JP2016125579A - 流路切換弁、及びそれを用いた空気調和装置 - Google Patents

流路切換弁、及びそれを用いた空気調和装置 Download PDF

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誠 小島
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Abstract

【課題】3つのポートを備えた流路切換弁において、切り換えの途中でポート同士が連通するのを防止した流路切換弁を提供する。【解決手段】流路切換弁では、第1状態と第2状態との切り換え動作途中に、第2ポート51bと第3ポートとが連通しそうになっても、第1シール部66aと第2シール部との間に連通防止部66cが存在するので、それが抵抗となって圧損を増大させ連通し難くする。その結果、高圧側の冷媒の低圧側への漏れが防止される。【選択図】図3

Description

本発明は、流体の流通路を切り換え、或は、流体を多方向に分配する流路切換弁に関する。
従来、熱源ユニットと各利用ユニットとの間に冷媒流路切換ユニットが接続され、各利用ユニットで暖房と冷房とを個別に切り換えて運転できるように構成された空気調和装置が知られている。例えば、特許文献1(特開2012−037224号公報)に記載の空気調和装置では、冷媒流路切換ユニットに3つのポートを備えた流路切換弁が用いられており、流路切換弁の第1ポートは利用側熱交換器に接続され、第2ポート及び第3ポートはそれぞれ高圧ガス配管と低圧ガス配管とに接続されている。そして、流路切換弁は、第1ポートを高圧の第2ポートに接続する第1状態と、第1ポートを低圧の第3ポートに接続する第2状態とに切り換わる。
しかしながら、出願人による機能試験段階において、上記流路切換弁が第1状態から第2状態へ切り換わる際または第2状態から第1状態へ切り換わる際に、高低圧差がなくなり均圧するという現象が発見された。さらなる出願人による試験の結果、流路切換弁の切り換え動作途中で高圧の第2ポートと低圧の第3ポートとが連通し、高圧側の冷媒が低圧側へ漏れていることが判明した(図11参照)。このような現象は、他の利用側熱交換器の効率を低下させる要因となる。
本発明の課題は、3つのポートを備えた流路切換弁において、切り換えの途中でポート同士が連通するのを防止した流路切換弁を提供することにある。
本発明の第1観点に係る流路切換弁は、流体が流れる流通口として、利用側に繋がる第1ポート、高圧側または低圧側のいずれか一方に繋がる第2ポート及び低圧側の第3ポートを有し、第1ポートを第2ポートに接続する第1状態と、第1ポートを第3ポートに接続する第2状態とを切り換える流路切換弁であって、第1シール部と、第2シール部と、連通防止部とを備えている。第1シール部は、第1状態のときに第3ポートを塞ぐ。第2シール部は、第2状態のときに第2ポートを塞ぐ。連通防止部は、第1シール部と第2シール部との間に配置され第1状態と第2状態との切り換え動作途中における第2ポートと第3ポートとの連通空間を狭める。
この流路切換弁では、第1状態と第2状態との切り換え動作途中に、第2ポートと第3ポートとが連通しそうになっても、第1シール部と第2シール部との間に連通防止部が存在するので、それが抵抗となって圧損を増大させ連通し難くする。その結果、高圧側の冷媒の低圧側への漏れが防止される。
本発明の第2観点に係る流路切換弁は、第1観点に係る流路切換弁であって、さらに第1状態又は第2状態から、第1シール部が第3ポートを開放し且つ第2シール部が第2ポートを開放する第3状態へ切り換わる。
第1ポートが利用側熱交換器に接続された空気調和装置の場合、流路切換弁の第3状態において、第2ポート及び第3ポートが共に開放されるので、利用側熱交換器で冷房を行う全室冷房運転モードに利用することができる。この場合、第2ポート及び第3ポートはいずれも低圧となり、吸入側の圧力損失が抑えられる。
本発明の第3観点に係る流路切換弁は、第1観点に係る流路切換弁であって、さらに、第1状態又は第2状態から、第1シール部が第2ポートを閉鎖し且つ前記第2シール部が第3ポートを閉鎖する第4状態へ切り換わる。
第1ポートが利用側熱交換器に接続された空気調和装置の場合、流路切換弁の第4状態において、第2ポート及び第3ポートが共に閉鎖されるので、利用側熱交換器への冷媒流入を停止することができる。この場合、運転停止中の室内への無駄な冷媒流入を防止することができる。
本発明の第4観点に係る流路切換弁は、第1観点から第3観点のいずれか1つに係る流路切換弁であって、中空の本体部と、可動部とをさらに備えている。本体部は、第1ポート、第2ポート及び第3ポートが形成されている。可動部は、本体部の内部空間に配置され、本体部内を移動して、第1状態と第2状態との切り換えを行う。第1シール部、第2シール部及び連通防止部は、本体部と可動部とに挟まれた状態で配置され、可動部と共に移動する。
この流路切換弁では、第1シール部、第2シール部及び連通防止部が可動部と共に移動する構成としたので、各ポート側にシール機構を設ける必要がない。例えば、ポート数が多い場合にコスト・メリットがある。
本発明の第5観点に係る流路切換弁は、第4観点に係る流路切換弁であって、第1シール部が第1環状シール部材を有している。第1環状シール部材は、第1状態において第3ポートを環状に囲む。また、第2シール部は第2環状シール部材を有している。第2環状シール部材は、第2状態において第2ポートを環状に囲む。また、連通防止部はプレート部材を有する。プレート部材は、本体部、可動部、第1環状シール部材の外縁及び第2環状シール部材の外縁で囲まれた空間を埋める。
この流路切換弁では、第1環状シール部材、第2環状シール部材及びプレート部材の3点が必要であるので部品点数の増加となるが、組込み前段階における部材不良は部材毎にはねることができるというメリットがある。
本発明の第6観点に係る流路切換弁は、第5観点に係る流路切換弁であって、第1シール部は第1弾性部材をさらに有している。第1弾性部材は、第1環状シール部材を本体部側へ押し付ける。また、第2シール部は第2弾性部材をさらに有している。第2弾性部材は、第2環状シール部材を本体部側へ押し付ける。連通防止部は第3弾性部材をさらに有する。第3弾性部材は、プレート部材を本体部側へ押し付ける。
この流路切換弁では、第1環状シール部材、第2環状シール部材及びプレート部材の部材ごとにバイアスが確保されるので、シール性が良い。
