JP2011104960A - 木質板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】節の多い針葉樹材を用いても抜け節が少なく且つアルカリ汚染が少ない木質板を効率的に製造する方法の提供。
【解決手段】針葉樹単板と木質単板とを前記針葉樹単板が表層に位置するように積層してなる木質板の製造方法であって、前記針葉樹単板をその含水率が10〜20質量%の範囲になるよう乾燥させ、次いで、針葉樹単板又は木質単板の少なくとも片面にレゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)を含有する木質材料用接着剤を塗布し、次いで、塗布面を介して針葉樹単板と木質単板とを積層することを特徴とする木質板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、節の多い針葉樹材を用いながら抜け節の少ない木質板の製造方法に関する。
建材用合板などの木質板は、厚さ0.3〜5mm程度の広葉樹単板を貼り合わせ積層した構成となっているのが一般的である。しかしながら、広葉樹合板の原料となる広葉樹の伐採が進むことにより熱帯雨林が減少している。そこで、広葉樹資源の保護、環境保護の観点から、木質板の原料材として、針葉樹材の活用が期待されている。
針葉樹材は、比較的豊富な且つ植林等で再生可能な資源であるものの、従来の広葉樹と比較して多数の節が存在するために、実用上の問題が生じる場合がある。節の中でも特に、死に節とよばれる枯れた後に形成される節が、合板製造時の単板乾燥工程等で抜け落ちる現象(「抜け節」という)が生じ、外観不良、強度不足の原因となっていた。
このような針葉樹材の欠点を補う方法として、従来から、(1)節の多い部分を選別して廃棄すること、(2)MDF(中密度繊維板)との複合合板とすること(例えば、特許文献1参照)、(3)広葉樹単板を表層に用いること等が行われてきた。しかしながら、歩留まりの悪さ、コスト増、工程の複雑化が問題となっている。
合板の製造工程において、死に節が抜け落ちるのは、(1)丸太から単板を切削する工程、(2)単板を乾燥装置まで搬送する工程、(3)単板を乾燥する工程、(4)乾燥後の単板を接着剤塗布工程まで搬送する工程、(5)乾燥単板に接着剤を塗布する工程、の各工程で起きる可能性があるが、殆どは(3)〜(5)の工程における単板乾燥から接着剤塗布が終了するまでの間の工程で起きている。
通常、合板などの木質板を製造する場合には、木質単板を十分に乾燥させるが(含水率は通常5質量%以下)、単板の乾燥を含水率15質量%程度にとどめておけば、抜け節の発生は著しく低減出来る(例えば、非特許文献1参照)。しかし、15質量%程度の高い含水率の単板に接着剤を塗布し、積層、加熱圧着すると、接着層の樹脂分が単板から移行してきた水分により希釈されるため、硬化時間の遅延、樹脂の単板への浸透が促進され、水蒸気圧によるパンク現象が発生しやすくなる。
一方、従来、建材用合板などの木質板の製造には、ユリア樹脂、ユリアメラミン樹脂に代表されるアミノ系樹脂が接着剤として用いられてきたが、近年の健康志向の高まりと木質板の構造用への用途拡大の為に、ホルムアルデヒド放散量が少なく、耐久性が高いレゾール型フェノール樹脂を木質板用接着剤として用いることが多くなってきている。レゾール型フェノール樹脂は、その製造時にアミノ樹脂と比べて多量のアルカリ触媒を用いており、そのため、レゾール型フェノール樹脂を木質板用接着剤として用いると、成板後の木質板が水や湿気に晒された場合に、硬化した接着剤のアルカリ分が木材成分と反応しながら表面層にしみ出し、アルカリ汚染と呼ばれる変色の問題を引き起こす問題があった。
針葉樹単板の乾燥を含水率15質量%程度に留めた場合、前記した通り、単板乾燥から接着剤塗布が終了するまでの間の工程での抜け節を抑制出来るものの、木質板中の水分量が多くなる為に、接着剤にレゾール型フェノール樹脂を用いると接着層に存在するアルカリ成分が木質板表面に移行しやすくなり、アルカリ汚染を引き起こしやすくなる。
従来、このアルカリ汚染を防ぐための方法としては、接着剤に酸性物質や酸性塩を添加し、接着剤中のアルカリ成分を中和する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、木材接着用の高アルカリレゾール型フェノール樹脂が硬化する際のpHは、アルカリ側が最適であり、中和してしまうと硬化速度が著しく劣化する。その為、この接着剤を木質単板に接着し、木質板を得ようとしても、十分な接着力が得られないものであった。
