しかし、上記分流器は、円筒状のケーシング内を弁体がスライドする構成になっているため、弁体に一定の長さが必要である。しかも、弁体がスライドするためのストローク分だけ、ケーシングを弁体よりも長く形成する必要がある。そのため、分流器が大型化してしまう。
また、特許文献1の分流器は、熱交換器のパス数を空気調和装置の冷房運転時と暖房運転時で変化させるように構成されている。その変化のさせ方としては、冷房運転時に1パスで用いている室外熱交換器を暖房運転時には2パスに切り換える方式が採用されている。しかし、このような切り換え方式では、パス数を2通りにしか切り換えられないので、運転条件に応じた最適パス数に設定することは困難であった。
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、冷媒の流路数を切り換える切換部材を備えた分流器を小型化できるようにするとともに、熱交換器のパス数をより細かく切り換えることを可能にしてパス数を最適化できるようにすることである。
第1の発明は、冷媒回路(10)の冷媒配管と複数の伝熱管(31,32,33,34)を有する熱交換器(12,15)との間に接続される分流器(20)を前提としている。
そして、この分流器(20)は、円筒状のケーシング(21)と、該ケーシング(21)に形成され、冷媒回路(10)からの冷媒の流入配管に接続される流入側ポート(22a)と、冷媒回路(10)への冷媒の流出配管に接続される流出側ポート(22b)と、上記熱交換器(12,15)の複数の伝熱管(31,32,33,34)の第1端部(31a,32a,33a,34a)にそれぞれ(一対一の関係で)接続される複数の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)と、該複数の伝熱管(31,32,33,34)の第2端部(31b,32b,33b,34b)にそれぞれ(一対一の関係で)接続される複数の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)と、上記ケーシング(21)内に回転自在に収納されるとともに、上記流入側ポート(22a)と連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と流出側ポート(22b)と連通する第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を変更するように上記ケーシング(21)内を複数の冷媒室に区画する切換部材(25)とを備えていることを特徴としている。
この第1の発明では、冷媒回路(10)を循環する冷媒は、流入側ポート(22a)から分流器(20)のケーシング(21)に流入する。そして、分流器(20)のケーシング(21)からは、流入側ポート(22a)に連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)を介して冷媒が熱交換器(12,15)に流入する。熱交換器(12,15)では、冷媒が熱交換対象の流体(例えば空気)との間で熱交換を行う。熱交換器(12,15)を流出した冷媒は、第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)から分流器(20)のケーシング(21)に流入し、流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。
ここで、切換部材(25)を回転移動させることにより、流入側ポート(22a)に連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と流出側ポート(22b)と連通する第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を変更すると、流入側ポート(22a)に連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)から熱交換器(12,15)へ流入する入口側の冷媒パス数と、熱交換器(12,15)から第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)を通って流出側ポート(22b)へ流出する出口側の冷媒パス数とを変更することができる。
そして、分流器(20)から熱交換器(12,15)への冷媒供給側となる第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数を多くして、熱交換器(12,15)からの冷媒戻り側となる第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を少なくすることも可能であるし、逆に、分流器(20)から熱交換器(12,15)への冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数を少なくして、冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を多くすることも可能である。さらには、冷媒供給側の接続ポート数と冷媒戻り側の接続ポート数を一致させることも可能となる。
冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数より冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を多くする場合は、熱交換器(12,15)を蒸発器として使用する場合に、圧力損失が生じにくくなる。また、冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数より冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を少なくする場合は、熱交換器(12,15)を凝縮器として使用する場合に、冷媒の流速を速くして伝熱効率を上げることができる。さらに、冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を同じにして運転することもできる。そして、この発明においては、例えば空気調和装置で冷房運転時と暖房運転時で熱交換器(12,15)のパス数を変更することが可能であるだけでなく、冷房運転時で運転条件が変化したときや、暖房運転時で運転条件が変化したときにも、冷媒パス数を変えて運転条件の変化に対応できる。
第2の発明は、第1の発明において、上記切換部材(25)が、上記流入側ポート(22a)と流出側ポート(22b)の間に配置された固定壁(25a)と、上記ケーシング(21)内で回転可能な可動壁(25b)とを有することを特徴としている。
この第2の発明では、固定壁(25a)により、ケーシング(21)内が冷媒流入側の冷媒室(C1)と、冷媒流出側の冷媒室(C2)とに区画される。そして、可動壁(25b)を回転させてその位置を変更することにより、冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を変更することができる。
第3の発明は、第2の発明において、上切換部材(25)は、上記第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)が連通する第1冷媒室(C1)と第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)が連通する第2冷媒室(C2)とにケーシング(21)内を区画する状態と、上記第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の一部が連通する第1冷媒室(C1)と第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の一部が連通する第2冷媒室(C2)と他の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)及び第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)がともに連通する中間冷媒室(C3)とにケーシング(21)内を区画する状態とに切り換え可能に構成されて、該中間冷媒室(C3)に連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数及び第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を変更可能に構成されていることを特徴としている。
この第3の発明では、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に流入した冷媒は、冷媒供給側の第1冷媒室(C1)から熱交換器(12,15)の伝熱管(31,32,33,34)の一部に導入され、その伝熱管(31,32,33,34)から中間冷媒室(C3)に戻る。中間冷媒室(C3)の冷媒は、熱交換器(12,15)の他の伝熱管(31,32,33,34)に導入された後、分流器(20)における冷媒戻り側の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から流出する。
第4の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記切換部材(25)を回転駆動するための駆動機構(26)を備えていることを特徴としている。
この第4の発明では、例えばモータなどの駆動機構(26)を用いて可動壁(25b)を回転駆動することにより、冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と、冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を容易に変更することができる。
第5の発明は、圧縮機(11)と熱源側熱交換器(12)と膨張機構(14)と利用側熱交換器(15)とが冷媒配管により順に接続された冷媒回路(10)を有するとともに、上記熱源側熱交換器(12)及び利用側熱交換器(15)の少なくとも一方と冷媒配管との間に分流器(20)が接続された冷凍装置を前提としている。
そして、この冷凍装置は、上記分流器(20)が、第1から第4の発明の何れか1つの分流器(20)により構成されていることを特徴としている。
この第5の発明では、圧縮機(11)と熱源側熱交換器(12)と膨張機構(14)と利用側熱交換器(15)とが冷媒配管により順に接続されて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)において、熱源側熱交換器(12)と利用側熱交換器(15)の少なくとも一方に第1から第4の発明の分流器(20)が設けられている。上記分流器(20)を用いると熱交換器(12,15)のパス数を容易に変更できるので、冷媒回路(10)における種々の運転状態に容易に対応できる。
第6の発明は、第5の発明において、上記冷媒回路(10)にはHFO系冷媒が充填されていることを特徴としている。
この第6の発明では、例えばHFO1234yfのような低圧冷媒を用いる場合に、熱交換器(12,15)(特に蒸発器)における圧力損失による効率低下が著しく、圧力損失を低減するために熱交換器(12,15)のパス数を運転条件ごとに最適化する必要があるのに対して、パス数を可変にすることにより、運転条件に合わせたパス数を選定できる。
