JP2010230484A - 研削焼け検出装置および研削焼け検出方法 - Google Patents

研削焼け検出装置および研削焼け検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 測定対象となる部品を破壊等する必要がなくインラインで研削焼けの全数検査を実施することができ、さらに超音波を利用した方法と比較してヘッド部の小型化を図ることができる研削焼け検出装置および研削焼け検出方法を提供する。
【解決手段】 導電体7から成る測定対象に対向させて交流磁界を発生する励磁コイル2と、この励磁コイル2がつくる交流磁界により測定対象に流れる渦電流によって、前記測定対象の透磁率変化によるインピーダンス変化を検出する検出手段と、この検出手段で検出した検出出力から、前記測定対象の研削焼けの有無を判定する判定手段5とを有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、軸受や軸受部品等に使用される研削焼け検出装置および研削焼け検出方法に関する。
軸受等の転動部品の製造工程では、熱処理部品に対して高い寸法精度、表面粗さが要求されるため、熱処理部品に仕上げ研削が施される。その際、研削条件が悪いと、研削面に研削焼けが発生して表面が軟化または硬化する。この研削焼け箇所はクラック発生の原因になるため、研削条件を調整するときに研削焼けの有無を検査する。この研削焼けの検査には、ナイタルエッチング等のマクロ試験が行われている。
特開2004−151077号公報 特開2004−184378号公報
前記ナイタルエッチング等のマクロ試験では、部品表面を腐食させるため、試験に使用された部品は破棄されている。このため、材料費が大きくなる問題点がある。
また、生産ライン中での全数検査を行うことができないため、インラインでの品質保証ができない問題点もある。
鋼材中の超音波の伝播速度を利用した転動部品の研削焼け検出方法も提案されている(特許文献1、2)。この方法は超音波の検出精度を高めるため、2回以上測定を行う必要があり時間が掛かる。鋼材中の超音波の伝播速度が大きいため、超音波の送信プローブと受信プローブとを離す必要があり、装置のヘッド部を小型化できない等の問題点がある。
この発明の目的は、測定対象となる部品を破壊等する必要がなくインラインで研削焼けの全数検査を実施することができ、さらに超音波を利用した方法と比較してヘッド部の小型化を図ることができる研削焼け検出装置および研削焼け検出方法を提供することである。
この発明の研削焼け検出装置は、転動面を有する導電体の機械部品からなる測定対象の研削焼けを検出する研削焼け検出装置であって、前記測定対象に対向させて交流磁界を発生する励磁コイルと、前記測定対象に対向させたコイルを有しこのコイルの出力する交流出力を検出して所定の物理量を出力する検出手段と、この検出手段の検出出力から、前記測定対象の研削焼けの有無を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
前記交流磁界の周波数はkHzからMHzの範囲を想定している。ただし、この範囲以外の周波数であっても良い。
焼入れにより表面が硬化した測定対象つまりワークの最終工程での研削時、研削条件が適当でないと、ワークの温度が上昇して再焼入れ若しくは焼戻しがおきる。再焼入れでは硬くて脆い白層が発生し、焼戻しでは表面が軟化する。この現象を「研削焼け」と呼ぶ。部品に研削焼けがおこると、その箇所にクラック等が発生し、部品の品質上大きな問題になる。
この構成によると、測定対象である導電体から成るワークに励磁コイルを対向させて、交流電源等からこの励磁コイルに電流を通電して交流磁界を発生させる。この交流磁界によりワークに流れる渦電流によって、検出手段は、コイルの出力する交流出力を検出して所定の物理量を出力する。
ここで、研削焼けによる焼戻しが発生した箇所では、ワークの硬度が軟化する。鋼材等のワークでは、その硬度が軟化すると材料の透磁率が大きくなる。したがって、研削焼けによる焼戻し箇所では、透磁率が正常箇所よりも大きくなっている。
研削焼けにより再焼入れが起こって、ワークに硬くて脆いいわゆる白層が発生した場合でも、この白層の下部には焼戻しによる軟化した層が存在する。このため、その場所では透磁率が大きくなる。
したがって、透磁率変化によるコイルインピーダンス変化等の物理量を検出することで、測定対象であるワークの研削焼け箇所を検出することが可能である。前記判定手段は、検出手段の検出出力から測定対象の研削焼けの有無を判定する。したがって、測定対象となる部品を破壊等する必要がなくインラインで研削焼けの全数検査または抜取り検査を実施することができる。それ故、測定対象となった部品を破棄する必要がなく、ナイタルエッチング等のマクロ試験に比べて材料費の低減を図ることができる。また、本研削焼け検出によると、複数回測定を行う必要がなく、超音波の伝播速度を利用した検出よりも検出時間を短縮し得る。励磁コイルと検出手段とは離隔する必要もないため、励磁コイルと検出手段とを含むヘッド部を小型化することが可能となる。前記「ヘッド部」は、測定対象に相対的に近づけて導電体の材質変化を検出するための信号を得る入力部である。
