しかしながら、上記特許文献1に記載のデータシェアリングシステムでは、コントローラ端末またはプレーヤ端末の各端末において同じコンテンツデータが同時に再生される際、各端末を所有するユーザ(視聴者)は、再生中のコンテンツデータを一方的に視聴する行為に留まりがちになると考えられる。すなわち、各々のユーザが同じコンテンツデータを同時再生の状態で視聴する場合であっても、端末同志が物理的に離れた位置関係を有するため、同じコンテンツデータを視聴するユーザ同志が、積極的なコミュニケーションを図ることが困難であるという問題点がある。
また、上記特許文献2に記載の映像コンテンツ表示システムについても、上記特許文献1の場合と同様、各々のユーザが同じ映像コンテンツを同時再生の状態で視聴する場合であっても、映像表示装置同志が物理的に離れた位置関係を有するため、同じ映像コンテンツを視聴するユーザ同志が、積極的なコミュニケーションを図ることが困難であるという問題点がある。
また、上記特許文献3に記載の同期表示システムについても、上記特許文献1の場合と同様、各々のユーザが同じコンテンツを同時再生の状態で視聴する場合であっても、映像表示装置同志が物理的に離れた位置関係を有するため、同じコンテンツを視聴するユーザ同志が積極的なコミュニケーションを図ることが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の携帯端末装置間において同時再生されたコンテンツデータを視聴するユーザ同志が積極的なコミュニケーションを図ることが可能な携帯端末装置および携帯端末装置間の通信方法を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
この発明の第1の局面による携帯端末装置は、他の携帯端末装置との間に形成された小グループ内において互いに直接的に無線通信を行うための第1通信部と、小グループを構成する他の携帯端末装置と略同じタイミングでコンテンツデータを再生することが可能に構成された制御部とを備え、制御部は、コンテンツデータを再生する最中に、コンテンツデータを視聴する第1ユーザの操作に基づいて他の携帯端末装置に向けて再生中のコンテンツデータに対する第1ユーザの第1コメント情報を第1通信部により送信する制御を行うとともに、他の携帯端末装置においてコンテンツデータを視聴する第2ユーザから送信された再生中のコンテンツデータに対する第2ユーザの第2コメント情報を第1通信部により受信する制御を行うように構成されている。
この発明の第1の局面による携帯端末装置では、上記のように、制御部を、コンテンツデータを再生する最中に、コンテンツデータを視聴する第1ユーザの操作に基づいて他の携帯端末装置に向けて再生中のコンテンツデータに対する第1ユーザの第1コメント情報を第1通信部により送信する制御を行うとともに、他の携帯端末装置においてコンテンツデータを視聴する第2ユーザから送信された再生中のコンテンツデータに対する第2ユーザの第2コメント情報を第1通信部により受信する制御を行うように構成することによって、各携帯端末装置において同じコンテンツデータが同時に再生される際、各々の携帯端末装置を所有するユーザ(第1ユーザおよび第2ユーザ)は、再生中のコンテンツデータを視聴する行為に留められることなく、再生中のコンテンツデータに対する各人のコメント情報を他のユーザに対して携帯端末装置(第1通信部)を介して相互に伝えることができる。すなわち、第1ユーザは第1コメント情報を第2ユーザに対して伝えることができるとともに、第2ユーザは第2コメント情報を第1ユーザに対して伝えることができる。これにより、物理的に離れた別々の携帯端末装置を介して同じコンテンツデータを同時に視聴する状況下であっても、同時再生されたコンテンツデータを視聴するユーザ同志が積極的なコミュニケーションを図ることができる。
上記第1の局面による携帯端末装置において、好ましくは、他の携帯端末装置と略同じタイミングでコンテンツデータを再生するための時間情報を、他の携帯端末装置との間で共有するように構成されており、第1コメント情報は、第1コメント情報を発信する第1ユーザの感情を表現する第1文字コメントデータを含み、第2コメント情報は、第2コメント情報を発信する第2ユーザの感情を表現する第2文字コメントデータを含み、再生中のコンテンツデータと第1文字コメントデータと第2文字コメントデータとを表示するための表示部をさらに備え、制御部は、コンテンツデータを再生する最中に、第1ユーザの操作に基づいて他の携帯端末装置に向けて第1文字コメントデータを送信するとともに、第1文字コメントデータをコンテンツデータとともに表示部に表示させ、かつ、他の携帯端末装置からコンテンツデータに対する第2文字コメントデータを受信した場合に、受信された第2文字コメントデータをコンテンツデータとともに表示部に表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、文字形式からなるコメント情報(第1文字コメントデータまたは第2文字コメントデータ)を表示部に表示させる方法により、各ユーザは、再生中のコンテンツデータに対する各ユーザの感情表現を他のユーザに対して容易に伝達することができる。
上記表示部をさらに備える構成において、好ましくは、第1コメント情報は、第1文字コメントデータに加えて、第1コメント情報を発信する第1ユーザを特定することが可能な第1ユーザ識別情報をさらに含み、第2コメント情報は、第2文字コメントデータに加えて、第2コメント情報を発信する第2ユーザを特定することが可能な第2ユーザ識別情報を含み、制御部は、第1文字コメントデータと第1ユーザ識別情報とを対応付けて他の携帯端末装置に送信するとともに、第2文字コメントデータと第2ユーザ識別情報とを対応付けて受信して表示部に表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、配信された個々のコメント情報(第1文字コメントデータまたは第2文字コメントデータ)に対してコメントの発信者を特定する情報が反映されるので、ユーザは、コメントの発信者が誰であるかを互いに認識することができる。この結果、ユーザ間のコミュニケーションをより充実させることができる。
上記第1コメント情報が第1ユーザ識別情報を含むとともに第2コメント情報が第2ユーザ識別情報を含む構成において、好ましくは、第1ユーザ識別情報は、第1ユーザを連想させる図柄でかつ第1ユーザの感情を表現する図柄からなる第1画像データを含み、第2ユーザ識別情報は、第2ユーザを連想させる図柄でかつ第2ユーザの感情を表現する図柄からなる第2画像データを含む。このように構成すれば、第1ユーザが持つ喜怒哀楽などの感情を第1画像データを用いて第2ユーザに対して視覚的に訴えながら伝達することができるとともに、第2ユーザが持つ喜怒哀楽などの感情を第2画像データを用いて第1ユーザに対して視覚的に訴えながら伝達することができる。これにより、ユーザ間のコミュニケーションをさらに充実させることができる。
上記第1ユーザ識別情報が第1画像データを含む構成において、好ましくは、第1画像データは、第1ユーザの感情の種類および感情の程度の少なくとも感情の種類を予め設定可能であるように構成されており、少なくとも感情の種類に対応する複数の第1画像データの各々と対応付けて、複数の第1文字コメントデータを予め設定可能に構成されている。このように構成すれば、第1画像データと、第1画像データにより表現される喜怒哀楽などの各々の感情の種類に対応した第1文字コメントデータとが一緒に第2ユーザに向けて発信されるので、第2ユーザは、第1ユーザの現在の感情をより正確かつ詳細に把握することができる。
上記第1の局面による携帯端末装置において、好ましくは、記憶部をさらに備え、第1ユーザの第1コメント情報は、第1ユーザにより予め設定された状態で記憶部に記憶されている。このように構成すれば、第1コメント情報が予め記憶部に記憶された状態で準備されているので、第1ユーザは、自己の感情(リアクション)を発信したいタイミングを逃すことなく第1コメント情報を第2ユーザに対して発信することができる。
上記第1の局面による携帯端末装置において、好ましくは、他の携帯端末装置との間に小グループを形成する際に無線通信を行うための第2通信部をさらに備え、制御部は、第1ユーザの操作に基づいて他の携帯端末装置との間において小グループを形成するための動作モードを起動する制御を行うとともに、小グループを形成するための動作モードが起動された状態で、他の携帯端末装置との間で第2通信部による直接的な無線通信を行うことにより、携帯端末装置間に小グループを形成する制御を行うように構成されており、制御部は、他の携帯端末装置との間に小グループを形成する際、他の携帯端末装置と略同じタイミングでコンテンツデータを再生するための時間情報を、第2通信部により他の携帯端末装置に向けて送信するかまたは他の携帯端末装置から受信することにより、他の携帯端末装置との間で時間情報を共有する状態を確立する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザ同志が第2通信部による無線通信を行って小グループを形成する行為(操作)が契機となって、コンテンツデータの同時再生を行うことを目的とした小グループの形成を容易に行うことができる。また、第2通信部による無線通信の際に、コンテンツデータを同時再生する際に必要となる時間情報が、小グループの形成時に、一方の携帯端末装置から他方の携帯端末装置に対して受け渡されるので、コンテンツデータの同時再生に伴う機器の環境設定を、小グループの形成と同時に容易に行うことができる。