上記第1の発明によれば、流入側ポート(22a)と連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と流出側ポート(22b)と連通する第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を変更するようにしているので、熱交換器(12,15)の上流側から下流側に亘って、流れる冷媒の状態に応じた冷媒パス数を設定することができる。このことにより、ガス冷媒が流通する際は、冷媒パス数を多くして流路の断面積を大きくすることで冷媒流路でガス冷媒の流速を低下させることができる。また、液冷媒が流通する際は、冷媒パス数を少なくして流速を上げ、熱伝達率を高くすることができる。この結果、熱交換器(12,15)の冷媒パス数を熱交換器(12,15)内の冷媒状態に応じて適切な冷媒パス数に調節することができる。
また、本発明によれば、分流器(20)のケーシング(21)を円筒状にして、切換部材(25)を回転式にしているので、切り換え方式として直線運動式を採用した特許文献1の分流器(20)に比べて、ケーシング(21)を特に軸方向長さに関して小型化でき、分流器(20)を小型化できる。
さらに、特許文献1の分流器(20)ではパス数を2通りにしか切り換えられないので、運転条件に応じた最適パス数に設定することが困難であったのに対して、本願発明によれば、切換部材(25)によって冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を適宜変更することにより、従来よりも多くの運転条件に対応することができる。つまり、熱交換器(12,15)のパス数をより細かく切り換えることにより、パス数の最適化が可能になる。
上記第2の発明によれば、固定壁(25a)により、ケーシング(21)内が冷媒流入側の冷媒室(C1)と、冷媒流出側の冷媒室(C2)とに区画される。そして、可動壁(25b)を回転させて位置を変更することにより、冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数が変更される。したがって、熱交換器(12,15)におけるパス数の変更を容易に行うことができる。
上記第3の発明では、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に流入した冷媒は、冷媒供給側の第1冷媒室(C1)から熱交換器(12,15)の一部の伝熱管(31,32,33,34)に導入され、該伝熱管(31,32,33,34)から中間冷媒室(C3)に戻る。中間冷媒室(C3)の冷媒は、熱交換器(12,15)の他の伝熱管(31,32,33,34)に導入された後、分流器(20)における冷媒戻り側の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から流出する。そして、中間冷媒室(C3)を設けたことにより、第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を容易に変えることができるので、運転条件に応じて熱交換器(12,15)のパス数を最適化することができる。
上記第4の発明によれば、例えばモータなどの駆動機構(26)を用いて可動壁(25b)を回転駆動することにより、冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と、冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を容易に変更することができ、熱交換器(12,15)におけるパス数の変更もさらに容易になる。
上記第5の発明によれば、圧縮機(11)と熱源側熱交換器(12)と膨張機構(14)と利用側熱交換器(15)とが冷媒配管により順に接続されて蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)において、熱源側熱交換器(12)と利用側熱交換器(15)の少なくとも一方に第1から第4の発明の分流器(20)が設けられている。上記分流器(20)を用いると熱交換器(12,15)のパス数を容易に変更できるので、冷媒回路(10)における種々の運転状態に容易に対応できる。
上記第6の発明によれば、例えばHFO1234yfのような低圧冷媒を用いる場合に、熱交換器(12,15)(特に蒸発器)における圧力損失による効率低下が著しく、圧力損失を低減するための熱交換器(12,15)のパス数を運転条件ごとに最適化する必要があるのに対して、パス数を可変にすることにより、最適条件での運転が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態は、室内の空気調和を行う空気調和装置に関するものである。
〈空気調和装置の構成〉
図1に示すように、この実施形態に係る空気調和装置(1)は、室外機(2)と室内機(3)とを備えたセパレート型の空気調和装置である。この空気調和装置(1)には、閉回路である冷媒回路(10)が設けられている。
冷媒回路(10)には、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(以下、「HFO−1234yf」という。)を用いた冷媒が充填されている。この冷媒回路(10)は、冷房サイクルと暖房サイクルとを選択的に実行できるように構成されている。
上記室外機(2)には、圧縮機(11)と、室外側分流器(20(20A))及び室外熱交換器(熱源側熱交換器)(12)と、四路切換弁(13)と、膨張機構である電動膨張弁(14)とが設けられている。上記室内機(3)には、室内側分流器(20(20B))及び室内熱交換器(利用側熱交換器)(15)が設けられている。そして、上記各機器を冷媒配管で接続することにより上記冷媒回路(10)が形成されている。
