蔽性が高いこと。
3)機械的強度を有すること。
4)化学的・電気化学的に安定であること(耐熱性)。
の四つの特性を同時に満たすことが必要とされている。特に、導電性と耐熱性は、大電流を使用する例えば電気自動車用の駆動電源としての電池、キャパシタのような電気・電子部品において、ブレーキの回生エネルギーを効率よく蓄えるという意味で極めて重要であると考えられる。
上記耐熱性を向上するための手段として、従来、耐熱性のバインダーを含んだセパレータとして、シリカ粒子などの無機粒子とガラス繊維を含んでなるセパレータ(特許文献4〜7)が開示されているが、本質的に脆弱なガラス繊維を含むため、熱圧加工による薄葉化の際にガラス繊維が破壊され、これによって機械特性が低下し、セパレータとしての形態保持や製造工程での搬送等の取り扱いが困難である。また、無機粒子をセパレータに定着させるためにアクリル系樹脂、カチオン系定着補強剤、高分子凝集剤などの成分が添加されているが、これらの添加成分がセパレータ中に残留することによって耐電圧の低下などの電気化学的安定性の低下が発生するなどの問題が生じる。また、これらの添加成分は耐熱性が無機粒子やガラス繊維に比べて劣るため(アクリル樹脂であれば80℃を超えると軟化し始める特性を示すなど)、本来無機粒子やガラス繊維が持つ耐熱性が損なわれる。このため、突発的かつ局所的な温度上昇が生じた場合、セパレータ形状及び短絡防止機能が完全に保持されるとは言えない。
上記問題を解決するための手段として、メタ型アラミド繊維と無機粒子を含んでなるセパレータ(特許文献8)が開示されているが、該特許記載の方法では無機粒子をセパレータに固着させるためのバインダーが存在しないため、無機粒子が粉落ちしやすく、電池やキャパシタに組み込んだ際に短絡を引き起こす可能性がある。
特開昭63−273651号公報 特開2001−11761号公報 特開昭58−147956号公報 特開2004−207261号公報 特開2004−349586号公報 特開2006−59613号公報 特開2007−81035号公報 特開2009−295483号公報
本発明の目的は、電気・電子部品の高容量化・高出力化による大電流に耐えうる、均一な微細孔を持ち、低抵抗かつ高耐熱性の隔離板(セパレータ)用材料を開発することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願の第1の発明は、300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質からなるシート層の少なくとも一方の表面に、耐熱性物質からなる耐熱層が積層されていることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材を提供するものである。
本願の第2の発明は、上記第1の発明に従う薄葉材において、有機高分子物質がアラミドであることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材を提供するものである。
本願の第3の発明は、上記第1または第2の発明に従う薄葉材において、耐熱性物質が、無機粒子及び無機バインダーからなることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材を提供するものである。
本願の第4の発明は、上記第3の発明に従う薄葉材において、無機粒子が、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛のうち少なくとも1種以上を含む無機酸化物またはそれらの複合酸化物であることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材を提供するものである。
本願の第5の発明は、上記第3または第4の発明に従う薄葉材において、無機バインダーが、コロイダルシリカであることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材を提供するものである。
本願の第6の発明は、上記第1〜第5のいずれかの発明に従う薄葉材において、ガーレー式透気度測定法で測定される透気度が10〜100秒/100cm3であることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材を提供するものである。
本願の第7の発明は、上記第1〜第6のいずれかの発明に従う薄葉材において、耐熱層を積層した状態での内部抵抗値が、耐熱層を積層していない有機高分子物質からなるシート層単独での内部抵抗値の1.1倍以下であることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材を提供するものである。
ここで内部抵抗値とは、下式(1)で表される値である。

(内部抵抗値)[μm]=(電解液の電気伝導度)/(非水系電気電子部品用薄葉材(または有機高分子物質からなるシート層)に電解液を注入した時の電気伝導度)×(非水系電気電子部品用薄葉材(または有機高分子物質からなるシート層)の厚さ)[μm] ・・・ 式(1)