本発明の第7観点に係る流路切換弁は、第5観点に係る流路切換弁であって、第1環状シール部材、第2環状シール部材及びプレート部材が一体成形されている。
この流路切換弁では、第1環状シール部材、第2環状シール部材及びプレート部材の3点を一点にまとめることができるので、部品点数の削減によるコスト・メリットがある。
本発明の第8観点に係る流路切換弁は、第4観点から第7観点のいずれか1つに係る流路切換弁であって、可動部が仕切部位を有している。仕切部位は、第1状態においては第1位置で、前記第2状態においては第2位置で停止する。第1位置は、本体部と可動部とで形成される内部空間を、第1ポート及び第2ポートを含む空間とそれ以外の空間とに仕切る位置である。第2位置は、本体部と可動部とで形成された内部空間を、第1ポート及び第3ポートを含む空間とそれ以外の空間とに仕切る位置である。
この流路切換弁では、必要最小限の空間にのみ冷媒を流して、圧損の増大を防止することができる。
本発明の第9観点に係る流路切換弁は、第1観点に係る流路切換弁であって、中空の本体部と、可動部とを備えている。本体部は、第1ポート、第2ポート及び第3ポートが形成されている。可動部は、本体部の内部空間に配置され、本体部内を移動して、第1状態と第2状態との切り換えを行う。第1シール部、第2シール部及び連通防止部は、本体部と可動部とに挟まれた状態で配置され、可動部と共に移動する。可動部は、尖頭状の先端を有する仕切部位を有している。また、可動部は、第1状態又は第2状態から動作して仕切部位の先端が第1ポートの中央と対峙する第3位置で停止したとき、第3状態へ切り換わる。第3状態は、第1シール部が第3ポートを開放し且つ第2シール部が第2ポートを開放する状態である。
この流路切換弁では、第1ポートからの冷媒が、仕切部位の先端によって第2ポート及び第3ポートそれぞれに均等に流れる。
本発明の第10観点に係る空気調和装置は、空調利用ユニットと、空調熱源ユニットと、空調利用ユニットと空調熱源ユニットとの間に接続される第1観点から第9観点のいずれか1つに係る流路切換弁と、流路切換弁の動作を制御する制御部とを備えている。制御部は、暖房運転時、第1ポートを第2ポートに接続する第1状態に切り換えて空調利用ユニットに高温の冷媒を流す。また、制御部は、冷房運転時、第1ポートを第3ポートに接続する第2状態に切り換えて空調利用ユニットに低温の冷媒を流す。
この空気調和装置では、流路切換弁が第1状態と第2状態との切り換え動作途中に、第2ポートと第3ポートとが連通しそうになっても、第1シール部と第2シール部との間に連通防止部が存在するので、それが抵抗となって圧損を増大させ連通し難くする。その結果、高圧側の冷媒の低圧側への漏れが防止される。
本発明の第1観点に係る流路切換弁では、第1状態と第2状態との切り換え動作途中に、第2ポートと第3ポートとが連通しそうになっても、第1シール部と第2シール部との間に連通防止部が存在するので、それが抵抗となって圧損を増大させ連通し難くする。その結果、高圧側の冷媒の低圧側への漏れが防止される。
本発明の第2観点に係る流路切換弁では、第3状態において、第2ポート及び第3ポートが共に開放されるので、利用側熱交換器で冷房を行う全室冷房運転モードに利用することができる。この場合、第2ポート及び第3ポートはいずれも低圧となり、吸入側の圧力損失が抑えられる。
本発明の第3観点に係る流路切換弁では、流路切換弁の第4状態において、第2ポート及び第3ポートが共に閉鎖されるので、利用側熱交換器への冷媒流入を停止することができる。この場合、運転停止中の室内への無駄な冷媒流入を防止することができる。
本発明の第4観点に係る流路切換弁では、第1シール部、第2シール部及び連通防止部が可動部と共に移動する構成としたので、各ポート側にシール機構を設ける必要がない。例えば、ポート数が多い場合にコスト・メリットがある。
本発明の第5観点に係る流路切換弁では、第1環状シール部材、第2環状シール部材及びプレート部材の3点が必要であるので部品点数の増加となるが、組込み前段階における部材不良は部材毎にはねることができるというメリットがある。
本発明の第6観点に係る流路切換弁では、第1環状シール部材、第2環状シール部材及びプレート部材の部材ごとにバイアスが確保されるので、シール性が良い。
本発明の第7観点に係る流路切換弁では、第1環状シール部材、第2環状シール部材及びプレート部材の3点を一点にまとめることができるので、部品点数の削減によるコスト・メリットがある。
本発明の第8観点に係る流路切換弁では、必要最小限の空間にのみ冷媒を流して、圧損の増大を防止することができる。
本発明の第9観点に係る流路切換弁では、第1ポートからの冷媒が、仕切部位の先端によって第2ポート及び第3ポートそれぞれに均等に流れる。
本発明の第10観点に係る空気調和装置では、流路切換弁が第1状態と第2状態との切り換え動作途中に、第2ポートと第3ポートとが連通しそうになっても、第1シール部と第2シール部との間に連通防止部が存在するので、それが抵抗となって圧損を増大させ連通し難くする。その結果、高圧側の冷媒の低圧側への漏れが防止される。
本発明の一実施形態に係る流路切換弁の斜視図。 図1に示す流路切換弁の縦断面図。 流路切換弁の切換機構の分解斜視図。 図3に示す弁体を反転させたときの当該弁体の斜視図。 本発明の一実施形態に係る流路切換弁を搭載した空気調和装置の冷媒回路の配管系統図。 制御部のブロック図。 暖房運転時における流路切換弁の弁体の位置を示す当該流路切換弁の断面図。 冷房運転時における流路切換弁の弁体の位置を示す当該流路切換弁の断面図。 全閉状態の流路切換弁の弁体の位置を示す当該流路切換弁の断面図。 全室冷房運転時における流路切換弁の弁体の位置を示す当該流路切換弁の断面図。 連通防止部を有しない流路切換弁における第2ポートと第3ポートとの連通状態を示す当該流路切換弁の断面図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)流路切換弁51
図1は、本発明の一実施形態に係る流路切換弁51の斜視図である。また、図2は、図1に示す流路切換弁の縦断面図である。図1及び図2において、流路切換弁51は、本体部52、可動部56及びモータ60で構成されている。
本体部52は、円筒形状の胴部52aを有する。図2に示すように、本体部52の内部は円筒形の空洞であり、その円周面に沿って回転するように可動部56が収納されている。可動部56はモータ60によって駆動される。
