JP2011103737A - 力率改善型スイッチング電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇圧型コンバータの過電流保護に際して、インダクタ電流の急激な変化が生じないように過電流制限の基準値を最適なタイミングで変更するようにした力率改善型スイッチング電源装置を目的とする。
【解決手段】検出レベル選択回路32は、選択信号S1によって第1および第2の閾値のいずれかを選択し、過電流検出回路34に過電流検出レベルとして出力する。入力電圧監視回路30は、交流入力電圧が第1の基準電圧を超えたときは第1あるいは第2の閾値のうちの大きな閾値が、第1の基準電圧以下の電圧である第2の基準電圧を超えないときは小さな閾値が、それぞれ検出レベル選択回路32で選択されるように選択信号S1を決定し、交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミングで検出レベル選択回路32に選択信号S1を出力する。これにより、交流入力電圧が零レベル近傍になるタイミングで過電流検出回路34における過電流検出レベルを変更できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、全波整流された交流入力電圧に基づいて直流出力電圧を負荷に供給する力率改善型スイッチング電源装置に関し、特に交流入力電圧の大きさに応じて過電流制限値を大小2通りに変更可能とする力率改善型スイッチング電源装置に関する。
近年、電子機器には交流電圧を入力とするスイッチング電源装置が広く利用されている。こうしたスイッチング電源装置は、入力と出力を結ぶスイッチング素子をスイッチング動作させることにより、全波整流された交流入力電圧を所望の大きさの直流出力電圧に変換して負荷に供給するものであって、例えば後述する特許文献1に例示されるものが知られている。
図6は、従来の力率改善型スイッチング電源装置の一例を示す回路図である。ここでは、連続導通モードで動作する力率改善(PFC:Power Factor Correction)型スイッチング電源回路を示しており、これはアクティブフィルタ方式の電源装置に適用されるものである。
図6に示す従来の力率改善型スイッチング電源装置は、商用電源2を全波整流する全波整流器4を有し、その出力は、インダクタL1の一端に接続される。このインダクタL1の他端とダイオードD1との接続点は、スイッチング素子6を構成する例えばNチャネル型のMOSトランジスタ(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)のドレイン端子に接続されている。インダクタL1の他端は、ダイオードD1およびコンデンサC1からなる整流平滑回路を介して負荷8に接続され、負荷8に対し直流出力電圧Voutが出力される。
スイッチング素子6であるMOSトランジスタは、ソース端子がGND(大地)に接続されるとともに、ゲート端子が力率改善制御回路10の出力端子DOに接続されている。全波整流器4とインダクタL1との接続点には、抵抗R1,R2からなる直列抵抗回路の一端が接続され、その他端は接地されている。力率改善制御回路10の乗算器入力端子VDETは全波整流器4から交流出力電圧の検出値を入力する端子であり、抵抗R1,R2の接続点がこの乗算器入力端子VDETに接続されている。また、全波整流器4は抵抗R3を介して接地されており、全波整流器4と抵抗R3との接続点が力率改善制御回路10のインダクタ電流信号入力端子ISに接続されている。さらに、負荷8には抵抗R4,R5の直列回路が並列接続されて、ここに負荷8と同じ直流出力電圧Voutが印加されている。力率改善制御回路10のフィードバック電圧入力端子FBは直流出力電圧Voutの検出値を入力する端子であり、ここでは、抵抗R4,R5の接続点がフィードバック電圧入力端子FBと接続され、ここに直流出力電圧Voutを抵抗分割した電圧信号が帰還される。
つぎに、上述した図6の従来の力率改善型スイッチング電源装置の動作について簡単に説明する。
図6の従来の力率改善型スイッチング電源装置は平均電流制御方式や平均電流モード制御などと呼ばれている制御方式を採用していて、力率改善制御回路10は、直流出力電圧Voutを安定化しながら交流の商用電源2側に流れる電流を交流入力電圧と同位相の正弦波状に制御するものである。力率改善制御回路10のフィードバック電圧入力端子FBは、直流出力電圧Voutに対する電圧指令値を設定する基準電圧源12とともに、トランスコンダクタンスアンプからなる電圧誤差増幅器14の入力端子に接続されている。この電圧誤差増幅器14では、直流出力電圧Voutの検出値(この場合は分圧値)と基準電圧源12の電圧指令値(例えば、2.5V)との差を増幅した電圧誤差増幅信号を生成する。電圧誤差増幅器14の出力端子とGNDとの間には、コンデンサC2および抵抗R6とコンデンサC3の直列回路が接続されている。この電圧誤差増幅信号は、乗算器16の第1入力端子に供給されている。
乗算器16の第2入力端子は、力率改善制御回路10の乗算器入力端子VDETと接続され、ここから全波整流器4の交流出力電圧の検出値(この場合は分圧値)が入力されている。乗算器16では、第1入力端子に供給される電圧誤差増幅信号と第2入力端子に供給される全波整流器4の交流出力電圧の検出値Vdetとを乗算して、電流誤差増幅器18への電流指令値としている。