上記第2通信部をさらに備える構成において、好ましくは、他の携帯端末装置から時間情報を受信することにより他の携帯端末装置との間で時間情報を共有する場合に、小グループがまだ形成されていない他の携帯端末装置に対して第2通信部により直接的な無線通信を行うことにより、順次時間情報を共有する携帯端末装置を増加して小グループを形成するように構成されている。このように構成すれば、たとえば1人のユーザが所有する1台の携帯端末装置を広範囲に移動させて他の全ての携帯端末装置との間で小グループを順次形成する場合と比較して、小グループを形成済みの携帯端末装置とこの携帯端末装置の近傍に存在する小グループがまだ形成されていない携帯端末装置との間で順次無線通信を繰り返すことができる分、特定のユーザに過度な負担をかけることなく、かつ、比較的短時間で小グループの形成を行うことができる。
上記第1の局面による携帯端末装置において、好ましくは、表示部をさらに備え、他の携帯端末装置と略同じタイミングでコンテンツデータを再生するための時間情報を、他の携帯端末装置との間で共有するように構成されており、制御部は、コンテンツデータを再生する最中に、他の携帯端末装置との間で共有する時間情報に基づいて、第1通信部により他の携帯端末装置に向けて再生中のコンテンツデータに対する第1ユーザの第1コメント情報を送信した時間、および、第1通信部により他の携帯端末装置から第2ユーザの第2コメント情報を受信した時間に合わせて、第1コメント情報および第2コメント情報を表示部に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザから発信されたコメント情報を、ユーザが発信した時間(タイミング)に対応するコンテンツデータの場面に的確に反映させて表示部に表示させることができるので、ユーザは、再生中のコンテンツデータの各場面における各人のコメントを、他のユーザに対して確実に伝達することができる。
上記第1の局面による携帯端末装置において、好ましくは、記憶部をさらに備え、他の携帯端末装置と略同じタイミングでコンテンツデータを再生するための時間情報を、他の携帯端末装置との間で共有するように構成されており、制御部は、第1ユーザの第1コメント情報を、他の携帯端末装置との間で共有する時間情報に基づいて、コンテンツデータの再生時間と第1ユーザの第1コメント情報の送信時間とを関連付けた状態で、記憶部に記憶する制御を行うように構成されており、制御部は、第2ユーザの第2コメント情報を、時間情報に基づいて、コンテンツデータの再生時間と第2ユーザの第2コメント情報の受信時間とを関連付けた状態で、記憶部に記憶する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、各ユーザのコメント情報がコンテンツデータの再生時間と関連付けられた状態で記憶部に記憶されるので、コンテンツデータの視聴終了後においても、各ユーザが発信したコメント情報を、コンテンツデータが有する数々の場面に対応させて繰り返し確認することができる。
上記記憶部をさらに備える構成において、好ましくは、制御部は、ユーザによる個別のコンテンツデータの再生操作に基づいて、記憶部に記憶されている第1ユーザの第1コメント情報を、コンテンツデータの再生時間に基づきコンテンツデータの再生と同時に再生する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、記憶部に記憶されたユーザ同志のコミュニケーションの様子を、別な時間に容易に確認(検証)することができる。
この発明の第2の局面による携帯端末装置間の通信方法は、複数の携帯端末装置間において互いに直接的に無線通信を行うことが可能な小グループを形成するステップと、小グループを構成する複数の携帯端末装置の各々が、略同じタイミングでコンテンツデータを再生するステップと、コンテンツデータを再生する最中に、コンテンツデータを視聴する第1ユーザの操作に基づいて第1ユーザ以外の第2ユーザが所有する携帯端末装置に向けて再生中のコンテンツデータに対する第1ユーザの第1コメント情報を送信するとともに第1コメント情報を第2ユーザが所有する携帯端末装置が受信し、かつ、コンテンツデータを視聴する第2ユーザの操作に基づいて第1ユーザが所有する携帯端末装置に向けて再生中のコンテンツデータに対する第2ユーザの第2コメント情報を送信するとともに第2コメント情報を第1ユーザが所有する携帯端末装置が受信するステップとを備える。
この発明の第2の局面による携帯端末装置間の通信方法では、上記のように、コンテンツデータを再生する最中に、第1ユーザの操作に基づいて第2ユーザが所有する携帯端末装置に向けて再生中のコンテンツデータに対する第1ユーザの第1コメント情報を送信するとともにその第1コメント情報を第2ユーザが所有する携帯端末装置が受信し、かつ、第2ユーザの操作に基づいて第1ユーザが所有する携帯端末装置に向けて再生中のコンテンツデータに対する第2ユーザの第2コメント情報を送信するとともにその第2コメント情報を第1ユーザが所有する携帯端末装置が受信するステップを備えることによって、各携帯端末装置において同じコンテンツデータが同時に再生される際、各々の携帯端末装置を所有するユーザ(第1ユーザおよび第2ユーザ)は、再生中のコンテンツデータを視聴する行為に留められることなく、再生中のコンテンツデータに対する各人のコメント情報を他のユーザに対して携帯端末装置を介して相互に伝えることができる。すなわち、第1ユーザは第1コメント情報を第2ユーザに対して伝えることができるとともに、第2ユーザは第2コメント情報を第1ユーザに対して伝えることができる。これにより、物理的に離れた別々の携帯端末装置を介して同じコンテンツデータを同時に視聴する状況下であっても、同時再生されたコンテンツデータを視聴するユーザ同志が積極的なコミュニケーションを図ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図9を参照して、本発明の第1実施形態による携帯電話機101の構成について説明する。なお、第1実施形態では、本発明の携帯端末装置の一例として、デジタル動画(映像)や静止画などのコンテンツデータ70を再生しながら表示する表示部10を備えた携帯電話機101に、本発明を適用した場合について説明する。
本発明の第1実施形態による携帯電話機101は、図1に示すように、樹脂製の上部筐体90と、樹脂製の下部筐体91とにより構成されている。そして、携帯電話機101では、上部筐体90と下部筐体91とが平面的に完全に重ねられた状態から、下部筐体91に対して上部筐体90を上方向(矢印P方向)にスライドさせることにより、ユーザが携帯電話機として使用することが可能に構成されている。なお、上部筐体90は、図1に示した状態から反時計回りに90°回転させた状態で使用することも可能であるように構成されている(図3参照)。
また、図1に示すように、携帯電話機101の上部筐体90には、前面側(紙面手前側)に設けられた液晶画面からなる表示部10と、表示部10の下方に配置された複数のボタンからなる入力部20と、表示部10の上方に配置され、通話相手の音声などを出力する音声出力部30とが設けられている。また、下部筐体91には、スライド時に露出するように配置された複数のボタンからなる入力部21と、ユーザの声などを集音する音声入力部40とが設けられている。また、下部筐体91の側部には、ヘッドホン50を端子接続することが可能に構成されている。また、図2に示すように、下部筐体91(図1参照)の内部には、携帯電話機101が端末装置としての種々の処理を行うための制御回路部60が内蔵されている。
また、図1に示すように、入力部20は、メニューボタン20aと、通話ボタン20bと、メール起動ボタン20cと、十字キーからなる選択操作ボタン20dと、入力操作を取り消す(元に戻す)際のクリアボタン20eとを含んでいる。また、入力部21は、通話時に電話番号を入力したりメール作成時に文字を入力したりするための複数(12個)の入力テンキー21aにより構成されている。
また、図2に示すように、制御回路部60は、制御処理を統括するCPUからなる制御部61と、通常の携帯電話としての無線通信を行う電話通信部62と、他の携帯電話機との間で通常の電話通信とは異なる方法により通信処理を行う赤外線通信部63および無線通信部64と、制御部61が実行可能な制御プログラムなどが格納されているROM(読取り専用記憶装置)65と、制御時に生成される一時的なデータや、音声を含むデジタル動画または静止画などから構成されるコンテンツデータ70を記憶可能なフラッシュROM(不揮発性ROMメモリ)66とによって構成されている。また、制御回路部60は、表示部10、入力部20および21、音声出力部30および音声入力部40に対して制御部61を介して電気的に接続されている。なお、無線通信部64は、本発明の「第1通信部」の一例であり、赤外線通信部63は、本発明の「第2通信部」の一例である。また、フラッシュROM66は、本発明の「記憶部」の一例である。
したがって、携帯電話機101では、制御部61によって、フラッシュROM66に記憶されているコンテンツデータ70を表示部10および音声出力部30に出力しながら再生することが可能に構成されている。なお、ユーザがヘッドホン50を接続することにより、音声がヘッドホン50を介してユーザに伝えられるように構成されている。
