JP2011103543A - 音声出力装置およびテレビ受像機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の視聴者が同時に異なる複数の番組を視聴する場合にも、高音質で広い聴取エリアをカバーできる。
【解決手段】入力された音声信号を音声出力する音声出力部と、超音波の搬送波を利用して前記音声出力部より狭い指向性で入力された音声信号を音声出力する狭指向性音声出力部と、前記音声出力部の出力音量を制御する音声音量制御部と、前記搬送波に載せる信号の変調度および前記搬送波の音圧レベルによって前記狭指向性音声出力部の出力音量を制御する狭指向性音声音量制御部とを備えたものである。
【選択図】図1
【解決手段】入力された音声信号を音声出力する音声出力部と、超音波の搬送波を利用して前記音声出力部より狭い指向性で入力された音声信号を音声出力する狭指向性音声出力部と、前記音声出力部の出力音量を制御する音声音量制御部と、前記搬送波に載せる信号の変調度および前記搬送波の音圧レベルによって前記狭指向性音声出力部の出力音量を制御する狭指向性音声音量制御部とを備えたものである。
【選択図】図1
Description
この発明は、超音波を搬送波とした指向性音声出力装置およびこの指向性音声出力装置を含むテレビ受像機に関する。
従来、2画面表示またはピクチャ・イン・ピクチャ等の2つの画面を同時に表示する場合には、いずれか一方の画面に対応する音声に切替えて音声出力するように構成していた。これは、一般的なスピーカでは、異なる番組の音声が同時に再生されると、聞き手が聞き苦しくなるため、いずれか一方の画面に対応する音声に切替えていた。
これに対して、複数画面のいずれか一つを正常視聴できる最短距離において出力する音声が互いに干渉しないレベルの指向性を有し、前記複数の映像にそれぞれ対応した複数の音声信号を出する複数の指向性スピーカを設ける構成が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
上記では、各スピーカからの音声が互いに干渉を受けない範囲が限られているために各ユーザーは限られた固定の範囲内にある視聴位置でテレビを視聴しなければならないという問題があった。そこで、指向性スピーカの出力方向を変更する手段を備えることで、上記問題を解決し、複数の視聴者に対して、それぞれ任意の視聴位置で視聴できるようにする構成が示されている(例えば、特許文献2参照。)。
従来の音声出力装置では、指向性を有するスピーカが、低域の音圧レベルが低くなる傾向があるため、低域の音声が不足する問題があった。このため、高音質な所謂ハイファイ音声出力が困難であった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、複数の視聴者が同時に異なる複数の番組を視聴する場合にも、高音質で広い聴取エリアをカバーできる装置を得るものである。
この発明の音声出力装置においては、音声信号を広指向性で音声出力する広指向性音声出力部と、超音波の搬送波を利用して前記広指向性音声出力部より狭い指向性で音声出力する狭指向性音声出力部と、入力された2の入力音声信号の一方を前記広指向性音声出力部に出力し、他方を前記狭指向性音声出力部に出力する音声出力制御部と、前記入力音声信号を前記広指向性音声出力部および前記狭指向性音声出力部のいずれに出力するかを切替える切替部ととを備えたものである。
この発明は、複数の視聴者が同時に異なる複数の番組を視聴する場合にも、高音質で広い聴取エリアをカバーできる効果がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るテレビ受像機を2画面テレビに適用した場合を示すブロック図である。図において、テレビ受像機(2画面テレビ)1は放送信号としてRF信号を用いて、一つまたは複数の放送チャンネルと一つまたは複数の外部入力から2つの映像を選択して視聴できるようにしたものである。
図1は、本発明の実施の形態1に係るテレビ受像機を2画面テレビに適用した場合を示すブロック図である。図において、テレビ受像機(2画面テレビ)1は放送信号としてRF信号を用いて、一つまたは複数の放送チャンネルと一つまたは複数の外部入力から2つの映像を選択して視聴できるようにしたものである。