本体部52は、弁座52bと、位置規制板52cとをさらに有している。弁座52bは、胴部52aの一開口端を塞いでいる。位置規制板52cは、胴部52aの内部に弁座52bと対向するように配置され、弁座52bとの間に流路切換空間が確保されている。この流路切換空間に、可動部56が収容されている。
位置規制板52cを挟んで可動部56と反対側には、ギアボックス62とモータ60とが配置されている。モータ60はステッピングモータであり、モータ60の駆動軸60aはギアボックス62に連結されている。
また、ギアボックス62の出力軸62aは可動部56の連結孔に嵌合している。ギアボックス62は、モータ60の駆動軸60aの回転数を減速して出力軸62aに伝達し、可動部56の回転角度を調節する。
(2)流路切換弁51の詳細構成
流路切換弁51の切換機構は、胴部52a、弁座52b、位置規制板52c、及び可動部56で構成されている。
(2−1)胴部52a
胴部52aは、両端開口の筒状部材である。胴部52aの一端から所定区間は、切換機構に利用され、残りの区間はギアボックス62が収容され、他端にはモータ60が配置される。
胴部52aには、予め1つの孔があけられ、配管接続用の管が嵌め込まれてロウ付けされている。説明の便宜上、当該孔を第1ポート51a、当該管を第1配管接続部511とよぶ。
(2−2)弁座52b
図3は、流路切換弁51の切換機構の分解斜視図である。図3において、弁座52bには、貫通孔である第2ポート51b及び第3ポート51cが形成されている。第2ポート51b及び第3ポート51cは弁座面52ba上に開口を有し、第2ポート51b及び第3ポート51cの開口は、同一の仮想円周上にそれぞれの孔中心が位置するように所定の角度間隔(90°間隔)で配置されている。
本実施形態では、第1ポート51aの中心と胴部52aの中心軸を通る仮想鉛直面に対して、第2ポート51bと第3ポート51cとが左右対称の位置関係を有している。
また、第2ポート51b及び第3ポート51cそれぞれに、弁座52bの外側から、配管接続用の管が嵌め込まれてロウ付けされている。説明の便宜上、第2ポート51bに嵌め込まれた管を第2配管接続部512、第3ポート51cに嵌め込まれた管を第3配管接続部513よぶ。
また、弁座52bの弁座面52baの中央には、ギアボックス62の出力軸62aを受ける軸受穴52bbが設けられている。軸受穴52bbは、弁座52bを貫通せず、底面を有している。
(2−3)位置規制板52c
位置規制板52cは、流路切換空間を確保するため、弁座52bから所定の隙間をあけて対向するように配置された円板状の部材である。
また、図3に示すように、位置規制板52cは、中央部分に軸受穴52caが設けられており、この軸受穴52caにギアボックス62の出力軸62aが嵌め込まれる。
(2−4)可動部56
可動部56は、弁体56aと仕切部位56bを有している。弁体56aは、中心角約120°の扇形の回転体である。仕切部位56bは、尖頭状の部位であり、弁体56aの扇中心から突出している。
(2−4−1)弁体56a
弁体56aは、胴部52a、弁座52b及び位置規制板52cによって囲まれた流路切換空間の高さ寸法より僅かに小さい高さ寸法に設定されている。また、弁体56aの扇の円弧半径は、胴部52aの内周半径より僅かに小さい寸法に設定されている。
また、弁体56aには、一対のシール部材保持溝561,562と、軸接続穴563と、キー溝564が設けられている。一対のシール部材保持溝561,562は、弁体56aが弁座52bと対峙する面、及び位置規制板52cと対峙する面の両方に設けられている。また、軸接続穴563及びキー溝564は、弁体56aを貫通している。したがって、弁体56aは反転させても同じ平面形状を呈している。
図3に示すように、弁体56aは、弁座52bの弁座面52ba上に配置される。その際、弁座52bの軸受穴52bbと弁体56aの軸接続穴563とが同軸上に並ぶように配置される。そして、ギアボックス62の出力軸62aが、キー溝62aaにキー62bが挿入された状態で弁体56aの軸接続穴563、及び弁座52bの軸受穴52bbに挿入される。
キー62bのうち出力軸62aからはみ出た部分は、弁体56aのキー溝564に挿入される。その後、位置規制板52cの軸受穴52caと弁体56aの軸接続穴563とが同軸上に並ぶように位置規制板52cが弁体56a上に配置される。
これによって、弁体56aは、胴部52a、弁座52b及び位置規制板52cによって囲まれた流路切換空間に、回転可能に収容された状態となる。
(2−4−2)仕切部位56b
仕切部位56bは、弁体56aの扇中心近傍から弁体56aを2等分する仮想鉛直面に沿って扇の半径と同程度の長で延びる突出部である。仕切部位56bは弁体56aと一体成形され、その先端部は尖頭状である。仕切部位56bの根元と弁体56aとは滑らかな円弧で繋がっている。
本実施形態では、流路切換弁51は、第1ポート51aを第2ポート51bに接続する第1状態と、第1ポート51aを第3ポート51cに接続する第2状態とに切り換わる。
仕切部位56bは、第1状態においては図7に示す第1位置で停止し、第2状態においては図8に示す第2位置で停止する。
第1位置は、弁体56aが、胴部52a、弁座52b及び位置規制板52cによって囲まれた流路切換空間を、第1ポート51a及び第2ポート51bを含む空間とそれ以外の空間とに仕切る位置である(図7参照)。
第2位置は、弁体56aが、胴部52a、弁座52b及び位置規制板52cによって囲まれた流路切換空間を、第1ポート51a及び第3ポート51cを含む空間とそれ以外の空間とに仕切る位置である(図8参照)。
このように、流路切換弁51の仕切部位56bは、必要最小限の空間にのみ冷媒を流して、圧損の増大を防止している。
(2−5)第1シール部66a及び第2シール部66b
図4は、図3に示す弁体56aを反転させたときの当該弁体56aの斜視図である。図4において、弁体56aの一対のシール部材保持溝561,562の一方には第1シール部66aが構成される。第1シール部66aは、第1パッキン66aa、及び第1Oリング66abを有している。例えば、シール部材保持溝561には、第1Oリング66abが挿入され、さらに第1Oリング66abを覆うように第1パッキン66aaが挿入される。
同様に、一対のシール部材保持溝561,562の他方には第2シール部66bが構成される。第2シール部66bは、第2パッキン66ba、及び第2Oリング66bbを有している。例えば、シール部材保持溝562には、第2Oリング66bbが挿入され、さらに第2Oリング66bbを覆うように第2パッキン66baが挿入される。
