JP2011100694A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水電解質二次電池の短絡を防ぐ。
【解決手段】リチウム含有複合酸化物を含有する正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極と、正極及び負極の間に配置された多孔質絶縁体とを備えた非水電解質二次電池であって、正極と負極と多孔質絶縁体とを含む電極群を非水電解質とともに電池ケースに封入して形成されており、多孔質絶縁体のガーレ数が100[sec/100ml]以上1000[sec/100ml]以下であり、多孔質絶縁体の平均孔径が0.05μm以上0.15μm以下である。
【選択図】なし
【解決手段】リチウム含有複合酸化物を含有する正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極と、正極及び負極の間に配置された多孔質絶縁体とを備えた非水電解質二次電池であって、正極と負極と多孔質絶縁体とを含む電極群を非水電解質とともに電池ケースに封入して形成されており、多孔質絶縁体のガーレ数が100[sec/100ml]以上1000[sec/100ml]以下であり、多孔質絶縁体の平均孔径が0.05μm以上0.15μm以下である。
【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解質二次電池に関し、特にリチウム含有複合酸化物を含有する正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極と、正極及び負極の間に配置された多孔質絶縁体とを備え、正極と負極と多孔質絶縁体とを含む電極群を非水電解質とともに電池ケースに封入して形成されている非水電解質二次電池に関するものである。
近年、環境問題から、自動車搭載用の二次電池、又は大型工具のDC化のための二次電池において、急速充電及び大電流放電可能な小型・軽量な二次電池が要求されている。そのような要求を満たす典型的な電池として、特にリチウム金属若しくはリチウム合金等の活物質、又はリチウムイオンをホスト物質(ここで「ホスト物質」とは、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる物質をいう。)である炭素(黒鉛)に吸蔵させたリチウムインターカレーション化合物を負極材料とし、LiClO4又はLiPF6等のリチウム塩を溶解した非プロトン性の有機溶媒を電解液とする非水電解質二次電池が挙げられる。
この非水電解質二次電池は、一般的に、上記の負極材料がその支持体である負極集電体に保持されてなる負極、リチウムコバルト複合酸化物のようにリチウムイオンと可逆的に電気化学反応をする正極活物質がその支持体である正極集電体に保持されてなる正極、及び電解液を保持すると共に負極と正極との間に介在されて負極と正極との間に短絡が生じることを防止する多孔質絶縁体(セパレータ)からなる。
そして、シート状又は箔状に形成された正極及び負極が、多孔質絶縁体を介して順に積層される、又は多孔質絶縁体を介して渦巻き状に捲回されて、発電要素となる。そして、その発電要素が、ステンレス製、ニッケルメッキを施した鉄製、又はアルミニウム製等の金属からなる電池ケースに収納される。そして、電解液を電池ケース内に注液した後、電池ケースの開口端部に蓋板を密封固着して、非水電解質二次電池が構成される。あるいは金属製の電池ケースに代えてアルミラミネートフィルムを外装に用いた非水電解質二次電池が構成される。
非水電解質二次電池(以下、単に「電池」と称することもある)においては、電池内に金属異物が混入するとそれが正極と負極とを接続して短絡させてしまうという問題がある。金属異物が大きなものであれば、そのままの状態でセパレータを突き破ってしまう場合があるが、たとえ金属異物が小さなものであって電解質に溶け込んだ後、電池反応によってまず負極側析出し、その後さらに析出を続け正極側に延びていって短絡させてしまうおそれがある。
上記のことをもう少し詳しく説明すると、正極を製造する際に混入する不純物には、通常金属異物が多く含まれる。代表的なものとして活物質や導電剤合成中に入り込む金属異物、あるいは製造工程の中で欠けや摩耗により混入する金属異物が挙げられる。これらの金属異物として鉄、ニッケル、銅、ステンレス鋼、真鍮などが挙げられ、これらの金属異物は正極の作動電位において溶解する。
一般的な非水電解質二次電池において、電極群は正極と負極とが多孔質絶縁体を介して対向した状態で非常に近接した位置に配置される。ここで負極が充電状態(および充分低い電位にある状態)では溶解した金属異物元素のイオンが即座に負極表面上に析出し始め、最終的には正極まで到達し内部短絡に至る可能性がある。