テレビ受像機(2画面テレビ)1のアンテナ11で受信したRF信号は、分配器12を通して、第一のチューナ13および第二のチューナ14に供給される。
第一のチューナ13は、チャンネル切換え信号(図示せず)に基づいて選局を行うことによって、第一の放送チャンネルの映像信号および音声信号に変換して、広指向性用AV切換手段16および狭指向性用AV切換手段17に供給する。
また、第二のチューナ14も、チャンネル切換え信号(図示せず)に基づいて選局を行うことによって、第二の放送チャンネルの映像信号および音声信号に変換して、広指向性用AV切換手段16および狭指向性用AV切換手段17に供給する。
また、レコーダー等の外部からの映像入力のための外部入力手段15からの映像信号と音声信号も同様に広指向性用AV切換手段16および狭指向性用AV切換手段17に供給する。
広指向性用AV切換手段16は、リモコンやキャビネットの操作ボタンなどの操作入力に基づいて、第一のチューナ13が、選局した映像音声信号、第二のチューナ14が選局した映像音声信号、および外部入力手段15からの映像音声信号のうちの一つを選択して、選択した映像信号を映像選択合成手段18に供給する。また、広指向性用AV切換手段16は、選択した音声信号を広指向性用音声処理手段19に供給する。
また、狭指向性用AV切換手段17も、同様に、リモコンやキャビネットの操作ボタンなどの操作入力に基づいて、第一のチューナ13が、選局した映像音声信号、第二のチューナ14が選局した映像音声信号、および外部入力手段15からの映像音声信号のうちの一つを選択して、選択した映像信号を映像選択合成手段18に供給し、選択した音声信号を狭指向性用音声処理手段20に供給する。
映像選択合成手段18は、広指向性用AV切換手段16で選択した映像信号と狭指向性用AV切換手段17で選択した映像信号とを、リモコンやキャビネットの操作ボタンの操作入力に基づいてどちらかの映像信号を選択するか、或いは左右に並べるかピクチャ・イン・ピクチャとして2画面に合成して、映像表示手段21に供給する。映像表示手段21は映像選択合成手段18によって選択された映像信号、或いは合成された映像信号を表示する。
広指向性用音声処理手段19は、広指向性用AV切換手段16で選択した音声信号をリモコンやキャビネットの操作ボタンなどの操作入力に基づいて、信号処理を行う。この信号処理は、音量制御手段26からの指令に基づく音量制御、音質制御、機能のオンオフ等単純な処理から複雑な処理まであり、処理後の信号出力を広指向性スピーカ22に供給する。広指向性スピーカ22は一般的なスピーカで、指向性は低いが高音質な音声を出力することが可能であるため、広指向性用音声処理手段19の出力を高音質で広い指向性を持った音声に変換する。
狭指向性用音声処理手段20は、狭指向性用AV切換手段17で選択した音声信号をリモコンやキャビネットの操作ボタンの操作入力に基づいて信号処理を行う。この信号処理は、広指向性用音声処理手段19の処理に加えて、狭指向性スピーカの音質劣化、低音を増強する処理等が含まれ、変調手段24に供給する。この時、特に音量の調整については、リモコンやキャビネットの操作ボタンなどの操作入力に基づいて音量制御手段26からの指令によって、狭指向性用音声処理手段20で変調手段24に入力する変調度として供給する。
変調手段24は、発振手段23で発生した例えば40kHzの超音波信号を狭指向性用音声処理手段20から出力される音声信号で変調をかけて、その変調をかけた信号で狭指向性スピーカ25を駆動する。超音波振動素子アレイで構成される狭指向性スピーカ25は、このように指向性の高い超音波を搬送波として、可聴域の音声信号で変調して出力することで、音波の非線形現象により復調され鋭い指向性が実現できる。
このような構成により、本発明のテレビ受像機(2画面テレビ)1は、一つまたは複数の映像番組から選択した音声を再生できる。
図2は、本発明のテレビ受像機(2画面テレビ)1の正面図の例である。図2において、テレビ受像機(2画面テレビ)1は、上側に画面を表示する画像表示部2が設けられ、下側に音声出力部3が設けられている。画像表示部2には、映像表示手段21により、同じ大きさの2画面表示(ア)、大小をつけたピクチャ・イン・ピクチャ表示(イ)、普通の1画面表示(ウ)などが行われる。音声出力部3には、従来から一般的に使用されているステレオ対応の広指向性スピーカ22を左右の両端に設けて、中央部に狭指向性スピーカ25を配置している。
