JP2011106610A - 減速機のスラストブシュ潤滑構造 - Google Patents

減速機のスラストブシュ潤滑構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ギアの側面に設けられたスラストブシュに対して、簡単な構成でかつ十分な潤滑が行えるようにする。
【解決手段】このスラストブシュ潤滑構造は、第2太陽ギア50とスラストブシュ82とを備えた油浴潤滑の減速機における構造である。第2ギア50は、中心部に貫通孔を有するとともに、貫通孔に挿入された出力軸29に対してフローティング支持されている。スラストブシュ82は、第2太陽ギア50の一側面側に配置され、第2太陽ギア50の側面と摺動する。そして、第2太陽ギア50の内径部には、撹拌により発生したオイル飛沫を溜めるための油溜まりとして機能する大径部50aが形成されており、油溜まりとしての大径部50aを含む第2太陽ギア50の内径部は、内部のオイルがスラストブシュ82側に流れやすい形状である。
【選択図】図5

Description

本発明は、スラストブシュの潤滑構造、特に、油浴潤滑の減速機におけるスラストブシュ潤滑構造に関する。
フォークリフト等の作業用車両は左右のファイナルドライブ装置を有している。各ファイナルドライブ装置は、車体に固定された左右のドライブケースに収納されており、モータ軸を有するモータと、モータの回転を減速してハブに固定されたホイールに伝達する終減速装置と、を有している。終減速装置は、モータの回転を減速するドライブギア及びドリブンギアと、ドリブンギアの回転をさらに減速する遊星歯車減速機と、を有している。また、ドリブンギアの内部には、湿式ブレーキ装置が設けられている。
このファイナルドライブ装置では、モータからの回転は、ドライブギア及びドリブンギアによって減速され、さらに遊星歯車機構によって減速されてホイールに伝達される。また、停止する場合は、ドリブンギアの回転が湿式ブレーキ装置によって制動される。
このような減速装置においては、ラジアル荷重を受ける軸受部やスラスト受け部に潤滑用のオイルを供給することが重要である。従来装置においては、オイルレベルより上方の部位については、オイル飛散による雰囲気潤滑に期待するか、あるいはオイル供給用の管等の油路を用いた強制潤滑がなされている。また、特許文献1に示されるように、摺動部の隙間に潤滑用オイルを蓄えることのできる構造の金属系摺動材料を介在させることも提案されている。
特開2003−221838号公報
従来装置におけるオイル飛散による雰囲気潤滑では、特にオイル飛散が届きにくい箇所においては潤滑不足になるおそれがある。特に、ギアの側面に設けられたスラストブシュには、オイル飛散が到達しにくい。また、強制潤滑の場合は、配管等の部品が必要になり、構成が複雑で高価になる。さらに、スラストブシュを特許文献1に示されたような金属系摺動材料で構成することも考えられるが、コストアップを招くことになる。
本発明の課題は、特にギアの側面に設けられたスラストブシュに対して、簡単な構成でかつ十分な潤滑が行えるようにすることにある。
第1発明に係る減速機のスラストブシュ潤滑構造は、ギアとスラストブシュとを備えた油浴潤滑の減速機における構造である。ギアは、中心部に貫通孔を有するとともに、貫通孔に挿入された軸に対してフローティング支持されている。スラストブシュは、ギアの一側面側に配置され、ギアの側面と摺動する。そして、ギアの内径部には、撹拌により発生したオイル飛沫を溜めるための油溜まりが形成されており、油溜まりを含むギアの内径部は、内部のオイルがスラストブシュ側に流れやすい形状である。
この構造では、ギアの側面にスラストブシュが配置されており、スラストブシュとギア側面とは摺動する、このとき、ギアの内径部に油溜まりが形成されているので、この油溜まりに、減速機内のギア等の回転部材によって攪拌されたオイルの飛沫が溜まる。そして、油溜まりを含むギアの内径部は、溜まったオイルがスラストブシュ側に流れやすい形状になっているので、スラストブシュにオイルが十分に供給される。
ここでは、ギアの一部を加工してオイルを溜め、このオイルをスラストブシュに供給するので、簡単でかつ安価な構成でスラストブシュの潤滑を行うことができる。