金属異物の混入を完全に防ぐことができればよいが、電池ケースや集電体が金属からなっているため、製造の途中で切削くずという形で金属異物が混入することがあるとともに、活物質や導電剤に含まれる金属異物や製造工程中の機械由来の金属異物も混入してしまうことがあり、これらの金属異物混入を完全に防止することは非常に困難である。
本発明は、非水電解質二次電池において、上述のような短絡の課題を解決し安全に使用できる手段を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る非水電解質二次電池は、リチウム含有複合酸化物を含有する正極と、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された多孔質絶縁体とを備え、前記正極と前記負極と前記多孔質絶縁体とを含む電極群を非水電解質とともに電池ケースに封入して形成されており、前記多孔質絶縁体のガーレ数が100[sec/100ml]以上1000[sec/100ml]以下であり、前記多孔質絶縁体の平均孔径が0.05μm以上0.15μm以下である構成とした。
本発明では、多孔質絶縁体のガーレ数と平均孔径とを所定の範囲とすることによって、負極表面に析出する金属異物由来の析出物が正極にまで到達することを防ぎ、安全に電池を作動させることが可能になる。
(定義)
複合酸化物とは、2種以上の金属イオンを含む酸化物のうち,構造上オキソ酸イオンの存在が認められないものであり、酸化物とは、酸素を酸化数−2の状態で含むものをいう。従ってLiFePO4のような物質もリチウム含有複合酸化物である。
複合酸化物とは、2種以上の金属イオンを含む酸化物のうち,構造上オキソ酸イオンの存在が認められないものであり、酸化物とは、酸素を酸化数−2の状態で含むものをいう。従ってLiFePO4のような物質もリチウム含有複合酸化物である。
(実施形態)
実施形態について説明をする前に、本願発明を想到するに至った経緯について説明を行う。
実施形態について説明をする前に、本願発明を想到するに至った経緯について説明を行う。
非水電解質二次電池において高容量化の一つの手段として正極・負極それぞれの活物質を高密度につめこむ、あるいは負極であれば黒鉛材料より多量のリチウムを吸蔵できるケイ素やスズといった元素を含む合金材料を用いることが提案されている。このような合金材料を用いた負極は概して黒鉛材料に比べ、初回充電時の容量に比して初回放電時の容量が低い(不可逆容量が大きい)ことが課題としてあげられる。この課題を解決するため、特許文献1に記載されているようにあらかじめリチウムを負極に付与し不足分を補う技術が提案されている。
上述のようにあらかじめリチウムを付与した負極とリチウムコバルト複合酸化物のような一般的な正極とを組み合わせた電極群は、電解液を注液した直後から正極/負極の間で電位差が発生する。このとき正極中に不純物として混入した金属異物(例えば鉄、ニッケル、銅などの元素を含む金属粒など)はすぐさまに溶解反応が生じ、卑な電位を有する負極表面に析出する。一旦一箇所に析出が生じると、金属異物由来の金属イオンはその析出部分に集まってきて正極に向かって析出物(金属)が延びていく。この結果、正極と負極との間で金属導通体の形成による内部短絡が生じる。上述のような構成では非常に少ない量の金属異物の混入であっても短絡が生じやすく、短絡による電圧不良率が大きく増加する。
また、負極に予めリチウムを付与しない構成の電池であっても、充放電を行う間にやはり金属異物に由来する析出物が負極から正極に向かって延びていって短絡が生じることがある。
金属異物の混入を完全に防止することは非常に困難であるので、金属異物が混入することを前提にとしてこのような短絡を防ぐにはどうしたら良いかを種々検討し、発明者らは本願発明を想到するに至った。
以下に、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
実施形態に係るリチウムイオン電池においては、セパレータとして用いられる多孔質絶縁体のガーレ数が100[sec/100ml]以上1000[sec/100ml]以下であって、多孔質絶縁体の平均孔径が0.05μm以上0.15μm以下である構成としている。ガーレ数を測定する手段として基本的にはJIS規格P8117で規格されている手法を用いる。平均孔径の測定方法は特に限定されないが、例えば水銀圧入法を挙げることができる。水銀圧入法は、多孔質絶縁体に水銀を圧入していき、圧入する圧力と注入量との関係から孔径を測定する方法であり、Washburn の式:Pr=−2γcosθ、Pは圧力、rは孔半径、γは水銀の表面張力、θは水銀と試料との接触角、により孔径を算出する。
多孔質絶縁体を上記の構成とすることで、負極表面に析出する金属異物由来の析出物が多孔質絶縁体の孔内を貫通しにくくなるものと推定している。上記構成は析出物が多孔質絶縁体の孔内壁面に沿って析出することを利用しており、多孔質絶縁体内の孔と孔の間の距離を長くし、かつ小さく多数の孔をつなぐことで析出物が負極表面から正極表面に達することが防がれているものと考えられる。このようなメカニズムから考えると、ガーレ数が大きいほど、また平均孔径が小さいほど金属異物由来の析出物が負極表面から正極表面に達しにくくなると考えられるが、ガーレ数が大きすぎる、あるいは平均孔径が小さすぎると多孔質絶縁体内のイオン移動度が低下して、大電流放電時に電解液の供給が不足するようになって大電流の放電に不利になる。