また、上記空気調和装置には、冷媒回路(10)の動作を制御するコントローラ(50)が設けられている。
圧縮機(11)は、可変容量型圧縮機であり、いわゆる全密閉型に構成されている。圧縮機(11)は、吸入側から吸入した冷媒を圧縮して吐出側へ吐出する。
冷媒回路(10)において、圧縮機(11)の吐出側は、四路切換弁(13)の第1ポート(P1)に接続されている。四路切換弁(13)の第2ポート(P2)は、室外側分流器(20A)の第1の配管接続ポート(冷媒の流れ方向に応じて流入側ポート(22a)または流出側ポート(22b)に切り換わる)に接続されている。室外側分流器(20A)の第2の配管接続ポート(冷媒の流れ方向に応じて流出側ポート(22b)または流入側ポート(22a)に切り換わる)は、電動膨張弁(14)を介して室内側分流器(20B)の第2の配管接続ポート(流入側ポート(22a)または流出側ポート(22b))に接続されている。室内側分流器(20B)の第1の配管接続ポート(流出側ポート(22b)または流入側ポート(22a))は、四路切換弁(13)の第3ポート(P3)に接続されている。四路切換弁(13)の第4ポート(P4)は、圧縮機(11)の吸入側に接続されている。
上記四路切換弁(13)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が連通し且つ第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が連通する第1位置(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)が連通し且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)が連通する第2位置(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
〈熱交換器の構成〉
上記室外熱交換器(12)は、室外ファン(図示せず)によって吸い込まれた室外空気を冷媒と熱交換させるものである。上記室内熱交換器(15)は、室内ファン(図示せず)によって吸い込まれた室内空気を冷媒と熱交換させるものである。室外熱交換器(12)及び室内熱交換器(15)は、いずれもクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器であって、冷媒を熱交換用流体である空気と熱交換させるように構成されている。
図2から図5には、熱交換器(12,15)と分流器(20)(以下、室外側分流器(20A)と室内側分流器(20B)の総称として、適宜「分流器(20)」を用いる)との接続状態を示している。上記各熱交換器(12,15)は、アルミニウム製の多数のフィン(30)と、これらのフィン(30)を貫通する銅製の伝熱管(31,32,33,34)とによって構成されている。このフィンは、略長方形の板状に形成され、互いに平行で一定の狭い間隔を置いて配置されている。伝熱管(31,32,33,34)は、内部を冷媒が流通する冷媒流路を有する管であり、複数のU字管を接続した形状に形成されている。上記伝熱管(31,32,33,34)の直管部分は、フィンを貫通した状態でフィンに接合されている。
各熱交換器(12,15)には、第1伝熱管(31)、第2伝熱管(32)、第3伝熱管(33)及び第4伝熱管(34)の4本の伝熱管(31,32,33,34)が設けられており、これらの伝熱管(31,32,33,34)により、冷媒流路(パス)が形成されるようになっている。第1伝熱管(31)から第4伝熱管(34)のそれぞれは、両端が、分流器(20)との接続端になっている。各伝熱管(31,32,33,34)は、2つの接続端(31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b)を有し、各接続端(31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34b)は、冷媒回路の冷媒流れ方向に応じて、一方が冷媒流入端(第1端部)となり、他方が冷媒流出端(第2端部)となる。図2〜図5では、符号(31a,32a,33a,34a)が冷媒流入端(第1端部)を表し、符号(31b,32b,33b,34b)が冷媒流出端(第2端部)を表している。
〈分流器の構成〉
上記分流器(20)は、冷媒回路(10)の冷媒配管と複数の伝熱管(31,32,33,34)を有する熱交換器(12,15)との間に接続されるものであって、室外側分流器(20A)と室内側分流器(20B)には同一構成の分流器(20)が用いられている。図6は、分流器(20)の側面図である。
上記分流器(20)は、円筒状のケーシング(21)を備えている。このケーシング(21)は、円形断面で軸方向両端が開口した筒状の周壁(21a)と、この周壁(21a)の軸方向両端の開口を閉塞する端板(21b)とから構成され、軸方向長さ寸法と直径寸法がほぼ同一か、軸方向長さ寸法が直径寸法よりも小さい筒形状に形成されている。
また、上記分流器(20)のケーシング(21)には、冷媒回路(10)からの冷媒の流入配管に接続される流入側ポート(22a)と、冷媒回路(10)への冷媒の流出配管に接続される流出側ポート(22b)と、上記熱交換器(12,15)の複数の伝熱管(31,32,33,34)の第1端部(31a,32a,33a,34a)とそれぞれ(一対一の関係で)接続される複数の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)と、該複数の伝熱管(31,32,33,34)の第2端部(31b,32b,33b,34b)とそれぞれ(一対一の関係で)接続される複数の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)とが形成されている。上記流入側ポート(22a)と流出側ポート(22b)は、冷媒回路(10)における冷媒の流れ方向に応じて流入側と流出側が入れ替わる。また、第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)と第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)も、冷媒回路(10)における冷媒の流れ方向に応じて、流入側と流出側が入れ替わる。ただし、本実施形態では、流入側と流出側を図に示した状態に固定されたものとして説明する。
