JP4223084B2 - 電池セパレーター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば2次電池内において正極材と負極材を隔離し、電解液中の電解質もしくはイオンを通過させる電池セパレーターおよびその製造方法およびそれを利用した電気化学的電池に関する。特に、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属のイオンを電流のキャリアーとして使用する2次電池のセパレーターとして有用である、異なる熱特性を有する複数の繊維状有機化合物からなるシートによって構成された電池セパレーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気化学的電池である高性能2次電池は携帯電子機器等の電源として使用され、また電気自動車用の電源としても一部実用化されている現在、これら電子機器および電気自動車への各種電池の搭載が検討されている。なかでも小型・軽量、エネルギー密度が高く長期保存にも耐える高性能な2次電池への期待は大きく、幅広く応用が図られている状況にある。図1は、代表的なリチウム2次電池の構造を模式的に示すものであり、正極活物質としてLiイオンを含む遷移金属との複合酸化物をそれぞれ利用した正極1、負極活物質としてLiイオンを吸蔵・脱離しうるカーボン系材料を用いた負極2、正、負極間に介挿されたセパレーター3およびLiPF 6またはLiBF 4等の電解質と有機溶媒とからなる電解液4が、リチウム2次電池の主要構成である。さらに電池容器5内に上記発電要素が収納され、それぞれ正極、負極に接続される正極端子6、負極端子7およびガスケット(図示せず)により、密封されている。正極1および負極2に対してそれぞれ所定の金属を用いた集電体8が帯状に加圧成形されている。この場合、セパレーターに要求される一般的特性として、(1)電極材を隔離する機能の他に、各部短絡などで大きな電流が流れたときに電池回路を遮断する機能(シャットダウン特性)を有すること、(2)電解液を保持した状態では電解質・イオン透過性がよいこと、(3)電気的絶縁性を有すること、(4)電解液に対して化学的に安定であると同時に、電気化学的にも安定であること、および(5)機械的強度を有すること、膜厚が薄くできること、並びに電解液に対して濡れやすく、電解液の保持性がよいこと等が挙げられる。特に、シャットダウン特性は、電池に過電流が流れて化学反応が急速に進行したり、電池回路が暴走するのを防ぐ意味で極めて重要である。
【0003】
従来、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン系ポリマーを用いて、製膜した多孔質シートが、上記セパレーターとして広く使用されている。この多孔質シートは、1)可塑作用を有する溶剤とポリマーを混練し製膜した後、溶剤を抽出洗浄する方法(一般に、湿式法と呼称されている。)、または2)溶融ポリマーを押し出し成形にてシート化した後に延伸処理を施し、亀裂を生じさせ微細な孔を形成させる方法(一般的に、乾式法と呼称されている。)によって製造される。このように製造されたセパレーターは、1層または複数層、あるいはロール状に巻いて電池内において用いられる。
【0004】
セパレーターの材質として採用される溶融温度が130℃であるポリエチレン(PE)と同温度が170℃であるポリプロピレン(PP)の選択によって、上記のように外部短絡で電池内に過大な電流が流れたときに発生する発熱や外部要因による温度上昇によって、セパレーターが熱収縮/融解し、それにともない微多孔が閉塞するので電池回路を遮断する役割を果たしている。より低い温度で微多孔が閉塞される方が安全であるとの観点から、セパレーター材質はポリエチレン(PE)が主体となっている。
【0005】
無論、電池回路の保護のため、セパレーター以外にPTCなどの安全装置機能を外部回路に組み込むことは可能である。しかし、今後大きく発展が期待される電気自動車用途の2次電池においては、衝突事故などの際の衝撃によって、外部安全装置回路が破損する可能性があることを考えあわせれば、安全性について、フールプルーフの観点からシャットダウン機能を有するセパレーターは必要不可欠と考えられる。更に、このシャットダウン特性とともに、シャットダウン後に温度上昇が継続した場合のセパレーターの形状保持力が重要な要素となる。すなわち、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のような120−170℃の温度範囲に融点をもつポリマーをセパレーターに採用した場合、シャットダウン後も何らかの要因で温度上昇が継続すると、セパレーター自体が溶融してしまう結果、電流遮断機能がほぼ完全に消滅してしまう問題が指摘されている。例えば、芳野、小沢編「リチウムイオン電池」(日刊工業新聞社)に関連技術が記載されている。あまりに早くセパレーター形状を失うようでは、電極の短絡を招き危険な状態になる。