ここで、第1実施形態では、図3に示すように、携帯電話機101は、無線通信部64を機能させることにより、他の携帯電話機102、103および104の各々の携帯電話機との間で相互に接続してアドホックネットワークを形成することが可能に構成されている。このアドホックネットワークとは、コンピュータなどの無線接続に広く用いられているIEEE802.11x規格やBluetooth規格などの無線通信技術を用いながら複数の端末局をアクセスポイントを介在させることなく相互に接続する形態(マルチホップ通信)として知られている。したがって、携帯電話機101〜104は、アドホックネットワークによって、基地局やアクセスポイントなどが整備されていない場所(たとえばバスや列車の車内や、公園の広場などの限られた域内)において、簡易なネットワークを形成することが可能に構成されている。なお、本発明では、携帯電話機102、103および104についても、上述した携帯電話機101と同様の構成を有していることを想定している。なお、アドホックネットワークは、本発明の「小グループ」の一例であり、携帯電話機102、103および104は、本発明の「他の携帯端末装置」の一例である。また、第1実施形態では、携帯電話機101を所有するユーザが、本発明の「第1ユーザ」に対応するとともに、携帯電話機102〜104の各々を所有するユーザが、本発明の「第2ユーザ」に対応した状態を想定して説明を行う。
したがって、携帯電話機101〜104がアドホックネットワークを形成した場合、たとえば、図3に示すように、携帯電話機101が所有するコンテンツデータ70を他の携帯電話機102、103および104の各々に対して無線通信部64(図2参照)を介して配信することにより、コンテンツデータ70の配信後には、4台の携帯電話機101〜104の各々が、同じコンテンツデータ70を再生することが可能に構成されている。
また、第1実施形態では、4台の携帯電話機101〜104において同じコンテンツデータ70を再生するためのアドホックネットワークを形成する際、携帯電話機101が有する機器IDおよび時間情報を赤外線通信部63(図2参照)を介して他の携帯電話機102、103および104の各々に予め送信するように構成されている。ここで、携帯電話機101が有する機器IDとは、たとえば、携帯電話機101の物理アドレスや電話番号であってもよいし、ユーザが携帯電話機101に登録している名前などであってもよく、他の携帯電話機との間で識別することが可能な情報を示している。そして、図4に示すように、たとえば、携帯電話機101および102において、メニューボタン20aおよび選択操作ボタン20dを操作することにより、設定画面81を介して各々の携帯電話機を「グループ形成モード」に切り換えた後、図5に示すように各々の赤外線通信部63を約5cm〜約15cmの間隔で向かい合わせた状態で選択操作ボタン20dを押下することにより、赤外線通信によりアドホックネットワークが形成されて、携帯電話機101が有する機器IDおよび時間情報が携帯電話機102に受け渡されるように構成されている。また、この際、携帯電話機102から携帯電話機101に対しても携帯電話機102が有する機器IDが送信されるように構成されている。これにより、携帯電話機101と102とが互いに小グループの構成メンバーであることを認識するように構成されている。なお、グループ形成モードは、本発明の「小グループを形成するための動作モード」の一例である。
また、第1実施形態では、アドホックネットワークを形成する際、ネットワークを形成済みの携帯電話機102が、ネットワークまだ形成されていない携帯電話機103や104に対して上記した「グループ形成モード」の状態で、携帯電話機101が有する機器IDおよび時間情報(後述する「マスター時間」)と、携帯電話機102の機器IDとを順次受け渡すことが可能に構成されている。なお、携帯電話機101では、「グループ形成モード」に切り換わった直後に、上記した時間情報(マスター時間)のカウントを開始するように構成されている。そして、携帯電話機101が他の携帯電話機とアドホックネットワークを確立する際に、携帯電話機101は、アドホックネットワークを確立した時点におけるカウント開始済みの時間情報を、他の携帯電話機に対して送信するように構成されている。また、カウント開始済みの時間情報を受信した他の携帯電話機(102〜104)では、受信した時間情報からカウントを開始するように構成されている。このようにして、携帯電話機101〜104の間でアドホックネットワークを形成してコンテンツデータ70を同時再生するための時間情報を共有するように構成されている。
また、第1実施形態では、図5に示すように、アドホックネットワークの形成後は、携帯電話機101が所有するコンテンツデータ70を無線通信部64を介して携帯電話機102〜104に対して配信するように構成されている。そして、携帯電話機102〜104は、携帯電話機101から配信されたコンテンツデータ70を再生する際、この時間情報に基づいて、携帯電話機101がコンテンツデータ70を再生するタイミングに同期した状態で各々が再生を行うことが可能に構成されている。このようにして、アドホックネットワークで結ばれた各々の携帯電話機を所有するユーザは、各々の携帯電話機(101、102、103および104)における表示部10からの視覚と音声出力部30(ヘッドホン50)による聴覚とを通じて、共通のコンテンツデータ70を同時に視聴することが可能とされている。なお、携帯電話機101が有する時間情報、および、携帯電話機102〜104の各々が携帯電話機101から受け取った時間情報は、共に、本発明の「コンテンツデータを再生するための時間情報」の一例に対応している。
ここで、アドホックネットワークの環境下において携帯電話機101〜104が同じコンテンツデータ70を同時再生している最中に、そのうちの1台の携帯電話機(たとえば携帯電話機101)のユーザが、コンテンツデータ70を任意の時点まで巻き戻すことにより視聴後の場面を再び視聴したい場合が想定される。第1実施形態では、巻き戻し再生を行いたいユーザの操作に基づいて、他の携帯電話機においても一斉にコンテンツデータ70を巻き戻した状態から視聴することが可能であるように構成されている。このような場合においても、携帯電話機間で時間情報を共有することにより、この時間情報に基づいて、同じ位置(再生時間)に巻き戻されたコンテンツデータ70を同じタイミングで再生することが可能となる。なお、上記した「一斉巻き戻し操作」については、巻き戻しを実行する前に、巻き戻し操作を行いたいユーザから他のユーザに対して一斉巻き戻し操作を行うことに対する可否を問い合わせる通信が無線通信部64を介して行われるように構成されている。この場合、他の全てのユーザから一斉巻き戻し操作を許可する許可信号を受信した後に「一斉巻き戻し操作」が実行されるように構成されるのが好ましい。
また、第1実施形態では、携帯電話機101〜104の各々には、アドホックネットワークの環境下において携帯電話機101〜104が同じコンテンツデータ70を同時再生している最中であっても、ユーザが所定のキー操作(たとえばクリアボタン20e(図1参照)を押下する操作など)を行うことにより、一時的に同時再生のモードから抜け出すことが可能に構成されている。この場合、同時再生のモードから抜け出したユーザは、他のユーザの視聴状況に関係なく自己の携帯電話機においてコンテンツデータ70の巻き戻し再生を行うことが可能となる。なお、一時的に同時再生のモードから抜け出したユーザは、所定のキー操作(たとえばクリアボタン20e(図1参照)を再度押下する操作など)を行うことにより、再び、同時再生のモードに復帰するように構成されている。このような場合においても、共有する時間情報に基づいた再生動作が実行されるので、同時再生モードに復帰したユーザは、他の携帯電話機において同時再生中の場面からコンテンツデータ70を視聴するように構成されている。
また、第1実施形態では、コンテンツデータ70を同時再生する際、図6に示すように、携帯電話機101の表示部10には、再生される動画(映像コンテンツ)を表示する動画表示領域11と、動画表示領域11の4隅に設けられたコミュニケーション表示領域12a〜12d(破線枠内で示す)とが配置されるように構成されている。この4箇所のコミュニケーション表示領域12a〜12dには、アドホックネットワークを構成するメンバー(携帯電話機101、102、103および104の各ユーザ)のキャラクタ画像1〜4(第1実施形態では、各ユーザを連想したり特定したりすることが可能な似顔絵画像とする)がそれぞれ表示されるように構成されている。ここで、携帯電話機101のユーザは、コミュニケーション表示領域12aに静止画からなるキャラクタ画像1として表示されるとともに、携帯電話機102のユーザは、コミュニケーション表示領域12bに静止画からなるキャラクタ画像2として表示される。同様に、携帯電話機103のユーザは、コミュニケーション表示領域12cに静止画からなるキャラクタ画像3として表示されるとともに、携帯電話機104のユーザは、コミュニケーション表示領域12dに静止画からなるキャラクタ画像4として表示される。
また、キャラクタ画像1(2〜4)は、ユーザの感情を表現するための複数の画像データにより構成されている。また、複数の画像データからなるキャラクタ画像1(2〜4)は、ユーザの操作によって予め設定可能であるように構成されている。なお、キャラクタ画像1は、本発明の「第1画像データ」の一例であり、キャラクタ画像2〜4は、それぞれ、本発明の「第2画像データ」の一例である。
