JP2011106702A - 流量制御弁 - Google Patents

流量制御弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2011106702A
JP2011106702A JP2009259993A JP2009259993A JP2011106702A JP 2011106702 A JP2011106702 A JP 2011106702A JP 2009259993 A JP2009259993 A JP 2009259993A JP 2009259993 A JP2009259993 A JP 2009259993A JP 2011106702 A JP2011106702 A JP 2011106702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
refrigerant
valve body
groove
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009259993A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Kojima
誠 小島
Takayuki Setoguchi
隆之 瀬戸口
Masato Kotake
正人 小竹
Noriyuki Okuda
則之 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2009259993A priority Critical patent/JP2011106702A/ja
Publication of JP2011106702A publication Critical patent/JP2011106702A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

【課題】膨張弁、又は開閉弁における冷媒の漏れ防止対策。
【解決手段】室外側膨張弁(15)は、複数の接続ポート(A,B)と、接続ポート(A,B)の周囲に弁座(41a)とが形成された第2固定弁体(41)と、高圧冷媒が流れる空間に設けられ、駆動軸(51)の軸心周りに回転して接続ポート(A,B)間の連通状態を制御する第2可動弁体(42)と、第2可動弁体(42)の弁座(41a)との接触面に形成され、高圧の冷媒よりも低圧の冷媒が流れる第1冷媒溝(62)と、弁座(41a)に形成され、第1冷媒溝(62)に連通し、且つ第1冷媒溝(62)に低圧の冷媒を供給する導入ポート(61)とを備えている。
【選択図】図9

Description

本発明は、流量制御弁に関し、特に、流体の漏れ防止対策に係るものである。
従来より、図11に示すように、冷凍機等に用いられる冷媒回路(a)には、圧縮機(b)、四路切換弁(c)、室外熱交換器(d)、電子膨張弁(e)、電磁弁(f)、室内側膨張弁(g)及び室内熱交換器(h)が順に接続されている。この冷媒回路(a)は、上記四路切換弁(c)、電子膨張弁(e)、及び電磁弁(f)等の弁機構によって流体(冷媒)の流れを切り換えている。
先ず、上記冷媒回路(a)における四路切換弁(c)は、図12に示すように、高圧ガス冷媒(P)中に設けられ、且つ左右に移動可能に構成された弁体(i)を備えており、流体通路(j)が形成された弁本体(k)に取り付けられている。この弁体(i)の内側及び流体通路(j)は、圧縮機(b)へ吸入される低圧ガス冷媒が流れている。四路切換弁(c)は、弁体(i)が高圧ガス冷媒(P)によって弁本体(k)へ押圧されることで弁体(i)と弁本体(k)とが密着し、これにより弁体(i)の外側の高圧ガス冷媒(P)が弁体(i)の内部へ漏れるのを防止している(特許文献1参照)。
特開2001−317839号公報
しかしながら、図13に示すように、上記冷媒回路(a)における電子膨張弁(e)では、弁体(l)の内側に膨張室(m)が形成されている。このため、例えば、室内熱交換器(h)で凝縮された高圧液冷媒が膨張室(m)内へ導入されると、この高圧液冷媒は膨張室(m)で減圧され、低圧二相冷媒として導出される。この高圧液冷媒は、上述した高圧ガス冷媒(P)よりも低圧であって、低圧ガス冷媒よりも高圧である。つまり、弁体(l)の外側に存在する高圧ガス冷媒(P)と、弁体(l)の内側に存在する高圧液冷媒との差圧が小さいため、弁体(l)と弁本体(n)との密着性が確保できず、その結果、弁体(l)の外部の冷媒が膨張室(m)の内部に漏れるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、流量制御弁において、弁体から流体が漏れるのを確実に防止することを目的とする。
第1の発明は、複数の弁孔(A,B)と、該弁孔(A,B)の周囲に弁座部(41a)とが形成された弁本体(41)と、高圧流体が流れる空間に設けられ、上記可動弁体(42)が所定の軸心周りに回転して上記複数の弁孔(A,B)間の連通状態を制御する可動弁体(42)と、上記可動弁体(42)の上記弁座部(41a)との接触面に形成され、上記高圧の流体よりも低圧の流体が流れる流体溝(62,63)と、上記弁座部(41a)に形成され、上記流体溝(62,63)に連通し、且つ該流体溝(62,63)に上記低圧の流体を供給する流体供給孔(61)とを備えている。
上記第1の発明では、高圧流体の流れる空間中に設けられた可動弁体(42)が、所定の軸心周りに回転することによって、弁本体(41)に形成された複数の弁孔(A,B)間の連通状態を制御している。つまり、可動弁体(42)の回転によって、各弁孔(A,B)を流れる流体を制御している。可動弁体(42)は、弁座部(41a)を介して弁本体(41)に取り付けられている。可動弁体(42)は、高圧流体の圧力によって弁座部(41a)に押し当てられている。
