JP2011108392A - 光拡散シートおよびその製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に粒子と樹脂を有する光拡散層が形成された光拡散シートであって、該光拡散層は、該粒子が該樹脂に被覆されることで形成されたレンズ状の凸部を複数有し、かつ、該粒子の屈折率n3と該樹脂の屈折率n2が式(1)を満たすことを特徴とする光拡散シート。
(1) 0.07≦|n2−n3|≦0.30
【選択図】なし
Description
(1) 0.07≦|n2−n3|≦0.30
2.前記基板の屈折率n1と前記樹脂の屈折率n2が式(2)を満たすことを特徴とする前記1に記載の光拡散シート。
(2) 0≦|n1−n2|≦0.10
3.前記樹脂の膜厚は、前記粒子の平均粒径よりも小さいことを特徴とする前記1または2に記載の光拡散シート。
本発明の光拡散シートは、基板上に光拡散層が形成された光拡散シートであって、前記光拡散層は粒子が樹脂に被覆されることで形成されたレンズ状の凸部を複数有し、前記樹脂の屈折率n2と粒子の屈折率n3の差は0.07≦|n2−n3|≦0.30である。
本発明の光拡散シートに用いる基板は光透過性であればよく特に制限はないが、基板の屈折率n1は、1.65以上であることが好ましく、さらに1.70以上1.80以下であることが特に好ましい。上記条件を満たしていればよくガラスや透明樹脂フィルムを用いることができる。特に、柔軟性の観点から樹脂フィルムを用いるのが好ましい。
本発明の光拡散シートに係る粒子としては光透過性であり、粒子の屈折率と樹脂の屈折率の差が0.07以上、0.30以下であればよく、目的に応じて選択することが出来る。
本発明の光拡散シートに係る樹脂としては光透過性の硬化性樹脂であればよく特に制限はないが、樹脂の屈折率n2は1.65以上であることが好ましく、さらに1.70以上1.80以下であることが特に好ましい。
本発明の光拡散シートは、溶媒、硬化性樹脂の原料及び粒子を有する分散液を塗布し、分散液中の溶媒を蒸発させることによりレンズ状の凸形状を形成する工程と、分散液に含まれる硬化性樹脂の原料を硬化する工程によって製造される。また、分散液を塗布する前に、溶媒及び硬化性樹脂の原料を有する塗布液を塗布することがより好ましい。
本発明における光拡散シートは、溶媒、硬化性樹脂及び粒子を含有する分散液を基板に塗布・乾燥することで形成される。用いる溶媒としては、樹脂モノマーと相溶性を有し、粒子を溶解しないものであれば、特に限定されるものではない。例えば、炭素数1〜4程度の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの炭化水素類などを選択することができる。
本発明に係わる塗布液は、溶媒及び硬化性樹脂の原料を混合して調整する。硬化性樹脂の原料としては、特に制限はなくモノマーでも、モノマーが一部重合したオリゴマーや低分子量のポリマーでも良い。
本発明に係わる分散液は、溶媒、硬化性樹脂及び粒子を混合して調整するが、硬化性樹脂の原料としては、特に制限はなくモノマーでも、モノマーが一部重合したオリゴマーや低分子量のポリマーでも良い。また、本発明に係わる分散液は、上述した塗布液に粒子を含有させることによって調整しても良い。
本発明の光拡散シートにおける光拡散層は分散液を基板に塗布し、乾燥硬化させる方法で作製できるが、以下の方法で作製するのがより好ましい。
本発明に係る有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
本発明における光拡散シートを有機EL素子の基板として導電性層を設ける場合、用いられる導電性層の屈折率は特に制限はないが、1.5以上2.0以下であることが好ましく、さらに1.55以上1.85以下であることが特に好ましい。また、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性光透過性材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で光透過性の導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。本発明においては、この導電性層は陽極として用いられることが好ましい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式製膜法を用いることもできる。陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示す。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
ここで、発光層は、少なくとも発光色の異なる2種以上の発光材料を含有していればよく、単層でも複数の発光層からなる発光層ユニットを形成していてもよい。また、正孔輸送層には正孔注入層、電子阻止層も含まれる。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明において、各発光層間に非発光性の中間層(非ドープ領域等ともいう)を設ける場合について説明する。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
