JP2011107785A - 携帯通信端末及び入力制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る携帯通信端末は、接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドを備え、そのタッチパッドから出力された接触の度合いを表す値に基づいて、実行すべき処理が割り当てられた範囲として1つの選択範囲を選択し、その選択が行われてから、その選択範囲への接触がその選択から一定時間継続したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、そのタッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことを検出しなかった場合には、その選択範囲に対応する所定の処理を実行し、検出した場合には、その所定の処理を実行しない。
【選択図】図4
Description
従って、例えば、鞄の中に入れておいた携帯通信端末のタッチパッドに、その鞄の中の他の物が接触してしまった場合等(以下、「誤接触」という)に、ユーザが意図しない処理が実行されてしまう(以下、「誤動作」という)という問題が生じ得る。
これにより、例えば、上述の既定の面積値として、ユーザの指等を接触させた場合の面積値と、指等以外を接触させた場合の面積値との境界となる面積値を設定しておくことで、指等以外が誤って接触してしまった場合にも、誤動作が発生する可能性を低減できる。
通常、ユーザが電話をかけるためには、アドレス帳や発着信履歴から相手を選択し、あるいは、電話番号を入力して、オフフック操作を行う必要があるところ、スピードダイヤル機能によれば、キーを長押しするという簡単な操作で特定の相手に電話をかけることが可能になる。
≪実施の形態1≫
<外観>
図1は、実施の形態1に係る携帯電話機100の閉じられた状態の外観を示す斜視図であり、図2は、実施の形態1に係る携帯電話機100の開かれた状態の外観を示す斜視図であり、図3は、実施の形態1に係る携帯電話機100の閉じられた状態の外観を示す正面図である。
図1では、図示を省略しているが、図3に示すように、携帯電話機100は、閉じられた状態で外部に露出する筐体2の表面に、サブLCD101と、タッチパッド102を備える。
なお、同図の一点鎖線は、説明上、各キーの範囲(例えば、5mm×10mm程度)を示すために記載したものであり、実際には視認できるものではない。また、以下では、例えば、「1」のマークが示すキーを「1キー」と表現し、他のマークが示すキーについても同様に表現する。
また、本実施の形態において、接触とは、ユーザの指、顔等の身体やタッチペン等がタッチパッドに接触した状態をいう他、ユーザの指、顔等の身体やタッチペン等、タッチパッド102の静電容量を変化させるものが、後述するキー接触値(図6参照)がGNDレベル以上になるまでタッチパッドに近接した状態を含む。
また、以下の説明では、携帯電話機100は、0キー〜9キーまでの数字キーそれぞれが、短く押された(以下、「短押し」という)場合と、一定時間以上押された長押しの場合とで異なる処理を実行するものとし、特に、予めユーザにより電話番号が割り当てられている数字キーが長押しされた場合には、その電話番号への発呼処理を実行するものとする。なお、数字キーへの電話番号の割り当ての仕方については、後述する。
図4は、携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
携帯電話機100は、同図に示すように、サブLCD101、タッチパッド102、計時部103、記憶部104、スピーカ105、マイク106、バイブレータ107、通信部108、制御部110、及びアプリケーション実行部120を備える。
ここで、サブLCD101は、制御部110からの指示を受けて文字等の画像を表示する機能を有する。
計時部103は、タイマやカウンタにより実現され、制御部110の指示に従って、計時を開始し、長押し時間(例えば、800ms)を経過したときに制御部110に通知する機能を有する。
記憶部104は、基本画面、表示状態情報、及びアドレス帳10を記憶するためのメモリ領域である。
ここで、基本画面は、例えば、発呼中や通話中などにサブLCD101に表示させる画像のデータである。
例えば、図3に示すサブLCD101に表示されている画面の表示状態情報は、待受画面(この例では、何も表示されていない状態の画面であるものとする)に「123○×・・・・・・」と「< call >」が描画された後の状態になったことを示すものである。
図5は、アドレス帳10のデータ構成及び内容例を示す図である。
同図に示すように、アドレス帳10は、通信相手となる連絡先毎に、名称11と電話番号12とメールアドレス13とキー14とを対応付けたデータである。
名称11は、電話やメールの通信相手を示す氏名等の名称であり、電話番号12は、その通信相手が所有する電話機に割り振られた電話番号であり、メールアドレス13は、その通信相手が所有するメールアドレスであり、キー14は、対応する電話番号が割り当てられているタッチパッド102上の数字キーを示すデータである。