図3は、本発明のテレビ受像機(2画面テレビ)1と視聴者の位置関係とを示すための図である。図3は、テレビ受像機(2画面テレビ)1と視聴者とを上から見た図である。ここで、図2の(ア)や(イ)のように、異なる番組を視聴する場合を想定する。テレビ受像機(2画面テレビ)1の画面1に表示している番組の音声は、高音質な広指向性スピーカ22から再生され、画面2に表示している番組の音声は、狭指向性スピーカ25から再生されるとする。
図3において、領域31は、広指向性スピーカ22から再生される音声がよく聞こえる広指向性スピーカ可聴位置を表現したものである。領域31では、広い範囲で聞こえるが、距離が離れるほど音圧が低くなって行く。また、領域32は、狭指向性スピーカ25から再生される音声がよく聞こえる狭指向性スピーカ可聴位置を表現したものである。領域32では、狭い範囲でしか聞こえないものの、その範囲であれば距離が離れても(遠くでも)、よく聞こえることを表現している。
図3において、視聴者4は、狭指向性スピーカ可聴位置32から離れて広指向性スピーカ可聴位置31に入っているため、番組1の高音質な音声を正常に聞くことができる。視聴者5は、狭指向性スピーカ可聴位置上に乗っているため、テレビ受像機(2画面テレビ)1から、かなり距離が離れていても、番組2の音声を正常に聞くことができる。また、視聴者6のように、広指向性スピーカ可聴位置31と狭指向性スピーカ可聴位置32の境界上に位置する場合には、番組1と番組2の音声を両方とも聞くことができる。この場合には、番組1に注目したい時は、右に頭を傾けることで広指向性スピーカから聞こえる番組1の音声を中心に聞き、番組2に興味を引かれた時は、左に頭を傾けることで、狭指向性スピーカから聞こえる番組2の音声を中心に聞くことができる。
次に図2の(ウ)のように1つの番組を視聴する場合に、同じ音声を広指向性スピーカ22と狭指向性スピーカ25から再生されるとすると、図3の領域31のようにテレビ1からの距離が離れるほど音圧が低くなる位置に加えて、領域32は狭い角度であるが距離が離れても音圧が高くなる。一般的に高齢者などの難聴者は健聴者に比べて、またテレビ1から離れた人は近い人に比べて大きな音量に設定したい傾向があるため複数の視聴者の間で設定したい音圧が異なる。
例えば、図3において、高齢者などの難聴者が視聴者6の位置で、テレビから離れて視聴する人が視聴者5の位置で、健聴者が視聴者4の位置で視聴することで、複数の視聴者にとって適した音圧が実現できる。
また、この時、リモコン(図示せず)等のメインボリュームを操作して、音量制御手段26によって、周囲環境の騒音や入力ソースの音量等に合わせて広指向性スピーカと狭指向性スピーカからの音圧比率の変化が少なくなるように、両方の音量を連動して制御することが可能である。
図8(ア)は、広指向性スピーカと狭指向性スピーカからの音圧比率の変化が少なくなるように連動制御するための音量制御の説明図である。図において、横軸は、広指向性スピーカの音量、縦軸は、狭指向性スピーカの音量を示す。
次に、図8の(ア)に基づいて、狭指向性スピーカと広指向性スピーカとの連動動作について説明する。狭指向性スピーカは、例えば、圧電アクチュエータを40KHzの基本周波数で振動させるものであり、人間の聴覚とは、非線形の特性を持つ。そこで、図8の(ア)のような、狭指向性スピーカと広指向性スピーカとが、同等の聴覚比率を与える音量制御ラインCA,CB,CCを予め設定する。例えば、狭指向性スピーカおよび広指向性スピーカの音量設定がA0点の場合に、音量を上げる指示が入力されると音圧制御ラインCA上のA1点に、音量を設定できる。また、狭指向性スピーカおよび広指向性スピーカの音量設定がB0点の場合に音量を上げる指示が入力されると、音圧制御ラインCB上のB1点に、それぞれ狭指向性スピーカおよび広指向性スピーカの音量を設定できる。
従って、A0点からA1点への設定に関しては、広指向性スピーカの音量制御量に比べて、狭指向性スピーカの音量制御量を大きくして同等の音圧比率が得られる。また、B0点からB1点への設定に関しては、逆に狭指向性スピーカの音量制御量に比べて広指向性スピーカの音量制御量を大きくして同等の音圧比率が得られる。