第2発明に係る減速機のスラストブシュ潤滑構造は、第1発明のスラストブシュ潤滑構造において、油溜まりは、スラストブシュ側に軸方向に所定の幅で形成された第1内径を有する部分であり、ギア内径部の油溜まり以外の部分は、第1内径より小さい第2内径で形成されている。
ここでは、ギア内周面と軸との隙間が、スラストブシュ側は大きく、逆側は小さい。したがって、ギア内径部の油溜まりに溜まったオイルは、隙間の大きいスラストブシュ側により多く流れることになる。
第3発明に係る減速機のスラストブシュ潤滑構造は、第1発明のスラストブシュ潤滑構造において、油溜まりは、スラストブシュ側に軸方向に所定の幅で形成され、スラストブシュ側に近づくにしたがって内径が大きく形成されている。
ここでは、ギア内周面と軸との隙間が、スラストブシュに近づくほど大きくなっている。したがって、ギア内径部の油溜まりに溜まったオイルは、隙間がより大きくなっているスラストブシュ側に流れることになる。
第4発明の減速機のスラストブシュ潤滑構造は、第1発明のスラストブシュ潤滑構造において、減速機は、第1太陽ギアを有し入力された回転を減速する第1遊星歯車減速機と、第1遊星歯車減速機の出力回転をさらに減速する第2遊星歯車減速機と、を含む。そして、第1発明の軸は先端に第1太陽ギアが設けられており、また第1発明のギアは第1遊星歯車減速機の出力回転が入力される第2遊星歯車減速機の第2太陽ギアである。
以上のような本発明では、減速機のギア側面に設けられたスラストブシュに対して、簡単な構成でかつ十分な潤滑用のオイルを供給することができる。
本発明の一実施形態によるスラストブシュ潤滑構造を有するフォークリフトの終減速装置の断面展開図。 前記終減速装置のトランスファ減速機の断面展開図。 前記終減速装置の遊星歯車機構の断面展開図。 前記終減速装置のブレーキ機構の断面展開図。 前記スラストブシュ潤滑構造を示す断面展開図。 スラストブシュ潤滑構造の他の実施形態の図6に相当する図。
図1に、本発明の一実施形態によるスラストブシュ潤滑構造が採用された、フォークリフトの終減速装置の断面構成を示す。なお、図1は断面構成を展開して示しており、各部材の上下左右の位置関係は実際の位置関係とは異なって表現されている。また、図1では、一方の終減速装置のみを示しているが、他方にも同様の装置が配置されている。
フォークリフトは、左右の前輪を駆動するためのファイナルドライブ装置を有している。ファイナルドライブ装置は、電動式のモータと、モータの回転を減速して前輪に伝達する終減速装置と、を有している。なお、モータは、前輪の車両内側において、マストとの干渉を避けるために車軸中心から後方にオフセットして配置されている。終減速装置は、その前後方向の中心が車軸中心と一致するように配置されている。また、終減速装置はそのほぼ大半が、前輪のホイールの回転軸方向の幅内に収まるように配置されている。
[モータ]
モータ3は車体の内側に配置されており、図1に示すように、モータ3の出力軸であるモータ軸10がボールベアリング11によって支持部材12に回転自在に支持されている。また、モータ軸10の中心には、スプライン孔10aが形成されている。ここで、本実施形態で用いられるモータ3は、モータ3を小型化するために、高回転数で回転する高回転型でかつ低トルク容量のモータが搭載されている。
[終減速装置]
終減速装置4は、固定ハウジング14を有するとともに、メインハウジング15、エンドハウジング16、及びエンドカバー17からなるケース18を有している。また、終減速装置4は、入力軸がモータ軸10と同軸に配置されたトランスファ減速機20と、モータ軸10と平行で前輪の車軸中心と同軸に配置された遊星歯車機構21と、前輪を制動するためのブレーキ機構22と、を有している。トランスファ減速機20、遊星歯車機構21、及びブレーキ機構22は、ケース18の内部に収納されている。
このような終減速装置4においては、前述のように、トランスファ減速機20及び遊星歯車機構21を収納するケース18は、前輪のホイール7の内部で、ホイール7の回転軸方向の幅内に収まるように配置されている。
<ケース>
固定ハウジング14は車体フレームに固定される。固定ハウジング14には、入力軸用開口14aと、出力軸用開口14bと、ブレーキ軸用開口14cと、が回転軸方向(以下、単に軸方向と記す)に貫通して形成されている。また、固定ハウジング14には、ブレーキ軸用開口14cと同軸でブレーキ収容部14dが形成されている。ブレーキ収容部14dは、ブレーキ軸用開口14cより大径で、固定ハウジング14の車体内側の面に開放して形成されている。