同図は、例えば、名称が「A上G郎」である通信相手の電話番号は「123○×・・・・・・」で、メールアドレスは「a○×@gggg.co.jp」であり、キーは「9」、つまり、電話番号「123○×・・・・・・」が9キーに割り当てられていることを示している。
通信部108は、アンテナを介して基地局との間で電波の送受信を行う回路であり、受信信号を復調し制御部110へ伝達する機能、及び制御部110から伝達された信号を変調し送信する機能を有する。
算出部111は、非調整状態と調整状態との2つの状態を切替部112からの指示に応じて切り替えて動作し、非調整状態では、接触されているキー毎に、そのキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値を算出し、その値をそのまま上記キー接触値とし、調整状態では、接触されているキー毎に、そのキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値の、上記単位時間(この例では25ms)前のキー接触値に対する変化量が既定値(以下では、「30」とする)以内となるように調整した値を上記キー接触値とする。
なお、接触されているキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値としては、例えば、そのキーの座標範囲内の静電容量を表すための値の総和を0〜1024の範囲の値を取るようにスケール変換した値を用いることができる。
切替部112は、算出部111の状態及び算出部111により算出されたキー接触値に基づいて、算出部111の状態を切り替えさせる機能を有する。
切替部112は、調整状態である算出部111により算出されたキー接触値のいずれかがキー押し検出閾値を超えた場合に、算出部111の状態を非調整状態に切り替えさせ、非調整状態である算出部111により算出されたキー接触値の全てがリリース検出閾値未満になった場合に、算出部111の状態を調整状態に切り替えさせる。
なお、切替部112が算出部111の状態を切り替えるタイミングについては、後に詳細に説明する(図6参照)。
キー決定部113は、算出部111により算出されたキー接触値が多重押し検出閾値(例えば、「580」であるものとする)以上であるキーが既定数以上存在する(以下、「多重押し」という)場合、及び多重押し検出閾値以上である各キーの間の位置にリリース検出閾値(580)以下のキーが存在する場合を除き、キー押し検出閾値(632)以上の最大値のキーを原則として対象キーと決定する。
ここで、短押しイベントとは、キーが押されたことを示すイベントであり、押されたキーとして対象キーの識別情報を含むものである。
また、長押しイベントとは、キーが押されてから長押し時間を経過したことを示すイベントであり、押されたキーとして対象キーの識別情報を含むものである。
発呼処理部115は、アプリケーション実行部120からの指示に従って、対象キーに割り当てられている電話番号を記憶部104のアドレス帳10から取得し、取得した電話番号へ発呼する処理を行う機能を有する。
表示制御部117は、アプリケーション実行部120からの指示に従って、サブLCD101に画像等を表示させる機能、及び記憶部104の表示状態情報を更新する機能を有する。
<キー接触値>
ユーザの指等により接触されたキーについてのキー接触値が、算出部111の状態に応じてどのように変化するかを、図6を用いて説明する。
同図に示すように、横軸は時刻を、縦軸は、ユーザの指等により接触されたある1つのキーについてのキー接触値を示しているが、キー接触値が0〜511までの範囲については図示を省略している。また、GNDは、ユーザの指等がキーに接触しているか否かを判定するために用いられる閾値(一例として、「512」)を表している。
時刻T1は、ユーザの指等により、あるキーへの接触が開始されたタイミングを示している。
キー接触値がキー押し検出閾値以上になったときに、切替部112は、算出部111を非調整状態に切り替えさせるため、時刻T2において、切替部112は、算出部111を非調整状態に切り替えさせる。その結果、キー接触値は、調整された値ではなくなるため、時刻T2〜T3において、キー接触値は一気に増加し、以降、時刻T5まで、キー接触値は、そのキーについての接触面積の増減に応じて変化する。
算出部111は、非調整状態であるため、時刻T4〜時刻T5において、キー接触値は一気に減少する。
時刻T5は、キー接触値が、リリース検出閾値以下となったタイミングを示している。
以下、この算出部111の状態の切り替えによる効果について、より詳しく説明する。
キー接触値は、上述のように、タッチパッド102から出力される静電容量を表すための値に基づいて算出部111により算出されるが、この静電容量を表すための値は、通話や一般的な携帯電話機が備えるカメラの撮影等によるノイズの影響によっても変動するものである。
しかしながら、キーへの接触が開始された時刻T1から、キー接触値がキー押し検出閾値に達する時刻T2までは、算出部111は調整状態で動作するので、キーにおける接触面積の増減に応じて増減する値の単位時間内の変化が既定値(30)以内になるように調整した値がキー接触値とされるので、ノイズの影響によりキー接触値が一気にキー押し検出閾値を越えるようなことは生じ得ず、上述のような誤動作の発生を適切に防ぐことができる。
<動作>
<制御処理>