【0006】
前記問題を解決するために、2次電池のセパレーターの材質として、高融点材料と低融点材料とを組み合わせ、低融点材料にシャットダウン機能を、高融点材料に高温での形状保持機能を持たせた多成分材料がいくつか提案されている。
(1) たとえば、特開昭61−232560号公報には、芯鞘構造を持つ複合繊維不織布が記述されている。
(2) 特開昭63−308866号公報には、融点の異なる複数種類の材質で形成された微多孔膜が示されている。
(3) 一方、特開平1−258358号公報には、低融点樹脂からなる微孔製膜とこれより融点の高いポリマーから成る不織布を積層した構造体が提案されている。
しかし、これらに示されている高融点化合物の融点は高々270℃であり、ポリマーの熱運動が開始する目安の温度であるTg(ガラス転移温度)は、100度以下である。したがって突発的かつ局所的な温度上昇が生じた場合、セパレーター形状および短絡防止機能が完全に保持されるとは言えない。特に通常のセパレーターを構成するポリマーの場合、熱伝導率が一般に小さいため、局所的な温度上昇と融解の可能性は否定できない。
【0007】
(4) またポリエチレン(PE)多孔質フィルムとポリプロピレン(PP)多孔質フィルムを積層したセパレーターも実用化されているが、この場合も熱的に不安定である問題は本質的には解決されていない。加えて、近年進行する電池の小型化に伴ってセパレーターの薄葉化が要求されていることからも、多層構造体はこの要求に必ずしも適合しにくいと考えられる。
(5) その他にも、熱的に安定なアラミド(芳香族ポリアミド)をセパレーター成分に用いることが提案されている(特開平5−335005号公報、特開平7−37571号公報、同7−78608号公報を参照)。これらは耐熱性に優れたアラミド繊維/パルプを使用したものであるが、シャットダウン機能を付与することの記述はない。
(6) 特開平9−27311号公報には、少なくともフィブリル化された有機繊維を含有する電池セパレーター用不織布が示されている。この不織布はポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの低融点繊維を含んでもよいとされている。しかしながら、低融点成分が繊維形態である場合、仮に溶融したとしても被覆できる面積は大きくなく、既述したシャットダウン機能が十分であるとは言い難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的であるシャットダウン機能と高温形状安定性を兼ね備えた電気化学的電池、特に2次電池のセパレーターのためのシート状材料は皆無という状況であった。今後リチウム2次電池の産業用途への展開を図る上で、このような安全装置機能を有した電池セパレーターが待望されている。
そこで、本発明の目的は、2次電池の安全性について重要な特性であるシャットダウン機能と高温時での形状安定性に優れた電池セパレーターおよびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、また、そのような電池セパレーターを備えることによって安定性がより改善された2次電池を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる状況に鑑み、確実なシャットダウン機能と高温形状安定性を備えたセパレーター用材料を開発すべく鋭意検討を進めた結果、本発明に到達した。
すなわち、本願の第1の発明に従う電池セパレーターは、少なくとも200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーパルプと、実質的に安定融点を有しない有機化合物からなる紙料とから混合して成形されるシートであることを特徴とする。
本願発明の第2の発明に従う電池セパレーターは、上述の第1の発明に従う電池セパレーターにおいて、前記有機化合物が、実質的に200℃以下において安定融点を有しないことを特徴とする。