電流誤差増幅器18には、インダクタ電流信号入力端子ISからインダクタ電流ILを電流検出用の抵抗R3で電圧変換した電圧信号であるインダクタ電流信号と、電流指令値となる乗算器16の出力信号Vmulが入力される。また、インダクタ電流信号入力端子ISには、過電流保護(OCP:Over Current Protection)回路24が接続されている。発振回路(OSC)20では、スイッチング周期を決める周波数一定の鋸歯状、もしくは三角波のキャリア信号を生成してPWMコンパレータ22に入力している。このキャリア信号と電流誤差増幅信号が入力されるPWMコンパレータ22では、これらの信号の大小関係を比較してパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御信号を生成し、これがアンド回路26およびドライバ回路28を介してスイッチング素子6のゲート端子に印加されている。
ここで、過電流保護回路24は、インダクタ電流信号に基づいてスイッチング素子6のスイッチング周期毎に、インダクタ電流ILのピーク値を制限するものである。ここでは、所定の閾値を超えたインダクタ電流が流れたとき、アンド回路26にL(Low)レベルの過電流制限信号を入力してアンド回路26の出力を強制的にLとなるようにしている。力率改善制御回路10の出力端子DOには、アンド回路26からドライバ回路28を介してスイッチング信号が出力される。こうして、スイッチング素子6のオンオフタイミングを制御することで、ダイオードD1を介してコンデンサC1に流れる電流値を制御することができる。なお、実際には、電流誤差増幅器18の入出力端子間に帰還定数設定回路が接続されているが、図6では帰還定数設定回路の記載を省略している。
このような力率改善型スイッチング電源装置は、交流の商用電源2を入力とする場合には、その交流入力電圧の範囲は80Vac〜265Vacと広く想定されている。そして、交流入力電圧が変化することが想定されたスイッチング電源装置であっても、その直流出力電力に制限を掛ける定電力制御を実現することは可能であるが、実際には回路規模が大きくなる。そのため、通常はピン数の少ない半導体集積回路により構成されたスイッチング電源装置には定電力制御を適用しない。すなわち、ピン数の少ない半導体集積回路により構成された力率改善制御回路10は、定電力制御機能を有しないために、インダクタ電流に対し同じ閾値で過電流保護回路が動作しても、交流入力電圧の値によって直流出力電力が大きく変化してしまうという問題があった。
図7は、過電流保護動作によって制限される直流出力電力と交流入力電圧の関係を示す図である。横軸には交流入力電圧(Vac)、縦軸には制限電力(W)を示している。
すなわち、交流入力電圧が高い場合には、インダクタ電流が大きくなって過電流制限を行っても、直流出力電力を適正な範囲で抑制することができなくなる。そこで、例えば特許文献1には、昇圧コンバータ形のアクティブフィルタを用いた整流装置であって、AC入力電流の過電流を制限する機能を備えた整流装置において、AC入力電圧の系統が100V系であるか200V系であるかを検出し、過電流の制限値を200V系では100V系の1/2に切り替えるようにした過電流制限回路が開示されている。これにより、入力電圧が100V系から200V系に切り替わった時にも、過電流制限がかかる時の出力電力をほぼ一定にすることができるとしている。
また、特許文献2にも、100V系と200V系とで過電流リミッタレベルが極端に異なるのを回避するために、インダクタ電流に対する比較基準電圧Vthを100V系と200V系とで変化させるような技術が開示されている。
特開平7−7953号公報(段落[0012]−[0018]、図1など参照) 特開2003−219635号公報(段落[0009]−[0023]、図3,4など参照)
上述した特許文献1、2に開示された技術では、いずれも2つの制限値あるいは2つの比較基準値を切り替える場合の切り替えタイミングについては何らの言及もない。すなわち、制限値あるいは比較基準値の切り替えタイミングについては何ら制限のないものになっている。
しかしながら、力率改善型スイッチング電源装置に2つの閾値を有する過電流制限機能を付与するとき、力率改善を実現するために交流入力電圧(の絶対値)が高いときは入力電流も大きくなっていることから、以下のような問題が生じる。
すなわち、交流入力電圧が低いという前提で過電流検出の基準値を設定していて交流入力電圧を観察していたところ、入力電圧が高いと判断して基準値を切り替える場合が想定される。そこでは、2つの閾値のうちの大きな基準値から小さな基準値に切り替えることになる。
しかし、交流入力電圧が高いと判断した以上、検出される入力電流も大きくなっている。そして、そのような状態で過電流制限の基準値をいきなり下げれば、スイッチング電源装置のインダクタに流れている電流を強制的に遮断する動きとなる。スイッチング電源装置が電流連続モードで動作していると、交流入力電圧が高いと判断する時点ではインダクタ電流も必然的に大きな値となっているため、この電流を遮断させようとするとインダクタ電流の発振やそれによる音鳴りが発生してしまうという問題があった。
また、ローパスフィルタなどを使って交流入力電圧の平均値を求め、これにより過電流検出の基準値を切り替える場合は、切り替えタイミングが予測できない。したがって、過電流検出時におけるインダクタ電流の発振や音鳴りの条件は複雑なものになり、力率改善型スイッチング電源装置の安定運転に大きな支障がもたらされるという問題もあった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ダイオードブリッジにて全波整流された交流入力電圧に基づいて、インダクタとスイッチング素子と出力コンデンサとを有する昇圧型コンバータの過電流保護に際して、インダクタ電流の急激な変化が生じないように過電流制限の2つの基準値を最適なタイミングで変更するようにした力率改善型スイッチング電源装置を目的とする。