可動弁体(42)には、弁座部(41a)との接触面に流体溝(62,63)が形成されている。低圧の流体は流体供給孔(61)から流体溝(62,63)へ流れる。流体溝(62,63)に低圧の流体が流れると、可動弁体(42)と弁座部(41a)との吸着力(F)が高まる。また、可動弁体(42)の弁座部(41a)との接触面に流体溝(62,63)を形成することで、両部材の接触面積が減少する。これらにより、可動弁体(42)と弁座部(41a)との間の面圧(P1)を高くなり、可動弁体(42)と弁座部(41a)との密着性が高まる。この結果、両部材(42,41a)間が密閉される。
第2の発明は、上記第1の発明において、圧縮機(12)と、凝縮器(14,18)と、膨張機構(14,17)と、蒸発器(18,14)とを有する熱媒回路(11)に接続される一方、上記弁本体(41)に形成され、上記弁座部(41a)の流体供給孔(61)と上記熱媒回路(11)の圧縮機(12)の吸入側とを繋ぐ流体通路(64)を備えている。
上記第2の発明では、熱媒回路(11)内を流体が循環する。循環する流体は、圧縮機(12)で圧縮され、凝縮器(14,18)で放熱し、膨張機構(14,17)で減圧して蒸発器(18,14)で吸熱して再び圧縮機(12)へ戻る。圧縮機(12)に吸入される流体は圧縮前であるため、その圧力は低くなる。
圧縮機(12)の吸入側を流れる流体の一部は、流体通路(64)を流れ、流体供給孔(61)から流体溝(62,63)へ流入する。低圧流体が流体溝(62,63)を流れると、可動弁体(42)と弁座部(41a)との吸着力(F)が高まる。また、可動弁体(42)の弁座部(41a)との接触面に流体溝(62,63)を形成することで、両部材の接触面積が減少する。これらにより、可動弁体(42)と弁座部(41a)との間の面圧(P1)を高くなり、可動弁体(42)と弁座部(41a)との密着性が高まる。この結果、両部材(42,41a)間が密閉される。
上記第1の発明によれば、可動弁体(42)に流体溝(62,63)を形成したため、可動弁体(42)と弁座部(41a)との接触面積(S)を減少させることができる。また、流体溝(62,63)に低圧の流体を供給するようにしたため、可動弁体(42)と弁座部(41a)との吸着力(F)を増加させることができる。これらにより、可動弁体(42)と弁座部(41a)との間の接触面の面圧(P1)を高くすることができるため、可動弁体(42)と弁座部(41a)との密着性が高められ、両部材(42,41a)間を密閉することができる。この結果、可動弁体(42)の外部から内部に高圧の流体が流入するのを確実に防止することができる。
上記第2の発明によれば、流体通路(64)を設けたため、圧縮機(12)の吸入側の流体を流体溝(62,63)へ供給することができる。つまり、熱媒回路(11)を流れる流体のうち低圧の流体を流体溝(62,63)へ供給することができる。このため、可動弁体(42)と弁座部(41a)との間の吸着力(F)を増加させることができる。これにより、可動弁体(42)と弁座部(41a)との間の接触面圧(P1)を高くすることができるため、可動弁体(42)と弁座部(41a)との密着性が高められ、両部材(42,41a)間を密閉することができる。この結果、可動弁体(42)の外部から内部に高圧の流体が流入するのを確実に防止することができる。
実施形態に係る冷媒回路を示す配管系統図である。 (A)は、実施形態に係る複合弁の縦断面構造の正面図であり、(B)は、実施形態に係る複合弁の縦断面構造の斜視図である。 実施形態に係る複合弁の構造を示す分解図である。 実施形態に係る第1固定弁体と第1可動弁体の構成を示す平面図である。 (A)及び(B)は、実施形態に係る膨張弁用溝と開閉弁用溝と接続ポートとの関係を示す模式図である。 実施形態に係る第2可動弁体の構造を示す図である。 (A)は膨張弁用溝の周辺構造を示す図であり、(B)は開閉弁用溝の周辺構造を示す図である。 実施形態に係る複合弁の要部の縦断面構造の斜視図である。 実施形態に係る室外側膨張弁の構造を模式的に表した図である。 実施形態に係る第2可動弁体と接続ポートとの関係を模式的に表した図である。 従来例に係る冷媒回路を示す配管系統図である。 従来例に係る四路切換弁の構造を模式的に表した図である。 従来例に係る電子膨張弁の構造を模式的に表した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈概要〉
本発明の実施形態として、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和機(冷凍装置)の例を説明する。この空気調和機は、冷媒回路において冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。図1は、本発明の実施形態に係る空気調和機(10)における冷媒回路(11)の冷媒配管系統図である。同図に示すように、冷媒回路(11)は、圧縮機(12)、四路切換弁(13)、室外熱交換器(14)、室外側膨張弁(15)、開閉弁(16)、室内側膨張弁(17)、及び室内熱交換器(18)を備えている。この冷媒回路(11)は、本発明に係る熱媒回路を構成するものである。そして、本実施形態では、四路切換弁(13)、室外側膨張弁(15)、及び開閉弁(16)が一体化されて複合弁(30)として形成されている。尚、圧縮機(12)、室外熱交換器(14)、及び複合弁(30)は室外機(19)に収容され、室内熱交換器(18)と室内側膨張弁(17)は室内機(20)に収容されている。この室外機(19)と室内機(20)は連絡配管で接続されている。以下では、はじめに冷媒回路(11)の各構成要素について概説し、その後に複合弁(30)の構成について説明する。尚、以下の説明において、四路切換弁(13)、室外側膨張弁(15)、開閉弁(16)等の弁についての「連通状態の制御」とは、接続ポートの接続関係を切り換える制御、弁を開状態及び閉状態の2段階に制御、流体の流量を連続的に変更する制御等の種々の制御を含む概念である。尚、室内熱交換器(18)は、本発明に係る蒸発器又は凝縮器を構成し、室外熱交換器(14)は、本発明に係る凝縮器又は蒸発器を構成し、室外側膨張弁(15)は、本発明に係る流量制御弁を構成している。また、室外側膨張弁(15)及び室内側膨張弁(17)は、本発明に係る膨張機構を構成している。
《圧縮機(12)、各熱交換器(14,18)》