第1パッキン66aa及び第2パッキン66baは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成したパッキンを採用している。なお、このPTFEは例示であり、使用条件(流体の圧力や流体の物性)等に応じて適宜選択すればよい。
(2−6)連通防止部66c
図3に示すように、弁体56aは、両面において一対のシール部材保持溝561,562、第1Oリング66ab、第1パッキン66aa、第2Oリング66bb、第2パッキン66baがセットされた状態で、弁座52bの弁座面52ba上に配置される。第1パッキン66aa及び第2パッキン66baは、弁座52bの弁座面52baから突出するので、必然的に第1パッキン66aaと第2パッキン66baとの間に空間が生じる。
連通防止部66cは、第1パッキン66aaと第2パッキン66baとの間に生じる空間を埋めるために当該空間に構成される。連通防止部66cは、シールプレート66caと3つのスプリング66cbを有している。
シールプレート66caは、弁座52bの弁座面52ba、弁体56a、第1パッキン66aaの外縁、及び第2パッキン66baの外縁で囲まれた空間を埋める板状の部材である。
シールプレート66caは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成したプレートを採用している。なお、このPTFEは例示であり、使用条件(流体の圧力や流体の物性)等に応じて適宜選択すればよい。
また、3つのスプリング66cbは、シールプレート66caを弁座52b側へ付勢する。本実施形態では、スプリング66cbは、圧縮コイルスプリングである。
以上のように構成された流路切換弁51の実際の使われ方について、流路切換弁51を使用する空気調和装置1の構成も含めて説明する。
図11は、連通防止部66cを有しない流路切換弁51における第2ポート51bと第3ポート51cとの連通状態を示す当該流路切換弁51の断面図である。図11において、弁体56aの位置が第1位置と第2位置との中間点にあっては、高圧側ポートである第2ポート51bと低圧側ポートである第3ポート51cとがともに開となる状態が生じる。このような状態では、高圧側から低圧側に冷媒が連通してしまう。
しかし、本実施形態では、弁座52bの弁座面52ba、弁体56a、第1パッキン66aaの外縁、及び第2パッキン66baの外縁で囲まれた空間にシールプレート66caが存在するので、第2ポート51bと第3ポート51cとがともに開となる状態が生じても、連通防止部66cが抵抗となって圧損を増大させ連通し難くする。その結果、高圧側から低圧側に冷媒が連通することが防止されている。
(3)空気調和装置1
図5は、本発明の一実施形態に係る流路切換弁51を搭載した空気調和装置1の冷媒回路の配管系統図である。図5において、空気調和装置1は複数の室内を個別に暖房又は冷房することができる。また、空気調和装置1は、1つの室内を暖房しながら他の室内を冷房する運転(暖房と冷房が混在する運転)が可能な、いわゆる冷暖フリーの空気調和装置である。
空気調和装置1は、1台の熱源ユニット20と、3台の利用ユニット30と、3台の冷媒流路切換ユニット50とが配管によって接続された冷媒回路10を備えている。この冷媒回路10では、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
(4)熱源ユニット20の構成
熱源ユニット20は、ビル等の屋上等に設置されており、冷媒連絡管を介して利用ユニット30に接続されており、利用ユニット30との間で冷媒回路10を構成している。
熱源ユニット20は、圧縮機21と、第1熱交切換機構22と、第2熱交切換機構23と、第1熱源側熱交換器24と、第2熱源側熱交換器25と、第1熱源側流量調整弁26及び第2熱源側流量調整弁27とを有している。
(4−1)圧縮機21
圧縮機21は、ここでは、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、圧縮機モータ21aをインバータ制御することで運転容量を可変することが可能なスクロール型等の容積式圧縮機からなる。
(4−2)第1熱交切換機構22
第1熱交切換機構22は、第1熱源側熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる場合には圧縮機21の吐出側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続し(図5の第1熱交切換機構22の破線を参照)、第1熱源側熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させる場合には圧縮機21の吸入側と第1熱源側熱交換器24のガス側とを接続するように(図5の第1熱交切換機構22の実線を参照)、冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
(4−3)第2熱交切換機構23
第2熱交切換機構23は、第2熱源側熱交換器25を冷媒の放熱器として機能させる場合には圧縮機21の吐出側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続し(図5の第2熱交切換機構23の破線を参照)、第2熱源側熱交換器25を冷媒の蒸発器として機能させる場合には圧縮機21の吸入側と第2熱源側熱交換器25のガス側とを接続するように(図5の第2熱交切換機構23の実線を参照)、冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23の切り換え状態を変更することによって、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25は、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
(4−4)第1熱源側熱交換器24
第1熱源側熱交換器24は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。
第1熱源側熱交換器24は、そのガス側が第1熱交切換機構22に接続され、その液側が第1熱源側流量調整弁26に接続されている。
(4−5)第2熱源側熱交換器25
