JP2011104928A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】分散制御システムを適用するとともに、複数の制御部の間で発生する制御誤差の影響を低減する画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、それぞれが異なるクロック発振器によって駆動され、それぞれが異なる負荷を制御する複数の負荷制御部を備え、複数の負荷の制御を1つの負荷制御部による制御に切り替える必要があるか否かを当該負荷の動作状態に応じて判定し、切り替える必要がある場合には、各負荷の制御を1つの負荷制御部に切り替える。
【選択図】図9
【解決手段】本発明に係る画像形成装置は、それぞれが異なるクロック発振器によって駆動され、それぞれが異なる負荷を制御する複数の負荷制御部を備え、複数の負荷の制御を1つの負荷制御部による制御に切り替える必要があるか否かを当該負荷の動作状態に応じて判定し、切り替える必要がある場合には、各負荷の制御を1つの負荷制御部に切り替える。
【選択図】図9
Description
本発明は、階層構造を有する複数のCPU群を有する分散制御システムによって実現された画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を採用する画像形成装置のプリンタデバイス制御では、1つのCPUによる集中制御が行われている。しかし、制御主体の一点集中によるCPU負荷の増大によって、より高性能なCPUが必要となる。さらに、プリンタデバイスの制御負荷の増大に伴い、通信ケーブル(通信束線)をCPU基板から離れた制御負荷ドライバユニットまで引き回す必要があり、長大な通信ケーブルが多数必要となっていた。このような問題を解決するために、電子写真システムを構成する各制御モジュールを個々のサブCPUに分割する制御形態が注目されている。
このように複数のCPUが分散制御を行うシステムでは、CPU回路基板上の部品点数を削減することでコストダウンを行うことが必要となる。この場合、各CPUに内蔵されているクロック発振器を使用することとなるが、この内蔵クロック発振器は精度が悪く個体差も大きい。一方、外部クロック発振器を使用する場合においても、外部クロック発振器の個体差により長中期的な誤差(ジッタ)が生じる。その結果、複数のCPUが個別にステッピングモータなどのアクチュエータを制御する場合、内蔵クロック発振器や外部クロック発振器の誤差が生じる。これにより、紙搬送を制御するステッピングモータ間の速度に誤差が生じ、紙の引っ張り合いや撓みなどの問題が生じてしまう。
そこで、特許文献1には、モータ励磁信号シーケンスに関するデータをメモリに記憶し、制御対象モータに対してメモリのデータを励磁信号として出力するモータ制御装置が提案されている。特許文献2には、起動パルス速度と運動パルス速度との間の減速時間から線形演算式の解又は線形演算式から演算方法を選別し、次回の加減速処理移行時間である加減速中のパルス速度を演算する分散制御システムのモータ加減速制御方法が提案されている。
しかしながら、上記従来技術例には以下に記載する問題がある。例えば、上記従来技術は、何れもCPU単独での制御方法であり、複数のCPUにおけるモータ制御間の誤差が考慮されておらず、紙搬送を制御するステッピングモータ間の速度に誤差が生じ、紙の引っ張り合いや撓みなどの問題が生じてしまう。そのため、コストを増大させることなくステッピングモータ等のアクチュエータの高精度制御を実現するため、内蔵クロック発振器や外部クロック発振器の誤差に依存しない制御方法が必要となる。
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、分散制御システムを適用するとともに、複数の制御部の間で発生する制御誤差の影響を低減する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、画像形成装置として実現できる。画像形成装置は、それぞれが異なるクロック発振器により駆動され、それぞれが異なる負荷を制御する複数の負荷制御部と、異なる負荷制御部によって制御されている複数の負荷を、1つの負荷制御部によって制御する必要があるか否かを負荷の動作状態に応じて判定する判定部と、判定部によって複数の負荷を1つの負荷制御部によって制御する必要があると判定されると、複数の負荷の制御を、異なる負荷制御部による制御から、1つの負荷制御部による制御に切り替える切替部とを備えることを特徴とする。
本発明は、例えば、分散制御システムを適用するとともに、複数の制御部の間で発生する制御誤差の影響を低減する画像形成装置を提供できる。
<第1の実施形態>
<画像形成装置の構成>
以下では、図1乃至図11を参照して、第1の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置1000の構成について説明する。画像形成装置1000は、自動原稿搬送装置100、画像読取部200、画像形成部300、及び操作部10を備える。図1に示すように、画像読取部200は、画像形成部300の上に載置されている。さらに、画像読取部200上には、自動原稿搬送装置(DF)100が載置されている。また、本画像形成装置1000は、複数の制御部(CPU)を用いて分散制御を実現する。各CPUの構成については、図5を用いて後述する。
<画像形成装置の構成>
以下では、図1乃至図11を参照して、第1の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置1000の構成について説明する。画像形成装置1000は、自動原稿搬送装置100、画像読取部200、画像形成部300、及び操作部10を備える。図1に示すように、画像読取部200は、画像形成部300の上に載置されている。さらに、画像読取部200上には、自動原稿搬送装置(DF)100が載置されている。また、本画像形成装置1000は、複数の制御部(CPU)を用いて分散制御を実現する。各CPUの構成については、図5を用いて後述する。
自動原稿搬送装置100は、原稿を自動的に原稿台ガラス上に搬送する。画像読取部200は、自動原稿搬送装置100から搬送された原稿を読み取って画像データを出力する。画像形成部300は、自動原稿搬送装置100から出力された画像データやネットワークを介して接続された外部装置から入力された画像データに従って記録材(記録紙)に画像を形成する。操作部10は、ユーザが各種操作を行うためのGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を有する。さらに、操作部10は、タッチパネル等の表示部を有し、ユーザに対して情報を提示することもできる。