なお、図2から図5の例では、分流器(20)と熱交換器(12,15)は、流入側と流出側が4本ずつ合計8本の冷媒配管により接続されることになるが、図1では便宜上、流入側と流出側が1本ずつ合計2本の配管で接続されるものとして、簡略化して表している。
流入側ポート(22a)と流出側ポート(22b)は、上記ケーシングの端板(21b)に形成されている。
第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)と第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)は、ケーシング(21)の周壁(21a)に4本ずつの計8本が、ケーシング(21)の中心角度で表して45°間隔で等分された位置に設けられている。
ここで、上記ケーシングの周壁(21a)において、図2の縦軸であるY軸方向のプラス側(図の上側)を中心角度が0°の位置とし、Y軸方向のマイナス側を中心角度が180°の位置とするとともに、図2の横軸であるX軸方向のプラス側(図の右側)を90°の位置、X軸方向のマイナス側を270°の位置とすると、熱交換器(12,15)の第1端部(31a,32a,33a,34a)に接続される4つの第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)は、0°、45°、90°、135°の位置に配置されている。また、熱交換器(12,15)の第2端部(31b,32b,33b,34b)に接続される4つの第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)は、180°、225°、270°、315°の位置に配置されている。
上記流入側ポート(22a)は、ケーシングにおける中心角度が15°の位置に設けられている。上記流出側ポート(22b)は、ケーシングにおける中心角度が300°の位置に設けられている。
上記ケーシング(21)の内部には、上記流入側ポート(22a)と連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と、流出側ポート(22b)と連通する第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を変更するように上記ケーシング(21)内を複数の冷媒室(C1,C2,C3)に区画する切換部材(25)が設けられている。
上記切換部材(25)は、具体的には、上記流入側ポート(22a)と流出側ポート(22b)の間に配置された固定壁(25a)と、上記ケーシング(21)内で回転可能な可動壁(25b)とを有している。
上記固定壁(25a)は、上記流入側ポート(22a)と流出側ポート(22b)の中心角度を2等分する位置、つまり中心角度が337.5°の位置に設けられている。
この固定壁(25a)は、ケーシング(21)に対して溶接その他の接合方法により固定され、ケーシング(21)の周壁(21a)の内周面と固定壁(25a)の外周側端部との間に隙間ができないように構成されている。また、固定壁(25a)の内周側端部は、下記の回転軸(25c)との間にシール部材(図示せず)を介在させることで、該固定壁(25a)の内周側端部と回転軸(25c)との間がシール状態に保たれるようになっている。
上記可動壁(25b)は、ケーシング(21)内の中心に設けられるとともに回転可能に構成された回転軸(25c)に固定されて、該回転軸(25c)と一体的に回転するように構成されている。可動壁(25b)は、2枚の可動仕切壁からなり、これらの可動仕切壁が回転軸(25c)の回転中心を挟んで両側に形成されている。つまり、2枚の可動仕切壁は、2枚が1組になって1枚の平板状の仕切壁を形成している。
この分流器(20)には、上記切換部材(25)の可動壁(25b)を回転駆動するための駆動機構として、ステッピングモータ(パルスモータ)などの停止位置を制御できるモータ(26)が設けられている。そして、このモータ(26)が上記回転軸(25c)と連結されている。
上記可動壁(25b)は、一方の端部(図2の例では左上側の端部)が上記流入側ポート(22a)と流出側ポート(22b)の間で固定壁(25a)に沿って位置することによりケーシング(21)内を第1冷媒室(C1)と第2冷媒室(C2)とに区画する第1位置(図2参照)と、両方の端部が流入側ポート(22a)と流出側ポート(22b)の外側に位置することによりケーシング(21)内を第1冷媒室(C1)と第2冷媒室(C2)と中間冷媒室(C3)とに区画する第2位置〜第4位置(図3〜図5参照)とに設定可能に構成されている。
このように、図3から図5の状態において、上記ケーシング(21)の内部には、第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)及び第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)がともに連通する中間冷媒室(C3)が形成されている。上記切換部材(25)の可動壁(25b)は、その位置を変更することにより、該中間冷媒室(C3)に連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数及び第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を変更可能に構成されている。