すなわち、図7に示すように、たとえば、携帯電話機101において、メニューボタン20aおよび選択操作ボタン20dを操作することにより、設定画面82を介して携帯電話機101を「通信機能設定モード」に切り換えた後、図8に示すような設定画面83を参照しながら複数のキャラクタ画像1(画像1a〜1d)を作成することが可能に構成されている。
図8に示すように、キャラクタ画像1を例に説明すると、設定画面83では、携帯電話機101のユーザが持つ喜怒哀楽などの様々な感情に対応するような画像1a〜1dがユーザにより設定可能であるように構成されている。ここで、画像1aは、ユーザの「嬉しさ」の感情を表現する表情を有した画像であり、画像1bは、ユーザの「怒り」の感情を表現する表情を有した画像に設定されている。また、画像1cは、ユーザの「哀しさ」の感情を表現する表情を有した画像であり、画像1dは、ユーザの「楽しさ」の感情を表現する表情を有した画像に設定されている。なお、キャラクタ画像2〜4(図6参照)についても、各々のユーザが持つ喜怒哀楽などの感情に対応して、上述した画像1a〜1dと同様の種類の画像を各々の携帯電話機において予め設定可能であるように構成されている。なお、画像1a〜1dは、本発明の「第1画像データ」の一例である。ここで、画像1a〜1dの作成方法については、種々の方法が考えられる。たとえば、インターネットなどのウェブサイトから所定の手続を経て有料あるいは無料で取得した画像データを用いてもよいし、携帯電話機101に予め設けられている画像作成ソフトウェアなどを使用して画像データを作成するようにしてもよい。
また、図8に示すように、画像1a〜1dの各々には、入力テンキー21aが対応するように構成されている。すなわち、第1実施形態では、ユーザが入力テンキー21aのうちの「2」ボタンを押下すると、コミュニケーション表示領域12a(図6参照)に画像1a(嬉しさの感情)が表示されるとともに、「6」ボタンを押下すると、コミュニケーション表示領域12aに画像1b(怒りの感情)が表示されるように構成されている。同様に、ユーザが「8」ボタンを押下すると、画像1c(哀しさの感情)が表示されるとともに、「4」ボタンを押下すると、画像1d(楽しさの感情)が表示されるように構成されている。また、一度表示されたキャラクタ画像1(画像1a〜1d)は、所定時間経過後(たとえば約2秒後)、コミュニケーション表示領域12aから消える(非表示状態に切り換わる)ように構成されている。なお、上記した複数の入力テンキー21aは、後述する携帯電話機101の制御動作における「リアクションボタン」に対応しており、入力テンキー21aは、同時再生時のリアクションボタンとしてユーザに認識されている。
また、図8に示すように、画像1a〜1dの各々には、感情を文字で表現するためのコメント文5(5a〜5d)がユーザにより設定可能であるように構成されている。すなわち、画像1aには、嬉しさを表現する際に用いるコメント文5aが対応しているとともに、画像1bには、怒りを表現する際に用いるコメント文5bが対応している。また、画像1cには、哀しさを表現する際に用いるコメント文5cが対応しているとともに、画像1dには、楽しさを表現する際に用いるコメント文5dが対応して構成されている。これにより、第1実施形態では、携帯電話機101のユーザが「2」ボタンを押下した際、画像1aとともにコメント文5aがコミュニケーション表示領域12a(図6参照)の近傍に吹き出した状態で表示されるとともに、「6」ボタンを押下した際、画像1bとともにコメント文5bがコミュニケーション表示領域12bの近傍に吹き出した状態で表示される。同様に、携帯電話機101のユーザが「8」ボタンを押下すると、画像1cとともにコメント文5cが表示されるとともに、「4」ボタンを押下すると、画像1dとともにコメント文5dが表示されるように構成されている。なお、コメント文5a〜5dは、本発明の「第1文字コメントデータ」の一例である。
したがって、第1実施形態では、図6に示すように、携帯電話機101〜104間においてコンテンツデータ70が同時に再生される際(図3の状態)、携帯電話機101のユーザは、再生中のコンテンツデータ70の場面に応じて対応する入力テンキー21aを押下することにより、自己のコメント情報(その場面における感想や意見など)をコミュニケーション表示領域12aに発信(掲示)することが可能に構成されている。また、この際、自己が発信するコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を、無線通信部64を介して携帯電話機102〜104の各々に向けて送信するように構成されている。これにより、携帯電話機102〜104のユーザは、視聴中のコンテンツデータ70に対する携帯電話機101のユーザのコメント情報を、各々の携帯電話機の表示部10を通して見ることが可能に構成されている。
また、第1実施形態では、上述した携帯電話機101のユーザから他のユーザに向けた無線通信部64によるコメント情報の配信動作は、携帯電話機間で相互に行われるように構成されている。すなわち、携帯電話機102のユーザのコメント情報(キャラクタ画像2および対応するコメント文)が、携帯電話機101、103および104に対して配信されるとともに、携帯電話機103のユーザのコメント情報(キャラクタ画像3および対応するコメント文)が、携帯電話機101、102および104に対して配信される。同様に、携帯電話機104のユーザのコメント情報(キャラクタ画像4および対応するコメント文)が、携帯電話機101、102および103に対して配信されるように構成されている。なお、第1実施形態では、携帯電話機101を所有するユーザのコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)が、本発明の「第1コメント情報」に対応するとともに、携帯電話機102〜104の各々を所有するユーザのコメント情報(キャラクタ画像2、3または4、および、キャラクタ画像2、3または4の各々に対応するコメント文)が、本発明の「第2コメント情報」に対応している。これにより、携帯電話機101〜104の間でコンテンツデータ70を同時再生する最中に、各ユーザは、再生中のコンテンツデータ70の場面に応じた各人の感想などを互いに伝え合うことが可能であるように構成されている。したがって、携帯電話機102〜104が物理的に離れた場所に存在する場合や、互いに近い場所に存在しているにも関わらずアドホックネットワークが公衆の中(電車やバスの車内など)に形成されていて各々のユーザがヘッドホン50を装着した状態で視聴するような場合であっても、同時再生されたコンテンツデータ70を視聴するユーザ同志は、上述したキャラクタ画像およびコメント文を多用して互いに積極的なコミュニケーションを図ることが可能に構成されている。
また、第1実施形態では、図9に示すように、携帯電話機101のユーザの感情を表す画像1a〜1dの各々には、対応する各々の感情の程度に応じてさらに複数の画像が設定されるように構成されている。すなわち、画像1b(怒りの感情を表現する画像)を例に説明すると、設定画面84では、携帯電話機101のユーザが持つ怒りの感情の程度(強さ弱さ)に応じた静止画からなる画像11b、21b、31b、41bおよび51b(5段階)が設定可能であるように構成されている。また、各々の画像(画像11b〜51b)は、「6」ボタンを押下する時間的な長さに応じてコミュニケーション表示領域12aに表示される画像が段階的に切り換えられるように構成されている。
具体的には、「6」ボタンを軽く1回押下した場合に画像11b(少しだけ怒っている表情)が選択されてコミュニケーション表示領域12aに表示される一方、「6」ボタンを約2秒程度連続して押下した場合に画像31b(普通に怒っている表情)が選択されてコミュニケーション表示領域12aに表示されるように構成されている。また同様に、「6」ボタンを約3秒程度長押しした場合に画像51b(非常に強く怒っている表情)が選択されてコミュニケーション表示領域12aに表示されるように構成されている。ここで、図8に示した画面における怒りのキャラクタ画像(画像1b)の代表画像として、図9に示した画像31bが表示されるように構成されている。なお、画像11b〜51bは、本発明の「第1画像データ」の一例である。
また、図9に示すように、画像11b〜51bの各々には、怒りの感情の程度(強さ弱さ)を文字で表現するためのコメント文15b、25b、35b、45bおよび55bが対応するように構成されている。これにより、携帯電話機101のユーザが、ボタン「6」を押下する時間的な長さ選ぶことにより、画像11b〜51bのいずれか1つとこれに対応したコメント文(コメント文15b〜55b)とがコミュニケーション表示領域12aの近傍に吹き出した状態で表示されるように構成されている。ここで、上述の画像31bが画像1b(図8参照)に対応しているように、コメント文35bが図8に示したコメント文5bに対応して表示されるように構成されている。なお、コメント文15b〜55bは、本発明の「第1文字コメントデータ」の一例である。
なお、図9では、怒りの感情を表現する画像1b(図8参照)について、さらに怒りの程度に応じた画像11b〜51bとコメント文15b〜55bとを設定する例を示しているが、怒りの感情以外の、嬉しさ(画像1a)、哀しさ(画像1c)および楽しさ(画像1d)の感情ついても、各々の感情の程度に応じた画像およびコメント文が設定可能であるように構成されている。第1実施形態では、喜怒哀楽の4つの感情×各感情の程度5段階=20通りのキャラクタ画像1(図6参照)と、20通りのキャラクタ画像1の各々に対応した20通りのコメント文5(図6参照)とがユーザにより設定可能であるように構成されている。