次に、上記構成を備える携帯電話機100の動作について、図7を用いて説明する。
なお、同図に示す制御処理とは独立した処理として、タッチパッド102からは、単位時間毎(この例では25ms毎)に検出されている接触位置の座標値(x,y)と静電容量を表すための値との組が出力されており、制御部110の算出部111により、単位時間毎に、接触されている各キーについてのキー接触値が算出されている。以下の説明を開始する時点で、算出部111は、調整状態で動作しているものとして説明する。
同図に示すように、制御部110のキー決定部113は、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを繰り返し(この例では、100ms毎)判定する(ステップS1)。
ステップS1において、該当のキーの数が0である場合には(ステップS1:0)、キー決定部113は、特に処理を行うことなく制御処理を終了する。
なお、ステップS2で、算出部111の状態を、非調整状態へと切り替えさせるのは、算出部111の状態が調整状態である場合において、多重押しが検出されたときに、タッチパッド102からの接触が離された後、全てのキーのキー接触値がキー押し検出閾値未満となって、次の対象キーの決定をなるべく早く行えるようにするためである。
また、ステップS1において、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS1:1以上5未満)、キー決定部113は、その該当のキーに含まれる2つのキーの組合せそれぞれについて、その組合せに係る2つのキーの間の位置のキー、つまり、2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるか否かを判定する(ステップS3)。ユーザの指等によるタッチパッド102への操作が行われていれば、多重押し検出閾値以上の2つのキーそれぞれに隣接する1つのキーにもユーザの指等が接触しているのが通常であると考えられる。従って、この隣接する1つのキーがリリース検出閾値以下であるような場合には、ユーザの指等による通常の操作ではないと考えられるため、対応処理が実行されること(誤動作)を防ぐ必要があるためである。
ステップS3でいずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS3:YES)、切替部112は、算出部111の状態を、調整状態から非調整状態へと切り替えさせ(ステップS2)、後述するステップS11の処理に進み、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS3:NO)、キー決定部113は、ステップS1で検出した多重押し検出閾値以上であるキーの中に、キー接触値が、キー押し検出閾値以上であるキーが存在するか否かを判定する(ステップS4)。
対象キーが決定済でない場合には(ステップS5:NO)、キー決定部113は、キー接触値が最大であるキーを対象キーと決定する(ステップS6)。なお、最大のキー接触値に係るキーが複数ある場合には、予めキーに定められている優先順位に従って対象キーを決定するが、この例では、より左上に配置されているキーを優先するものとする。例えば、最大のキー接触値に係るキーが1キーと2キーと4キーである場合には、1キーを対象キーと決定する。
この対象キーの対応処理が完了すると、キー決定部113は、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、リリース検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを判定する(ステップS10)。
続いて、ステップS20の対象キーの対応処理について説明する。
図8は、携帯電話機100における対象キーの対応処理(図7のステップS20)を示すフローチャートである。
キー決定部113は、計時部103に計時を開始させ(ステップS21)、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む短押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行する(ステップS22)。
また、短押し処理とは、例えば、短押しイベントに含まれる識別情報が示す対象キーの数字等をサブLCD101に表示させるよう、表示制御部117に指示する処理である。この対象キーの数字等とは、対象キーに割り当てられている数字や記号のことであり、例えば、1キーであれば「1」であり、*キーであれば「*」である。
続いて、キー決定部113は、上述のステップS1と同様に、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを判定する(ステップS23)。
ここで、短押し処理のキャンセル処理とは、ステップS22で行った短押し処理をアンドゥする処理をいい、上述の短押し処理の例では、記憶部104に記憶されている表示状態情報に基づいて、サブLCD101の表示を、短押し処理を行う前の状態、即ち、上述の例では、短押しイベントに含まれる識別情報が示す対象キーの数字等が表示されていない状態に戻すよう、表示制御部117に指示する処理である。
