JP5391971B2 - 複合弁及び冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の弁が一体的に形成された複合弁、及びそれを用いた冷凍装置に関するものである。
空気調和機などの冷凍装置では、膨張弁や四路切換弁を一体的に形成した複合弁を用いて冷媒回路を構成する場合がある。この複合弁は、1つのモータで両方の弁を制御できると、小型化やコスト削減などを期待できるが、例えば空気調和機では、四路切換弁を所定の状態に維持しておいて、膨張弁のみを制御したい場合があり、共通のモータで両者を駆動するのは難しい。これに対しては、一方の弁の駆動中に他方の弁にモータの駆動力を伝えないようにモータの伝動を遮断する遊び機構を設けたものがある(例えば特許文献1、2を参照)。例えば特許文献1の例では、モータの動力を伝える出力軸に四路切換弁の弁体を回転フリーに取り付けておいて、該出力軸で膨張弁の弁体を回転駆動し、出力軸のある回転範囲において膨張弁の弁体が四路切換弁の弁体に当接して流路を切り換えるようにしている。この例では、膨張弁と四路切換弁とが当接しない回転範囲で、膨張弁による流量制御を行っている。また、特許文献2の例では、駆動側の軸が所定回数だけ回転した後に作用するストッパーを設けている。
特開2002−5543号公報 特開平9−79409号公報
しかしながら、特許文献1、2のように、伝動を遮断する遊び機構を設けたのでは、部品点数の大幅な増大が懸念される上、弁の正確な位置決めが難しくなる。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、1つの駆動機構で複合弁を制御しつつ、部品点数の増大を抑えるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
複数の接続ポート(A,…,E,S)が形成された固定弁体(101,102)と、前記固定弁体(101,102)に対して相対変位して前記接続ポート(A,…,E,S)間の連通状態を制御する可動弁体(103,104)とをそれぞれ有した第1弁(13)、及び第2弁(15,16)を備えた複合弁であって、
それぞれの可動弁体(103,104)を一体化して共通に駆動する駆動機構(105,106)を備え、
それぞれの可動弁体(103,104)には、それぞれの可動弁体(103,104)の変位に応じて、前記接続ポート(A,…,E,S)上を移動して移動先の接続ポート(A,…,E,S)間を連通する連通溝(103a,104b)が形成され、
前記第1弁(13)は、前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)の移動に伴って該第1弁(13)の可動弁体(103)が移動しても、該第1弁(13)の可動弁体(103)に形成された連通溝(103a)が、該連通溝(103a)によって連通させるべき接続ポート(A,…,E,S)上に在って連通状態を維持するように形成されていることを特徴とする。
この構成では、第1、及び第2弁(13,15,16)の連通状態を制御する場合には、両方の可動弁体(103,104)が一体的に駆動される。すなわち、本発明には、従来の複合弁に設けられていたような伝動を遮断する遊び機構が存在しない。例えば、この複合弁の第2弁(15,16)で制御を行うと、第1弁側でも可動弁体(103)が動作する。実施形態では後述するように、この第1弁(13)は所定の連通状態を維持する可動弁体(103,104)の位置に所定の許容幅(β2)があり、この許容幅(β2)は、第2弁(15,16)で制御を行う場合の変位範囲(β)以上の幅である。したがって、上記許容幅(β2)の範囲内で第2弁(15,16)の制御を行っても、第1弁(13)では所定の連通状態が維持される。
また、第2の発明は、
第1の発明の複合弁において、
前記駆動機構(105,106)は、それぞれの可動弁体(103,104)を回転駆動する回転機構であり、
前記第1弁(13)は、前記接続ポート(A,…,E,S)として第1,…,第4接続ポート(S,C,E,D)の4つを有し、少なくとも前記第1,…,第3接続ポート(C,E,S)が前記固定弁体(101)上の同一仮想円上に配置され、
前記第1弁(13)の可動弁体(103)の連通溝(103a)は、該可動弁体(103)の回転に応じて、前記第1、第3接続ポート(E,S)上、及び前記第1、第2接続ポート(C,S)上に移動して移動先の接続ポートを連通
前記第1弁(13)の可動弁体(103)の連通溝(103a)は、前記回転の方向の長さが前記移動先の接続ポート(C,D,E,S)間の間隔よりも大きく形成されて、前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)が移動しても、該第1弁(13)における所定の連通状態を維持し、
前記第1弁(13)は、前記第1、第3接続ポート(E,S)間を連通する第1の連通状態と、前記第1、第2接続ポート(C,S)間が連通される第2の連通状態の2段階に連通状態を制御することを特徴とする。
この構成では、第1、及び第2弁(13,15,16)は、いわゆるロータリー式の弁として構成される。そして、第1弁(13)では、可動弁体(103)の回転に応じて、第1、第3接続ポート(E,S)間を連通する第1の連通状態と、第1、第2接続ポート(C,S)間が連通される第2の連通状態の2段階に連通状態を切替えることができる。この第1弁(13)では、実施形態では後述するように、連通溝(103a)が接続ポート(C,D,E,S)同士の間隔よりも許容幅(β2)分大きく形成されているので、所定の連通状態を維持したまま可動弁体(103)を回転させて第2弁(15)の状態を変化させることができる。
また、第3の発明は、
第2の発明の複合弁において、
少なくとも前記第1弁(13)を収容する密閉容器(107)を備え、
前記第1弁(13)の可動弁体(103)の連通溝(103a)内の空間は、前記密閉容器(107)内の空間と絶縁され、
前記第2、第4接続ポート(C,D)は、前記第1の連通状態において、前記密閉容器(107)に開口して該密閉容器(107)内の空間で互いに連通し、
前記第3、第4接続ポート(D,E)は、前記第2の連通状態において、前記密閉容器(107)に開口して該密閉容器(107)内の空間で互いに連通することを特徴とする。
また、第4の発明は、
第3の発明の複合弁において、
前記第1弁(13)の可動弁体(103)は、平面形状が扇形に形成され、前記第1の連通状態において、前記4つの接続ポート(S,C,E,D)のうち前記第1、第3接続ポート(E,S)のみに重なり、前記第2の連通状態において、前記第1、第2接続ポート(C,S)のみに重なることを特徴とする。
これらの構成ではそれぞれ、第1の連通状態では、第1、第3接続ポート(E,S)間が連通するとともに、第2、第4接続ポート(C,D)間が連通する。また、第2の連通状態では、前記第1、第2接続ポート(C,S)間が連通するとともに、第3、第4接続ポート(D,E)間が連通する。すなわち、第1弁(13)は、第1,…,第4接続ポート(S,C,E,D)の4つのポート間の連通状態を制御する四路切換弁として機能する。
また、第5の発明は、
第3又は第4の発明の複合弁において、
前記第4接続ポート(D)は、前記密閉容器(107)に設けられて該密閉容器(107)内の空間に開口していることを特徴とする。
この構成では、第4接続ポート(D)を密閉容器(107)に設けてあるので、第1弁(13)の固定弁体(101)には、前記第1,…,第3接続ポート(C,E,S)の3つを設ければよい。したがって、許容幅(β2)として使用する固定弁体(101)上のスペースをより大きく確保することが可能になる。
また、第6の発明は、
第2から第5の発明のうちの何れか1つの複合弁において、
前記第1弁(13)の可動弁体(103)と前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)は、前記駆動機構(105,106)の駆動軸(105a)に直列に配置されていることを特徴とする。
この構成では、第1、及び第2弁(13,15,16)が別体で構成される。
また、第7の発明は、
第2から第5の発明のうちの何れか1つの複合弁において、
前記第1弁(13)の可動弁体(103)と前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)は、一体的に形成され、
前記第1弁(13)の固定弁体(101)と前記第2弁(15,16)の固定弁体(102)は、一体的に形成されていることを特徴とする。
この構成では、第1、及び第2弁(13,15,16)が1つのロータリー式弁として構成される。
また、第8の発明は、
第2から第7の発明のうちの何れか1つの複合弁において、
前記第2弁(15,16)の固定弁体(102)は、前記接続ポート(A,…,E,S)として該固定弁体(102)上の同一仮想円上に形成された第5、第6接続ポート(A,B)を有し、
前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)には、前記第1の連通状態において前記第5、第6接続ポート(A,B)間を連通させる第1溝(104a)と、前記第2の連通状態において、前記第5、第6接続ポート(A,B)間を連通させる第2溝(104b)が形成され、
前記第2溝(104b)は、前記第5、第6接続ポート(A,B)が配置された前記仮想円に沿って溝幅が一方向に向かって漸減していることを特徴とする。