また、第1実施形態では、ユーザ操作によって予め設定されるキャラクタ画像1およびコメント文5は、図7に示した「通信機能設定モード」を終了した際に、フラッシュROM66に記憶されるように構成されている。また、フラッシュROM66に記憶されたキャラクタ画像1およびコメント文5を、別な機会に再度編集して設定しなおすことも可能であるように構成されている。
また、第1実施形態では、携帯電話機101〜104の間でコンテンツデータ70を同時再生する最中に、携帯電話機101のユーザが発信したコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)が、時間情報とともに各々の携帯電話機のフラッシュROM66に記憶されるように構成されている。同様に、携帯電話機102〜104の各ユーザが発信した個々のコメント情報(キャラクタ画像およびコメント文)についても、時間情報とともに各々の携帯電話機のフラッシュROM66に記憶されるように構成されている。ここで、携帯電話機102〜104の各ユーザが発信したコメント情報に含まれるキャラクタ画像は、本発明の「第2画像データ」に対応するとともに、携帯電話機201〜104の各々のユーザが発信したコメント情報に含まれるコメント文は、本発明の「第2文字コメントデータ」に対応している。
また、第1実施形態では、フラッシュROM66に記憶された各ユーザが発信したコメント情報(キャラクタ画像およびコメント文)を、コンテンツデータ70の同時再生の終了後などの別な時間に、各ユーザは自己の携帯電話機において、コンテンツデータ70の再生とともに再生することが可能に構成されている。すなわち、各ユーザは、自己のリアクションも含めたコンテンツデータ70に対する他のユーザのリアクションの様子を振り返って視聴(確認)することが可能に構成されている。
次に、図5および図10〜図12を参照して、第1実施形態においてアドホックネットワークが形成された携帯電話機間においてコンテンツデータを同時再生する際の制御フローについて説明する。
まず、図10を参照して、2台の携帯電話機101および102がコンテンツデータを同時再生するためのアドホックネットワークを形成する際の制御動作について説明する。なお、以下の説明では、まず、携帯電話機101側から各制御ステップにおける信号を生成した後、携帯電話機101側から携帯電話機102に向けて通信が行われる場合について説明する。
まず、ステップS1では、携帯電話機101のユーザにより、図4に示した設定画面81を介して、アドホックネットワークを形成するための「グループ形成モード」に切り換えられたか否かが制御部61(図5参照)により判断されるとともに、携帯電話機101が「グループ形成モード」に切り換えられるまでこの判断が繰り返される。ステップS1において、「グループ形成モード」に切り換えられたと判断された場合、アドホックネットワークを形成するための「グループ形成モード」が起動される。その後、ステップS2において、携帯電話機101では、制御部61により「赤外線通信モード」がON状態に切り換えられる。また、ステップS3では、制御部61により、「マスター時間」のカウントが開始される。
次に、ステップS4では、携帯電話機101のユーザにより、ネットワークを形成するための通信ボタン(たとえば、選択操作ボタン20dなど)が押下されたか否かが制御部61(図5参照)により判断されるとともに、通信ボタンが押下されるまでこの判断が繰り返される。ステップS4において、通信ボタンが押下されたと判断された場合、ステップS5において、携帯電話機102に対して、赤外線通信部63(図5参照)によりアドホックネットワークを形成するための赤外線通信を行う。
すなわち、ステップS5において、制御部61(図5参照)により、携帯電話機101から携帯電話機102に対して「マスター時間」および機器IDが送信される。この「マスター時間」は、携帯電話機101と102との間でコンテンツデータ70を同時再生するための時間情報のことを示しており、本発明の「コンテンツデータを再生するための時間情報」の一例に対応している。
なお、携帯電話機101では、ステップS3において「グループ形成モード」に移行した時点で、自己が有する「マスター時間」のカウントが開始される。また、ステップS5において携帯電話機102に対して送信される「マスター時間」は、携帯電話機101における「マスター時間」のカウント開始後に、携帯電話機101から携帯電話機102に対して送信を行う時点での時間情報(カウント済みの「マスター時間」)が含まれる。
また、携帯電話機102では、ステップS21において、携帯電話機102のユーザにより、アドホックネットワークを形成するための「グループ形成モード」に切り換えられたか否かが制御部61(図5参照)により判断されるとともに、携帯電話機102が「グループ形成モード」に切り換えられるまでこの判断が繰り返される。ステップS21において、「グループ形成モード」に切り換えられたと判断された場合、アドホックネットワークを形成するための「グループ形成モード」が起動される。その後、ステップS22において、携帯電話機102では、制御部61により「赤外線通信モード」がON状態に切り換えられる。
そして、ステップS23では、携帯電話機101から送信された機器IDおよびカウント開始後の「マスター時間」が赤外線通信部63(図5参照)を介して受信されたか否かが判断されるとともに、携帯電話機101から送信された機器IDおよび「マスター時間」が受信されるまでこの判断が繰り返される。ステップS23において、機器IDおよび「マスター時間」が受信されたと判断された場合、携帯電話機102と携帯電話機101との間にアドホックネットワークが形成される。これにより、携帯電話機102では、受信された「マスター時間」からのカウントが開始される。その後、ステップS24では、携帯電話機101の機器IDが携帯電話機102のフラッシュROM66に記憶される。
ここで、2つの携帯電話機が上記した赤外線通信を相互に行う際、双方のユーザによって、携帯電話機の側面や裏面などの赤外線が出射される部分を互いに近づける行為が行われる。すなわち、2台の携帯電話機101および102が、赤外線通信が可能な距離まで接近したり、あるいは、通信中に軽く接触(タッチ)したりする場合もあり得る。このように、物理的に離れた位置で使用される2台の携帯電話機が、アドホックネットワークを形成する際に、物理的に接近または接触させる行為を経るので、この点において、双方のユーザは、これからグループに参加してコミュニケーションを図るということを、より直接的に感じ取ることが可能となる。
その後、ステップS25において、携帯電話機102は、携帯電話機102が有する機器IDを携帯電話機101に対して送信する。これにより、携帯電話機102は、携帯電話機101との間にアドホックネットワークが確立されたことを認識するとともに、ステップS26において、「グループ形成モード」および「赤外線通信モード」を共に終了(OFF状態)する。
これにより、携帯電話機101では、ステップS6において、携帯電話機102から送信された機器IDを受信したか否かが制御部61(図5参照)により判断されるとともに、携帯電話機102の機器IDを受信するまで判断が繰り返される。ステップS6において、携帯電話機102から送信された機器IDを受信したと判断された場合、携帯電話機101は、携帯電話機102との間にアドホックネットワークが確立されたことを認識するとともに、ステップS7において、「グループ形成モード」および「赤外線通信モード」を共に終了(OFF状態)する。
この時点で、携帯電話機101と102とは、交換された機器IDを通じて互いに小グループの構成メンバーであることを認識するとともに、同じ時刻でカウントが進行する「マスター時間」を共有した状態となる。
次に、携帯電話機101におけるステップS9では、携帯電話機101のユーザにより、コンテンツデータ70が選択されたか否かが判断されるとともに、コンテンツデータ70が選択されるまでこの判断が繰り返される。ステップS9において、コンテンツデータ70が選択されたと判断された場合、ステップS10において、選択されたコンテンツデータ70を携帯電話機102に対して送信する。
そして、携帯電話機102におけるステップS27では、携帯電話機101から送信されたコンテンツデータ70を受信したか否かが判断されるとともに、携帯電話機101から送信されたコンテンツデータ70を受信するまでこの判断が繰り返される。ステップS27において、コンテンツデータ70を受信したと判断された場合、ステップS28において、携帯電話機102は、受信したコンテンツデータ70をフラッシュROM66に保存する。
また、携帯電話機101におけるステップS11では、携帯電話機101のユーザにより、コンテンツデータ70を再生するためのボタン操作(選択操作ボタン20dの押下操作)が行われたか否かが判断されるとともに、コンテンツデータ70を再生するためのボタン操作が行われるまでこの判断が繰り返される。ステップS11において、ボタン操作(選択操作ボタン20dの押下操作)が行われたと判断された場合、ステップS12において、選択されたコンテンツデータ70の再生を開始する。これにより、携帯電話機101のユーザは、表示部10を介してコンテンツデータ70の視聴を開始する。そして、ステップS13において、携帯電話機101は、コンテンツデータ70を再生するための「命令信号」と、命令信号を送信する際の「マスター時間」とを携帯電話機102に対して送信する。