続いて、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む長押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この長押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている長押し処理を実行し(ステップS27)、対象キーの対応処理を終了する。
この指示を受けた発呼処理部115は、対象キーに対応する電話番号を記憶部104のアドレス帳10から取得し、その電話番号に発呼し、表示制御部117は、その電話番号をサブLCD101に表示させ、記憶部104の表示状態情報を更新する。なお、記憶部104のアドレス帳10に、対象キーに対応する電話番号が登録されていない場合には、発呼処理部115は特に何もせず、表示制御部117は、対象キーに対応する電話番号が登録されていない旨を表示してもよいし、特に何も表示をしないようにしてもよい。
多重押し検出閾値以上であるキーの数が5つ以上である場合に、対象キーの対応処理を終了するのは、対象キー決定後に多重押しが生じたため、長押し処理を実行しないようにするためである。
いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合に、対象キーの対応処理を終了するのは、多重押しは生じていなくても、タッチパッド102への接触が、ユーザの指等による接触とは考えられないため、長押し処理を実行しないようにするためである。
本願において、特に重要な対象キーの対応処理について、具体例を用いて説明する。
図9は、タッチパッド102への接触に対する携帯電話機100の動作例を示す図である。
<ユーザが指を接触させた場合>
まず、図9(a)に示すように、ユーザが1本の指を9キーに接触させた場合の携帯電話機100の動作例を、図8のフローチャートに即して説明する。
まず、キー決定部113は、計時部103に計時を開始させ(図8のステップS21)、表示制御部117は、現在の画面状態が「待受画面」であることを示すように、記憶部104の表示状態情報を更新する。
アプリケーション実行部120は、イベント通知部114から通知された短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行する(ステップS22)。
以下では、「9」が表示されたことを「DRAW("9")」と表すものとし、この例では、表示状態情報は、上述の「SET IMAGE=待受画面」に続いて、「DRAW("9")」が記録された状態になる。
対象キーに割り当てられている短押し処理のキャンセル処理を実行する(ステップS26)。
この結果、発呼処理部115は、対象キーである9キーに対応する電話番号(123○×・・・・・・)を記憶部104のアドレス帳10から取得し、その電話番号に発呼すると共に、表示制御部117は、図9(b)に示すように、文字列「calling」からなる発呼画面に電話番号「123○×・・・・・・」を描画した画面をサブLCD101へ表示し、記憶部104の表示状態情報を、発呼画面に「123○×・・・・・・」が表示された状態を示すように更新する。
<鞄の中の他の物が接触してしまった場合>
次に、図9(c)に示すように、鞄の中にあるペンとノートとがタッチパッド102に接触してしまった場合の携帯電話機100の動作例を図8のフローチャートに即して説明する。
キー決定部113は、計時部103に計時を開始させ(図8のステップS21)、表示制御部117は、現在の画面状態が「待受画面」であることを示すように、記憶部104の表示状態情報を更新する。
この結果、表示制御部117は、図9(d)に示すように、対象キーである9キーに対応する数字「9」をサブLCD101に表示し、記憶部104の表示状態情報を、待受画面に「9」が表示された状態を示すように更新する。
なお、ここでは、特に図示して説明しないが、長押し時間が経過する前に、多重押し検出閾値以上である2つのキーそれぞれと隣接する、キー接触値がリリース検出閾値以下であるキーが存在した場合(ステップS24:YES)も、同様に、対象キーに割り当てられた長押し処理を実行しないので、ユーザが意図しない相手に発呼してしまう可能性を低減できる。
以下、図8を用いて説明した対象キーの対応処理を若干変更した変形例1に係る携帯電話機について説明する。
変形例1に係る携帯電話機(以下、「第1変形携帯電話機」ともいう)は、実施の形態1に係る携帯電話機100のキー決定部113の機能を若干変更したものである。従って、ここでは、変更部分を中心に説明する。
第1変形携帯電話機の動作について、図10を用いて説明する。
図10は、第1変形携帯電話機における対象キーの対応処理を示すフローチャートである。
同図に示す第1変形携帯電話機における対象キーの対応処理は、図8に示す携帯電話機100における対象キーの対応処理におけるステップS22の短押し処理の位置が変更されている点と、ステップS26のキャンセル処理が存在しない点とが、携帯電話機100の対象キーの対応処理とは異なる。
該当のキーの数が0又は5つ以上である場合には(ステップS33:0又は5以上)、図8のステップS22と同様に、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む短押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行し(ステップS32)、対象キーの対応処理を終了する。