本発明では、上記問題を解決するために、インダクタとスイッチング素子と出力コンデンサとを有する昇圧型コンバータに対して全波整流された交流入力電圧の大きさに応じて過電流制限値を少なくとも大小2通りに変更可能とする力率改善型スイッチング電源装置が提供される。
この力率改善型スイッチング電源装置では、出力電圧の検出値と基準電圧の差を増幅した電圧誤差増幅信号、および前記全波整流された交流入力電圧の検出値を乗算する乗算器と、該乗算器の出力および前記インダクタに流れるインダクタ電流を検出したインダクタ電流信号に基づき前記スイッチング素子をオン・オフ制御する制御回路と、互いに異なる大きさの第1の閾値および第2の閾値のいずれかを設定することにより、前記インダクタ電流信号が前記第1の閾値あるいは前記第2の閾値を超えたことを検出して前記インダクタ電流を制限する過電流検出信号を生成する過電流保護回路と、前記全波整流された交流入力電圧の検出値の大きさを監視して前記交流入力電圧の半周期の間に前記全波整流された交流入力電圧の検出値が第1の基準電圧を超えたときは前記第1あるいは第2の閾値のうちの絶対値が小さな閾値が、前記第1の基準電圧以下の電圧である第2の基準電圧を超えないときは絶対値が大きな閾値が選択設定されるように選択信号を決定して前記過電流保護回路に入力するとともに、前記選択信号の変更を前記交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミングで行う入力電圧監視回路と、を備えたことを特徴とする。
この力率改善型スイッチング電源装置によれば、簡単な構成で過電流保護回路におけるスレッシュレベルを切り替えて、出力電力の取れすぎを抑制できる。また、交流入力電圧の大きさに応じて過電流保護回路に設定されるスレッシュレベルを変更し、交流入力電圧が高いときに、確実に過電流保護動作時での過大な電力を抑制することができる。そして、交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミングでスレッシュレベルを変更することにより、インダクタ電流の急激な変化およびこれに起因するインダクタ電流の発振や音鳴りを防ぐことができる。
本発明の実施の形態に係る力率改善制御回路の構成を示す回路図である。 図1の入力電圧監視回路の具体的な構成の一例を示す回路図である。 入力電圧監視回路の各部信号波形の一例を示す動作タイミング図である。 交流入力電圧の変化と過電流検出レベル(過電流保護の閾値レベル)を選択するための選択信号および過電流検出レベルの関係を示す図である。 本発明の過電流保護回路によって制限される直流出力電力と交流入力電圧の関係を示す図である。 従来の力率改善型スイッチング電源装置の一例を示す回路図である。 過電流保護動作によって制限される直流出力電力と交流入力電圧の関係を示す図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る力率改善制御回路の構成を示す回路図である。
本発明の実施の形態である連続モードで動作する力率改善型スイッチング電源装置は、力率改善制御回路10を力率改善制御回路10sに置き換えた以外は、平均電流制御方式や平均電流モード制御などと呼ばれている制御方式を採用している図6に示す従来の力率改善型スイッチング電源装置と同じ構成である。
図1に示す力率改善制御回路10sは、力率改善制御回路10と同様に直流出力電圧Voutを安定化しながら、交流の商用電源2側に流れる電流を交流入力電圧と同位相の正弦波状に制御するものであって、そのフィードバック電圧入力端子FBは、直流出力電圧Voutに対する電圧指令値を設定する基準電圧源12とともに電圧誤差増幅器14の入力端子に接続されている。電圧誤差増幅器14は、直流出力電圧Voutに比例した帰還信号である直流出力電圧Voutの検出値と基準電圧源12の電圧指令値との差を増幅した電圧誤差増幅信号(Ver)を生成する。電圧誤差増幅器14の出力端子とGNDとの間には、コンデンサC2および抵抗R6とコンデンサC3の直列回路が接続されている。そして、電圧誤差増幅器14の電圧誤差増幅信号は、乗算器入力端子VDETから供給された交流入力電圧に比例する交流入力電圧の検出値Vdetとともに乗算器16に入力される。
乗算器16の出力端子は、電流誤差増幅器18の非反転入力端子と接続され、そこに電流基準信号Vmulを入力している。電流誤差増幅器18では、インダクタ電流信号入力端子ISから、インダクタ電流ILを電流検出用の抵抗R3(図6参照)で検出した電圧信号であるインダクタ電流信号が反転入力端子に入力され、電流基準信号Vmulとインダクタ電流信号の差を増幅した電流誤差信号を出力する。発振回路(OSC)20では、スイッチング素子6のオン・オフ動作の周期であるスイッチング周期を決めるキャリア信号として、周波数一定の鋸歯状、もしくは三角波が生成され、これをPWMコンパレータ22に入力している。PWMコンパレータ22は、このキャリア信号と電流誤差増幅器18からの電流誤差信号を入力とし、これらの信号の大小関係を比較することによりPWM制御信号を生成し、アンド回路26およびドライバ回路28を介してスイッチング素子6のゲート端子に印加する。
