<電子機器の外観>
図1は、電子機器1の外観の一例を概略的に示す斜視図である。図2は、電子機器1の外観の一例を概略的に示す背面図である。電子機器1は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機である。電子機器1は、基地局及びサーバ等を通じて他の通信装置と通信することが可能である。
図1及び図2に示されるように、電子機器1は、当該電子機器1の前面1aに位置するカバーパネル2と、当該カバーパネル2が取り付けられる機器ケース3とを備えている。カバーパネル2及び機器ケース3は、電子機器1の外装を成している。電子機器1の形状は、例えば、平面視において略長方形の板状となっている。
カバーパネル2には、後述する表示パネル121が表示する、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示領域(表示画面とも呼ばれる)2aが設けられている。カバーパネル2における、表示領域2aを取り囲む周縁部2bの大部分は、例えばフィルム等が貼られることによって黒色となっている。これにより、カバーパネル2の周縁部2bの大部分は、表示パネル121が表示する各種情報が表示されない非表示領域となっている。
表示領域2aの裏側には、後述するタッチセンサ130が取り付けられている。これにより、ユーザは、表示領域2aを指等の操作子で操作することによって、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
図1に示されるように、カバーパネル2の上側端部には、レシーバ穴16が設けられている。さらに、カバーパネル2の上側端部には、後述する前面側撮像部180が有するレンズが電子機器1の外部から視認できるための前面レンズ用透明部18が設けられている。また、カバーパネル2の下側端部にはスピーカ穴17が設けられている。そして、電子機器1の底面1c、つまり機器ケース3の底面(下側の側面)には、マイク穴15が設けられている。
図2に示されるように、電子機器1の背面1b、つまり機器ケース3の背面の上側端部には、後述する背面側撮像部190が有する撮像レンズが、電子機器1の外部から視認できるための背面レンズ用透明部19が設けられている。
機器ケース3の内部には、複数の操作ボタン14が設けられている。各操作ボタン14は、ハードウェアボタンである。具体的には、各操作ボタン14は押しボタンである。操作ボタンは、「操作キー」あるいは「キー」と呼ばれることがある。操作ボタン14は、ユーザが当該操作ボタン14を操作するときに触れる操作領域を有している。操作ボタン14の操作領域は電子機器1の表面から露出している。ユーザは操作ボタン14の操作領域を押すことによって、操作ボタン14を押すことができる。
各操作ボタン14には機能が割り当てられる。電子機器1は、操作ボタン14が押されてオン状態になると、オン状態になった操作ボタン14に割り当てられている機能を実行する。複数の操作ボタン14には、操作ボタン14a〜14dが含まれている。以後、複数の操作ボタン14をまとめて「操作ボタン群140」と呼ぶことがある。また、操作ボタン14が操作されると言えば、操作ボタン14が押されてオン状態になることを意味する。
操作ボタン14aは、例えば電源ボタンである。電源ボタンは、電子機器1において、一部の機能を停止したり、停止している状態を復帰(起動)したりするための操作ボタンである。図1及び図2に示されるように、操作ボタン14aは、電子機器1の右側側面1d、つまり機器ケース3の右側側面に設けられている。ユーザは、操作ボタン14aを操作することによって、電子機器1における、一部の機能を停止させたり、停止している機能を復帰させたりすることができる。以後、操作ボタン14aを「電源ボタン14a」と呼ぶことがある。
電源ボタン14aには、後述する指紋センサ200の指紋検出領域201が設けられている。具体的には、電源ボタン14aの操作領域の一部は、後述する指紋センサ200での指紋検出領域201となっている。図3は、指紋検出領域201の一例を示す図である。指紋センサ200は、電源ボタン14aの操作領域141に含まれる指紋検出領域201を触るユーザの指500の指紋を検出することが可能である。
なお、指紋検出領域201は、操作領域141と一致していても良い。また、操作領域141の形状と、指紋検出領域201の形状とは図3の例には限られない。以後、指紋センサ200で検出された指紋を「検出指紋」と呼ぶことがある。また以下の説明では、操作領域141が指で触られることには、指紋検出領域201が指で触られることも含む。ユーザは、指で操作領域141を押すことによって、電源ボタン14aを押すこともできるし、指紋センサ200に当該指の指紋を検出させることもできる。
操作ボタン14bは、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示領域2aの表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。図1に示されるように、操作ボタン14bは、電子機器1の前面の下側端部に設けられている。ユーザは、操作ボタン14bを操作することによって、表示領域2aの表示を一つ前の表示に切り替えることができる。
操作ボタン14cは、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示領域2aに、後述するホーム画面を表示させるための操作ボタンである。図1に示されるように、操作ボタン14cは、電子機器1の前面の下側端部に設けられている。ユーザは、操作ボタン14cを操作することによって、表示領域2aにホーム画面を表示させることができる。以後、操作ボタン14cを「ホームボタン14c」と呼ぶことがある。
操作ボタン14dは、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域2aに表示させるための操作ボタンである。図1に示されるように、操作ボタン14dは、カバーパネル2の下側端部に設けられている。ユーザは、操作ボタン14dを操作することによって、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域2aに表示させることができる。
なお、各操作ボタン14の形状と、各操作ボタン14が設けられる位置とは、図1及び図2の例に限られない。
<電子機器の電気的構成>
図4は、電子機器1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図4に示されるように、電子機器1には、制御部100、無線通信部110、表示部120、タッチセンサ130、操作ボタン群140、マイク150及びレシーバ160が設けられている。さらに電子機器1には、外部スピーカ170、前面側撮像部180、背面側撮像部190、指紋センサ200、加速度センサ210、計時部220、歩数計測部230及び電池240が設けられている。電子機器1に設けられたこれらの構成要素のそれぞれは、機器ケース3内に収められている。