本発明に係る光拡散シートを用いた面発光体、及び発光パネルは、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特にカラーフィルターと組み合わせた液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
まず硬化性樹脂に無機ナノ微粒子としてジルコニアナノ微粒子を含有させ、塗布液の屈折率を調整した。
オキシ塩化ジルコニウム8水塩の2600gを純水40L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液に、28%アンモニア水を340g、純水を20L溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ジルコニア前駆体スラリーを調製した。
上記のジルコニアナノ微粒子10gを、フェニルトリメトキシシラン(信越化学製)2gと、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.1gを含むトルエン100mlに加え、窒素下で0.03mmのジルコニアビーズを用いて分散しながら100℃まで加熱し、均一分散液を得た後、そのまま窒素下で5時間加熱還流して表面処理済ジルコニアナノ微粒子のトルエン分散液を得た。このジルコニア粒子の屈折率は2.1であった。
硬化性樹脂のモノマー(フルオレンアクリレート;屈折率=1.50)に、上記表面処理済ジルコニアナノ微粒子含有液を25vol%、42vol%(所望の屈折率になる量)で混合し、重合開始剤を添加して溶媒MEKに溶解することで塗布液を二種作成した。このとき、塗布液の固形分濃度は50%であった。得られた塗布液をPEN基板の片面に乾燥膜厚5μmになるように塗布し、80℃のオーブンで1分乾燥させ、UV線を照射して硬化させた。得られた薄膜の屈折率を測定したところ、屈折率n2はそれぞれ1.65、1.75であった。
本発明において、屈折率の測定方法は通常用いられている方法を用いることができる。例えば、各層を単独で塗設したサンプルについて、分光光度計(日立製作所製U−4000型等)の分光反射率の測定結果から求めることができる。分光反射率の測定はサンプルの裏面を粗面化処理した後、黒色のスプレーで光吸収処理を行って裏面の光反射を防止し、5度正反射の条件で可視光領域(400〜700nm)で行う。
《光拡散シート1の作製》
塗布液2(屈折率n2=1075)に粒子として6500M(日産化学工業製;平均粒径6.5μm、屈折率n3=1.65)を樹脂に対する粒子の割合が50vol%になるように加え、超音波分散機で10分間分散して粒子含有の分散液1を作製した。PEN基板(帝人製;屈折率n1=1.75)の片面に塗布液2を塗布し、その後分散液1を塗布した積層体を80℃のオーブンで1分間乾燥させ、UV線を照射して硬化させることで光拡散シートを作製した。作製した光拡散シート1はレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は4μmであった。
得られた光拡散シート1の光拡散層の反対面上にITO(インジウムチンオキシド;屈折率1.85)を100nm製膜しパターニングを行った後、このITO導電性層を設けた基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、基板表面温度200℃にて1時間乾燥し、膜厚30nmの正孔注入層を設けた。
モノクロロベンゼン 100g
ポリ−N,N′−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N′−ビス(フェニル)ベンジジン(ADS254BE:アメリカン・ダイ・ソース社製) 0.5g
次いで、発光層塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、2000rpm、30秒の条件で塗布した。さらに基板表面温度120℃で30分加熱し発光層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い測定したところ、膜厚は40nmであった。尚、下記発光層組成物のうち、最も低いTgを示したのはH−Aであり、132℃であった。
酢酸ブチル 100g
H−A 1g
D−A 0.11g
D−B 0.002g
D−C 0.002g
次いで、電子輸送層用塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、1500rpm、30秒の条件で塗布した。さらに基板表面温度120℃で30分加熱し電子輸送層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い測定したところ、膜厚は30nmであった。