但し、(非水系電気電子部品用薄葉材(または有機高分子物質からなるシート層)に電解液を注入した時の電気伝導度)とは、電解液を非水系電気電子部品用薄葉材(または有機高分子物質からなるシート層)に注入した状態で2枚の電極に挟み、測定した交流インピーダンスから算出した電気伝導度のことをいう。
本願の第8の発明は、上記第1〜第7のいずれかの発明に従う薄葉材において、有機高分子物質からなるシート層に、耐熱性物質からなる耐熱層をコーティングしてなる非水系電気電子部品用薄葉材を提供するものである。
本願の第9の発明は、上記第1〜第8のいずれかの発明に従う薄葉材を導電部材間の隔離板として用いることを特徴とする非水系電気電子部品を提供するものである。
本発明によれば、電気・電子部品の高容量化・高出力化による大電流に耐えうる、均一な微細孔を持ち、低抵抗かつ高耐熱性の隔離板(セパレータ)用材料を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[融点]
融点は、一般にDSC(Differential Scanning Calorimetry)、DTA(Differential Thermal Analysis)などの熱的分析方法にて定義される。一般に、ポリマーは、単一でない分子量成分を含んでいること及び結晶化の程度の違いなどを反映して幅広い融解挙動を示す。本発明において融点とは、DSC分析による吸熱ピークに対応する温度を以って定義する。
[300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質]
融点を実質的に有しない有機高分子物質としては、例えば、
1)加熱昇温した際に架橋反応が進行し実質的に融点が有機高分子物質の分解温度以上に上昇するもの、
2)有機高分子物質の融点と分解温度が近接していて融解と並行して有機高分子物質の熱分解が生じるもの、
3)融解特性がなく、したがって融点を持たないもの
などを使用することができる。
本発明においては、これらの物質のなかで、300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質が使用される。本発明おいて用いられる有機高分子物質物としては、例えば、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート(全芳香族ポリエステル)、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この中では特にアラミドが好ましい。
これらの有機高分子物質からなるシート層としては、例えば、繊維、フィブリル化した繊維、ファイブリッド、微多孔フィルム、紙、不織布、織布などが挙げられるが、上記物質からなり、かつセパレータとして十分なイオン透過性を有するものであれば、その形状には特に制約はない。
[アラミド]
本発明においてアラミドとは、アミド結合の60%以上が芳香環に直接結合した線状高分子化合物を意味する。このようなアラミドとしては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミドおよびその共重合体、ポリパラフェニレンテレフタルアミドおよびその共重合体、コポリパラフェニレン・3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミドなどが挙げられる。これらのアラミドは、例えば、芳香族酸二塩化物および芳香族ジアミンとの縮合反応による溶液重合法、二段階界面重合法等により工業的に製造されている。本発明において用いられるアラミドの形態は、特に限定されないが、アラミドファイブリッド、アラミド短繊維、フィブリル化したアラミド、アラミド薄葉材などの形態が好ましい。
[アラミド薄葉材]
本発明に使用されるアラミド薄葉材としては、原材料として上記アラミドを使用して作製された薄い多孔質シート状のものであれば特に制限はないが、孔径の調整が容易であるために特にアラミド短繊維を使用した薄葉材が好適である。
アラミド短繊維は、アラミドを原料とする繊維を切断したものであり、そのような繊維としては、例えば、帝人テクノプロダクツ(株)の「テイジンコーネックス(登録商標)」、「テクノーラ(登録商標)」、デュポン社の「ノーメックス(登録商標)」、「ケブラー(登録商標)」、テイジンアラミド社の「トワロン(登録商標)」等の商品名で入手することができるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[耐熱性物質]
本発明において耐熱性物質とは、少なくとも300℃以下において実質的に融点を有しない物質を意味し、具体的には主として無機粒子と無機バインダーから構成される。