本実施形態の圧縮機(12)は、電動式のスクロール式圧縮機である。尚、圧縮機(12)には、スクロール式圧縮機に限らず種々の形式の圧縮機(例えば、ロータリー式圧縮機)を採用できる。また、室外熱交換器(14)および室内熱交換器(18)は、この空気調和機(10)では、クロス・フィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器を採用している。室外熱交換器(14)では、冷媒回路(11)を循環する冷媒が、室外ファン(図示は省略)により取り込まれた室外空気と熱交換する。また、室内熱交換器(18)では、冷媒回路(11)を循環する冷媒が、室内ファン(図示は省略)によって取り込まれた室内空気と熱交換する。
《四路切換弁(13)》
四路切換弁(13)は、空気調和機(10)の運転状態を冷房運転と暖房運転の何れかに切り換える際に使用する弁である。この四路切換弁(13)は、配管を接続する4つの接続ポート(C,D,E,S)を備えている。そして、四路切換弁(13)は、接続ポート(C,D)が互いに連通し、且つ接続ポート(E,S)が互いに連通する第1の連通状態と、接続ポート(D,E)が互いに連通し、且つ接続ポート(C,S)が互いに連通する第2の連通状態の2段階に切り換えられるようになっている。
この空気調和機(10)では、接続ポート(C)は、室外熱交換器(14)の一端に接続され、接続ポート(D)は、圧縮機(12)の吐出ポートと接続されている。また、接続ポート(E)は、室内熱交換器(18)の一端に接続され、接続ポート(S)は、圧縮機(12)の吸入ポートに接続されている。そして、空気調和機(10)で冷房運転が行われる場合に第1の連通状態に切り換えられ、暖房運転が行われる場合に第2の連通状態に切り換えられる。
《室外側膨張弁(15)、室内側膨張弁(17)、開閉弁(16)》
室外側膨張弁(15)は、冷媒回路(11)における冷媒の流量を調整する弁であり、開度調整を連続的に行えるようになっている。この室外側膨張弁(15)は、暖房運転が行われる際の流量調整に主に使用される。なお、この例の室外側膨張弁(15)は、複合弁(30)として形成されているが、従来の空気調和機ではこの部位には、開度調整を連続的に行える、いわゆる電動弁が採用されることが多い。
また、開閉弁(16)は、全開状態と全閉状態の2段階に切り換え可能な弁である。開閉弁(16)は、室外側膨張弁(15)と並列に接続されている。開閉弁(16)も複合弁(30)として形成されているが、従来の空気調和機ではこの部位には、いわゆる電磁弁が採用されることが多い。冷媒回路(11)においては、室外側膨張弁(15)と開閉弁(16)とは、室外熱交換器(14)の一端(四路切換弁(13)とは反対側)と、室内側膨張弁(17)の一端とにそれぞれ接続されている。
また、室内側膨張弁(17)も、冷媒回路(11)における冷媒の流量を調整する弁であり、一端が室内熱交換器(18)に接続されている。この室内側膨張弁(17)は、冷房運転が行われる際の冷媒の流量調整に主に使用される。そのため室内側膨張弁(17)は、開度調整を連続的に行えるようになっており、具体的には電動弁を採用している。
《複合弁(30)の構成》
図2は、本実施形態に係る複合弁(30)の縦断面構造を示す図であって、(A)はその正面図であり、(B)はその斜視図である。図3は、複合弁(30)を分解した分解図である。この例では、複合弁(30)は、第1固定弁体(31)と第2固定弁体(41)と第1可動弁体(33)と第2可動弁体(42)とケーシング(50)とで構成されている。
上記ケーシング(50)は、密閉ドーム型の圧力容器である。ケーシング(50)の内部には、第1固定弁体(31)、第2固定弁体(41)、第1可動弁体(33)、及び第2可動弁体(42)とが収容されている。また、ケーシング(50)には、第1可動弁体(33)及び第2可動弁体(42)を駆動するためのモータ(52)が収容され、このモータ(52)は、駆動軸(51)を介して第1可動弁体(33)及び第2可動弁体(42)に接続されている。
この複合弁(30)は、既述の通り、四路切換弁(13)、室外側膨張弁(15)、及び開閉弁(16)を一体化したものであり、第1可動弁体(33)と第1固定弁体(31)とで四路切換弁(13)の機能を果たすロータリー弁を構成し、第2可動弁体(42)と第2固定弁体(41)とで、室外側膨張弁(15)及び開閉弁(16)の機能を果たすロータリー弁を構成している。以下では、これらの構成要素について説明する。
〈第1固定弁体(31)〉
図4は、第1固定弁体(31)と第1可動弁体(33)の構成を示す平面図である。第1固定弁体(31)は、円盤状の形態をしていて、ケーシング(50)内に固定されている(図2を参照)。図4に示すように、この第1固定弁体(31)には、四路切換弁(13)用の4つの接続ポート(C,D,E,S)が形成されている。
これらの接続ポート(C,D,E,S)は、何れも同一直径の円形穴であり、第1固定弁体(31)の外周縁の近傍に配置されている。詳しくは、これらの接続ポート(C,D,E,S)は、同一の仮想円上に、それぞれの穴中心が位置するように、所定の角度間隔(α)で配置されている。この例では、接続ポート(C,D,E,S)は、α=90°である。そして、第1固定弁体(31)は、前記仮想円の中心が駆動軸(51)の軸心と一致するように、ケーシング(50)内に固定されている。
〈第1可動弁体(33)〉
第1可動弁体(33)は、平面形状が扇形(この例では概ね半円形)をしていて、第1固定弁体(31)の上面(図4における上)側に該第1固定弁体(31)と摺接するように配置される一方、第2固定弁体(41)の下面側に該第2固定弁体(41)と摺接するように配置されている(図2参照)。つまり、第1可動弁体(33)は、第1固定弁体(31)と第2固定弁体(41)とに挟まれて設置されている。第1可動弁体(33)の中心(M)には、の駆動軸(51)が取り付けられている。これにより、第1可動弁体(33)は、モータ(52)で回転駆動されて、第1固定弁体(31)に対して回転方向に相対変位する。なお、第1固定弁体(31)には、ピン状のストッパー(32)が設けてあり、第1可動弁体(33)の回転方向位置を一定範囲に規制している。