また、携帯電話機102におけるステップS29では、携帯電話機101から送信されたコンテンツデータ70を再生するための「命令信号」および命令信号を送信する際の時間が記録された「マスター時間」とを受信したか否かが判断されるとともに、この「命令信号」および「マスター時間」を受信するまでこの判断が繰り返される。ステップS29において、携帯電話機101から送信された「命令信号」および「マスター時間」を受信したと判断された場合、ステップS30において、受信したコンテンツデータ70の再生を開始する。この際、携帯電話機102では、自己が有するカウント中の「マスター時間」と、ステップS29により携帯電話機101から受信した「マスター時間」(携帯電話機101の命令送信時のマスター時間)との時間差分だけ自己が有する「マスター時間」のカウントを進めた時点に対応する再生時刻からコンテンツデータ70の再生を開始する。すなわち、携帯電話機102では、携帯電話機101のユーザによる再生操作(ステップS12)とその後の送信操作(ステップS13)とのタイムラグ分、再生地点をスキップした状態でコンテンツデータ70の途中から再生を開始することになる。これにより、携帯電話機102のユーザは、表示部10を介して携帯電話機101と同期が取れた状態でコンテンツデータ70の視聴を開始する。
このようにして、2台の携帯電話機101および102は、アドホックネットワークを形成した状態で、コンテンツデータ70を略同じタイミングで同時に再生する。なお、上記では、携帯電話機101と携帯電話機102との間の制御フローについて説明しているが、他の携帯電話機間においても上記と同様の制御が行われることにより、携帯電話機間にアドホックネットワークが形成された状態でコンテンツデータ70の同時再生が行われる。
また、4台の携帯電話機間でアドホックネットワークを形成してコンテンツデータ70を同時に再生する際、上記のように携帯電話機101が所有するコンテンツデータを他の携帯電話機102〜104に配信した後にコンテンツデータの同時再生を行ってもよいし、携帯電話機101以外の携帯電話機から他の携帯電話機に対して別なコンテンツデータを配信して同時再生を行うことも可能である。この場合、アドホックネットワークを形成する際に交換される各々の機器IDの登録に基づいて、コンテンツデータの配信元(親機)とコンテンツデータの受信先(子機)とが区別される。したがって、配信元(親機)と受信先(子機)との関係を機器IDによって適宜管理することにより、アドホックネットワーク環境下における相互通信が実現可能とされている。
次に、図5および図11を参照して、2台の携帯電話機101および102がコンテンツデータを同時再生する際のユーザ間のコミュニケーションに関する制御動作について説明する。
まず、ステップS31では、携帯電話機101のユーザにより、リアクションボタン(入力テンキー21a)が押下されたか否かが制御部61(図5参照)により判断されるとともに、リアクションボタンが押下されるまでこの判断が繰り返される。ステップS31において、リアクションボタン(入力テンキー21a)が押下されたと判断された場合、ステップS32において、リアクションボタンに対応するコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を携帯電話機102に対して送信する。また、ステップS33では、リアクションボタンに対応するコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を携帯電話機101の表示部10(図5参照)に表示する。
一方、携帯電話機102では、ステップS41において、携帯電話機101からコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)が受信されたか否かが判断されるとともに、コメント情報が受信されるまでこの判断が繰り返される。ステップS41において、コメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)が受信されたと判断された場合、ステップS42において、受信されたコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を携帯電話機102の表示部10(図5参照)に表示する。
この際、第1実施形態では、携帯電話機101のユーザが発信した個々のコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)が、その時点での「マスター時間」とともにフラッシュROM66に記憶される。
その後、携帯電話機101におけるステップS34では、コメント情報が表示された時間から約2秒が経過したか否かが判断される。ステップS34において、コメント情報が表示された時間から約2秒が経過したと判断された場合、ステップS35において、表示部10に表示していたコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を非表示にする。また、携帯電話機102のステップS43においても同様の判断が行われるとともに、約2秒が経過したと判断された場合、ステップS44において、表示部10に表示していたコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を非表示にする。
その後、携帯電話機101におけるステップS36では、コンテンツデータ70の再生が終了したか否かが判断される。ステップS36において、コンテンツデータ70の再生が終了されていないと判断された場合には、ステップS31に戻り、ステップS31〜ステップS35までの処理を繰り返す。ステップS36において、コンテンツデータ70の再生が終了されたと判断された場合には、携帯電話機101は本制御フローを終了する。なお、上記では、携帯電話機101と携帯電話機102との間の制御フローについて説明しているが、他の携帯電話機間においても上記と同様の制御が行われることにより、アドホックネットワークが形成された携帯電話機間におけるユーザ間のコミュニケーションが図られる。
次に、図5および図12を参照して、2台の携帯電話機101および102がコンテンツデータを同時再生する際の再生操作に関する制御動作について説明する。
まず、ステップS51では、携帯電話機101のユーザにより、再生データの巻き戻しを行うためのボタン操作(選択操作ボタン20dの押下操作)が行われたか否かが制御部61(図5参照)により判断されるとともに、再生データの巻き戻しを行うためのボタン操作が行われるまでこの判断が繰り返される。ステップS51において、再生データの巻き戻しを行うためのボタン操作(選択操作ボタン20dの押下操作)が行われたと判断された場合、ステップS52において、携帯電話機101から携帯電話機102に対して、巻き戻し操作(一斉巻き戻しする操作)の可否を問い合わせるための「問い合わせ信号」が送信される。
すなわち、携帯電話機102では、ステップS61において、携帯電話機101から送信された巻き戻し操作の可否を問い合わせるための「問い合わせ信号」を受信したか否かが判断されるとともに、「問い合わせ信号」を受信するまでこの判断が繰り返される。ステップS61において、「問い合わせ信号」が受信されたと判断された場合、ステップS62において、携帯電話機102のユーザに対して携帯電話機101のユーザが巻き戻し操作をしたい旨のメッセージ(たとえば、「巻き戻しをしたいユーザがいますが許可しますか?」などのメッセージ)が、表示部10(図5参照)に表示される。
そして、ステップS63において、携帯電話機102のユーザにより、選択操作ボタン20dの押下操作によって許可する旨の「OK」ボタンが選択されたか否かが判断されるとともに、「OK」ボタンが選択されるまでこの判断が繰り返される。ステップS63において、「OK」ボタンが選択されたと判断された場合、ステップS64において、携帯電話機101のユーザによる巻き戻し操作を許可するための「許可信号」を、携帯電話機102に対して送信する。
なお、上記したステップS62〜S64では、携帯電話機102のユーザに対して巻き戻し操作の可否を問い合わせた後に、携帯電話機102のユーザが「OK」ボタンを押下して「許可信号」返信する処理を行っているが、携帯電話機102において「問い合わせ信号」を受信した場合には、無条件に巻き戻し操作の「許可信号」を携帯電話機101に対して返信するように携帯電話機102側で予め設定されるように構成していてもよい。これにより、「問い合わせ信号」を受信したユーザのうち、同時再生中に一斉巻き戻しされることに同意するユーザは、「問い合わせ信号」が受信される度に「OK」ボタンを押下する必要がないので、コンテンツデータ70の視聴により専念することができる。ここで、この巻き戻し操作の「許可信号」を自動的に返信するモードから、前述の手動で返信するモード(メッセージを見て応答するモード)への変更も、コンテンツデータ70の視聴中にユーザによって行うことが可能である。