この分流器(20)では、可動壁(25b)を図2の第1位置に設定すると、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に入った冷媒が第1冷媒室(C1)で4本の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)に分流して熱交換器(12,15)の4本の伝熱管(31,32,33,34)を流れ、4本の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)からケーシング(21)の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。このとき、熱交換器(12,15)のパス数は4パスとなる。
また、上記分流器(20)において可動壁(25b)を図3の第2位置に設定すると、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に入った冷媒が3本の第1接続ポート(23a,23b,23c)に分流して熱交換器(12,15)の3本の伝熱管(31,32,33)を流れた後、3本の第2接続ポート(24a,24b,24c)からケーシング(21)の中間冷媒室(C3)へ流入し、さらに他の1本の第1接続ポート(23d)及び第4伝熱管(34)を流れて他の1本の第2接続ポート(24d)からケーシング(21)の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。このとき、熱交換器(12,15)のパス数は3パスから1パスに変化する。
また、上記分流器(20)において可動壁(25b)を図4の第3位置に設定すると、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に入った冷媒が2本の第1接続ポート(23a,23b)に分流して熱交換器(12,15)の2本の伝熱管(31,32)を流れた後、2本の第2接続ポート(24a,24b)からケーシング(21)の中間冷媒室(C3)へ流入し、さらに他の2本の第1接続ポート(23c,23d)及び第3,第4伝熱管(33,34)を流れて他の2本の第2接続ポート(24c,24d)からケーシング(21)の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。このとき、熱交換器(12,15)のパス数は2パスとなる。
さらに、上記分流器(20)において可動壁(25b)を図5の第4位置に設定すると、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に入った冷媒が1本の第1接続ポート(23a)を通って熱交換器(12,15)の1本の伝熱管(31)を流れた後、1本の第2接続ポート(24a)からケーシング(21)の中間冷媒室(C3)へ流入し、さらに他の3本の第1接続ポート(23b,23c,23d)及び第2,第3,第4伝熱管(32,33,34)を流れて他の3本の第2接続ポート(24b,24c,24d)からケーシング(21)の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。このとき、熱交換器(12,15)のパス数は1パスから3パスに変化する。
〈コントローラ〉
上記コントローラ(50)は、冷媒回路(10)に設けられている圧縮機(11)や膨張機構(14)を制御するように構成されている。また、このコントローラ(50)は、分流器(20)も制御するように構成されている。このコントローラ(50)により、運転条件に合わせて分流器(20)の切換部材(25)の可動壁(25b)が図2に示す第1位置から図5に示す第4位置の何れか1つに設定される。
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作について説明する。この空気調和装置(1)では、冷房運転と暖房運転とが切り換えて行われる。冷房運転中は、冷媒回路(10)において、室外熱交換器(12)で冷凍サイクルの凝縮行程が行われ、室内熱交換器(15)で蒸発行程が行われる。また、暖房運転中は、冷媒回路(10)において、室内熱交換器(15)で冷凍サイクルの凝縮行程が行われ、室外熱交換器(12)で蒸発行程が行われる。
〈空気調和装置の冷房運転〉
空気調和装置(1)の冷房運転時における冷凍サイクルの動作について、図1を参照しながら説明する。冷房運転時には、四路切換弁(13)が第1位置(図1に実線で示す状態)に設定される。この状態で圧縮機(11)を運転すると、冷媒回路(10)では、図1に実線の矢印で示すように冷媒が循環し、冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(10)では、室外熱交換器(12)が凝縮器となり、室内熱交換器(15)が蒸発器となる。
圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒は、四路切換弁(13)を経て室外側分流器(20A)から室外熱交換器(12)に流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(12)から流出した高圧冷媒は、室外側分流器(20A)に戻って合流した後、膨張機構(14)へ流入し、減圧されて低圧の2相冷媒になる。