メインハウジング15は、筒状に形成されており、固定ハウジング14の車体外側に配置されている。エンドハウジング16は、筒状に形成されるとともに、外周側に固定用のフランジ16aを有している。このフランジ16aが、前輪のホイール7とともに、ボルト25によってメインハウジング15に固定されている。また、エンドカバー17は、プレート状の部材であり、外周部が複数のボルト26によってエンドハウジング16に固定されている。
メインハウジング15、エンドハウジング16、及びエンドカバー17を含むケース18は固定ハウジング14に対して回転自在である。そして、メインハウジング15と固定ハウジング14との間には、ケース18内部のオイルが漏れ出るのを防止するためにオイルシール24が設けられている。
<トランスファ減速機>
トランスファ減速機20は、図2に示すように、入力軸28と、出力軸29と、ドライブギア30と、ドリブンギア31と、を有している。ドライブギア30及びドリブンギア31は、この実施形態では、はすば歯車であるが、平歯車で形成してもよい。
入力軸28はモータ軸10と同軸に配置されている。入力軸28の先端(モータ側の端部)にはスプライン軸28aが形成されており、このスプライン軸28aがモータ軸10に形成されたスプライン孔10aに係合している。入力軸28は、1対のボールベアリング32,33を介して、固定ハウジング14とメインハウジング15(直接的には後述する第2キャリア)に回転自在に支持されている。そして、この入力軸28に、ドライブギア30が一体に形成されている。
ドリブンギア31は、ドライブギア30に噛み合っており、1対のボールベアリング34,35を介して固定ハウジング14及びメインハウジング15(直接的には後述する第2キャリア)に回転自在に支持されている。ドリブンギア31の中心部にはスプライン孔31aが形成されている。ドリブンギア31の中心部には出力軸29が貫通しており、出力軸29に形成されたスプライン軸29aがドリブンギア31のスプライン孔31aに係合している。なお、出力軸29は前輪の車軸中心と同軸であり、かつ入力軸28と平行に配置されている。
<遊星歯車機構>
図3に示すように、遊星歯車機構21は、出力軸29と同軸に配置されており、1段目の第1遊星歯車減速機38と、第1遊星歯車減速機39の出力回転をさらに減速する2段目の第2遊星歯車減速機39と、を有している。
−第1遊星歯車減速機−
1段目の第1遊星歯車減速機38は、第1太陽ギア40と、複数の第1遊星ギア41と、複数の遊星ギア41を回転自在に支持する第1キャリア42と、第1リングギア43と、を有している。
第1太陽ギア40は、出力軸29の先端(車体外側の端部)に、出力軸29と一体に形成されている。なお、出力軸29の先端とエンドカバー17との間には、出力軸29に作用するスラスト力を受けるためのボール44が設けられている。
複数の第1遊星ギア41は第1太陽ギア40及び第1リングギア43に噛み合っている。この複数の第1遊星ギア41は、第1キャリア42に固定された支持ピン45に、ニードルベアリング46を介して回転自在に支持されている。なお、各第1遊星ギア41の両側面と第1キャリア42との間にはスラストワッシャ47が配置されている。
第1キャリア42は、筒状に形成されるとともに、円周方向の複数箇所に、径方向に貫通するスリットが形成されている。このスリットに、前述のように、支持ピン45を介して第1遊星ギア41が支持されている。また、第1キャリア42の図3における車体内側の右側面の内周部には、軸方向の突出する筒状部42aが形成されている。この突出部42aの内面に連結リングギア42bが形成されている。なお、第1キャリア42の図3における左側面の内周部とエンドカバー17との間には、スラストワッシャ48が設けられている。
第1リングギア43は、エンドハウジング16の内周面にエンドハウジング16と一体に形成されている。
−第2遊星歯車減速機−
2段目の第2遊星歯車減速機39は、第1太陽ギア50と、複数(この実施形態では4個)の第2遊星ギア51と、複数の第2遊星ギア51を回転自在に支持する第2キャリア52と、第2リングギア53と、を有している。