この構成では、第2弁(15,16)の可動弁体(104)に2種類の溝(104a,104b)を設けてあるので、第5、第6接続ポート(A,B)間に、第2弁(15,16)として2種類の弁を構成することができる。そして、この発明では、第1溝(104a)は、第5、第6接続ポート(A,B)間の開閉制御を行う開閉弁(16)として機能する。一方、第2溝(104b)は、溝幅が一方向に向かって漸減するので、第5、第6接続ポート(A,B)に対する対向位置に応じて、これらの接続ポート(A,B)の開口量の調整を行える。すなわち、この場合、第2弁(15)は、連側的に流量の調整が可能な弁として機能する。
また、第9の発明は、
第2から第7の発明のうちの何れか1つの複合弁において、
前記第2弁(15,16)の固定弁体(102)は、前記接続ポート(A,…,E,S)として第5、第6接続ポート(A,B)を有し、
前記第2弁(15,16)の可動弁体(204)には、前記第1の連通状態において前記第5、第6接続ポート(A,B)間を連通させるとともに、前記第2の連通状態において、前記第5、第6接続ポート(A,B)間を連通させる平面形状が三日月状の溝(204a)が形成され、
前記第2弁(201)は、前記第1の連通状態において、前記三日月状の溝(204a)の一方の先端側で第5接続ポート(A)の開口量を制御し、前記第2の連通状態において、前記三日月状の溝(204a)のもう一方の先端側で第6接続ポート(B)の開口量を制御して前記第5、第6接続ポート(A,B)間の連通状態を制御することを特徴とする。
この構成では、第5、第6接続ポート(A,B)のうち何れの接続ポートの開口量で流量調整するかを選択することができる。
また、第10の発明は、
圧縮機(12)、四路切換弁(13)、熱源側熱交換器(14)、熱源側膨張弁(15)、利用側膨張弁(17)、及び利用側熱交換器(18)を有した冷媒回路(11)を備えて、前記冷媒回路(11)で冷媒を循環させる冷凍装置であって、
前記冷媒回路(11)は、開閉弁(16)を備え、
前記四路切換弁(13)、前記膨張弁(15)、及び前記開閉弁(16)は、第8の発明の複合弁で構成され、
前記複合弁の第1弁(13)は、前記前記四路切換弁(13)に対応して、前記第1接続ポート(S)が前記圧縮機(12)の吸入孔、前記第2接続ポート(C)が前記熱源側熱交換器(14)の一端、前記第3接続ポート(E)が前記利用側熱交換器(18)の一端、前記第4接続ポート(D)が前記圧縮機(12)の吐出孔にそれぞれ接続され、
前記複合弁の第2弁(15,16)は、前記熱源側膨張弁(15)及び前記開閉弁(16)に対応して、前記第5接続ポート(A)が前記利用側膨張弁(17)及び前記利用側熱交換器(18)の他の一端に接続され、前記第6接続ポート(B)が前記熱源側熱交換器(14)の他の一端と接続されていることを特徴とする。
この構成では、運転状態の違い(例えば冷房運転、暖房運転)に応じて、熱源側膨張弁(15)と利用側膨張弁(17)とを使い分けることができる。この例では、複合弁(四路切換弁)が第1の連通状態の場合には、第5、第6接続ポート(A,B)間は、第1溝(104a)、すなわち、開閉弁(16)で連通され、利用側膨張弁(17)は使用されない。この場合には、一方、第1の連通状態の場合には、第2溝(104b)側、すなわち、熱源側膨張弁(15)が使用される。
また、第11の発明は、
圧縮機(12)、四路切換弁(13)、熱源側熱交換器(14)、膨張弁(15)、及び利用側熱交換器(18)を有した冷媒回路(11)を備えて、前記冷媒回路(11)で冷媒を循環させる冷凍装置であって、
前記四路切換弁(13)及び前記膨張弁(15)は、請求項9の複合弁で構成され、
前記複合弁の第1弁(13)は、前記四路切換弁(13)に対応して、前記第1接続ポート(S)が前記圧縮機(12)の吸入孔、前記第2接続ポート(C)が前記熱源側熱交換器(14)の一端、前記第3接続ポート(E)が前記利用側熱交換器(18)の一端、前記第4接続ポート(D)が前記圧縮機(12)の吐出孔にそれぞれ接続され、
前記複合弁の第2弁(15,16)は、前記膨張弁(15)に対応して、前記第5接続ポート(A)が前記利用側熱交換器(18)の他の一端に接続され、前記第6接続ポート(B)が前記熱源側熱交換器(14)の他の一端と接続されていることを特徴とする。
この構成では、第9の発明の複合弁の第2弁(15)が膨張弁(15)として用いられているので、運転状態に応じて、圧力損失の増大などが少ない、より効率的な流量制御が可能になる。
第1の発明によれば、従来の複合弁に設けられていたような伝動を遮断する遊び機構を必要としないので、部品点数の増大を抑えつつ、1つの駆動機構で複合弁を制御することが可能になる。しかも、遊び機構が存在しないので、複合弁内の各弁を制御する際に正確な位置決めが可能になる。
また、第2の発明によれば、いわゆるロータリー式の弁において、第1弁(13)を所定の連通状態に維持しつつ、第2弁(15,16)側を制御することができる。
また、第3、4の発明によれば、第1弁(13)で構成された四路切換弁において所定の連通状態を維持しつつ、第2弁(15,16)側を制御することができる。
また、第5の発明によれば、許容幅(β2)として使用する固定弁体(101)上のスペースをより大きく確保することが可能になるので、変位範囲(β)がより大きな第2弁(15)のと組み合わせることが可能になる。
また、第6の発明によれば、第1、及び第2弁(13,15,16)が別体で構成されるので、それぞれの弁(13,15,16)をコンパクトに設計することが可能になる。例えば、第1、及び第2弁(13,15,16)の外径を小さくすれば、各可動弁体の駆動トルクの低減も可能になり、モータや変速ギアなどの駆動機構の小型化、延いては複合弁の低コスト化も可能になる。
また、第7の発明によれば、第1、及び第2弁(13,15,16)が1つのロータリー式弁として構成されるので、複合弁の高さ方向のサイズを小型化することが可能になる。
また、第8の発明によれば、第2弁(15,16)を、開閉弁と流量調整弁の2種類の弁として使い分けることができるので、接続ポート(A,B)間で、より効率的な流通状態を確保しつつ流量制御を行うことが可能になる。
また、第9の発明によれば、第5、第6接続ポート(A,B)のうち何れの接続ポート側で流量を調整するかを選択することができるので、流体の流通方向に応じてこの選択を行えば、より効率的な流通状態を確保しつつ流量制御を行うことが可能になる。
また、第10、11の発明によれば、上記複合弁を用いて冷媒回路(11)を構成してあるので、よりコンパクトに冷凍装置を構成することが可能になる。しかも、運転状態に応じて、適切な流路、ないしは接続ポートの開口状態を選択できるので、冷媒回路(11)においてより効率的な冷凍サイクルを行わせることも可能になる。
図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和機の冷媒配管系統図である。 図2は、本発明の実施形態1に係る複合弁の縦断面構造を模式的に表した図である。 図3(A)が第1固定弁体と第1可動弁体の構成を示す平面図、図3(B)が第2固定弁体と第2可動弁体の構成を示す平面図である。 図4 は、膨張弁用溝と切換弁用溝の設計例を説明する図である。 図5は、本発明の実施形態2に係る複合弁の構成を説明する図である。 図6は、本発明の実施形態3に係る複合弁の縦断面構造を模式的に表した図である。 図7は、固定弁体と可動弁体の平面形状を示す図である。 図8は、実施形態3の変形例に係る複合弁の縦断面構造を模式的に表した図である。 図9は、実施形態3の変形例に係る固定弁体における各接続ポートの設計例である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
〈概要〉
本発明の実施形態1として、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和機(冷凍装置)の例を説明する。この空気調和機は、冷媒回路において冷媒を循環させて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和機(10)における冷媒回路(11)の冷媒配管系統図である。同図に示すように、冷媒回路(11)は、圧縮機(12)、四路切換弁(13)、室外熱交換器(14)(熱源側熱交換器)、室外側膨張弁(15)(熱源側膨張弁)、開閉弁(16)、室内側膨張弁(17)(利用側膨張弁)、及び室内熱交換器(18)(利用側熱交換器)を備えている。そして、本実施形態では、四路切換弁(13)、室外側膨張弁(15)、及び開閉弁(16)が一体化されて複合弁(100)として形成されている。なお、圧縮機(12)、室外熱交換器(14)、及び複合弁(100)は室外機(19)に収容され、室内熱交換器(18)と室内側膨張弁(17)は室内機(20)に収容されている。この室外機(19)と室内機(20)は連絡配管で接続されている。以下では、はじめに冷媒回路(11)の各構成要素について概説し、その後に複合弁(100)の構成について説明する。なお、以下の説明において、弁についての「連通状態の制御」とは、接続ポートの接続関係を切り換える制御、弁を開状態及び閉状態の2段階に制御、流体の流量を連続的に変更する制御等の種々の制御を含む概念である。
《圧縮機(12)、各熱交換器(14,18)》