前記検出手段の有するコイルが前記励磁コイルであり、前記検出手段は、前記励磁コイルのインピーダンスの変化を出力するものであっても良い。導電体であるワークに流れる渦電流は、導電体の導電率、透磁率により変化する。したがって、前記導電体の導電率、透磁率により励磁コイルのインピーダンスが変化する。このインピーダンス変化を検出手段で検出することで、導電体の材質変化を検出することができる。よって、測定対象の研削焼けの有無を判定できる。
前記検出手段の有するコイルが、前記励磁コイルとは別に設けられた検出コイルであっても良い。この場合、電源等から交流電流を励磁コイルに通電して交流磁界を発生する。この交流磁界により測定対象には渦電流が誘導される。検出コイルには、励磁コイルがつくる磁束と、渦電流がつくる磁束とを合成した磁束による電磁誘導で、電圧が発生する。検出手段はこの電圧を入力して所定の物理量を出力する。この出力から検出コイルに対向する箇所に研削焼けが発生しているか否かを判定し得る。
この発明において、前記検出手段が、検出コイルで検出した磁束による電磁誘導によって発生する電圧の振幅または位相を検出するインピーダンス検出回路を有するものである場合、前記電圧をインピーダンス検出回路に入力して、検出コイルに誘導されている電圧の振幅または位相を検出する。この検出された電圧の振幅または位相から、検出コイルに対向する箇所に研削焼けが発生しているか否かを判定することができる。
前記検出手段は、検出コイルで検出した磁束による電磁誘導によって発生する電圧を積分し、検出コイルに鎖交する磁束を求める積分回路とを有するものであっても良い。この場合、検出コイルに鎖交する磁束から、同検出コイルに対向する箇所に研削焼けが発生しているか否かを判定し得る。
前記検出コイルを2個設け、これら検出コイルで検出した磁束による電磁誘導によって発生する電圧の差から測定対象の研削焼けの有無を判定するものであっても良い。
この発明において、前記2個の検出コイルは直列接続されてブリッジ回路を形成しているものであっても良い。このブリッジ回路により、2個の検出コイルに誘導される電圧の差分のみを増幅することができる。したがって、材料の透磁率変化を感度良く検出することが可能となる。
前記励磁コイルに交流磁界を発生させる電流を供給する電源を備えても良い。この電源から励磁コイルに電流を通電して交流磁界を発生させることができる。
前記判定手段は、研削焼けが発生している箇所の面積を計算する機能を有するものであっても良い。この研削焼けが発生している箇所の面積を計算することで、研削焼けの程度を判定することができる。
研削焼けの有無、研削焼けが発生している箇所の面積、および研削焼けが発生している箇所の割合の少なくともいずれか1つを表示する表示部を備えたものであっても良い。この表示部に表示された値を確認しつつ、励磁コイルが発生する磁界の強さ等を可変させ得る。また、表示部に表示された値を確認しつつ、研削条件を変更して研削焼けが発生しないようにでき、製品の歩留まりを向上させることができる。
この発明の研削焼け検出方法は、転動面を有する導電体の機械部品からなる測定対象の研削焼けを検出する研削焼け検出方法であって、前記測定対象に対向させて交流磁界を発生する励磁過程と、前記測定対象に対向させたコイルを有しこのコイルの出力する交流出力を検出して所定の物理量を出力する検出過程と、この検出過程の検出出力から、前記測定対象の研削焼けの有無を判定する判定過程とを有することを特徴とする。
この場合、検出過程において検出されたインピーダンス変化等の出力から、測定対象の研削焼けの有無を判定する。したがって、測定対象となる部品を破壊等する必要がなくインラインで研削焼けの全数検査または抜取り検査を実施することができ、材料費の低減を図ることができる。また、複数回測定を行う必要がなく、超音波の伝播速度を利用した検出よりも検出時間を短縮し得る。
この発明の研削焼け検出装置は、転動面を有する導電体の機械部品からなる測定対象の研削焼けを検出する研削焼け検出装置であって、前記測定対象に対向させて交流磁界を発生する励磁コイルと、前記測定対象に対向させたコイルを有しこのコイルの出力する交流出力を検出して所定の物理量を出力する検出手段と、この検出手段の検出出力から、前記測定対象の研削焼けの有無を判定する判定手段とを有するため、測定対象となる部品を破壊等する必要がなくインラインで研削焼けの全数検査を実施することができ、さらに超音波を利用した方法と比較してヘッド部の小型化を図ることができる。