また、アルカリ汚染を防ぐための別な方法として、単板と単板とをレゾール型フェノール樹脂で接着する際に金属箔を介して接着する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この方法は金属箔を介する作業を要し、作業効率が良好なものではなかった。
また、アルカリ汚染を防ぐ手段として、例えば、接着剤に含まれるフェノール樹脂分を減らす方法が考えられるが、フェノール樹脂分を減じた接着剤は、固形充填剤の量が相対的に増える為に接着剤の粘度が著しく増加し、使用が困難になるため、粘度低減用の水を大量に接着剤に入れる必要があり、その結果、樹脂分が水で希釈され、結局のところ、硬化遅延による硬化不良を誘引し、熱圧後の水蒸気圧による接着層の破裂(パンク)や接着不良に繋がる問題があった。
林産試だより2001年5月号(北海道立林産試験場発行)「道産カラマツ材の構造用合板・内装用合板への利用」
特開2003−25308号公報 特開2005−169800号公報 特開2002−61855号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、節の多い針葉樹材を用いても抜け節が少なく且つアルカリ汚染が少ない木質板を効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、接着剤の樹脂成分としてレゾルシノール樹脂を併用する事により、アルカリ分を多く含むレゾール樹脂の使用総量を低減出来、且つ接着剤の硬化性が飛躍的に向上出来る為に、針葉樹単板の乾燥を含水率10〜20%にとどめて抜け節を抑制しても、アルカリ分の木質板表面への移行を堰き止める事が出来るため、針葉樹材を用いた木質板で問題となる抜け節とアルカリ汚染とを同時に解決する事が出来る事を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、針葉樹単板と木質単板とを前記針葉樹単板が表層に位置するように積層してなる木質板の製造方法であって、前記針葉樹単板をその含水率が10〜20質量%の範囲になるよう乾燥させ、次いで、針葉樹単板又は木質単板の少なくとも片面にレゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)を含有する木質材料用接着剤を塗布し、次いで、塗布面を介して針葉樹単板と木質単板とを積層することを特徴とする木質板の製造方法に関する。
本発明によれば、節の多い針葉樹材を用いても抜け節が少なく且つアルカリ汚染が少ない木質板を効率的に製造する方法を提供できる。
本発明で得られる木質板の一つである5層構成の合板の一例を示す断面図である。
以下、本発明を好ましい実施の形態に基づいて説明する。
本発明の製造方法は、前記したとおり、針葉樹単板と木質単板とを前記針葉樹単板が表層に位置するように積層してなる木質板の製造方法であって、前記針葉樹単板をその含水率が10〜20質量%の範囲になるよう乾燥させ、次いで、針葉樹単板又は木質単板の少なくとも片面にレゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)を含有する木質材料用接着剤を塗布し、次いで、塗布面を介して針葉樹単板と木質単板とを積層することを特徴とするものである。このような木質材料用接着剤を用いることにより、前記針葉樹単板の含水率が10〜20質量%の範囲であっても該接着剤中のアルカリ成分が針葉樹単板に移行することなく、また、パンク現象を効果的に防ぐことができる。
ここで、前記針葉樹単板は、例えばスギ、カラマツ、アカマツ、トドマツ、エゾマツ、ヒノキ、ラジアータパイン、ダグラスファー等が挙げられ、その厚さとしては0.3〜5mmの範囲であることが生産性、パンク防止性、耐アルカリ汚染性の点から好ましい。
また、木質材料用接着剤を塗布する木質単板は、ナラ、クヌギ等の広葉樹単板及び前記同様の針葉樹単板が挙げられるが、特に再生可能な森林資源を有効利用できる点から針葉樹単板であることが好ましく、とりわけ、含水率5質量%以下まで乾燥させた針葉樹単板であることが、抜け節防止性と耐アルカリ汚染性が顕著に優れたものとなる点から好ましい。また、該木質単板は、生産性、パンク防止製、耐アルカリ汚染性の点から、厚さ0.3〜5mm厚であることが好ましい。