そして、携帯電話機101におけるステップS53では、携帯電話機102から送信された巻き戻し操作を許可する「許可信号」を受信したか否かが判断されるとともに、「許可信号」を受信するまでこの判断が繰り返される。ステップS53において、「許可信号」を受信したと判断された場合、ステップS54において、携帯電話機101のユーザによる巻き戻し操作(選択操作ボタン20dの押下操作)に応じて再生中のコンテンツデータ70データを巻き戻す。その後、ステップS55では、巻き戻し先のコンテンツデータ70の再生時間(コンテンツデータ70固有の再生時間)とその時点における「マスター時間」とを携帯電話機102に対して送信する。
その後、ステップS56では、巻き戻された位置からのコンテンツデータ70の再生を開始する。同様に、携帯電話機102におけるステップS65において、携帯電話機101から受信された巻き戻し先のコンテンツデータ70の再生時間とその時点における「マスター時間」とに基づいて、巻き戻された位置からのコンテンツデータ70の再生を開始する。
このようにして、2台の携帯電話機101および102は、アドホックネットワークを形成した状態で、巻き戻された位置からコンテンツデータ70を略同じタイミングで同時に再生する。なお、上記では、携帯電話機101と携帯電話機102との間の制御フローについて説明しているが、他の携帯電話機間においても上記と同様の制御が行われる。
第1実施形態では、上記のように、制御部61を、コンテンツデータ70を再生する最中に、コンテンツデータ70を視聴する携帯電話機101のユーザの操作に基づいて携帯電話機102〜104に向けて再生中のコンテンツデータ70に対する携帯電話機101のユーザのコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を無線通信部64により送信する制御を行うとともに、携帯電話機102〜104においてコンテンツデータ70を視聴する携帯電話機102〜104のユーザから送信された再生中のコンテンツデータ70に対する携帯電話機102〜104のユーザのコメント情報(キャラクタ画像およびコメント文)を無線通信部64により受信する制御を行うように構成することによって、携帯電話機101〜104の各々において同じコンテンツデータ70が同時に再生される際、各々の携帯電話機を所有するユーザ(携帯電話機101のユーザおよび携帯電話機102〜104のユーザ)は、再生中のコンテンツデータ70を視聴する行為に留められることなく、再生中のコンテンツデータ70に対する各人のコメント情報を他のユーザに対して自己の携帯電話機(無線通信部64)を介して相互に伝えることができる。すなわち、携帯電話機101のユーザは自己のコメント情報を携帯電話機102〜104のユーザに対して伝えることができるとともに、携帯電話機102〜104のユーザは彼らのコメント情報を携帯電話機101のユーザに対して伝えることができる。これにより、物理的に離れた別々の携帯電話機において同じコンテンツデータ70を同時に視聴する状況下であっても、同時再生されたコンテンツデータ70を視聴するユーザ同志が積極的なコミュニケーションを図ることができる。
また、第1実施形態では、制御部61を、コンテンツデータ70を再生する最中に、携帯電話機101のユーザの操作に基づいて携帯電話機102〜104に向けてコメント文5(5a〜5d)を送信するとともに、コメント文5(5a〜5d)をコンテンツデータ70とともに表示部10に表示させ、かつ、携帯電話機102〜104からコンテンツデータ70に対するコメント文を受信した場合に、受信されたコメント文をコンテンツデータ70とともに表示部10に表示させる制御を行うように構成することによって、文字形式からなるコメント情報(コメント文5)を表示部10に表示させる方法により、各ユーザは、再生中のコンテンツデータ70に対する各ユーザの感情表現を他のユーザに対して容易に伝達することができる。
また、第1実施形態では、携帯電話機101のユーザが発信するコメント情報が、コメント文5(5a〜5d)に加えて、携帯電話機101のユーザを特定することが可能なユーザ識別情報を含んでおり、制御部61を、コメント文5(5a〜5d)と携帯電話機101のユーザ識別情報とを対応付けて携帯電話機102〜104に送信するように構成することによって、配信されたコメント情報(コメント文5)に対してコメントの発信者(携帯電話機101のユーザ)を特定する情報が反映されるので、各ユーザは、コメント情報の発信者が誰であるかを互いに認識することができる。この結果、ユーザ間のコミュニケーションをより充実させることができる。
また、第1実施形態では、携帯電話機101のユーザ識別情報が、携帯電話機101のユーザを連想させる図柄でかつ携帯電話機101のユーザの感情を表現する図柄からなる画像1a〜1d(キャラクタ画像1)を含むことによって、携帯電話機101のユーザが持つ喜怒哀楽などの感情を画像1a〜1d(キャラクタ画像1)を用いて携帯電話機102〜104のユーザに対して視覚的に訴えながら伝達することができる。これにより、ユーザ間のコミュニケーションをさらに充実させることができる。
また、第1実施形態では、キャラクタ画像1を、携帯電話機101のユーザの感情の種類(喜怒哀楽)および感情の程度(強さ弱さ)の少なくとも感情の種類を予め設定可能であるように構成するとともに、少なくとも感情の種類(喜怒哀楽)に対応する複数の画像1a〜1dの各々と対応付けて、複数のコメント文5(5a〜5d)を予め設定可能に構成することによって、画像1a〜1dと、画像1a〜1dにより表現される喜怒哀楽などの各々の感情の種類に対応したコメント文5(5a〜5d)とが一緒に携帯電話機102〜104のユーザに向けて発信されるので、携帯電話機102〜104のユーザは、携帯電話機101のユーザの現在の感情をより正確かつ詳細に把握することができる。
また、第1実施形態では、携帯電話機101のユーザのコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を、携帯電話機101のユーザにより予め設定された状態でフラッシュROM66に記憶されるように構成することによって、コメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)が予めフラッシュROM66に記憶された状態で準備されているので、携帯電話機101のユーザは、自己の感情(リアクション)を発信したいタイミングを逃すことなくコメント情報を携帯電話機102〜104のユーザに対して発信することができる。
また、第1実施形態では、制御部61を、携帯電話機101のユーザの操作に基づいて携帯電話機102〜104との間においてアドホックネットワークを形成するための「グループ形成モード」を起動する制御を行うとともに、「グループ形成モード」が起動された状態で、携帯電話機102〜104との間で赤外線通信部63による直接的な無線通信を行うことにより、携帯端末装置間にアドホックネットワークを形成する制御を行うように構成するとともに、制御部61を、携帯電話機102〜104との間にアドホックネットワークを形成する際、携帯電話機102〜104と略同じタイミングでコンテンツデータ70を再生するための「マスター時間」を、赤外線通信部63により携帯電話機102〜104に向けて送信するかまたは携帯電話機102〜104から受信することにより、携帯電話機102〜104との間で「マスター時間」を共有する状態を確立する制御を行うように構成することによって、ユーザ同志が赤外線通信部63による無線通信を行ってアドホックネットワークを形成する行為(操作)が契機となって、コンテンツデータ70の同時再生を行うことを目的としたアドホックネットワークの形成を容易に行うことができる。また、赤外線通信部63による無線通信の際に、コンテンツデータ70を同時再生する際に必要となる「マスター時間」が、アドホックネットワークの形成時に、一方の携帯端末装置から他方の携帯端末装置に対して受け渡されるので、コンテンツデータ70の同時再生に伴う機器の環境設定を、アドホックネットワークの形成と同時に容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、携帯電話機102〜104から「マスター時間」を受信することにより携帯電話機102〜104との間で「マスター時間」を共有する場合に、アドホックネットワークがまだ形成されていない携帯電話機102〜104に対して赤外線通信部63により直接的な無線通信を行うことにより、順次「マスター時間」を共有する携帯端末装置を増加してアドホックネットワークを形成するように構成することによって、たとえば1人のユーザが所有する1台の携帯端末装置を広範囲に移動させて他の全ての携帯端末装置との間でアドホックネットワークを順次形成する場合と比較して、アドホックネットワークを形成済みの携帯端末装置とこの携帯端末装置の近傍に存在するアドホックネットワークがまだ形成されていない携帯端末装置との間で順次無線通信を繰り返すことができる分、特定のユーザに過度な負担をかけることなく、かつ、比較的短時間でアドホックネットワークの形成を行うことができる。
また、第1実施形態では、制御部61を、コンテンツデータ70を再生する最中に、携帯電話機102〜104との間で共有する「マスター時間」に基づいて、無線通信部64により携帯電話機102〜104に向けて再生中のコンテンツデータ70に対する携帯電話機101のユーザのコメント情報(キャラクタ画像1およびコメント文5)を送信した時間、および、無線通信部64により携帯電話機102〜104から携帯電話機102〜104のユーザのコメント情報(キャラクタ画像およびコメント文)を受信した時間に合わせて、上記コメント情報を表示部10に表示する制御を行うように構成することによって、ユーザから発信されたコメント情報を、ユーザが発信した時間(タイミング)に対応するコンテンツデータ70の場面に的確に反映させて表示部10に表示させることができるので、ユーザは、再生中のコンテンツデータ70の各場面における各人のコメント情報を、他のユーザに対して確実に伝達することができる。
また、第1実施形態では、制御部61を、携帯電話機101のユーザのコメントを、携帯電話機102〜104との間で共有する「マスター時間」に基づいて、コンテンツデータ70の再生時間と携帯電話機101のユーザのコメントの送信時間とを関連付けた状態で、フラッシュROM66に記憶する制御を行うように構成することによって、携帯電話機101のユーザのコメント情報がコンテンツデータ70の再生時間と関連付けられた状態でフラッシュROM66に記憶されるので、コンテンツデータ70の視聴終了後においても、各ユーザが発信したコメントを、コンテンツデータ70が有する数々の場面に対応させて繰り返し確認することができる。
また、第1実施形態では、制御部61を、ユーザによる個別のコンテンツデータ70の再生操作に基づいて、フラッシュROM66に記憶されている携帯電話機101のユーザの第1コメント情報を、コンテンツデータ70の再生時間に基づきコンテンツデータ70の再生と同時に再生する制御を行うように構成することによって、フラッシュROM66に記憶されたユーザ同志のコミュニケーションの様子を、別な時間に容易に確認(検証)することができる。
(第2実施形態)
図8および図13を参照して、本発明の第2実施形態ついて説明する。この第2実施形態による携帯電話機201では、上記第1実施形態と異なり、各ユーザのコメント情報が、表示部10の表示領域12eに時系列的に表示される例について説明する。
すなわち、第2実施形態では、図13に示すように、携帯電話機201の表示部10のうちの上側の約半分の動画表示領域11にコンテンツデータ70が表示される一方、表示部10のうちの下側の約半分の表示領域12eに、携帯電話機を所有する各ユーザのコメント情報200が表示されるように構成されている。この際、各ユーザのコメント情報200は、送信された時間に従って表示領域12eの上側から下側に向かって順次表示されるとともに、送信時間の古い順(上側のコメント情報200)から順に、表示が消されるように構成されている。これにより、コンテンツデータ70が同時再生される際、表示領域12eに表示される各ユーザのコメント情報200は、下側から上側に向かってスクロールしながら順次更新されるように構成されている。各ユーザコメント情報200は、本発明の「第1コメント情報」および「第2コメント情報」の一例である。
また、各ユーザのコメント情報200は、携帯電話機201などに予め登録されたユーザの名前(ニックネームなど)と、上記第1実施形態で用いたコメント文5とにより構成されている。したがって、コンテンツデータ70の同時再生中に、たとえば、携帯電話機201のユーザが入力テンキー21aのうちの「2」ボタンを押下すると、表示領域12eに、ユーザ名と嬉しさの感情を表すコメント文5a(図8参照)が表示される。なお、第2実施形態では、携帯電話機201を所有するユーザが、本発明の「第1ユーザ」に対応している。
なお、第2実施形態における効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、ユーザの感情を表現するキャラクタ画像1を構成する複数の画像データが静止画により構成された例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザの感情を表現するキャラクタ画像1に動画を用いるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、1つの入力テンキー21a(たとえば怒りの感情を表現する「6」ボタン(図9参照))を押下する時間(短く押すか長押しするか)に応じてコメント情報の内容(感情レベルが弱いか強いか)を切り換えて発信するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ユーザがコメント情報を発信する際、たとえば、まず、選択操作ボタン20dを表示部10に対する上下方向および左右方向に押下する(三角形状の矢印マークの部分(図1参照))ことにより喜怒哀楽などの感情の種類を選び、その後、入力テンキー21aの「1」〜「9」のボタンのうちのいずれかを押下することにより選択された感情の程度を選ぶことにより、発信するコメント情報を確定させるように構成してもよい。このように構成すれば、ボタンの長押し操作などでコメント情報を確定させる場合と異なり、より短時間でコメント情報を確定させることができるので、発信したいタイミングを逃すことなくコメント情報を他のユーザに対して発信することができる。なお、図3に示すように、携帯電話機101の上部筐体90が反時計回りに90°倒された状態で使用される場合においても、選択操作ボタン20dは、ユーザが表示部10を正面から見た場合を基準として常に表示部10の上下方向(矢印マークの上下方向)および左右方向(矢印マークの左右方向)に対応させて喜怒哀楽などの感情の種類が選択可能に割り当てられるように構成されるのが好ましい。
また、上記した変形例では、選択操作ボタン20dを用いて感情の種類を選ぶとともに、入力テンキー21aを用いて選択された感情の程度を選ぶように構成したが、この限りではない。すなわち、本発明では、図1に示すように、上部筐体90側のメニューボタン20a、通話ボタン20b(左右2つ)およびメール起動ボタン20cを用いて感情の種類を選ぶように構成するとともに、選択操作ボタン20dのうちの上下方向(または左右方向)の押下により選択された感情の程度を選ぶように構成してもよい。このように構成すれば、コメント情報を発信する際に操作されるボタンが上部筐体90側に集中しているので、近接するボタン間での操作ができる分、ボタン操作の際のユーザの操作性を向上させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、ユーザの感情を表現するコメント情報として、キャラクタ画像やコメント文などを用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コンテンツデータを再生する最中に、ユーザのボタン操作に基づいて、ユーザの感情を表現する音声データをコメント情報として配信するように構成してもよい。特に、各ユーザがヘッドホンを着用して視聴する場合、音声データを配信するのが効果的である。この場合、ユーザが自己の肉声からなる音声データを予め録音しておくことも可能であるし、予め文字形式で作成されているコメント文などを、ユーザの特徴的な音声データに基づいて作成された人工的な音声(音源)により読み上げるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、アドホックネットワークを形成する携帯電話機の数が4台である例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、アドホックネットワークを形成する携帯電話機の数が4台以外の複数台であってもよい。なお、アドホックネットワークを形成する携帯電話機の数が多い場合は、ユーザの感情を表現するキャラクタ画像を全て表示部10(コミュニケーション表示領域)に表示するのが困難な場合も考えられる。このような場合、各々のユーザのキャラクタ画像のうちの特定のキャラクタ画像(たとえば4人分)のみを表示部10に表示するとともに、所定時間経過後に、表示されるユーザの画像を交代させて順繰りに表示部10に表示するように構成してもよい。あるいは、上記のように大勢で視聴している場合は、情報を発信したユーザのみのコメント情報が表示部10(コミュニケーション表示領域)に発信(受信)時間順に表示されるように構成されていてもよい。なお、この場合において、表示部10が表示可能な人数(たとえば4人)の全てを表示(掲載)している場合、最も古いコメント情報が表示されているコミュニケーション表示領域に、最も新しく発信(受信)されたユーザのコメント情報が更新表示されることを繰り返すように構成するのが好ましい。
また、上記第1実施形態では、キャラクタ画像を各ユーザを特定することが可能な「似顔絵画像」により構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キャラクタ画像を、各ユーザの似顔絵を含めた体の一部分または全体を用いたキャラクタ画像(アバターなど)として構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、アドホックネットワークを形成する際に、赤外線通信機能を利用した例について示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、赤外線による無線通信以外の、たとえば、Bluetooth規格による無線通信やICカード技術を用いた無線通信によって複数の携帯電話間にアドホックネットワークを形成するようにしてもよい。なお、ICカード技術を用いた無線通信を行う場合、一方の携帯電話機(たとえば小グループを形成する行為を他の機器に持ちかける側)がリーダ/ライタの機能を担うように構成するとともに、他方の携帯電話機(小グループに参加しようとする側)がICカードとしての機能を担うように構成してもよいし、これとは反対の構成であってもよい。