この発明の一実施形態に係る研削焼け検出装置のブロック図である。 同研削焼け検出装置の斜視図である。 この発明の他の実施形態に係る研削焼け検出装置のブロック図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る研削焼け検出装置のブロック図である。 内輪の転走面の研削焼けを検出する例を示す図である。 内輪の転走面と研削焼け箇所との関係を示す正面図である。
この発明の一実施形態を図1、図2と共に説明する。
この実施形態に係る研削焼け検出装置は、例えば、転動面を有する機械部品から成る測定対象の研削焼けの有無を検出する装置であり、軸受の研削焼けを検出する際等に使用される。ただし、スピンドル装置に限定されるものではない。軌道面を有する機械部品とは、玉やころ等の転動体が転がる面である軌道面を有する部品であり、転がり軸受の軌道輪やボールねじのねじ軸、ナット等がある。以下の説明は、研削焼け検出方法についての説明をも含む。
図1、図2に示すように、研削焼け検出装置は、交流電源1と、ヘッド部である励磁コイル2およびボビン3と、検出手段の一部としてのインピーダンス検出回路4と、判定手段5と、表示部6とを有する。ボビン3は環状凹面3aを有し、この環状凹面3aに励磁コイル2が巻回されている。交流電源1は励磁コイル2に電気的に接続され、励磁コイル2はインピーダンス検出回路4に電気的に接続されている。励磁コイル2を例えば金属から成る導電体7に接近させる、すなわち導電体7の例えば一表面7aに対し、励磁コイル2の軸心L1方向が略直交するように励磁コイル2を支持したうえで、ボビン3の一端側フランジ面3bを導電体7の一表面7aに相対的に接近させると、この励磁コイル2がつくる磁界による電磁誘導で導電体7に渦電流8が発生する。
この渦電流8は励磁コイル2と反対方向の磁界を発生する。また導電体7中でも渦電流8により損失が発生するので、励磁コイル2のインピーダンスが変化する。
導電体7に流れる渦電流8は、導電体7の導電率、透磁率により変化する。したがって、導電体7の導電率、透磁率により励磁コイル2のインピーダンスが変化する。よって、検出手段の有するコイルとしての励磁コイル2のインピーダンス変化を、前記インピーダンス検出回路4で検出することにより、導電体7の材質変化を検出する。
前記判定手段5は、例えば、中央演算処理装置(略称CPU:CentralProcessing Unit)、リードオンリーメモリ(略称ROM: Read Only Memory)、およびランダムアクセスメモリ(略称RAM: Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータや、電子回路によって実現される。上記CPU,ROM,RAMは、それぞれバスを介して入出力インターフェースに電気的に接続されている。前記バスには、インピーダンス検出回路4が電気的に接続されている。また、入出力インターフェースに駆動回路を介して表示部6等が電気的に接続されている。なお、インピーダンス検出回路4をマイクロコンピュータによって実現することも可能である。
例えば、インピーダンス検出回路4により検出されたインピーダンス変化から、導電体7から成るワークの研削焼けの有無を判定するためのプログラムが前記ROMに格納されている。CPUを制御主体として当該プログラムが演算実行される。前記RAMには、インピーダンス変化と、研削焼けの有無との関係を演算式またはテーブル等、または単に閾値で設定した関係設定手段が設けられる。この関係設定手段におけるテーブル等は必要に応じて書換え可能に記憶されている。前記CPUは、検出されたインピーダンス変化を、この関係設定手段に照らし研削焼けの有無を判定する。具体的には、CPUは、インピーダンス変化が前記テーブル等に記憶される予め定める閾値を超えたときに研削焼け有りと判定する。
表示部6は、前記ワークの研削焼けの有無、研削焼けが発生している箇所の面積、研削焼けが発生している箇所の発生度合い、および物理量(この例ではインピーダンス変化)の少なくともいずれか一つを表示する。表示部6は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ、プリンタ等によって実現される。また、表示部6は、この研削焼け検出装置の装置本体に一体に設けられるものであっても良いし、装置本体に別体に設けて電気的に接続されたものであっても良い。
以上の構成によると、測定対象である導電体7から成るワークに励磁コイル2を対向させて、交流電源1からこの励磁コイル2に電流を通電して交流磁界を発生させる。
