JP2011104958A - 発泡樹脂パネル - Google Patents

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【課題】断熱効果に優れた発泡樹脂パネルを提供する。
【解決手段】成形型101のキャビティ107内にゲート103aから射出充填した熱可塑性樹脂Rの型成形面近傍にスキン層23が生成され始めた時点で、キャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂Rを発泡させることにより、樹脂密度が高くて堅いソリッド層からなるスキン層23が表面全体に形成されて内部に密閉空間27を構成するとともに、多数の空隙を有しスキン層23に比べて樹脂密度が低い発泡層25が密閉空間27内に一体に密封されたダクト構成パネル11を得る。ゲート103aに残留して固化したゲート残留固化物r1を切除する。ゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺には、樹脂密度が高くて堅い厚肉スキン層23aが密閉空間27を外気から遮断するように設けられている。
【選択図】図5

Description

この発明は、コアバック法(Moving Cavity法)により射出成形された発泡樹脂パネルの改良に関し、特に断熱対策に関するものである。
特許文献1には、発泡樹脂パネルをコアバック法により射出成形する技術が開示されている。コアバック法とは、固定型と可動型とからなる成形型を型閉じしてキャビティ内にゲートから熱可塑性樹脂を射出充填し、該熱可塑性樹脂の型成形面近傍にスキン層が生成され始めた時点で、上記可動型を型開き方向に僅かに後退させてキャビティ容積を拡大させることで上記熱可塑性樹脂を発泡させ、これにより、樹脂密度が高くて堅いソリッド層からなるスキン層が表面全体に形成されて内部に密閉空間を構成するとともに、多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度が低い発泡層が上記密閉空間内に一体に密封された発泡樹脂パネルを得る方法である。
図12に示すように、脱型後の発泡樹脂パネルaには、ゲートに残留して固化したゲート残留固化物bが付着しており、このゲート残留固化物bは不要物であるため、発泡樹脂パネルaから切除される。図12では、発泡樹脂パネルaとして、後述する各実施形態と同じである自動車のインストルメントパネル裏面に設けられたダクト構成パネルを例示し、cはスキン層、dは発泡層、eはゲート残留固化物bの切除跡である。
特開2008−254302号公報(段落0071欄〜段落0073欄、図1〜図3)
しかし、上述の如く発泡樹脂パネルaからゲート残留固化物bを切除すると、発泡層dが切除跡eから露出して外気に晒され、発泡樹脂パネルaの断熱効果が低下する。また、湿気が切除跡eから発泡層dに入ることも断熱効果の低下原因となる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、断熱効果に優れた発泡樹脂パネルを提供することである。
上記の目的を達成するため、この発明は、ゲート残留固化物の切除跡周辺の構造を工夫したことを特徴とする。
具体的には、この発明は、成形型のキャビティ内にゲートから射出充填した熱可塑性樹脂の型成形面近傍にスキン層が生成され始めた時点で、キャビティ容積を拡大させて上記熱可塑性樹脂を発泡させることにより、樹脂密度が高くて堅いソリッド層からなるスキン層が表面全体に形成されて内部に密閉空間を構成するとともに、多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度が低い発泡層が上記密閉空間内に一体に密封され、上記ゲートに残留して固化したゲート残留固化物を切除してなる発泡樹脂パネルを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、上記ゲート残留固化物の切除跡周辺には、樹脂密度が高くて堅いソリッド樹脂部が上記密閉空間を外気から遮断するように設けられていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、上記ゲート残留固化物の切除跡周辺のスキン層は、他の箇所のスキン層に比べて厚肉に形成され、当該厚肉スキン層で上記ソリッド樹脂部が構成されていることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、上記ゲート残留固化物の切除跡周辺には、上記発泡層がなく単一スキン層のみが存在して凹部が形成され、当該単一スキン層でソリッド樹脂部が構成されていることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、上記ゲート残留固化物の切除跡周辺のスキン層及び発泡層は、他の箇所のスキン層及び発泡層に対してキャビティ容積拡大方向に偏在しかつ各々のスキン層で一体に連続して、上記ゲート残留固化物の切除跡周辺の発泡層が上記他の箇所の発泡層と各々のスキン層からなる連続スキン層で分断され、当該連続スキン層でソリッド樹脂部が構成されていることを特徴とする。