本願発明の第3の発明に従う電池セパレーターは、上述の第2の発明に従う電池セパレーターにおいて、前記有機化合物がアラミドであることを特徴とする。
本願発明の第4の発明に従う電池セパレーターは、上述の第1〜第3の発明に従う電池セパレーターにおいて、前記熱可塑性ポリマーパルプと有機化合物紙料から成形されるシートのガーレー透気度が1000秒以下であることを特徴とする。
本願発明の第5の発明に従う電池セパレーターは、上述の第3または第4の発明に従う電池セパレーターにおいて、前記アラミドがアラミドファイブリッドおよび/またはアラミドフロックであることを特徴とする。
【0010】
本願発明の第6の発明に従う電池セパレーターは、上述の第1〜第5の発明のいずれかに記載の電池セパレーターにおいて、前記熱可塑性ポリマーパルプがポリオレフィンパルプであることを特徴とする。
本願発明の第7の発明に従う電池セパレーターは、上述の第1〜第6の発明のいずれかに記載の電池セパレーターにおいて、前記アラミドファイブリッドおよび/またはアラミドフロックを構成するアラミドがポリメタフェニレンイソフタルアミドであることを特徴とする。
本願の第8の発明に従う電池セパレーターの製造方法は、上述の第1〜第7の発明のいずれかに従う電池セパレーターを製造する方法であって、熱可塑性ポリマーパルプのポリオレフィンパルプと、実質的に安定融点を有しない繊維状有機化合物としてポリメタフェニレンイソフタルアミドのファイブリッドおよび/またはフロックとからを混合し、シート状に成形することを特徴とする。
本願の第9の発明に従う電池セパレーターの製造方法は、上述の第8の発明に従う電池セパレーターを製造する方法であって、前記ポリオレフィンパルプと、前記ポリメタフェニレンイソフタルアミドのファイブリッドおよび/またはフロックを水中にて分散混合した後、脱水乾燥することを特徴とする。
本願の第10の発明に従う電気化学的電池は、ポリオレフィンパルプと、ポリメタフェニレンイソフタルアミドのファイブリッドおよび/またはフロックとを混合して成形されたシートからなるセパレーターを正極および負極の間に介挿したことを特徴とする。
すなわち、本発明の主要な技術思想は、電池セパレーターを200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーパルプと実質的に安定融点を有しない有機化合物の紙料とを混合して成形するものである。
【0011】
本発明におけるポリマーの融点は、DSC(Differential Scanning Calorimetry)、DTA(Differential Thermal Analysis)などの熱的測定方法にて定義される。一般に、ポリマーは、単一でない分子量成分を含んでいることおよび結晶化の程度の違いなどを反映して幅広い融解挙動を示す。本発明において、融点とは、DSC分析による吸熱ピークに対応する温度を以って定義する。
本発明に用いられる200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリマーとしては、特に限定されないが、一例で示せば、ポリオレフィンが挙げられる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンおよびこれらの共重合体などが例示できるが、これらに限定されるわけではない。これらのうちでもポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。これらのポリマーは、直鎖状構造以外に、分岐鎖、架橋部位などの構造を含んだものも利用できる。
【0012】
パルプとは、抄紙性を有するフィルム状小粒子を意味する。より詳しくは、パルプは通常の木材パルプに類似の不定形、非対称性の形態をもち、厚み、幅、長さのうち、厚みが他の幅・長さに比較して著しく小さな点が特徴である。木材パルプに機械的せん断力を作用させるとセルロース成分の特異な性質(繊維軸方向に比較して繊維軸直角方向の凝集力が小さい)によってフィブリル化が生じることがあるが、本発明の熱可塑性ポリマーパルプではこのフィブリル化は必須の要件ではない。
パルプ粒子の大きさには特に制約はないが、セパレーターの機械的強度、均質性、イオン通過性、加熱溶融時のシャットダウン性などを考慮すると、長さが0.01〜10mmの範囲から選ばれる。一般的にこのパルプの大きさ(サイズ)には分布があり、さまざまな大きさの粒子を含むことが知られている。