第2太陽ギア50は、中心部に軸方向に貫通する孔(詳細は後述)を有し、この孔を出力軸29が貫通している。第2太陽ギア50の一端側(図3の左側)には、第1キャリア42の連結リングギア42bが噛み合っている。この噛み合いによって、第1遊星歯車減速機38の第1キャリア42の回転が第2太陽ギア50に入力される。以上の構成から明らかなように、第2太陽ギア50は連結リングギア42bによって径方向の位置決めがなされており、出力軸29に対しては接触して支持されていない。すなわち、第2太陽ギア50は出力軸29に対してフローティング支持されている。
複数の第2遊星ギア51は第2太陽ギア50の他端側(図3の右側)及び第2リングギア53に噛み合っている。この複数の第2遊星ギア51は、第2キャリア52に固定された支持ピン55に、ニードルベアリング56を介して回転自在に支持されている。
第2キャリア52は、車体内側から外側に向かって装着される複数のボルト57によって、固定ハウジング14に固定されている。この第2キャリア52は、第1キャリア42と同様に、筒状に形成されるとともに、円周方向の複数箇所に、径方向に貫通するスリットが形成されている。このスリットに、支持ピン55を介して第2遊星ギア51が支持されている。各遊星ギア51の両側面と第2キャリア52との間には、それぞれスラストワッシャ58が配置されている。
第2キャリア52は、第2遊星ギア51を支持する部分を挟んで、車体内側に大径部52aを有し、車体外側に小径部52bを有している。大径部52a及び小径部52bには、それぞれテーパローラベアリング59,60が装着されており、このテーパローラベアリング59,60を介してメインハウジング15を含むケース18が第2キャリア52に回転自在に支持されている。2つのテーパローラベアリング59,60は、前述のように、第2遊星ギア51を挟んで配置されるとともに、前輪の中心Ctの車体内側と車体外側に振り分けて配置されている。そして、車体外側に配置されたテーパローラベアリング60は、車体内側に配置されたテーパローラベアリング59よりも小径である。このテーパローラベアリング60の外周側に、ホイール7及びエンドハウジング16をメインハウジング15に固定する複数のボルト25が配置されている。なお、軸受容量としては、2つのテーパローラベアリング59,60はほぼ同様である。
第2キャリア52の車体内側の側面には、ギア収納用開口52cと、3つのベアリング収納用開口52d,52e,52fと、が形成されている。ギア収納用開口52cにはドライブギア30及びドリブンギア31が収納され、ベアリング収納用開口52d,52eには、それぞれ入力軸28を支持するボールベアリング33及び出力軸29を支持するボールベアリング35が装着されている。そして、第2キャリア52の車体内側の端面と固定ハウジング14の車体外側の端面とが固定されている。
第2キャリア52の車体外側の端面には、テーパローラベアリング60をメインハウジング15に固定するための支持プレート61が複数のボルト62によって固定されている。
第2リングギア53は、メインハウジング15の内周面にメインハウジング15と一体に形成されている。
[ブレーキ機構]
ブレーキ機構22は、図4に示すように、ブレーキ軸65と、ブレーキ用ギア66と、ブレーキ本体部67と、を有している。
ブレーキ軸65は出力軸29と平行にかつ出力軸29からオフセットして配置されており、車両内側の先端にはスプライン軸65aが形成されている。また、ブレーキ軸65は1対のボールベアリング70,71を介して固定ハウジング14及び第2キャリア52に回転自在に支持されている。なお、ボールベアリング71は第2キャリア52のベアリング収納用開口52fに装着されている。そして、このブレーキ軸65にブレーキ用ギア66がブレーキ軸65と一体に形成されている。ブレーキ用ギア66はトランスファ減速機20のドリブンギア31と噛み合っている。ブレーキ用ギア66は、この実施形態では、はすば歯車であるが、平歯車で形成してもよい。
ブレーキ本体部67は、2枚のブレーキ用ディスク74と、3枚の固定プレート75と、ピストン76と、を有している。
ブレーキ用ディスク74は、リング状のプレートであり、内周にスプライン孔74aを有している。このスプライン孔74aがブレーキ軸65のスプライン軸65aに係合している。したがって、ブレーキ用ディスク74はブレーキ軸65に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能である。また、ブレーキ用ディスク74の両面には摩擦フェーシングが装着されている。