また、木質材料用接着剤は、レゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)を含有する木質材料用接着剤であり、該レゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)の含有比[〔(A)+(B)〕/(C)]が、固形分換算の質量比で100/50〜100/200の範囲内であることがパンク防止性、耐アルカリ汚染性の点から好ましく、特に100/60〜100/120の範囲内であることがパンク防止性、耐アルカリ汚染性の点から好ましい。
本発明に用いるレゾール型フェノール樹脂(A)としては、特に限定されないが、例えば、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等のようなフェノールと、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、グリオキザール等のようなアルデヒドとを、アルカリ触媒存在下で反応させて得られたレゾール型フェノール樹脂の水溶液が挙げられる。また、前記レゾール型フェノール樹脂水溶液(A)は、硬化性と樹脂粘度の点から不揮発分が35〜55質量%であることが好ましい。
前記アルカリ触媒としては、無機系では、アルカリ金属、アルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等が挙げられ、有機系では、アミン、アンモニア等が挙げられる。
前記レゾール型フェノール樹脂(A)において、フェノールとアルデヒドの反応比率は、木質板からのホルムアルデヒドの放出が少なく、生産環境、材料使用時の環境が良好となる点と硬化性の点から、ホルムアルデヒド(F)とフェノール(P)とを例にとると、(F)/(P)=1.0〜3.5(モル比)であることが好ましく、(F)/(P)=1.5〜3.0(モル比)であることがより好ましく、1.5〜2.5(モル比)であることが特に好ましい。
本発明に用いるレゾルシノール樹脂(B)は、レゾルシノールとアルデヒドを必須の成分とし、これらを反応させて得られる。例えば、レゾルシノールとアルデヒドをアルカリ触媒若しくは酸触媒下で反応させて得られる樹脂、レゾルシノールとレゾルシノール以外のフェノール類とアルデヒドをアルカリ触媒若しくは酸触媒下で反応させて得られる樹脂等が挙げられる。この場合、3者を一括仕込みし反応させても良いし、フェノールとアルデヒドを予め反応させて、その後レゾルシノールを加えて反応させても良い。
ここで、レゾルシノール以外のフェノール類としては、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等が挙げられるが、なかでも硬化性と樹脂保存安定性が良好な点からフェノールであることが好ましい。また、このレゾルシノール樹脂(B)は、アルデヒドと、レゾルシノール以外のフェノール類と、レゾルシノールとの割合が、硬化性と樹脂保存安定性が良好となる点からモル比[(アルデヒド)/〔(レゾルシノール以外のフェノール類)+(レゾルシノール)〕]で0.50〜0.80の範囲内となるように配合して反応させた樹脂が好ましい。また、このレゾルシノール樹脂(B)は、硬化性と樹脂粘度の点から不揮発分が50〜70質量%の樹脂が好ましい。
本発明に用いる充填剤(C)としては、特に限定されず、固形の粉末状のものであれば良く、有機物、無機物何れであっても良く、何れを併用しても良い。例えば、小麦粉、炭酸カルシウム、タンニン、リグニン、米粉、クルミ殻粉、籾殻、木粉、こんにゃく粉、椰子殻子、トウキビ粉、樹皮粉等が挙げられ、これらのなかでも、小麦粉、炭酸カルシウムが好ましい。
本発明に係る木質材料用接着剤は、前述した必須成分であるレゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)の含有比[〔(A)+(B)〕/(C)]が、固形分換算の質量比で100/50〜100/200の範囲内となるように、均一に混合して調製され、必要に応じて水を添加しても良い。
前記含有比[〔(A)+(B)〕/(C)]において、樹脂成分〔(A)+(B)〕100質量部に対して充填剤(C)が50質量部以上であれば、アルカリ汚染を良好に防止する事が出来る。また樹脂成分〔(A)+(B)〕100質量部に対して充填剤(C)が200質量部以下の範囲であればパンク発生防止効果や接着性が良好なものとなる。
前記含有比[〔(A)+(B)〕/(C)]は、アルカリ汚染低減、接着が一層良好なものとなる点から、100/60〜100/120の範囲内であることがより好ましい。
また、前記レゾール型フェノール樹脂(A)とレゾルシノール樹脂(B)との含有比(A)/(B)が、固形分換算の質量比で100/5〜100/100の範囲内であることが硬化性と可使時間の点から好ましい。