制御部100は、一種のコンピュータであって、例えばCPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備えている。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理することが可能である。
記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体で構成されている。記憶部103には、電子機器1の動作、具体的には電子機器1が備える無線通信部110等の各構成要素の動作を制御するための各種プログラムが記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種プログラムを実行することによって実現される。
記憶部103内の各種プログラムには様々なアプリケーションプログラム(以降、単に「アプリケーション」と呼ぶことがある)が含まれている。例えば、記憶部103内には、音声通話及びビデオ通話を行うための通話アプリケーション、電子メールの作成、閲覧及び送受信を行うためのメールアプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザアプリケーションが記憶されている。また記憶部103内には、前面側撮像部180及び背面側撮像部190を用いて被写体を撮像するためのカメラアプリケーション、電子機器1においてパズルゲーム等のゲームを行うためのゲームアプリケーション、記憶部103に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーションなどが記憶されている。
なお、記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていても良い。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)等を備えていても良い。また、制御部100の全ての機能、あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアを必要としないハードウェアによって実現されても構わない。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、例えば、電子機器1とは別の携帯電話機からの信号、あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、基地局を介してアンテナ111で受信することが可能である。無線通信部110は、アンテナ111での受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力することが可能である。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる音声や音楽などを示す音信号などの情報を取得することが可能である。
また無線通信部110は、制御部100で生成された送信信号に対して、アップコンバート及び増幅処理を行って、当該処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信することが可能である。アンテナ111からの送信信号は、例えば、基地局を通じて、電子機器1以外の携帯電話機あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置で受信される。
表示部120は、表示パネル121及びカバーパネル2などで構成されている。表示パネル121は、例えば、液晶パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル121は、制御部100に制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。表示パネル121が表示する各種情報は、カバーパネル2の表示領域2aに表示される。
タッチセンサ130は、表示領域2aに対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。ユーザが指等の操作子によって表示領域2aに対して操作を行うと、その操作に応じた電気信号がタッチセンサ130から制御部100に入力される。これにより、制御部100は、タッチセンサ130からの電気信号に基づいて、表示領域2aに対して行われた操作の内容を特定して、その内容に応じた処理を行うことが可能である。
タッチセンサ130は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネルは、例えば、表示パネル121とは別体となっている。この場合、タッチパネルは、カバーパネル2の裏面に取り付けられている。そして、表示パネル121は、タッチパネルにおけるカバーパネル2側の面とは反対側の面に取り付けられている。つまり、表示パネル121は、タッチパネルを介してカバーパネル2の裏面に取り付けられている。
なお、タッチセンサ130は、表示パネル121とは別体に設けられるタッチパネルに限られず、いわゆるインセル型タッチパネルあるいはオンセル型タッチパネルのように、表示パネル121と一体になったものでも良い。この場合、タッチセンサ130を含む表示パネル121が、カバーパネル2の裏面に取り付けられる。
なお、ユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどの静電式タッチパネル用ペンで表示領域2aを操作することによっても、電子機器1に対して各種指示を与えることができる。
操作ボタン群140の各操作ボタン14は、ユーザによって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力する。これにより、制御部100は、各操作ボタン14からの操作信号に基づいて、当該操作ボタン14が操作されたか否かを判断することができる。制御部100は、操作された操作ボタンに応じた処理を行うことが可能である。
マイク150は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。電子機器1の外部からの音は、例えば、機器ケース3の底面(下側の底面)に設けられたマイク穴15から電子機器1の内部に取り込まれてマイク150に入力される。
外部スピーカ170は、例えばダイナミックスピーカである。外部スピーカ170は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。外部スピーカ170から出力される音は、例えば、カバーパネル2の下側端部に設けられたスピーカ穴17から電子機器1の外部に出力される。スピーカ穴17から出力される音については、電子機器1から離れた場所でも聞こえるような音量となっている。