固定プレート75は、リング状のプレートであり、2枚のブレーキ用ディスク74を挟むように配置されている。固定プレート75の外周部には1つの突出部が形成されるとともに、この突出部に切欠きが形成されている。そして、この固定プレート75の切欠きに、固定ハウジング14のブレーキ収容部14dに設けられたピンが係合している。これにより、固定プレート75は固定ハウジング14に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能である。
ピストン76は、円板状の部材であり、中心部に操作部76aが設けられている。この操作部76aを外部からの操作によってブレーキ軸65側に押すことにより、ブレーキ用ディスク74と固定プレート75とが圧接され、ブレーキ軸65が制動される。このブレーキ軸65が制動されることにより、出力軸29、遊星歯車機構21、及び前輪の回転が制動されることになる。
なお、ブレーキ本体部67の車体内側には、ブレーキカバー78が設けられている。ブレーキカバー78は複数のボルト79によって固定ハウジング14に固定されている。このような構成により、ブレーキ本体部67はオイルとともにケース18内部に密閉されている。
[スラストブシュ潤滑構造]
第2太陽ギア50の車体内側の側面と第2キャリア52との間には、環状のスラストブシュ82が設けられている。より詳細には、図5に拡大して示すように、第2キャリア52には、出力軸29が貫通する孔52gが形成されている。また、この孔52gと同軸で、円形の凹部52hが車体外側の側面に形成されている。そして、凹部52hにスラストブシュ82が嵌め込まれている。スラストブシュ82の両側の摺動面には、放射状に形成された複数の潤滑用のオイル溝が形成されている。
一方第2太陽ギア50の内径部には、大径d1の孔(大径部)50aと小径d2(<d1)の孔(小径部)50bとが形成されている。大径部50aは第2太陽ギア50の内径部においてスラストブシュ82側に形成されている。大径部50aは、第2太陽ギア50の軸方向全長のほぼ2/3にわたって形成されている。一方、小径部50bは第2太陽ギア50の内径部においてスラストブシュ82と逆側に形成されている。
このような構成では、第2太陽ギア50の大径部50aと出力軸29との間の隙間は大きく、この部分は、回転する部材によって攪拌されたオイル飛沫を溜めるための油溜まりとして機能している。また、小径部50bと出力軸29との間の隙間は比較的小さい。したがって、第2太陽ギア50の大径部50aに溜まったオイルは、スラストブシュ82側に流れやすくなっている。
[動作]
以上のように構成された終減速装置4では、モータ3から回転が入力されると、この回転はトランスファ減速機20のドライブギア30及びドリブンギア31によって減速されて出力軸29に出力される。出力軸29の回転は、第1遊星歯車減速機38の第1太陽ギア40、第1遊星ギア41、及び第1リングギア43を介して前輪に伝達される。また、第1遊星歯車減速機38の第1キャリア42の出力が第2遊星歯車減速機39の第2太陽ギア50に伝達され、第2太陽ギア50、第2遊星ギア51、及び第2リングギア53を介して前輪に伝達される。
以上のようにして、モータ3の回転は、トランスファ減速機20と、第1及び第2遊星歯車減速機38,39を含む遊星歯車機構21とによって決まる減速比で減速されて、前輪に伝達される。
また、外部からブレーキ操作がなされた場合は、ブレーキ機構22のピストン76がブレーキ用ディスク74と固定プレート75とを圧接する。これにより、ブレーキ軸65の回転が制動され、ブレーキ軸65のブレーキ用ギア66と噛み合うドリブンギア31、すなわち出力軸29の回転が制動される。
以上のような動作中において、ケース18内に溜まったオイルは、回転する部材によって攪拌される。この攪拌によって、オイルがケース18内を飛散する。この飛散したオイルは、各部を潤滑するとともに、主に遠心力によって第2太陽ギア50の大径部50aの内周面に集まり、出力軸29との間の隙間(油溜まり)に溜められる。そして、第2太陽ギア50の内径部においては、出力軸29との隙間は、スラストブシュ82側が大きく、逆側が小さいので、油溜まりに溜まったオイルはスラストブシュ82側により多く流れることになる。このオイルによって、スラストブシュ82が潤滑される。