無機粒子としては、平均一次粒子径が3〜100nm、好ましくは5〜50nm、更に好ましくは10〜35nmの球状、円柱状、または角柱状であることが好ましいが、これに限定されるものではない。平均一次粒子径は、一般的には、動的光散乱法により測定される。材質は、電池、キャパシタの機能を阻害しなければ特に制限はないが、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛を挙げることができる。これらは単独で使用しても良く、2種類以上混合して使用することもできる。また、それらの複合酸化物を単独、または2種類以上混合して使用することもできる。
無機バインダーは、上記無機粒子を上記有機高分子物質からなるシート層に定着させ、強固な耐熱層を形成する目的で使用する。具体的には、コロイダルシリカ、鱗片状シリカなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この中では特にコロイダルシリカが好ましい。
[300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質からなるシート層の少なくとも一方の表面に、耐熱性物質からなる耐熱層が積層されている薄葉材]
本発明の薄葉材は、上記有機高分子物質からなるシート層と上記耐熱性物質からなる耐熱層とを積層した少なくとも2層以上の層構造をなしているものであり、セパレータとして用いる場合には、厚みは5μm〜100μm、好ましくは7μm〜50μm、更に好ましくは10μm〜30μmの範囲である。5μmよりも厚みが小さい場合、機械的強度が低下しセパレータとしての形態保持や製造工程での搬送等取扱に問題を生じやすく、100μmを超える場合、内部抵抗の増大を招きやすく、また小型で軽量かつ高性能な電気電子部品の製造が困難となる。
さらに、本発明の薄葉材をセパレータとして用いる場合には、5〜100g/m2の範囲の目付を有することが好ましい。目付が5g/m2より小さい場合、機械的強度が不足するため電解質含浸処理や巻取りなどの部品製造工程での各種取扱で破断を引き起こしやすく、一方、100g/m2を超える目付の複合体シートでは厚みの増大や、電解質の含浸不良を生じる可能性が高いため好ましくない。
本発明の薄葉材の密度は(目付/厚み)より算出される値であり、通常0.1〜1.2g/cm3の範囲をとることができる。
本発明の薄葉材は、さらに、ガーレー式透気度測定法で測定される透気度が、10〜100秒/100cm3以下の透気度を有していることが好ましい。ここでいうガーレー式透気度とは、外径28.6mmの円孔をもった締め付け板に試料を挟み、この試料を通じて100cm3の空気が流出するのに要する時間を秒単位で示したものである。ガーレー式透気度が10秒/100cm3未満の薄葉材では、電池やキャパシタに組み込んだ際に短絡を生じやすく、セパレータとして機能しない可能性が高い。また、100秒/100cm3を超える薄葉材は、上記耐熱層が紙の孔の中でも径の小さいものを選択的に塞いでいる場合があり、その場合イオン透過性を妨げる可能性があるため好ましくない。
本発明の薄葉材は、上記有機高分子物質からなるシート層に、上記耐熱性物質からなる耐熱層をコーティングして形成されたものが好ましく用いられる。
コーティングの方法としては、例えば、無機バインダーのスラリーに無機粒子を混合して均質化したスラリーを作成して従来公知の方法にて、上記有機高分子物質からなるシートに塗布した後、一対のロール間などの任意の隙間を通すことにより、表面を均一化する方法、上記均質化スラリー中に有機高分子物質からなるシートを浸漬させた後、一対のロール間などの任意の隙間を通すことにより、表面を均一化しかつ上記スラリーの付着量を調整し、液体を乾燥により除去する方法などが挙げられる。その際、片面に塗布後、さらに反対側の面に塗布し、付着量を調整し、液体を乾燥により除去してもよいし、上記塗布、浸漬、均一化を任意の順に複数回繰り返した後、液体を乾燥により除去してもよい。また、上記塗布、浸漬、均一化、乾燥を任意の順に複数回繰り返した後、液体を乾燥により除去してもよい。中でも上記耐熱性物質からなる水系スラリーを片面に塗布後、一対のロール間を通し、乾燥する方法が環境に優しいことから好ましく用いられる。
また、耐熱性物質からなる耐熱層は、有機高分子物質からなるシート層に対して、重量比で2〜50%、特に5〜30%の範囲内が好ましい。また、上記耐熱性物質中に占める無機バインダーと無機粒子との割合は、重量比で、(無機バインダー)/(無機粒子)=5/95〜60/40が好ましく、10/90〜50/50がより好ましい。無機バインダーの重量比が5%未満では、無機粒子を、有機高分子物質からなるシートに十分に定着させることができず、また重量比が60%を超えると、微細な孔をもった均質な耐熱層を、有機高分子物質からなるシート層上に形成することが困難となる。
[内部抵抗値]
本発明では電解液を保持した状態での電解質・イオン透過性を示す特性として下式(1’)の内部抵抗値を用いる。