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール 100g
ET−A 0.75g
次いで、電子輸送層まで設けた基板を、大気曝露せずに、蒸着機に移動し、4×10−4Paまで減圧した。尚、フッ化カリウムおよびアルミニウムをそれぞれタンタル製抵抗加熱ボートに入れ、蒸着機に取り付けておいた。
粒子をMX3000(綜研化学製;平均粒径30.0μm,屈折率n3=1.49)に変更し、樹脂に対する粒子の割合を70vol%に変更した分散液2(屈折率n2=1.75)を用いた以外は光拡散シート1と同様にして光拡散シート2を作製した。光拡散シート2を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子2を作製した。作製した光拡散シート2はレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は18μmであった。
塗布液1に粒子としてサファイヤビーズ(ヒューマニティ製;平均粒径500μm,屈折率n3=1.75)を樹脂に対する粒子の割合が80vol%になるように加え、超音波分散機で10分間分散して分散液3(屈折率n2=1.50)を調整した。PET基板(帝人製;屈折率n1=1.65)の片面に塗布液1(屈折率n2=1.65)を塗布し、その後分散液3を塗布した積層体を80℃のオーブンで1分間乾燥させ、UV線を照射して硬化させることで光拡散シート3を作製した。さらに、その光拡散シート3を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子3を作製した。作製した光拡散シートはレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は260μmであった。
粒子を500S(日産化学工業製;平均粒径0.5μm,屈折率n3=1.65)に変更し、樹脂に対する粒子の割合を40vol%に変更した以外は光拡散シート1と同様にして光拡散シート4を調整した。さらに、その光拡散シート4を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子4を作製した。作製した光拡散シート4はレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は0.3μmであった。
樹脂に対する粒子の割合を10vol%に変更した以外は光拡散シート1と同様にして光拡散シート5を調整した。さらに、その光拡散シート5を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子5を作製した。作製した光拡散シート5はレンズ状の凹凸が疎に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は4μmであった。
塗布液3(屈折率n3=1.50)に粒子として6500M(平均粒径6.5μm、屈折率n3=1.65)を樹脂に対する粒子の割合が50vol%になるように加え、超音波分散機で10分間分散して分散液6を調整した。PET基板の片面に塗布液1(屈折率n2=1.65)を塗布し、その後分散液6を塗布した積層体を80℃のオーブンで1分間乾燥させ、UV線を照射して硬化させることで光拡散シート6を作製した。作製した光拡散シート6を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子6を作製した。作製した光拡散シートはレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は4μmであった。
塗布液2(屈折率n2=1.75)に粒子として500S(平均粒径0.5μm、屈折率n3=1.65)を樹脂に対する粒子の割合が40vol%になるように加え、超音波分散機で10分間分散して分散液7を調整した。縦方向のピッチが4μm、横方向のピッチが7μmの半球型の凹部が細密状に刻印された金型を用意し、この金型に分散液7を充填し、さらにこの上にPET基板(屈折率n1=1.65)を重ね合わせ、UV照射により樹脂を仮硬化したのち金型より取り出し、再度レンズ形成面より紫外線を照射して本硬化させることによりで光拡散シート7を作製した。作製した光拡散シート7を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子7を作製した。作製した光拡散シート7はレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は1μmであった。
〈光拡散シート8及び有機EL素子8の作製〉