レシーバ160は、例えばダイナミックスピーカで構成されている。レシーバ160は、受話音を出力することが可能である。レシーバ160は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。レシーバ160から出力される音は、例えば、カバーパネル2の上側端部に設けられたレシーバ穴16から外部に出力される。レシーバ穴16から出力される音の音量は、例えば、外部スピーカ170からスピーカ穴17を介して出力される音の音量よりも小さくなっている。
なおレシーバ160に代えて、圧電振動素子が設けられてもよい。圧電振動素子は、制御部100からの音声信号に基づいて振動することが可能である。圧電振動素子は、例えばカバーパネル2の裏面に設けられており、音声信号に基づく自身の振動によってカバーパネル2を振動させることが可能である。そして、ユーザが自身の耳をカバーパネル2に近づけることにより、カバーパネル2の振動が音声としてユーザに伝達される。レシーバ160に代えて圧電振動素子が設けられる場合には、レシーバ穴16は不要である。
前面側撮像部180及び背面側撮像部190のそれぞれは、レンズ及び撮像素子などで構成されている。前面側撮像部180及び背面側撮像部190のそれぞれは、制御部100の制御によって被写体を撮像し、撮像した被写体を示す静止画像あるいは動画像を生成して制御部100に出力することが可能である。
前面側撮像部180が有するレンズは、カバーパネル2に設けられた前面レンズ用透明部18から視認可能となっている。したがって、前面側撮像部180は、電子機器1のカバーパネル2側、つまり電子機器1の前面1a側に存在する被写体を撮像することが可能である。背面側撮像部190が有するレンズは、電子機器1の背面1bに設けられた背面レンズ用透明部19から視認可能となっている。したがって、背面側撮像部190は、電子機器1の背面1b側に存在する被写体を撮像することが可能である。
指紋センサ200は、電源ボタン14aの操作領域141を触る指の指紋を検出することが可能である。具体的には、指紋センサ200は、操作領域141に含まれる指紋検出領域201を有しており、当該指紋検出領域201を触る指の指紋を検出することが可能である。指紋センサ200は、指紋の検出結果として、例えば、検出指紋を示す指紋画像を制御部100に出力する。指紋センサ200での指紋検出方式は、例えば静電容量方式である。なお、指紋センサ200での指紋検出方式は、静電容量方式以外の方式、例えば光学式であっても良い。
加速度センサ210は、加速度を検出することが可能である。加速度センサ210は、例えば、互いに直行する3方向での加速度を検出することが可能である。加速度センサ210は、検出した加速度を示す加速度情報を制御部100に出力することが可能である。これにより、制御部100は、加速度センサからの加速度情報に基づいて、電子機器1の空間的な動きを特定することが可能である。
計時部220は、現在時刻を計時するとともに現在の日付を計時することが可能である。計時部220は、例えばリアルタイムクロック(RTC)等を備えている。計時部220は、計時した時刻を示す時刻情報と、計時した日付を示す日付情報とを制御部100に出力することが可能である。
歩数計測部230は、ユーザの歩数を計測することが可能である。歩数計測部230は、例えば加速度センサ210からの加速度情報に基づいて、電子機器1の空間的な動きを特定することが可能である。歩数計測部230は、特定した電子機器1の空間的な動きが、所定の動きである場合に、当該電子機器1を持つユーザが歩行動作を行ったと判定し、その歩数を計測することができる。
電池240は、電子機器1の電源を出力することが可能である。電池240は、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式の電池である。電池240は、電子機器1が備える制御部100及び無線通信部110等の各種電子部品に対して電源を供給することが可能である。
<電子機器の動作モードについて>
電子機器1は、動作モードとして、電子機器1における一部の機能が停止するスリープモードと、当該スリープモードが解除された状態である通常モードとを備えている。スリープモードで動作する電子機器1において停止される機能には、表示領域2aに画像等の各種情報を表示する表示機能が含まれる。スリープモードでは、表示パネル121及びタッチセンサ130等の、電子機器1の一部の構成が動作しない。スリープモードでは、通常モードよりも電子機器1の消費電力が低減する。制御部100は、電子機器1の所定の構成を制御することによって、電子機器1の動作モードを設定する。
例えば制御部100は、電子機器1の動作モードが通常モードである場合に、電子機器1に対して一定時間以上操作が行われなければ、電子機器1の動作モードを通常モードからスリープモードに切り替える。また、制御部100は、電子機器1の動作モードが通常モードである場合に、電源ボタン14aが操作されたとき、電子機器1の動作モードを通常モードからスリープモードに切り替える。
一方で、制御部100は、電子機器1の動作モードがスリープモードである場合に、電源ボタン14aが操作されたとき、電子機器1の動作モードをスリープモードから通常モードに切り替える。つまり、スリープモードにおいて、電源ボタン14aが操作されたとき、電子機器1では、通常モードからスリープモードに切り替わるときに停止された機能が復帰する。また、スリープモードにおいて、ホームボタン14cが操作されたとき、スリープモードが解除されて、電子機器1の動作モードがスリープモードから通常モードに切り替わる。ホームボタン14cは、電子機器1の動作モードがスリープモードである場合に、スリープモードを解除するための操作ボタンとして機能する。以後、スリープモードを解除するための操作を「スリープ解除操作」と呼ぶことがある。
<表示画面に表示される画面について>
表示部120は、表示パネル121が動作しておらず、文字、記号、図形等の各種情報を表示領域2aに表示しない第1表示モードと、表示パネル121が動作しており、文字、記号、図形等の各種情報を表示領域2aに表示する第2表示モードとを有する。電子機器1の動作モードがスリープモードである場合には、制御部100は、表示部120の表示モードを第1表示モードに設定する。一方、電子機器1の動作モードが通常モードである場合には、制御部100は、表示部120の表示モードを第2表示モードに設定する。
電子機器1の動作モードが通常モードである場合、つまり表示部120の表示モードが第2表示モードである場合には、様々な画面が表示領域2aに表示される。表示部120の表示モードが第2表示モードである場合には、表示領域2aには、例えば、ホーム画面及びロック画面が表示される。図5は、ホーム画面300の一例を示す図である。図6は、ロック画面400の一例を示す図である。
図5に示されるように、ホーム画面300には、電池240の現在の容量を示す電池残量アイコン301と、計時部220が計時する現在の時刻302と、無線通信部110での電波の受信状況を示す受信状況アイコン(電波状況アイコンともよばれる)303とが示される。さらに、ホーム画面300には、アプリケーションに対応し、対応するアプリケーションを実行するための図形(以後、「アプリケーションアイコン」と呼ぶ)305が示される。