【0013】
熱可塑性ポリマーパルプの被覆性、表面積、バインダー性や、出来上がったセパレーターの機械特性、均質性などを改善する目的で、パルプ粒子を水中分散した後、機械的応力を作用させることが出来る(離解・叩解処理と呼ばれる)。この操作の際のパルプの形態変化は日本工業規格(JIS)P8121に規定の濾水度試験方法(フリーネス)でモニターできる。本発明において好ましい濾水度は、10〜1000ml(カナダ標準濾水度)の範囲から選ばれる。
工業的に利用できる熱可塑性ポリマーパルプとしては、三井石油化学工業(株)製のSWP(登録商標)が例示できるが、これに限定されるものではない。SWP(登録商標)には、ポリエチレンを原料とするタイプとポリプロピレンを原料とするタイプがある。SWP(登録商標)は、木材パルプと比較して微小なひげ状の分岐組織が認められ、特に湿式抄造において他の紙料を捕捉する機能、いわゆるバインダー機能が大きい。
熱可塑性ポリマーパルプを製造する方法としては、1)ポリマー溶液を貧溶溶媒中に滴下し沈殿を形成させる過程において、せん断力を作用させ液滴を引き伸ばし析出させる方法、2)せん断力下にてポリマーを重合させ、重合の進行に伴う溶解度低下を利用して析出させる方法、3)ポリマーまたはポリマー溶液を気流中で紡糸し、その後切断する方法、などが例として挙げられる。無論、これ以外の方法でパルプを製造しても何ら差し支えない。
本発明において、熱可塑性ポリマーがパルプ状であることがシャットダウン機能が発現するのに重要な要件である。すなわちパルプ状の粒子は通常の単繊維に比較して比表面積が大きい。換言すると少量でも大面積を被覆出来ることから、本発明の電池セパレーターにおいては、このような熱可塑性ポリマーのパルプが融点まで加熱されると融解し流動性が高まるため、周辺の安定融点を有さない有機化合物紙料の間隙に浸透し、空隙を効率的に充填することが出来る。この結果、本発明の電池セパレーターはシャットダウン機能が発現する。
【0014】
本発明において用いられる実質的に安定融点を有しない有機化合物は、1)加熱昇温した際に架橋反応が進行し実質的に融点が化合物の分解温度以上に上昇するもの、2)化合物の融点と分解温度が近接して融解と並行して化合物の熱分解が生じるもの、3)融解特性がなく、したがって融点を持たないものなどが利用できる。本発明においては、これらの有機化合物のなかで、実質的に200℃以下で安定融点を有しない有機化合物が好ましい。このように本発明で用いられる有機化合物としては特に限定されないが、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート(全芳香族ポリエステル)、セルロース、ポリアゾメチン、ポリアセチレン、ポリピロール、などが挙げられるが、特にアラミドが好ましい。
【0015】
本発明に用いられるアラミドとは、全芳香族ポリアミドである。ここで、アラミドとはベンゼン環またはナフタレン環を連結する結合の60%以上がアミド結合である線状高分子化合物を意味する。ベンゼン環を有するアラミドの場合、アミド結合の置換位置でメタ系アラミドおよびパラ系アラミドに大きく区分される。メタ系アラミドとしては、例えばポリメタフェニレンイソフタルアミドおよびその共重合体、パラ系としてはポリパラフェニレンテレフタルアミドおよびその共重合体、ポリ(パラフェニレン)−コポリ(3,4ジフェニレンエーテル)テレフタルアミドなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、メタ系アラミドのポリメタフェニレンイソフタルアミドが、熱融着性の面で好適である。ここで熱融着性とは一定の加熱条件にて、ポリマー鎖の相互拡散の結果、界面の消失による一体化が進行する性質を意味する。
アラミドを製造する方法は特に限定されないが、一般的には、芳香族ジアミンと芳香族酸二塩化物との縮合反応による溶液重合法、2段階界面重合法などが挙げられ、これらの方法によって工業的に製造できる。なおアラミドの特性を損なわない範囲で、上記アラミドに他成分を共重合することもできる。
本発明において用いられるアラミドの形態は特に限定されないが、繊維状またはパルプ状が好ましい。
【0016】