特開2003−107214号公報の実施例1に記載と同様の方法で、アクリル系熱硬化性樹脂(屈折率n2=1.50)とポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径18.2μm、屈折率n3=1.49)含有の塗布液をPET基板(帝人製:屈折率n1=1.65)に塗布することで光拡散シート8を作製した。さらに、その光拡散シート8を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子8を作製した。作製した光拡散シートはレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は10μmであった。
塗布液1(屈折率n2=1.65)に粒子として6500M(平均粒径6.5μm、屈折率n3=1.65)を、樹脂に対する粒子の割合を50vol%に変更した以外は光拡散シート4の作製と同様にして光拡散シート9を作製した。作製した光拡散シート9を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子9を作製した。作製した光拡散シート9はレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は4μmであった。
粒子をシリコーン樹脂ビーズ(東芝シリコーン製;平均粒径4.5μm、屈折率1.43)に変更した以外は有機EL素子1の作製と同様にして光拡散シート10を作製した。作製した光拡散シート10を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子10を作製した。作製した光拡散シート10はレンズ状の凹凸が密に存在した。非レンズ部分の樹脂膜厚は2μmであった。
〈光拡散シート11及び有機EL素子11の作製〉
光拡散層を持たないPEN基板を用いた以外は有機EL素子1の作製と同様にして光拡散シート11を作製した。作製した光拡散シート11を用いて有機EL素子1の作製と同様の方法で、有機EL素子11を作製した。
硬化性樹脂のモノマー(フルオレンアクリレート;屈折率=1.50)に、表面処理済ジルコニアナノ微粒子を5vol%加え、さらに500S(平均粒径0.5μm、屈折率n3=1.65)を樹脂に対する粒子の割合が40vol%になるように加えた粒子含有硬化性樹脂(即ち、溶媒を有さない分散液)を用いて光拡散シート12を作製した。作製した光拡散シート12を用いて有機EL素子1の作製と同様にして有機EL素子12を作製した。作製した光拡散シート12の表面には凹凸形状が存在しなかった。また、樹脂膜厚は1.5μmであった。
〔光取り出し量子効率〕
作製した有機EL素子に対し、2.5mA/cm2定電流を流したときの光取り出し量子効率(%)を不活性ガス雰囲気下で測定した。なお、測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。得られた結果を試料12の測定値を100としたときの相対値で表1に表した。
作製した有機EL素子に対し、2.5mA/cm2定電流を流したときの発光色の色度を発光面に対して垂直方向を正面(視野角0°)とし、0°、60°でxy色度を測定した。0°のx値と60°のx値の差をΔxとしΔx≦0.03を○、Δx>0.03を×として白色の角度依存性を評価した。なお、測定には色彩輝度計CS−200(コニカミノルタセンシング製)を用いた。得られた結果を表1に示す。
Claims (6)
- 基板上に光拡散層が形成された光拡散シートであって、該光拡散層は粒子が樹脂に被覆されることで形成されたレンズ状の凸部を複数有し、かつ、該粒子の屈折率n3と該樹脂の屈折率n2が式(1)を満たすことを特徴とする光拡散シート。
(1) 0.07≦|n2−n3|≦0.30 - 前記基板の屈折率n1と前記樹脂の屈折率n2が式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光拡散シート。
(2) 0≦|n1−n2|≦0.10 - 前記樹脂の膜厚は、前記粒子の平均粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の光拡散シート。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の光拡散シートを用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 基板の上にレンズ状の凸部が複数形成されてなる光拡散シートの製造方法であって、前記光拡散シートは、溶媒、硬化性樹脂の原料および粒子を有する分散液を塗布、乾燥することによりレンズ状の凸形状を形成する工程と、前記分散液に含まれる硬化性樹脂を硬化する工程を有することを特徴とする光拡散シートの製造方法。
- 基板の上にレンズ状の凸部が複数形成されてなる光拡散シートの製造方法であって、前記光拡散シートは、溶媒及び硬化性樹脂の原料を有する塗布液を前記基板に塗布し、その後、溶媒、硬化性樹脂の原料及び粒子を有する分散液を塗布、乾燥することによりレンズ状の凸形状を形成する工程と、前記塗布液及び前記分散液に含まれる硬化性樹脂を硬化する工程を有することを特徴とする光拡散シートの製造方法。
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