本実施形態の圧縮機(12)は、電動式のスクロール式圧縮機である。なお、圧縮機(12)には、スクロール式圧縮機に限らず種々の形式の圧縮機(例えばロータリー式圧縮機)を採用できる。また、室外熱交換器(14)及び室内熱交換器(18)は、この空気調和機(10)では、クロス・フィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器を採用している。室外熱交換器(14)では、冷媒回路(11)を循環する冷媒が、室外ファン(図示は省略)により取り込まれた室外空気と熱交換する。また、室内熱交換器(18)では、冷媒回路(11)を循環する冷媒が、室内ファン(図示は省略)によって取り込まれた室内空気と熱交換する。
《四路切換弁(13)》
四路切換弁(13)は、空気調和機(10)の運転状態を冷房運転と暖房運転の何れかに切り換える際に使用する弁である。この四路切換弁(13)は、配管を接続する4つの接続ポート(C,D,E,S)を備えている。そして、四路切換弁(13)は、接続ポート(C,D)が互いに連通し、且つ接続ポート(E,S)が互いに連通する第1の連通状態と、接続ポート(D,E)が互いに連通し、且つ接続ポート(C,S)が互いに連通する第2の連通状態の2段階に切り換えられるようになっている。なお、本発明の第1,…,第4接続ポートには、それぞれ接続ポート(S)、接続ポート(C)、接続ポート(E)、接続ポート(D)が対応している。
この空気調和機(10)では、接続ポート(C)は、室外熱交換器(14)の一端に接続され、接続ポート(D)は、圧縮機(12)の吐出ポートと接続されている。また、接続ポート(E)は、室内熱交換器(18)の一端に接続され、接続ポート(S)は、圧縮機(12)の吸入ポートに接続されている。そして、空気調和機(10)で冷房運転が行われる場合に第1の連通状態に切り換えられ、暖房運転が行われる場合に第2の連通状態に切り換えられる。この四路切換弁(13)は、本発明の第1弁の一例である。
《室外側、室内側膨張弁(15,17)、開閉弁(16)》
室外側膨張弁(15)は、冷媒回路(11)における冷媒の流量を調整する弁であり、開度調整を連続的に行えるようになっている。この室外側膨張弁(15)は、暖房運転が行われる際の流量調整に主に使用される。なお、この例の室外側膨張弁(15)は、複合弁(100)として形成されているが、複合弁を用いない場合には、この部位には開度調整を連続的に行える、いわゆる電動弁を採用することが考えられる。
また、開閉弁(16)は、全開状態と全閉状態の2段階に切り換え可能な弁である。開閉弁(16)は、室外側膨張弁(15)と並列に接続されている。開閉弁(16)も複合弁(100)として形成されているが、複合弁を用いない場合には、この部位にはいわゆる電磁弁を採用することが考えられる。冷媒回路(11)においては、室外側膨張弁(15)と開閉弁(16)とは、室外熱交換器(14)の一端(四路切換弁(13)とは反対側)と、室内側膨張弁(17)の一端とにそれぞれ接続されている。なお、上記の室外側膨張弁(15)、及び開閉弁(16)は、それぞれ本発明の第2弁(15)の一例である。
また、室内側膨張弁(17)も、冷媒回路(11)における冷媒の流量を調整する弁であり、一端が室内熱交換器(18)に接続されている。この室内側膨張弁(17)は、冷房運転が行われる際の冷媒の流量調整に主に使用される。そのため室内側膨張弁(17)は、開度調整を連続的に行えるようになっており、具体的には電動弁を採用している。
《複合弁(100)の構成》
図2は、本実施形態に係る複合弁(100)の縦断面構造を模式的に表した図である。この例では、複合弁(100)は、第1及び第2固定弁体(101,102)、第1及び第2可動弁(103,104)、変速ギア(105)、モータ(106)、及びケーシング(107)を備えている。第1及び第2固定弁体(101,102)、第1及び第2可動弁(103,104)、変速ギア(105)は、ケーシング(107)に収容されている。このケーシング(107)は、密閉ドーム型の圧力容器である。また、モータ(106)は、第1及び第2可動弁(103,104)を駆動するためのモータであり、その出力は変速ギア(105)で減速された後、変速ギア(105)の駆動軸(105a)から第1及び第2可動弁(103,104)に伝えられている。モータ(106)と変速ギア(105)で本発明の駆動機構の一例を構成している。
この複合弁(100)は、既述の通り、四路切換弁(13)、室外側膨張弁(15)、及び開閉弁(16)を一体化したものであり、第1可動弁体(103)と第1固定弁体(101)とで四路切換弁(13)の機能を果たすロータリー弁を構成し、第2可動弁体(104)と第2固定弁体(102)とで、室外側膨張弁(15)及び開閉弁(16)の機能を果たすロータリー弁を構成している。以下では、これらの構成要素について説明する。
〈第1固定弁体(101)〉
図3(A)は、第1固定弁体(101)と第1可動弁体(103)の構成を示す平面図である。第1固定弁体(101)は、円盤状の形態をしていて、ケーシング(107)に固定されている(図2を参照)。この例では、第1固定弁体(101)は、ケーシング(107)の底面側の蓋も兼ねている。この第1固定弁体(101)には、図3(A)に示すように、四路切換弁(13)用の4つの接続ポート(C,D,E,S)が形成されている。これらの接続ポート(C,D,E,S)には、配管が接続される。
これらの接続ポート(C,D,E,S)は、何れも同一直径の円形穴であり、第1固定弁体(101)の外周縁の近傍に配置されている。詳しくは、これらの接続ポート(C,D,E,S)は、同一の仮想円上に、それぞれの穴中心が位置するように、所定の角度間隔(α)で配置されている。この例ではα=90°である。そして、第1固定弁体(101)は、前記仮想円の中心が変速ギア(105)の駆動軸(105a)の軸心と一致するように、ケーシング(107)に固定されている。
〈第1可動弁体(103)〉
第1可動弁体(103)は、平面形状が扇形(この例では概ね半円形)をしていて、第1固定弁体(101)の上面(図3(A)における上)側に該第1固定弁体(101)と摺接するように配置されている。第1可動弁体(103)の中心(M)には、図2に示すように、変速ギア(105)の駆動軸(105a)が取り付けられている。これにより、第1可動弁体(103)は、変速ギア(105)を介してモータ(106)で回転駆動されて、第1固定弁体(101)に対して回転方向に相対変位する。なお、第1固定弁体(101)には、ピン状のストッパー(101a)が設けてあり、第1可動弁体(103)の回転方向位置を一定範囲に規制している。
この第1可動弁体(103)には切換弁用溝(103a)(連通溝)が形成されている。切換弁用溝(103a)は、第1固定弁体(101)の所定の接続ポート(C,D,E,S)間の連通状態の切換に使用する。例えば、図3(A)は、切換弁用溝(103a)が接続ポート(C,S)上に位置して、接続ポート(C,S)間を連通させている状態を例示している。なお、第1可動弁体(103)の下面(第1固定弁体(101)側の面)には、切換弁用溝(103a)の周縁に沿った所定幅の溝が形成され、該溝にはシール部材(103b)が収容されている。このシール部材(103b)により、切換弁用溝(103a)内の空間とケーシング(107)内空間とを絶縁している。
接続ポート(C,S)間が連通した状態では、第1可動弁体(103)は接続ポート(C,S)にのみ重なり、接続ポート(D,E)には重ならないようになっている。これにより、接続ポート(D,E)は、ケーシング(107)内の空間に開放され、接続ポート(D,E)間は、ケーシング(107)内の空間で互いに連通する(図3(A)参照)。すなわち、図3(A)に示した状態は四路切換弁(13)の第2の連通状態に対応している。
この状態から、第1可動弁体(103)が時計回りに回転して、切換弁用溝(103a)が接続ポート(E,S)上に来ると、該接続ポート(E,S)間が連通される。
接続ポート(E,S)間が連通した状態では、第1可動弁体(103)は、接続ポート(E,S)にのみ重なり、接続ポート(C,D)には重ならないようになっている。これにより、接続ポート(C,D)は、ケーシング(107)内の空間に開放され、接続ポート(C,D)間は、ケーシング(107)内の空間で互いに連通する(図3(A)参照)。すなわち、第1の連通状態に対応している。このように、第1固定弁体(101)と第1可動弁体(103)(詳しくは切換弁用溝(103a))によって、四路切換弁(13)が構成されるのである。
上記の切換を実現するため、第1可動弁体(103)の切換弁用溝(103a)は、以下のように設定されている。すなわち、この例では切換弁用溝(103a)は、平面形状が円弧状で幅が一定の溝である。また、切換弁用溝(103a)は、その溝中心を通る円弧(以下、中心円弧という。図3(A)を参照)が、接続ポート(C,D,E,S)の位置を定める仮想円(前述)と同曲率かつ同心に設定されている。切換弁用溝(103a)の溝幅は、接続ポート(C,D,E,S)の穴径と同じ、若しくはやや大きめに設定されている。
切換弁用溝(103a)の中心円弧長、すなわち中心円弧の中心角は、連通を制御する接続ポート(E,S)の角度間隔(α)(この例では90°)に合わせておけば、接続ポートの間を第1、及び第2の連通状態の各状態に切換できるのであるが、この複合弁(100)では、切換弁用溝(103a)の中心円弧における中心角を、角度間隔(α)よりも大きいα+β2としている(図3(A)を参照)。このβ2は、室外側膨張弁(15)の変位範囲(β)(後述)以上となるように設定する。このようにすることで、接続ポート(C,S)間を連通させた状態を維持したまま、第1可動弁体(103)を所定範囲(許容幅(β2))で変位(回転駆動)させることが可能になる。すなわち、前記四路切換弁(13)は、各連通状態を維持する第1及び第2可動弁(103,104)の位置に、室外側膨張弁(15)が流量制御を行う場合の変位範囲(β)以上の許容幅(β2)を有しているのである。