アラミドフロックは、アラミドからなる短繊維であり、明確な繊維直径と繊維長で記述できることが特徴である。このような繊維としては、帝人(株)の「コネックス(登録商標)」、「テクノーラ(登録商標)」、イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーの「ノーメックス(登録商標)」、「ケブラー(登録商標)」、アクゾ社の「トワロン(登録商標)」などが例示できるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
アラミドフロックの繊度は0.1〜10デニールの範囲が好ましい。ここでデニールとは繊維9,000m当たりの質量(グラム)で表記した単位である。繊度が0.1デニールよりも小さいとフロック同士の絡み合いが大きくなることがある。絡み合いはセパレーターの厚みむらを招き、均質なイオン透過性を阻害するので極めて有害である。一方、繊度が10デニールを越えると、フロックの径が大きくなり、フロック分布の疎密が出来やすいので、結果的にセパレーターの均質性が損なわれやすい。
なお、収束性、帯電防止、平滑性、水中分散性などの品質を改善する目的で、フロックにあらかじめ表面処理剤を付与することも可能である。
アラミドフロックは、セパレーターの機械的強度、寸法安定性などの特性を向上させる効果がある。一方でパルプ状粒子に比較して被覆性が小さいため、後述する透気度を大きく損なうことがない特徴がある。
【0017】
アラミドファイブリッドとは、アラミドから成るフィルム状小粒子でアラミドパルプと呼ばれることがある(アラミドファイブリッドに関する記述は、特公昭35−11851号公報、特公昭37−5752号公報等参照)。このファイブリッドは通常の木材(セルロース)パルプと同様に抄紙性を有するため、水中分散した後、抄紙機にてシート状に成形することが出来る。この場合、絶縁特性、機械特性、均質性などの特性を改善する目的で離解機、叩解機などの設備を使用してファイブリッド塊を分散させ、かつ個々のファイブリッドのねじれを低減することができる。この際のファイブリッドの形態変化は先のポリオレフィンパルプと同様に濾水度に反映される。アラミドファイブリッドの適した濾水度の範囲は、10〜400ml(カナダ標準濾水度)から選択できる。
アラミドファイブリッドはアラミドフロックと比較して被覆性が大きい。そのためセパレーターに必要とされる電気的絶縁性を発現するのに重要な素材である。つまり高温環境下で熱可塑性パルプが完全に溶融した後でも、アラミドファイブリッドは溶融することがないため(安定融点を示さない)、空間的な遮蔽機能すなわちセパレーター機能は保持される。一般に高融点有機材料でも類似の効果を期待できるが、パルプ状に成形することが一般に困難であり、またごく局所的な発熱での溶融の可能性が否定しきれないこと等から、本発明の安定融点を有さない有機化合物と前記熱可塑性ポリマーパルプとから混合してシートを成形することは、高融点有機化合物を使用する場合に比べ本発明の電池セパレーターに有効である。
【0018】
本発明におけるセパレーターを構成する熱可塑性ポリマーパルプ、アラミドフロックおよびファイブリッドの配合比率は、熱可塑性ポリマーパルプ1〜80重量%、アラミドフロック10〜90重量%、アラミドファイブリッド10〜90重量%の範囲から任意に選択する。ここで熱可塑性ポリマーパルプは、必ずしも1種類に限定されず、2種類以上の熱可塑性ポリマーパルプを組み合わせることもできる。この場合、パルプの熱特性(融点、熱収縮温度)に応じて複数のシャットダウン機能が発現する。
本発明のセパレーターのガーレー透気度は1000秒以下であることが望ましい。ここでガーレー透気度とは、外径28.6mmの円孔をもった締め付け板に試料を挟み、この試料を通じて100cc(0.1dm3)の空気が流出するのに要する時間を秒単位で示したものである。一般に、ガーレー透気度とセパレーターの空隙(孔)サイズとの積は電池抵抗値と良好な相関があることがわかっている。ガーレー透気度が1000秒を越えるセパレーターは、その電池抵抗値が大きくなるので実用的でないと考えられる。
セパレーターの厚みは0.01〜1mmの範囲が適当である。これよりも厚みが小さいと電池組み立て工程での張力に耐えられない可能性が生じる。一方、これよりも厚みが大きいと電池サイズの増大を招くため不都合である。
本発明において、セパレーターを製造する方法には特に制約はなく、熱可塑性ポリマーパルプとアラミドファイブリッドおよびアラミドフロックを混合した後シート化する方法であれば任意の方法も適用できる。例えば、上記の熱可塑性ポリマーパルプとアラミドファイブリッドおよびアラミドフロックを乾式ブレンドした後に、気流を利用してシートを形成する方法、熱可塑性ポリマーパルプとアラミドファイブリッドおよびアラミドフロックを液体媒体中で分散混合した後、網またはベルト上に吐出してシート化し、液体を除いて乾燥する方法などを適用できるが、これらのなかでも水を媒体として使用する、いわゆる湿式抄造法が好適である。