力率改善制御回路10sには、乗算器入力端子VDETと接続された入力電圧監視回路30が設けられている。また、力率改善制御回路10sでは従来装置における過電流保護回路24に相当するものとして、検出レベル選択回路32と過電流検出回路34を備えており、入力電圧監視回路30から選択信号S1が過電流保護回路24の検出レベル選択回路32に供給されている。
入力電圧監視回路30には、乗算器入力端子VDETから交流入力電圧(の絶対値)に比例する交流入力電圧の検出値Vdetが入力されており、この検出値Vdetに基づいて、商用電源2から昇圧型コンバータに供給される交流入力電圧の大きさを監視している。また、検出レベル選択回路32には、互いに異なる大きさの第1および第2の閾値が設定されている。検出レベル選択回路32では、入力電圧監視回路30における監視結果である選択信号S1によって、それら第1および第2の閾値のいずれかを選択し、過電流検出回路34に過電流検出レベルとして出力している。
入力電圧監視回路30では、交流入力電圧が第1の基準電圧を超えたときは第1あるいは第2の閾値のうちの大きな閾値が、第1の基準電圧以下の電圧である第2の基準電圧を超えないときは小さな閾値が、それぞれ検出レベル選択回路32で選択されるように選択信号S1を決定できる。後述のように、交流入力電圧が第2の基準電圧を超え、かつ第1の基準電圧を超えない場合は、以前の選択信号S1の値を維持する。これは、交流入力電圧に対するヒステリシス特性をもたせるためであるが、第1の基準電圧と第2の基準電圧を等しくして、ヒステリシス特性をもたせないようにしてもよい。このとき、入力電圧監視回路30では、交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミングで検出レベル選択回路32に対する選択信号S1を切り替える。これにより、検出レベル選択回路32では、過電流検出回路34に対する過電流検出レベルの変更を、交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミングで行うことができる。
したがって、昇圧型コンバータの過電流保護に際して、検出レベル選択回路32はインダクタ電流の急激な変化が生じることがないよう、過電流検出回路34に対する過電流制限の基準値を最適なタイミングで変更できる。
つぎに、上述した力率改善制御回路10sにおいて、過電流保護回路24への選択信号S1を出力するための入力電圧監視回路30の具体的な構成について説明する。
図2は、図1の入力電圧監視回路の具体的な構成の一例を示す回路図である。
入力電圧監視回路30は、選択信号保持部40と、この選択信号保持部40に選択信号S1の切り替えタイミングを指示するタイミング検出部60とから構成される。選択信号保持部40は、比較器42、トランスファゲート44,46、RSフリップフロップ48、D型フリップフロップ50およびインバータ52,54によって構成され、交流入力電圧の監視結果に応じた選択信号S1を保持するものである。
選択信号保持部40には、互いに異なる大きさの電圧信号(1.60Vと1.35V)が入力され、それらは第1の基準電圧および第2の基準電圧としてそれぞれトランスファゲート44,46を介して比較器42の反転入力端子に供給されている。また、比較器42の非反転入力端子は、コンデンサC4を介して接地されるとともに、抵抗R7を介して乗算器入力端子VDETと接続されている。コンデンサC4および抵抗R7はスイッチング素子6のスイッチング動作に起因する高周波ノイズを除去するためのフィルタ回路を構成している。こうして、比較器42の非反転入力端子には、交流入力電圧に比例する交流入力電圧の検出値Vdetが供給され、比較器42およびトランスファゲート44,46によって、交流入力電圧の大きさを監視する監視回路40Aが構成される。
監視回路40Aからは、比較器42の出力信号Saが交流入力電圧の監視結果としてRSフリップフロップ48の一方の入力端子Sに供給されている。RSフリップフロップ48は、入力端子SにH(ハイ)レベルの信号が供給されると、出力端子Qに同じHレベルが出力されるものであり、その後に、入力端子Sに供給されている比較器42の出力信号SaがL(ロウ)レベルに戻ってもその状態は変化せず、出力端子QがHレベルに維持される。また、RSフリップフロップ48の他方の入力端子Rには、タイミング検出部60からワンショット信号S2が供給されている。なお、RSフリップフロップ48は、入力端子Sに入力される比較器42の出力信号SaがLレベルの状態で、他方の入力端子RがHレベルになったとき、出力端子Qの出力信号S3をLレベルに反転させる。
選択信号保持部40には、RSフリップフロップ48、D型フリップフロップ50およびインバータ52,54によって、交流入力電圧の監視結果に応じた選択信号を保持する保持回路40Bが構成されている。ここでは、RSフリップフロップ48の出力端子QはD型フリップフロップ50のD入力端子と接続され、D型フリップフロップ50のCK端子に供給されるクロック信号Ckに同期して、そこからRSフリップフロップ48の出力信号S3がD型フリップフロップ50に読み込まれるように構成されている。