この第1可動弁体(33)には切換弁用溝(34)が形成されている。切換弁用溝(34)は、第1固定弁体(31)の所定の接続ポート(C,D,E,S)間の連通状態の切換に使用する。例えば、図4は、切換弁用溝(34)が接続ポート(C,S)上に位置して、接続ポート(C,S)間を連通させている状態を例示している。
接続ポート(C,S)間が連通した状態では、第1可動弁体(33)は接続ポート(C,S)にのみ重なり、接続ポート(D,E)には重ならないようになっている。これにより、接続ポート(D,E)は、ケーシング(50)内の空間に開放され、接続ポート(D,E)間は、ケーシング(50)内の空間で互いに連通する(図4参照)。すなわち、図4に示した状態は四路切換弁(13)の第2の連通状態に対応している。
この状態から、第1可動弁体(33)が時計回りに回転して、切換弁用溝(34)が接続ポート(E,S)上に来ると、該接続ポート(E,S)間が連通される。
接続ポート(E,S)間が連通した状態では、第1可動弁体(33)は、接続ポート(E,S)にのみ重なり、接続ポート(C,D)には重ならないようになっている。これにより、接続ポート(C,D)は、ケーシング(50)内の空間に開放され、接続ポート(C,D)間は、ケーシング(50)内の空間で互いに連通する。すなわち、第1の連通状態に対応している。このように、第1固定弁体(31)と第1可動弁体(33)(詳しくは切換弁用溝(34))によって、四路切換弁(13)が構成されるのである。
〈第2固定弁体(41)〉
図5(A)及び(B)は、実施形態に係る膨張弁用溝と開閉弁用溝と接続ポートとの関係を示す模式図である。図2及び図3に示すように、上記第2固定弁体(41)は、円盤状の形態をしていて、ケーシング(50)内に固定されている。尚、第2固定弁体(41)は、本発明に係る弁本体を構成している。図5に示すように、第2固定弁体(41)には、2つの接続ポート(A,B)と、低圧冷媒通路(64)が形成されている。接続ポート(A,B)は、何れも同一直径の円形穴であり、同一の仮想円上に所定の間隔で配置されている。尚、この接続ポート(A,B)は、本発明に係る弁孔を構成している。また、第2固定弁体(41)は、この仮想円の中心が駆動軸(51)の軸心上に来るように、ケーシング(50)に取り付けられている。第2固定弁体(41)には、図3に示すように、第2可動弁体(42)との接触部分に弁座(41a)が形成されている。
上記弁座(41a)は、本発明に係る弁座部を構成している。弁座(41a)は、接続ポート(A,B)の周囲で、且つ第2可動弁体(42)と第2固定弁体(41)との間に形成されている。尚、弁座(41a)には後述する導入ポート(61)が形成されている。
上記導入ポート(61)は、低圧の冷媒を後述する第1冷媒溝(62)内の空間や第2冷媒溝(63)内の空間へ供給するための孔であって、本発明に係る流体供給孔を構成するものである。導入ポート(61)は、第1冷媒溝(62)及び第2冷媒溝(63)の溝幅と同じ、若しくはやや小さめに形成されている。
また、導入ポート(61)は、弁座(41a)において第1冷媒溝(62)の長辺側で、且つ外側の溝中心の円弧と同曲率且つ同心の円上に設けられている。さらに、導入ポート(61)は、第2冷媒溝(63)の長辺側で、且つ外側の溝中心の円弧と同曲率且つ同心の円上に設けられている。つまり、導入ポート(61)は、第2可動弁体(42)の回転に応じて第1冷媒溝(62)と導入ポート(61)とが重なる状態と、第2冷媒溝(63)と導入ポート(61)とが重なる状態とに切り換わる。そして、導入ポート(61)は第2固定弁体(41)に形成される低圧冷媒通路(64)に連通している。
上記低圧冷媒通路(64)は、図8に示すように、冷媒回路(11)を流れる低圧の冷媒を複合弁(30)の第1冷媒溝(62)、又は第2冷媒溝(63)によって形成される空間へ供給するための通路であって、本発明に係る流体通路に構成されている。図8は、複合弁(30)を斜め上部側から視た図である。低圧冷媒通路(64)は、内部を冷媒が流れる流体通路に形成され、第2固定弁体(41)に形成されている。低圧冷媒通路(64)は、その一端が切換弁用溝(34)内の空間に開口し、接続ポート(S)と対向する一方、他端が導入ポート(61)に連通している。上記接続ポート(S)には、冷媒回路(11)の圧縮機(12)の吸入前の低圧の冷媒が流れている。したがって、圧縮機(12)の吸入前の低圧ガス冷媒は、その一部が低圧冷媒通路(64)を流れて導入ポート(61)から第1冷媒溝(62)内の空間に導入され、残りが第2冷媒溝(63)内の空間へ導入されることになる。
〈第2可動弁体(42)〉
図6は、第2可動弁体(42)の構造を示す図である。第2可動弁体(42)は、平面形状が扇形(この例では概ね半円形)をしていて、第2固定弁体(41)の上面(図2の(A)における上部)側に該第2固定弁体(41)と摺接するように配置されている。尚、第2可動弁体(42)は、本発明に係る可動弁体を構成している。第2可動弁体(42)の中心には駆動軸(51)が取り付けられている。これにより、第2可動弁体(42)は、モータ(52)で回転駆動されて、第2固定弁体(41)に対して回転方向に相対変位する。すなわち、第2可動弁体(42)は第1可動弁体(33)と一体的に回転駆動される。第2可動弁体(42)は、その回転に応じて第2固定弁体(41)との接触位置が変化する。この第2可動弁体(42)は、高圧冷媒が流れるケーシング(50)内に設けられている。つまり、第2可動弁体(42)は、高圧冷媒による圧力によって弁座(41a)に対して押し当てられている。第2可動弁体(42)には、上述した膨張弁用溝(45)と開閉弁用溝(43)が形成される一方、膨張弁用溝(45)の周囲に第1冷媒溝(62)が形成され、開閉弁用溝(43)の周囲に第2冷媒溝(63)が形成されている。
開閉弁用溝(43)は、接続ポート(A,B)とともに開閉弁(16)を構成し、膨張弁用溝(45)は、接続ポート(A,B)とともに室外側膨張弁(15)を構成している。以下、開閉弁用溝(43)と膨張弁用溝(45)と第1冷媒溝(62)と第2冷媒溝(63)について説明する。
