JP2011105183A - 自動車のバンパー構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】補助ビーム2が、支持アーム3への固定箇所を含む左右の両端部19と内側の張出部18からなり、張出部18は、両端部19に隣接する隣接領域が後方側に凸の湾曲形状をなし、その内側の内側領域が前方側に凸の湾曲形状を有する。隣接領域と内側領域の間が、曲率のプラス・マイナスが変化する変曲点となっている。
【選択図】図1
Description
しかし、支持アームが設置されるバンパーの端部付近(補助ビームの取付位置)は、他の部品(ランプ等)が配置されることが多く、また外観設計との関係でスペース的制約を受けることも多く、この部分で補助ビームを図7の仮想線に示す形態で主ビームの前方に配置することは、一般に困難である。
(1)補助ビームへの衝突時の荷重−変位曲線図において、初期最大荷重が大きく、かつその後の荷重変動(荷重低下)が大きく、エネルギー吸収効率の改善が強く望まれる。
(2)バンパーフェイシャーと補助ビーム2の間にスペース的余裕がある場合でも、この湾曲形状では、補助ビーム2をこれ以上前方に突出させることができず、主ビームと衝突する前の補助ビーム変形のストロークが十分確保できない。
なお、歩行者保護のためバンパー構造体に補助ビームを設置することは、EC域ではすでに法制化され、日本、米国においても法制化の動きがある。このため、歩行者保護性能に優れた補助ビーム付きバンパー構造体を得ることは当技術分野において急務といえる。
なお、本件明細書において、自動車のフロント側、リア側に関わらず、衝突面側を前とし、車体側を後とする。
(1)前記補助ビームは、前記両端部が前記主ビームの両端部と略平行に設置されていること。
(2)上記(1)の場合に前記主ビームの両端部が後方に傾斜していること。
(3)上記(1),(2)の場合に、前記支持アームの押出方向が前記主ビーム及び補助ビームの両端部と平行で、かつ両切断端面が車体前後方向に平行に配置されていること。
(4)前記支持アームは断面が中空であり、前記断面の中空の輪郭より上に突出する外リブを有し、前記外リブが前記主ビームの前面又は背面若しくはその両面に接合されていること。
図1〜3に示すバンパー構造体は、主ビーム1と、補助ビーム2と、左右一対の支持アーム3からなり、支持アーム3は上端部が主ビーム1に固定され、補助ビーム2は前記支持アーム3の下端部に固定され、衝突面2aが主ビーム1の下方かつ主ビームの衝突面1aより前方側に位置する。
主ビーム1は中空断面のアルミニウム合金押出形材からなり、その断面は衝突時の荷重方向に対し略垂直な前壁5及び後壁6、前壁5と後壁6を略垂直に接続する横壁7〜9からなる。前壁5は前面中央部に凹部を有し、前壁5の前面が前記衝突面1aである。主ビーム1は平面視形状で左右対称に曲げ加工され、車幅方向に平行な中央部11と、後方側(車体側)に傾斜した両端の傾斜部(両端部)12からなる。なお、図1において、4は主ビーム1の傾斜部12の背面側に設置されたバンパーステイである。
隣接領域21の湾曲形状を示す円弧状の曲線21A、及び内側領域22の湾曲形状を示す円弧状の曲線22Aがそれぞれ一点鎖線で示され、両曲線21A,22Aは接点23で接している。このことから、補助ビーム2の張出部18(隣接領域21,内側領域22)を1つの曲線とみたとき、接点23の位置はその変曲点ということができる。湾曲した張出部18が変曲点(接点23)を有することにより、補助ビーム2は、図8の例に比べ、張出部18のほぼ全領域にわたって、前方により突出した形状となっている。
また、主ビーム1と支持アーム3の接合において、ボルト締結は、ボルトを通す穴がレイアウト上設定できれば自在に取付が可能であるという利点があり、一方、溶接接合は、ボルト締結に比べて結合力が高く(溶接線長を長く取れる断面形状が望ましい)、支持アーム3と主ビーム1、支持アーム3と補助ビーム2の接合を堅固にして、衝突時の荷重レベルを比較的高くできるという利点がある。
このバンパー構造体では、補助ビーム2の張出部18の内側領域22が、前方に凸の湾曲形状を有する領域22aと、領域22aに挟まれた真直状の領域22bからなる点でのみ、図1に記載したバンパー構造体と異なる。この補助ビーム2でも、両端部19に隣接する領域(隣接領域21)は後方側に凸の湾曲形状をなし、続いてその内側において前方側に凸の湾曲形状に変化している。
図6に示すように、比較例では、衝突時の初期最重が高く出て、その後の荷重変動も大きい。一方、本発明例では、初期荷重が抑制され、その後の荷重変動も抑制され、荷重が全体的にフラットであり、高いエネルギー吸収効率が得られる。
2 補助ビーム
3 支持アーム
11 主ビームの中央部
12 主ビームの傾斜部(両端部)
18 張出部
19 両端部
21 隣接領域(張出部の一部、両端部に隣接する領域)
22 内側領域(張出部の一部、隣接領域に挟まれた領域)
21A,22A 円弧状の曲線
23 接点(変曲点)
Claims (5)
- 主ビームと、上端部が前記主ビームの両端部に固定された左右の支持アームと、前記支持アームの下端部に固定され、前記主ビームの下方に位置する補助ビームからなり、かつ前記主ビーム、補助ビーム及び支持アームがいずれもアルミニウム合金押出形材からなり、前記補助ビームの衝突面が車幅方向全幅にわたって前記主ビームの衝突面より前方に位置する自動車のバンパー構造体であり、前記補助ビームが、前記支持アームへの固定箇所を含む両端部と、その車幅方向内側において前記主ビームとの車体前後方向の間隔が前記両端部より広く設定された張出部からなり、前記張出部は、前記両端部に隣接する領域が後方側に凸の湾曲形状をなし、続いてその車幅方向内側において前方側に凸の湾曲形状に変化していることを特徴とする自動車のバンパー構造体。
- 前記補助ビームは、前記両端部が前記主ビームの両端部と略平行に設置されていることを特徴とする請求項1に記載された自動車のバンパー構造体。
- 前記主ビームの両端部が後方に傾斜していることを特徴とする請求項2に記載された自動車のバンパー構造体。
- 前記支持アームの押出方向が前記主ビーム及び補助ビームの両端部と略平行で、かつ両切断端面が車体前後方向に平行に配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載された自動車のバンパー構造体。
- 前記支持アームは断面が中空であり、前記断面の中空の輪郭より上に突出する外リブを有し、前記外リブが前記主ビームの前面又は背面若しくはその両面に接合されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載された自動車のバンパー構造体。
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