【0019】
湿式抄造法によって、本発明による電池セパレーターを熱可塑性ポリマーパルプとアラミドファイブリッドおよびアラミドフロックとから混合しシート化して製造するのに利用できる設備としては、長網式抄紙機、短網式抄紙機、傾斜型抄紙機、円網式抄紙機、およびこれらを組み合わせたコンビネーション抄紙機などを選ぶことが出来る。このいずれの場合も、紙料を含むスラリーを連続的に駆動する網に吐出してシート層を形成した後、脱水を行い、その後搾水工程、乾燥工程を経て巻き取ることで長尺のシートが得られる。湿式抄造法では、原料である紙料の配合を広範囲に変更でき、シート(この場合はセパレーター)の特性を大きく調整出来る特徴がある。
湿式抄造において、上記の3種のシート材料(紙料)の配合比率の範囲から任意に選択され、それぞれが異なる組成のシートを積層し、本発明の電池セパレーターを成型することもできる。また出来上がったシートの機械的強度、密度、均一性等を向上させたり、孔サイズ、孔分布およびガーレー透気度を調節するため、シートを熱圧加工することも当該業者にとっては公知である。熱可塑性ポリマーパルプの熱融着温度以上での熱圧加工を施すと、いわゆるヒートシールが行われ、結果としてシート内の孔を小さくし、気密性の大きな構造が得られる。
また、湿式抄造の際に、上記パルプ、フロックおよびファイブリッドなどの紙料の分散性を改善しシートの均一性を増したり、湿潤状態でのシート強度を増強するなどの目的で、分散性向上剤、紙力増強剤、消泡剤などの薬剤を使用することは何ら差し支えない。
【0020】
このようにして得られるセパレーターは、熱可塑性ポリマーパルプに起因する200℃以下での効率的なシャットダウン機能と、アラミドに基づく高温形状安定化機能を兼ね備えており、工業用途を想定した非水電解液電池、特にリチウム2次電池に好適に使用できる。このようなセパレーターを装着することで、電池の安全性を大幅に高めることが可能である。このような電池は従来の携帯電話、パーソナルコンピューターなどの電気機器電池用途のみならず、電気自動車のような大型機器のエネルギー貯蔵/発生装置としても応用することが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態(実施例)を詳細に説明する。
測定方法
(1) シートの坪量、厚みの測定
JIS C2111に準じて実施した。
(2) ガーレー透気度
JIS P8117に規定のガーレー透気度測定器を使用し、外径28.6mmの円孔を有する締め付け板に押さえられたシート試料(面積642mm2)を100cc(0.1dm3)の空気が通過する時間(秒)を測定した。
紙料調製
特公昭52−151624号公報に記載の湿式沈殿機を用いてポリメタフェニレンイソフタルアミドのファイブリッドを製造した。これを叩解機で処理して濾水度(カナダ標準濾水度)を105mlに調節した。
一方、デュポン社製メタアラミド繊維「ノーメックス(登録商標)」を長さ6mmに切断して抄紙原料(フロック)とした。このフロックの繊度は2デニールであった。
他方、ポリエチレンパルプ(三井石油化学工業(株)製のSWP(登録商標) E400、融点135℃)をミキサーを用いて水中で分散した後、カナダ標準濾水度を300mlに調節した。
【0022】
実施例1〜4
上記のように調製した紙料を水中にて混合し、タッピー式手抄き機(断面積200cm2)でシートを作製した。表1に、シートを作製した紙料の配合比(原料組成)と、その得られたシート材の主要特性および加熱処理前後のガーレー透気度を示す。加熱処理は熱風オーブンを使用し、各温度で3分間保持したもので冷却後に透気度を測定した。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例1〜4によって、アラミドファイブリッドおよびアラミドフロックにポリエチレンパルプを加えることで120〜140℃付近で作製されたシート材の透気度が上昇することがわかる。一方、さらに加熱温度が上昇すると上記アラミドファイブリッドおよびアラミドフロックにポリエチレンパルプを加えて作製されたシート材の透気度は低下傾向を示すが、完全にゼロになることはなく、また高温においても、このシート材のセパレーター形状を維持することができる。