本発明に係る木質材料用接着剤は、自己硬化性であるため、硬化剤や硬化促進剤を使用する必要はないが、レゾルシノール樹脂(B)成分の硬化性を上げるために、レゾルシノール樹脂成分に対して硬化剤としてアルデヒドを1〜10質量部の範囲で使用してもよい。またレゾール型フェノール樹脂(A)成分の硬化促進剤としてアルカリ金属の炭酸塩を入れても良い。アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
また、上記した木質材料用接着剤を塗布する板材は、前記した表層用の針葉樹単板又は木質単板の少なくとも片面であればよい。ここで、木質単板と針葉樹単板との積層構造は、例えば、接着剤を片面に塗布した針葉樹単板を連続して積層させて得られる単板積層材構造(1)、接着剤を片面に塗布した木質単板と接着剤を片面に塗布した針葉樹単板を交互に積層し表裏面に針葉樹単板が用いられる様に張り合わせる単板積層材構造(2)、及び、木質単板の両面に前記木質材料用接着剤を塗布し、次いで、表層用の針葉樹単板と積層させた合板構造(3)が挙げられる。これらのなかでも特に生産性に優れる点から前記単板積層材構造(2)及び前記合板構造(3)であることが好ましく、特に前記合板構造(3)が得られる木質板の強度も良好なものとなる点から好ましい。
上記した構造(2)及び(3)の木質板を製造する方法は、更に、具体的には、針葉樹単板を含水率が10〜20%の範囲となるように乾燥し(工程1)、次いで、接着剤塗布用の木質単板に前記レゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)を含有する木質材料用接着剤を塗布し(工程2)、更に前記工程1で得られた針葉樹単板を、前記針葉樹単板が表層に位置するように工程2で得られた木質単板の接着剤塗布面に積層し、100〜150℃の温度条件にて圧着する(工程3)方法がとりわけ生産性、抜け節防止性の点から好ましい。以下、この製造方法につき更に詳述する。
<工程1:単板乾燥工程>
工程1における針葉樹単板の乾燥温度は、含水率の調製が容易である点から130〜200℃の範囲であることが好ましく、特に150〜190℃の範囲であることがより好ましい。また、針葉樹単板の含水率は前記した通り、10〜20質量%の範囲であるが、なかでも抜け節防止の点から含水率12〜18%の範囲であることがより好ましい。
<工程2:接着剤塗布工程>
工程2において木質材料用接着剤を塗布する木質単板は、針葉樹板、広葉樹板の何れであってもよいが、前記した通り、再生可能な森林資源を有効利用できる点から針葉樹板であることが好ましい。また、接着剤を塗布する木質単板として、針葉樹板を用いる場合、抜け節を防止させた針葉樹単板と同じもの(即ち含水率10〜20質量%)でも良く、含水率5質量%以下まで乾燥したものでも良いが、パンク防止性、耐アルカリ汚染性の点から含水率を5質量%以下まで乾燥したものが好ましい。
また、木質材料用接着剤の塗布量は、例えば木質単板の片面平方メートルあたり160g〜240gであることが、接着力の点から好ましい。
塗布面は接着剤塗布用木質単板の両面、片面の何れであっても良く、各接着層に少なくとも一層塗布してあればよい。
<工程3:積層圧着工程>
工程3の接着剤塗布後の積層の工程は、前記工程1で得られた針葉樹単板を、工程2で得られた木質単板の塗布面に積層し、加熱圧着する工程である。この際、少なくとも最表層に前記工程1で得られた針葉樹単板を用いれば良く、一部若しくは全ての層が工程1で得られた針葉樹単板(すなわち含水率10〜20質量%)であっても良い。
圧着工程としては、圧着する温度は100〜150℃が好ましく、120〜140℃がより好ましい。
具体的には、木質単板の片面又は両面に本発明の木質材料用接着剤を塗布し、含水率10〜20質量%程度に乾燥させた針葉樹単板と前記接着剤を塗布した木質単板とを重ね合わせ、次いで重ね合わせた板を、常温にて圧締(冷圧)した後、プレスから取り出す。次いで、冷圧によって仮接着した板を120〜140℃で熱圧し、接着層を硬化させる方法が挙げられる。
この際、木質単板と針葉樹単板との積層形式は、前記した通り、単板積層材構造(2)及び前記合板構造(3)であるが、特に前記合板構造(3)を採用する場合、木質単板の両面に前記接着剤を塗布し、針葉樹単板をその表裏面に貼り合わせる3層構造、木質単板の両面に前記接着剤を塗布し、これと針葉樹単板とを交互に積層して得られる5層構造・7層構造・9層構造・11層構造等の奇数層構造である合板構造(3−1)、又は単板積層材構造と合板構造の複合構造(3−2)が挙げられる。この際、最表裏層は含水率10〜20質量%程度に乾燥させた針葉樹単板が位置するように積層することが、抜け節防止効果、パンク防止効果、耐アルカリ汚染性に優れる点から好ましい。