ここで、研削焼けによる焼戻しが発生した箇所では、ワークの硬度が軟化する。鋼材等のワークでは、その硬度が軟化すると材料の透磁率が大きくなる。したがって、研削焼けによる焼戻し箇所では、透磁率が正常箇所よりも大きくなっている。研削焼けにより再焼入れが起こって、ワークに硬くて脆いいわゆる白層が発生した場合でも、この白層の下部には焼戻しによる軟化した層が存在する。このため、その場所では透磁率が大きくなる。
したがって、ワークの透磁率変化によるコイルインピーダンス変化(物理量)を検出することで、測定対象であるワークの研削焼け箇所を検出することが可能である。この例では、透磁率変化によるインピーダンス変化が、前記テーブル等に記憶される予め定める閾値を超えたときに研削焼け有りと判定することができる。したがって、測定対象となる部品を破壊等する必要がなくインラインで研削焼けの全数検査または抜取り検査を実施することができる。それ故、測定対象となった部品を破棄する必要がなく、ナイタルエッチング等のマクロ試験に比べて材料費の低減を図ることができる。この研削焼け検出によると、複数回測定を行う必要がなく、超音波の伝播速度を利用した検出よりも検出時間を短縮し得る。励磁コイル2の巻線をボビン3に巻回させただけのヘッド部を実現することができ、これによりヘッド部を小型化することが可能となり、種々な形状の測定対象を測定可能となる。それ故、この研削焼け検出装置の汎用性を高めることができる。
前記表示部6に表示された値を確認しつつ励磁コイル2が発生する磁界の強さ等を可変させ得る。また、表示部6に表示された値を確認しつつ、研削条件を変更して研削焼けが発生しないようにでき、製品の歩留まりを向上させることができる。
次に、この発明の他の実施形態について説明する。
以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図3に示すように、他の実施形態に係る研削焼け検出装置は、ヘッド部9と、制御部10と、表示部6とを有する。ヘッド部9は、測定対象の研削焼け箇所を直接検出するものであり、励磁コイル2、検出コイル11およびボビン3Aを含む。ボビン3Aの軸部外周には、励磁コイル2と検出コイル11とを区分けして巻回するためのフランジ3kが付設されている。導電体7の一表面7aに接近させる一端側フランジと、フランジ3kとの間の軸部に、交流磁界内で発生する磁束を検出する検出手段の一部である検出コイル11を巻回させている。さらに他端側のフランジと、フランジ3kとの間の軸部に、励磁コイル2を巻回させている。
制御部10は、主に、励磁コイル2に通電する交流電流等を制御してインピーダンスの検出感度を高め得る。同制御部10は、励磁コイル2に励磁用の交流電流を供給する電源1と、検出手段の一部であるインピーダンス検出回路12と、信号処理回路13とを有する。これらのうちインピーダンス検出回路12は、検出コイル11で検出した磁束による電磁誘導によって発生する電圧の振幅または位相を検出する。判定手段としての信号処理回路13は、検出された電圧の振幅または位相から、ワークの研削焼けを判定する。この信号処理回路13では、予め正常品と、研削焼け品とを測定した結果から閾値が定められており、この閾値をもとにワークの研削焼けの有無を判定する。前記インピーダンス検出回路12および信号処理回路13を、電子回路やマイクロコンピュータによって実現することが可能である。
図3の構成によると、交流電源1から交流電流を励磁コイル2に通電して交流磁界を発生する。この交流磁界により測定対象である導電体7には渦電流8(図2参照)が誘導される。検出コイル11には、励磁コイル2がつくる磁束と、渦電流8がつくる磁束とを合成した磁束による電磁誘導で、電圧が発生する。この電圧をインピーダンス検出回路12に入力して、検出コイル11に誘導されている電圧の振幅または位相を検出する。この検出された電圧の振幅または位相から、検出コイル11に対向する箇所に研削焼けが発生しているか否かを判定する。研削焼け有りと判定されると、研削焼け無しと判定されるまでワークの回転速度、砥石の送り量等の研削条件を調整する。
前記検出コイル11と励磁コイル2とは離隔する必要がないため、超音波を利用した方法と比較して、ヘッド部9の小型化を図ることができる。
図3の構成において、インピーダンス検出回路12の代わりに積分回路14を設けても良い。この積分回路14は、検出コイル11で検出した磁束による電磁誘導によって発生する電圧を積分し、検出コイル11に鎖交する磁束を求める回路である。信号処理回路13は、この積分回路14で求めた磁束の強さから、測定対象の研削焼けの有無を判定する。