第2熱源側熱交換器25は、冷媒と室外空気との熱交換を行うための機器であり、例えば、多数の伝熱管及びフィンによって構成されたフィン・アンド・チューブ型熱交換器からなる。
第2熱源側熱交換器25は、そのガス側が第2熱交切換機構23に接続され、その液側が第2熱源側流量調整弁27に接続されている。
(4−6)第1熱源側流量調整弁26
第1熱源側流量調整弁26は、第1熱源側熱交換器24を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第1熱源側熱交換器24の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
(4−7)第2熱源側流量調整弁27
第2熱源側流量調整弁27は、第2熱源側熱交換器25を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、第2熱源側熱交換器25の液側に接続された開度調節が可能な電動膨張弁である。
(4−8)高低圧切換機構29
高低圧切換機構29は、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用ユニット30に送る場合には、圧縮機21の吐出側と流路切換弁51の第2ポート51b(図1の第2ポートB)とを接続し、圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒を利用ユニット30に送らない場合には、流路切換弁51の第3ポート51c(図1の第3ポートC)と圧縮機21の吸入側とを接続するように、冷媒の流路を切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
(4−9)熱源側ファン34
熱源ユニット20は、熱源側ファン34をさらに有している。熱源側ファン34が、ユニット内に室外空気を吸入して、熱交換した後に、ユニット外に排出する。熱源側ファン34は、室外空気と第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25を流れる冷媒とを熱交換させることが可能である。熱源側ファン34は、ファンモータ34aによって駆動される。
(5)利用ユニット30の構成
空気調和装置1は、第1から第3までの利用ユニット30を備えている。説明の便宜上、図5の上から順に第1利用ユニット30a、第2利用ユニット30b、及び第3利用ユニット30cという。
第1利用ユニット30a、第2利用ユニット30b、及び第3利用ユニット30cは、利用側熱交換器31と膨張弁32とをそれぞれ備えている。各利用側熱交換器31は、それぞれクロスフィン式の熱交換器であって、利用側熱交換器を構成している。
また、各利用側熱交換器31は、各々の一端側が、液管15の端部に並列に接続されている。各膨張弁32は、例えば電子膨張弁で構成されている。また、各膨張弁32は、対応する利用側熱交換器31の一端側に設けられている。
(6)制御部80
図6は、制御部80のブロック図である。図6において、制御部80は、熱源側制御部801、流路切換制御部802及び利用側制御部803で構成されている。
熱源ユニット20は、各機器の動作を制御する熱源側制御部801を有している。また、冷媒流路切換ユニット50は、流路切換弁51のモータ60などを制御する流路切換制御部802を有している。さらに、利用ユニット30は、膨張弁32などを制御する利用側制御部803を有している。熱源側制御部801、流路切換制御部802及び利用側制御部803はそれぞれ、マイクロコンピュータやメモリ等を有しており、相互に制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
(7)冷媒流路切換ユニット50の構成
空気調和装置1は、第1利用ユニット30a、第2利用ユニット30b、及び第3利用ユニット30cに対応する第1から第3までの冷媒流路切換ユニット50を備えている。説明の便宜上、図5の上から順に第1冷媒流路切換ユニット50a、第2冷媒流路切換ユニット50b、及び第3冷媒流路切換ユニット50cという。
第1冷媒流路切換ユニット50a、第2冷媒流路切換ユニット50b、及び第3冷媒流路切換ユニット50cは、流路切換弁51を備えている。流路切換弁51は、各利用側熱交換器31が圧縮機21の吐出管11(高圧ガス配管)及び吸入管12(低圧ガス配管)の何れか一方に連通するように冷媒の流路を切り換えるように構成され、空気調和装置1の運転状態を冷房運転と暖房運転との何れかに切り換えるものである。
(8)運転動作
次に、空気調和装置1の運転動作について説明する。空気調和装置1では、冷媒流路切換ユニット50の流路切換弁51の開閉状態に応じて、複数種の運転が可能となっている。以下には、これらの運転のうち、代表的な運転を例示して説明する。
図7は、暖房運転時における流路切換弁51の弁体の位置を示す当該流路切換弁51の断面図である。また、図8は、冷房運転時における流路切換弁51の弁体の位置を示す当該流路切換弁51の断面図である。
(8−1)暖房運転
暖房運転は、利用ユニット30で室内の暖房を行うものである。この運転では、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23は第2ポートIIと第3ポートIIIとが連通し、高低圧切換機構29は第1ポートIと第2ポートIIとが連通する状態に設定される。また、各冷媒流路切換ユニット50では、流路切換弁51の第1ポート51a(図1の第1ポートA)及び第2ポート51b(図1の第2ポートB)が連通状態となり、第3ポート51c(図1の第3ポートC)が閉鎖状態となる(図7参照)。
この運転では、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25を蒸発器とし、各利用側熱交換器31を凝縮器とする冷凍サイクルが行われる。この冷凍サイクルでは、圧縮機21から吐出した冷媒が、高低圧切換機構29を通過した後、各冷媒流路切換ユニット50にそれぞれ分流する。各冷媒流路切換ユニット50を通過した冷媒は、対応する各利用ユニット30へそれぞれ送られる。
例えば、第1利用ユニット30aにおいて、利用側熱交換器31aへ冷媒が流れると、利用側熱交換器31aにおいて冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。その結果、第1利用ユニット30aに対応する室内の暖房が行われる。利用側熱交換器31aで凝縮した冷媒は膨張弁32aを通過する。
