JP2011107785A - 携帯通信端末及び入力制御プログラム - Google Patents

携帯通信端末及び入力制御プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2011107785A
JP2011107785A JP2009259359A JP2009259359A JP2011107785A JP 2011107785 A JP2011107785 A JP 2011107785A JP 2009259359 A JP2009259359 A JP 2009259359A JP 2009259359 A JP2009259359 A JP 2009259359A JP 2011107785 A JP2011107785 A JP 2011107785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
key
contact
value
unit
selection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009259359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5341719B2 (ja
Inventor
Yoshito Miyazaki
良人 宮崎
Takatsugu Izumi
貴次 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2009259359A priority Critical patent/JP5341719B2/ja
Priority to US13/509,354 priority patent/US20120225698A1/en
Priority to PCT/JP2010/006565 priority patent/WO2011058733A1/ja
Publication of JP2011107785A publication Critical patent/JP2011107785A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5341719B2 publication Critical patent/JP5341719B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F1/00Details not covered by groups G06F3/00 - G06F13/00 and G06F21/00
    • G06F1/16Constructional details or arrangements
    • G06F1/1613Constructional details or arrangements for portable computers
    • G06F1/1633Constructional details or arrangements of portable computers not specific to the type of enclosures covered by groups G06F1/1615 - G06F1/1626
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M1/00Substation equipment, e.g. for use by subscribers
    • H04M1/72Mobile telephones; Cordless telephones, i.e. devices for establishing wireless links to base stations without route selection
    • H04M1/724User interfaces specially adapted for cordless or mobile telephones
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M2250/00Details of telephonic subscriber devices
    • H04M2250/22Details of telephonic subscriber devices including a touch pad, a touch sensor or a touch detector

Abstract

【課題】誤接触により生じたタッチパッドへの長押しによる所定の処理が行われる可能性を低減することが可能な携帯電話機等の携帯通信端末を提供する。
【解決手段】本発明に係る携帯通信端末は、接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドを備え、そのタッチパッドから出力された接触の度合いを表す値に基づいて、実行すべき処理が割り当てられた範囲として1つの選択範囲を選択し、その選択が行われてから、その選択範囲への接触がその選択から一定時間継続したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、そのタッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことを検出しなかった場合には、その選択範囲に対応する所定の処理を実行し、検出した場合には、その所定の処理を実行しない。
【選択図】図4

Description

本発明は、タッチパッドを有する携帯電話機等の携帯通信端末に関する。
タッチパッドによる操作が可能な携帯電話機等の携帯通信端末は、タッチパッド上の接触の度合いを示す値(例えば、静電容量を表す値)に基づいて、タッチパッド上の接触範囲を検出し、その接触範囲に割り当てられている処理を実行する。
従って、例えば、鞄の中に入れておいた携帯通信端末のタッチパッドに、その鞄の中の他の物が接触してしまった場合等(以下、「誤接触」という)に、ユーザが意図しない処理が実行されてしまう(以下、「誤動作」という)という問題が生じ得る。
この問題に対しては、タッチパッド上での接触範囲が、既定の面積値を超えるか否かを判定し、既定の面積値を超える場合には、この接触に基づく処理を行わないよう制御する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
これにより、例えば、上述の既定の面積値として、ユーザの指等を接触させた場合の面積値と、指等以外を接触させた場合の面積値との境界となる面積値を設定しておくことで、指等以外が誤って接触してしまった場合にも、誤動作が発生する可能性を低減できる。
ところで、携帯電話機等の携帯通信端末の機能として、操作に用いるキーを一定時間以上押す(以下、「長押し」という)ことで、所定の処理を行う機能が知られている。このような所定の機能の一例として、そのキーに予め対応付けていた電話番号に自動的に発呼する機能(以下、「スピードダイヤル機能」ともいう)が知られている。
通常、ユーザが電話をかけるためには、アドレス帳や発着信履歴から相手を選択し、あるいは、電話番号を入力して、オフフック操作を行う必要があるところ、スピードダイヤル機能によれば、キーを長押しするという簡単な操作で特定の相手に電話をかけることが可能になる。
ここで、キー入力時の複数キーの押下(以下、「複数キー押し」という)や長押しを適切に処理するキー入力の制御方法が、特許文献2に開示されている。この特許文献2に開示されたキー入力の制御方法は、キーの長押しと複数キー押しとを検知し、更に複数キー押しが有効なキーか否かを検知し、複数キー押しが有効なキーと検知したならば、有効処理に伴い優先入力されるべきキーの単一の長押しとして処理する構成としている。
特開2004−126752号公報 特開2001−134365号公報
長押しにより処理される所定の機能を、タッチパッドによる操作が可能な携帯通信端末に組み込む場合、上述のような誤接触により、タッチパッド上のキーが長押しされ、意図しない所定の機能が処理されてしまう恐れがある。例えば、前述のスピードダイヤル機能の場合には、上述のような誤接触により、タッチパッド上のキーが長押しされ、意図しない相手に発呼してしまうおそれがある。
そこで、本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、誤接触により生じたタッチパッドへの長押しによって所定の処理が行われる可能性を低減することが可能な携帯電話機等の携帯通信端末を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る携帯通信端末は、接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドと、前記タッチパッドから出力された接触の度合いを表す値に基づいて、実行すべき処理が割り当てられた範囲として、1つの選択範囲を選択する選択部と、前記選択部による選択が行われてから、前記選択範囲への接触が当該選択から一定時間継続したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことを検出する第1検出部と、前記第1検出部による検出がなされなかった場合には、前記選択部が選択した前記選択範囲に対応する所定の処理を実行し、前記第1検出部による検出がなされた場合には、前記所定の処理を実行しない実行制御部とを備えることを特徴とする。
ここで、接触とは、ユーザの指、顔等の身体やタッチペン等がタッチパッドに接触した状態をいう他、特に静電容量方式のタッチパッドにおいては、ユーザの指、顔等の身体やタッチペン等、タッチパッドの静電容量を変化させるものが、予め定めた変化量以上にタッチパッドの静電容量を変化させるまでタッチパッドに近接した状態を含む。
上記構成を備える本発明に係る携帯通信端末によれば、誤接触により生じたタッチパッドへの長押しによって所定の処理が行われる可能性を低減することが可能である。
実施の形態1に係る携帯電話機100の閉じられた状態の外観を示す斜視図である。 実施の形態1に係る携帯電話機100の開かれた状態の外観を示す斜視図である。 実施の形態1に係る携帯電話機100の閉じられた状態の外観を示す正面図である。 携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図である。 携帯電話機100が記憶するアドレス帳10のデータ構成及び内容例を示す図である。 算出部111が算出するキー接触値の変化を説明するための図である。 タッチパッド102からの入力に対する携帯電話機100の制御処理を示すフローチャートである。 携帯電話機100における対象キーの対応処理(図7のステップS20)を示すフローチャートである。 タッチパッド102への接触に対する携帯電話機100の動作例を示す図である。 第1変形携帯電話機における対象キーの対応処理を示すフローチャートである。 第2変形携帯電話機における対象キーの対応処理を示すフローチャートである。 タッチパッド102からの入力に対する第3変形携帯電話機の制御処理を示すフローチャートである。 第3変形携帯電話機における対象キーの対応処理(図12のステップS80)を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態としての携帯電話機について説明する。
≪実施の形態1≫
<外観>
図1は、実施の形態1に係る携帯電話機100の閉じられた状態の外観を示す斜視図であり、図2は、実施の形態1に係る携帯電話機100の開かれた状態の外観を示す斜視図であり、図3は、実施の形態1に係る携帯電話機100の閉じられた状態の外観を示す正面図である。
図1及び図2に示されるように、携帯電話機100は、横開きタイプの折りたたみ式携帯電話機であり、入力キー3を備える筐体1と、情報の表示画面となるLCD(Liquid Crystal Display)4を備える筐体2とが互いに開閉可能な構成となっている。
図1では、図示を省略しているが、図3に示すように、携帯電話機100は、閉じられた状態で外部に露出する筐体2の表面に、サブLCD101と、タッチパッド102を備える。
タッチパッド102には、各種キーを示すマークが視認可能に配置されており、ユーザは、マークがある位置に指等を接触させることにより、そのマークが示すキーに割り当てられた処理を携帯電話機100に行わせることができる。
なお、同図の一点鎖線は、説明上、各キーの範囲(例えば、5mm×10mm程度)を示すために記載したものであり、実際には視認できるものではない。また、以下では、例えば、「1」のマークが示すキーを「1キー」と表現し、他のマークが示すキーについても同様に表現する。
また、同図に示すキーの種類及びキーの並び順は一例であり、適宜変更することができる。
また、本実施の形態において、接触とは、ユーザの指、顔等の身体やタッチペン等がタッチパッドに接触した状態をいう他、ユーザの指、顔等の身体やタッチペン等、タッチパッド102の静電容量を変化させるものが、後述するキー接触値(図6参照)がGNDレベル以上になるまでタッチパッドに近接した状態を含む。
また、以下の説明では、ユーザが指等をタッチパッド102に接触させ、タッチパッド102上のキーを選択することを、キーを押すともいう。
また、以下の説明では、携帯電話機100は、0キー〜9キーまでの数字キーそれぞれが、短く押された(以下、「短押し」という)場合と、一定時間以上押された長押しの場合とで異なる処理を実行するものとし、特に、予めユーザにより電話番号が割り当てられている数字キーが長押しされた場合には、その電話番号への発呼処理を実行するものとする。なお、数字キーへの電話番号の割り当ての仕方については、後述する。
<構成>