<自動原稿搬送装置及び画像読取部の構成>
次に、図2を参照して、自動原稿搬送装置100及び画像読取部200について詳細に説明する。自動原稿搬送装置100は、DF給紙ローラ101、分離ローラ102、DF搬送ローラ対103、DFレジストローラ104、DF給送ローラ105、106、大ローラ107、DF排紙ローラ108、原稿トレイ130、分離パッド121、DFレジスト前センサ111、読取タイミングセンサ112、排紙センサ113、原稿検知センサ114、ローラ116、裏面画像読取部117、移動ガラス118、原稿排紙トレイ131及びDF排紙フラッパ120を備える。
次に、図2を参照して、自動原稿搬送装置100及び画像読取部200について詳細に説明する。自動原稿搬送装置100は、DF給紙ローラ101、分離ローラ102、DF搬送ローラ対103、DFレジストローラ104、DF給送ローラ105、106、大ローラ107、DF排紙ローラ108、原稿トレイ130、分離パッド121、DFレジスト前センサ111、読取タイミングセンサ112、排紙センサ113、原稿検知センサ114、ローラ116、裏面画像読取部117、移動ガラス118、原稿排紙トレイ131及びDF排紙フラッパ120を備える。
原稿トレイ130には、少なくとも1枚以上のシートで構成される原稿束Sが載置される。原稿束Sは、DF給紙ローラ101、分離ローラ102及び分離パッド121によって、1枚ずつ分離されて、自動原稿搬送装置100の内部に搬送される。また、原稿の搬送前には、原稿検知センサ114によって原稿トレイ130に原稿が載置されているか否かが判定される。
原稿が載置されていると判定された場合、DF給紙ローラ101は、原稿トレイ130に載置された原稿束Sの原稿面に落下し、回転する。これにより、原稿束の最上面の原稿が給紙される。DF給紙ローラ101によって給送された原稿は分離ローラ102と分離パッド121の作用によって1枚に分離される。この分離は周知のリタード分離技術によって実現されている。
その後、分離ローラ102と分離パッド121によって分離された原稿は、DF搬送ローラ対103により、DFレジストローラ104へ搬送され、当該DFレジストローラ104に突き当てられる。これにより、原稿はループ状に撓み、搬送における斜行が解消される。DFレジストローラ104の下流側には、DFレジストローラ104を通過した原稿を画像読取部200の流し読みガラス201の方向へ搬送する給紙パスが配置されている。また、DFレジストローラ104の下流には、読取タイミングセンサ112が配置されている。読取タイミングセンサ112が原稿を読み取った後に所定の時間が経過すると、画像読取部200によって原稿の読み取りが開始される。
具体的には、給紙パスに送られた原稿は、大ローラ107及びDF給送ローラ105によりプラテン上に送られる。ここで、大ローラ107は、流し読みガラス201に接触する。大ローラ107により給送された原稿は、DF搬送ローラ106を通過し、ローラ116と移動ガラス118との間を移動して、DF排紙フラッパ120及びDF排紙ローラ108を介して原稿排紙トレイ131へ排出される。このとき、裏面画像読取部117によって原稿の裏面画像が読み取られる。排紙センサ113は、原稿が正しく排紙トレイに排紙されたか否かを検知するためのセンサである。
また、原稿トレイ130には、載置された原稿束の副走査方向にスライド可能なガイド規制板が設けられているとともに、このガイド規制板に連動して原稿幅を検出する原稿幅検知センサが設けられている。原稿幅検知センサとDFレジスト前センサ111との組み合わせにより、原稿トレイ130上に載置された原稿束の原稿サイズが判別可能となる。また、搬送パス内に設けられた原稿長検知センサにより、搬送中の原稿の先端検知から後端検知までの搬送距離から原稿長を検出することも可能であり、検知した原稿長と原稿幅検知センサとの組み合わせからも、原稿サイズが判別可能である。
画像読取部200は、原稿に記録された画像情報を光学的に読み取り、光電変換して画像データとして出力する。そのため、画像読取部200は、流し読みガラス201、プラテンガラス202、ランプ427及びミラー204を有するスキャナユニット209、ミラー205、206、レンズ207、CCD428を備える。また、白板210は、シェーディングによる白レベルの基準データを作成するための白板である。
<制御構成>
次に、図3を参照して、画像形成装置1000の制御構成について説明する。自動原稿搬送装置100は、CPU400、ROM401、RAM402、モータ403、センサ404、ランプ405、ソレノイド406、クラッチ407、CIS408及び画像処理部409を備える。CPU400は、中央演算処理装置であり、自動原稿搬送装置100の各ブロックを制御する。ROM401は、リードオンリーメモリであり、CPU400によって読み出され実行される制御用プログラムが格納されている。RAM402は、ランダムアクセスメモリであり、出力ポート及び入力ポートを備え、入力データや作業用データが格納されている。また、出力ポートには、各種搬送用のローラを駆動するモータ403、ソレノイド406、クラッチ407が接続されており、入力ポートには、各種センサ404がそれぞれ接続されている。
次に、図3を参照して、画像形成装置1000の制御構成について説明する。自動原稿搬送装置100は、CPU400、ROM401、RAM402、モータ403、センサ404、ランプ405、ソレノイド406、クラッチ407、CIS408及び画像処理部409を備える。CPU400は、中央演算処理装置であり、自動原稿搬送装置100の各ブロックを制御する。ROM401は、リードオンリーメモリであり、CPU400によって読み出され実行される制御用プログラムが格納されている。RAM402は、ランダムアクセスメモリであり、出力ポート及び入力ポートを備え、入力データや作業用データが格納されている。また、出力ポートには、各種搬送用のローラを駆動するモータ403、ソレノイド406、クラッチ407が接続されており、入力ポートには、各種センサ404がそれぞれ接続されている。