図3(A)の例(第2の連通状態)は、第1可動弁体(103)が反時計回りに最大限回転した状態であり、第1可動弁体(103)がストッパー(101a)に当接している。この状態では、切換弁用溝(103a)は、一端が接続ポート(S)に接し、他端側が接続ポート(C)から許容幅(β2)分だけ離れている。この状態から許容幅(β2)分だけ時計回りに第1可動弁体(103)が回転しても、この第2の連通状態は維持されたままである。なお、本実施形態では、第1の連通状態においても可動弁体(103,104)の位置には上記許容幅(β2)がある。
〈第2固定弁体(102)〉
図3(B)は、第2固定弁体(102)と第2可動弁体(104)の構成を示す平面図である。第2固定弁体(102)は、円盤状の形態をしていてケーシング(107)内に固定されている(図2を参照)。図3(B)に示すように、第2固定弁体(102)には、2つの接続ポート(A,B)が形成されている。接続ポート(A,B)は、何れも同一直径の円形穴であり、同一の仮想円上に所定の間隔で配置されている。また、第2固定弁体(102)は、この仮想円の中心が変速ギア(105)の駆動軸(105a)の軸心上に来るように、ケーシング(107)に取り付けられている。
〈第2可動弁体(104)〉
第2可動弁体(104)は、第2固定弁体(102)よりも小さめの外径の円盤状をしていて、第2固定弁体(102)の上面(図2における上)側に該第2固定弁体(102)と摺接するように配置されている。第2可動弁体(104)の中心には、変速ギア(105)の駆動軸(105a)が取り付けられている。これにより、第2可動弁体(104)は、変速ギア(105)を介してモータ(106)で回転駆動されて、第2固定弁体(102)に対して回転方向に相対変位する。すなわち、第2可動弁体(104)は第1可動弁体(103)と一体的に回転駆動される。
また、第2可動弁体(104)には、開閉弁用溝(104a)と膨張弁用溝(104b)が形成されている。開閉弁用溝(104a)は、接続ポート(A,B)とともに開閉弁(16)を構成し、膨張弁用溝(104b)は、接続ポート(A,B)とともに室外側膨張弁(15)を構成している。なお、開閉弁用溝(104a)は、本発明の第1溝の一例であり、膨張弁用溝(104b)は、本発明の第2溝の一例である。以下、開閉弁用溝(104a)と膨張弁用溝(104b)について説明する。
-開閉弁用溝(104a)-
開閉弁用溝(104a)は、平面形状が円弧状で幅が一定の溝である。複合弁(100)では、第1可動弁体(103)が第1の連通状態の位置に設定されると、第2可動弁体(104)では開閉弁用溝(104a)が接続ポート(A,B)に対向して接続ポート(A,B)間を連通させるようになっている。具体的には本実施形態では、以下のように開閉弁用溝(104a)の位置や幅が設定されている。
すなわち、開閉弁用溝(104a)は、その溝中心を通る円弧(以下、中心円弧という。図3(B)を参照)が、接続ポート(A,B)の位置を定める仮想円(前述)と同曲率かつ同心に設定されている。そして、開閉弁用溝(104a)の溝幅は、接続ポート(A,B)の穴径と同じ、若しくはやや大きめに設定されている。また、開閉弁用溝(104a)の中心円弧長、すなわち中心円弧の中心角は、接続ポート(A,B)の間隔に合わせてある。そして、第2可動弁体(104)と第2固定弁体(102)は、四路切換弁(13)が第1連通状態の場合に開閉弁用溝(104a)が接続ポート(A,B)と対向するように、回転方向の相対位置を設定してある。なお、第2可動弁体(104)の下面(第2固定弁体(102)側の面)には、開閉弁用溝(104a)の周縁に沿った所定幅の溝が形成され、該溝にはシール部材(104c)が収容されている。このシール部材(104c)により、開閉弁用溝(104a)内の空間とケーシング(107)内空間とを絶縁している。
上記構成により、四路切換弁(13)が第1連通状態の場合に、接続ポート(A,B)間が連通状態になり、その他の場合には接続ポート(A,B)は開閉弁用溝(104a)では連通しない。すなわち、第2可動弁体(104)(開閉弁用溝(104a))と第2固定弁体(102)とによって、接続ポート(A,B)を開閉制御する開閉弁(16)が構成されている。
-膨張弁用溝(104b)-
膨張弁用溝(104b)は、その長さ方向に向かって幅が変化する溝である。第1可動弁体(103)がモータ(106)で回転駆動されて、四路切換弁(13)の第2の連通状態に対応した位置に設定されると、第2可動弁体(104)ではこの膨張弁用溝(104b)が接続ポート(A,B)に対向し、接続ポート(A,B)間を連通させるようになっている。
膨張弁用溝(104b)は、具体的には、図3(B)に示すように溝の中心線が円弧状であり、該円弧(以下、中心円弧という)は、開閉弁用溝(104a)の中心円弧と同曲率かつ同心である。そして、膨張弁用溝(104b)は、第2可動弁体(104)の変位方向(すなわち、回転方向)に沿って溝幅が徐々に減少(漸減)している。図3(B)の例では、溝幅が最も大きい部分は接続ポート(A,B)の直径とほぼ同じ大きさである。そして、膨張弁用溝(104b)の中心円弧の中心角は、接続ポート(A,B)の間隔よりも大きく設定されている。なお、第2可動弁体(104)では、この膨張弁用溝(104b)側の面には膨張弁用溝(104b)の周縁に沿った所定幅の溝が形成され、該溝にはシール部材(104d)が収容されている。このシール部材(104d)により、膨張弁用溝(104b)内の空間とケーシング(107)内空間とを絶縁している。
既述の通り第1可動弁体(103)は、第2の連通状態を維持して許容幅(β2)の回転が可能である。そのため、第1可動弁体(103)が許容幅(β2)内の何れの位置にあるかによって、第2可動弁体(104)では、膨張弁用溝(104b)の何れの部分が接続ポート(A,B)と対向するかが変わってくる。すなわち、第1及び第2可動弁(103,104)を許容幅(β2)で動かせば、第2の連通状態を維持した状態で、膨張弁用溝(104b)と接続ポート(A,B)の相対位置を変更させることができ、接続ポート(A,B)間の流量を制御できるのである。なお、室外側膨張弁(15)で流量制御を行う場合の第2可動弁体(104)の変位範囲はβであり、この複合弁(100)では、β=β2となるように、切換弁用溝(103a)及び膨張弁用溝(104b)を設計してあるものとする。
図3(B)の例は、第1及び第2可動弁(103,104)が反時計回りに最大限回転した状態である。この位置では、接続ポート(A,B)に膨張弁用溝(104b)が対向し、開閉弁用溝(104a)はこれらの接続ポート(A,B)との対向位置から外れるように、開閉弁用溝(104a)及び膨張弁用溝(104b)の円周方向位置等が設定されている。すなわち、この位置では、開閉弁(16)は閉状態に制御されることになる。なお、第2可動弁体(104)が変位範囲(β)の最も右方向に回転した場合には、膨張弁用溝(104b)で溝幅が最も大きな位置が接続ポート(A)に対向するようになっている。すなわち、この位置が最も室外側膨張弁(15)の流量を大きく制御する場合の位置である。
《複合弁(100)の設計例》
以下では、複合弁(100)の設計例、具体的には、接続ポート(A,…,E,S)の配置や、切換弁用溝(103a)等の大きさの設定例を説明する。
この例では、まず、空気調和機(10)に必要な能力などから室外側膨張弁(15)の制御範囲を決定する。具体的には、流量の制御範囲等から接続ポート(A,B)の直径(穴径)、室外側膨張弁(15)の制御範囲(すなわち、膨張弁用溝(104b)の弧長)を決定する。また、接続ポート(C,D,E,S)の穴径も空気調和機(10)に必要な能力等から決定しておく。
図4は、膨張弁用溝(104b)と切換弁用溝(103a)の設計例を説明する図であり、(A)は、室外側膨張弁(15)用の膨張弁用溝(104b)の設計例を示し、(B)は、四路切換弁(13)用の切換弁用溝(103a)の設計例を示している。この例では、室外側膨張弁(15)は、59°の変位範囲(β)で接続ポート(A,B)間の流量を制御している。
一方、接続ポート(C,D,E,S)は、仮想円上に90°間隔で配置してある(α=90°)。すなわち、四路切換弁(13)で切換を行うための第1可動弁体(103)の駆動範囲は90°である。この例では、接続ポート(C,D,E,S)の穴径等を考慮して、これらの接続ポート(C,D,E,S)は、直径40mmの仮想円上に配置している。そして、切換弁用溝(103a)は、その中心円弧長が中心角換算で、接続ポート(C,D,E,S)の角度間隔(α)+変位範囲(β)に設定してある(すなわちβ2=β)。すなわち、この例の切換弁用溝(103a)の中心円弧は、90°+59°=149°の中心角である。
《空気調和機(10)の運転動作》
〈冷房運転〉
空気調和機(10)で冷房運転を行う場合には、四路切換弁(13)を第1の連通状態(図1に実線で示す状態)に切り換える。また、開閉弁(16)を開状態にする。このとき、室外側膨張弁(15)は閉状態になる。