上述した音量制御ラインラインCA,CB,CCに沿うように制御する連動音量制御は、狭指向性スピーカと広指向性スピーカの距離による減衰特性が、大きく異なる(狭指向性スピーカの減衰が少ない)ことにより必要が生じるものである。これは、狭指向性スピーカと広指向性スピーカとで同じ比率で音量制御すると、スピーカから遠い位置では、狭指向性スピーカからの音が視聴者に大きく聞こえることになる問題があるためである。
この問題を解決するために、代表的なスピーカ位置(狭指向性スピーカと広指向性スピーカとの中間、または重心位置)からの距離ごとに、狭指向性スピーカと広指向性スピーカとが、同等の聴覚比率を与える音量制御ラインCA,CB,CC等を設けている。音量制御ラインCA,CB,CC等による連動制御は、以下のように考えることもできる。視聴者が、狭指向性スピーカと広指向性スピーカの音量を独立に制御して同等の聴覚比率にしたのが現在の狭指向性スピーカと広指向性スピーカとの音量設定(例えば、B0点)と仮定して、音量制御ラインCA,CB,CC等の中から、現在の音量設定に近い音量制御ラインを求める。求めた音量制御ライン上に沿うように狭指向性スピーカと広指向性スピーカの各音量を制御するものと考えることもできる(例えば、B1点)。これによって、代表的なスピーカ位置からの距離が変わっても、狭指向性スピーカと広指向性スピーカとが、同等の聴覚比率になるように音量を連動制御できる。
以上のように、視聴者が、試聴する位置によって高音質な音声を聞けたり、距離が離れた位置からでも聞けたり、高齢者などの難聴者に合わせて音圧を上げることによって、他の視聴者や近所に迷惑をかけることなく、視聴者の好みに応じた選択が可能になり好ましい印象を与えることができる。
また、入力される各音声信号を周波数分析をして、低域成分、高域成分の比率を求め、より低域成分の比率が多い音声信号を広指向性スピーカから出力するように、広指向性用AV切替手段16および狭指向性用AV切替手段17で切替を行うようにしても良い。このとき、切替える必要がある場合、事前に切替するか否かを確認するようにすると、視聴者に不意打ちにならず、好適である。
上記説明の音量制御手段26は、必須の構成要素ではない。音量制御手段26が無くても、広指向性用音声処理手段19および狭指向性音声処理手段20にて独立して広指向性スピーカ22および狭指向性スピーカ25の音量を制御することができるからである。
上記説明では、チューナ11,12を有するテレビ受像機について説明したが、チューナを持たず、複数の映像音声信号の映像および音声を出力する映像表示装置についても適用できる。
また、映像信号を扱わず、映像選択合成手段18および映像表示手段21をもたない音声出力装置についても適用できる。
本実施の形態の音声出力装置によれば、広指向性スピーカと超音波を搬送波にした狭指向性スピーカとを用いるので、両スピーカからの音声が干渉する領域は狭く、広指向性スピーカの特性は一般的な指向性スピーカより低域まで出力でき高音質である。
また、本実施の形態の音声出力装置によれば、広指向性スピーカへ出力される音声信号と狭指向性スピーカへ出力される音声信号とは、異なるプログラムであり、各スピーカへ出力される音声信号を切替えて出力することができるので、プログラムに適したスピーカを選択して出力できる。より低域の成分が多いプログラムの方を広指向性スピーカへ出力するように切替えることができる。
また、本実施の形態の音声出力装置によれば、音量制御手段26により広指向性スピーカおよび狭指向性スピーカの音量の音圧比率の変化が少なくなるように、1つのボリュームで制御できるので、それぞれボリュームで音量を指定するより簡便である。特に、広指向性スピーカおよび狭指向性スピーカに同じプログラムを出力する場合には特に有効である。
また、狭指向性スピーカ25の向きを変更できるようにして、例えば既にテレビ受像機1で実現されている「オートターン」機能のようにリモコンにて指向性の向きを調整できるようにすることで、さらに視聴者の位置や視聴環境に応じて対応ができる効果を発揮する。
また、本実施の形態の音声出力装置によれば、狭指向性音声出力部は、音声の出力方向を変更する出力方向変更手段を有するので、視聴者の位置の方向にのみ音声を放射することができる。特に、狭指向性音声出力を視聴していた視聴者が移動した場合などに有用である。
実施の形態2.