図4は、携帯電話機100の主要部の機能構成を示すブロック図である。
携帯電話機100は、同図に示すように、サブLCD101、タッチパッド102、計時部103、記憶部104、スピーカ105、マイク106、バイブレータ107、通信部108、制御部110、及びアプリケーション実行部120を備える。
なお、携帯電話機100は、プロセッサ及びメモリを含んで構成されており、制御部110及びアプリケーション実行部120の各機能は、上述のメモリに記憶されているプログラムを上述のプロセッサが実行することにより実現され、このメモリには、後述する各種閾値も記憶されているものとする。
ここで、サブLCD101は、制御部110からの指示を受けて文字等の画像を表示する機能を有する。
タッチパッド102は、一般的な静電容量方式のタッチセンサにより実現され、ユーザによる接触を検出し、検出している間、単位時間(例えば、25ms)毎に、その接触位置の座標値(x,y)と静電容量を表すための値との組を制御部110に送出する回路であり、特に、複数の位置が接触されている場合には、上述の組を複数送出するものである。
なお、一例として、図3に点線の長方形で示すタッチパッド102の左上の頂点の座標値は(0,0)であるとし、右下の頂点の座標値は(160,220)であるとする。
計時部103は、タイマやカウンタにより実現され、制御部110の指示に従って、計時を開始し、長押し時間(例えば、800ms)を経過したときに制御部110に通知する機能を有する。
ここで、長押し時間は、キーへの接触が長押しなのか否かを判定する際に用いられる閾値であり、予め携帯電話機100のメーカ等により設定されているものとする。
記憶部104は、基本画面、表示状態情報、及びアドレス帳10を記憶するためのメモリ領域である。
ここで、基本画面は、例えば、発呼中や通話中などにサブLCD101に表示させる画像のデータである。
また、表示状態情報は、サブLCD101に表示されている画面の状態を示す情報であり、その画面がどのように生成されたものであるかが識別可能に構成される。
例えば、図3に示すサブLCD101に表示されている画面の表示状態情報は、待受画面(この例では、何も表示されていない状態の画面であるものとする)に「123○×・・・・・・」と「< call >」が描画された後の状態になったことを示すものである。
また、アドレス帳10について、図5を用いて説明する。
図5は、アドレス帳10のデータ構成及び内容例を示す図である。
同図に示すように、アドレス帳10は、通信相手となる連絡先毎に、名称11と電話番号12とメールアドレス13とキー14とを対応付けたデータである。
名称11は、電話やメールの通信相手を示す氏名等の名称であり、電話番号12は、その通信相手が所有する電話機に割り振られた電話番号であり、メールアドレス13は、その通信相手が所有するメールアドレスであり、キー14は、対応する電話番号が割り当てられているタッチパッド102上の数字キーを示すデータである。
なお、キーが「−」である場合、対応する電話番号が割り当てられている数字キーが存在しないことを示している。
同図は、例えば、名称が「A上G郎」である通信相手の電話番号は「123○×・・・・・・」で、メールアドレスは「a○×@gggg.co.jp」であり、キーは「9」、つまり、電話番号「123○×・・・・・・」が9キーに割り当てられていることを示している。
なお、このキーのアドレス帳10への登録は、ユーザが連絡先を新規に登録する際、あるいは登録済の連絡先の内容を変更する際に、他の通信相手の電話番号が割り当てられていないキーをユーザが指定することで行われるものとする。
通信部108は、アンテナを介して基地局との間で電波の送受信を行う回路であり、受信信号を復調し制御部110へ伝達する機能、及び制御部110から伝達された信号を変調し送信する機能を有する。
制御部110は、一般的な携帯電話機が有する機能の他、タッチパッド102から送出された接触位置の座標値と静電容量を表すための値との組に基づいて、押されているキーの識別情報を含むイベントをアプリケーション実行部120に通知するOS(Operating System)として機能するものであり、算出部111、切替部112、キー決定部113、イベント通知部114、発呼処理部115、音声処理部116、及び表示制御部117を含む。
ここで、算出部111は、タッチパッド102上の各キーの配置(座標範囲)を管理しており、タッチパッド102から送出された、接触位置の座標値(x,y)と静電容量を表すための値との組に基づいて、接触されているキー毎に、0〜1024の範囲の値(以下、「キー接触値」という)を算出する機能を有する。
算出部111は、非調整状態と調整状態との2つの状態を切替部112からの指示に応じて切り替えて動作し、非調整状態では、接触されているキー毎に、そのキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値を算出し、その値をそのまま上記キー接触値とし、調整状態では、接触されているキー毎に、そのキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値の、上記単位時間(この例では25ms)前のキー接触値に対する変化量が既定値(以下では、「30」とする)以内となるように調整した値を上記キー接触値とする。
つまり、調整状態では、接触されているキー毎に、そのキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値の、単位時間前のキー接触値に対する変化量が、既定値以下であればそのままの値を、既定値より大きい場合には、単位時間前のキー接触値に既定値を加算した値を上記キー接触値とする。
なお、接触されているキーの座標範囲における接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値としては、例えば、そのキーの座標範囲内の静電容量を表すための値の総和を0〜1024の範囲の値を取るようにスケール変換した値を用いることができる。
また、算出部111の状態に応じて、キー接触値がどのように変化するのかについては、後に詳細に説明する(図6参照)。
切替部112は、算出部111の状態及び算出部111により算出されたキー接触値に基づいて、算出部111の状態を切り替えさせる機能を有する。
切替部112は、調整状態である算出部111により算出されたキー接触値のいずれかがキー押し検出閾値を超えた場合に、算出部111の状態を非調整状態に切り替えさせ、非調整状態である算出部111により算出されたキー接触値の全てがリリース検出閾値未満になった場合に、算出部111の状態を調整状態に切り替えさせる。
ここで、キー押し検出閾値とは、キーが押されたか否かを判定するために用いられる閾値であり、例えば、「632」であるものとし、リリース検出閾値とは、キーが離されたか否かを判定するために用いられる閾値であり、例えば、「580」であるものとする。
なお、切替部112が算出部111の状態を切り替えるタイミングについては、後に詳細に説明する(図6参照)。
キー決定部113は、算出部111により算出されたキー接触値に基づいて、1つのキー(以下、「対象キー」という)を決定する機能を有する。後述するように、この対象キーに割り当てられている処理が実行されることになる。
キー決定部113は、算出部111により算出されたキー接触値が多重押し検出閾値(例えば、「580」であるものとする)以上であるキーが既定数以上存在する(以下、「多重押し」という)場合、及び多重押し検出閾値以上である各キーの間の位置にリリース検出閾値(580)以下のキーが存在する場合を除き、キー押し検出閾値(632)以上の最大値のキーを原則として対象キーと決定する。
多重押しの場合及び多重押し検出閾値以上である各キーの間の位置にリリース検出閾値(580)以下のキーが存在する場合を除くのは、これらが検出された場合には、ユーザの指等による通常の操作以外の理由により、タッチパッド102への接触が行われていると考えられるため、このようないわば異常な接触により、対象キーが決定され、誤って、対象キーに割り当てられた処理(以下、「対応処理」ともいう)が実行されてしまうことを防ぐ必要があるためである。異常な接触とは、例えば、通話中にユーザの顔等がタッチパッド102に接触することや、バック等の中で、そのバック等内の他の物がタッチパッド102に接触する場合等が挙げられる。
なお、多重押しであると判定するための上述の既定数としては、ユーザが指等でキーを操作した場合には同時に接触し得ないキーの数を設定する必要があり、以下の説明では、一例として、ユーザが1本の指でキーを操作した場合には、1本の指が同時に、目的のキーと、目的のキーの隣と、目的のキーの上又は下と、目的のキーの斜めとの4つまでのキーに接触し得ると想定することにより、キー接触値が多重押し検出閾値以上であるキーが5つ以上存在する場合を多重押しとする。また、キー決定部113は、一旦、対象キーを決定した後は、全てのキーについての算出部111により算出されたキー接触値がリリース検出閾値以下になるまで、次の対象キーの決定を行わないものとする。
イベント通知部114は、キー決定部113による対象キーの決定が行われた際に、短押しイベントをアプリケーション実行部120に通知する他、対象キーの決定からのその対象キーへの接触時間が長押し時間を経過したか否かに基づいて、キャンセルイベント及び長押しイベントをアプリケーション実行部120に通知する機能を有する。
ここで、短押しイベントとは、キーが押されたことを示すイベントであり、押されたキーとして対象キーの識別情報を含むものである。
また、キャンセルイベントとは、直前に通知された短押しイベントをキャンセルするイベントであり、その短押しイベントと同じ対象キーの識別情報を含むものである。
また、長押しイベントとは、キーが押されてから長押し時間を経過したことを示すイベントであり、押されたキーとして対象キーの識別情報を含むものである。
発呼処理部115は、アプリケーション実行部120からの指示に従って、対象キーに割り当てられている電話番号を記憶部104のアドレス帳10から取得し、取得した電話番号へ発呼する処理を行う機能を有する。
音声処理部116は、通信部108を介して受信した音声信号をD/A(Digital/Analog)変換し、スピーカ105から出力する機能、及びマイク106から入力された音声信号をA/D(Analog/Digital)変換し、生成した信号を通信部108を介して送信する機能を有する。
表示制御部117は、アプリケーション実行部120からの指示に従って、サブLCD101に画像等を表示させる機能、及び記憶部104の表示状態情報を更新する機能を有する。
アプリケーション実行部120は、制御部110から通知されたイベントに応じた処理を行うイベントドリブンのアプリケーションとして機能するものである。
<キー接触値>
ユーザの指等により接触されたキーについてのキー接触値が、算出部111の状態に応じてどのように変化するかを、図6を用いて説明する。
図6は、算出部111が算出するキー接触値の変化を説明するための図である。
同図に示すように、横軸は時刻を、縦軸は、ユーザの指等により接触されたある1つのキーについてのキー接触値を示しているが、キー接触値が0〜511までの範囲については図示を省略している。また、GNDは、ユーザの指等がキーに接触しているか否かを判定するために用いられる閾値(一例として、「512」)を表している。
なお、以下の説明において、同図に示す時刻T1〜時刻T2の時間、及び時刻T5〜時刻T7の時間は100msであるものとし、また、時刻T1において、算出部111は、調整状態であるものとする。
時刻T1は、ユーザの指等により、あるキーへの接触が開始されたタイミングを示している。
キーへの接触が開始されることにより、そのキーについての接触面積の増減に応じて増減する値は、キー押し検出閾値を超える値となるが、調整状態である算出部111は、時刻T1〜T2において、単位時間(この例では25ms)内の値の変化が既定値(この例では「30」)以内になるように調整した値をキー接触値として算出する。従って、時刻T1〜時刻T2において、キー接触値は階段状に増加する。
時刻T2は、キー接触値が、キー押し検出閾値以上になったタイミングを示している。
キー接触値がキー押し検出閾値以上になったときに、切替部112は、算出部111を非調整状態に切り替えさせるため、時刻T2において、切替部112は、算出部111を非調整状態に切り替えさせる。その結果、キー接触値は、調整された値ではなくなるため、時刻T2〜T3において、キー接触値は一気に増加し、以降、時刻T5まで、キー接触値は、そのキーについての接触面積の増減に応じて変化する。
時刻T4は、時刻T1で開始されていた、あるキーへのユーザの指等による接触が離されたタイミングを示している。
算出部111は、非調整状態であるため、時刻T4〜時刻T5において、キー接触値は一気に減少する。
時刻T5は、キー接触値が、リリース検出閾値以下となったタイミングを示している。
キー接触値がリリース検出閾値以下になったときに、切替部112は、算出部111を調整状態に切り替えさせるため、時刻T5において、切替部112は、算出部111を調整状態に切り替えさせる。その結果、キー接触値は、単位時間(25ms)内の値の変化が既定値(30)以内になるように調整した値となるため、時刻T5〜時刻T6において、キー接触値は階段状に減少する。
上述のように算出部111の状態を切り替えることにより、携帯電話機100は、意図しないキーに割り当てられた処理が誤って実行される(誤動作)可能性を低減させつつ、ユーザによるキーの連続的な操作に対する処理の応答性を向上できる。
以下、この算出部111の状態の切り替えによる効果について、より詳しく説明する。