すなわち、この空気調和機(10)において、四路切換弁(13)を第1の連通状態に設定するには、第1可動弁体(103)の切換弁用溝(103a)で接続ポート(E,S)間が連通し、かつ開閉弁(16)の開閉弁用溝(104a)で接続ポート(A,B)間が連通するようにモータ(106)を制御する。具体的には、図3(A)に示した状態から第1可動弁体(103)を時計回りに回転させ、開閉弁用溝(104a)が接続ポート(A,B)上に位置するようにする。このとき、室外側膨張弁(15)を構成する膨張弁用溝(104b)は、接続ポート(A,B)からは外れた位置に来る。すなわち、複合弁(100)では、冷媒は室外側膨張弁(15)を通過することなく、開閉弁(16)を通過する。この空気調和機(10)では、開閉弁(16)を設けて、これを冷房運転時に開状態にすることで、冷房運転時に室外側膨張弁(15)が冷媒の流通の抵抗になるのを防止しているのである。
そして、この空気調和機(10)では、空気調和機(10)が発揮すべき能力に応じて、室内側膨張弁(17)の開度を調整する。この状態で圧縮機(12)を運転すると、冷媒回路(11)では、室外熱交換器(14)、室内側膨張弁(17)、室内熱交換器(18)の順に冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。詳しくは、圧縮機(12)が吐出した冷媒は四路切換弁(13)を介して室外熱交換器(14)に流入する。室外熱交換器(14)へ流入した冷媒は、室外空気へ放熱して凝縮し、開閉弁(16)を介して室内側膨張弁(17)に流入する。その冷媒は、室内側膨張弁(17)を通過する際に減圧され、室内熱交換器(18)へ流入する。室内熱交換器(18)へ流入した冷媒は、室内熱交換器(18)から吸熱して蒸発する。これにより室内機(20)では、室内熱交換器(18)で冷媒によって冷却された室内空気を室内へ供給する。そして、室内熱交換器(18)で蒸発した冷媒は、四路切換弁(13)を通って圧縮機(12)へ吸入される。圧縮機(12)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。以下、同様の動作が繰り返されて室内の冷房が行われる。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、四路切換弁(13)が第2の連通状態(図1に破線で示す状態)に切り換えられる。また、空気調和機(10)が発揮すべき能力に応じて、室外側膨張弁(15)の開度を調整する(後述)。このとき開閉弁(16)は、後述するように閉状態になる。また、室内側膨張弁(17)は全開状態にしておく。
すなわち、この空気調和機(10)において、四路切換弁(13)を第2の連通状態に設定するには、モータ(106)で第1可動弁体(103)を、接続ポート(C,S)間が連通する位置に回転駆動させる。この第1可動弁体(103)の回転に伴って第2可動弁体(104)も一体的に回転し、第2可動弁体(104)の膨張弁用溝(104b)が接続ポート(A,B)に対向する。これにより、接続ポート(A,B)間は膨張弁用溝(104b)で連通させられる。つまり、接続ポート(A,B)間は室外側膨張弁(15)によって連通する。このとき、第2可動弁体(104)の開閉弁用溝(104a)は、接続ポート(A,B)からは外れた位置に来る。すなわち、複合弁(100)では、冷媒は開閉弁(16)を通過することなく室外側膨張弁(15)側を通過する。
既述の通り、第2の連通状態を維持できる第1可動弁体(103)の位置には許容幅(β2)があり、この範囲では第1の連通状態を維持したまま、第1及び第2可動弁(103,104)を回転駆動させることができる。この複合弁(100)では、許容幅(β2)は、室外側膨張弁(15)の変位範囲(β)以上(上記設計例ではβ2=β)に設定されているので、第1の連通状態を維持したまま、室外側膨張弁(15)を調整して、前記変位範囲(β)の範囲で接続ポート(A,B)間の冷媒流量を制御できる。そこで、複合弁(100)では、暖房運転時にこの変位範囲(β)内で、第1及び第2可動弁(103,104)を回転駆動させて、所望の冷媒流量に室外側膨張弁(15)を調整するのである。
そして、この状態で圧縮機(12)を運転すると、冷媒回路(11)では、室内熱交換器(18)、室内側膨張弁(17)(全開状態)、室外側膨張弁(15)、室外熱交換器(14)の順に冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。詳しくは、圧縮機(12)から吐出された冷媒は、四路切換弁(13)を介して室内熱交換器(18)へ流入する。室内熱交換器(18)へ流入した冷媒は、室内空気へ放熱して凝縮する。これにより、室内機(20)では、室内熱交換器(18)で冷媒によって加熱された室内空気を室内へ供給する。室内熱交換器(18)で凝縮した冷媒は、全開状態の室内側膨張弁(17)を通過し、室外側膨張弁(15)へ送られる。そして、冷媒は室外側膨張弁(15)を通過する際に減圧され、室外熱交換器(14)へ流入する。室外熱交換器(14)へ流入した冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発し、四路切換弁(13)を通って圧縮機(12)へ吸入される。圧縮機(12)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。以下、同様の動作が繰り返されて室内の暖房が行われる。
《本実施形態の効果》
以上のように、本実施形態では、1つの駆動機構(105,106)で第1及び第2可動弁(103,104)を一体的に回転駆動して、互いに制御幅が異なる室外側膨張弁(15)、開閉弁(16)、及び四路切換弁(13)をそれぞれの状態を制御している。すなわち、この複合弁(100)には、従来の複合弁に設けられていたような伝動を遮断する遊び機構が存在しない。したがって、本実施形態によれば、部品点数の増大を抑えつつ、1つの駆動機構で複合弁を制御することが可能になる。しかも、遊び機構が存在しないので、複合弁(100)内の各弁(13,15,16)を制御する際に正確な位置決めが可能になる。
また、本実施形態では、2つのロータリー式弁に分けて、開閉弁(16)、室外側膨張弁(15)、四路切換弁(13)を構成してあるので、それぞれのロータリー式弁を構成する可動弁体をコンパクトに設計することが可能になる。例えば、第1、及び第2弁(13,15,16)の外径を小さくすれば、各可動弁体の駆動トルクの低減も可能になり、モータや変速ギアなどの駆動機構の小型化、延いては複合弁の低コスト化も可能になる。
《発明の実施形態2》
図5は、本発明の実施形態2に係る複合弁の構成を説明する図である。この複合弁は、2つの接続ポート(A,B)の何れの側で流量を絞るかを、冷房運転か暖房運転かに応じて切換できるようになっている。なお、この複合弁には、実施形態1の複合弁(100)で設けられていた開閉弁(16)は存在しない。また、この複合弁を用いた冷媒回路では、室内側膨張弁(17)を設けていない。
具体的に実施形態2に係る複合弁では、室外側膨張弁の構成が実施形態1と異なっており、この室外側膨張弁(201)は可動弁体(第2可動弁体(204))の構成に特徴がある。なお、本実施形態では、図5に示すように、第1固定弁体(101)における接続ポート(C,D,E,S)の並び順が実施形態1とは異なっているが、これらの接続ポートの形状や間隔等は実施形態1と同様である。
〈第2可動弁体(204)〉
本実施形態の第2可動弁体(204)は、平面形状が扇形(この例では概ね半円形)をしていて、第2固定弁体(102)の上面(図2における上)側に該第2固定弁体(102)と摺接するように配置されている。そして、第2可動弁体(204)には、膨張弁用溝(204a)が形成されている。膨張弁用溝(204a)は、接続ポート(A,B)とともに室外側膨張弁(15)を構成している。
この膨張弁用溝(204a)は、図5に示すように、平面形状が三日月状に形成されている。第1可動弁体(103)がモータ(106)で回転駆動されて、四路切換弁(13)の第2の連通状態に対応した位置に設定されると、第2可動弁体(204)ではこの膨張弁用溝(204a)が接続ポート(A,B)に対向し、接続ポート(A,B)間を連通させるようになっている。
具体的には、膨張弁用溝(204a)は、その溝中心を通る円弧(以下、中心円弧という。図5を参照)が、接続ポート(A,B)の位置を定める仮想円と同心かつ同径である。図5の例では、溝幅が最も大きい部分の溝幅は接続ポート(A,B)の直径とほぼ同じ大きさである。そして、膨張弁用溝(204a)の中心円弧における中心角は、接続ポート(A,B)の間隔よりも大きく設定されている。詳しくは、四路切換弁(13)が第1の連通状態を維持できる範囲で第2可動弁体(204)が回転移動した場合に、膨張弁用溝(204a)の左半分(図5参照)が、接続ポート(A,B)の両方若しくは接続ポート(B)のみと対向し、第2の連通状態を維持できる範囲で第2可動弁体(204)が回転移動した場合には、膨張弁用溝(204a)の右半分が接続ポート(A,B)の両方若しくは接続ポート(A)のみと対向ように、中心円弧長が設定されている。なお、第2可動弁体(204)の下面(第2固定弁体(102)側の面)には、膨張弁用溝(204a)の周縁に沿った所定幅の溝が形成され、該溝にはシール部材(204b)が収容されている。このシール部材(204b)により、膨張弁用溝(204a)内の空間とケーシング(107)内空間とを絶縁している。