第5の発明は、第1〜4の発明のいずれか1つの発明において、上記発泡樹脂パネルは、内装パネル裏面に接合されて該内装パネルとの間にダクト空間を構成するダクト構成パネルであることを特徴とする。
第1の発明によれば、ゲート残留固化物を切除しても、当該切除跡周辺に設けられた樹脂密度が高くて堅いソリッド樹脂部により、スキン層内部の密閉空間が外気から遮断されているので、該密閉空間内に一体に密封された発泡層は外気に晒されず、湿気が切除跡から発泡層に入る事態もなく、断熱効果が向上する。
第2の発明によれば、成形型のゲート対応箇所の型成形面に凹陥部を形成するだけで、他の箇所のスキン層に比べて厚肉の厚肉スキン層からなるソリッド樹脂部がゲート残留固化物の切除跡周辺に形成され、簡素な構造の成形型で優れた断熱効果を有する発泡樹脂パネルが得られる。
第3の発明によれば、ゲート残留固化物の切除跡周辺に凹部が形成され、当該箇所は単一スキン層からなるソリッド樹脂部であり、発泡層がない分だけ発泡樹脂パネルが軽量になる。
第4の発明によれば、成形型のゲート対応箇所の型成形面に凹陥部を形成するとともに、成形型のゲートと対向する型成形面に凸部を形成するだけで、ゲート残留固化物の切除跡周辺のスキン層及び発泡層と、他の箇所のスキン層及び発泡層とがキャビティ容積拡大方向に位置を異ならせて配置され、かつ両者の発泡層を分断する各々のスキン層からなる連続スキン層がゲート残留固化物の切除跡周辺に形成され、これによっても、簡素な構造の成形型で優れた断熱効果を有する発泡樹脂パネルが得られる。
第5の発明によれば、断熱性に優れたダクト構成パネルとなる。
インストルメントパネルの斜視図である。 図1のII−II線における断面図である。 実施形態1に係るダクト構成パネルの断面図である。 実施形態1に係るダクト構成パネルの斜視図である。 実施形態1に係るダクト構成パネルの成形工程を示し、(a)は成形型のキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出充填した状態を示す成形工程図であり、(b)は成形型の可動型をキャビティ容積が拡大する方向に後退させてダクト構成パネルが成形された状態を示す成形工程図である。 実施形態2の図3相当図である。 実施形態2の図4相当図である。 実施形態2の図5相当図である。 実施形態3の図3相当図である。 実施形態3の図4相当図である。 実施形態3の図5相当図である。 ゲート残留固化物を切除して発泡層が外気に晒された状態を示すダクト構成パネルの断面図である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、自動車のフロントガラス下方に配設される内装パネルとしての樹脂製インストルメントパネル1を示す。該インストルメントパネル1は、図2に示すように、インストルメントパネル本体を構成する樹脂製基材3を備え、車体前方側領域は上記基材3の単層構造であるが、車体後方側領域は、上記基材3と表皮材5との間にウレタン等の発泡樹脂材からなるパッド層7が一体に形成された3層構造に形成されている。この3層構造部分の車体前側裏面には、図示しない空調ユニットで調整された空調エアを車室内に導入するためのダクト9が配設されている。このダクト9は、実施形態1に係る発泡樹脂パネルとしてのダクト構成パネル11を上記基材3裏面に接合することで形成され、上記基材3とダクト構成パネル11との間にダクト空間13が構成されている。
上記ダクト構成パネル11は、図3及び図4に示すように、第1水平壁15と、該第1水平壁15両端から斜め上方に延びる一対の傾斜壁17と、該傾斜壁17上端から上方に延びる垂直壁19と、該垂直壁19上端から外側方に水平に延び、上面に複数条の溶着リブ21aが平行に一体に突設された第2水平壁21とからなり、上記溶着リブ21aを振動溶着により溶融させてダクト構成パネル11を基材3裏面に接合するようになっている。