図5の例では、9個のアプリケーションアイコン305が示されている。図5の例では、9個のアプリケーションアイコン305に対して同一の符号を付しているが、9個のアプリケーションアイコン305のそれぞれは、別々のアプリケーションに対応している。ユーザが複数のアプリケーションアイコン305のうちの一つに対して所定の操作を行うと、制御部100は、操作されたアプリケーションアイコン305に対応するアプリケーションを記憶部103から読み出して実行する。これにより、ユーザは、アプリケーションアイコン305を操作することによって、操作されたアプリケーションアイコン305に対応するアプリケーションを電子機器1に実行させることができる。例えば、ユーザが、複数のアプリケーションアイコン305のうち、通話アプリケーションに対応する一つのアプリケーションアイコン305を操作すると、電子機器1では通話アプリケーションが実行される。またユーザが、複数のアプリケーションアイコン305のうち、カメラアプリケーションに対応する一つのアプリケーションアイコン305を操作すると、電子機器1ではカメラアプリケーションが実行される。アプリケーションアイコン305は、表示領域2aに表示されるソフトウェアボタンであるともいえる。
アプリケーションアイコン305に対する操作としては、例えば、当該アプリケーションアイコン305に対して、ユーザが指等の操作子を近づけた後、当該操作子を遠ざける操作が考えられる。また、アプリケーションアイコン305に対する操作としては、例えば、当該アプリケーションアイコン305に対して、ユーザが指等の操作子を接触させた後、当該操作子を遠ざける操作が考えられる。これらの操作は、いわゆるタップ操作と呼ばれる。なお、このタップ操作による操作は、アプリケーションアイコン305に対する操作以外にも、表示領域2aに表示される各種情報に対する操作として使用される。
図6に示されるように、ロック画面400には、ホーム画面300と同様に、電池残量アイコン301及び受信状況アイコン303が示される。またロック画面400には、計時部220が計時する現在の時刻306及び現在の日付307と、現在の曜日308とが示される。ロック画面400において、時刻306は、例えば、ホーム画面300での時刻302とは異なる位置において、当該時刻302よりも大きく示される。
電子機器1の通常モードには、記憶部103内の複数のアプリケーションのうち、特定のアプリケーション(例えば通話アプリケーション及びカメラアプリケーション)以外のアプリケーション、あるいは記憶部103内のすべてのアプリケーションを、ユーザが電子機器1に実行させることができないロックモードが含まれる。電子機器1の動作モードがロックモードである場合には、ユーザは、記憶部103内の複数のアプリケーションのうち、特定のアプリケーション以外の各アプリケーションについて、あるいは記憶部103内のすべてのアプリケーションのそれぞれについて、当該アプリケーションの実行を電子機器1に指示することができない。また、ロックモードで動作する電子機器1が実行するアプリケーションにおいて、一部の機能が制限される場合がある。例えば、ロックモードで動作する電子機器1が実行する通話アプリケーションでの通話の発信機能において、特定の電話番号以外への通話の発信が制限される。
このように、電子機器1の動作モードがロックモードである場合には、電子機器1の機能の少なくとも一部が制限される。ロックモードは、ユーザの意図しない操作によって起こる誤動作を抑制するために用いることができる。ロック画面400は、電子機器1の動作モードがロックモードであることを通知する画面であって、電子機器1の動作モードがロックモードであるときに、表示領域2aに表示される。
電子機器1の動作モードがスリープモードである場合に、電源ボタン14aが操作されたときと、ホームボタン14cが操作されたとき、スリープモードが解除されて、電子機器1の動作モードはロックモードとなり、表示領域2aにロック画面400が表示される。
また、電子機器1の動作モードが通常モードであって、ロックモードでない場合に、ホームボタン14cが操作されると、表示領域2aにはホーム画面300が表示される。
表示領域2aにロック画面400が表示されている場合に、ユーザが電子機器1に対して所定の操作を行うと、電子機器1ではロックモードが解除されて、表示領域2aの表示はロック画面400から他の画面、例えばホーム画面300に切り替わる。以後、通常モードにおいて、ロックモードが解除されている状態を「非ロックモード」と呼ぶ。
<ユーザ認証>
制御部100は、指紋センサ200での指紋の検出結果に基づいて、ユーザ認証を行うことが可能である。制御部100は、ユーザ認証を行う認証処理部として機能する。
制御部100は、例えば、電子機器1の動作モードがロックモードであるときにユーザ認証を行う。制御部100は、電子機器1の動作モードがロックモードであるときに、ユーザ認証に成功したと判定すると、電子機器1の動作モードをロックモードから非ロックモードに切り替える。つまり、ロックモードが解除される。そして、表示領域2aにはロック画面400以外の表示画面(例えば、ホーム画面300あるいはアプリケーション実行時の表示画面など)が表示される。
制御部100は、ユーザ認証を行う際、まず、指紋センサ200から指紋の検出結果として出力される指紋画像から、当該指紋画像が示す検出指紋の特徴を示す特徴点を抽出する。特徴点としては、例えば、指紋の稜線(凸部)の端点及び分岐点の位置、当該稜線の太さなどが使用される。そして、制御部100は、抽出した特徴点と、記憶部103に記憶されている基準特徴点とを比較する。基準特徴点は、正規のユーザ(例えば電子機器1の所有者)の指紋を示す指紋画像から抽出された特徴点である。
制御部100は、抽出した特徴点と基準特徴点とを比較した結果、両者が類似する場合には、ユーザ認証が成功であると判定する。つまり、制御部100は、指紋センサ200が検出した指紋を有するユーザが正規のユーザであると判定する。一方で、制御部100は、抽出した特徴点と基準特徴点とが類似しない場合には、ユーザ認証に失敗したと判定する。つまり、制御部100は、指紋センサ200が検出した指紋を有するユーザが非正規のユーザであると判定する。
電子機器1の通常モードには、ユーザの指紋を電子機器1に登録するための指紋登録モードが含まれる。電子機器1は、非ロックモードにおいて、表示領域2aに対して所定の操作が行われると、指紋登録モードで動作する。指紋登録モードにおいて、正規のユーザが自身の手の指を指紋検出領域201上に置くと、指紋センサ200は当該指の指紋を検出し、検出指紋を示す指紋画像を出力する。制御部100は、指紋センサ200からの指紋画像から特徴点を抽出し、抽出した特徴点を基準特徴点として記憶部103に記憶する。これにより、正規のユーザの指紋の特徴を示す基準特徴点が記憶部103に記憶される。つまり、正規のユーザの指紋が電子機器1に登録される。
<指紋センサの検出モードについて>
指紋センサ200は、指紋検出領域201を触るユーザの指の指紋を検出しない第1検出モードと、当該指紋を検出する第2検出モードとを有する。指紋センサ200の検出モードは、制御部100によって設定される。第1検出モードでは、第2検出モードよりも指紋センサ200の消費電力が低減する。ユーザ認証は、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードであるときに行われる。
電子機器1では、その消費電力を低減するために、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、表示領域2aに各種情報を表示する表示機能を含む一部の機能を停止する。例えば制御部100は、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードに設定する場合がある。
電子機器1がスリープモードで動作しているときに、指紋センサ200の検出モードが第1検出モードに設定される場合には、ユーザ認証を行う前に、例えば電源ボタン14aなどを操作してスリープモードを解除して、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードから第2検出モードに切り替える必要がある。この検出モードの切り替えには、例えば、1秒程度の時間を有する。このため、ユーザ認証を開始するまでに時間がかかってしまう場合がある。
そこで、電子機器1がスリープモードで動作している場合でも、指紋センサ200の検出モードを第2検出モードに設定することが考えられる。この場合には、ユーザの指が指紋検出領域201に触れたときに当該指の指紋が検出され、ユーザ認証をすぐに開始することができる。このように、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードから第2検出モードに切り替える時間を必要としないことから、ユーザ認証を開始するまでの時間を短くすることができる。
しかしながら、電子機器1がスリープモードで動作している期間、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードに設定されている場合には、電子機器1の消費電力が増大する。
本実施の形態では、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、所定の条件を満たす場合には、指紋センサ200の検出モードが第1検出モードに設定され、所定の条件を満たさない場合には、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードに設定される。例えば、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、ユーザ認証を行う可能性が低いと考えられるような場合には、指紋センサ200の検出モードが第1検出モードに設定され、それ以外の場合には、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードに設定される。これにより、電子機器1の消費電力の低減と、ユーザ認証を開始するまでの時間の短縮とを実現することができる。
以下に、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、制御部100が指紋センサ200の検出モードを設定する動作について説明する。図7は、当該動作の一例を示すフローチャートである。
図7に示されるように、ステップS1において電子機器1がスリープモードで動作する場合に、ステップS2において、制御部100は、計時部220が計時する現在時刻が所定の時間帯に含まれるか否かの第1判定を行う。ステップS2において、計時部220が計時する現在時刻が所定の時間帯に含まれると判定される場合には、ステップS5が実行される。ステップS5において、制御部100は、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードに設定する。
ユーザの行動パターンにおいて、電子機器1を使用しない時間帯がほぼ決まっている場合がある。例えば、午前0時から午前6時の間の時間帯では、ユーザが就寝している可能性が高く、電子機器1を使用しない可能性が高いことがある。そこで、この時間帯に電子機器1がスリープモードであるときには、ユーザ認証が行われる可能性が低いものとして、制御部100は、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードに設定する。これにより、電子機器1の消費電力を低減することができる。
電子機器1を使用しない可能性が高い時間帯は、例えば、ユーザの操作によって、電子機器1に入力されて記憶部103に記憶される。なお、制御部100は、例えば、スリープ解除操作が行われる度に、当該操作が行われた時刻を記憶部103に記憶しておき、当該時刻に基づいて、ユーザ認証が行われる可能性が低い時間帯を予測しても良い。
ステップS2において、計時部220が計時する現在時刻が所定の時間帯に含まれないと判定される場合には、ステップS3が実行される。ステップS3において、制御部100は、電子機器1が静止中であるか否かの第2判定を行う。具体的には、制御部100は、加速度センサ210が検出する加速度が所定時間の間、所定値以下である場合に、電子機器1が静止していると判定する。ステップS3において、電子機器1が静止中であると判定される場合には、ステップS5において、制御部100は、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードに設定する。
スリープモードで動作する電子機器1が静止中である場合には、ユーザが電子機器1を使用していない可能性が高い。そこで、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、電子機器1が静止していると判定される場合には、ユーザ認証が行われる可能性が低いものとして、制御部100は、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードに設定する。これにより、電子機器1の消費電力を低減することができる。
ステップS3において、電子機器1が静止中でないと判定される場合には、ステップS4が実行される。ステップS4において、制御部100は、ユーザが歩行動作中であるか否かの第3判定を行う。具体的には、制御部100は、歩数計測部230がユーザの歩数を計測している場合には、ユーザが歩行動作中であると判定する。
ユーザが歩行動作中である場合には、ユーザが電子機器1を使用していない可能性が高い。そこで、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、ユーザが歩行動作中であると判定される場合には、ユーザ認証が行われる可能性が低いものとして、制御部100は、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードに設定する。これにより、電子機器1の消費電力を低減することができる。
なお、制御部100は、歩数計測部230での計測結果に基づいて、ユーザが歩行動作中であると判定するのではなく、加速度センサ210が検出する加速度検出結果に基づいて電子機器1の空間的な動きを検出し、当該動きが所定の動きであると判定される場合に、ユーザが歩行動作中であると判定しても良い。
ステップS4において、ユーザが歩行動作中でないと判定される場合には、ステップS6が実行される。ステップS6において、制御部100は、指紋センサ200の検出モードを第2検出モードに設定する。
ステップS5が実行された後と、ステップS6が実行された後には、ステップS2が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
このように、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、図7で示したステップS2〜S4において否定的な判定がなされる場合、つまりユーザ認証が行われる可能性が低くないと考えられる場合には、制御部100は、指紋センサの検出モードを第2検出モードに設定する。これにより、制御部100は、ユーザの指が指紋検出領域201に触れて当該指紋が検出されたときにユーザ認証を開始することができる。
なお、ステップS2〜S4の実行順序は図7に示した順序に限られない。また、ステップS2が、ステップS3及びステップS4の前に実行される場合には、ステップS2において、計時部220が計時する現在時刻が所定時間帯に含まれると判定される場合には、加速度センサ210及び歩数計測部230の機能を停止しても良い。これにより、消費電力をより低減することができる。
また、ステップS2〜S4のうち少なくとも一つの処理が実行されれば良い。
<指紋センサが第1検出モードである場合でのユーザ認証>
以下に、電子機器1の動作モードがスリープであるときに、指紋センサ200の検出モードが第1検出モードである場合での電子機器1の動作について説明する。図8は、当該動作の一例を示すフローチャートである。
図8に示されるように、ステップS11において電子機器1の動作モードがスリープモードであって、指紋センサ200の検出モードが第1検出モードである場合に、ステップS12において、制御部100は、スリープ解除操作、例えば電源ボタン14aへの操作を検出すると、ステップS13においてスリープモードを解除する。
スリープモードが解除されると、ステップS14において、制御部100は、電子機器1の動作モードをロックモードに設定する。そして、ステップS15において、表示部120は、表示領域2aにロック画面を表示する。また、ステップS15において、制御部100は、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードから第2検出モードに切り替える。
指紋センサ200の検出モードが第2検出モードになると、制御部100は、指紋検出待ち状態となる。ステップS16において、指紋センサ200が指紋検出領域201を触るユーザの指の指紋を検出すると、ステップS17が実行される。
ステップS17において、制御部100は、ステップS16での検出指紋に基づいて、ユーザ認証を行う。ステップS17でのユーザ認証処理が終了すると、ステップS18において、制御部100は、ユーザ認証が成功した否かを判断する。
ステップS18において、ユーザ認証が成功したと判定されると、ステップS19が実行される。ステップS19において、制御部100は、ロックモードを解除する。ロックモードが解除されると、表示部120は、ロック画面以外の画面、例えばホーム画面を表示する。
一方、ステップS18において、ユーザ認証が失敗したと判定されると、ステップS20が実行される。ステップS20において、表示部120は、ユーザ認証の失敗を通知するための認証失敗通知情報をロック画面に表示する。図9は、認証失敗通知情報410を含むロック画面400の一例を示す図である。図9の例では、認証失敗通知情報410として「ユーザ認証に失敗しました」という文字列が表示されている。
ステップS20の後、制御部100は、再度指紋検出待ち状態となり、ステップS16が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
このように、電子機器1の動作モードがスリープモードであって、指紋センサ200の検出モードが第1検出モードである場合には、ユーザは、ユーザ認証を行う前に、スリープ解除操作を行って、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードから第2検出モードに切り替える必要がある。そのため、ユーザ認証をすぐに開始することができない。
<指紋センサが第2検出モードである場合でのユーザ認証>
次に、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードである場合での電子機器1の動作について説明する。図10は、当該動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示されるように、ステップS21において電子機器1の動作モードがスリープモードであって、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードである場合には、制御部100は、指紋検出待ち状態となっている。ユーザがスリープモードを解除するために電源ボタン14aを操作しようとして操作領域141に指を触れたとき、ステップS22において、指紋センサ200は、当該指の指紋を検出する。
指紋センサ200が指紋を検出すると、ステップS23において、制御部100は、ステップS22での検出指紋に基づいて、ユーザ認証を開始する。ここで、ユーザが電源ボタン14aを操作しなくても、操作領域141に指を触れて当該指の指紋が検出されるとユーザ認証が開始される。そしてそのユーザ認証結果は、記憶部103に記憶される。
ステップS24において、制御部100は、スリープ解除操作、例えば、電源ボタン14aへの操作を検出すると、ステップS25においてスリープモードを解除する。
ステップS23で開始されるユーザ認証処理が終了する前であっても、ステップS24を実行することができる。この場合、ステップS24及びステップS25の処理が実行されている間にもユーザ認証が行われる。
スリープモードが解除されると、ステップS26において、制御部100は、ステップS23で開始したユーザ認証の結果に基づいて、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。
ステップS26において、ユーザ認証が成功したと判定されると、ステップS27が実行される。ステップS27において、制御部100は、電子機器1の動作モードを非ロックモードに設定する。ステップS26においてユーザ認証が成功したと判定される場合には、電子機器1の動作モードはロックモードになることなく、スリープモードから非ロックモードに切り替わる。つまり、表示領域2aにロック画面が表示されることなく、電子機器1の動作モードがスリープモードから非ロックモードに切り替わる。
一方、ステップS26において、ユーザ認証が失敗したと判定されると、ステップS28において、制御部100は、電子機器1の動作モードをロックモードに設定する。
電子機器1の動作モードがロックモードに設定されると、ステップS29において、表示部120は、ユーザ認証の失敗を通知するための認証失敗通知情報を含むロック画面を表示する。例えば、表示部120は、図9で示した認証失敗通知情報410を含むロック画面400を表示する。
ステップS29の後、制御部100は、再度指紋検出待ち状態となる。ステップS30において、指紋センサ200が指紋検出領域201を触るユーザの指の指紋を再度検出すると、ステップS31が実行される。
ステップS31において、制御部100は、ステップS30での検出指紋に基づいて、再度ユーザ認証を行う。ステップS31でのユーザ認証処理が終了すると、ステップS32において、制御部100は、ユーザ認証が成功した否かを判断する。
ステップS32において、ユーザ認証が成功したと判定されると、ステップS27において、制御部100は、電子機器1の動作モードをロックモードから非ロックモードに切り替える。
一方、ステップS32において、ユーザ認証が失敗したと判定されると、ステップS33において、認証失敗通知情報が再度表示される。
ステップS33の後、制御部100は、再度指紋検出待ち状態となり、ステップS30が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
このように、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードに設定される場合には、ユーザの指が指紋検出領域201に触れたときに当該指の指紋が検出され、ユーザ認証を開始することができる。よって、図8で示したフローチャートと比較して、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードから第2検出モードに切り替える処理を必要としないことから、ユーザ認証を開始するまでの時間を短くすることができる。
また、指紋センサ200が指紋を検出してから、スリープモードが解除されるまでの間にもユーザ認証を行うことができることから、スリープモードが解除されてから、ユーザ認証の判定を行うまでの時間を短くすることができる。
また、指紋センサ200の指紋検出領域201は、スリープ解除操作のための操作ボタンとして機能する電源ボタン14aの操作領域141に含まれることから、ユーザがスリープ解除操作を行うために電源ボタン14aの操作領域141に指を触れたときに当該指の指紋を検出することができる。これにより、ユーザ認証を開始するまでの時間をより短くすることができる。
また、スリープ解除操作前にユーザ認証処理が完了した場合でも、スリープ解除操作が検出されるまでスリープモードが解除されないことから、誤操作によって指紋センサ200が指紋検出動作を行って、スリープモードが解除されることを抑制することができる。また誤操作による指紋検出動作では、ユーザ認証が失敗する可能性が高いと考えられることから、誤操作によって認証失敗通知情報が表示されるのを抑制することができる。
<各種変形例>
以下に各種変形例について説明する。
<第1変形例>
上記の例では、ユーザ認証が失敗した場合にロック画面に認証失敗通知情報が表示されていたが、スリープモードで開始したユーザ認証が失敗した場合には、ロック画面に認証失敗通知情報を表示しなくても良い。
図11は、本変形に係る電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。図11では、電子機器1の動作モードがスリープモードであって、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードである場合での電子機器1の動作を示している。
ステップS41〜S48の処理は、図10でのステップS21〜S28と同様であるので、繰り返しの説明は省略する。
ステップS46において、ユーザ認証が失敗したと判定される場合には、ステップS48が実行される。ステップS48において、制御部100は、電子機器1の動作モードをロックモードに設定する。
電子機器1の動作モードがロックモードに設定されると、ステップS49において、表示部120は、ロック画面を表示する。ステップS49において表示されるロック画面には、認証失敗通知情報が含まれない。例えば、表示部120は、図6で示したロック画面400を表示する。
ステップS49の後、制御部100は、再度指紋検出待ち状態となる。ステップS50において、指紋センサ200が再度指紋を検出すると、ステップS51が実行される。
ステップS51において、制御部100は、ステップS50での検出指紋に基づいて、再度ユーザ認証を行う。ステップS51でのユーザ認証処理が終了すると、ステップS52において、制御部100は、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。
ステップS52において、ユーザ認証が成功したと判定される場合には、ステップS47において、制御部100は、ロックモードを解除して、電子機器1の動作モードを非ロックモードに設定する。
一方、ステップS52において、ユーザ認証が失敗したと判定される場合には、ステップS53が実行される。ステップS53において、表示部120は、ロック画面に認証失敗通知情報を表示する。例えば、表示部120は、図9で示した認証失敗通知情報410を含むロック画面400を表示する。このように、電子機器1の動作モードがロックモードであるときに行ったユーザ認証が失敗した場合には、認証失敗通知情報がロック画面に表示される。
ステップS53が実行された後、再度ステップ50以降の処理が実行される。
このように、スリープモードであるときに開始したユーザ認証が失敗した場合には、認証失敗情報を含まないロック画面が表示される。これにより、ユーザは、例えば、指紋が登録されていない指で電源ボタン14aを操作することによって、認証失敗情報を含まないロック画面を表示させることができる。したがって、時刻確認などのために、単にロック画面を表示させたい場合に、認証失敗通知情報を含まないロック画面を表示させることができることから、ロック画面を確認しやすくなる。
<第2変形例>
本変形例では、制御部100は、スリープ解除操作を検出する前にユーザ認証が失敗した場合に、ユーザ認証が失敗したことを通知する。図12は、本変形例に係る電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。図12では、電子機器1の動作モードがスリープモードであって、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードである場合での電子機器1の動作を示している。
ステップS61〜S63,S65〜S73での処理は、図10でのステップS21〜S23,S25〜S33での処理と同様であるので詳細な説明は省略する。
ステップ63においてユーザ認証が開始されると、ステップS64が実行される。ステップS64において、制御部100は、スリープ解除操作を検出したか否かを判定する。ステップS64において、スリープ解除操作を検出したと判定される場合には、ステップS65以降の処理が実行される。
一方、ステップS64において、スリープ解除操作が検出されないと判定される場合には、ステップS74が実行される。ステップS74において、制御部100は、ステップS63で開始したユーザ認証の結果に基づいて、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。
ステップS74において、ユーザ認証が成功したと判定されると、ステップS64が再度実行される。ステップS74でのユーザ認証結果は、記憶部103内に記憶される。
一方、ステップS74において、ユーザ認証が失敗したと判定されると、ステップS75が実行される。ステップS75において、制御部100は、ユーザ認証が失敗したことを通知する。
ステップS75でのユーザ認証失敗の通知は、図10に示されるステップS29及びS33での処理のようにユーザ認証失敗通知情報が表示領域2aに表示されるのではなく、表示部120以外によって通知される。例えば、ユーザ認証失敗の通知は、外部スピーカから出力される音によって行われる。なお、電子機器1がLEDなどによって構成される通知ランプを備えている場合には、通知ランプを発光させることによって、ユーザ認証失敗が通知されても良い。また、電子機器1が圧電振動素子、モータなどによって構成される振動部を備えている場合には、振動部が電子機器1を振動させることによって、ユーザ認証失敗が通知されても良い。
このように、スリープ解除操作が検出される前にユーザ認証が失敗した場合に、ユーザ認証が失敗したことが通知されることから、ユーザは、スリープ解除操作を行う前であっても、ユーザ認証の結果を確認することができる。
ステップS75の後、制御部100は、再度指紋検出待ち状態となり、ステップS62が実行される。以後、電子機器1は同様に動作する。
なお、ステップS74においてユーザ認証が成功したと判定された後、スリープモードが解除された場合には、ステップS66において再度、ユーザ認証が成功したか否かを判定せずに、ステップS67が実行されてもよい。
また、ステップS75でのユーザ認証が失敗したことの通知は、ユーザ認証が成功するまで行われてよいし、ユーザ認証が成功する前に終了してもよい。例えば、ステップS75でのユーザ認証が失敗したことの通知は、その後実行されるステップS69においてユーザ認証失敗通知情報が表示領域2aに表示されたときに終了しても良い。
また、スリープ解除前のユーザ認証結果の通知は、ユーザ認証が成功したときに行われても良い。
<第3変形例>
また上記の各例では、図7で示したステップS2〜S4において、肯定的な判定がなされた場合には、制御部100は、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードに設定する。つまり、制御部100は、ユーザ認証が行われる可能性が低いと考えられる場合には、指紋センサ200の検出モードを第1検出モードに設定していたが、図7で示したステップS2〜S4での判定結果に関わらず、ユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられるような場合には、指紋センサ200の検出モードを第2検出モードに設定しても良い。
例えば、電子機器1がスリープモードで動作しているときに着呼して、ユーザが当該着呼に応答しなかった場合には、その後ユーザが着呼を確認するためにユーザ認証を行う可能性が高いと考えられる。したがって、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに着呼してユーザが当該着呼に応答しなかった場合には、その後一定の時間の間は、制御部100は、図7で示したステップS2〜S4での判定結果に関わらず、指紋センサ200の検出モードを第2検出モードに設定しても良い。
また、電子機器1がスリープモードで動作しているときにメールを受信して、ユーザが受信したメールを確認しなかった場合には、その後ユーザが受信したメールを確認するためにユーザ認証を行う可能性が高いと考えられる。したがって、電子機器1の動作モードがスリープモードであるときに受信したメールをユーザが確認しなかった場合には、その後一定の時間の間は、制御部100は、図7で示したステップS2〜S4での判定結果に関わらず、指紋センサ200の検出モードを第2検出モードに設定しても良い。
このように、電子機器1がスリープモードで動作しているときに、ユーザ認証が行われる可能性が高いと考えられるような場合には、指紋センサ200の検出モードが第2検出モードに設定されることから、ユーザ認証を開始するまでの時間を短くすることができる。
また上記の各例では、指紋センサ200の指紋検出領域201は、電源ボタン14aの操作領域141に含まれていたが、指紋センサ200の指紋検出領域201は、電源ボタン14a以外の操作ボタンの操作領域に含まれていても良い。例えば、指紋センサ200の指紋検出領域201は、スリープ解除操作のための操作ボタンとして機能するホームボタン14cの操作領域に含まれていても良い。また、指紋センサ200の指紋検出領域201は、スリープ解除操作のための操作ボタンとして機能しない操作ボタンの操作領域に含まれても良いし、操作ボタンの操作領域以外の領域、例えば、機器ケース3の表面に設けられても良い。
また上記の各例では、スリープ解除操作前にユーザ認証処理が完了した場合でも、スリープ解除操作が検出されるまでスリープモードが解除されなかったが、ユーザ認証処理が完了した場合には、スリープ解除操作が検出される前であってもスリープモードを解除しても良い。これにより、ユーザは、指紋センサ200の指紋検出領域201を指で触れるだけでスリープモードを解除することができる。
また、上記の各例では、本開示の技術をスマートフォン等の携帯電話機に適用する場合を例にあげて説明したが、本開示の技術は、指紋センサを備える他の電子機器にも適用することができる。例えば、本開示の技術は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末あるいは腕などに装着するウェアラブルタイプの電子機器等にも適用することができる。
以上のように、電子機器1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。