ステップS33で、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS33:1以上5未満)、第1変形キー決定部は、図8のステップS24と同様に、該当のキーに含まれる2つのキーの各組合せについて、その組合せに係る2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるかの判定を行う(ステップS34)。
ステップS34で、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS34:NO)、第1変形キー決定部は、図8のステップS25と同様に、長押し時間を経過したかを判定する(ステップS35)。
以下では、長押し時間経過後、対象キーからの接触が離されるまでに生じた多重押し等を検出して、発呼処理が実行されてしまう可能性を低減するように変形した変形例2に係る携帯電話機について説明する。
変形例2に係る携帯電話機(以下、「第2変形携帯電話機」ともいう)は、実施の形態1に係る携帯電話機100のキー決定部113の機能を若干変更したものである。従って、ここでは、変更部分を中心に説明する。
第2変形携帯電話機の動作について、図11を用いて説明する。
図11は、第2変形携帯電話機における対象キーの対応処理を示すフローチャートである。
同図に示す第2変形携帯電話機における対象キーの対応処理は、図8に示す携帯電話機100における対象キーの対応処理にステップS50〜S52が追加されている点が、携帯電話機100の対象キーの対応処理とは異なる。
ステップS43で、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS43:1以上5未満)、第2変形キー決定部は、図8のステップS24と同様に、該当のキーに含まれる2つのキーの各組合せについて、その組合せに係る2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるかの判定を行う(ステップS44)。
該当のキーの数が5つ以上である場合には(ステップS51:5以上)、特に何も行うことなく、対象キーの対応処理を終了し、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS51:1以上5未満)、第2変形キー決定部は、上述のステップS44と同様に、該当のキーに含まれる2つのキーの各組合せについて、その組合せに係る2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるかの判定を行う(ステップS52)。
ステップS52で、いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS52:YES)、特に何も行うことなく、対象キーの対応処理を終了し、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS52:NO)、再びステップS50から処理を開始する。
≪変形例3≫
以下では、図7のステップS3及び図8のステップS24で説明した、キー接触値が多重押し検出閾値以上である2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であることを検出する方法とは異なる方法で、ユーザの指等による通常の操作以外のタッチパッド102への接触を検出し、発呼処理が実行されてしまう可能性を低減する例を説明する。
<動作>
<制御処理>
第3変形携帯電話機の動作について、図12を用いて説明する。
同図に示す第3変形携帯電話機の制御処理は、図7に示す携帯電話機100における制御処理のステップS3の処理がない点と、ステップS73及びS74の処理が追加されている点とが、携帯電話機100の制御処理と異なる。
再度、ステップS74で特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上であるか否かを判定するのは、特定キーへの接触の開始が対象キーへの接触の開始より遅れて行われる場合があるためである。
この対象キーの対応処理が完了すると、第3変形キー決定部は、図7のステップS10〜S12と同様に、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、リリース検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを判定し(ステップS70)、該当のキーの数が0である場合には(ステップS70:0)、対象キーの決定を解除し(ステップS71)、切替部112は、切替処理を行い(ステップS72)、制御処理を終了する。
続いて、ステップS80の対象キーの対応処理について説明する。
図13は、第3変形携帯電話機における対象キーの対応処理(図12のステップS80)を示すフローチャートである。
同図に示す第3変形携帯電話機の対象キーの対象処理は、図8に示す携帯電話機100における対象キーの対応処理のステップS24の処理に替えて、ステップS84の処理を含む点が、携帯電話機100の対象キーの対応処理と異なる。