上記第1水平壁15、傾斜壁17及び第2水平壁21は、樹脂密度が高くて堅いソリッド層からなるスキン層23と、多数の空隙を有し上記スキン層23に比べて樹脂密度が低い発泡層25とが形成されてなり、第1水平壁15と傾斜壁17との各々のスキン層23及び発泡層25は一体に連続している。上記スキン層23は、表面全体に形成されて内部に密閉空間27を構成し、該密閉空間27内に上記発泡層25が一体に密封されている。これに対し、上記垂直壁19は、発泡層25がなく樹脂密度が高くて堅いソリッド層29のみで構成されている。したがって、上記第2水平壁21のスキン層23及び発泡層25は、上記垂直壁19で傾斜壁17のスキン層23及び発泡層25と分断されている。
上記第1水平壁15の幅方向中央のスキン層23は表裏両面において、他の箇所のスキン層23に比べて厚肉に形成され、当該厚肉スキン層23a,23bで樹脂密度が高くて堅いソリッド樹脂部が構成されている。これら厚肉スキン層23a,23bのうち、表面側(図3下面側)の厚肉スキン層23aは、後述するゲート103aに残留して固化したゲート残留固化物r1を切除した切除跡r2周辺に対応していて、上記厚肉スキン層23aが上記第1水平壁15及び傾斜壁17の密閉空間27を外気から遮断するようになっている。
上記スキン層23は、後に詳細に説明するが、成形型101のキャビティ107内にゲート103aから射出充填した熱可塑性樹脂Rが型成形面に接触して型温により冷却することで形成され、上記発泡層25は、上記熱可塑性樹脂Rが型成形面近傍に生成され始めた時点で、キャビティ容積を拡大させて熱可塑性樹脂Rを発泡させることにより形成されるのである。
上述の如きダクト構成パネル11は、例えば次のようにして成形される。
成形に際し、図5に示すような成形型101と熱可塑性樹脂Rとを用意する。上記成形型101は、ダクト構成パネル11の表面側を成形する固定型103と、該固定型103に対向配置され、ダクト構成パネル11の裏面側を成形する可動型105とを備え、上記固定型103には図示しない射出機に繋がるゲート103aが形成され、ゲート103a開口周辺には、凹陥部103bが形成されている。上記可動型105の型成形面には、溶着リブ21a形成用の凹条溝105aが形成されている。また、上記熱可塑性樹脂Rとしては、例えば、化学反応によりガスを発生させる化学的発泡剤や、MuCell(ミューセル) Processのように二酸化炭素ガス及び窒素ガス等の不活性ガス(物理的発泡剤)等が超臨界状態で混入された熱可塑性樹脂であり、ガラス繊維等の繊維が混入されていてもよいが、必ずしもこれらを混入していなくてもよい。
まず、図5(a)に示すように、成形型101を型閉じし、上述の如き発泡剤が混入された熱可塑性樹脂Rを成形型101のキャビティ107内にゲート103aから射出充填する。キャビティ107内では、上記熱可塑性樹脂Rが固化進行することにより、該熱可塑性樹脂Rの成形型101の型成形面近傍にスキン層(図示せず)が生成される。このスキン層は未だ完全に固化しきっていない。
次に、上述の如く熱可塑性樹脂Rの成形型101の型成形面近傍にスキン層23が成形された時点で(熱可塑性樹脂Rが固化する過程で)、図5(b)に示すように、可動型105をキャビティ107の容積が拡大する方向(矢印で示す型開き方向)に後退(コアバック)させる。つまり、可動型105を固定型103から僅かに離れさせ、第1水平壁15、傾斜壁17及び第2水平壁21に対応するキャビティ容積を例えば3〜6倍に拡大させ、熱可塑性樹脂Rを発泡させる。この際、垂直壁19は、キャビティ容積拡大方向(型開き方向)に沿っているため、垂直壁19に対応するキャビティ容積は拡大しない。この段階で、熱可塑性樹脂Rは、成形型101(固定型103、可動型105)の型成形面と接触する部分が型温の影響により早期に冷却されているため、樹脂密度が高くて堅いスキン層23が表面全体に形成されて内部に密閉空間27が構成される。また、上記ゲート103aに対応する第1水平壁15の幅方向中央には、厚肉スキン層23a,23bが形成され、表面側(図3下面側)の厚肉スキン層23aには、ゲート103aに残留して固化したゲート残留固化物r1が一体に連続している。一方、熱可塑性樹脂Rの内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。