保持回路40BのD型フリップフロップ50は、その出力端子Qがインバータ52を介してトランスファゲート44の第1制御端子、およびトランスファゲート46の第2制御端子に接続されている。このインバータ52の出力端子は、さらにインバータ54を介してトランスファゲート44の第2制御端子、およびトランスファゲート46の第1制御端子に接続されている。ここで、トランスファゲート44,46は、Hレベルの信号が第1制御端子に入力され、Lレベルの信号が第2制御端子に入力されたとき、導通状態になって入力された信号を出力側に転送可能な状態となる。また、D型フリップフロップ50は、その出力端子Qがインバータ52と54とを介して検出レベル選択回路32に接続され、D型フリップフロップ50の状態を選択信号S1として読み出すように構成されている。
監視回路40Aは、保持回路40BのD型フリップフロップ50の出力により定まるインバータ52およびインバータ54の出力によって制御されるヒステリシスコンパレータを構成している。ここでは、D型フリップフロップ50の出力がLレベルであると、トランスファゲート44が導通して比較器42の反転入力端子に第1の基準電圧(1.60V)が入力される。このとき交流入力電圧の検出値Vdetが第1の基準電圧を超えると比較器42の出力信号SaがHレベルになり、RSフリップフロップ48がセットされる。そして、RSフリップフロップ48の出力信号S3がHレベルになって、これがD型フリップフロップ50に読み込まれる。これにより、D型フリップフロップ50の出力がHレベルになって、今度はトランスファゲート46が導通して、比較器42の反転入力端子には第2の基準電圧(1.35V)が入力されるようになる。
後述のように、クロック信号Ckが入力されてD型フリップフロップ50が読み込み動作を行った直後に、タイミング検出部60でワンショット信号S2が生成される。このワンショット信号S2がRSフリップフロップ48に入力されて、RSフリップフロップ48がリセットされる。その後、交流入力電圧の検出値Vdetが第1の基準電圧を下回っても、この検出値Vdetが第2の基準電圧を超えていればRSフリップフロップ48は再度セットされ、その出力信号S3がHレベルとなるので、D型フリップフロップ50ではHレベルの状態が維持される。
一方、クロック信号CkによりRSフリップフロップ48がリセットされてから次のクロック信号Ckが発生するまでの間に、交流入力電圧の検出値Vdetが第2の基準値(1.35V)を超えなければ、RSフリップフロップ48の出力信号S3はLレベルのままになる。すると、この出力信号S3がD型フリップフロップ50に読み込まれ、その結果、再びトランスファゲート44が導通して比較器42の反転入力端子に第1の基準電圧が入力されることになる。その後、交流入力電圧の検出値Vdetが第2の基準電圧を上回っても、第1の基準電圧(1.60V)を超えなければ、RSフリップフロップ48がリセットされたままとなるので、D型フリップフロップ50ではLレベルの状態が維持される。
タイミング検出部60は、比較回路60Aとパルス生成回路60Bから構成され、交流入力電圧が零レベル近傍に到達したタイミングを検出して、選択信号保持部40に選択信号の出力を指示するものである。比較回路60Aは、比較器62、インバータ64、およびトランスファゲート66,68から構成されていて、トランスファゲート66,68には互いに異なる大きさの電圧信号(0.30Vと0.35V)が入力され、第3の基準電圧および第4の基準電圧としてそれぞれトランスファゲート66,68を介して比較器62の反転入力端子に供給されている。
比較回路60Aでは、比較器62の非反転入力端子に、交流入力電圧(の絶対値)に比例する交流入力電圧の検出値Vdetが供給され、比較器62の出力信号Sbが、交流入力電圧の監視結果としてパルス生成回路60Bに出力されている。パルス生成回路60Bは、比較回路60Aの出力信号Sbに基づき、交流入力電圧の検出値Vdetが低下して第3の基準電圧(0.30V)に達するタイミングでクロック信号Ckを立ち上げる。このとき、比較回路60Aに供給される第3の基準電圧は、第1および第2の基準電圧より小さく設定され、この第3の基準電圧を基準にして交流入力電圧を監視し、交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミングを決定している。
比較回路60Aでは、比較器62の出力端子が、トランスファゲート66の第1制御端子、およびトランスファゲート68の第2制御端子に接続されている。比較器62の出力端子は、さらにインバータ64を介してトランスファゲート66の第2制御端子、およびトランスファゲート68の第1制御端子に接続されている。なお、第4の基準電圧は、第1および第2の基準電圧より小さく、かつ第3の基準電圧より大きく設定されることにより、比較器62にヒステリシスを持たせている。すなわち、比較器62の出力信号SbがHレベルであれば、トランスファゲート66が導通して比較器62の反転入力端子に第3の基準電圧(0.30V)が入力され、比較器62の出力信号SbがLレベルであれば、トランスファゲート68が導通して比較器62の反転入力端子に第4の基準電圧(0.35V)が入力される。この構成により、全波整流された交流入力電圧の検出値Vdetが減少して零レベル近傍に近づき、第3の基準電圧(0.30V)を下回ったとき、比較器62の出力信号SbがHレベルからLレベルに反転する。そして、全波整流された交流入力電圧の検出値Vdetの減少が終了して増加に転じ、その値が第4の基準電圧(0.35V)を超えたときに比較器62の出力信号SbがLレベルからHレベルに反転する。すなわち、比較回路60Aでは、全波整流された交流入力電圧の検出値Vdetが零レベル近傍になったときに、Lレベルの短パルスの出力信号Sbが比較器62から出力される。