-開閉弁用溝(43)-
開閉弁用溝(43)は、平面形状が円弧状で幅が一定の溝である。複合弁(30)では、第1可動弁体(33)が第1の連通状態の位置に設定されると、第2可動弁体(42)では開閉弁用溝(43)が接続ポート(A,B)に対向して接続ポート(A,B)間を連通させるようになっている。具体的には本実施形態では、以下のように開閉弁用溝(43)の位置や幅が設定されている。
すなわち、開閉弁用溝(43)は、その溝中心を通る円弧(以下、中心円弧という。図5を参照)が、接続ポート(A,B)の位置を定める仮想円(前述)と同曲率かつ同心に設定されている。そして、開閉弁用溝(43)の溝幅は、接続ポート(A,B)の穴径と同じ、若しくはやや大きめに設定されている。また、開閉弁用溝(43)の中心円弧長、すなわち中心円弧の中心角は、接続ポート(A,B)の間隔に合わせてある。そして、第2可動弁体(42)と第2固定弁体(41)は、四路切換弁(13)が第1連通状態の場合に開閉弁用溝(43)が接続ポート(A,B)と対向するように、回転方向の相対位置を設定してある。
上記構成により、四路切換弁(13)が第1連通状態の場合に、接続ポート(A,B)間が連通状態になり、その他の場合には接続ポート(A,B)は開閉弁用溝(43)では連通しない。すなわち、第2可動弁体(42)(開閉弁用溝(43))と第2固定弁体(41)とによって、接続ポート(A,B)を開閉制御する開閉弁(16)が構成されている。
-膨張弁用溝(45)-
膨張弁用溝(45)は、その長さ方向に向かって幅が変化する溝である。第1可動弁体(33)がモータ(52)で回転駆動されて、四路切換弁(13)の第2の連通状態に対応した位置に設定されると、第2可動弁体(42)ではこの膨張弁用溝(45)が接続ポート(A,B)に対向し、接続ポート(A,B)間を連通させるようになっている。
膨張弁用溝(45)は、具体的には、図5に示すように溝の中心線が円弧状であり、該円弧(以下、中心円弧という)は、開閉弁用溝(43)の中心円弧と同曲率かつ同心である。そして、膨張弁用溝(45)は、第2可動弁体(42)の変位方向(すなわち、回転方向)に沿って溝幅が漸減している。図5の例では、溝幅が最も大きい部分は接続ポート(A,B)の直径とほぼ同じ大きさである。そして、膨張弁用溝(45)の中心円弧の中心角は、接続ポート(A,B)の間隔よりも大きく設定されている。
-第1冷媒溝(62)-
第1冷媒溝(62)は、図7(A)に示すように、平面形状が略楕円状に形成された溝であって、本発明に係る流体溝を構成している。第1冷媒溝(62)は、第2可動弁体(42)のうち第2固定弁体(41)との接触面で、且つ膨張弁用溝(45)の周囲に亘って形成されている。第2可動弁体(42)では、膨張弁用溝(45)が接続ポート(A,B)に対向すると、第1冷媒溝(62)が導入ポート(61)に対向して低圧冷媒通路(64)と連通するよう構成されている。第1冷媒溝(62)は、その長辺に沿って形成される溝の中心線が円弧状に形成されており、該円弧は、接続ポート(A,B)の位置を定める仮想円(前述)と同心に設定されている。第1冷媒溝(62)の溝幅は、導入ポート(61)の穴径と同じ、若しくはやや大きめに設定されている。そして、第2可動弁体(42)と第2固定弁体(41)と弁座(41a)は、四路切換弁(13)が第2の連通状態に設定された場合に第1冷媒溝(62)が導入ポート(61)と対向するように、回転方向の相対位置を設定してある。
-第2冷媒溝(63)-
第2冷媒溝(63)は、図7(B)に示すように、平面形状が略楕円状に形成された溝であって、本発明に係る流体溝を構成している。第2冷媒溝(63)は、第2可動弁体(42)のうち第2固定弁体(41)との接触面で、且つ開閉弁用溝(43)の周囲に亘って形成されている。第2可動弁体(42)では、開閉弁用溝(43)が接続ポート(A,B)に対向すると、第2冷媒溝(63)が導入ポート(61)に対向して低圧冷媒通路(64)と連通するよう構成されている。第2冷媒溝(63)は、その長辺に沿って形成される溝の中心線は円弧状に形成されており、該円弧は、接続ポート(A,B)の位置を定める仮想円(前述)と同心に設定されている。第2冷媒溝(63)の溝幅は、導入ポート(61)の穴径と同じ、若しくはやや大きめに設定されている。そして、第2可動弁体(42)と第2固定弁体(41)と弁座(41a)は、四路切換弁(13)が第1の連通状態に設定された場合に、第2冷媒溝(63)が導入ポート(61)と対向するように、回転方向の相対位置を設定してある。
以上より、モータ(52)により駆動軸(51)が回転すると、第2可動弁体(42)が回転し、回転に伴って膨張弁用溝(45)と開閉弁用溝(43)の位置が変わることで接続ポート(A,B)の連通状態が切り換わる。そして、膨張弁用溝(45)が接続ポート(A,B)と対向すると、第1冷媒溝(62)内の空間が導入ポート(61)と対向し、低圧冷媒通路(64)と連通する。また、開閉弁用溝(43)が接続ポート(A,B)と対向すると、第2冷媒溝(63)内の空間が導入ポート(61)と対向し、低圧冷媒通路(64)と連通する。
第2可動弁体(42)の周囲(図2において、第2固定弁体(41)とケーシング(50)とによって囲まれる空間)には、圧縮機(12)で圧縮された高圧ガス冷媒が流れている。このため、第2可動弁体(42)は、ケーシング(50)内の高圧冷媒の圧力と、第2可動弁体(42)の内部の冷媒との差圧によって第2固定弁体(41)の弁座(41a)に対して押し当てられている。
次に、第2可動弁体(42)からの冷媒の漏れについて説明する。この冷媒の漏れとは、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との間から、ケーシング(50)の外部の高圧ガス冷媒が第2可動弁体(42)の内部に入り込むことをいう。