上記の構成により、第1の連通状態(すなわち冷房運転時)には、接続ポート(A)側に膨張弁用溝(204a)の先端側が位置し、接続ポート(A)の開口量が調整する。これにより、接続ポート(A,B)間の媒流量が制御されることになる。すなわち、本実施形態では、冷媒の圧力が大きい側の接続ポートの開口面積が他方よりも大きく設定されている。一方、第2の連通状態(すなわち暖房運転時)では、接続ポート(B)側に膨張弁用溝(204a)の先端側が位置し、接続ポート(B)の開口量が調整される。これにより、第2の連通状態でも接続ポート(A,B)間の媒流量が制御される。この場合も冷媒の圧力が大きい側の接続ポートの開口面積が他方よりも大きく設定されている。
《複合弁の動作》
図5では(A)が冷房運転時、(B)が暖房運転時の第2可動弁体(204)等の動作をそれぞれ例示している。
〈冷房運転時〉
例えば、冷房運転時には、図5(A)の(1)〜(3)に示すように、四路切換弁(13)側では、接続ポート(E,S)間が切換弁用溝(103a)で連通し、接続ポート(C,D)間は、ケーシング(107)内の空間を介して互いに連通している。
一方、室外側膨張弁(15)側では、(1)の段階では、膨張弁用溝(204a)の一端側(先端側)が接続ポート(B)上にあり、接続ポート(A)は、第2可動弁体(204)の下に隠れている。すなわち、接続ポート(A,B)間は連通していない。そして、第2可動弁体(204)が時計回りに回転して(2)の段階になると、膨張弁用溝(204a)の先端側は接続ポート(A)上にあり、接続ポート(A)の流路が絞られている。一方、接続ポート(B)は、膨張弁用溝(204a)の中央に近い部分が面していて、全開状態に制御されている。さらに第2可動弁体(204)が時計回りに回転して(3)の段階になると、接続ポート(A)は、(2)の段階と比べ、外膨張弁用溝(204a)のより幅が広い部分と対向する。したがって、(3)の段階は、(2)の段階よりも接続ポート(A)の絞り量は小さい。なお、(1)〜(3)の各段階では、第1可動弁体(103)も回転するが、この回転は許容幅(β2)内の回転であり、接続ポート(E,S)間の連通状態は維持される。
〈暖房運転時〉
また、暖房運転時には、図5(A)の(4)〜(6)に示すように、四路切換弁(13)側では、接続ポート(C,S)間が切換弁用溝(103a)で連通し、接続ポート(D,E)間は、ケーシング(107)内の空間を介して互いに連通している。
一方、室外側膨張弁(15)は、(4)の段階では、膨張弁用溝(204a)の他の一端側(図5(4)における膨張弁用溝(204a)の右先端側)が接続ポート(B)のやや右にあり、接続ポート(A)は、膨張弁用溝(204a)の中央に近い部分が面している。すなわち、(4)の段階では全、接続ポート(A)は開状態であり、接続ポート(B)は流路が絞られている。さらに第2可動弁体(204)が時計回りに回転して(5)の段階になると、接続ポート(A)の流路も絞られてくるが、接続ポート(B)側の流路の方が絞り量は大きい。そして、(6)の段階になると、接続ポート(B)は、第2可動弁体(204)の下に隠れている。すなわち、接続ポート(A,B)間は連通していない。なお、(4)〜(6)の各段階では、四路切換弁(13)を構成する第1可動弁体(103)も回転するが、この回転は許容幅(β2)内の回転であり、接続ポート(C,S)間の連通状態は維持される。
《本実施形態における効果》
例えば、冷房運転時、暖房運転時ともに、同じ側の接続ポート(A,B)の開口面積を調整して流量調整を行ったとすれば、何れかの運転状態では冷媒の圧力が大きい側の接続ポートの開口面積が他方よりも小さく設定されることになり、逆の場合よりも圧力損失が増大する可能性がある。これに対し、本実施形態では、上記のように冷房運転か暖房運転かに応じて、何れの接続ポート(A,B)の開口面積を調整するかが適切に選択される。それゆえ、本実施形態では上記のような圧力損失の可能性がない。すなわち、本実施形態によれば、圧力損失の増大を伴うことなく、1つの室外側膨張弁(15)で冷房運転、及び暖房運転のそれぞれの流量制御が可能になる。
《発明の実施形態3》
図6は、本発明の実施形態3に係る複合弁(300)の縦断面構造を模式的に表した図である。複合弁(300)は、図6に示すように、固定弁体(301)、可動弁体(302)、変速ギア(105)、モータ(106)、及びケーシング(107)を備えている。この複合弁(300)は、実施形態1の複合弁(100)と同様に、四路切換弁(13)、室外側膨張弁(15)、及び開閉弁(16)を一体化したものである。ただし、上記の各実施形態のように2組の固定弁体、可動弁体を用いるのではなく、一組の固定弁体、可動弁体を用いている。この例では、以下では、固定弁体(301)、可動弁体(302)について詳述する。
〈固定弁体(301)〉
図7は、固定弁体(301)と可動弁体(302)の平面形状を示す図である。同図に示すように、固定弁体(301)は、円盤状の形態をしていてケーシング(107)内に固定されている。図7に示すように、この固定弁体(301)には、6つの接続ポート(A,…,E,S)が形成されている。これらの接続ポートのうち4つの接続ポート(C,D,E,S)は四路切換弁(13)用の接続ポートであり、他の2つの接続ポート(A,B)は室外側膨張弁(15)及び開閉弁(16)用の接続ポートである。
四路切換弁(13)用の接続ポート(C,D,E,S)は、何れも同一直径の円形穴であり、固定弁体(301)の外周縁の近傍に配置されている。詳しくは、これらの接続ポート(C,D,E,S)は、同一の仮想円上に、それぞれの穴中心が位置するように、所定の角度間隔(α)で配置されている。この例では、接続ポート(C,D,E,S)は概ね90°間隔で配置されている。そして、固定弁体(301)は、前記仮想円の中心が変速ギア(105)の駆動軸(105a)の軸心と一致するように、ケーシング(107)内に固定されている。また、接続ポート(A,B)は、何れも同一直径の円形穴であり、接続ポート(C,D,E,S)よりも内周側で、変速ギア(105)の駆動軸(105a)の軸心上に中心を有する仮想円上に配置されている。
〈可動弁体(302)〉
可動弁体(302)も、固定弁体(301)よりも小さめの外形の円盤状をしていて、固定弁体(301)の上面(図7における上)側に該固定弁体(301)と摺接するように配置されている。可動弁体(302)の中心には、変速ギア(105)の駆動軸(105a)が取り付けられている。これにより、可動弁体(302)は、モータ(106)で回転駆動されて、固定弁体(301)に対して回転方向に相対変位する。
また、可動弁体(302)には、3つの溝(302a,302b,302c)と、1つの貫通孔(302d)が形成されている。切換弁用溝(302a)と貫通孔(302d)は、固定弁体(301)の接続ポート(C,D,E,S)とともに、四路切換弁(13)を構成している。また、開閉弁用溝(302b)は、固定弁体(301)の接続ポート(A,B)とともに開閉弁(16)を構成し、膨張弁用溝(302c)は、固定弁体(301)の接続ポート(A,B)とともに室外側膨張弁(15)を構成している。以下、それぞれの弁の構成について説明する。
-切換弁用溝(302a)、貫通孔(302d)-
四路切換弁(13)を構成する切換弁用溝(302a)は、平面形状が円弧状で幅が一定の溝である。この切換弁用溝(302a)は、可動弁体(302)の回転に伴って、接続ポート(E,S)に対向する状態と、接続ポート(C,S)に対向する状態とに切り替えできるように、その位置や幅が設定されている。
詳しくは、この切換弁用溝(302a)は、図7に示すように、その溝中心を通る円弧(以下、中心円弧という)が、接続ポート(C,D,E,S)の位置を定める仮想円(前述)と同曲率かつ同心である。また、切換弁用溝(302a)の溝幅は、接続ポート(C,D,E,S)の穴径と同じ大きさである。
この切換弁用溝(302a)の中心円弧長は、連通を制御する2つの接続ポート(E,S)の間隔に合わせておけば、前記の切換が可能になるのであるが、この複合弁(300)では、切換弁用溝(302a)の中心円弧長(中心円弧の中心角)を、接続ポート(E,S)の間隔よりも大きくしている(図7を参照)。これにより、接続ポート(E,S)間を連通させた状態を維持したまま、可動弁体(302)を許容幅(β2)だけ回転させることができる。
なお、可動弁体(302)の下面(固定弁体(301)側の面)には、切換弁用溝(302a)の周縁に沿った所定幅の溝が形成され、該溝にはシール部材(303a)が収容されている。このシール部材(303a)により、切換弁用溝(302a)内の空間とケーシング(107)内空間とを絶縁している。
一方、貫通孔(302d)は、平面形状が円弧状で幅が一定の貫通孔である。この貫通孔(302d)は、可動弁体(302)がモータ(106)で回転駆動されるとその回転に伴って、貫通孔(302d)は接続ポート(C,D)に対向してこれらの接続ポート(C,D)をケーシング(107)内の空間に連通させる状態と、貫通孔(302d)は接続ポート(D,E)に対応して、これらの接続ポート(C,D)をケーシング(107)内の空間に連通させる状態とに切り替えできるように、その位置や幅が設定されている。
詳しくは、この貫通孔(302d)は、その幅方向の中心を通る円弧(以下、中心円弧という。図7を参照)が、接続ポート(C,D,E,S)の位置を定める仮想円(前述)と同心かつ同径である。貫通孔(302d)の幅は接続ポート(C,D,E,S)の穴径と同じ大きさであり、中心円弧長は切換弁用溝(302a)と同じである。また、貫通孔(302d)の位置は、駆動軸(105a)の軸心を挟んで、切換弁用溝(302a)とほぼ対称の位置にある。
貫通孔(302d)の上記構成により、切換弁用溝(302a)が接続ポート(E,S)と対向する位置(上記許容幅(β2)の位置も含む)にある場合に、貫通孔(302d)は接続ポート(C,D)に対向してこれらの接続ポート(C,D)をケーシング(107)内の空間に連通させる。これにより、接続ポート(C,D)間はケーシング(107)内の空間によって互いに連通する。なお、貫通孔(302d)は、中心円弧長が切換弁用溝(302a)と同じなので、可動弁体(302)が許容幅(β2)内で回転した場合にも、この接続ポート(C,D)間の接続関係は維持される。
同様に切換弁用溝(302a)が接続ポート(C,S)に対向する状態の場合には、貫通孔(302d)は接続ポート(D,E)に対応して、これらの接続ポート(C,D)をケーシング(107)内の空間に連通させる。これにより、接続ポート(D,E)間はケーシング(107)内の空間によって互いに連通する。この場合も、可動弁体(302)が許容幅(β2)内で回転しても、この接続ポート(C,D)間の接続関係は維持される。
以上ように、この複合弁(300)では、接続ポート(E,S)に切換弁用溝(302a)が対向すると、接続ポート(E,S)間が互いに連通するとともに、接続ポート(C,D)間が互いに連通する。すなわち、この状態は前記第1の連通状態である。一方、接続ポート(C,S)に切換弁用溝(302a)が対向すると、該接続ポート(C,S)間が互いに連通するとともに、接続ポート(D,E)間が互いに連通する。すなわち、この状態は前記第2の連通状態である。
-開閉弁用溝(302b)-
開閉弁(16)を構成する開閉弁用溝(302b)は、平面形状が円弧状で幅が一定の溝である。この開閉弁用溝(302b)は、可動弁体(302)がモータ(106)で回転駆動されて所定の位置に設定されると、接続ポート(A,B)に対向して接続ポート(A,B)間を連通させるように、その位置や幅が設定されている。具体的には、その円周方向長さは、接続ポート(A,B)の間隔(仮想円における弧長)とほぼ同じである。また、開閉弁用溝(302b)の幅は、接続ポート(A,B)の穴径と同じ大きさである。なお、可動弁体(302)の開閉弁用溝(302b)側の面には、開閉弁用溝(302b)の周縁に沿った所定幅の溝が形成され、該溝にはシール部材(303b)が収容されている。このシール部材(303b)により、開閉弁用溝(302b)内の空間とケーシング(107)内空間とを絶縁している。
-膨張弁用溝(302c)-
室外側膨張弁(15)を構成する膨張弁用溝(302c)は、開閉弁(16)を構成する開閉弁用溝(302b)と同一円周上に設けられた円弧状の溝である。なお、可動弁体(302)では、この膨張弁用溝(302c)側の面には膨張弁用溝(302c)の周縁に沿った所定幅の溝が形成され、該溝にはシール部材(303c)が収容されている。このシール部材(303c)により、膨張弁用溝(302c)内の空間とケーシング(107)内空間とを絶縁している。
この膨張弁用溝(302c)は、可動弁体(302)の変位方向(すなわち、回転方向)に沿って溝幅が漸減している。図7の例では、膨張弁用溝(302c)は左端の溝幅が最も大きく、この位置での溝幅は接続ポート(A,B)の直径とほぼ同じ大きさである。そして、膨張弁用溝(302c)は、右に行くほど溝幅は徐々に小さくなり右端が最も小さくなっている。また、膨張弁用溝(302c)の長さ(弧長)は、接続ポート(A,B)の間隔(仮想円における弧長)よりも大きく設定されている。
既述の通り第1の連通状態における可動弁体(302)の位置には所定の許容幅(β2)があるので、この許容幅(β2)内の何れの位置に可動弁体(302)があるかによって、接続ポート(A,B)と対向する、膨張弁用溝(302c)の弧長方向位置が異なる。つまり、可動弁体(302)を許容幅(β2)で動かせば、膨張弁用溝(302c)の何れの幅の位置で膨張弁用溝(302c)が接続ポート(A,B)と対向するかを変えることができる。すなわち、第1の連通状態を維持した状態で、可動弁体(302)を回転させて接続ポート(A,B)間の流量を制御できるのである。なお、この例では、可動弁体(302)が許容幅(β2)の最も右方向に回転した場合には、溝幅が最も大きな位置が接続ポート(B)に対向するようになっている。すなわち、この位置が最も室外側膨張弁(15)の流量を大きく制御する場合の位置である。また、可動弁体(302)が許容幅(β2)の最も左方向に回転した場合には、接続ポート(B)のみが膨張弁用溝(302c)に対向し、接続ポート(A)は膨張弁用溝(302c)との対向位置から外れるように、該膨張弁用溝(302c)の円周方向位置、及び長さが設定されている。すなわち、この位置では、接続ポート(A,B)間は閉状態に制御されることになる。
《複合弁(300)の動作》
〈冷房運転時〉
この複合弁(300)において、四路切換弁(13)を第1の連通状態に設定するには、可動弁体(302)の切換弁用溝(302a)で接続ポート(E,S)間が連通し、かつ開閉弁(16)の開閉弁用溝(302b)で接続ポート(A,B)間が連通するようにモータ(106)を制御する。このとき、室外側膨張弁(15)を構成する膨張弁用溝(302c)は、接続ポート(A,B)からは外れた位置に来る。すなわち、複合弁(300)では、冷媒は室外側膨張弁(15)を通過することなく、開閉弁(16)を通過する。図7では、(1)、(2)、(4)が暖房運転状態の四路切換弁(13)、室外側膨張弁(15)、及び形開閉弁(16)の状態を例示している。(1)では、接続ポート(B)側から流路が閉じている。(2)では、接続ポート(B)は、可動弁体(302)で覆われている。そして、(4)では、膨張弁用溝(302c)が接続ポート(A,B)間を連通している。一方、(3)は、冷房運転状態の四路切換弁(13)、室外側膨張弁(15)、及び形開閉弁(16)の状態を例示している。この状態では、接続ポート(A,B)間が開閉弁用溝(302b)によって連通している。
〈暖房運転時〉
この複合弁(300)において、四路切換弁(13)を第2の連通状態に設定するには、モータ(106)で可動弁体(302)を、接続ポート(C,S)間が連通する位置に回転駆動させる。この可動弁体(302)の回転に伴って膨張弁用溝(302c)が接続ポート(A,B)に対向する。これにより、接続ポート(A,B)間は膨張弁用溝(302c)で連通させられる(図7の(4)を参照)。つまり、接続ポート(A,B)間は室外側膨張弁(15)によって連通する。このとき、開閉弁用溝(302b)は、接続ポート(A,B)からは外れた位置に来る。すなわち、複合弁(300)では、冷媒は開閉弁(16)を通過することなく室外側膨張弁(15)側を通過する。
既述の通り、第2の連通状態を維持できる可動弁体(302)の位置には許容幅(β2)があり、この範囲では第1の連通状態を維持したまま、可動弁体(302)を回転駆動させることができる。この複合弁(300)では、許容幅(β2)は、室外側膨張弁(15)の変位範囲(β)以上に設定されているので、第1の連通状態を維持したまま、室外側膨張弁(15)を調整して、前記変位範囲(β)の範囲で接続ポート(A,B)間の冷媒流量を制御できる。そこで、複合弁(300)では、暖房運転時にこの変位範囲(β)内で、可動弁体(302)を回転駆動させて、所望の冷媒流量に室外側膨張弁(15)を調整する。
《本実施形態の効果》
以上のように、本実施形態でも、互いに制御幅が異なる室外側膨張弁(15)、開閉弁(16)、及び四路切換弁(13)を1つの駆動機構(105,106)でそれぞれの状態を制御できる。すなわち、この複合弁(300)には、従来の複合弁に設けられていたような伝動を遮断する遊び機構が存在せず、部品点数の増大を抑えつつ、1つの駆動機構で複合弁を制御することが可能になる。
しかも、本実施形態では、室外側膨張弁(15)、開閉弁(16)、及び四路切換弁(13)が1つのロータリー式弁として構成されているので、複合弁(300)の高さ方向(図6を参照)のサイズを小型化することが可能になる。
《実施形態3の変形例》
図8は、実施形態3の変形例に係る複合弁の縦断面構造を模式的に表した図である。この例では、接続ポート(C,E,S)を第1固定弁体(101)に設け、接続ポート(D)をケーシング(107)の側壁に設けている。接続ポート(D)は、ケーシング(107)内の空間に開口している。このように、接続ポート(D)を配置しても、実施形態1と同様に第1可動弁体(103)を構成しておけば、四路切換弁(13)を第1、及び第2の連通状態に切換できる。図9は、実施形態3の変形例に係る固定弁体(101,102)における各接続ポート(C,E,S)の設計例である。この例では、室外側膨張弁(15)は、89°の変位範囲(β)で接続ポート(A,B)間の流量を制御している。一方、接続ポート(C,E,S)は、同一の仮想円上に間隔(α)で配置してある。したがって、この例では、切換弁用溝(103a)は、その中心円弧の中心角をα+89°よりも大きく設定している。
《その他の実施形態》
なお、可動弁体は上記のように回転駆動するほか、可動弁体が固定弁体に対して直線的に相対変位して接続ポート間の連通状態を制御するようにしてもよい。
また、それぞれの接続ポートの位置、大きさ、数、膨張弁用溝等の溝形状は例示であり、複合弁の用途に合わせて種々の設計変更が可能である。
また、実施形態1や2においても、実施形態3の変形例のように、接続ポート(D)をケーシング(107)の側壁に設けてもよい。
本発明は、複数の弁が一体的に形成された複合弁、及びそれを用いた冷凍装置(例えば空気調和機)として有用である。
10 空気調和機(冷凍装置)
11 冷媒回路
12 圧縮機
13 四路切換弁(第1弁)
14 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
15 室外側膨張弁(第2弁/熱源側膨張弁)
16 開閉弁(第2弁)
17 室内側膨張弁(利用側膨張弁)
18 室内熱交換器(利用側熱交換器)
100 複合弁
101 第1固定弁体(固定弁体)
102 第2固定弁体(固定弁体)
103 第1可動弁体(可動弁体)
103a 切換弁用溝(連通溝)
104 第1可動弁体(可動弁体)
104a 開閉弁用溝(第1溝)
104b 膨張弁用溝(第2溝)
105 変速ギア
105a 駆動軸
106 モータ
107 ケーシング(密閉容器)
204a 膨張弁用溝(溝)
300 複合弁
A 接続ポート(第5接続ポート)
B 接続ポート(第6接続ポート)
C 接続ポート(第2接続ポート)
D 接続ポート(第4接続ポート)
E 接続ポート(第3接続ポート)
S 接続ポート(第1接続ポート)

Claims (11)

  1. 複数の接続ポート(A,…,E,S)が形成された固定弁体(101,102)と、前記固定弁体(101,102)に対して相対変位して前記接続ポート(A,…,E,S)間の連通状態を制御する可動弁体(103,104)とをそれぞれ有した第1弁(13)、及び第2弁(15,16)を備えた複合弁であって、
    それぞれの可動弁体(103,104)を一体化して共通に駆動する駆動機構(105,106)を備え、
    それぞれの可動弁体(103,104)には、それぞれの可動弁体(103,104)の変位に応じて、前記接続ポート(A,…,E,S)上を移動して移動先の接続ポート(A,…,E,S)間を連通する連通溝(103a,104b)が形成され、
    前記第1弁(13)は、前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)の移動に伴って該第1弁(13)の可動弁体(103)が移動しても、該第1弁(13)の可動弁体(103)に形成された連通溝(103a)が、該連通溝(103a)によって連通させるべき接続ポート(A,…,E,S)上に在って連通状態を維持するように形成されていることを特徴とする複合弁。
  2. 請求項1の複合弁において、
    前記駆動機構(105,106)は、それぞれの可動弁体(103,104)を回転駆動する回転機構であり、
    前記第1弁(13)は、前記接続ポート(A,…,E,S)として第1,…,第4接続ポート(S,C,E,D)の4つを有し、少なくとも前記第1,…,第3接続ポート(C,E,S)が前記固定弁体(101)上の同一仮想円上に配置され、
    前記第1弁(13)の可動弁体(103)の連通溝(103a)は、該可動弁体(103)の回転に応じて、前記第1、第3接続ポート(E,S)上、及び前記第1、第2接続ポート(C,S)上に移動して移動先の接続ポートを連通
    前記第1弁(13)の可動弁体(103)の連通溝(103a)は、前記回転の方向の長さが前記移動先の接続ポート(C,D,E,S)間の間隔よりも大きく形成されて、前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)が移動しても、該第1弁(13)における所定の連通状態を維持し、
    前記第1弁(13)は、前記第1、第3接続ポート(E,S)間を連通する第1の連通状態と、前記第1、第2接続ポート(C,S)間が連通される第2の連通状態の2段階に連通状態を制御することを特徴とする複合弁。
  3. 請求項2の複合弁において、
    少なくとも前記第1弁(13)を収容する密閉容器(107)を備え、
    前記第1弁(13)の可動弁体(103)の連通溝(103a)内の空間は、前記密閉容器(107)内の空間と絶縁され、
    前記第2、第4接続ポート(C,D)は、前記第1の連通状態において、前記密閉容器(107)に開口して該密閉容器(107)内の空間で互いに連通し、
    前記第3、第4接続ポート(D,E)は、前記第2の連通状態において、前記密閉容器(107)に開口して該密閉容器(107)内の空間で互いに連通することを特徴とする複合弁。
  4. 請求項3の複合弁において、
    前記第1弁(13)の可動弁体(103)は、平面形状が扇形に形成され、前記第1の連通状態において、前記4つの接続ポート(S,C,E,D)のうち前記第1、第3接続ポート(E,S)のみに重なり、前記第2の連通状態において、前記第1、第2接続ポート(C,S)のみに重なることを特徴とする複合弁。
  5. 請求項3又は請求項4の複合弁において、
    前記第4接続ポート(D)は、前記密閉容器(107)に設けられて該密閉容器(107)内の空間に開口していることを特徴とする複合弁。
  6. 請求項2から請求項5のうちの何れか1つの複合弁において、
    前記第1弁(13)の可動弁体(103)と前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)は、前記駆動機構(105,106)の駆動軸(105a)に直列に配置されていることを特徴とする複合弁。
  7. 請求項2から請求項5のうちの何れか1つの複合弁において、
    前記第1弁(13)の可動弁体(103)と前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)は、一体的に形成され、
    前記第1弁(13)の固定弁体(101)と前記第2弁(15,16)の固定弁体(102)は、一体的に形成されていることを特徴とする複合弁。
  8. 請求項2から請求項7のうちの何れか1つの複合弁において、
    前記第2弁(15,16)の固定弁体(102)は、前記接続ポート(A,…,E,S)として該固定弁体(102)上の同一仮想円上に形成された第5、第6接続ポート(A,B)を有し、
    前記第2弁(15,16)の可動弁体(104)には、前記第1の連通状態において前記第5、第6接続ポート(A,B)間を連通させる第1溝(104a)と、前記第2の連通状態において、前記第5、第6接続ポート(A,B)間を連通させる第2溝(104b)が形成され、
    前記第2溝(104b)は、前記第5、第6接続ポート(A,B)が配置された前記仮想円に沿って溝幅が一方向に向かって漸減していることを特徴とする複合弁。
  9. 請求項2から請求項7のうちの何れか1つの複合弁において、
    前記第2弁(15,16)の固定弁体(102)は、前記接続ポート(A,…,E,S)として第5、第6接続ポート(A,B)を有し、
    前記第2弁(15,16)の可動弁体(204)には、前記第1の連通状態において前記第5、第6接続ポート(A,B)間を連通させるとともに、前記第2の連通状態において、前記第5、第6接続ポート(A,B)間を連通させる平面形状が三日月状の溝(204a)が形成され、
    前記第2弁(201)は、前記第1の連通状態において、前記三日月状の溝(204a)の一方の先端側で第5接続ポート(A)の開口量を制御し、前記第2の連通状態において、前記三日月状の溝(204a)のもう一方の先端側で第6接続ポート(B)の開口量を制御して前記第5、第6接続ポート(A,B)間の連通状態を制御することを特徴とする複合弁。
  10. 圧縮機(12)、四路切換弁(13)、熱源側熱交換器(14)、熱源側膨張弁(15)、利用側膨張弁(17)、及び利用側熱交換器(18)を有した冷媒回路(11)を備えて、前記冷媒回路(11)で冷媒を循環させる冷凍装置であって、
    前記冷媒回路(11)は、開閉弁(16)を備え、
    前記四路切換弁(13)、前記膨張弁(15)、及び前記開閉弁(16)は、請求項8の複合弁で構成され、
    前記複合弁の第1弁(13)は、前記前記四路切換弁(13)に対応して、前記第1接続ポート(S)が前記圧縮機(12)の吸入孔、前記第2接続ポート(C)が前記熱源側熱交換器(14)の一端、前記第3接続ポート(E)が前記利用側熱交換器(18)の一端、前記第4接続ポート(D)が前記圧縮機(12)の吐出孔にそれぞれ接続され、
    前記複合弁の第2弁(15,16)は、前記熱源側膨張弁(15)及び前記開閉弁(16)に対応して、前記第5接続ポート(A)が前記利用側膨張弁(17)及び前記利用側熱交換器(18)の他の一端に接続され、前記第6接続ポート(B)が前記熱源側熱交換器(14)の他の一端と接続されていることを特徴とする冷凍装置。
  11. 圧縮機(12)、四路切換弁(13)、熱源側熱交換器(14)、膨張弁(15)、及び利用側熱交換器(18)を有した冷媒回路(11)を備えて、前記冷媒回路(11)で冷媒を循環させる冷凍装置であって、
    前記四路切換弁(13)及び前記膨張弁(15)は、請求項9の複合弁で構成され、
    前記複合弁の第1弁(13)は、前記四路切換弁(13)に対応して、前記第1接続ポート(S)が前記圧縮機(12)の吸入孔、前記第2接続ポート(C)が前記熱源側熱交換器(14)の一端、前記第3接続ポート(E)が前記利用側熱交換器(18)の一端、前記第4接続ポート(D)が前記圧縮機(12)の吐出孔にそれぞれ接続され、
    前記複合弁の第2弁(15,16)は、前記膨張弁(15)に対応して、前記第5接続ポート(A)が前記利用側熱交換器(18)の他の一端に接続され、前記第6接続ポート(B)が前記熱源側熱交換器(14)の他の一端と接続されていることを特徴とする冷凍装置。
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