[特徴]
以上のような実施形態では、フローティング支持された第2太陽ギア50の内径部に油溜まりを形成し、かつ油溜まりのオイルをスラストブシュ82側に流れやすくしているので、簡単な構成でスラストブシュ82を十分に潤滑することができる。
また、同様の理由により、ケース18内のオイルレベルを従来に比較して下げることができる。このため、オイルの攪拌ロスを小さくすることができる。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
(a)第2太陽ギアの内径部の形状は、前記実施形態に限定されない。例えば、図6に示すような形状でもよい。図6に示す実施形態では、第2太陽ギア50’の内径部は、テーパ部50a’と、内径が一定の部分(小径部)50b’と、を有している。テーパ部50a’は、第2太陽ギア50’の軸方向全長のほぼ2/3にわたって形成されており、スラストブシュ82に近づくにしたがって内径が大きくなるような形状である。一方、小径部50b’は第2太陽ギア50’の内径部においてスラストブシュ82と逆側に形成されている。この小径部50b’は、テーパ部50a’の最も小径部分と同径で、小径部50b’が形成された軸方向範囲において一定である。また、他の部分の構成は前記実施形態と同様の構成である。
このような構成では、第2太陽ギア50’のテーパ部50a’は、スラストブシュ82に近づくにしたがって出力軸29との間の隙間は大きくなっており、この部分は、回転する部材によって攪拌されたオイル飛沫を溜めるための油溜まりとして機能している。また、小径部50b’と出力軸29との間の隙間は比較的小さい。したがって、第2太陽ギア50’のテーパ部50a’に溜まったオイルは、スラストブシュ82側に流れやすくなっている。
このような実施形態によっても、前記実施形態と同様に、スラストブシュ82を簡単な構成で十分に潤滑することができる。また、ケース18内のオイルレベルを従来に比較して下げることができ、オイルの攪拌ロスを小さくすることができる。
(b)前記実施形態では、本発明をフォークリフトの終減速装置に適用したが、他の車両の減速機にも同様に適用することができる。
4 終減速装置
21 遊星歯車機構
29 出力軸
38 第1遊星歯車減速機
39 第2遊星歯車減速機
50,50’ 第2太陽ギア
50a 大径部
50a’ テーパ部
50b,50b’ 小径部
82 スラストブシュ

Claims (4)

  1. 油浴潤滑の減速機におけるスラストブシュ潤滑構造であって、
    中心部に貫通孔を有するとともに、前記貫通孔に挿入された軸に対してフローティング支持されたギアと、
    前記ギアの一側面側に配置され、前記ギアの側面と摺動するスラストブシュと、
    を備え、
    前記ギアの内径部には、撹拌により発生したオイル飛沫を溜めるための油溜まりが形成されており、
    前記油溜まりを含む前記ギアの内径部は、内部のオイルが前記スラストブシュ側に流れやすい形状である、
    減速機のスラストブシュ潤滑構造。
  2. 前記油溜まりは、前記スラストブシュ側に軸方向に所定の幅で形成された第1内径を有する部分であり、
    前記ギア内径部の前記油溜まり以外の部分は、前記第1内径より小さい第2内径で形成されている、
    請求項1に記載の減速機のスラストブシュ潤滑構造。
  3. 前記油溜まりは、前記スラストブシュ側に軸方向に所定の幅で形成され、前記スラストブシュ側に近づくにしたがって内径が大きく形成されている、請求項1に記載の減速機のスラストブシュ潤滑構造。
  4. 前記減速機は、
    第1太陽ギアを有し入力された回転を減速する第1遊星歯車減速機と、
    前記第1遊星歯車減速機の出力回転をさらに減速する第2遊星歯車減速機と、を含み、
    前記軸は先端に前記第1太陽ギアが設けられており、
    前記ギアは前記第1遊星歯車減速機の出力回転が入力される第2遊星歯車減速機の第2太陽ギアである、
    請求項1に記載の減速機のスラストブシュ潤滑構造。
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