まず、暖房運転時における室外側膨張弁(15)について説明する。図9は、室外側膨張弁(15)の構造を模式的に表した図である。暖房運転時(四路切換弁(13)は第2の連通状態)には、第2可動弁体(42)の膨張弁用溝(45)には、室内熱交換器(18)を流出した高圧の液冷媒が接続ポート(A)から流れ込む。そして、第2可動弁体(42)の内部で液冷媒は減圧されて接続ポート(B)から流出する。このとき、第2可動弁体(42)の外部の高圧ガス冷媒と膨張弁用溝(45)内の高圧液冷媒との間の差圧は小さくなる。
ところが、四路切換弁(13)が第2の連通状態に設定されると、第1冷媒溝(62)内の空間へ低圧ガス冷媒が導入されるため、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触面に低圧ガス冷媒が介在することになる。
図10に示すように、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との間からの冷媒の漏れは、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触面の圧力(面圧(P1))が、第2可動弁体(42)の外部の高圧ガス冷媒の圧力と内部の低圧液冷媒の圧力との差圧(P2)以上の関係(P1≧P2)となることで防止することができる。
上記面圧(P1)は、第2可動弁体(42)を弁座(41a)に対して押し当てる力(吸着力(F))を第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触面積(S)で割ること(P1=F/S)で求めることができる。つまり、吸着力(F)を高くする、又は接触面積(S)を小さくすることで面圧を高くすることができる。
上記吸着力(F)は、第2可動弁体(42)の内部の低圧液冷媒(接続ポート(B)に存在する低圧液冷媒)と、第1冷媒溝(62)の内部に供給された低圧ガス冷媒とによって第2可動弁体(42)を弁座(41a)に吸着する力である。したがって、吸着力(F)は、第2可動弁体(42)の外部の高圧ガス冷媒の圧力と、第2可動弁体(42)の膨張弁用溝(45)内の空間の低圧液冷媒との差圧、接続ポート(B)の径、又は第1冷媒溝(62)の溝幅を大きくするのに伴って高くなる。
上記接触面積(S)は、第1冷媒溝(62)の溝幅を大きくするのに伴って小さくなる。
以上より、第1冷媒溝(62)を形成し、溝幅を変更し、吸着力(F)と接触面積(S)を調整することで面圧(P1)と差圧(P2)との関係(P1≧P2)を満たすことができる。これにより、第2可動弁体(42)の外部の高圧ガス冷媒が、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触部分から膨張弁用溝(45)内の空間へ流入するのを防止することができる。
次に、冷房運転時における開閉弁(16)について説明する。冷房運転時(四路切換弁(13)は第1の連通状態)における開閉弁(16)では、図示はしないが、第2可動弁体(42)の開閉弁用溝(43)に室外熱交換器(14)を流出した高圧の液冷媒が流れ込む。このとき、第2可動弁体(42)の外部の高圧ガス冷媒と開閉弁用溝(43)内の高圧液冷媒との間の差圧は小さくなる。ところが、四路切換弁(13)が第1の連通状態に設定されると、第2冷媒溝(63)内の空間へ低圧ガス冷媒が導入されるため、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触面に低圧ガス冷媒が存在することになる。
図示はしないが、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との間からの冷媒の漏れは、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触面の圧力(面圧(P1))が、第2可動弁体(42)の外部の高圧ガス冷媒の圧力と内部の低圧液冷媒との差圧(P2)以上の関係(P1≧P2)となることで防止することができる。
上記面圧(P1)は、第2可動弁体(42)を弁座(41a)に対して押し当てる力(吸着力(F))を第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触面積(S)で割ること(P1=F/S)で求めることができる。つまり、吸着力(F)を高くする、又は接触面積(S)を小さくすることで面圧(P1)を高くすることができる。
上記吸着力(F)は、第2可動弁体(42)の内部の低圧液冷媒(接続ポート(B)に存在する低圧液冷媒)と、第2冷媒溝(63)の内部に供給された低圧ガス冷媒とによって第2可動弁体(42)を弁座(41a)に吸着する力である。したがって、吸着力(F)は、第2可動弁体(42)の外部の高圧ガス冷媒と、第2可動弁体(42)の開閉弁用溝(43)内の空間の低圧液冷媒との差圧、接続ポート(B)の径、又は第2冷媒溝(63)の溝幅を大きくするのに伴って高くなる。
上記接触面積(S)は、第2冷媒溝(63)の溝幅を大きくするのに伴って小さくなる。
以上より、第2冷媒溝(63)を形成し、溝幅を変更し、吸着力(F)と接触面積(S)を調整することで面圧(P1)と差圧(P2)との関係(P1≧P2)を満たすことができる。これにより、第2可動弁体(42)の外部の高圧ガス冷媒が、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触部分から開閉弁用溝(43)内の空間へ流入するのを防止することができる。
《空気調和機(10)の運転動作》
〈冷房運転〉
空気調和機(10)で冷房運転を行う場合には、四路切換弁(13)を第1の連通状態(図1に実線で示す状態)に切り換える。また、開閉弁(16)を開状態にする。このとき、室外側膨張弁(15)は閉状態になる。
すなわち、この空気調和機(10)において、四路切換弁(13)を第1の連通状態に設定するには、第1可動弁体(33)の切換弁用溝(34)で接続ポート(E,S)間が連通し、かつ開閉弁(16)の開閉弁用溝(43)で接続ポート(A,B)間が連通するようにモータ(52)を制御する。このとき、室外側膨張弁(15)を構成する膨張弁用溝(45)は、接続ポート(A,B)からは外れた位置に来る。すなわち、複合弁(30)では、冷媒は室外側膨張弁(15)を通過することなく、開閉弁(16)を通過する。この空気調和機(10)では、開閉弁(16)を設けて、これを冷房運転時に開状態にすることで、冷房運転時に室外側膨張弁(15)が冷媒の流通の抵抗になるのを防止しているのである。
このとき、第2可動弁体(42)では、第2冷媒溝(63)と導入ポート(61)が対向し、低圧冷媒通路(64)と連通させるようになっている。つまり、接続ポート(S)を流れる低圧ガス冷媒は、低圧冷媒通路(64)を流れて導入ポート(61)から第2冷媒溝(63)へ導入される。
そして、この空気調和機(10)では、空気調和機(10)が発揮すべき能力に応じて、室内側膨張弁(17)の開度を調整する。この状態で圧縮機(12)を運転すると、冷媒回路(11)では、室外熱交換器(14)、室内側膨張弁(17)、室内熱交換器(18)の順に冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。詳しくは、圧縮機(12)が吐出した冷媒は四路切換弁(13)を介して室外熱交換器(14)に流入する。室外熱交換器(14)へ流入した冷媒は、室外空気へ放熱して凝縮し、開閉弁(16)を介して室内側膨張弁(17)に流入する。その冷媒は、室内側膨張弁(17)を通過する際に減圧され、室内熱交換器(18)へ流入する。室内熱交換器(18)へ流入した冷媒は、室内熱交換器(18)から吸熱して蒸発する。これにより室内機(20)では、室内熱交換器(18)で冷媒によって冷却された室内空気を室内へ供給する。そして、室内熱交換器(18)で蒸発した冷媒は、四路切換弁(13)を通って圧縮機(12)へ吸入される。圧縮機(12)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。以下、同様の動作が繰り返されて室内の冷房が行われる。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、四路切換弁(13)が第2の連通状態(図1に破線で示す状態)に切り換えられる。また、空気調和機(10)が発揮すべき能力に応じて、室外側膨張弁(15)の開度を調整する。このとき開閉弁(16)は、閉状態になる。また、室内側膨張弁(17)は全開状態にしておく。
すなわち、この空気調和機(10)において、四路切換弁(13)を第2の連通状態に設定するには、モータ(52)で第1可動弁体(33)を、接続ポート(C,S)間が連通する位置に回転駆動させる。この第1可動弁体(33)の回転に伴って第2可動弁体(42)も一体的に回転し、第2可動弁体(42)の膨張弁用溝(45)が接続ポート(A,B)に対向する。これにより、接続ポート(A,B)間は膨張弁用溝(45)で連通させられる。つまり、接続ポート(A,B)間は室外側膨張弁(15)によって連通する。このとき、第2可動弁体(42)の開閉弁用溝(43)は、接続ポート(A,B)からは外れた位置に来る。すなわち、複合弁(30)では、冷媒は開閉弁(16)を通過することなく室外側膨張弁(15)側を通過する。
このとき、第2可動弁体(42)では、第1冷媒溝(62)と導入ポート(61)が対向し、低圧冷媒通路(64)と連通させるようになっている。つまり、接続ポート(S)を流れる低圧ガス冷媒は、低圧冷媒通路(64)を流れて導入ポート(61)から第1冷媒溝(62)へ導入される。
そして、この状態で圧縮機(12)を運転すると、冷媒回路(11)では、室内熱交換器(18)、室内側膨張弁(17)(全開状態)、室外側膨張弁(15)、室外熱交換器(14)の順に冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。詳しくは、圧縮機(12)から吐出された冷媒は、四路切換弁(13)を介して室内熱交換器(18)へ流入する。室内熱交換器(18)へ流入した冷媒は、室内空気へ放熱して凝縮する。これにより、室内機(20)では、室内熱交換器(18)で冷媒によって加熱された室内空気を室内へ供給する。室内熱交換器(18)で凝縮した冷媒は、全開状態の室内側膨張弁(17)を通過し、室外側膨張弁(15)へ送られる。そして、冷媒は室外側膨張弁(15)を通過する際に減圧され、室外熱交換器(14)へ流入する。室外熱交換器(14)へ流入した冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、四路切換弁(13)を通って圧縮機(12)へ吸入される。圧縮機(12)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。以下、同様の動作が繰り返されて室内の暖房が行われる。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、第2可動弁体(42)に第1冷媒溝(62)、及び第2冷媒溝(63)を形成したため、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との接触面積(S)を減少させることができる。また、第1冷媒溝(62)、又は第2冷媒溝(63)に低圧のガス冷媒を供給するようにしたため、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との吸着力(F)を増加させることができる。これらにより、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との間の接触面の面圧(P1)を高くすることができるため、第2可動弁体(42)と弁座(41a)との密着性が高められ、両部材(42,41a)の間を密閉することができる。この結果、第2可動弁体(42)の外部から内部に高圧ガス冷媒が流入するのを確実に防止することができる。