キー接触値は、上述のように、タッチパッド102から出力される静電容量を表すための値に基づいて算出部111により算出されるが、この静電容量を表すための値は、通話や一般的な携帯電話機が備えるカメラの撮影等によるノイズの影響によっても変動するものである。
また、上述のように、キー決定部113は、キー押し検出閾値(632)以上のキーを対象キーとして決定し、この対象キーに割り当てられた処理が実行されることになることから、もしも、ノイズの影響によりキー接触値が一気にキー押し検出閾値を越えるようなことがあれば誤動作することになる。
しかしながら、キーへの接触が開始された時刻T1から、キー接触値がキー押し検出閾値に達する時刻T2までは、算出部111は調整状態で動作するので、キーにおける接触面積の増減に応じて増減する値の単位時間内の変化が既定値(30)以内になるように調整した値がキー接触値とされるので、ノイズの影響によりキー接触値が一気にキー押し検出閾値を越えるようなことは生じ得ず、上述のような誤動作の発生を適切に防ぐことができる。
また、キー決定部113は、上述したように、一旦対象キーを決定した後は、全てのキーに対する接触が離されてキー接触値がリリース検出閾値以下になるまで、次の対象キーの決定を行わないところ、時刻T2〜時刻T5において、算出部111は、非調整状態で動作するので、時刻T4でユーザの指等がキーから離されると、キー接触値は、一気に減少して、同図では、時刻T5でリリース検出閾値と一致する。
例えば、同図に示すキー接触値に係るキーのみがユーザの指等により接触されていたとすると、時刻T5より後の時刻で、次の対象キーの決定が可能になる。従って、時刻T2〜時刻T5において、もし仮に、算出部111が、調整状態で動作するとした場合と比較し、ユーザによるキーの連続的な操作に対する処理の応答性を向上できる。
<動作>
<制御処理>
次に、上記構成を備える携帯電話機100の動作について、図7を用いて説明する。
図7は、タッチパッド102からの入力に対する携帯電話機100の制御処理を示すフローチャートである。
なお、同図に示す制御処理とは独立した処理として、タッチパッド102からは、単位時間毎(この例では25ms毎)に検出されている接触位置の座標値(x,y)と静電容量を表すための値との組が出力されており、制御部110の算出部111により、単位時間毎に、接触されている各キーについてのキー接触値が算出されている。以下の説明を開始する時点で、算出部111は、調整状態で動作しているものとして説明する。
また、同図に示す制御処理は、繰り返し実行されるものとする。
同図に示すように、制御部110のキー決定部113は、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを繰り返し(この例では、100ms毎)判定する(ステップS1)。
ステップS1において、該当のキーの数が0である場合には(ステップS1:0)、キー決定部113は、特に処理を行うことなく制御処理を終了する。
また、ステップS1において、該当のキーの数が5つ以上である場合には(ステップS1:5以上)、切替部112は、算出部111の状態を、非調整状態へと切り替えさせ(ステップS2)、後述するステップS10の処理に進む。
なお、ステップS2で、算出部111の状態を、非調整状態へと切り替えさせるのは、算出部111の状態が調整状態である場合において、多重押しが検出されたときに、タッチパッド102からの接触が離された後、全てのキーのキー接触値がキー押し検出閾値未満となって、次の対象キーの決定をなるべく早く行えるようにするためである。
また、ステップS10へ進むのは、多重押しが生じた場合、タッチパッド102への接触が、ユーザの指等による通常の操作によるものではないと考えられるため、後述するステップS20の対応処理が実行されること(誤動作)を防ぐ必要があるためである。
また、ステップS1において、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS1:1以上5未満)、キー決定部113は、その該当のキーに含まれる2つのキーの組合せそれぞれについて、その組合せに係る2つのキーの間の位置のキー、つまり、2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるか否かを判定する(ステップS3)。ユーザの指等によるタッチパッド102への操作が行われていれば、多重押し検出閾値以上の2つのキーそれぞれに隣接する1つのキーにもユーザの指等が接触しているのが通常であると考えられる。従って、この隣接する1つのキーがリリース検出閾値以下であるような場合には、ユーザの指等による通常の操作ではないと考えられるため、対応処理が実行されること(誤動作)を防ぐ必要があるためである。
なお、同行及び同列に配置されていない2つのキーについての各キー接触値が多重押し検出閾値以上である場合、例えば、キー決定部113は、1キー及び8キーについての各キー接触値が多重押し検出閾値以上である場合には、1キーと8キーとの間の行に配置されたキーであって、1キーの列から8キーの列までに配置されているキー(この例では、4キー及び5キー)が、1キー及び8キーに隣接するキーであるとして、上記判定を行う。
例えば、キー決定部113は、1キー、3キー、4キー、6キーについての各キー接触値が多重押し検出閾値以上である場合には、2キーと5キーとのいずれかのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には、肯定的な判定(ステップS3:YES)を行い、2キー及び5キーのいずれのキー接触値もリリース検出閾値より大きければ否定的な判定(ステップS3:NO)を行う。
また、キー決定部113は、キー接触値が多重押し検出閾値以上である2つのキーに隣接するキーが存在しない場合、例えば、1キー及び2キーについての各キー接触値が多重押し検出閾値以上である場合には、1キー及び2キーに隣接するキーは存在しないので、否定的な判定(ステップS3:NO)を行うこととする。
ステップS3でいずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS3:YES)、切替部112は、算出部111の状態を、調整状態から非調整状態へと切り替えさせ(ステップS2)、後述するステップS11の処理に進み、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS3:NO)、キー決定部113は、ステップS1で検出した多重押し検出閾値以上であるキーの中に、キー接触値が、キー押し検出閾値以上であるキーが存在するか否かを判定する(ステップS4)。
キー押し検出閾値以上であるキーが存在しない場合には(ステップS4:NO)、再びステップS1から処理を開始し、キー押し検出閾値以上であるキーが存在する場合には(ステップS4:YES)、キー決定部113は、対象キーが決定済か否かを判定する(ステップS5)。
対象キーが決定済でない場合には(ステップS5:NO)、キー決定部113は、キー接触値が最大であるキーを対象キーと決定する(ステップS6)。なお、最大のキー接触値に係るキーが複数ある場合には、予めキーに定められている優先順位に従って対象キーを決定するが、この例では、より左上に配置されているキーを優先するものとする。例えば、最大のキー接触値に係るキーが1キーと2キーと4キーである場合には、1キーを対象キーと決定する。
また、キー決定部113は、対象キーのキー接触値から、対象キーの上のキーのキー接触値を引いた値が、既定値(この例では「50」であるとする)以下であるか否かを判定し(ステップS7)、既定値より大きい場合には(ステップS7:NO)、特に何もせず、切替部112は、算出部111の状態を、調整状態から非調整状態へと切り替えさせ(ステップS9)、ステップS1から再び処理を開始する。
また、対象キーのキー接触値から、対象キーの上のキーのキー接触値を引いた値が、既定値以下の場合には(ステップS7:YES)、キー決定部113は、それまでの対象キー(キー接触値が最大であるキー)から、そのキーの上のキーに対象キーを変更し(ステップS8)、切替部112は、算出部111の状態を、調整状態から非調整状態へと切り替えさせ(ステップS9)、ステップS1から再び処理を開始する。
ステップS8の処理は、あるキーをユーザが操作しようとした場合に、例えば、指の腹が、その下のキーにも接触してしまい、この下のキーのキー接触値が最大値となってしまう場合に対応するための処理である。即ち、キー接触値が最大であるキーのそのキー接触値と、そのキーの上のキーのキー接触値との差が、既定値(この例では50)以下である場合には、ユーザが意図したキーは、上のキーであるとして、対象キーをこの上のキーに変更するものである。
一方、ステップS5において、対象キーが決定済である場合(ステップS5:YES)には、対象キーの対応処理を行う(ステップS20)。この対象キーの対応処理については後述する(図8参照)。
この対象キーの対応処理が完了すると、キー決定部113は、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、リリース検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを判定する(ステップS10)。
該当のキーの数が1つ以上である場合には(ステップS10:1以上)、繰り返し(この例では、100ms毎)ステップS10の判定を行い、該当のキーの数が0である場合には(ステップS10:0)、キー決定部113は、対象キーの決定を解除し(ステップS11)、切替部112は、算出部111の状態を、非調整状態から調整状態へと切り替えさせ(ステップS12)、制御処理を終了する。
<対象キーの対応処理>
続いて、ステップS20の対象キーの対応処理について説明する。
図8は、携帯電話機100における対象キーの対応処理(図7のステップS20)を示すフローチャートである。
キー決定部113は、計時部103に計時を開始させ(ステップS21)、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む短押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行する(ステップS22)。
なお、イベント通知部114が短押しイベントを通知する際に、表示制御部117は、現在の画面状態を示すように、記憶部104の表示状態情報を更新する。
また、短押し処理とは、例えば、短押しイベントに含まれる識別情報が示す対象キーの数字等をサブLCD101に表示させるよう、表示制御部117に指示する処理である。この対象キーの数字等とは、対象キーに割り当てられている数字や記号のことであり、例えば、1キーであれば「1」であり、*キーであれば「*」である。
この指示を受けた表示制御部117は、サブLCD101に、対象キーの数字等を表示させ、この対象キーの数字等を表示させた後の画面を示すように、表示状態情報を更新する。
続いて、キー決定部113は、上述のステップS1と同様に、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS23:1以上5未満)、キー決定部113は、上述のステップS3と同様に、その該当のキーに含まれる2つのキーの組合せそれぞれについて、その組合せに係る2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるか否かを判定する(ステップS24)。
ステップS24で、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS24:NO)、キー決定部113は、長押し時間を経過したか否かを判定する(ステップS25)。具体的には、キー決定部113は、計時部103から長押し時間を経過した旨の通知がなされた場合には、肯定的な判定を行う(ステップS25:YES)。
長押し時間を経過した場合には(ステップS25:YES)、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含むキャンセルイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、このキャンセルイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理のキャンセル処理を実行する(ステップS26)。
ここで、短押し処理のキャンセル処理とは、ステップS22で行った短押し処理をアンドゥする処理をいい、上述の短押し処理の例では、記憶部104に記憶されている表示状態情報に基づいて、サブLCD101の表示を、短押し処理を行う前の状態、即ち、上述の例では、短押しイベントに含まれる識別情報が示す対象キーの数字等が表示されていない状態に戻すよう、表示制御部117に指示する処理である。
この指示を受けた表示制御部117は、記憶部104の表示状態情報に基づいて、ステップS22で通知された短押しイベントに基づく表示に係る処理を実行する前の画面をサブLCD101に表示させ、表示状態情報を、現在の画面の状態を示すように更新する。
続いて、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む長押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この長押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている長押し処理を実行し(ステップS27)、対象キーの対応処理を終了する。