(内部抵抗値)[μm]=(電解液の電気伝導度)/(セパレータに電解液を注入した時の電気伝導度)×(セパレータの厚さ)[μm] ・・・ 式(1’)

ここで電解液とは溶媒中に電解質が溶解した液体を意味する。
本発明においては、電解液に使用する溶媒、電解質、電解質の濃度等に特に制限はないが、例えば溶媒としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ブチレンカーボネート、グルタロニトリル、アジポニトリル、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、3−メチルスルホラン、ニトロエタン、ニトロメタン、リン酸トリメチル、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルヒキシド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、アミジン、水及びその混合物などが挙げられる。
また、電解質としては、例えばイオン性の物質で以下のカチオンとアニオンの組み合わせが挙げられる。
1)カチオン:第4級アンモニウムイオン、第4級ホスホニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、水素イオンとその混合物など
2)アニオン:過塩素酸イオン、ホウフッ化イオン、六フッ化リン酸イオン、硫酸イオン、水酸化物イオンとその混合物など
また、(セパレータに電解液を注入したときの電気伝導度)とは前記電解液をセパレータに注入した状態で2枚の電極に挟み、測定した交流インピーダンスから算出した電気伝導度を意味する。
交流インピーダンスの測定周波数については、特に制限はないが1kHz〜100kHzが好ましい。
本発明における薄葉材の内部抵抗値は、耐熱層を積層していない有機高分子物質からなるシート層単独での内部抵抗値の1.1倍以下であることが好ましく、1.1倍を超える場合には、耐熱層が有機高分子物質からなるシート層の孔を塞ぐことにより抵抗が増大し、また有機高分子物質からなるシート層よりも厚みも増大しているので、イオン透過性が低下し、電池やキャパシタに組み込んだ時に性能低下を引き起こす場合がある。
[電気電子部品]
本発明の上記薄葉材を導電部材間の隔離板として使用した電気電子部品は、300℃以下において実質的に融点を有しない材料のみから構成されており、高温での形状安定化機能を備えている。また、均一な微細孔を形成しているので、薄葉であっても高い耐短絡性能を兼ね備えている。したがって、本発明の上記薄葉材は、例えば、陽極、陰極、電解液及び隔離板から構成される非水系電気化学電池、特にリチウム2次電池の隔離板として好適に使用することができる。このような電池は、従来の携帯電話、パーソナルコンピューターなどの電気機器電池用途のみならず、電気自動車のような大型機器のエネルギー貯蔵/発生装置としても応用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、これらの実施例は、単なる例示であり、本発明の内容を何ら限定するためのものではない。
[測定方法]
(1)シートの目付、厚み
JIS C 2111に準じて実施した。
(2)ガーレー透気度
JIS P 8117に規定されたガーレー透気度測定器を使用し、外径28.6mmの円孔を有する締め付け板により押さえられたシート試料(面積642mm2)を100cc(0.1dm3)の空気が通過する時間(秒)を測定した。
(3) 多孔度
空孔容積及び薄葉材容積から下式(2)を用いて算出した。