パルス生成回路60Bは、インバータ70、Nチャネル型のMOSFET72、定電流源74、抵抗R8、コンデンサC5、インバータ76,78およびノア(NOR)ゲート80から構成されている。ここでは、比較回路60Aの出力信号Sbをインバータ70で反転してクロック信号Ckを生成している。このクロック信号Ckは、Nチャネル型のMOSFET72のゲート端子、ノアゲート80の一方の入力端子、および選択信号保持部40のD型フリップフロップ50に供給される。
Nチャネル型のMOSFET72と定電流源74は、電源Vccと接地との間で直列に接続されている。MOSFET72のドレイン端子と定電流源74との接続点は、インバータ76の入力端子に接続される。また、MOSFET72のドレイン端子と定電流源74との接続点は、コンデンサC5を介して接地されている。定電流源74とコンデンサC5は積分回路を構成していて、クロック信号Ckの立ち下がりを遅延させて伝達する働きをするものである。すなわち、クロック信号Ckが立ち下がると、MOSFET72がオフ(遮断)してコンデンサC5による定電流源74の定電流の積分が開始される。そして、コンデンサC5の積分電圧(コンデンサC5の両端電圧)がインバータ76の閾値電圧に達すると、インバータ76の出力がHレベルからLレベルに反転し、このとき初めてクロック信号Ckの立ち下がりがインバータ78に伝達されるのである。また、クロック信号Ckが立ち上がると、MOSFET72がオン(導通)してコンデンサC5が即座に放電され、インバータ76,78の出力がそれぞれHレベル,Lレベルになる。インバータ78の出力信号はノアゲート80の他方の入力端子に入力される。
こうして、ノアゲート80では、クロック信号CkとMOSFET72のドレイン端子の電圧Vdとの否定論理和演算が行われ、これより、クロック信号CkがHレベルのときはノアゲート80の一方の入力(クロック信号Ck)がHレベルであるため、ノアゲート80の出力は常にLレベルとなる。一方、クロック信号CkがHレベルからLレベルに立ち下がると、その直後はコンデンサC5の積分電圧がインバータ76の閾値電圧に達していないので、ノアゲート80の2つの入力が共にLレベルとなるため、ノアゲート80の出力はHレベルとなる。その後、コンデンサC5の積分電圧がインバータ76の閾値電圧に達するとインバータ78の出力がHレベルになるため、ノアゲート80の出力はLレベルとなる。したがって、ノアゲート80からは、定電流源74とコンデンサC5とインバータ76の閾値電圧とで決まる時間幅を有するHレベルのワンショット信号S2が生成され、クロック信号Ckの立ち下がりに同期して出力される。
上述のように、全波整流された交流入力電圧の検出値Vdetが零レベル近傍になると、比較器62からはLレベルの短パルス信号Sbが出力されるので、このときクロック信号Ckは信号Sbを反転したHレベルの短パルス信号となる。保持回路40BのD型フリップフロップ50は、クロック信号Ckの立ち上がりで読み込み動作を行い、RSフリップフロップ48はクロック信号Ckの立ち下がりに同期したワンショット信号S2でリセットされる。そして、保持回路40Bは交流入力電圧の半周期が終了して交流入力電圧の検出値Vdetが零レベル近傍になると、まずRSフリップフロップ48の状態をD型フリップフロップ50に記憶し、直後にRSフリップフロップ48をリセットして次の半周期における監視回路40Aからの入力に備えることになる。
検出レベル選択回路32は、図示しない、互いに異なる大きさの第1の閾値および第2の閾値をそれぞれ生成する基準電圧回路と、第1の閾値および第2の閾値が入力されて選択信号S1に従い2つの閾値のいずれかを選択した信号を出力する選択回路とを備えている。そして、検出レベル選択回路32からはこの2つの閾値のいずれかを選択した信号が過電流検出レベルとして出力される。より詳細には、入力電圧監視回路30からの選択信号S1がHレベル、すなわち交流入力電圧が大きいと判断されたときは、検出レベル選択回路32において第1あるいは第2の閾値のうちの絶対値が小さな閾値が選択されて過電流検出回路34に過電流検出レベルとして入力される。また、入力電圧監視回路30からの選択信号S1がLレベル、すなわち交流入力電圧が小さいと判断されたときは、検出レベル選択回路32において第1あるいは第2の閾値のうちの絶対値が大きな閾値が選択されて過電流検出回路34に過電流検出レベルとして入力される。
過電流検出回路34には、検出レベル選択回路32から第1あるいは第2の閾値が入力され、その閾値とインダクタ電流信号入力端子ISからのインダクタ電流信号とを比較している。そして、インダクタ電流信号が入力された閾値を超えて、インダクタ電流信号の絶対値が閾値の絶対値以上であると判断した場合、過電流であることを示すLレベルの信号をアンド回路26に入力して、スイッチング素子6をオフさせる。
つぎに、入力電圧監視回路30が交流入力電圧に比例する交流入力電圧の検出値Vdetを受けて、過電流保護回路24の検出レベル選択回路32に出力する選択信号S1の生成過程について説明する。
図3は、入力電圧監視回路の各部信号波形の一例を示す動作タイミング図で、横軸は時間(t)である。
同図(A)に示すように、交流入力電圧の検出値Vdetは約10msの周期で−100mVから1.7V程度のピーク電圧まで変動する交流波形である。なお、−100mVは図6に示す抵抗R3による電圧ドロップ分である。