ここで、長押し処理とは、例えば、長押しイベントに含まれる識別情報が示す対象キーに予め割り当てられている電話番号に自動的に発呼するよう、制御部110の発呼処理部115に指示すると共に、その電話番号をサブLCD101に表示させるよう、制御部110の表示制御部117に指示する処理である。
この指示を受けた発呼処理部115は、対象キーに対応する電話番号を記憶部104のアドレス帳10から取得し、その電話番号に発呼し、表示制御部117は、その電話番号をサブLCD101に表示させ、記憶部104の表示状態情報を更新する。なお、記憶部104のアドレス帳10に、対象キーに対応する電話番号が登録されていない場合には、発呼処理部115は特に何もせず、表示制御部117は、対象キーに対応する電話番号が登録されていない旨を表示してもよいし、特に何も表示をしないようにしてもよい。
また、ステップS25で、長押し時間を経過していない場合には(ステップS25:NO)、ステップS23から再び処理を開始し、ステップS23において、多重押し検出閾値以上であるキーの数が0又は5つ以上である場合(ステップS23:0又は5以上)、何も行わず、対象キーの対応処理を終了する。
多重押し検出閾値以上であるキーの数が5つ以上である場合に、対象キーの対応処理を終了するのは、対象キー決定後に多重押しが生じたため、長押し処理を実行しないようにするためである。
また、多重押し検出閾値以上であるキーの数が0である場合に、対象キーの対応処理を終了するのは、この例では、多重押し検出閾値とリリース検出閾値とを同じ値としており、多重押し検出閾値以上であるキーの数が0である場合には、長押し時間経過前にタッチパッド102から接触が離されたことを意味するため、短押し処理が実行されるべきところ、既に、ステップS22で短押し処理を実行しているためである。
また、ステップS23で、多重押し検出閾値以上であるキーの数が1つ〜4つであり(ステップS23:1以上5未満)、いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS24:YES)、制御部110は、何も行わず、対象キーの対応処理を終了する。
いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合に、対象キーの対応処理を終了するのは、多重押しは生じていなくても、タッチパッド102への接触が、ユーザの指等による接触とは考えられないため、長押し処理を実行しないようにするためである。
<具体例による動作の説明>
本願において、特に重要な対象キーの対応処理について、具体例を用いて説明する。
図9は、タッチパッド102への接触に対する携帯電話機100の動作例を示す図である。
<ユーザが指を接触させた場合>
まず、図9(a)に示すように、ユーザが1本の指を9キーに接触させた場合の携帯電話機100の動作例を、図8のフローチャートに即して説明する。
以下の説明を開始する時点で、サブLCD101の表示は、待受画面(何も表示されていない状態の画面)であり、9キーが対象キーとして決定されているものとし、9キー及び#キーのキー接触値が、多重押し検出閾値以上であるものとする。また、長押し時間が経過した時点で、ユーザの指は、9キーに接触したままの状態であるものとする。
まず、キー決定部113は、計時部103に計時を開始させ(図8のステップS21)、表示制御部117は、現在の画面状態が「待受画面」であることを示すように、記憶部104の表示状態情報を更新する。
以下では、現在の画面が待受画面であることを「SET IMAGE=待受画面」と表すこととする。
アプリケーション実行部120は、イベント通知部114から通知された短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行する(ステップS22)。
この結果、表示制御部117は、対象キーである9キーに対応する数字「9」をサブLCD101に表示し(図9においては図示していない)、記憶部104の表示状態情報を、待受画面に「9」が表示された状態を示すように更新する。
以下では、「9」が表示されたことを「DRAW("9")」と表すものとし、この例では、表示状態情報は、上述の「SET IMAGE=待受画面」に続いて、「DRAW("9")」が記録された状態になる。
続いて、キー決定部113は、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを判定し(ステップS23)、この例では、多重押し検出閾値以上であるキー(9キー及び#キー)の数は2つであり(ステップS23:1以上5未満)、これらのキーそれぞれと隣接するキーは存在しないので(ステップS24:NO)、キー決定部113は、長押し時間を経過したか否かを判定する(ステップS25)。
この例では、長押し時間を経過するまで、ステップS23〜S25の処理を繰り返し、ステップS25で長押し時間を経過すると(ステップS25:YES)、アプリケーション実行部120は、イベント通知部114から通知されたキャンセルイベントに基づいて、
対象キーに割り当てられている短押し処理のキャンセル処理を実行する(ステップS26)。
この結果、表示制御部117は、「SET IMAGE=待受画面」に続いて、「DRAW("9")」が記録されている記憶部104の表示状態情報の「SET IMAGE=待受画面」に基づいて、サブLCD101を待受画面(つまり、何も表示していない画面)を表示し(図9においては図示していない)、表示状態情報から「DRAW("9")」を削除する。
続いて、アプリケーション実行部120は、イベント通知部114から通知された長押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている長押し処理を実行し(ステップS27)、対象キーの対応処理を終了する。
この結果、発呼処理部115は、対象キーである9キーに対応する電話番号(123○×・・・・・・)を記憶部104のアドレス帳10から取得し、その電話番号に発呼すると共に、表示制御部117は、図9(b)に示すように、文字列「calling」からなる発呼画面に電話番号「123○×・・・・・・」を描画した画面をサブLCD101へ表示し、記憶部104の表示状態情報を、発呼画面に「123○×・・・・・・」が表示された状態を示すように更新する。
上述の例では、表示状態情報は、「SET IMAGE=待受画面」に続いて、「SET IMAGE=発呼画面」と「DRAW("123○×・・・・・・")」とが順に記録された状態になる。
<鞄の中の他の物が接触してしまった場合>
次に、図9(c)に示すように、鞄の中にあるペンとノートとがタッチパッド102に接触してしまった場合の携帯電話機100の動作例を図8のフローチャートに即して説明する。
以下の説明を開始する時点で、鞄の中にあるペンの接触により、9キーが対象キーとして決定されているものとし、長押し時間を経過する前に、ノートが、図9(c)に示すように、1キー、2キー、4キー、5キー、7キー、8キー、*キー、0キー等に接触し、これらキーのキー接触値が、多重押し検出閾値以上であるものとして説明する。
キー決定部113は、計時部103に計時を開始させ(図8のステップS21)、表示制御部117は、現在の画面状態が「待受画面」であることを示すように、記憶部104の表示状態情報を更新する。
イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む短押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行する(ステップS22)。
この結果、表示制御部117は、図9(d)に示すように、対象キーである9キーに対応する数字「9」をサブLCD101に表示し、記憶部104の表示状態情報を、待受画面に「9」が表示された状態を示すように更新する。
続いて、キー決定部113は、この例では、図9(a)の例で説明したのと同様に、ステップS23〜ステップS25の処理を繰り返し、ノートがタッチパッド102に接触して、キー(1キー、2キー、4キー、5キー、7キー、8キー、*キー、0キー等)のキー接触値が多重押し検出閾値以上になると、多重押し検出閾値以上のキーの数は5以上なので(ステップS23:0又は5以上)、対象キーの対応処理を終了する。
このように、携帯電話機100は、長押し時間が経過する前に、多重押しが検出された場合には、対象キーに割り当てられた長押し処理(この例では、9キーに割り当てられた電話番号への発呼処理)を実行しないので、ユーザが意図しない相手に発呼してしまう可能性を低減できる。
なお、ここでは、特に図示して説明しないが、長押し時間が経過する前に、多重押し検出閾値以上である2つのキーそれぞれと隣接する、キー接触値がリリース検出閾値以下であるキーが存在した場合(ステップS24:YES)も、同様に、対象キーに割り当てられた長押し処理を実行しないので、ユーザが意図しない相手に発呼してしまう可能性を低減できる。
≪変形例1≫
以下、図8を用いて説明した対象キーの対応処理を若干変更した変形例1に係る携帯電話機について説明する。
変形例1に係る携帯電話機(以下、「第1変形携帯電話機」ともいう)は、実施の形態1に係る携帯電話機100のキー決定部113の機能を若干変更したものである。従って、ここでは、変更部分を中心に説明する。
<動作>
第1変形携帯電話機の動作について、図10を用いて説明する。
図10は、第1変形携帯電話機における対象キーの対応処理を示すフローチャートである。
同図に示す第1変形携帯電話機における対象キーの対応処理は、図8に示す携帯電話機100における対象キーの対応処理におけるステップS22の短押し処理の位置が変更されている点と、ステップS26のキャンセル処理が存在しない点とが、携帯電話機100の対象キーの対応処理とは異なる。
即ち、第1変形携帯電話機のキー決定部(以下、「第1変形キー決定部」ともいう)は、図8のステップS21と同様に、計時部103に計時を開始させると(ステップS31)、短押し処理を行うことなく、図8のステップS23と同様に、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかの判定処理を行う(ステップS33)。
該当のキーの数が0又は5つ以上である場合には(ステップS33:0又は5以上)、図8のステップS22と同様に、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む短押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行し(ステップS32)、対象キーの対応処理を終了する。
なお、イベント通知部114が短押しイベントを通知する際に、表示制御部117は、記憶部104の表示状態情報を更新する必要はない。第1変形携帯電話機は、キャンセル処理を実行しないためである。
ステップS33で、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS33:1以上5未満)、第1変形キー決定部は、図8のステップS24と同様に、該当のキーに含まれる2つのキーの各組合せについて、その組合せに係る2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるかの判定を行う(ステップS34)。
いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS34:YES)、上述したように、アプリケーション実行部120は、イベント通知部114から通知された短押しイベントに基づいて短押し処理を実行し(ステップS32)、対象キーの対応処理を終了する。
ステップS34で、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS34:NO)、第1変形キー決定部は、図8のステップS25と同様に、長押し時間を経過したかを判定する(ステップS35)。
長押し時間を経過していない場合には(ステップS35:NO)、再びステップS33から処理を開始し、長押し時間を経過した場合には(ステップS35:YES)、キャンセル処理を実行することなく、図8のステップS27と同様に、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む長押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この長押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている長押し処理を実行し(ステップS37)、対象キーの対応処理を終了する。
≪変形例2≫
以下では、長押し時間経過後、対象キーからの接触が離されるまでに生じた多重押し等を検出して、発呼処理が実行されてしまう可能性を低減するように変形した変形例2に係る携帯電話機について説明する。
変形例2に係る携帯電話機(以下、「第2変形携帯電話機」ともいう)は、実施の形態1に係る携帯電話機100のキー決定部113の機能を若干変更したものである。従って、ここでは、変更部分を中心に説明する。
<動作>
第2変形携帯電話機の動作について、図11を用いて説明する。
図11は、第2変形携帯電話機における対象キーの対応処理を示すフローチャートである。
同図に示す第2変形携帯電話機における対象キーの対応処理は、図8に示す携帯電話機100における対象キーの対応処理にステップS50〜S52が追加されている点が、携帯電話機100の対象キーの対応処理とは異なる。
即ち、第2変形携帯電話機のキー決定部(以下、「第2変形キー決定部」ともいう)は、図8のステップS21と同様に、計時部103に計時を開始させると(ステップS41)、図8のステップS22と同様に、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む短押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行する(ステップS42)。なお、イベント通知部114が短押しイベントを通知する際に、表示制御部117は、現在の画面状態を示すように、記憶部104の表示状態情報を更新する。