図4に示すさらに他の実施形態に係る研削焼け検出装置は、2個の検出コイル11a,11bを直列接続してブリッジを形成した例を示す。すなわち、ボビン3の一端、他端に検出コイル11a,11bを設け、これら検出コイル11a,11bは互いに逆方向に巻線が巻回されて、逆位相の電圧を発生する。このボビン3の長手方向中間付近つまり2個の検出コイル11a,11bの間に、励磁コイル2が配置される。2個の検出コイル11a,11bに電気的に接続されたブリッジ回路15により、検出コイル11a,11bに誘導される電圧の差分のみを増幅することができる。これにより、材料の透磁率変化を感度良く検出することができ、よって、測定対象の研削焼けの有無をより正確に判定できる。
次に、軸受の研削焼けを検出している例を図5、図6と共に説明する。
回転軸17の小径部17aに軸受の内輪W1が嵌合され、この回転軸17は図示外の駆動源により軸線L2回りに回転可能に構成されている。前記ヘッド部の外周面は固定部材18により固定されている。ヘッド部進退駆動源19の駆動部先端に、前記固定部材18が固着され、ヘッド部がこの固定部材18に着脱自在に設けられる。ヘッド部進退駆動源19の駆動により、固定部材18が前記軸線L2に平行に移動駆動可能になっている。ヘッド部進退駆動源19として、例えば、モータとボールねじ機構から成るものや、流体圧シリンダおよび電磁ソレノイド等を適用し得る。前記回転軸17を回転させつつ固定部材18を移動駆動させることにより、ヘッド部が内輪W1の転走面表面を幅方向に沿って移動しながら図6に示すように周上全ての箇所の研削焼け箇所20を検出し得る。
判定手段5は、信号処理回路13による測定値から研削焼けが発生している箇所の面積を計算する機能を有するものであっても良い。この研削焼けが発生している箇所の面積を計算することで、研削焼けの程度を判定することができる。
軸受のうち外輪軌道面、保持器案内面等の研削焼けの有無を検出しても良い。勿論、軸受以外のものを測定対象としても良い。
1…交流電源
2…励磁コイル
4…インピーダンス検出回路
5…判定手段
7…導電体
8…渦電流
11…検出コイル
12…インピーダンス検出回路
13…信号処理回路
14…積分回路
15…ブリッジ回路

Claims (11)

  1. 転動面を有する導電体の機械部品からなる測定対象の研削焼けを検出する研削焼け検出装置であって、
    前記測定対象に対向させて交流磁界を発生する励磁コイルと、
    前記測定対象に対向させたコイルを有しこのコイルの出力する交流出力を検出して所定の物理量を出力する検出手段と、
    この検出手段の検出出力から、前記測定対象の研削焼けの有無を判定する判定手段とを有することを特徴とする研削焼け検出装置。
  2. 請求項1において、前記検出手段の有するコイルが前記励磁コイルであり、前記検出手段は、前記励磁コイルのインピーダンスの変化を出力する研削焼け検出装置。
  3. 請求項1において、前記検出手段の有するコイルが、前記励磁コイルとは別に設けられた検出コイルである研削焼け検出装置。
  4. 請求項3において、前記検出手段は、検出コイルで検出した磁束による電磁誘導によって発生する電圧の振幅または位相を検出するインピーダンス検出回路を有する研削焼け検出装置。
  5. 請求項3において、前記検出手段は、検出コイルで検出した磁束による電磁誘導によって発生する電圧を積分し、検出コイルに鎖交する磁束を求める積分回路とを有する研削焼け検出装置。
  6. 請求項3において、前記検出コイルを2個設け、これら検出コイルで検出した磁束による電磁誘導によって発生する電圧の差から測定対象の研削焼けの有無を判定する研削焼け検出装置。
  7. 請求項6において、前記2個の検出コイルは直列接続されてブリッジ回路を形成している研削焼け検出装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記励磁コイルに交流磁界を発生させる電流を供給する電源を備えた研削焼け検出装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記判定手段は、研削焼けが発生している箇所の面積を計算する機能を有する研削焼け検出装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、研削焼けの有無、研削焼けが発生している箇所の面積、および研削焼けが発生している箇所の割合の少なくともいずれか1つを表示する表示部を備えた研削焼け検出装置。
  11. 転動面を有する導電体の機械部品からなる測定対象の研削焼けを検出する研削焼け検出方法であって、
    前記測定対象に対向させて交流磁界を発生する励磁過程と、
    前記測定対象に対向させたコイルを有しこのコイルの出力する交流出力を検出して所定の物理量を出力する検出過程と、
    この検出過程の検出出力から、前記測定対象の研削焼けの有無を判定する判定過程とを有することを特徴とする研削焼け検出方法。
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