また、低圧冷媒通路(64)を設けたため、圧縮機(12)の吸入側の低圧ガス冷媒を第1冷媒溝(62)又は第2冷媒溝(63)へ供給することができる。つまり、冷媒回路(11)を流れる冷媒のうち低圧ガス冷媒を第1冷媒溝(62)、又は第2冷媒溝(63)へ供給することができる。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、低圧冷媒通路(64)を第2固定弁体(41)に形成したが、低圧冷媒通路は、別途配管等を用いて構成してもよい。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、流量制御弁における冷媒の漏れ防止対策について有用である。
11 冷媒回路
12 圧縮機
14 室外熱交換器
15 室外側膨張弁
17 室内側膨張弁
18 室内熱交換器
41 第2固定弁体
42 第2可動弁体
61 導入ポート
62 第1冷媒溝
63 第2冷媒溝
64 低圧冷媒通路

Claims (2)

  1. 複数の弁孔(A,B)と、該弁孔(A,B)の周囲に弁座部(41a)とが形成された弁本体(41)と、
    高圧流体が流れる空間に設けられ、所定の軸心周りに回転して上記複数の弁孔(A,B)間の連通状態を制御する可動弁体(42)と、
    上記可動弁体(42)の上記弁座部(41a)との接触面に形成され、上記高圧の流体よりも低圧の流体が流れる流体溝(62,63)と、
    上記弁座部(41a)に形成され、上記流体溝(62,63)に連通し、且つ該流体溝(62,63)に上記低圧の流体を供給する流体供給孔(61)とを備えている
    ことを特徴とする流量制御弁。
  2. 請求項1において、
    圧縮機(12)と、凝縮器(14,18)と、膨張機構(14,17)と、蒸発器(18,14)とを有する熱媒回路(11)に接続される一方、
    上記弁本体(41)に形成され、上記弁座部(41a)の流体供給孔(61)と、上記熱媒回路(11)の圧縮機(12)の吸入側とを繋ぐ流体通路(64)を備えている
    ことを特徴とする流量制御弁。
JP2009259993A 2009-11-13 2009-11-13 流量制御弁 Pending JP2011106702A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009259993A JP2011106702A (ja) 2009-11-13 2009-11-13 流量制御弁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009259993A JP2011106702A (ja) 2009-11-13 2009-11-13 流量制御弁

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011106702A true JP2011106702A (ja) 2011-06-02

Family

ID=44230371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009259993A Pending JP2011106702A (ja) 2009-11-13 2009-11-13 流量制御弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011106702A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019053876A1 (ja) * 2017-09-15 2019-03-21 三菱電機株式会社 空気調和装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019053876A1 (ja) * 2017-09-15 2019-03-21 三菱電機株式会社 空気調和装置
JPWO2019053876A1 (ja) * 2017-09-15 2020-04-02 三菱電機株式会社 空気調和装置
CN111051786A (zh) * 2017-09-15 2020-04-21 三菱电机株式会社 空调装置
US11371755B2 (en) 2017-09-15 2022-06-28 Mitsubishi Electric Corporation Air-conditioning apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108431527B (zh) 空气调节装置
JP5389570B2 (ja) 多方切換弁
WO2012008148A1 (ja) 冷媒流路切換ユニット
WO2019003291A1 (ja) 空気調和装置
JP2007239666A (ja) 冷凍装置
US9234684B2 (en) Refrigerant passage change-over valve and air conditioner using the same
JP2006071174A (ja) 冷凍装置
JP4096544B2 (ja) 冷凍装置
WO2017085888A1 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2011133133A (ja) 冷凍装置
JP5962143B2 (ja) 冷凍装置
JP6628864B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP5316345B2 (ja) 流量制御弁
WO2020141582A1 (ja) 空気調和機及び流路切換弁
WO2018055740A1 (ja) 熱交換器および冷凍サイクル装置
JP2015218894A (ja) 流路切換弁及び空気調和装置
JP2011106702A (ja) 流量制御弁
JP2006266652A (ja) 冷凍装置
JP5391971B2 (ja) 複合弁及び冷凍装置
JP2011094768A (ja) 切換弁、及び四方切換弁
JP2007147232A (ja) 冷凍装置
JP5310242B2 (ja) 分流器及び冷凍装置
JP2015218893A (ja) 流路切換弁及び空気調和装置
JP2013147973A (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP5321055B2 (ja) 冷凍装置