実施形態において正極は、リチウム含有複合酸化物を活物質として含有しており、この複合酸化物には、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素が含まれていることが好ましい。
正極と負極とが有するリチウムの総モル量xと、前記リチウム複合酸化物に含まれるリチウム以外の金属元素の総モル量yとの比(x/y)が1.05よりも大きいと特に効果が大きい。このような電池の構成は、負極活物質の不可逆容量を外部からのリチウム導入によって補填し、電池を高容量化する場合に用いる。リチウムの導入方法としては電極群構成前に負極上にリチウムを蒸着する、あるいは前記負極の表面または一部の箇所に金属リチウムが接触することによって行われる。その反面、電極群に電解液を注入した直後から正極と負極との間で大きな電位差が発生し、正極中の金属異物の溶解、負極表面上への析出反応が即座に発生する。このような現象に対し、本実施形態は劇的に効力を示す。
なお、x/yが1.5よりも大きくなると、負極中に多くのリチウムが存在するために負極が膨張した状態を維持し、そのため電解液が負極中に入りにくくなって充放電サイクル特性が低下してしまうので、x/yは1.5以下であることが好ましい。また、負極中に留まったままで充放電に寄与しないリチウム量が多くなって熱安定性が低下してしまうことを考慮すると、x/yは1.25以下であることがより好ましい。
以下に、第1の実施形態に係る非水電解質二次電池としてリチウムイオン二次電池を具体例に挙げ、その構成について図1を参照しながら説明する。
図1は、実施形態1に係る非水電解質二次電池の構成について示す模式的な縦断面図である。
本実施形態に係る非水電解質二次電池は、図1に示すように、例えばステンレス鋼製の電池ケース1と、電池ケース1内に収容された電極群8とを備えている。
電池ケース1の上面には開口1aが形成されている。開口1aにはガスケット3を介して封口板2がかしめつけられており、これにより、開口1aは封じられている。
電極群8は、正極4と、負極5と、例えばポリエチレン製のセパレータ(多孔質絶縁体)6とを有しており、正極4と負極5とがセパレータ6を介して渦巻状に捲回されて構成されている。電極群8の上方には上部絶縁板7aが配置されており、電極群8の下方には下部絶縁板7bが配置されている。
正極4にはアルミニウム製の正極リード4aの一端が取り付けられており、その正極リード4aの他端は正極端子を兼ねる封口板2に接続されている。負極5にはニッケル製の負極リード5aの一端が取り付けられており、その負極リード5aの他端は負極端子を兼ねる電池ケース1に接続されている。
正極4は、正極集電体と正極合剤層とを有している電極板である。正極集電体は、導電性の板状部材であり、具体的には例えば、アルミニウムを主とする部材からなる。正極合剤層は、正極集電体の表面(両面)に設けられ、正極活物質(例えばリチウム複合酸化物)を含んでおり、正極活物質以外に結着剤を含んでいる。正極合剤層にはさらに導電剤等が含まれていることが好ましい。
負極5は、負極集電体と負極合剤層とを有している電極板である。負極集電体は、導電性の板状部材である。負極合剤層は、負極集電体の表面(両面)に設けられ、負極活物質を含んでいる。負極合剤層には、負極活物質以外に結着剤が含まれていることが好ましい。
セパレータ6は、正極4と負極5との間に配置されて正極4と負極5とが直接接触しないようにしている。
以下に、本実施形態に係る非水電解質二次電池を構成する正極4、負極5、セパレータ6、及び非水電解質のそれぞれについて、詳細に説明する。
まず、正極について詳細に説明する。
−正極−
正極4を構成する正極集電体及び正極合剤層のそれぞれについて順に説明する。
正極4を構成する正極集電体及び正極合剤層のそれぞれについて順に説明する。
正極集電体には、多孔性構造又は無孔性構造の長尺の導電性基板が使用される。正極集電体の材料は、主としてアルミニウムからなる金属箔が使用される。正極集電体の厚さは、特に限定されないが、1μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であればさらに好ましい。このように正極集電体の厚さを上記範囲内とすることによって、正極4の強度を保持しながら正極4の重量を軽量化できる。
以下に、正極合剤層に含まれる正極活物質、結着剤、及び導電剤のそれぞれについて順に説明する。
<正極活物質>