ステップS84で、特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上である場合には(ステップS84:YES)、特に何も行わず、対象キーの対象処理を終了し、特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値未満である場合には(ステップS84:NO)、図8のステップS25と同様に、第3変形キー決定部は、長押し時間を経過したか否かを判定する(ステップS85)。
以上、本発明に係る携帯通信端末を、実施の形態1、変形例1〜3(以下、単に「実施の形態」ともいう)に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態で示した通りの携帯電話機に限られないことは勿論である。
(1)実施の形態に係る携帯電話機は、横開きタイプの折りたたみ式の携帯電話機であるものとして説明したが、タッチパッドを有する携帯電話機であれば、縦開きタイプの折りたたみ式の携帯電話機や、ストレートタイプやスライド式等、他の外観を有する携帯電話機であってもよい。
また、操作用の部分と、操作された文字等を表示する部分とを1つのタッチパネルで実現するだけでなく、例えば、数字や文字等を入力する部分は、タッチパネルとし、入力された文字等が表示される部分は、LCDや有機EL(Organic Electro-Luminescence)等で構成されるとしてもよい。
即ち、キー接触値は、上述したように、タッチパッド102から出力される静電容量を表すための値に基づいて算出されるため、ユーザの指等がキーに接触していない状態においてタッチパッド102から出力される静電容量を表すための値を予め測定しておき、その値に基づいてGNDを決定することが望ましい。
(5)実施の形態においては、ユーザの指等で操作した場合に、同時に4つまでのキーに接触し得るとの前提の下、接触されているキーの数が5つ以上であった場合に、多重押しと判定するものとして説明したが、これは一例であり、2つ以上の既定数のキーが接触された場合に多重押しと判断するようにしてもよい。なお、ユーザの指等で操作した場合に同時に接触し得るキーの数は、ユーザの指の大きさ等により多少のばらつきがあると考えられる。従って、例えば、実施の形態に係る携帯電話機の運用開始時において、実際にユーザにキー操作を行わせ、いくつのキーが同時に接触されたかをカウントし、その数以上のキーが接触された場合に、多重押しと判断するようにしてもよい。また、ユーザが多重押しと判断すべきキーの数を設定できるようにしてもよい。
図7のステップS2が実行されるときには、鞄の中にある他の物がタッチパッド102に接触している等、ユーザの指等による通常の操作が行われている状況ではないと考えられるためである。つまり、このような状況では、次のキー操作に対応する処理をなるべく早く行えるようにする必要性が低いと考えられるためである。
(7)図7のステップS7では、対象キー(キー接触値が最大値であるキー)のキー接触値と、対象キーの上のキーのキー接触値との差分が既定値(この例では50)以下であるか否かを判定するものとして説明したが、対象キーの上のキーだけなく、対象キーの右及び左のキーのキー接触値との差分が既定値以下であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、対象キーのキー接触値と、対象キーの上、右、及び左のキーのキー接触値との差分をそれぞれ算出し、算出したいずれかの差分が既定値以下である場合には、差分が最も小さくなったキーに対象キーを決定するようにしてもよい。
(8)また、図7のステップS7では、対象キー(キー接触値が最大値であるキー)のキー接触値と、対象キーの上のキーのキー接触値との差分が既定値(50)以下であるか否かを判定するものとして説明したが、例えば、対象キーの上のキーのキー接触値がキー押し検出閾値より大きい既定値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。上述の(7)で説明したように、対象キーのキー接触値との差分を算出するキーを、対象キーの右のキー、及び(又は)左のキーとした場合においても、同様の変形が可能である。
(9)図8のステップS26、図11のステップS46、図13のステップS86に示すキャンセル処理を実行しないように変形してもよい。即ち、短押し処理のアンドゥ処理を行わないで、長押し処理(図8のステップS27、図11のステップS47、図13のステップS87)を実行するようにしてもよい。
この場合、例えば、ユーザが既定の操作を行うと、携帯電話機は、対応付けテーブルへの登録機能を実行し、ユーザが電話番号を指定する操作、即ち、アドレス帳10から電話番号を選択する操作、あるいは電話番号を直接入力する操作を行い、更に、指定した電話番号を対応付けるキーを指定する操作を行うことで、対応付けテーブルへの登録が行われるようにしてもよい。