実施の形態2は、狭指向性スピーカ25の音量を制御に、搬送波である超音波の音圧レベルの制御も加えて、超音波の被爆量を削減する効果を有する実施の形態である。
実施の形態2は、狭指向性スピーカ25の音量を制御に、搬送波である超音波の音圧レベルの制御も加えて、超音波の被爆量を削減する効果を有する実施の形態である。
図4は、本発明の実施の形態2に係るテレビ受像機を2画面テレビに適用した場合を示すブロック図である。図4において、図1との違いは新たに、超音波音圧調整手段41とユーザー設定手段42が追加された点でその他は基本的に同じである。
テレビ受像機1は、アンテナ11で受信したRF信号を分配器12を通して第一のチューナ13および第二のチューナ14で選局を行い、映像信号および音声信号を出力する。広指向性用AV切替手段16および狭指向性AV切替手段17は、第一のチューナ13、第二のチューナ14および外部入力手段15からの映像信号、音声信号の一つを選択して、映像信号を映像選択合成手段18へ出力する。広指向性用AV切替手段16は、選択した音声信号を広指向性用音声処理手段19へ、狭指向性用AV切替手段17は、狭指向性用音声処理手段20へ、出力する。映像選択合成手段18は、入力された映像信号を合成して映像表示手段21へ出力する。広指向性用音声処理手段19は、入力された音声信号にユーザ設定手段42で設定された指令に基づき音量制御手段26からの制御によって広指向性スピーカ22から音声信号を出力する。また、狭指向性用音声処理手段20は、同様に音声制御手段26からの制御信号を受けて変調手段24を介して狭指向性スピーカ25から音声信号を出力する。
変調手段24の出力は、発振手段23で発生した、例えば40kHzの超音波信号の変調信号なので、40kHz付近の音圧成分が非常に高くなっている。これは、超音波のため、人間の耳には聞こえない。しかし、長時間に渡っての大きな音圧の超音波暴露は、頭痛やめまい、吐き気といった自覚症状として表れると言われている。
そこで、超音波音圧調整手段41は、超音波成分の音圧を調整して、狭指向性スピーカ25を駆動する構成とする。これによって、例えば、ユーザーによるリモコン等のボタン操作を受けたユーザー設定手段42から直接の超音波音圧の「弱」設定指令を受けて、音声制御手段26を経由して超音波音圧調整手段41では、狭指向性スピーカ25の駆動電圧を下げて超音波成分の音圧を低減することができる。
また、音声制御手段26は、ユーザ設定手段42からの指定の音量に基づいて、狭指向性用音声処理手段20と超音波音圧調整手段41とを連動させて、ユーザー設定手段42から間接的に制御させることができる。音量を上げるには、狭指向性用音声処理手段20により変調度を上げる方法と、超音波音圧調整手段41で超音波の音圧を上げる方法がある。ただし、変調度を上げすぎると、音質が劣化し、超音波の音圧を上げると、健康上の問題が出る可能性がある。そこで、極力変調度を上げて音量制御を行い、変調度で対応しきれない場合に、超音波の音圧を上げる構成にする。
図8(イ)は、超音波の搬送波の音圧レベルと変調制御の関係を示す図である。図において、横軸は、変調度の制御による出力音量、縦軸は、超音波の搬送波の音圧レベル制御量である。