ここで、膨張弁32aは、冷媒の過冷却度に応じて開度が調節される。すなわち、膨張弁32aは、室内の暖房要求が大きく冷媒の過冷却度が大きくなるような条件では、開度を大きくして冷媒の流量を増加させる一方、暖房要求が小さく冷媒の過冷却度が小さくなるような条件では、開度を小さくして冷媒の流量を減少させるように制御される。第2利用ユニット30b及び第3利用ユニット30cでは、第1利用ユニット30aと同様に冷媒が流れ、対応する室内の暖房がそれぞれ行われる。
各利用ユニット30を流出した冷媒は、液管15で合流する。この冷媒は、第1熱源側流量調整弁26及び第2熱源側流量調整弁27を通過する際に、低圧まで減圧されて第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25を流れる。第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25で蒸発した冷媒は、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23を通過した後、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
(8−2)冷房運転
冷房運転は、利用ユニット30で各室内の冷房を行うものである。この運転では、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23は第1ポートIと第2ポートIIとが連通する状態に、高低圧切換機構29は第2ポートIIと第3ポートIIIとが連通する状態(図5の破線で示された状態)に設定される。また、各冷媒流路切換ユニット50では、流路切換弁51の第1ポート51a(図1の第1ポートA)及び第3ポート51c(図1の第3ポートC)が連通状態となり第2ポート51b(図1の第2ポートB)が閉鎖状態となる(図8参照)。
この運転では、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25を凝縮器とし、各利用側熱交換器31を蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。具体的には、圧縮機21から吐出した冷媒は、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23を通過した後、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25を流れる。第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25で凝縮した冷媒は、全開状態に設定された第1熱源側流量調整弁26及び第2熱源側流量調整弁27を通過し、液管15を流れて各利用ユニット30へ分流する。
例えば、第1利用ユニット30aにおいては、冷媒が膨張弁32aを通過する際に、低圧まで減圧されて、利用側熱交換器31aを流れる。利用側熱交換器31aでは、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、第1利用ユニット30aに対応する室内の冷房が行われる。
ここで、膨張弁32aは、冷媒の過熱度に応じて開度が調節される。すなわち、膨張弁32aは、室内の冷房要求が大きく冷媒の過熱度が大きくなるような条件では、開度を大きくして冷媒の流量を増加させる一方、冷房要求が小さく冷媒の過熱度が小さくなるような条件では、開度を小さくして冷媒の流量を減少させるように制御される。第2利用ユニット30b及び第3利用ユニット30cでは、第1利用ユニット30aと同様に冷媒が流れ、対応する室内の冷房がそれぞれ行われる。
図8に示すように、各利用ユニット30から流出した冷媒は、各冷媒流路切換ユニット50の第1ポート51aに流入した後、第3ポート51cに流れる。第3ポート51cから流出した冷媒は、合流後に圧縮機21に吸入される。圧縮機21に吸入された冷媒は、再び圧縮される。
(8−3)暖房/冷房同時運転
暖房/冷房同時運転は、一部の室内ユニットで室内の暖房を行う一方、他の室内ユニットで室内の冷房を行うものである。暖房/冷房同時運転では、運転条件に応じて第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25が蒸発器又は凝縮器となる。また、各利用ユニット30では、暖房要求のある室内の利用側熱交換器が凝縮器となる一方、冷房要求のある室内の利用側熱交換器が蒸発器となる。以下には、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25を凝縮器とし、利用側熱交換器31の少なくとも1つを凝縮器とし残りを蒸発器とする冷暖混在運転について例を挙げて説明する。
第1利用ユニット30a及び第2利用ユニット30bで室内の暖房を行う一方、第3利用ユニット30cで室内の冷房を行う。この運転では、第1熱交切換機構22、第2熱交切換機構23及び高低圧切換機構29それぞれが第1ポートIと第2ポートIIとを連通させる状態に設定される。
また、第1冷媒流路切換ユニット50a及び第2冷媒流路切換ユニット50bは、第1ポート51a(図1の第1ポートA)及び第2ポート51b(図1の第2ポートB)が連通状態となり、第3ポート51c(図1の第3ポートC)が閉鎖状態となる。第3冷媒流路切換ユニット50cは、第1ポート51a(図1の第1ポートA)及び第3ポート51c(図1の第3ポートC)が連通状態となり、第2ポート51b(図1の第2ポートB)が閉鎖状態となる。
この暖房/冷房同時運転では、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25と第1利用ユニット30a及び第2利用ユニット30bにおける利用側熱交換器31a,31bを凝縮器とする一方、第3利用ユニット30cの利用側熱交換器31cを蒸発器とする冷凍サイクルが行われる。
具体的には、圧縮機21から吐出した冷媒は、第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23側と、高低圧切換機構29側とに分流する。第1熱交切換機構22及び第2熱交切換機構23を通過した冷媒は、第1熱源側熱交換器24及び第2熱源側熱交換器25で凝縮された後、所定開度に調節された第1熱源側流量調整弁26及び第2熱源側流量調整弁27を通過して液管15に流入する。