(多孔度)=(空孔容積)/(薄葉材容積)×100[%] ・・・ 式(2)

但し、空孔容積とは含水重量から絶乾重量を引いた重量を表し、含水重量とは、薄葉材を10分間水に浸した後の重量を表す。また、絶乾重量とは、薄葉材を真空度15mmHg以下の真空状態で24時間乾燥した後の重量を表す。
(4)電気伝導度の測定
セパレータを直径20mmの円状に切り出し、2枚のSUS電極に挟み、60kHzでの交流インピーダンスから算出した。
このとき、測定温度は25℃とした。測定には電解液として1Mのホウフッ化リチウム エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート(1/1重量比)を用いた。
(5)内部抵抗値
前記(3)で測定した、セパレータ(薄葉材)に電解液を注入した時の電気伝導度、および電解液の電気伝導度から下式(1’)を用いて算出した。

(内部抵抗値)[μm]=(電解液の電気伝導度)/(セパレータに電解液を注入した時の電気伝導度)×(セパレータの厚さ)[μm] ・・・ 式(1’)

(6)内部抵抗比
後述のセパレータ、および、耐熱層を積層していないアラミドシートについてそれぞれ前記(5)に示す内部抵抗値を測定し、前記セパレータの内部抵抗値から耐熱層を積層する前のシートの内部抵抗値を除した値を内部抵抗比とした。
(7)粉落ち性
JIS L 0849記載の学振型摩擦試験機を用い、摩擦子との接触面に耐熱層が面するようにセパレータを配置し、セパレータと接触する摩擦子表面に布テープ(ニチバン(株)製「102N」)を貼り付け、摩擦子の荷重を200gとし、セパレータ試験片中央部10cmの間を毎分30回往復の速度で一方向にのみ1回摩擦し、摩擦後のセパレータの状態を目視により以下の要領で判定した。
○:粉落ちなし
△:わずかに粉落ちあり
×:粉落ちあり
[原料調製]
アラミドのフィブリル化パルプとして、テイジンアラミド社製パラアラミドパルプ(トワロン(登録商標)パルプ)を離解機、叩解機で処理し、比表面積14m2/g、濾水度85mlに調製した。また、繊度0.9dtexの帝人テクノプロダクツ(株)製メタアラミド繊維(テイジンコーネックス(登録商標))を、長さ5mmに切断し、抄紙用原料とした。
[実施例1及び2]
調製したパラアラミドパルプ、及びメタアラミド短繊維をそれぞれ水中に分散してスラリーを作製した。このスラリーを、パラアラミドパルプ、及びメタアラミド短繊維が、表1に示す配合比率となるように混合し、タッピー式手抄き機(断面積325cm2)で処理してシート状物を作製した。次いで、これを金属製カレンダーロールにより温度330℃、線圧300kg/cmで熱圧加工し、アラミドシートを得た。
次に、無機バインダーとして、竹本油脂(株)製「メリノール Z−109」を、また、無機粒子として、平均一次粒子径が30nmの日本アエロジル(株)製シリカ粒子「AEROSIL(登録商標)50」を、固形分が表1に示す配合比率となるように混合し、ホモミキサーにて攪拌後、ドクターブレード法にて上記アラミドシートに塗布し、60℃で4時間乾燥して、アラミドからなるシート層に、無機バインダーと無機粒子からなる耐熱層が積層されたセパレータを得た。
このようにして得られたセパレータの主要特性値を表1に示す。
[比較例1]
調製したパラアラミドパルプ、及びメタアラミド短繊維をそれぞれ水中に分散してスラリーを作製した。このスラリーを、パラアラミドパルプ、及びメタアラミド短繊維が、表1に示す配合比率となるように混合し、タッピー式手抄き機(断面積325cm2)で処理してシート状物を作製した。
次いで、無機粒子として、平均一次粒子径が30nmの日本アエロジル(株)製シリカ粒子「AEROSIL(登録商標)50」を、イオン交換水で固形分濃度が5%となるように希釈した後、この希釈液を二流体スプレー器(ノズル径;1mm)に投入し、表1に示す配合比率となるように圧力3.0kgf/cm2で上記シート状物に吹き付けた後、温度100℃で30分間乾燥を実施した。次いで、これを金属製カレンダーロールにより温度330℃、線圧300kg/cmで熱圧加工し、アラミドからなるシート層に、無機粒子からなる耐熱層が積層されたセパレータを得た。
このようにして得られたセパレータの主要特性値を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で作成したアラミドシートについて主要特性値を表1に示す。
Figure 2011258462
比較例1のセパレータでは透気度、内部抵抗値ともに良好な特性が得られたものの、アラミドシート層と耐熱層との密着力が低く、小さな力で粉落ちしたことから、電池やキャパシタに組み込んだ際に容易に脱落し、性能低下や安全性の低下を引き起こす可能性が示唆された。また、比較例2のアラミドシート単体では厚みが小さい上、透気度も小さいことから、電池やキャパシタに組み込んだ際に短絡を引き起こす可能性が示唆された。したがって、二次電池の安全性について重要な特性である、高温時での形状安定性、および低抵抗性に優れた電池セパレータを得るためには、上記実施例で例示したセパレータを用いることが有効であることが判明した。