図において、制御ラインCNは、与えられた音量を出力するための超音波の搬送波の音圧レベルと変調制御による制御を示すものであって、左下から右上に従い指定音量が増加する。例えば、図8の(イ)に示したように、狭指向性スピーカ25の音量制御量が低い時には、変調度を上げて変調度が所定の値に達すると、超音波の駆動電圧を上げて超音波の音圧を上げるように設定する。
以上のように、視聴者の設定により超音波の音圧調整が可能になり、長時間に渡って大きな音圧の超音波暴露に対応することができる。
また、所定音量までは、変調度で音量を制御し、それ以上は搬送波の音圧レベルを上げて制御するので、超音波の音圧レベルを可能な限り抑制することができ、超音波の暴露を少なくすることができる。
また、超音波を搬送波にしたスピーカは、変調度を上げすぎると音質が劣化するが、所定音量までは、変調度で音量を制御し、それ以上は搬送波の音圧レベルを上げて制御することで狭指向性スピーカからも良好な音質を得ることができる。
従来、狭指向性スピーカの搬送波として利用している超音波は人間の耳には聞こえず、時間に応じた暴露限界が規定されているが、超音波暴露の時間及び音圧レベルは極力少なくしたいという要求があった。
広指向性スピーカと狭指向性スピーカの動作を制御することにより、高音質で広い聴取エリアをカバーできる音声システムと狭い聴取エリアにのみ音響放射が可能な狭指向性スピーカの両立を図ることと、暴露問題が懸念される狭指向性スピーカの動作する時間と出力レベルを極力低減することとを実現できる。
実施の形態3.
実施の形態3は、コマーシャルを検出して、コマーシャル期間の狭指向性スピーカ25からの出力音圧を下げて、視聴者の超音波の被爆量を少なくする効果がある実施の形態である。
実施の形態3は、コマーシャルを検出して、コマーシャル期間の狭指向性スピーカ25からの出力音圧を下げて、視聴者の超音波の被爆量を少なくする効果がある実施の形態である。
図5は、本発明の実施の形態3に係るテレビ受像機を2画面テレビに適用した場合を示すブロック図である。図5において、図4との違いはユーザー設定手段42に代わってコマーシャル検出手段51が追加された点でその他は上記実施の形態と基本的に同じである。
コマーシャル検出手段51は、狭指向性用AV切換手段17で選択した狭指向性用の映像信号と音声信号から放送番組中におけるコマーシャル期間を検出する。コマーシャルの検出は、例えば、音声モードが2ヶ国語からステレオに変化すること、所定の間隔で音声信号の無音部があること、画面の所定の位置にロゴ表示があること等およびこれらを組み合わせて検出できる。
コマーシャル検出手段51で検出したコマーシャル情報は、音量制御手段26を経由して、超音波音圧調整手段41に供給され、例えば、番組本編中は、超音波音圧「中」、コマーシャル中は超音波音圧「弱」として狭指向性スピーカ25から出力する。
以上のように、番組中のコマーシャル期間を検出して、番組本編とコマーシャル期間の超音波の音圧を変更することで、長時間に渡って大きな音圧の超音波暴露に対応することができる。
実施の形態4.