一方、高低圧切換機構29を通過した冷媒は、第1冷媒流路切換ユニット50a側と第2冷媒流路切換ユニット50b側とに分流する。第1冷媒流路切換ユニット50aを流出した冷媒は、利用側熱交換器31aを流れる。利用側熱交換器31aでは、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。その結果、第1利用ユニット30aに対応する室内の暖房が行われる。
ここで、膨張弁32aは、暖房運転の場合と同様に、室内の暖房要求に応じて開度が調節される。第1利用ユニット30aで室内の暖房に利用された冷媒は、液管15に流出する。同様に、第2冷媒流路切換ユニット50bを流出した冷媒は、第2利用ユニット30bで室内の暖房に利用された後、液管15に流出する。
液管15で合流した冷媒は、第3利用ユニット30cに流入する。この冷媒は、膨張弁32cを通過する際に低圧まで減圧された後、利用側熱交換器31cを流れる。利用側熱交換器31cでは、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、第3利用ユニット30cに対応する室内の冷房が行われる。第3利用ユニット30cで室内の冷房に利用された冷媒は、第3冷媒流路切換ユニット50cを通過した後、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
なお、上述した暖房/冷房同時運転は、あくまでも一例であり、例えば、第1利用ユニット30aで室内の暖房を行う一方、第2利用ユニット30b及び第3利用ユニット30cで室内の冷房を行うようにしても構わない。
(8−4)全閉状態
図9は、全閉状態の流路切換弁51の弁体56aの位置を示す当該流路切換弁51の断面図である。図9において、弁体56aの円弧面が第1ポート51aを塞ぎ、第1シール部66aが第3ポート51cを塞ぎ、第2シール部66bが第2ポート51bを塞ぐ。このときの弁体56aの位置を第4位置とよぶ。
弁体56aの第4位置は、流路切換弁51が第2状態から第1状態への(冷房運転から暖房運転への)切換動作中、又は第1状態から第2状態への(暖房運転から冷房運転への)切換動作中に生じる。
弁体56aが第4位置で停止した状態が、流路切換弁51の第4状態であり、利用側熱交換器31への冷媒流入を停止することができる。この場合、運転停止中の室内への無駄な冷媒流入を防止することができる。
(8−5)全室冷房運転
図10は、全室冷房運を実現する流路切換弁51の弁体56aの位置を示す当該流路切換弁51の断面図である。図10において、仕切部位56bが第1ポート51aの中央に対峙する第3位置で弁体56aが停止している。弁体56aが第3位置で停止した状態が、流路切換弁51の第3状態である。
これによって、第1ポート51aから流入した冷媒は、尖頭状の仕切部位56bでほぼ均等に二分され、一方は第2ポート51bから流出し、他方は第3ポート51cから流出する。
例えば、第2ポート51b及び第3ポート51cそれぞれに開閉弁を用いて分流させる構成では、一方の弁に多くの冷媒が流れ、他方の弁に少ない冷媒が流れる、いわゆる偏流が発生し易いが、この仕切部位56bで二分する構成にすることによって、1つの流路切換弁51だけで第2ポート51b及び第3ポート51cそれぞれに均等に冷媒を流すことができる。
(9)特徴
(9−1)
流路切換弁51では、第1状態と第2状態との切り換え動作途中に、第2ポート51bと第3ポート53bとが連通しそうになっても、第1シール部66aと第2シール部66bとの間に連通防止部66cが存在するので、それが抵抗となって圧損を増大させ連通し難くする。その結果、高圧側の冷媒の低圧側への漏れが防止される。
(9−2)
第1ポート51aが利用側熱交換器31に接続された空気調和装置1の場合、流路切換弁51の第3状態は、利用側熱交換器31で冷房を行う全室冷房運転モードに利用される。この場合、第2ポート51b及び第3ポート51cはいずれも低圧となり、吸入側の圧力損失が抑えられる。
(9−3)
第1ポート51aが利用側熱交換器31に接続された空気調和装置1の場合、流路切換弁51の第4状態は、利用側熱交換器31への冷媒流入を停止することができる。この場合、運転停止中の室内への無駄な冷媒流入を防止することができる。
(9−4)
流路切換弁51では、第1シール部66a、第2シール部66b及び連通防止部66cが可動部56と共に移動する構成としたので、各ポート側にシール機構を設ける必要がない。例えば、ポート数が多い場合にコスト・メリットがある。
(9−5)
流路切換弁51では、第1パッキン66aa、第2パッキン66ba及びシールプレート66caの3点が必要であるので部品点数の増加となるが、組込み前段階における部材不良は部材毎にはねることができるというメリットがある。
(9−6)
流路切換弁51では、第1パッキン66aa、第2パッキン66ba及びシールプレート66caの部材ごとにバイアスが確保されるので、シール性が良い。
(9−7)
流路切換弁51では、必要最小限の空間にのみ冷媒を流して、圧損の増大を防止することができる。
(9−8)
流路切換弁51では、第1ポート51aからの冷媒が、仕切部位56bの先端によって第2ポート51b及び第3ポート51cそれぞれに均等に流れる。
(10)変形例
上記実施形態に係る流路切換弁51では、第1パッキン66aa、第2パッキン66ba及びシールプレート66caの3点それぞれを別部材とすることによって、部品点数の増加となるものの、組込み前段階における部材不良は部材毎にはねることができるというメリットがあった。
しかし、それに限定されるものではなく、第1パッキン66aa、第2パッキン66ba及びシールプレート66caの3点を一点にまとめることによって、部品点数の削減を図ることもできる。
以上説明したように、本発明は、高温流体の流れと低温流体の流れとを切り換える必要のある機器に有用である。
51 流路切換弁
51a 第1ポート
51b 第2ポート
51c 第3ポート
52 本体部
56 可動部
56b 仕切部位
66a 第1シール部
66aa 第1パッキン(第1環状シール部材)
66ab 第1Oリング(第1弾性部材)
66b 第2シール部
66ba 第2パッキン(第2環状シール部材)
66bb 第2Oリング(第2弾性部材)
66c 連通防止部
66ca シールプレート(プレート部材)
66cb スプリング(第3弾性部材)
80 制御部
特開2012−037224号公報

Claims (10)