Claims (9)

  1. 300℃以下において実質的に融点を有しない有機高分子物質からなるシート層の少なくとも一方の表面に、耐熱性物質からなる耐熱層が積層されていることを特徴とする非水系電気電子部品用薄葉材。
  2. 前記有機高分子物質がアラミドであることを特徴とする請求項1に記載の非水系電気電子部品用薄葉材。
  3. 前記耐熱性物質が、無機粒子及び無機バインダーからなることを特徴とする請求項1または2に記載の非水系電気電子部品用薄葉材。
  4. 前記無機粒子が、アルミナ、シリカ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛のうち少なくとも1種以上を含む無機酸化物またはそれらの複合酸化物であることを特徴とする請求項3に記載の非水系電気電子部品用薄葉材。
  5. 前記無機バインダーが、コロイダルシリカであることを特徴とする請求項3または4に記載の非水系電気電子部品用薄葉材。
  6. ガーレー式透気度測定法で測定される透気度が10〜100秒/100cm3であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水系電気電子部品用薄葉材。
  7. 前記耐熱層を積層した状態での内部抵抗値が、耐熱層を積層していない有機高分子物質からなるシート層単独での内部抵抗値の1.1倍以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水系電気電子部品用薄葉材(ここで内部抵抗値とは、下式(1)で表される値である。

    (内部抵抗値)[μm]=(電解液の電気伝導度)/(非水系電気電子部品用薄葉材(または有機高分子物質からなるシート層)に電解液を注入した時の電気伝導度)×(非水系電気電子部品用薄葉材(または有機高分子物質からなるシート層)の厚さ)[μm] ・・・ 式(1)

    但し、(非水系電気電子部品用薄葉材(または有機高分子物質からなるシート層)に電解液を注入した時の電気伝導度)とは、電解液を非水系電気電子部品用薄葉材(または有機高分子物質からなるシート層)に注入した状態で2枚の電極に挟み、測定した交流インピーダンスから算出した電気伝導度のことをいう。)。
  8. 前記有機高分子物質からなるシート層に、前記耐熱性物質からなる耐熱層をコーティングしてなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の非水系電気電子部品用薄葉材。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の非水系電気電子部品用薄葉材を導電部材間の隔離板として用いることを特徴とする非水系電気電子部品。
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