また、これらの層構造のなかでも、生産性及び最終的に得られる木質板の強度に優れる点から、5層構造又は7層構造のものが好ましい。
以上詳述した工程1〜3を経た後、必要に応じて、耳きり、表面仕上げ、選別、検査等の工程を経て目的とする木質板を得ることができる。
本発明の製造方法は、針葉樹合板の他、単板積層材等の製造方法として有用であるが、とりわけ再生可能な森林資源を有効利用でき、且つ生産性の点から、針葉樹合板の製造に適する。
以下、本発明に関して実施例、比較例により説明する。なお、以下に記載の部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
[レゾール型フェノール樹脂(A)の合成]
フェノール1000グラム、40質量%ホルムアルデヒド水溶液1435グラム及びイオン交換水600グラムを還流装置の付いたフラスコに入れ、攪拌を開始し、さらに50%水酸化ナトリウム水溶液600グラムを徐々に加えながら80℃迄昇温し、5時間反応させてレゾール型フェノール樹脂水溶液を得た(以下、この樹脂水溶液を「レゾール型フェノール樹脂水溶液(A)」と略記する。)。得られたレゾール型フェノール樹脂水溶液(A)は、不揮発分45%、粘度200mPa・s、pH12.8であった。
[レゾルシノール樹脂(B)の合成]
フェノール280部、40%ホルマリン290部に50%水酸化ナトリウム20部を加えて80℃で1時間反応したのち、レゾルシノールを280部加え90℃にて反応し、さらにメタノールにて粘度、不揮発分を調整した。得られたレゾルシノール樹脂溶液(以下、これを「レゾルシノール樹脂溶液(B)」と略記する。)は、粘度500mPa・s、不揮発分60%であった。
[実施例1]
木質材料としてカラマツ材から作ったサイズ30cm×30cmの未乾燥のロータリー単板を循環式乾燥器にて150℃で乾燥し、含水率15質量%に調整した2.1mm厚の原板(x1)及び含水率15質量%に調整した2.1mm厚の中板単板(x3)を作製した。同様にして、含水率5%の3.0mm厚の糊心単板(x2)を作製した。
一方、前記レゾール型フェノール樹脂水溶液(A)100部、前記レゾルシノール樹脂溶液(B)10部、充填剤(C)として炭酸カルシウム19部と小麦粉8部を用い、水を添加して粘度調整を行い(粘度23dPa・S/25℃)、実施例1の木質材料用接着剤を調製した。
この実施例1の木質材料用接着剤において、樹脂成分[(A)+(B)]100部に対する充填剤(C)の配合量は53質量部であった。
次いで、前記糊心単板(x2)に前記木質材料用接着剤を片面当たり19gの割合で、両面に塗布し、原板(x1)/糊心単板(x2)/中板単板(x3)/糊心単板(x2)/原板(x1)〔=2.1/3.0/2.1/3.0/2.1mm〕の5プライの12mm構成で1サンプルセットして、0.98MPaにて30分間冷圧後、130℃、0.98MPaにて240秒間熱圧して、図1で示されるように、5枚の単板2…がそれぞれ接着剤3…を介して積層された構造を有する合板1を製造した。得られた合板1について各種評価を行った。
[実施例2]
充填剤(C)として、炭酸カルシウム30質量部、小麦粉20質量部とし、樹脂成分[(A)+(B)]100質量部に対する充填剤(C)の配合量を98部としたこと以外は、実施例1と同様にして調製した木質材料用接着剤と、実施例1と同様の単板を用いて合板を製造した。得られた合板について各種評価を行った。
[実施例3]
用いる原板(x1)及び中板単板(x3)の含水率を13質量%に調整したこと以外は、実施例2と同様にして合板を製造した。得られた合板について各種評価を行った。
[実施例4]
用いる原板(x1)及び中板単板(x3)の含水率を17質量%に調整したこと以外は、実施例2と同様にして合板を製造した。得られた合板について各種評価を行った。
[実施例5]
レゾール型フェノール樹脂水溶液(A)65質量部、レゾルシノール樹脂(B)45質量部、充填剤(C)として炭酸カルシウム55質量部と小麦粉50質量部とし、樹脂成分[(A)+(B)]100質量部に対する充填剤(C)の配合量を187質量部としたことと、原板(x1)、糊心単板(x2)及び中板単板(x3)全てを含水率15質量%に調整したこと以外は、実施例1と同様として木質材料用接着剤を調製し、それを用いて合板を製造した。得られた合板について各種評価を行った。
[比較例1]
用いる原板(x1)、糊心単板(x2)及び中板単板(x3)全てを含水率5質量%に調整したこと以外は、実施例2と同様にして合板を製造した。得られた合板について各種評価を行った。