低圧になった冷媒は、室内側分流器(20B)を通って室内熱交換器(15)に流入する。室内熱交換器(15)では、流入した冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。このとき、室内空気が冷却される。室内熱交換器(15)から流出した冷媒は、室内側分流器(20B)で合流した後、四路切換弁(13)を通って圧縮機(11)に吸入される。圧縮機(11)に吸入されたガス冷媒は、所定の圧力まで圧縮されて高圧冷媒となり、その後に圧縮機(11)から吐出される。
〈空気調和装置の暖房運転〉
次に、空気調和装置(1)の暖房運転時における冷凍サイクルの動作について、図1を参照しながら説明する。暖房運転時には、四路切換弁(13)が第2位置(図1に破線で示す状態)に設定される。この状態で圧縮機(11)を運転すると、冷媒回路(10)では、図1に破線の矢印で示すように冷媒が循環し、冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(10)では、室内熱交換器(15)が凝縮器となり、室外熱交換器(12)が蒸発器となる。
圧縮機(11)から吐出された高圧冷媒は、四路切換弁(13)を経て室内側分流器(20B)から室内熱交換器(15)に流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。このとき、室内空気が加熱される。室内熱交換器(15)から流出した高圧冷媒は、室内側分流器(20B)に戻って合流した後、膨張機構(14)へ流入し、減圧されて低圧の2相冷媒になる。
低圧になった冷媒は、室外側分流器(20A)を通って室外熱交換器(12)に流入する。室外熱交換器(12)では、流入した冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(12)から流出した冷媒は、室外側分流器(20A)で合流した後、四路切換弁(13)を通って圧縮機(11)に吸入される。圧縮機(11)に吸入されたガス冷媒は、所定の圧力まで圧縮されて高圧冷媒となり、その後に圧縮機(11)から吐出される。
〈分流器の動作〉
上述した空気調和装置(1)の運転時における分流器(20)の動作について説明する。
冷房運転時には、室外熱交換器(12)が凝縮器として機能する一方、室内熱交換器(15)が蒸発器として機能する。また、暖房運転時には、室内熱交換器(15)が凝縮器として機能する一方、室外熱交換器(12)が蒸発器として機能する。コントローラ(50)は、圧縮機(11)や膨張機構(14)の制御に加えて、分流器(20)の切換部材(25)についても制御を行う。
分流器(20)は、コントローラ(50)により、図2〜図5の4つの状態に選択的に切り換えられる。
可動壁(25b)を図2に示す第1位置に設定すると、分流器(20)の中は2つの冷媒室(C1,C2)に区画される。この状態では、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に入った冷媒が第1冷媒室(C1)で4本の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)に分流して熱交換器(12,15)の4本の伝熱管(31,32,33,34)を流れ、4本の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)からケーシング(21)の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。このとき、熱交換器(12,15)のパス数は4パスとなる。
可動壁(25b)を図3に示す第2位置に設定すると、分流器(20)の中は3つの冷媒室に区画される。この状態では、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に入った冷媒が3本の第1接続ポート(23a,23b,23c)に分流して熱交換器(12,15)の3本の伝熱管(31,32,33)を流れた後、3本の第2接続ポート(24a,24b,24c)からケーシング(21)の中間冷媒室(C3)へ流入し、さらに他の1本の第1接続ポート(23d)及び第4伝熱管(34)を流れて他の1本の第2接続ポート(24d)からケーシング(21)の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。このとき、熱交換器(12,15)のパス数は、入口側から出口側に向かって3パスから1パスに変化する。
可動壁(25b)を図4に示す第3位置に設定すると、このときも分流器(20)の中は3つの冷媒室に区画される。この状態では、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に入った冷媒が2本の第1接続ポート(23a,23b)に分流して熱交換器(12,15)の2本の伝熱管(31,32)を流れた後、2本の第2接続ポート(24a,24b)からケーシング(21)の中間冷媒室(C3)へ流入し、さらに他の2本の第1接続ポート(23c,23d)及び第3,第4伝熱管(33,34)を流れて他の2本の第2接続ポート(24c,24d)からケーシング(21)の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。このとき、熱交換器(12,15)のパス数は、全体として2パスとなる。
可動壁(25b)を図5に示す第4位置に設定すると、このときも分流器(20)の中は3つの冷媒室に区画される。この状態では、流入側ポート(22a)からケーシング(21)内に入った冷媒が1本の第1接続ポート(23a)を通って熱交換器(12,15)の1本の伝熱管(31)を流れた後、1本の第2接続ポート(24a)からケーシング(21)の中間冷媒室(C3)へ流入し、さらに他の3本の第1接続ポート(23b,23c,23d)及び第2,第3,第4伝熱管(32,33,34)を流れて他の3本の第2接続ポート(24b,24c,24d)からケーシング(21)の第2冷媒室(C2)に戻って流出側ポート(22b)から冷媒回路(10)へ流出する。このとき、熱交換器(12,15)のパス数は入口側から出口側に向かって1パスから3パスに変化する。