続いて、第2変形キー決定部は、図8のステップS23と同様に、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかの判定処理を行い(ステップS43)、該当のキーの数が0又は5つ以上である場合には(ステップS43:0又は5以上)、特に何も行うことなく、対象キーの対応処理を終了する。
ステップS43で、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS43:1以上5未満)、第2変形キー決定部は、図8のステップS24と同様に、該当のキーに含まれる2つのキーの各組合せについて、その組合せに係る2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるかの判定を行う(ステップS44)。
いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS44:YES)、特に何も行うことなく、対象キーの対応処理を終了し、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS44:NO)、第2変形キー決定部は、図8のステップS25と同様に、長押し時間を経過したかを判定する(ステップS45)。
長押し時間を経過していない場合には(ステップS45:NO)、再びステップS43から処理を開始し、長押し時間を経過した場合には(ステップS45:YES)、第2変形キー決定部は、対象キーについてのキー接触値がリリース検出閾値以下であるか否かを判定する(ステップS50)。これは、長押し時間の経過後に対象キーからの接触が離されたか否かを判定するものである。
ステップS50で、対象キーについてのキー接触値がリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS50:NO)、上述のステップS43と同様に、第2変形キー決定部は、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかの判定処理(ステップS51)を行う。
該当のキーの数が5つ以上である場合には(ステップS51:5以上)、特に何も行うことなく、対象キーの対応処理を終了し、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS51:1以上5未満)、第2変形キー決定部は、上述のステップS44と同様に、該当のキーに含まれる2つのキーの各組合せについて、その組合せに係る2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるかの判定を行う(ステップS52)。
ステップS51及びS52の処理を行うのは、長押し時間経過後、対象キーから接触が離されるまでの間に、多重押し、又はキー接触値が多重押し検出閾値以上である2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であるようないわば異常な接触が生じた場合に、長押し処理を実行しないようにするためである。
ステップS52で、いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS52:YES)、特に何も行うことなく、対象キーの対応処理を終了し、いずれの隣接するキーのキー接触値もリリース検出閾値より大きい場合には(ステップS52:NO)、再びステップS50から処理を開始する。
ステップS50で、対象キーについてのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合には(ステップS50:YES)、図8のステップS26と同様に、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含むキャンセルイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、このキャンセルイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理のキャンセル処理を実行する(ステップS46)。
続いて、図8のステップS27と同様に、イベント通知部114は、対象キーの識別情報を含む長押しイベントをアプリケーション実行部120に通知し、アプリケーション実行部120は、この長押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている長押し処理を実行し(ステップS47)、対象キーの対応処理を終了する。
≪変形例3≫
以下では、図7のステップS3及び図8のステップS24で説明した、キー接触値が多重押し検出閾値以上である2つのキーそれぞれと隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下であることを検出する方法とは異なる方法で、ユーザの指等による通常の操作以外のタッチパッド102への接触を検出し、発呼処理が実行されてしまう可能性を低減する例を説明する。
変形例3に係る携帯電話機(以下、「第3変形携帯電話機」ともいう)は、実施の形態1に係る携帯電話機100のキー決定部113の機能を若干変更したものである。従って、ここでは、変更部分を中心に説明する。
<動作>
<制御処理>
第3変形携帯電話機の動作について、図12を用いて説明する。
図12は、タッチパッド102からの入力に対する第3変形携帯電話機の制御処理を示すフローチャートである。
同図に示す第3変形携帯電話機の制御処理は、図7に示す携帯電話機100における制御処理のステップS3の処理がない点と、ステップS73及びS74の処理が追加されている点とが、携帯電話機100の制御処理と異なる。
第3変形携帯電話機のキー決定部(以下、「第3変形キー決定部」ともいう)は、図7のステップS1と同様に、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかの判定を行い(ステップS61)、特に、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS61:1以上5未満)、図7のステップS4と同様に、ステップS1で検出した多重押し検出閾値以上であるキーの中に、キー接触値がキー押し検出閾値以上であるキーが存在するか否かを判定する(ステップS64)。
キー押し検出閾値以上であるキーが存在する場合には(ステップS64:YES)、第3変形キー決定部は、図7のステップS5と同様に、対象キーが決定済か否かを判定し(ステップS65)、対象キーが決定済でない場合には(ステップS5:NO)、第3変形キー決定部は、図7のステップS6と同様に、キー接触値が最大であるキーを対象キーと決定する(ステップS66)。
第3変形キー決定部は、対象キーに隣接するキー、及び対象キーの2つ下のキーを除く各キー(以下、「特定キー」という)のキー接触値が多重押し検出閾値以上であるか否かを判定する(ステップS73)。例えば、対象キーが5キーの場合、1キー〜4キー、6キー〜9キー、及び0キー以外のキーが特定キーである。また、対象キーが、4キーの場合、1キー、2キー、5キー、7キー、8キー、*キー以外のキーが特定キーである。
特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上である場合には(ステップS73:YES)、第3変形キー決定部は、ステップS70の処理に進む。これは、ユーザが指等でキーを操作した際に、同時に4つのキーまでは接触し得るとの前提の下では、ユーザが指等でキーを操作した場合に、対象キー及び特定キーに接触することはないためである。また、対象キーの2つ下のキーを特定キーに含めないのは、ユーザが指等でキーを操作した場合でも、対象キーの2つ下のキーに、例えば、指の腹が接触してしまうことがあり得るためである。
特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値未満である場合には(ステップS73:NO)、第3変形キー決定部は、図7のステップS7〜S9で説明したのと同様に、対象キーのキー接触値から、対象キーの上のキーのキー接触値を引いた値が、既定値(50)以下であるか否かを判定し(ステップS67)、その判定結果に応じて対象キーの変更処理を行い(ステップS68)、切替部112は非調整状態への切替処理を実行し(ステップS69)、ステップS61から再び処理を開始する。
上記同様に、ステップS61、S64、S65の処理を行い、対象キーが決定済である場合(ステップS65:YES)には、第3変形キー決定部は、上述のステップS73と同様に、特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上であるか否かを判定する(ステップS74)。
再度、ステップS74で特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上であるか否かを判定するのは、特定キーへの接触の開始が対象キーへの接触の開始より遅れて行われる場合があるためである。
特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上である場合には(ステップS74:YES)、特に何も行わずステップS70の処理へ進み、特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値未満である場合には(ステップS74:NO)、対象キーの対応処理を実行する(ステップS80)。この対象キーの対応処理については後述する(図13参照)。
この対象キーの対応処理が完了すると、第3変形キー決定部は、図7のステップS10〜S12と同様に、算出部111が算出した最新の各キー接触値に基づいて、リリース検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかを判定し(ステップS70)、該当のキーの数が0である場合には(ステップS70:0)、対象キーの決定を解除し(ステップS71)、切替部112は、切替処理を行い(ステップS72)、制御処理を終了する。
<対象キーの対応処理>
続いて、ステップS80の対象キーの対応処理について説明する。
図13は、第3変形携帯電話機における対象キーの対応処理(図12のステップS80)を示すフローチャートである。
同図に示す第3変形携帯電話機の対象キーの対象処理は、図8に示す携帯電話機100における対象キーの対応処理のステップS24の処理に替えて、ステップS84の処理を含む点が、携帯電話機100の対象キーの対応処理と異なる。
即ち、図8のステップS21〜S23と同様に、第3変形キー決定部は、計時部103に計時を開始させ(ステップS81)、アプリケーション実行部120は、イベント通知部114から通知された短押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている短押し処理を実行し(ステップS82)、第3変形キー決定部は、多重押し検出閾値以上であるキーの数がいくつあるかの判定を行う(ステップS83)。
ステップS83において、特に、該当のキーの数が1つ〜4つである場合には(ステップS83:1以上5未満)、第3変形キー決定部は、上述のステップS73やS74と同様に、特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上であるか否かを判定する(ステップS84)。
ステップS84で、特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値以上である場合には(ステップS84:YES)、特に何も行わず、対象キーの対象処理を終了し、特定キーのキー接触値が多重押し検出閾値未満である場合には(ステップS84:NO)、図8のステップS25と同様に、第3変形キー決定部は、長押し時間を経過したか否かを判定する(ステップS85)。
ステップS85で、特に、長押し時間を経過した場合には(ステップS85:YES)、図8のステップS26、S27と同様に、アプリケーション実行部120は、イベント通知部114から通知されたキャンセルイベントに基づいて、キャンセル処理を実行し(ステップS86)、イベント通知部114から通知された長押しイベントに基づいて、対象キーに割り当てられている長押し処理を実行し(ステップS27)、対象キーの対応処理を終了する。
≪補足≫
以上、本発明に係る携帯通信端末を、実施の形態1、変形例1〜3(以下、単に「実施の形態」ともいう)に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態で示した通りの携帯電話機に限られないことは勿論である。
(1)実施の形態に係る携帯電話機は、横開きタイプの折りたたみ式の携帯電話機であるものとして説明したが、タッチパッドを有する携帯電話機であれば、縦開きタイプの折りたたみ式の携帯電話機や、ストレートタイプやスライド式等、他の外観を有する携帯電話機であってもよい。
(2)実施の形態に係る携帯電話機は、図3に示すように、サブLCD101とタッチパッド102とが別個に存在しているものとして説明したが、サブLCD101とタッチパッド102とを組み合わせた、いわゆるタッチパネルを含むものであってもよい。
また、操作用の部分と、操作された文字等を表示する部分とを1つのタッチパネルで実現するだけでなく、例えば、数字や文字等を入力する部分は、タッチパネルとし、入力された文字等が表示される部分は、LCDや有機EL(Organic Electro-Luminescence)等で構成されるとしてもよい。