実施の形態4は、番組中の会話の期間を検出して、会話期間の狭指向性スピーカ25からの出力音圧を下げて、視聴者の超音波の被爆量を少なくする効果がある実施の形態である。
実施の形態4は、番組中の会話の期間を検出して、会話期間の狭指向性スピーカ25からの出力音圧を下げて、視聴者の超音波の被爆量を少なくする効果がある実施の形態である。
図6は、本発明の実施の形態4に係るテレビ受像機を2画面テレビに適用した場合を示すブロック図である。図6において、図5との違いはコマーシャル検出手段51に代わって会話検出手段61が追加された点でその他は上記実施の形態と基本的に同じである。
会話検出手段61は、狭指向性用AV切換手段17で選択した,狭指向性用の音声信号から,放送番組中の会話期間を検出する。会話の検出は、背景の音楽や効果音を含めて、単純に音圧で判定すること(正確には会話の検出ではないが)、音声信号の周波数成分を解析してホルマント成分を検出すること等およびこれらを組み合わせて検出することができる。
会話検出手段61で検出した音声信号が、重要である期間を表した情報は、音量制御手段26を経由して、超音波音圧調整手段41に供給され、例えば、会話と検出した期間は、超音波音圧「中」、会話と検出しなかった期間は超音波音圧「弱」として狭指向性スピーカ25から出力する。
以上のように、番組中の音声の聞き取りが重要な会話期間であるか否かを検出して、超音波の音圧を変更することで、番組中の重要な場面の会話を聞き逃すことなく、長時間に渡って大きな音圧の超音波暴露に対応することができる。
実施の形態5.
実施の形態5は、番組の映像が単色または番組の音声が無音などの有効な信号がない期間を検出し、検出したの狭指向性スピーカ25からの出力音圧を下げて、視聴者の超音波の被爆量を少なくする効果がある実施の形態である。
実施の形態5は、番組の映像が単色または番組の音声が無音などの有効な信号がない期間を検出し、検出したの狭指向性スピーカ25からの出力音圧を下げて、視聴者の超音波の被爆量を少なくする効果がある実施の形態である。
図7は本発明の実施の形態5に係るテレビ受像機を2画面テレビに適用した場合を示すブロック図である。図7において、超音波音圧削減指示手段71が追加されている。
超音波音圧削減指示手段71は、超音波の搬送波が所定の音圧レベル以上で連続して再生されている時間を計時、また狭指向性スピーカシステムで再生する音声チャンネルの信号レベルが所定レベル以下となる無音時間を計時、また狭指向性スピーカシステムで再生する音声チャンネルが付帯する映像が単色映像である無信号時間を計時して、いずれかが各々の所定の時間を越えた時に、超音波の音圧を削減する指示を音量制御手段26を経由して超音波音圧調整手段41に供給して、狭指向性スピーカ25からの超音波出力を低減する。
以上のように、長時間に渡って大きな音圧の超音波を出力していること、映像信号や音声信号が所定時間以上ないことを検出して、超音波の音圧を削減するので、長時間に渡って大きな音圧の超音波暴露に対応することができる。??
以上は、一般家庭のリビングに設置されるようなテレビ受像機について説明したが、車載用のテレビについても応用可能である。車の場合は座席の関係から視聴する位置が限定されるが、その中で他の人と同じ音楽を聴いて共有したい場合や、個別の音楽を楽しみたい場合があり、これらに対応することができる。また、搭乗者全員で音楽を共有しながら、運転者のみに車載情報機器からの情報を音声で伝える(例えばナビ機能の音声によるルート案内)ことも可能になる。
1 テレビ受像機、
2 画面表示部、
3 音声出力部、
11 アンテナ、
13 第一のチューナ、
14 第二のチューナ、
16 広指向性用AV切替手段、
17 狭指向性用AV切替手段、
18 映像選択合成手段、
19 広指向性用音声処理手段、
20 狭指向性用音声処理手段、
21 映像表示手段、
22 広指向性スピーカ、
24 変調手段、
25 狭指向性スピーカ、
41 超音波音圧調整手段、
42 ユーザ設定手段、
51 コマーシャル検出手段、
61 会話検出手段、
。
2 画面表示部、
3 音声出力部、
11 アンテナ、
13 第一のチューナ、
14 第二のチューナ、
16 広指向性用AV切替手段、
17 狭指向性用AV切替手段、
18 映像選択合成手段、
19 広指向性用音声処理手段、
20 狭指向性用音声処理手段、
21 映像表示手段、
22 広指向性スピーカ、
24 変調手段、
25 狭指向性スピーカ、
41 超音波音圧調整手段、
42 ユーザ設定手段、
51 コマーシャル検出手段、
61 会話検出手段、
。
Claims (15)
- 入力された音声信号を音声出力する音声出力部と、
超音波の搬送波を利用して前記音声出力部より狭い指向性で入力された音声信号を音声出力する狭指向性音声出力部と、