比較例1〜3
上記のように作製された原料を使用し、実施例の配合と異なる配合によって、表2に示す混合紙料を調製し、実施例と同様の方法でシートを作製した。得られた特性を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
実施例において使用したアラミドファイブリッドおよびアラミドフロックを配合せず、ポリエチレンパルプのみで作製したシート(比較例1)は、120〜140℃で著しい熱収縮を示し、このシートはセパレーターとしての形状をほとんど保持できなかった。またポリエチレンパルプを80%含有する実施例5においては、140℃以上で透気度(昇温時のシャットダウン機能)が著しく上昇することが判る。また、高温においても、セパレーターとしての形状を維持することが判る。従って、電池セパレーターとして用いられるシート材中のポリエチレンパルプ配合量の上限値は、80重量%程度となる。一方、アラミドファイブリッドおよびアラミドフロックのみからなるシート(比較例2)では、透気度がほとんど変化せず、昇温時のシャットダウン機能が得られないことが判明した。したがって、2次電池の安全性について重要な特性であるシャットダウン機能と高温時での形状安定性に優れた電池セパレーターを得るためには、熱可塑性ポリマーパルプとアラミドファイブリッドおよびアラミドフロックとを混合して成形されたシートを用いることが有効であることが判明した。
【0027】
【発明の効果】
本発明にかかる電池セパレーターは、熱収縮・融解によるシャットダウン機能に優れた熱可塑性ポリマーパルプと高温形状保持機能において優れた特性を示すアラミドから構成されているので、より優れたシャットダウン機能と形状保持力が高く、他に2次電池のセパレーターとして要求される特性をも有する電池セパレーターを提供できる。さらにこのような特徴を備えたセパレーターを効率的に製造する方法を提供できる。このセパレーターを装着したリチウム2次電池のごとき2次電池は携帯電話、コンピューターなどの電気機器および電気自動車用などの電源に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池セパレーターを利用した2次電池の構成例の断面図である。
【符号の説明】
1…正極
2…負極
3…セパレーター
4…電解質・電解液
5…電池容器
6…正極端子
7…負極端子
8…集電体
Claims (7)
- 少なくとも200℃以下の融点を有する熱可塑性ポリオレフィンパルプ1〜80重量%と、実質的に安定融点を有しないアラミドファイブリッド10〜90重量%およびアラミドフロック10〜90重量%からなる紙料とから混合して成形されるシートであることを特徴とする電池セパレーター。
- 前記アラミドファイブリッドおよびアラミドフロックが、実質的に200℃以下において安定融点を有しないことを特徴とする請求項1に記載の電池セパレーター。
- 前記熱可塑性ポリマーパルプと有機化合物紙料から成形されるシートのガーレー透気度が1000秒以下であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の電池セパレーター。
- 前記アラミドファイブリッドおよびアラミドフロックを構成するアラミドがポリメタフェニレンイソフタルアミドであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電池セパレーター。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の電池セパレーターを製造する方法であって、熱可塑性ポリオレフィンパルプと、実質的に安定融点を有しない繊維状ポリメタフェニレンイソフタルアミドのファイブリッドおよびフロックを混合し、シート状に成形することを特徴とする電池セパレーターの製造方法。
- 前記ポリオレフィンパルプと、前記ポリメタフェニレンイソフタルアミドのファイブリッドおよびフロックを水中にて分散混合した後、脱水乾燥することを特徴とする請求項5に記載の電池セパレーターの製造方法。
- ポリオレフィンパルプと、前記ポリメタフェニレンイソフタルアミドのファイブリッドおよびフロックとを混合して成形されたシートからなるセパレーターを正極および負極の間に介挿したことを特徴とする電気化学的電池。
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