また、タッチパネルは、使用する表示機器として、画像等を表示するLCDで文字等を表示する場合に限定されるものではなく、照明部とこの照明部の上に配置され、文字や図柄の形をした透過部とを有するシートとの組合せ等を用いることもできる。この場合、ユーザは、例えばシート上の所定の文字の形の透過部の位置を押下することにより、タッチパッドの静電容量を変化させ、当該シート上の所定の文字の入力を行う。
(3)実施の形態に係るタッチパッド102は、静電容量方式のタッチセンサにより実現するものとして説明したが、この静電容量方式のタッチセンサとして、多数の電極パターンをプラスチックやガラス等の基板上に形成し、接触点の近傍の複数の電極パターンによる電流量の比率を計測することで判別する投影型や、導電膜と基板とを有して構成され、基板の隅に電極を設け、導電膜による均一な電界を形成し、指等の接触による隅の端子の電流量の比率を計測して接触位置を判別する表面型等、適宜なものを用いることができる。上述の(2)のタッチパネルにおいても同様に適宜なものを用いることができる。
また、実施の形態の説明では、タッチパッド102は、静電容量方式のタッチセンサにより実現するとしているが、本発明では、このような場合に限定するものではなく、タッチパッド102として、電子ペン等の専用のペンを用いる電磁誘導方式や、2層構造の透明電極からなるマトリクススイッチ方式や、2枚の抵抗膜の1枚に電圧を印加し、他方の抵抗膜において操作した位置に応じた電圧を検知する抵抗膜方式や、振動波の跳ね返りを圧電素子の電圧変化によって検出し、指等の接触を検知する表面弾性波方式や、遮光された赤外線により指等が接触した位置を検出する赤外線方式や、画面に光センサを組み込んで接触位置を検知する光センサ方式等であってもよい。
(4)実施の形態において、GNDを「512」、リリース検出閾値及び多重押し検出閾値を「580」、キー押し検出閾値を「632」として説明したが、これらの値は一例であり、以下のように決定することが望ましい。
即ち、キー接触値は、上述したように、タッチパッド102から出力される静電容量を表すための値に基づいて算出されるため、ユーザの指等がキーに接触していない状態においてタッチパッド102から出力される静電容量を表すための値を予め測定しておき、その値に基づいてGNDを決定することが望ましい。
また、タッチパッド102から出力される静電容量を表すための値は、通話やカメラ撮影等を行う各機能部の動作により生じるタッチパッドに対するノイズによって、実際には、ユーザの指等が接触していないにもかかわらず変動することがある。従って、上述の通話やカメラ撮影等の動作時において、タッチパッド102から出力される静電容量を表すための値がどの程度増加するかを予め測定しておき、その値に基づいてリリース検出閾値及び多重押し検出閾値を決定することが望ましい。
また、ユーザの指等により接触されたキーのキー接触値は変動することになるが、一般的に、このキーと隣接する実際には接触されていないキーのキー接触値も変動することになる。従って、実施の形態の例では、リリース検出閾値及び多重押し検出閾値(580)とキー押し検出閾値(632)との差を「52」としているが、予めユーザの指等により接触されたキーと隣接する実際には接触されていないキーのタッチパッド102から出力される静電容量を表すための値がどの程度増加するのかを予め測定しておき、その値に基づいて、2つの閾値の差を決定し、リリース検出閾値及び多重押し検出閾値を決定することが望ましい。
なお、実施の形態では、リリース検出閾値と多重押し検出閾値とを同じ値(580)としているが、これらの値は互いに同じ値である必要は無く、異なった値であってもよい。
(5)実施の形態においては、ユーザの指等で操作した場合に、同時に4つまでのキーに接触し得るとの前提の下、接触されているキーの数が5つ以上であった場合に、多重押しと判定するものとして説明したが、これは一例であり、2つ以上の既定数のキーが接触された場合に多重押しと判断するようにしてもよい。なお、ユーザの指等で操作した場合に同時に接触し得るキーの数は、ユーザの指の大きさ等により多少のばらつきがあると考えられる。従って、例えば、実施の形態に係る携帯電話機の運用開始時において、実際にユーザにキー操作を行わせ、いくつのキーが同時に接触されたかをカウントし、その数以上のキーが接触された場合に、多重押しと判断するようにしてもよい。また、ユーザが多重押しと判断すべきキーの数を設定できるようにしてもよい。
(6)図7のステップS2では、タッチパッド102からの接触が離された後、全てのキーのキー接触値がキー押し検出閾値未満となって、次の対象キーの決定をなるべく早く行えるようにするべく、算出部111の状態を非調整状態に切り替えているが、切り替えないようにしてもよい。
図7のステップS2が実行されるときには、鞄の中にある他の物がタッチパッド102に接触している等、ユーザの指等による通常の操作が行われている状況ではないと考えられるためである。つまり、このような状況では、次のキー操作に対応する処理をなるべく早く行えるようにする必要性が低いと考えられるためである。
また、図7のステップS2の処理は、算出部111の状態が調整状態である場合にのみ行うようにしてもよい。
(7)図7のステップS7では、対象キー(キー接触値が最大値であるキー)のキー接触値と、対象キーの上のキーのキー接触値との差分が既定値(この例では50)以下であるか否かを判定するものとして説明したが、対象キーの上のキーだけなく、対象キーの右及び左のキーのキー接触値との差分が既定値以下であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、対象キーのキー接触値と、対象キーの上、右、及び左のキーのキー接触値との差分をそれぞれ算出し、算出したいずれかの差分が既定値以下である場合には、差分が最も小さくなったキーに対象キーを決定するようにしてもよい。
また、対象キーのキー接触値との差分を算出するキーを、対象キーの右、及び左のキーのいずかのキーにしてもよく、更に、対象キーのキー接触値との差分を算出するキーを、対象キーの上、右、及び左のキーのいずれにするかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
(8)また、図7のステップS7では、対象キー(キー接触値が最大値であるキー)のキー接触値と、対象キーの上のキーのキー接触値との差分が既定値(50)以下であるか否かを判定するものとして説明したが、例えば、対象キーの上のキーのキー接触値がキー押し検出閾値より大きい既定値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。上述の(7)で説明したように、対象キーのキー接触値との差分を算出するキーを、対象キーの右のキー、及び(又は)左のキーとした場合においても、同様の変形が可能である。
上述のキー押し検出閾値より大きい既定値は、例えば、実際にユーザに複数回の操作を行わせた結果に基づいて決定することが望ましい。
(9)図8のステップS26、図11のステップS46、図13のステップS86に示すキャンセル処理を実行しないように変形してもよい。即ち、短押し処理のアンドゥ処理を行わないで、長押し処理(図8のステップS27、図11のステップS47、図13のステップS87)を実行するようにしてもよい。
(10)実施の形態では、図5に示すように、キーと電話番号との対応付けを、アドレス帳10において行うものとして説明したが、キーと電話番号との対応付けを行う対応付けテーブルを用いて行うようにしてもよい。
この場合、例えば、ユーザが既定の操作を行うと、携帯電話機は、対応付けテーブルへの登録機能を実行し、ユーザが電話番号を指定する操作、即ち、アドレス帳10から電話番号を選択する操作、あるいは電話番号を直接入力する操作を行い、更に、指定した電話番号を対応付けるキーを指定する操作を行うことで、対応付けテーブルへの登録が行われるようにしてもよい。
(11)変形例2に係る携帯電話機(第2変形携帯電話機)に、変形例1で説明した、キャンセル処理を実行しないようにする更なる変形を適用してもよい。
即ち、図11のステップS42の短押し処理の実行を、ステップS43又はS51で多重押し検出閾値以上のキーの数が0又は5つ以上の場合(ステップS43:0又は5以上、又はステップS51:0又は5以上)、ステップS44又はS52で、いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合(ステップS44:YES、又はステップS52:YES)に実行するように変形し、ステップS46のキャンセル処理を実行しないようにしてもよい。
このように変形した場合、変形例1で説明したように、表示制御部117は記憶部104の表示状態情報を更新する必要がない。
同様に、変形例3に係る携帯電話機(第3変形携帯電話機)に、変形例1で説明したキャンセル処理を事項しないようにする更なる変形を適用してもよい。
即ち、図13のステップS82の短押し処理の実行を、ステップS83で多重押し検出閾値以上のキーの数が0又は5つ以上の場合(ステップS83:0又は5以上)、ステップS84で、いずれかの隣接するキーのキー接触値がリリース検出閾値以下である場合(ステップS84:YES)に実行するように変形し、ステップS86のキャンセル処理を実行しないようにしてもよい。
(12)変形例1及び2に係る携帯電話機(第1変形携帯電話機及び第2変形携帯電話機)に、変形例3で説明した、ユーザの指等による通常の操作以外のタッチパッド102への接触を検出する方法を適用してもよい。
(13)また、実施の形態で説明した長押し処理実行(図8のステップS27等)において実行される処理は、発呼処理に限定されるものではなく、その他の処理であってもよい。このような処理の一例として、例えば、暗証番号の入力画面を表示する処理や、録音処理や、アラーム設定処理や、マナーモードのオン又はオフの処理や、スピーカホンのオン又はオフの処理や、電源オン又はオフの処理や、カメラ起動の処理や、特定のアプリケーションの起動の処理や、動画の撮影の起動の処理や、新規メールの作成画面の起動の処理等、その他適宜な処理の1つ又は任意の複数の組み合わせであってもよい。
(14)実施の形態において、タッチパッド102は、接触位置の座標値(x,y)と、静電容量を表すための値との組を制御部110へ送出し、算出部111がこの組に基づいて、接触されているキー毎にキー接触値を算出するものとして説明したが、以下のように変形することも可能である。
即ち、この変形に係るタッチパッド(以下、「変形タッチパッド」という)が、キー毎に、接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値を出力するようにし、この変形に係る算出部(以下、「変形算出部」という)が自己の状態(非調整状態と調整状態)に応じて、キー接触値を算出するようにしてもよい。
より詳細には、この変形タッチパッドを実現するための静電容量のタッチセンサIC(Integrated Circuit)の20個のポートは、タッチパッド上の各キーに一対一に割り当てられている。変形算出部は、各ポートを介して、キー毎の接触面積の増減に応じて0〜1024の範囲で増減する値を入力される。なお、ICのポート数は上記のように20個に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
(15)実施の形態において説明した各構成要素のうち、全部又は一部を1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよいし、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実現してもよい。
(16)実施の形態において説明したタッチパッド102からの入力に対する処理(図7、図8、図10〜図13参照)をCPUに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるCPUで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのCPUがそのプログラムを実行することにより実施の形態で示した各携帯電話機の各機能が実現される。
(17)本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドと、前記タッチパッドから出力された接触の度合いを表す値に基づいて、実行すべき処理が割り当てられた範囲として、1つの選択範囲を選択する選択部と、前記選択部による選択が行われてから、前記選択範囲への接触が当該選択から一定時間継続したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことを検出する第1検出部と、前記第1検出部による検出がなされなかった場合には、前記選択部が選択した前記選択範囲に対応する所定の処理を実行し、前記第1検出部による検出がなされた場合には、前記所定の処理を実行しない実行制御部とを備えることを特徴とする。
上記構成を備える本発明に係る携帯通信端末の実施の形態によれば、選択部により、実行すべき処理が割り当てられた範囲として選択範囲が選択された場合でも、選択範囲への接触がその選択から一定時間経過したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上なったことが検出された場合には、選択範囲に対応する所定の処理がなされない。