  1. 流体が流れる流通口として、利用側に繋がる第1ポート(51a)、高圧側または低圧側のいずれか一方に繋がる第2ポート(51b)及び低圧側の第3ポート(51c)を有し、前記第1ポート(51a)を前記第2ポート(51b)に接続する第1状態と、前記第1ポート(51a)を前記第3ポート(51c)に接続する第2状態とを切り換える流路切換弁であって、
    前記第1状態のときに前記第3ポート(51c)を塞ぐ第1シール部(66a)と、
    前記第2状態のときに前記第2ポート(51b)を塞ぐ第2シール部(66b)と、
    前記第1シール部(66a)と前記第2シール部(66b)との間に配置され前記第1状態と前記第2状態との切り換え動作途中における前記第2ポート(51b)と前記第3ポート(51c)との連通空間を狭める連通防止部(66c)と、
    を備える、
    流路切換弁(51)。
  2. さらに、前記第1状態又は前記第2状態から、前記第1シール部(66a)が前記第3ポート(51c)を開放し且つ前記第2シール部(66b)が前記第2ポート(51b)を開放する第3状態へ切り換わる、
    請求項1に記載の流路切換弁(51)。
  3. さらに、前記第1状態又は前記第2状態から、前記第1シール部(66a)が前記第2ポート(51b)を閉鎖し且つ前記前記第2シール部(66b)が前記第3ポート(51c)を閉鎖する第4状態へ切り換わる、
    請求項1に記載の流路切換弁(51)。
  4. 前記第1ポート(51a)、前記第2ポート(51b)及び前記第3ポート(51c)が形成された中空の本体部(52)と、
    前記本体部(52)の内部空間に配置され、前記本体部(52)内を移動して、前記第1状態と前記第2状態との切り換えを行う可動部(56)と、
    をさらに備え、
    前記第1シール部(66a)、前記第2シール部(66b)及び前記連通防止部(66c)は、前記本体部(52)と前記可動部(56)とに挟まれた状態で配置され、前記可動部(56)と共に移動する、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)。
  5. 前記第1シール部(66a)は、前記第1状態において前記第3ポート(51c)を環状に囲む第1環状シール部材(66aa)を有し、
    前記第2シール部(66b)は、前記第2状態において前記第2ポート(51b)を環状に囲む第2環状シール部材(66ba)を有し、
    前記連通防止部(66c)は、前記本体部(52)、前記可動部(56)、前記第1環状シール部材(66aa)の外縁及び前記第2環状シール部材(66ba)の外縁で囲まれた空間を埋めるプレート部材(66ca)を有する、
    請求項4に記載の流路切換弁(51)。
  6. 前記第1シール部(66a)は、前記第1環状シール部材(66aa)を前記本体部(52)側へ押し付ける第1弾性部材(66ab)をさらに有し、
    前記第2シール部(66b)は、前記第2環状シール部材(66ba)を前記本体部(52)側へ押し付ける第2弾性部材(66bb)をさらに有し、
    前記連通防止部(66c)は、前記プレート部材(66ca)を前記本体部(52)側へ押し付ける第3弾性部材(66cb)をさらに有する、
    請求項5に記載の流路切換弁(51)。
  7. 前記第1環状シール部材(66aa)、前記第2環状シール部材(66ba)及び前記プレート部材(66ca)が一体成形されている、
    請求項5に記載の流路切換弁(51)。
  8. 前記可動部(56)は、仕切部位(56b)を有し、
    前記仕切部位(56b)は、
    前記第1状態においては、前記本体部(52)と前記可動部(56)とで形成される内部空間を、前記第1ポート(51a)及び前記第2ポート(51b)を含む空間とそれ以外の空間とに仕切る第1位置で、
    前記第2状態においては、前記本体部(52)と前記可動部(56)とで形成された内部空間を、前記第1ポート(51a)及び前記第3ポート(51c)を含む空間とそれ以外の空間とに仕切る第2位置で、
    停止する、
    請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)。
  9. 前記第1ポート(51a)、前記第2ポート(51b)及び前記第3ポート(51c)が形成された中空の本体部(52)と、
    前記本体部(52)の内部空間に配置され、前記本体部(52)内を移動して、前記第1状態と前記第2状態との切り換えを行う可動部(56)と、
    をさらに備え、
    前記第1シール部(66a)、前記第2シール部(66b)及び前記連通防止部(66c)は、前記本体部(52)と前記可動部(56)とに挟まれた状態で配置され、前記可動部(56)と共に移動し、
    前記可動部(56)は、尖頭状の先端を有する仕切部位(56b)を有し、前記第1状態又は前記第2状態から動作して前記仕切部位(56b)の前記先端が前記第1ポート(51a)の中央と対峙する第3位置で停止したとき、前記第1シール部(66a)が前記第3ポート(51c)を開放し且つ前記第2シール部(66b)が前記第2ポート(51b)を開放する第3状態へ切り換わる、
    請求項1に記載の流路切換弁(51)。
  10. 空調利用ユニットと、
    空調熱源ユニットと、
    前記空調利用ユニットと前記空調熱源ユニットとの間に接続される請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
    前記流路切換弁(51)の動作を制御する制御部(80)と、
    を備え、
    前記制御部(80)は、
    暖房運転時、前記第1ポート(51a)を前記第2ポート(51b)に接続する前記第1状態に切り換えて前記空調利用ユニットに高温の冷媒を流し、
    冷房運転時、前記第1ポート(51a)を前記第3ポート(51c)に接続する前記第2状態に切り換えて前記空調利用ユニットに低温の冷媒を流す、
    空気調和装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109009175A (zh) * 2018-06-20 2018-12-18 成都维信电子科大新技术有限公司 一种尿动力学分析仪液路连接转换装置

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