即ち、図11のステップS42の短押し処理の実行を、ステップS43又はS51で多重押し検出閾値以上のキーの数が0又は5つ以上の場合(ステップS43:0又は5以上、又はステップS51:0又は5以上)、ステップS44又はS52で、いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合(ステップS44:YES、又はステップS52:YES)に実行するように変形し、ステップS46のキャンセル処理を実行しないようにしてもよい。
同様に、変形例3に係る携帯電話機(第3変形携帯電話機)に、変形例1で説明したキャンセル処理を事項しないようにする更なる変形を適用してもよい。
即ち、図13のステップS82の短押し処理の実行を、ステップS83で多重押し検出閾値以上のキーの数が0又は5つ以上の場合(ステップS83:0又は5以上)、ステップS84で、いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合(ステップS84:YES)に実行するように変形し、ステップS86のキャンセル処理を実行しないようにしてもよい。
(13)また、実施の形態で説明した長押し処理実行(図8のステップS27等)において実行される処理は、発呼処理に限定されるものではなく、その他の処理であってもよい。このような処理の一例として、例えば、暗証番号の入力画面を表示する処理や、録音処理や、アラーム設定処理や、マナーモードのオン又はオフの処理や、スピーカホンのオン又はオフの処理や、電源オン又はオフの処理や、カメラ起動の処理や、特定のアプリケーションの起動の処理や、動画の撮影の起動の処理や、新規メールの作成画面の起動の処理等、その他適宜な処理の1つ又は任意の複数の組み合わせであってもよい。
即ち、この変形に係るタッチパッド(以下、「変形タッチパッド」という)が、キー毎に、接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値を出力するようにし、この変形に係る算出部(以下、「変形算出部」という)が自己の状態(非調整状態と調整状態)に応じて、キー接触値を算出するようにしてもよい。
(16)実施の形態において説明したタッチパッド102からの入力に対する処理(図7、図8、図10〜図13参照)をCPUに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるCPUで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのCPUがそのプログラムを実行することにより実施の形態で示した各携帯電話機の各機能が実現される。
これにより、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択部により、実行すべき処理が割り当てられた範囲として選択範囲が選択された場合でも、その選択から上記所定条件が成立するまでに、タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことが検出された場合には、選択範囲に対応する所定の処理を行わず、選択範囲に対応する表示処理を行う。
(19)また、前記携帯通信端末は、更に実行すべき処理が割り当てられている範囲を決定するための第1閾値と、第1閾値より小さい第2閾値とを保持する保持部を備え、前記選択部は、前記タッチパッドから出力された接触の度合いを示す値に基づいて、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲毎に、当該範囲の接触の度合いを示す値を算出し、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲の中から、算出した値が、第1閾値以上である範囲を、前記選択範囲として選択し、前記第1検出部は、前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記選択部により算出された値が第2閾値以上である範囲の数が、既定数以上になった場合にのみ、前記検出を行うこととしてもよい。
従って、例えば、ユーザの1本の指で同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定めた場合において、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択範囲の選択から一定時間経過するまでの間に、選択範囲と同程度の接触の度合いである既定数以上の範囲を検出した場合のみならず、選択範囲よりも接触の度合いが低い、既定数以上の範囲の接触を検出することで、ユーザの指以外がタッチパッドに接触したことにより、選択範囲に対応する所定の処理が実行されてしまう可能性を低減できる。
例えば、ユーザの1本の指で、通常、相互に隣接しない2つの範囲に同時に接触しないように、各範囲の大きさ及び位置を定めた場合において、選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在したときには、ユーザの指以外がタッチパッドに接触したと推定できる。選択範囲の選択後に、このようなユーザの指以外の接触が生じたと推定できるケースでは、選択範囲への接触も、ユーザの指以外の接触である可能性が高いものと考えられる。