したがって、キャビティ107の容積拡大により、それまで固定型103及び可動型105で圧縮されている熱可塑性樹脂Rが可動型105の型成形面に引っ張られるとともに、熱可塑性樹脂R中の化学反応により発生したガスや不活性ガス等により発泡膨張する。熱可塑性樹脂Rにガラス繊維等の繊維が混入されていれば、熱可塑性樹脂R中のガラス繊維等の繊維も上記圧縮が軽減されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)によっても熱可塑性樹脂Rが膨張する。
これにより、上記スキン層23に比べて樹脂密度が低く多数の空隙を有する発泡層25が上記密閉空間27内に一体に密封された第1水平壁15、傾斜壁17及び第2水平壁21を射出成形するとともに、上記発泡層25を有することなく樹脂密度が高くて堅いソリッド層29からなる垂直壁19を射出成形し、ダクト構成パネル11が得られる。このダクト構成パネル11には、上記固定型103の凹陥部103bに対応して厚肉スキン層23aが表面側に形成されているとともに、該厚肉スキン層23aに対向する裏面側にも厚肉スキン層23bが形成されている。
その後、成形型101を型開きして上記ダクト構成パネル11を脱型し、ダクト構成パネル11の表面側(図3下面側)の厚肉スキン層23aに付着しているゲート残留固化物r1を根元から切除する。
このようにして成形されたダクト構成パネル11では、ゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺に厚肉スキン層23aを設けているので、ゲート残留固化物r1を切除しても、上記厚肉スキン層23aがあることでスキン層23内部の密閉空間27を外気に晒さないようにすることができ、湿気を切除跡r2から発泡層25に入らないようにして断熱効果を向上させることができる。
また、成形型101のゲート対応箇所の型成形面に凹陥部103bを形成するだけで、他の箇所のスキン層23に比べて厚肉の厚肉スキン層23aをゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺に形成でき、簡素な構造の成形型101で優れた断熱効果を有するダクト構成パネル11を成形することができる。
そして、上述の如きダクト構成パネル11をインストルメントパネル1裏面に振動溶着により接合することで、断熱性に優れたダクト9が構成される。この振動溶着時に、万が一、第2水平壁21のスキン層23に孔が開いたり、亀裂が発生して発泡層25が外気に晒されても、当該発泡層25と第1水平壁15及び傾斜壁17の発泡層25とは垂直壁19のソリッド層29で分断されているので、断熱損失を最小限に抑えることができる。
(実施形態2)
図6及び図7は実施形態2に係るダクト構成パネル11を示す。
この実施形態2では、ゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺には、上記発泡層25がなく単一スキン層23cのみが存在して凹部31が形成され、当該単一スキン層23cでソリッド樹脂部が構成されている点で実施形態1と異なっている。
また、成形型101の型構造としては、固定型103のゲート103a開口周辺の型成形面は平坦であり、可動型105には、図外の固定側に支持された棒状固定ブロック109が上記ゲート103aに対向するように貫通孔105bに挿入配置されている点で実施形態1と異なっている。
ダクト構成パネル11の成形要領は、ダクト構成パネル11を成形する際、上記固定ブロック109は、図8(a)から図8(b)のように、可動型105が型開き方向に後退しても後退せず、当該箇所のキャビティ容積は拡大しない点で実施形態1と異なっている。
そのほかは実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
したがって、実施形態2では、ゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺に凹部31が形成され、当該箇所をスキン層23の単層からなる単一スキン層23cとしているので、当該箇所に発泡層25がない分だけダクト構成パネル11の軽量化を図ることができる。
(実施形態3)
図9及び図10は実施形態3に係るダクト構成パネル11を示す。
この実施形態3では、上記ゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺のスキン層23及び発泡層25は、他の箇所のスキン層23及び発泡層25に対してキャビティ容積拡大方向(固定型103側)に偏在し、かつ各々のスキン層23で一体に連続して第1水平壁15から表面側に突出し、上記ゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺の発泡層25が上記他の箇所の発泡層25と各々のスキン層23からなる連続スキン層23dで分断され、当該連続スキン層23dでソリッド樹脂部が構成されていて、縦壁スキン層23dの裏側に凹部31が形成されている点で実施形態1と異なっている。
また、成形型101の型構造としては、固定型103のゲート103a開口周辺には、実施形態1の凹陥部103bよりも若干深い凹陥部103cが形成され、可動型105の型成形面には、凸部105cがゲート103aに対向するように突設されている点で実施形態1と異なっている。
その他の構成及びダクト構成パネル11の成形要領は、実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
したがって、実施形態3では、固定型103のゲート対応箇所の型成形面に凹陥部103cを形成するとともに、可動型105のゲート103aと対向する型成形面に凸部105cを形成するだけで、ゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺のスキン層23及び発泡層25と、他の箇所のスキン層23及び発泡層25とがキャビティ容積拡大方向に位置を異ならせて配置され、かつ両者の発泡層25を分断する各々のスキン層23からなる連続スキン層23dがゲート残留固化物r1の切除跡r2周辺に形成されているので、簡素な構造の成形型101で優れた断熱効果を有するダクト構成パネル11とすることができる。
なお、上記の各実施形態では、発泡樹脂パネルが自動車のインストルメントパネル1裏面に配設されたダクト9を構成するダクト構成パネル11である場合を例示したが、ドアモジュール等にも適用できる。
この発明は、コアバック法により射出成形された発泡樹脂パネルについて有用である。
1 インストルメントパネル(内装パネル)
11 ダクト構成パネル(発泡樹脂パネル)
13 ダクト空間
23 スキン層
23a 厚肉スキン層(ソリッド樹脂部)
23c 単一スキン層(ソリッド樹脂部)
23d 連続スキン層(ソリッド樹脂部)
25 発泡層
27 密閉空間
101 成形型
103a ゲート
107 キャビティ
R 熱可塑性樹脂
r1 ゲート残留固化物
r2 ゲート残留固化物の切除跡

Claims (5)

  1. 成形型のキャビティ内にゲートから射出充填した熱可塑性樹脂の型成形面近傍にスキン層が生成され始めた時点で、キャビティ容積を拡大させて上記熱可塑性樹脂を発泡させることにより、樹脂密度が高くて堅いソリッド層からなるスキン層が表面全体に形成されて内部に密閉空間を構成するとともに、多数の空隙を有し上記スキン層に比べて樹脂密度が低い発泡層が上記密閉空間内に一体に密封され、上記ゲートに残留して固化したゲート残留固化物を切除してなる発泡樹脂パネルであって、
    上記ゲート残留固化物の切除跡周辺には、樹脂密度が高くて堅いソリッド樹脂部が上記密閉空間を外気から遮断するように設けられていることを特徴とする発泡樹脂パネル。
  2. 請求項1に記載の発泡樹脂パネルにおいて、
    上記ゲート残留固化物の切除跡周辺のスキン層は、他の箇所のスキン層に比べて厚肉に形成され、
    当該厚肉スキン層で上記ソリッド樹脂部が構成されていることを特徴とする発泡樹脂パネル。
  3. 請求項1に記載の発泡樹脂パネルにおいて、
    上記ゲート残留固化物の切除跡周辺には、上記発泡層がなく単一スキン層のみが存在して凹部が形成され、
    当該単一スキン層でソリッド樹脂部が構成されていることを特徴とする発泡樹脂パネル。
  4. 請求項1に記載の発泡樹脂パネルにおいて、
    上記ゲート残留固化物の切除跡周辺のスキン層及び発泡層は、他の箇所のスキン層及び発泡層に対してキャビティ容積拡大方向に偏在しかつ各々のスキン層で一体に連続して、上記ゲート残留固化物の切除跡周辺の発泡層が上記他の箇所の発泡層と各々のスキン層からなる連続スキン層で分断され、
    当該連続スキン層でソリッド樹脂部が構成されていることを特徴とする発泡樹脂パネル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡樹脂パネルにおいて、
    上記発泡樹脂パネルは、内装パネル裏面に接合されて該内装パネルとの間にダクト空間を構成するダクト構成パネルであることを特徴とする発泡樹脂パネル。
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