[比較例2]
用いる原板(x1)及び中板単板(x3)を含水率23質量%に調整し、糊心単板(x2)を含水率5%に調整したこと以外は、実施例5と同様にして合板を製造した。得られた合板について各種評価を行った。
[比較例3]
レゾルシノール樹脂を用いず前記レゾール型フェノール樹脂水溶液(A)100部、炭酸ナトリウム4部、充填剤(C)として炭酸カルシウム17部と小麦粉7部とし、レゾール型フェノール樹脂100質量部に対する充填剤(C)の配合量を53質量部として接着剤を調製し、それ以外は実施例1と同様にして合板を製造した。得られた合板について各種評価を行った。
[比較例4]
比較例3で調製された木質材料用接着剤を用い、かつ、原板(x1)の含水率を5質量%に乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして合板を製造した。得られた合板について各種評価を行った。
前記実施例1〜5、比較例1〜4においてそれぞれ作製した合板について、表面抜け節率、ΔL(合板表面の黒変程度を示す)、ホルムアルデヒド放散量及び合板接着力(特類試験)を、下記の測定方法及び評価基準で調べた。その結果を表1にまとめて記す。
なお、比較例1では表面抜け節率が高く抜け節が防止出来なかった。比較例2と3ではパンクが発生しホルムアルデヒド放散量試験、合板接着力を測定できなかった。比較例4では表面抜け節率が高く抜け節が防止出来ず且つΔLが低くアルカリ汚染がみられた。
<表面抜け節率>
得られた合板の表面(x1側)を観察し、節の総数と脱落数から表面抜け節率を次の式で計算した。
表面抜け節率=(抜けた節の数)/(節の総数;抜けた節を含む)×100
<明度指数の変化ΔL>
得られた合板で10cm角の試験片を作製し、厚さ方向に下半分を水に浸積し、上半分は空気中に晒した状態で144時間放置した後70℃で24時間乾燥するアルカリ汚染促進試験を行い、その前後の表面の明度指数の変化ΔLを測定した。パンクした合板は、パンクしていない部位でΔLを測定した。
明度指数は色差計(スガ試験器(株)製SM−6)で試験片中央部の直径30mmの円の内部を測定した。ΔLは値が小さいほど黒く、ΔLが−3の場合は目視では殆ど変色が確認できないが、ΔLが−10の場合は目視でも明確に黒変していた。
<パンク有無>
得られた合板を長さ30cm×5cmの試験片に丸鋸で切断し接着層を観察、パンクの有無を判定した。
<ホルムアルデヒド放散量>
ホルムアルデヒド放散量は「合板の日本農林規格」におけるホルムアルデヒド放散量試験にて測定した。
<合板接着力(特類試験)>
合板接着力は、「合板の日本農林規格」における「構造用合板の規格(特類)」にて測定し、引張剪断力、平均木破率、合格率にて表記した。
Figure 2011104960
本発明は、節の多い針葉樹材を用いながら抜け節の少ない木質板の製造方法に関する。本発明の木質板は、例えば、建材用合板などとして利用される。
1 合板(木質板)
2 単板
3 接着剤

Claims (3)

  1. 針葉樹単板と木質単板とを前記針葉樹単板が表層に位置するように積層してなる木質板の製造方法であって、前記針葉樹単板をその含水率が10〜20質量%の範囲になるよう乾燥させ、次いで、針葉樹単板又は木質単板の少なくとも片面にレゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)を含有する木質材料用接着剤を塗布し、次いで、塗布面を介して針葉樹単板と木質単板とを積層することを特徴とする木質板の製造方法。
  2. 針葉樹単板を含水率が10〜20%の範囲となるように乾燥し(工程1)、次いで、接着剤塗布用の木質単板に前記レゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)を含有する木質材料用接着剤を塗布し(工程2)、更に前記工程1で得られた針葉樹単板を、前記針葉樹単板が表層に位置するように工程2で得られた木質単板の接着剤塗布面に積層し、100〜150℃の温度条件にて圧着する(工程3)請求項1記載の木質板の製造方法。
  3. 前記木質材料用接着剤が、該レゾール型フェノール樹脂(A)、レゾルシノール樹脂(B)及び充填剤(C)の含有比[〔(A)+(B)〕/(C)]が、固形分換算の質量比で100/50〜100/200の範囲内である請求項1又は2記載の木質板の製造方法。
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