上記分流器(20)の4つの位置は、空気調和装置(1)を冷房運転と暖房運転とに切り換えるときに各熱交換器(12,15)のパス数が最適値になるように設定してもよいし、同じ冷房運転時で運転条件が変わったときや、同じ暖房運転時で運転条件が変わったときに各熱交換器(12,15)パス数を最適値に設定するように切り換えてもよい。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、流入側ポート(22a)に連通する第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と流出側ポート(22b)に連通する第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を変更するようにしたため、熱交換器(12,15)の上流側から下流側に亘って、流れる冷媒の状態に応じた冷媒パス数を設定することができる。これにより、ガス冷媒が流通する際は、冷媒パス数を多くして流路の断面積を大きくすることで冷媒流路でガス冷媒の流速を低下させることができる。また、液冷媒が流通する際は、冷媒パス数を少なくして流速を上げ、熱伝達率を高くすることができる。この結果、熱交換器(12,15)の冷媒パス数を、熱交換器(12,15)内の冷媒状態に応じて適切な冷媒パス数に調節することができる。
また、分流器(20)のケーシング(21)を円筒状にして、切換部材(25)の可動壁(25b)をを回転式にしているので、切り換え方式として直線運動方式を採用した特許文献1の分流器(20)に比べて、ケーシング(21)を軸方向に短くすることができる。したがって、分流器(20)を小型化できる。
さらに、本実施形態によれば、切換部材(25)によって冷媒供給側の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と冷媒戻り側の第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を適宜変更することにより、従来よりも多くの運転条件に対応することができる。つまり、熱交換器(12,15)のパス数をより細かく切り換えることにより、パス数の最適化を可能にすることができる。
また、本実施形態の分流器(20)では、固定壁(25a)と可動壁(25b)とにより、ケーシング(21)内が、複数の冷媒室(C1,C2,C3)に区画される。そして、可動壁(25b)を回転させてその位置を変更することにより、熱交換器(12,15)におけるパス数の変更を容易に行うことができる。特に、中間冷媒室(C3)が形成されるようにしたことによって、第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)の数と第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の数を容易に変えることができるので、運転条件に応じて熱交換器(12,15)のパス数を容易に最適化することができる。
また、駆動機構としてモータ(26)を用いて可動壁(25b)を回転駆動することにより、熱交換器(12,15)におけるパス数の変更を極めて容易に行うことができる。
さらに、例えばHFO1234yfのような低圧冷媒を用いる場合に、熱交換器(12,15)(特に蒸発器)における圧力損失による効率低下が著しく、圧力損失を低減するための熱交換器(12,15)のパス数を運転条件ごとに最適化する必要があるのに対して、パス数を可変にすることにより、最適条件での運転が可能となる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では4本の伝熱管(31,32,33,34)を備えた熱交換器(12,15)に対応する分流器(20)を有する冷媒回路(10)について説明したが、熱交換器(12,15)が有する伝熱管(31,32,33,34)の本数は適宜変更してもよい。その場合、分流器(20)の第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)と第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)の本数も伝熱管(31,32,33,34)の本数に合わせて変更することになる。また、伝熱管(31,32,33,34)の本数を増やすようにすれば、熱交換器(12,15)における冷媒のパス数もより広範囲に変更することが可能となる。
さらに、上記実施形態では、分流器(20)に第1接続ポート(23a,23b,23c,23d)と第2接続ポート(24a,24b,24c,24d)を合わせて8本設け、それぞれを45°間隔で配置するようにしているが、各ポートの配置は適宜変更してもよい。
また、上記実施形態では冷媒としてHFO系冷媒を充填した冷媒回路を有する空気調和装置について説明したが、HFO系冷媒は一例にすぎず、本発明を適用する冷媒回路(10)には他の冷媒を充填してもよい。
また、上記実施形態では、室外熱交換器(12)と室内熱交換器(15)の両方に本発明の分流器(20)を接続した例を説明したが、この分流器(20)は室外熱交換器(12)と室内熱交換器(15)の何れか一方に接続するようにしてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。