同図(B)は、比較回路60Aの比較器62に対して基準電圧として供給される第3の基準電圧V2を示している。同図(C)は、比較回路60Aからパルス生成回路60Bに供給される信号Sb、同図(D)は、信号Sbの反転信号としてインバータ70から出力されるクロック信号Ckである。このクロック信号CkによってMOSFET72がオン・オフされるため、そのドレイン端子の電圧Vdは、同図(E)に示すように、ほぼクロック信号Ckを反転した波形になるが、定電流源74とコンデンサC5によって立ち上がりのタイミングに遅れが生じる。但し、図3では、この遅れはごく短い時間として示されている。
図3(F)には、ノアゲート80から出力されるワンショット信号S2の信号波形を示している。同図(G)は、監視回路40Aの比較器42に対して供給される基準電圧V1である。また、同図(H)は比較器42の出力信号Sa、同図(I)はRSフリップフロップ48の出力端子Qの出力信号S3、同図(J)は選択信号S1である。
図3(A)の検出値Vdetでは、その横軸に示す時間t=40ms〜50msの期間の交流入力電圧が、それ以前の交流入力電圧より増大し、交流入力電圧の検出値Vdetが第1の基準電圧(1.60V)を超えたことを示している。そのため、同図(H)に示す比較器42の出力信号Saが一時的にHレベルに変化している。これにより、同図(I)に示すように、RSフリップフロップ48の出力信号S3は、信号SaがHレベルに変化したときHレベルに反転して、ワンショット信号S2がその入力端子Rに供給されるまでLレベルには復帰しない。
このとき、図3(J)に示す選択信号S1は、インバータ70からD型フリップフロップ50へクロック信号Ckが供給されるタイミング(t=50ms)で、初めてHレベルに反転する。そして、つぎの2周期も、図3(A)の交流入力電圧の検出値Vdetが比較器42に供給されている第2の基準電圧(1.35V)を超えているので、選択信号S1は保持回路40BのD型フリップフロップ50によってHレベルが保持された状態を継続する。その後、時間t=70ms〜80msの期間における交流入力電圧がそれ以前の交流入力電圧より減少してその検出値Vdetが第2の基準電圧(1.35V)を下回るため、この期間の終了時に交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミング(t=80ms)で選択信号S1がLレベルに変化する。
図4は、交流入力電圧の変化と過電流検出レベル(過電流保護の閾値レベル)を選択するための選択信号および過電流検出レベルの関係を示す図である。
この図4(A)は、図3(A)に示す交流入力電圧(の絶対値)に比例する検出値Vdetに対応するものであり、A期間、B期間、C期間でそれぞれのピーク電圧値が異なっている。また、図4(B)の選択信号S1は、図3(J)に示す選択信号S1と同じものである。図4(C)の過電流検出レベルは、図4(B)に示す選択信号S1に従い検出レベル選択回路32から過電流検出回路34に入力される信号であり、そのレベルは第1の閾値(−0.5V)および第2の閾値(−0.4V)のいずれかである。すなわち、選択信号S1がLレベルであれば絶対値が大きな第1の閾値(−0.5V)が過電流検出レベルとなり、選択信号S1がHレベルであれば絶対値が小さな第2の閾値(−0.4V)が過電流検出レベルとなる。ここで第1の閾値および第2の閾値が負電圧となっているのは、インダクタ電流信号入力端子ISからのインダクタ電流信号が、インダクタ電流の大きさに比例してその絶対値が大きくなる負電圧の信号として入力されるからである。
A期間では、交流入力電圧の検出値Vdetのピーク電圧値は、第1の基準電圧として設定された1.6Vを超えている。このような場合には、交流入力電圧が高いと判断して、交流入力電圧の検出値Vdetが0.3V以下に低下したタイミングで、検出レベル選択回路32に対して出力される選択信号S1がLレベルからHレベルに変更される。選択信号S1を反転するタイミングは、インダクタ電流が急激に変化しないように、交流入力電圧の位相角の低いところに設定されている。そして、選択信号S1がHレベルになったことにより、過電流検出レベルが第1の閾値(−0.5V)から絶対値の小さな第2の閾値(−0.4V)に変更される。
B期間では、検出値Vdetのピーク電圧値が第1の基準電圧(1.6V)を下回っているものの、第2の基準電圧として設定された1.35Vは超えている。そのため、選択信号S1は反転することなくHレベルのまま維持され、検出レベル選択回路32での過電流検出レベルの切り替えを行わない。
C期間になって、検出値Vdetのピーク電圧値が第2の基準電圧(1.35V)を下回るようになると、検出値Vdetが0.3Vになるタイミングで選択信号S1をHレベルからLレベルに変更する。そして、選択信号S1がLレベルになったことにより、過電流検出レベルが第2の閾値(−0.4V)から絶対値の大きな第1の閾値(−0.5V)に変更される。
図5は、本発明の過電流保護回路によって制限される直流出力電力と交流入力電圧の関係を示す図である。これは、従来装置の特性を示す図7に対応するものであって、横軸には交流入力電圧(Vac)、縦軸には制限電力(W)を示している。
インダクタ電流のピーク電流値を抑えるためには、2つの閾値を切り替えて適用することができる過電流検出回路34を用いることで、交流入力電圧が高くなった場合に過電流検出レベル(の絶対値)を下げることにより、過電流保護機能が働くときの直流出力電力を有効に抑えることができる。また、インダクタ電流の急激な変化が生じないように過電流制限の基準値を最適なタイミングで変更することにより、安全な電源設計が可能となる。