前記音声出力部の出力音量を制御する音声音量制御部と、
前記搬送波に載せる信号の変調度および前記搬送波の音圧レベルによって前記狭指向性音声出力部の出力音量を制御する狭指向性音声音量制御部とを備えた音声出力装置。 - 狭指向性音声音量制御部は、所定の音量以下の音量制御に、搬送波に乗せる信号の変調度による制御を用いることを特徴とする請求項1に記載の音声出力装置。
- 音声出力部へ入力される音声信号と狭指向性音声出力部へ入力される音声信号とは、異なるプログラムであり、
前記音声出力部へ入力される音声信号および前記狭指向性音声出力部へ入力される音声信号を切替えて出力する切替部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の音声出力装置。 - 音声出力部および狭指向性音声出力部の両方の音量を連動して変化させるボリューム値を入力させる入力部と、
前記ボリューム値に応じて音声音量制御部および狭指向性音声音量制御部に与える音量を現在の各制御部の音量および予め定めた制御特性に基づいて決定する音量連動制御部とを備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の音声出力装置。 - 音声出力部へ入力される音声信号と狭指向性音声出力部へ入力される音声信号とは、同じプログラムであることを特徴とする請求項1または2に記載の音声出力装置。
- 切替部は、音声信号の低域成分が多いプログラムを音声出力部へ出力するように切替えることを特徴とする請求項3に記載の音声出力装置。
- 狭指向性音声出力部は、音声の出力方向を変更する出力方向変更手段を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の音声出力装置。
- 狭指向性音声出力部に入力された音声信号がコマーシャルであることを検出するコマーシャル検出手段を備え、
狭指向性音声音量制御部は、前記コマーシャル検出手段がコマーシャルと検出した期間の搬送波の音圧レベルを下げることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の音声出力装置。 - 狭指向性音声出力部に入力された音声信号が会話であることを検出する会話検出手段を備え、
狭指向性音声音量制御部は、前記会話検出手段で会話として検出された期間以外の搬送波の音圧レベルを下げることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の音声出力装置。 - 狭指向性音声出力部で出力する超音波の搬送波が所定の音圧レベル以上で出力されている時間を計測して累積時間を求める累積時間計測部を備え、
狭指向性音声音量制御部は、前記累積時間が所定量以上と判断すると前記搬送波の音圧レベルを下げることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の音声出力装置。 - 狭指向性音声出力部で出力する音声信号の信号レベルが所定レベル以下で一定時間以上継続した無音期間を検出する無音検出部を備え、
狭指向性音声音量制御部は、前記無音検出部で検出された無音期間の搬送波の音圧レベルを下げることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の音声出力装置。 - 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の音声出力装置を備え、
音声出力部および狭指向性音声出力部に入力された音声信号に付随する映像を出力するテレビ受像機。 - 映像信号から単色画像が所定期間継続するのを検出する単色映像検出手段を備え、
狭指向性音声音量制御部は、前記単色映像検出手段で検出した映像信号が単色画像である期間の搬送波の音圧レベルを下げることを特徴とする請求項12に記載のテレビ受像機。 - 請求項3に記載の音声出力装置を備え、音声出力部および狭指向性音声出力部に入力された音声信号に付随する映像をそれぞれ画面に出力するテレビ受像機であって、
切替手段は、前記画面に出力される映像の位置の切替えを検出すると、前記音声出力部へ入力される音声信号および前記狭指向性音声出力部へ入力される音声信号を切替えることを特徴とするテレビ受像機。 - 請求項8に記載の音声出力装置を備え、音声出力部および狭指向性音声出力部に入力された音声信号に付随する映像を出力するテレビ受像機であって、
コマーシャル検出手段は、狭指向性音声出力部に入力された音声信号に付随する映像にも基づいてコマーシャルを検出することを特徴とするテレビ受像機。
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