例えば、ユーザの1本の指で、通常、同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定めた場合において、この既定数以上の範囲の接触が検出されたときには、ユーザの指以外がタッチパッドに接触したと推定できる。選択範囲の選択後に、このようなユーザの指以外の接触が生じたと推定できるケースでは、選択範囲への接触も、ユーザの指以外の接触である可能性が高いものと考えられる。
従って、例えば、ユーザの1本の指で同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定めた場合において、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択範囲の選択から一定時間経過するまでの間に、ユーザの指等以外によるものと推定されるタッチパッドへの接触を検出することで、ユーザの指等以外がタッチパッドに接触したことにより、選択範囲に対応する所定の処理が実行されてしまう可能性を低減できる。
(18)また、前記実行制御部は、前記第1検出部による検出がなされた場合には、前記選択部が選択した前記選択範囲に対応する表示処理を実行することとしてもよい。
これにより、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択部により、実行すべき処理が割り当てられた範囲として選択範囲が選択された場合でも、その選択から上記所定条件が成立するまでに、タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことが検出された場合には、選択範囲に対応する所定の処理を行わず、選択範囲に対応する表示処理を行う。
つまり、例えば、ユーザの1本の指で同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定めた場合において、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態のユーザは、選択範囲の選択から所定条件が成立するまでの間に、タッチパッドへのユーザの指以外の接触があったことを知ることができる。
(19)また、前記携帯通信端末は、更に実行すべき処理が割り当てられている範囲を決定するための第1閾値と、第1閾値より小さい第2閾値とを保持する保持部を備え、前記選択部は、前記タッチパッドから出力された接触の度合いを示す値に基づいて、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲毎に、当該範囲の接触の度合いを示す値を算出し、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲の中から、算出した値が、第1閾値以上である範囲を、前記選択範囲として選択し、前記第1検出部は、前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記選択部により算出された値が第2閾値以上である範囲の数が、既定数以上になった場合にのみ、前記検出を行うこととしてもよい。
これにより、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択部による選択範囲の選択が行われた場合でも、その選択から上記所定条件が成立するまでに、選択部により算出した値が、第1閾値より小さい第2閾値以上である範囲が既定数以上になったことが検出された場合には、選択範囲に対応する所定の処理を行わない。
従って、例えば、ユーザの1本の指で同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定めた場合において、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択範囲の選択から一定時間経過するまでの間に、選択範囲と同程度の接触の度合いである既定数以上の範囲を検出した場合のみならず、選択範囲よりも接触の度合いが低い、既定数以上の範囲の接触を検出することで、ユーザの指以外がタッチパッドに接触したことにより、選択範囲に対応する所定の処理が実行されてしまう可能性を低減できる。
(20)また、前記携帯通信端末は、更に、前記選択部による選択が行われてから、前記所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在したことを検出する第2検出部を備え、前記実行制御部は、前記第2検出部による検出がなされなかった場合にのみ、前記選択範囲に対応する前記所定の処理を実行することとしてもよい。
これにより、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択部による選択範囲の選択が行われた場合でも、その選択から上記所定条件が成立するまでに、選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在した場合には、所定の処理を行わない。
例えば、ユーザの1本の指で、通常、相互に隣接しない2つの範囲に同時に接触しないように、各範囲の大きさ及び位置を定めた場合において、選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在したときには、ユーザの指以外がタッチパッドに接触したと推定できる。選択範囲の選択後に、このようなユーザの指以外の接触が生じたと推定できるケースでは、選択範囲への接触も、ユーザの指以外の接触である可能性が高いものと考えられる。
従って、例えば、ユーザの1本の指で、通常、相互に隣接しない2つの範囲に同時に接触しないように、各範囲の大きさ及び位置を定めた場合において、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択範囲の選択から一定時間経過するまでの間に、ユーザの指等以外によるものと推定されるタッチパッドへの接触を検出することで、ユーザの指等以外がタッチパッドに接触したことにより、選択範囲に対応する所定の処理が実行されてしまう可能性を低減できる。
(21)また、前記所定条件は、前記選択範囲への接触が離されたことを要件として含むこととしてもよい。
これにより、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択範囲の選択から一定時間を経過した後から、選択範囲の接触が離されるまでの間に、タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったこと、又は、選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在したことが検出された場合にも、所定の処理を行わない。
上述のように、ユーザの1本の指で、通常、同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定めた場合において、この既定数以上の範囲の接触が検出されたとき、及びユーザの1本の指で、通常、相互に隣接しない2つの範囲に同時に接触しないように、各範囲の大きさ及び位置を定めた場合において、選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在したときには、ユーザの指以外がタッチパッドに接触したと推定できる。また、選択範囲の選択から一定時間を経過した後から、選択範囲の接触が離されるまでの間に、このようなユーザの指以外の接触が生じたと推定できるケースでは、選択範囲への接触も、ユーザの指以外の接触である可能性が高いものと考えられる。
従って、例えば、ユーザの1本の指で同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定め、ユーザの1本の指で、通常、相互に隣接しない2つの範囲に同時に接触しないように、各範囲の大きさ及び位置を定めた場合において、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、選択範囲の選択から一定時間を経過した後から、選択範囲の接触が離されるまでの間に、ユーザの指等以外によるものと推定されるタッチパッドへの接触を検出することで、ユーザの指等以外がタッチパッドに接触したことにより、選択範囲に対応する所定の処理が実行されてしまう可能性を低減できる。
(22)また、前記所定の処理は、発呼処理であることとしてもよい。
これにより、本発明に係る携帯通信端末の実施の形態は、例えば、ユーザの1本の指で同時に接触すると想定できる範囲の数より大きい値を上記既定数と定めた場合において、選択範囲の選択から一定時間経過するまでの間に、ユーザの指等以外によるものと推定されるタッチパッドへの接触を検出することで、ユーザの指等以外がタッチパッドに接触したことにより、選択範囲に対応する発呼処理が実行されてしまう可能性を低減できる。
(23)本発明に係るタッチパッドは、実施の形態に係るタッチパッド102に相当し、本発明に係る選択部、第1検出部、保持部、及び第2検出部は、実施の形態に係る算出部111及びキー決定部に相当し、本発明に係る実行制御部は、実施の形態に係るイベント通知部114及びアプリケーション実行部120に相当する。
本発明に係る携帯通信端末は、ユーザが、タッチパッドを用いた操作を行う場合に利用される。
1、2 筐体
3 入力キー
4 LCD
100 携帯電話機
101 サブLCD
102 タッチパッド
103 計時部
104 記憶部
105 スピーカ
106 マイク
107 バイブレータ
108 通信部
110 制御部
111 算出部
112 切替部
113 キー決定部
114 イベント通知部
115 発呼処理部
116 音声処理部
117 表示制御部
120 アプリケーション実行部

Claims (7)

  1. 接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドと、
    前記タッチパッドから出力された接触の度合いを表す値に基づいて、実行すべき処理が割り当てられた範囲として、1つの選択範囲を選択する選択部と、
    前記選択部による選択が行われてから、前記選択範囲への接触が当該選択から一定時間継続したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことを検出する第1検出部と、
    前記第1検出部による検出がなされなかった場合には、前記選択部が選択した前記選択範囲に対応する所定の処理を実行し、前記第1検出部による検出がなされた場合には、前記所定の処理を実行しない実行制御部とを備える
    ことを特徴とする携帯通信端末。
  2. 前記実行制御部は、
    前記第1検出部による検出がなされた場合には、前記選択部が選択した前記選択範囲に対応する表示処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
  3. 前記携帯通信端末は、更に
    実行すべき処理が割り当てられている範囲を決定するための第1閾値と、第1閾値より小さい第2閾値とを保持する保持部を備え、
    前記選択部は、前記タッチパッドから出力された接触の度合いを示す値に基づいて、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲毎に、当該範囲の接触の度合いを示す値を算出し、当該タッチパッド上で接触が検出された範囲の中から、算出した値が、第1閾値以上である範囲を、前記選択範囲として選択し、
    前記第1検出部は、前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記選択部により算出された値が第2閾値以上である範囲の数が、既定数以上になった場合にのみ、前記検出を行う
    ことを特徴とする請求項2記載の携帯通信端末。
  4. 前記携帯通信端末は、更に、
    前記選択部による選択が行われてから、前記所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触が検出された範囲のうち、前記選択部により算出された値が第2閾値以上である、相互に隣接しない2つの範囲が存在したことを検出する第2検出部を備え、
    前記実行制御部は、
    前記第2検出部による検出がなされなかった場合にのみ、前記選択範囲に対応する前記所定の処理を実行する
    ことを特徴とする請求項3記載の携帯通信端末。
  5. 前記所定条件は、前記選択範囲への接触が離されたことを要件として含む
    ことを特徴とする請求項4記載の携帯通信端末。
  6. 前記所定の処理は、発呼処理である
    ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
  7. 接触が検出されると、当該接触の度合いを示す値を出力するタッチパッドを備える携帯通信端末で用いられる入力制御プログラムであって、
    前記タッチパッドから出力された接触の度合いを表す値に基づいて、実行すべき処理が割り当てられた範囲として、1つの選択範囲を選択する選択ステップと、
    前記選択ステップで選択が行われてから、前記選択範囲への接触が当該選択から一定時間継続したことを要件として含む所定条件が成立するまでに、前記タッチパッド上で接触されている範囲の数が既定数以上になったことを検出する第1検出ステップと、
    前記第1検出ステップで検出がなされなかった場合には、前記選択ステップで選択した前記選択範囲に対応する所定の処理を実行し、前記第1検出ステップで検出がなされた場合には、前記所定の処理を実行しない実行制御ステップとを含む
    ことを特徴とする入力制御プログラム。
JP2009259359A 2009-11-12 2009-11-12 携帯通信端末及び入力制御プログラム Expired - Fee Related JP5341719B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009259359A JP5341719B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 携帯通信端末及び入力制御プログラム