CPU400は、これにバスを介して接続されたROM401に格納された制御プログラムにしたがって紙搬送を制御する。CPU400は、画像読取部200のCPU421とライン451を介してシリアル通信を行い、画像読取部200との間で制御データの授受を行う。また、CPU400は、原稿画像データの先端の基準となる画先信号もラインを通して画像読取部200に通知する。
また、図1の裏面画像読取部117は、ランプ405及びコンタクトイメージセンサ(CIS)408を有しており、読み取った画像は画像処理部409へ転送される。画像処理部409は、読み取った画像に画像処理を施し、ライン454を介して出力し、画像メモリ429に保持させる。画像読取部200は、CPU421、ROM422、RAM423、紙間補正部424、画像処理部425、モータ426、LAMP427、CCD428及び画像メモリ429を備える。CPU421は、画像読取部200の各ブロックを統括的に制御する。CPU421には、制御プログラムを格納するROM422及びワークRAMであるRAM423が接続される。モータ426は、光学系駆動モータを駆動させるためのドライバ回路である。CCD428は、表面画像読取部であり、原稿の表面画像を読み取る。
紙間補正部424は、経時的な配光変動に対する読み取り光量補正や、ゴミ検知処理などの搬送される原稿間で行われる様々な紙間補正を行う。レンズ207によりCCD428上に結像された画像信号は、デジタル画像データに変換され、画像処理部425によって各種の画像処理が行われた後に画像メモリ429に書込まれる。画像メモリ429に書込まれたデータは、順次コントローラIF453を通してコントローラ460へ送信される。さらに、原稿画像データの先端の基準となる画先信号については、CPU421でタイミングを取って、コントローラIF452を通してコントローラ460へ通知される。DFからの通信ラインで通知される画先信号についても同様に画像読取部200のCPU421でタイミングを取って、コントローラIF453を通してコントローラ460へ通知される。
コントローラ460は、CPU461、増幅回路462、補正回路463、画像メモリ464、外部I/F465、操作部I/F466、及びプリンタ制御I/F215を備える。操作部I/F466を介して接続されている操作部10は操作者による処理実行内容の入力や操作者に対する処理に関する情報及び警告等の通知を行うためのタッチパネル付き液晶により構成される。
CCD428及びCIS408からは、原稿画像を走査する過程で、読み取りの1ラインごとにアナログの画像信号が出力され、それぞれ画像処理部425、409を経由してコントローラ460へ送られてくる。それらの信号は増幅回路462により増幅された後、補正回路463へ送信される。補正回路463は、画像信号に対して補正処理を行い、画像メモリ464に書込む。以上の処理を原稿画像領域分行い、原稿の読み取り画像を形成する。上述したように本実施形態によれば、自動原稿搬送装置100の裏面画像読取部にCIS408を採用し、画像読取部200の表面画像読取部にCCD428を使用しているが、画像を読み取るセンサであればよい。
<画像形成部>
次に、図4を参照して、画像形成部300の詳細について説明する。なお、本実施形態の画像形成部300は電子写真方式を採用している。また、図4の参照番号の末尾に示すアルファベットY、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのトナーに対応した各エンジンを示す。以下では、全てのトナーに対応するエンジンを示す場合は末尾のアルファベットY、M、C、Kを省略して参照番号を記載し、個別に示す場合は参照番号の末尾にアルファベットY、M、C、Kを付記して記載する。
次に、図4を参照して、画像形成部300の詳細について説明する。なお、本実施形態の画像形成部300は電子写真方式を採用している。また、図4の参照番号の末尾に示すアルファベットY、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのトナーに対応した各エンジンを示す。以下では、全てのトナーに対応するエンジンを示す場合は末尾のアルファベットY、M、C、Kを省略して参照番号を記載し、個別に示す場合は参照番号の末尾にアルファベットY、M、C、Kを付記して記載する。
像担持体としてフルカラー静電画像を形成するための感光ドラム(以下、単に「感光体」と称する。)225は、モータで矢印Aの方向に回転可能に設けられる。感光体225の周囲には、一次帯電装置221、露光装置218、現像装置223、転写装置220、クリーナ装置222、除電装置271が配置されている。
現像装置223Kはモノクロ現像のための現像装置であり、感光体225K上の潜像をKのトナーで現像する。また現像装置223Y、M、Cはフルカラー現像のための現像装置であり、現像装置223Y、M、Cは、感光体225Y、M、C上の潜像をそれぞれY、M、Cのトナーで現像する。感光体225上に現像された各色のトナー像は、転写装置220によって中間転写体である転写ベルト226に一括で多重転写されて、4色のトナー像が重ね合わされる。
転写ベルト226は、ローラ227、228、229に張架されている。ローラ227は、駆動源に結合されて転写ベルト226を駆動する駆動ローラとして機能し、ローラ228は転写ベルト226の張力を調節するテンションローラとして機能する。また、ローラ229は、2次転写装置231としての転写ローラのバックアップローラとして機能する。転写ローラ脱着ユニット250は、2次転写装置231を転写ベルト226に接着させるか、又は離脱させるための駆動ユニットである。2次転写装置231を通過した後の転写ベルト226の下部にはクリーナブレード232が設けられており、転写ベルト226上の残留トナーがブレードで掻き落とされる。
カセット240、241及び手差し給紙部253に格納された記録材(記録紙)は、レジストローラ255、給紙ローラ対235及び縦パスローラ対236、237によってニップ部、つまり2次転写装置231と転写ベルト226との当接部に給送される。なお、その際2次転写装置231は、転写ローラ脱着ユニット250によって転写ベルト226に当接されている。転写ベルト226上に形成されたトナー像は、このニップ部で記録材上に転写される。その後、トナー像が転写された記録材は、定着装置234でトナー像が熱定着されて装置外へ排出される。
カセット240、241及び手差し給紙部253は、それぞれ記録材の有無を検知するためのシートなし検知センサ243、244、245を備える。また、カセット240、241及び手差し給紙部253は、それぞれ記録材のピックアップ不良を検知するための給紙センサ247、248、249を備える。
ここで、画像形成部300による画像形成動作について説明する。画像形成が開始されると、カセット240、241及び手差し給紙部253に格納された記録材は、ピックアップローラ238、239、254により1枚毎に給紙ローラ対235に搬送される。記録材は、給紙ローラ対235によりレジストローラ255へと搬送されると、その直前のレジストセンサ256により記録材の通過が検知される。
レジストセンサ256により記録材の通過が検知された時点で、本実施形態では所定の時間が経過した後に一端搬送動作を中断する。その結果、記録材は停止しているレジストローラ255に突き当たり搬送が停止されるが、その際記録材の進行方向端部が搬送経路に対して垂直になるように搬送位置が固定され、記録材の搬送方向が搬送経路に対してずれた状態の斜行が補正される。以下では、この処理を位置補正と称する。位置補正は、以降の記録材に対する画像形成方向の傾きを最小化するために必要となる。位置補正後、レジストローラ255を起動させることにより、記録材は、2次転写装置231へ供給される。なお、レジストローラ255は、駆動源に結合され、クラッチによって駆動が伝えられることで回転駆動を行う。
次に、一次帯電装置221に電圧を印加して感光体225の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電させる。続いて、帯電された感光体225上の画像部分が所定の露光部電位になるようにレーザスキャナ部からなる露光装置218で露光を行い潜像が形成される。露光装置218はプリンタ制御I/F215を介してコントローラ460より送られてくる画像データに基づいてレーザ光をオン、オフすることによって画像に対応した潜像を形成する。
また、現像装置223の現像ローラには各色毎に予め設定された現像バイアスが印加されており、上記潜像は、現像ローラの位置を通過する際にトナーで現像され、トナー像として可視化される。トナー像は、転写装置220により転写ベルト226に転写され、さらに2次転写装置231で、給紙部より搬送された記録材に転写された後、レジスト後搬送パス268を通過し、定着搬送ベルト230を介して、定着装置234へと搬送される。
定着装置234では、まずトナーの吸着力を補って画像乱れを防止するために、定着前帯電器251、252で帯電され、さらに定着ローラ233でトナー画像が熱定着される。その後、記録材は、排紙フラッパ257により排紙パス258側に搬送パスが切り替えられることにより、排紙ローラ270によってそのまま排紙トレイ242に排紙される。
感光体225上に残留したトナーは、クリーナ装置222で除去、回収される。最後に、感光体225は、除電装置271で一様に0ボルト付近まで除電されて、次の画像形成サイクルに備える。
画像形成装置1000によるカラーの画像形成開始タイミングは、Y、M、C、Kの同時転写であるため転写ベルト226上の任意の位置に画像形成を行うことが可能である。しかし、感光体225Y、M、C上のトナー像を転写する位置のずれ分をタイミング的にシフトさせながら画像形成開始タイミングを決定する必要がある。
なお、画像形成部300においては、記録材を連続的にカセット240、241及び手差し給紙部253より給送させることが可能である。この場合、先行する記録材のシート長を考慮し、記録材が重なり合わないような最短の間隔でカセット240、241及び手差し給紙部253からの給紙を行う。上述したように、位置補正後に、レジストローラ255を起動させることにより、記録材は2次転写装置231へ供給されるが、2次転写装置231に到達すると、再びレジストローラ255が一時停止される。これは、後続の記録材に対して先行する記録材と同様に位置補正を行うためである。
次に、記録材の裏面に画像を形成する場合の動作について詳細に説明する。記録材の裏面に画像を形成する際には、まず記録材の表面への画像形成が先行して実行される。表面のみの画像形成であれば、定着装置234でトナー像が熱定着された後に、そのまま排紙トレイ242に排紙される。一方、引き続き裏面の画像形成を行なう場合、センサ269で記録材が検知されると、排紙フラッパ257により裏面パス259側に搬送パスが切り替えられ、それに併せた反転ローラ260の回転駆動により記録材が両面反転パス261に搬送される。その後、記録材は、送り方向幅の分だけ両面反転パス261に搬送された後に反転ローラ260の逆回転駆動により進行方向が切り替えられ、表面に画像形成された画像面を下向きにして両面パス搬送ローラ262の駆動により両面パス263に搬送される。
続いて、記録材は、両面パス263を再給紙ローラ264に向かって搬送されると、その直前の再給紙センサ265により通過が検知される。再給紙センサ265により記録材の通過が検知されると、本実施形態では所定の時間が経過した後に一端搬送動作を中断する。その結果、記録材は、停止している再給紙ローラ264に突き当たり搬送が一時停止されるが、その際記録材の進行方向端部が搬送経路に対して垂直になるように位置が固定され、記録材の搬送方向が再給紙パス内の搬送経路に対してずれる斜行が補正される。以下では、この処理を再位置補正と称する。
再位置補正は、以降の記録材裏面に対する画像形成方向の傾きを最小化するために必要となる。再位置補正後、再給紙ローラ264を起動させることにより、記録材は、表裏が逆転した状態で再度給紙パス266上に搬送される。その後の画像形成動作については、上述した表面の画像形成動作と同じであるためここでは省略する。このように表裏両面に画像形成された記録材は、そのまま排紙フラッパ257より排紙パス258側に搬送パスが切り替えられることにより、排紙トレイ242に排紙される。
なお、本画像形成部300においては、両面印刷時においても、記録材の連続給送が可能である。しかしながら、記録材への画像形成や形成されたトナー像の定着などを行うための装置は1系統しか有していないため、表面への印刷と裏面への印刷を同時に行うことはできない。したがって、両面印刷時においては、画像形成部300に対し、カセット240、241及び手差し給紙部253からの記録材と、裏面印刷のために反転させて画像形成部に再度給送された記録材とは交互に画像形成されることとなる。
本画像形成部300は、図4に示す各制御負荷を、後述する搬送モジュールA280、搬送モジュールB281、作像モジュール282、定着モジュール283という4つの制御ブロックに分けて各々が自律的に制御されている。さらに、これらの4つの制御ブロックを統括して画像形成装置として機能させるためのマスタモジュール284を有する。以下では、各モジュールの制御構成について図5を用いて説明する。
本実施形態において、マスタモジュール284に備えられるマスタCPU(マスタ制御部/第1層制御部)1001は、プリンタ制御I/F215を介してコントローラ460より送られる指示及び画像データに基づいて画像形成装置1000の全体を制御する。また、画像形成を実行するための搬送モジュールA280、搬送モジュールB281、作像モジュール282、及び定着モジュール283は、各機能を制御するサブマスタCPU(サブマスタ制御部/第2層制御部)601、901、701、801を備える。サブマスタCPU601、901、701、801はマスタCPU1001により制御される。さらに、各機能モジュールは、さらに、各機能を実行するための制御負荷を動作させるためのスレーブCPU(スレーブ制御部/第3層制御部)602、603、604、605、902、903、702、703、704、705、706、802、803を備える。スレーブCPU602、603、604、605はサブマスタCPU601に、スレーブCPU902、903はサブマスタCPU901に、スレーブCPU702、703、704、705、706はサブマスタCPU701に、スレーブCPU802、803はサブマスタCPU801に制御される。
図5に示すように、マスタCPU1001と複数のサブマスタCPU601、701、801、901は共通のネットワーク型通信バス(第1信号線)1002によってバス接続される。サブマスタCPU601、701、801、901同士の間もネットワーク型通信バス(第1信号線)1002によってバス接続される。なお、マスタCPU1001と複数のサブマスタCPU601、701、801、901はリング接続されるものでもよい。サブマスタCPU601は、さらに、高速シリアル通信バス(第2信号線)612、613、614、615を介して、複数のスレーブCPU602、603、604、605のそれぞれと1対1接続(ピアツーピア接続)されている。同様に、サブマスタCPU701は、高速シリアル通信バス(第2信号線)711、712、713、714、715を介して、それぞれスレーブCPU702、703、704、705、706と接続される。サブマスタCPU801は、高速シリアル通信バス(第2信号線)808、809を介して、それぞれスレーブCPU802、803と接続される。サブマスタCPU901は、高速シリアル通信バス(第2信号線)909、910を介して、それぞれスレーブCPU902、903と接続される。ここで、高速シリアル通信バスは、短距離高速通信に用いられる。
本実施形態に係る画像形成装置1000において、タイミングに依存した応答性が必要とされる制御に関しては、各サブマスタCPUに統括された機能モジュール内で実現されるように機能分割されている。そのため、末端の制御負荷を駆動するための各スレーブCPUと各サブマスタCPUとの間の通信は、応答性のよい高速シリアル通信バスによって接続されている。つまり、上記第2信号線には、上記第1信号線よりもデータ転送のタイミング精度が高い信号線が用いられる。
一方、サブマスタCPU601、701、801、901とマスタCPU1001との間では、精密な制御タイミングを必要としない、画像形成動作の大まかな処理の流れを統括するようなやり取りだけが行われる。例えば、マスタCPU1001はサブマスタCPUに、画像形成前処理開始、給紙開始、画像形成後処理開始といった指示を出す。また、マスタCPU1001はサブマスタCPUに、コントローラ460から指示されたモード(例えばモノクロモードや両面画像形成モードなど)に基づいた指示を画像形成開始の前に出す。サブマスタCPU601、701、801、901のそれぞれの間でも、精密なタイミング制御を必要としないやり取りだけが行われる。すなわち、画像形成装置の制御を、相互に精密なタイミング制御を必要としない制御単位に分け、それぞれのサブマスタCPUがそれぞれの制御単位を精密なタイミングで制御する。これにより、本画像形成装置1000では、通信トラフィックを最小限に抑え、低速で安価なネットワーク型通信バス1002で接続することを可能としている。なお、マスタCPU、サブマスタCPU、及びスレーブCPUについては、実装される制御基板が必ずしも一律である必要はなく、装置実装上の事情に合わせて可変的に配置させることが可能である。
次に、図6を参照して、本実施形態における具体的なマスタCPU、サブマスタCPU、スレーブCPUの基板構成上の配置について説明する。本実施形態によれば、図6に示すように、様々な制御基板の構成を採用することができる。例えば、サブマスタCPU601とスレーブCPU602、603、604、605とは、同一の基板上に実装されている。また、サブマスタCPU701及びスレーブCPU702、703、704、又は、サブマスタCPU801及びスレーブCPU802、803のように、サブマスタCPUと個々のスレーブCPUが独立の基板として実装されてもよい。また、スレーブCPU705、706のように一部のスレーブCPUが同一の基板上に実装されてもよい。また、サブマスタCPU901及びスレーブCPU902のように、サブマスタCPUとスレーブCPUの一部だけが同一基板上に配置されてもよい。
また、本実施形態によれば、各CPUは、個別のクロック発振器によって駆動される。本実施形態に係るクロック発振器には、当該CPUに内蔵される内蔵クロック発振器又は当該CPUの外部に設けられる外部クロック発振器を適用することができる。しかし、上述のように各CPUがそれぞれ個別のクロック発振器によって駆動される場合、それぞれのクロック発振器のクロック周波数に個体差が生じるため、長中期的な誤差(ジッタ)が生じる。その結果、図7及び図8を用いて後述するように、複数のCPUが個別にステッピングモータなどのアクチュエータを制御する場合、内蔵クロック発振器や外部クロック発振器の誤差により、紙搬送を制御するステッピングモータ間の速度に誤差が生じ、紙の引っ張り合いや撓みなどの問題が生じてしまう。
<各制御モジュールの構成>
次に、図7及び図8を参照して、各制御モジュールに関する機能と構成について詳細に説明する。図7に示す搬送モジュールA280は、カセット240、241及び手差し給紙部253に格納された記録材を停止したレジストローラ255のニップ部に突き当てるまでの給紙制御(給送機能)を司っている。搬送モジュールA280は、給紙制御を統括的に制御するサブマスタCPU601と、各制御負荷の駆動を行うスレーブCPU602、603、604、605とを含む。また、各スレーブCPUには、直接制御される制御負荷群が接続されている。
次に、図7及び図8を参照して、各制御モジュールに関する機能と構成について詳細に説明する。図7に示す搬送モジュールA280は、カセット240、241及び手差し給紙部253に格納された記録材を停止したレジストローラ255のニップ部に突き当てるまでの給紙制御(給送機能)を司っている。搬送モジュールA280は、給紙制御を統括的に制御するサブマスタCPU601と、各制御負荷の駆動を行うスレーブCPU602、603、604、605とを含む。また、各スレーブCPUには、直接制御される制御負荷群が接続されている。
スレーブCPU602は、カセット240に関連したピックアップローラ238を駆動させるための駆動源モータ606、シートなし検知センサ243、及び給紙センサ247を制御負荷とし、給紙パス266に記録材を引き渡すまでの制御を行う。スレーブCPU603は、カセット241に関連したピックアップローラ239を駆動させるための駆動源モータ607、シートなし検センサ244、給紙センサ248を制御負荷とし、給紙パス266に記録材を引き渡すまでの制御を行う。スレーブCPU604は、手差し給紙部253に関連したピックアップローラ254を駆動させるための駆動源モータ608、シートなし検センサ245、給紙センサ249を制御負荷とし、給紙パス266に記録材を引き渡すまでの制御を行う。スレーブCPU605は、給紙ローラ対235、236、237を駆動させるための駆動源モータ609、610、611、レジストセンサ256を制御負荷とする。また、スレーブCPU605は、これらの制御負荷を制御して、カセット240、241、手差し給紙部253から引き渡された記録材をレジストローラ255のニップ部に突き当てるまで搬送し、一時停止させるまでの制御を行う。なお、本実施形態では、サブマスタCPU601とスレーブCPU602、603、604,605は各々独立の高速シリアル通信バス612、613、614、615により1対1で対向接続されている。
図8に示す搬送モジュールB281は、定着モジュール283により画像定着後の記録材を引き受け、画像形成部300の外部に排紙するまでの排紙制御(排出機能)、又は裏面印刷を行うために記録材の表裏を反転させて改めて搬送モジュールA280に引き渡すまでの裏面反転制御(反転機能)を司っている。搬送モジュールB281は、排紙制御及び裏面反転制御を統括的に制御するサブマスタCPU901と、各制御負荷を駆動するスレーブCPU902、903とを含む。また、各スレーブCPUには、直接制御される制御負荷群が接続されている。
スレーブCPU902は、排紙フラッパ257を切り替えるためのソレノイド904、排紙ローラ270を駆動させるための駆動源モータ905、反転ローラ260を駆動させるための駆動源モータ906、センサ269を制御負荷とする。スレーブCPU902は、これらの制御負荷を制御し、定着後の搬送パスから記録材を機外に排出するか、又は両面反転パス261に引き渡すまでの制御を行う。スレーブCPU903は、両面パス搬送ローラ262を駆動させるための駆動源モータ907、再給紙ローラ264を駆動させるための駆動源モータ908、再給紙センサ265を制御負荷とする。スレーブCPU903は、これらの制御負荷を制御し、反転パスより引き渡された記録材を再度給紙パス266に引き渡すまでの制御を行う。なお、本実施形態では、サブマスタCPU901とスレーブCPU902、903は、各々独立の高速シリアル通信バス909、910により1対1で対向接続されている。
本実施形態においては、上述した4つのサブモジュールの自律的な動作を組み合わせることによって記録材への画像形成制御を実現している。しかし、実際の画像形成動作は給紙段/用紙サイズの選択や、片面/両面印刷の指定、白黒印刷/カラー印刷の指定などの組み合わせに応じていくつかのパターンに分かれる。操作部10や、外部I/F465を介して操作者が予め設定を行うことにより、具体的な指示が入力されるが、その指示に基づいて操作者が所望する動作を実現する上では各モジュールを統合的に動作させるための全体制御が必要となる。本実施形態においては、マスタモジュール284におけるマスタCPU1001がサブマスタCPU601、701、801、901を統括的に制御する。ここで、マスタCPU1001による全体制御の大きな流れは、低速なネットワーク型通信バス1002を介したマスタCPU1001とサブマスタCPU601、701、801、901との間の通信によるコマンドのやり取りにより実現される。さらに、高速シリアル通信バスによるサブマスタCPU601、701、801、901とスレーブCPU602、603、604、605、702、703、704、705、706、802、803、902、903との間の対向通信によるコマンドのやり取りによって実現される。
<動作制御>
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の特徴となる動作制御について説明する。ここでは、本発明の一例として、記録材を搬送する搬送制御において内部クロック発振器や外部クロック発振器のクロック周波数の誤差による影響を低減する構成及び制御について説明する。まず、図9を参照して、本発明を適用する際のスレーブCPU602、603の具体的な構成例について説明する。
次に、図9乃至図11を参照して、本発明の特徴となる動作制御について説明する。ここでは、本発明の一例として、記録材を搬送する搬送制御において内部クロック発振器や外部クロック発振器のクロック周波数の誤差による影響を低減する構成及び制御について説明する。まず、図9を参照して、本発明を適用する際のスレーブCPU602、603の具体的な構成例について説明する。
図9に示すように、負荷制御部であるスレーブCPU602、603と、負荷であるモータ606、607との間には、それぞれセレクタ(切替部)1401、1403とモータドライバ1402、1404とが設けられる。また、スレーブCPU(第1負荷制御部)602とスレーブCPU(第2負荷制御部)603とは、相互通信可能に通信線1405によって接続される。
スレーブCPU602、603は、それぞれ制御信号と、セレクト信号とをセレクタ1401、1403に出力する。セレクタ1401、1403は、セレクト信号に従って、それぞれのモータドライバ1402、1404に対して、スレーブCPU602、603から出力された制御信号を選択して出力する。つまり、セレクタ1401、1403は、モータ606、607の制御元となるスレーブCPUを切り替えることとなる。モータドライバ1402、1404は、入力された制御信号に従って、モータ606、607における回転駆動を制御する。回転駆動の制御には、例えば、加減速制御や定速制御がある。
次に、図10を参照して、スレーブCPU602のモータ制御の処理手順の詳細について説明する。以下で記載するSに続く番号は、フローチャートのステップ番号を示す。S1001において、スレーブCPU602は、スレーブCPU603と通信線1405を通じて、スレーブCPU603がモータを定速制御状態(予め定められた動作状態)に遷移した場合の通知を受信したか否かを判定する。なお、ここでのスレーブCPU602は判定部として機能する。ここで、スレーブCPU602は、当該通知を受信した場合はS1002に進み、受信していない場合はS1003に進む。
S1002において、スレーブCPU602は、セレクト信号を切り替え、S1003に進む。ここでのセレクト信号の切り替えは、セレクタ1401、1403が共にスレーブCPU602からの制御信号に従うように切り替えられる。したがって、上述のような切り替えが行なわれると、モータ606、607は共にスレーブCPU602からの制御信号によって制御されることとなる。また、以下の記載で「モータ606」と記載している箇所は、S1002でセレクト信号の切り替えが行なわれた場合には「モータ606、607」と読み替えるものとする。
S1003において、スレーブCPU602は、制御しているモータ606を停止させるか否かを判定する。停止させる場合は停止制御を行なって、処理を終了する。一方、モータ606を停止させない場合は、S1004へ進む。S1004において、スレーブCPU602は、モータ606に対して加減速制御を行なうか否かを判定する。ここで、加減速制御を行なう場合はS1005に進み、加減速制御を行なわない場合はS1006に進む。
S1005において、スレーブCPU602は、モータ606の加減速制御を行い、目標速度までの加速又は減速が終了すると、処理をS1001に戻し、上記一連の動作を繰り返す。一方、S1006において、スレーブCPU602は、モータ606の定速制御を行い、予め定められた時間又はステップ数の定速制御を行なうと、処理をS1001に戻し、上記一連の動作を繰り返す。
続いて、図11を参照して、スレーブCPU603のモータ制御の処理手順の詳細について説明する。以下で記載するSに続く番号は、フローチャートのステップ番号を示す。S1101において、スレーブCPU603は、制御しているモータ607を停止させるか否かを判定する。停止させる場合は停止制御を行い処理を終了する。一方、停止させない場合は、S1102に進む。
S1102において、スレーブCPU603は、モータ607に対して加減速制御を行なうか否かを判定する。ここで、加減速制御を行なう場合はS1103に進み、加減速制御を行なわない場合はS1104に進む。S1103において、スレーブCPU603は、モータ607の加減速制御を行い、目標速度までの加速又は減速が終了すると、処理をS1101に戻し、上記一連の動作を繰り返す。
一方、S1104において、スレーブCPU603は、モータ607に対して定速制御を行い、S1105に進む。S1105において、スレーブCPU603は、通知部として機能し、モータ607が定速制御状態となっているため、通信線1405を介して他方のスレーブCPU602へ、定速制御状態であることを通知し、S1106に進む。S1106において、スレーブCPU603は、モータ607の制御権をスレーブCPU602へ開放する。制御権を開放したことにより、今までスレーブCPU603が制御していたモータ607は、スレーブCPU602が制御することとなる。このように、複数のモータにおいて定速制御を実行する際には1つのCPUによって各モータ606、607を制御することにより、内部クロック発振器又は外部クロック発振器によるクロック周波数の誤差の影響を受けることなく制御することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置は、それぞれが異なる負荷を制御する複数の負荷制御部を備え、各負荷が予め定められた動作状態に遷移すると、各負荷の制御を、異なる負荷制御部による制御から1つの負荷制御部による制御に切り替える。例えば、本実施形態では、複数のスレーブCPUがそれぞれ異なるモータを制御している場合に、各モータが定速制御状態に遷移すると、各モータを制御するスレーブCPUが1つのスレーブCPUに切り替えられる。これにより、各モータが同一の回転速度を求められる定速制御状態において、複数のスレーブCPU間において発生するクロック発振器の誤差による影響を低減することができる。また、本実施形態は、定速制御状態へ遷移する前の加減速制御状態においては、各スレーブCPUによって各モータを制御させることにより詳細な制御を実現している。また、本実施形態に係る画像形成装置は、複数のスレーブCPU間で上述の切替制御を行なうことによって実現される。
<第2の実施形態>
次に、図12及び図13を参照して、第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態おいても、従来例に対して安価でかつ容易な構成で内部クロック発振器や外部クロック発振器のクロック周波数の誤差による影響を低減することが可能である。しかし、本実施形態では、スレーブCPUの上位層制御部であるマスタCPU1001又はサブマスタCPU601がセレクト信号の切替制御を行うことにより、機器全体での定速制御の精度を向上させる。
次に、図12及び図13を参照して、第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態おいても、従来例に対して安価でかつ容易な構成で内部クロック発振器や外部クロック発振器のクロック周波数の誤差による影響を低減することが可能である。しかし、本実施形態では、スレーブCPUの上位層制御部であるマスタCPU1001又はサブマスタCPU601がセレクト信号の切替制御を行うことにより、機器全体での定速制御の精度を向上させる。
まず、図12を参照して、本実施形態における具体的な構成例について説明する。サブマスタCPU601は通信線1406を介して、スレーブCPU602及びスレーブCPU603と相互通信可能に接続されている。なお、ここでは、サブマスタCPU601を一例に説明するが、サブマスタCPU601の代わりにマスタCPU1001を適用してもよい。なお、サブマスタCPU601及びマスタCPU1001は上位層制御部として機能する。
スレーブCPU602、603は、それぞれ制御信号と、セレクト信号とをセレクタ1401、1403に出力する。セレクタ1401、1403は、セレクト信号に従って、それぞれモータドライバ1402、1404に対して、スレーブCPU602、603から出力された制御信号を選択して出力する。モータドライバ1402、1404は、入力された制御信号に従って、モータ606、607における回転駆動を制御する。回転駆動の制御には、例えば、加減速制御や定速制御がある。
次に、図13を参照して、本実施形態における具体的なタイミングチャートについて説明する。1301は、各モータを異なるスレーブCPUが制御する個別駆動制御と、各モータを1つのCPUで制御する単独駆動制御とにおけるモータの速度制御を示すグラフである。また、1301は、横軸に時間(t)を示し、縦軸に速度(pps)を示す。また、1302は、1301のグラフに対応するスレーブCPU602が出力するセレクト信号の値を示す。
1301に示す個別駆動制御領域では、スレーブCPU602及びスレーブCPU603は、それぞれ制御対象となっているモータ606、607の加速制御を行なっている。一般的にステッピングモータは、加減速中の脱調を防ぐため精度よく制御する必要がある。つまり、加減速制御中は、各モータを異なる制御部において制御することが望ましい。そのため本実施形態では、加減速時においては、各スレーブCPU602、603が個別でステッピングモータの駆動制御を行う。
サブマスタCPU601は、スレーブCPU602、603によってそれぞれ制御されているモータ606、607の回転速度が目標速度に達して、定速制御状態に遷移したか否かを判定する。したがって、本実施形態では、サブマスタCPU601は、判定部として機能する。また、ここで、スレーブCPU602、603は、通知部として機能し、制御対象のモータ606、607が定速制御状態に遷移すると、当該状態をサブマスタCPU601に対して通知する。定速制御状態に遷移すると、サブマスタCPU601は通信線1406を介して、セレクト信号の切り替えをスレーブCPU602、603に対してそれぞれ通知する。通知を受けたスレーブCPU602は、スレーブCPU603が制御を行っていたモータ607の制御も合わせて行う。一方、スレーブCPU603は制御を行なっていたモータ607の制御権を開放する。このように、本実施形態では、図11のS1105における通知がサブマスタCPU601から各スレーブCPU602、603へ通知されることとなる。つまり、上位のCPUからの通知により、スレーブCPU602が定速制御状態においてモータ606、607を合わせて制御することにより、内蔵クロック発振器及び外部クロック発振器の誤差に影響することなく、精度よくモータ制御を行なうことができる。このように、本実施形態に係る画像形成装置は、第1の実施形態で行なわれた各負荷の制御元の切替制御を上位層制御部であるサブマスタCPU601又はマスタCPU1001によって行なうことができる。
Claims (5)
- それぞれが異なるクロック発振器により駆動され、それぞれが異なる負荷を制御する複数の負荷制御部と、
異なる前記負荷制御部によって制御されている複数の前記負荷を、1つの前記負荷制御部によって制御する必要があるか否かを該負荷の動作状態に応じて判定する判定部と、
前記判定部によって前記複数の負荷を1つの前記負荷制御部によって制御する必要があると判定されると、前記複数の負荷の制御を、異なる前記負荷制御部による制御から、1つの前記負荷制御部による制御に切り替える切替部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記複数の負荷制御部は、第1負荷制御部及び第2負荷制御部を含み、
前記第2負荷制御部は、制御している前記負荷が予め定められた動作状態に遷移すると、前記第1負荷制御部に対して、当該動作状態を通知する通知部を備え、
前記第1負荷制御部は、前記通知部による通知を受信すると、前記切替部に対して切り替えを指示することにより、前記第2負荷制御部が制御している前記負荷の制御を前記第1負荷制御部による制御に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記複数の負荷制御部を制御する上位層制御部をさらに備え、
前記複数の負荷制御部は、制御している前記負荷が予め定められた動作状態に遷移すると、前記上位層制御部に対して、当該動作状態を通知する通知部を備え、
前記上位層制御部は、前記通知部による通知を受信すると、前記切替部に対して切り替えを指示することにより、前記複数の負荷の制御を、異なる前記負荷制御部による制御から、1つの前記負荷制御部による制御に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記複数の負荷は、記録材を搬送する搬送ローラを駆動するためのモータであり、
前記負荷の予め定められた動作状態とは、各モータが予め定められた速度に到達した状態であることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。 - 前記切替部は、各負荷に対応して設けられるとともに、各負荷制御部に対して信号線を介して接続され、各負荷制御部から該信号線を介して通知される制御信号を選択することにより、負荷を制御する制御元を切り替えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
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