なお、上述した実施の形態では、選択信号保持部40の監視回路40Aに交流入力電圧に比例する検出値Vdetを入力して、そのピーク値を監視するようにしているが、監視回路で交流入力電圧の平均電圧値を監視することも可能である。その場合、検出値Vdetを平均化回路(例えば、増幅器とその出力に接続したローパスフィルタからなる直列回路など)に入力し、交流入力電圧の検出値Vdetに替えてこの平均化回路の出力を図2に示す比較器42に入力するようにすればよい。なお、この場合、第1の基準電圧と第2の基準電圧の値は見直しをしておく。
2 商用電源
4 全波整流器
6 スイッチング素子
8 負荷
10s 力率改善制御回路
12 基準電圧源
14 電圧誤差増幅器
16 乗算器
18 電流誤差増幅器
20 発振回路(OSC)
22 PWMコンパレータ
24 過電流保護回路
26 アンド回路
28 ドライバ回路
30 入力電圧監視回路
32 検出レベル選択回路
34 過電流検出回路
40 選択信号保持部
40A 監視回路
40B 保持回路
42 比較器
44,46 トランスファゲート
48 RSフリップフロップ
50 D型フリップフロップ
52,54 インバータ
60 タイミング検出部
60A 比較回路
60B パルス生成回路
62 比較器
64 インバータ
66,68 トランスファゲート
70 インバータ
72 MOSFET
74 定電流源
76,78 インバータ
80 ノア(NOR)ゲート
C1〜C5 コンデンサ
D1 ダイオード
L1 インダクタ
R1〜R8 抵抗

Claims (7)

  1. インダクタとスイッチング素子と出力コンデンサとを有する昇圧型コンバータに対して全波整流された交流入力電圧の大きさに応じて過電流制限値を少なくとも大小2通りに変更可能とする力率改善型スイッチング電源装置であって、
    出力電圧の検出値と基準電圧の差を増幅した電圧誤差増幅信号、および前記全波整流された交流入力電圧の検出値を乗算する乗算器と、
    該乗算器の出力および前記インダクタに流れるインダクタ電流を検出したインダクタ電流信号に基づき前記スイッチング素子をオン・オフ制御する制御回路と、
    互いに異なる大きさの第1の閾値および第2の閾値のいずれかを設定することにより、前記インダクタ電流信号が前記第1の閾値あるいは前記第2の閾値を超えたことを検出して前記インダクタ電流を制限する過電流検出信号を生成する過電流保護回路と、
    前記全波整流された交流入力電圧の検出値の大きさを監視して前記交流入力電圧の半周期の間に前記全波整流された交流入力電圧の検出値が第1の基準電圧を超えたときは前記第1あるいは第2の閾値のうちの絶対値が小さな閾値が、前記第1の基準電圧以下の電圧である第2の基準電圧を超えないときは絶対値が大きな閾値が選択設定されるように選択信号を決定して前記過電流保護回路に入力するとともに、前記選択信号の変更を前記交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミングで行う入力電圧監視回路と、
    を備えたことを特徴とする力率改善型スイッチング電源装置。
  2. 前記制御回路は、
    前記インダクタ電流信号と前記乗算器の出力の差を増幅した電流誤差信号を出力する電流誤差増幅器と、
    前記電流誤差信号によって前記スイッチング素子のオン・オフ期間をパルス幅変調制御するPWM比較器と、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の力率改善型スイッチング電源装置。
  3. 前記過電流保護回路は、
    前記第1および第2の閾値が設定され、それらのいずれかを過電流検出レベルとして選択する検出レベル選択回路と、
    前記検出レベル選択回路で選択された過電流検出レベルによって前記インダクタ電流信号の大きさを判定して、前記スイッチング素子をオフにする過電流検出回路と、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載の力率改善型スイッチング電源装置。
  4. 前記入力電圧監視回路は、
    前記交流入力電圧を監視し、その監視結果に応じて前記選択信号を保持する選択信号保持部と、
    前記交流入力電圧が零レベル近傍に到達したタイミングを検出し、前記選択信号保持部に前記選択信号の出力タイミングを指示するタイミング検出部と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の力率改善型スイッチング電源装置。
  5. 前記選択信号保持部では、前記交流入力電圧のピーク値を監視して前記選択信号を決定していることを特徴とする請求項4記載の力率改善型スイッチング電源装置。
  6. 前記選択信号保持部では、前記交流入力電圧の平均値を監視して前記選択信号を決定していることを特徴とする請求項4記載の力率改善型スイッチング電源装置。
  7. 前記タイミング検出部は、
    前記第2の基準電圧より低い電圧の第3の基準電圧が設定され、該第3の基準電圧と前記全波整流された交流入力電圧の検出値とを比較することにより前記交流入力電圧が零レベル近傍に到達するタイミングを決定する比較回路と、
    前記全波整流された交流入力電圧検出値が前記第3の閾値を超えて低下したタイミングで前記比較回路の出力信号からワンショット信号を生成するパルス生成回路と、
    を有することを特徴とする請求項4記載の力率改善型スイッチング電源装置。
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