US13/509,354 US20120225698A1 (en) 2009-11-12 2010-11-09 Mobile communication terminal, input control program and input control method
PCT/JP2010/006565 WO2011058733A1 (ja) 2009-11-12 2010-11-09 携帯通信端末、入力制御プログラム及び入力制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009259359A JP5341719B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 携帯通信端末及び入力制御プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011107785A true JP2011107785A (ja) 2011-06-02
JP5341719B2 JP5341719B2 (ja) 2013-11-13

Family

ID=43991402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009259359A Expired - Fee Related JP5341719B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 携帯通信端末及び入力制御プログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20120225698A1 (ja)
JP (1) JP5341719B2 (ja)
WO (1) WO2011058733A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013149292A (ja) * 2013-05-07 2013-08-01 Kddi Corp 指を接触させたままで種々の操作が実行可能なユーザインタフェース装置、入力操作判定方法及びプログラム
JP2014532362A (ja) * 2011-10-04 2014-12-04 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated モバイルデバイスにおける意図されない発信通信の抑止

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5104544B2 (ja) * 2008-05-23 2012-12-19 富士通株式会社 キー入力処理装置及びキー入力処理方法
EP2720441A4 (en) * 2011-06-10 2015-02-18 Nec Casio Mobile Comm Ltd PORTABLE DEVICE, CONTROL PROCEDURE AND PROGRAM

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03179518A (ja) * 1989-12-07 1991-08-05 Ricoh Co Ltd 入力制御装置
JPH05260559A (ja) * 1992-03-13 1993-10-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 遠隔制御装置
JPH06131094A (ja) * 1992-10-22 1994-05-13 Mitsubishi Electric Corp タッチパネル入力装置

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100595917B1 (ko) * 1998-01-26 2006-07-05 웨인 웨스터만 수동 입력 통합 방법 및 장치
US7614008B2 (en) * 2004-07-30 2009-11-03 Apple Inc. Operation of a computer with touch screen interface
TW528981B (en) * 2001-10-25 2003-04-21 Compal Electronics Inc Portable computer and related method for preventing input interruption by write-tracking input region
US7821425B2 (en) * 2002-07-12 2010-10-26 Atmel Corporation Capacitive keyboard with non-locking reduced keying ambiguity
KR100522940B1 (ko) * 2003-07-25 2005-10-24 삼성전자주식회사 활성영역을 설정 가능한 터치스크린 시스템 및 그 제어방법
US20060227115A1 (en) * 2005-03-31 2006-10-12 Tyco Electronic Corporation Method and apparatus for touch sensor with interference rejection
US7868874B2 (en) * 2005-11-15 2011-01-11 Synaptics Incorporated Methods and systems for detecting a position-based attribute of an object using digital codes
US8018440B2 (en) * 2005-12-30 2011-09-13 Microsoft Corporation Unintentional touch rejection
KR100826532B1 (ko) * 2006-03-28 2008-05-02 엘지전자 주식회사 이동 통신 단말기 및 그의 키 입력 검출 방법
US7903092B2 (en) * 2006-05-25 2011-03-08 Atmel Corporation Capacitive keyboard with position dependent reduced keying ambiguity
US9069417B2 (en) * 2006-07-12 2015-06-30 N-Trig Ltd. Hover and touch detection for digitizer
US8125441B2 (en) * 2006-11-20 2012-02-28 Cypress Semiconductor Corporation Discriminating among activation of multiple buttons
US7855718B2 (en) * 2007-01-03 2010-12-21 Apple Inc. Multi-touch input discrimination
KR101442542B1 (ko) * 2007-08-28 2014-09-19 엘지전자 주식회사 입력장치 및 이를 구비한 휴대 단말기
JP2009116769A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Sony Corp 入力装置、入力装置の制御方法、及びプログラム
US20090322686A1 (en) * 2008-06-25 2009-12-31 Parakrama Jayasinghe Control And Navigation For A Device Implementing a Touch Screen
US8207948B2 (en) * 2008-09-02 2012-06-26 Elan Microelectronics Corporation Method and systems for identifying objects on a touch-sensitive device
JP2010157039A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Toshiba Corp 電子機器、入力制御方法
US8314779B2 (en) * 2009-02-23 2012-11-20 Solomon Systech Limited Method and apparatus for operating a touch panel
US8432366B2 (en) * 2009-03-03 2013-04-30 Microsoft Corporation Touch discrimination
WO2010145031A1 (en) * 2009-06-19 2010-12-23 Research In Motion Limited Portable electronic device with face touch detection
TW201104531A (en) * 2009-07-17 2011-02-01 Egalax Empia Technology Inc Method and device for palm rejection
JP5325747B2 (ja) * 2009-11-12 2013-10-23 京セラ株式会社 携帯端末及び入力制御プログラム
JP5280989B2 (ja) * 2009-11-12 2013-09-04 京セラ株式会社 携帯端末及び制御プログラム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03179518A (ja) * 1989-12-07 1991-08-05 Ricoh Co Ltd 入力制御装置
JPH05260559A (ja) * 1992-03-13 1993-10-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd 遠隔制御装置
JPH06131094A (ja) * 1992-10-22 1994-05-13 Mitsubishi Electric Corp タッチパネル入力装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014532362A (ja) * 2011-10-04 2014-12-04 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated モバイルデバイスにおける意図されない発信通信の抑止
JP2013149292A (ja) * 2013-05-07 2013-08-01 Kddi Corp 指を接触させたままで種々の操作が実行可能なユーザインタフェース装置、入力操作判定方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011058733A1 (ja) 2011-05-19
JP5341719B2 (ja) 2013-11-13
US20120225698A1 (en) 2012-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5743847B2 (ja) 携帯端末および低感度領域設定プログラム
JP2013218428A (ja) 携帯型電子機器
US20120262416A1 (en) Electronic device and control method
JP2013012189A (ja) 携帯電子機器及び入力方法
US9477335B2 (en) Portable terminal, input control program and input control method
JP5325747B2 (ja) 携帯端末及び入力制御プログラム
JP6096854B1 (ja) 電子機器及び電子機器の動作方法
JP5341719B2 (ja) 携帯通信端末及び入力制御プログラム
JP5280989B2 (ja) 携帯端末及び制御プログラム
US8787982B2 (en) Mobile communication terminal and input control program
JP5373562B2 (ja) 携帯端末及び入力制御プログラム
JP2012065190A (ja) 携帯電話機、プログラム及び入力制御方法
US9417782B2 (en) Portable terminal, input control program, and input control method
JP2012247967A (ja) 入力装置、入力方法及びプログラム
JP2018014111A (ja) 電子機器
JP5340890B2 (ja) 携帯端末及び入力制御プログラム
WO2014002985A1 (ja) 携帯端末および操作禁止領域制御方法
JP5628984B2 (ja) 携帯端末及び入力制御プログラム
JP5944974B2 (ja) 携帯端末及び入力制御プログラム
JP5336328B2 (ja) 携帯端末及び入力制御プログラム
JP5904049B2 (ja) 携帯電話機、制御方法及びプログラム
JP2013175138A (ja) タッチパネル型端末装置
JP2017069990A (ja) 電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5341719

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees