JP2011106932A - 加工変質層検出装置および加工変質層検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加工変質層検出装置1は、励磁電流により工作物2の内部に渦電流を誘導し、励磁電流の周波数に応じた浸透深さにおける透磁率を測定するセンサ10と、深層部を浸透深さとする第一周波数(0.5[kHz]〜1.0[kHz])と表層部を浸透深さとする第二周波数(50[kHz]〜1.0[MHz])を含む複数の周波数を設定した励磁電流をセンサ10に供給する供給手段31と、第二周波数により測定される第二透磁率が第一周波数により測定される第一透磁率より大きな値である場合に、工作物2に加工変質層が生じているものと判定する判定手段32と、を備える。
【選択図】図5
Description
励磁電流により工作物の内部に渦電流を誘導し、前記励磁電流の周波数に応じた浸透深さにおける透磁率を測定するセンサと、
前記工作物において加工変質層が生じない深層部を前記浸透深さとする第一周波数と前記深層部より前記工作物の表層側に位置する表層部を前記浸透深さとする第二周波数とを含む複数の周波数を設定した前記励磁電流を前記センサに供給する供給手段と、
前記第二周波数の励磁電流を前記センサに供給したときに測定される第二透磁率が、前記第一周波数の励磁電流を前記センサに供給したときに測定される第一透磁率より大きな値である場合に、前記工作物に加工変質層が生じているものと判定する判定手段と、
を備えることである。
前記供給手段は、前記センサに前記第一周波数および前記第二周波数を含む少なくとも3周波以上の周波数を設定した前記励磁電流を供給し、
前記判定手段は、測定される複数の透磁率に基づいて、前記工作物における加工変質層の有無を判定することである。
励磁電流により工作物の内部に渦電流を誘導し、前記励磁電流の周波数に応じた浸透深さにおける透磁率を測定するセンサを備え、
前記工作物において加工変質層が生じない深層部を前記浸透深さとする第一周波数と前記深層部より前記工作物の表層側に位置する表層部を前記浸透深さとする第二周波数とを含む複数の周波数を設定した前記励磁電流を前記センサに供給し、
前記第二周波数の励磁電流を前記センサに供給したときに測定される第二透磁率が、前記第一周波数の励磁電流を前記センサに供給したときに測定される第一透磁率より大きな値である場合に、前記工作物に加工変質層が生じているものと判定することである。
<実施形態>
(加工変質層検出装置1の構成)
本発明の加工変質層検出装置1について、図1〜3を参照して説明する。図1は、実施形態の加工変質層検出装置1の平面図である。図2は、加工変質層検出装置1の磁気センサ10の内部を透視して示す側面図である。図3は、励磁電流の周波数に対する浸透深さの関係を示すグラフである。
[数1]
J∝exp[−x/√(π・f・μ・σ)]
J:渦電流密度
x:表層からの深さ[m]
f:励磁電流の周波数[Hz]
μ:透磁率[H/m]
σ:導電率[S/m]
また、試験体である工作物2に生じる加工変質層について、図4,5を参照して説明する。図4は、工作物2の断面を示す模式図である。図4(a)は変質の度合いが大きい場合であり、図4(b)は変質の度合いが小さい場合であり、図4(c)は良品の場合である。図5は、工作物2の表層からの距離に対する透磁率の関係を示すグラフである。
そこで、本実施形態の加工変質層検出装置1は、表層側の透磁率が深層側の透磁率より大きな値である場合に、制御装置30の判定部32が工作物2に加工変質層が生じているものと判定する構成としている。さらに、磁気センサ10は、制御装置30の供給部31により同時に低周波側の第一周波数および高周波側の第二周波数を設定した励磁電流を供給される構成としている。つまり、円筒状または円柱状の工作物2における同一位相の部位に対して、同時に深層部および表層部に渦電流を誘導している。これにより、磁気センサ10は、同時に深層側の透磁率および表層側の透磁率を測定することになる。
上述した加工変質層検出装置1によれば、加工変質層検出装置1の判定部32は、表層側の透磁率が深層側の透磁率より大きな値である場合に、工作物2に加工変質層が生じているものと判定する構成となっている。そして、深層側の透磁率と表層側の透磁率を比較し、工作物2に白層が生じているかに関わらず軟化層が生じているかを判定することができる。そして、この軟化層が生じている場合に、加工変質層が生じているものと判定することで、より高精度に加工変質層を検出することができる。
実施形態の変形態様について、図4を参照して説明する。制御装置30の供給部31は、低周波側の第一周波数および高周波側の第二周波数からなる2周波の励磁電流を磁気センサ10に供給するものとした。これに対して、制御装置30の供給部31は、磁気センサ10に少なくとも3周波以上の励磁電流を供給してもよい。この場合、制御装置30の判定部32は、測定される複数の透磁率に基づいて、工作物2における加工変質層の有無を判定することになる。上述したように、加工変質層検出装置1は、低周波側および高周波側からなる2周波の励磁電流により、深層部の透磁率および表層側の透磁率をそれぞれ測定した。そして、加工変質層をより高精度に検出するために、表層から異なる深さの透磁率を測定することが有効である。
10:磁気センサ(センサ)、 11:センサ本体、 12:センサヘッド
13:測定装置、 14:ばね、 15:センサ送り機構
20:回転支持部、 21:駆動輪、 22:調整車
30:制御装置、 31:供給部(供給手段)、 32:判定部(判定手段)
T:閾値
Claims (8)
- 励磁電流により工作物の内部に渦電流を誘導し、前記励磁電流の周波数に応じた浸透深さにおける透磁率を測定するセンサと、
前記工作物において加工変質層が生じない深層部を前記浸透深さとする第一周波数と前記深層部より前記工作物の表層側に位置する表層部を前記浸透深さとする第二周波数とを含む複数の周波数を設定した前記励磁電流を前記センサに供給する供給手段と、
前記第二周波数の励磁電流を前記センサに供給したときに測定される第二透磁率が、前記第一周波数の励磁電流を前記センサに供給したときに測定される第一透磁率より大きな値である場合に、前記工作物に加工変質層が生じているものと判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする加工変質層検出装置。 - 請求項1において、
前記深層部は、前記表層部に加工変質層が生じている前記工作物に対して前記第一周波数の励磁電流を前記センサに供給して前記第一透磁率を測定した場合に、当該加工変質層の影響により変動して測定される前記第一透磁率の変動分が予め設定されている許容値以下となる部位に設定されていることを特徴とする加工変質層検出装置。 - 請求項1または2において、
前記判定手段は、前記第二透磁率に対する前記第一透磁率の差分と、予め設定されている閾値とを比較することにより前記工作物における加工変質層の有無を判定することを特徴とする加工変質層検出装置。 - 請求項3において、
前記閾値は、前記第一周波数と、当該第一周波数の励磁電流により測定される前記第一透磁率とに基づいて設定されることを特徴とする加工変質層検出装置。 - 請求項1〜4の何れか一項において、
前記供給手段は、前記センサに前記第一周波数および前記第二周波数を含む少なくとも3周波以上の周波数を設定した前記励磁電流を供給し、
前記判定手段は、測定される複数の透磁率に基づいて、前記工作物における加工変質層の有無を判定することを特徴とする加工変質層検出装置。 - 請求項1〜5の何れか一項において、
前記供給手段は、同時に複数の周波数の前記励磁電流を前記センサに供給することを特徴とする加工変質層検出装置。 - 請求項1〜6の何れか一項において、
前記表層部に白層を含む加工変質層が生じている工作物を検査対象とし、当該検査対象において前記表層部から前記深層部までの透磁率を測定した場合に、前記表層部の白層と前記深層部との間において透磁率の最大値が測定されることを特徴とする加工変質層検出装置。 - 励磁電流により工作物の内部に渦電流を誘導し、前記励磁電流の周波数に応じた浸透深さにおける透磁率を測定するセンサを備え、
前記工作物において加工変質層が生じない深層部を前記浸透深さとする第一周波数と前記深層部より前記工作物の表層側に位置する表層部を前記浸透深さとする第二周波数とを含む複数の周波数を設定した前記励磁電流を前記センサに供給し、
前記第二周波数の励磁電流を前記センサに供給したときに測定される第二透磁率が、前記第一周波数の励磁電流を前記センサに供給したときに測定される第一透磁率より大きな値である場合に、前記工作物に加工変質層が生じているものと判定することを特徴とする加工変質層検出方法。
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