これにより、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択範囲の選択から一定時間を経過した後から、選択範囲の接触が離されるまでの間に、タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったこと、又は、選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在したことが検出された場合にも、所定の処理を行わない。
これにより、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、例えば、ユーザの1本の指で同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定めた場合において、選択範囲の選択から一定時間経過するまでの間に、ユーザの指等以外によるものと推定されるタッチパッドへの接触を検出することで、ユーザの指等以外がタッチパッドに接触したことにより、選択範囲に対応する発呼処理が実行されてしまう可能性を低減できる。
3 入力キー
4 LCD
100 携帯電話機
101 サブLCD
102 タッチパッド
103 計時部
104 記憶部
105 スピーカ
106 マイク
107 バイブレータ
108 通信部
110 制御部
111 算出部
112 切替部
113 キー決定部
114 イベント通知部
115 発呼処理部
116 音声処理部
117 表示制御部
120 アプリケーション実行部
Claims (7)
- 接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドと、
前記タッチパッドから出力された接触の度合いを表す値に基づいて、実行すべき処理が割り当てられた範囲として、1つの選択範囲を選択する選択部と、
前記選択部による選択が行われてから、前記選択範囲への接触が当該選択から一定時間継続したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことを検出する第1検出部と、
前記第1検出部による検出がなされなかった場合には、前記選択部が選択した前記選択範囲に対応する所定の処理を実行し、前記第1検出部による検出がなされた場合には、前記所定の処理を実行しない実行制御部とを備える
ことを特徴とする携帯通信端末。 - 前記実行制御部は、
前記第1検出部による検出がなされた場合には、前記選択部が選択した前記選択範囲に対応する表示処理を実行する
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。 - 前記携帯通信端末は、更に
実行すべき処理が割り当てられている範囲を決定するための第1閾値と、第1閾値より小さい第2閾値とを保持する保持部を備え、
前記選択部は、前記タッチパッドから出力された接触の度合いを示す値に基づいて、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲毎に、当該範囲の接触の度合いを示す値を算出し、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲の中から、算出した値が、第1閾値以上である範囲を、前記選択範囲として選択し、
前記第1検出部は、前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記選択部により算出された値が第2閾値以上である範囲の数が、既定数以上になった場合にのみ、前記検出を行う
ことを特徴とする請求項2記載の携帯通信端末。 - 前記携帯通信端末は、更に、
前記選択部による選択が行われてから、前記所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在したことを検出する第2検出部を備え、
前記実行制御部は、
前記第2検出部による検出がなされなかった場合にのみ、前記選択範囲に対応する前記所定の処理を実行する
ことを特徴とする請求項3記載の携帯通信端末。 - 前記所定条件は、前記選択範囲への接触が離されたことを要件として含む
ことを特徴とする請求項4記載の携帯通信端末。 - 前記所定の処理は、発呼処理である
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。 - 接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドを備える携帯通信端末で用いられる入力制御プログラムであって、
前記タッチパッドから出力された接触の度合いを表す値に基づいて、実行すべき処理が割り当てられた範囲として、1つの選択範囲を選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択が行われてから、前記選択範囲への接触が当該選択から一定時間継続したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことを検出する第1検出ステップと、
前記第1検出ステップで検出がなされなかった場合には、前記選択ステップで選択した前記選択範囲に対応する所定の処理を実行し、前記第1検出ステップで検出がなされた場合には、前記所定の処理を実行しない実行制御ステップとを含む
ことを特徴とする入力制御プログラム。
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