正極活物質としてはリチウム含有複合酸化物が好ましく、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiCoxNi1−xO2、LiCoxM1−xO2、LiNixM1−xO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiMn2O4、LiMnMO4、LiMePO4、Li2MePO4F(但し、M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb及びBのうちの少なくとも1つ、xは0<x<1であり、Me=Fe、Mn、Co、Niから選択される少なくとも1種を含む金属元素)が挙げられる、又はこれら含リチウム化合物の一部元素が異種元素で置換されたものが挙げられる。また、正極活物質として、金属酸化物、リチウム酸化物又は導電剤等で表面処理された正極活物質を用いても良く、表面処理としては例えば疎水化処理が挙げられる。
正極活物質としてはリチウム含有複合酸化物が好ましく、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiCoxNi1−xO2、LiCoxM1−xO2、LiNixM1−xO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiMn2O4、LiMnMO4、LiMePO4、Li2MePO4F(但し、M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb及びBのうちの少なくとも1つ、xは0<x<1であり、Me=Fe、Mn、Co、Niから選択される少なくとも1種を含む金属元素)が挙げられる、又はこれら含リチウム化合物の一部元素が異種元素で置換されたものが挙げられる。また、正極活物質として、金属酸化物、リチウム酸化物又は導電剤等で表面処理された正極活物質を用いても良く、表面処理としては例えば疎水化処理が挙げられる。
正極活物質の平均粒子径は、5μm以上20μm以下であることが好ましい。正極活物質の平均粒子径が5μm未満であると、活物質粒子の表面積が極めて大きくなって正極板を充分にハンドリング可能な程度の接着強度を満たす結着剤量が極端に多くなる。このため極板あたりの活物質量が減少することになり容量低下してしまう。一方、20μmを超えると、正極集電体に正極合剤スラリーを塗工する際に、塗工スジが発生し易い。
<結着剤>
結着剤としては、例えばPVDF、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム又はカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。または、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸及びヘキサジエンから選択された2種以上の材料を共重合させた共重合体、又は選択された2種以上の材料を混合した混合物が挙げられる。
結着剤としては、例えばPVDF、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム又はカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。または、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸及びヘキサジエンから選択された2種以上の材料を共重合させた共重合体、又は選択された2種以上の材料を混合した混合物が挙げられる。
上記に列挙した結着剤の中でも、特にPVDF及びその誘導体は、非水電解質二次電池内において化学的に安定であり、正極合剤層と正極集電体とを充分に結着させると共に、正極合剤層を構成する正極活物質と、結着剤と、導電剤とを充分に結着させるため、良好な充放電サイクル特性及び放電性能が得られる。そのため、本実施形態の結着剤として、PVDF又はその誘導体を用いることが好ましい。加えて、PVDF及びその誘導体は、コスト的にも安価であるため好ましい。なお、結着剤としてPVDFを用いた正極を作製するには、正極の作製の際に、例えばPVDFをNメチルピロリドンに溶解させて用いる場合、又は粉末状のPVDFを正極合剤スラリー中に溶解させて用いる場合が挙げられる。
<導電剤>
導電剤としては、例えば天然黒鉛若しくは人造黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック(AB:acetylene black)、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック若しくはサーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維若しくは金属繊維等の導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛若しくはチタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物、又はフェニレン誘導体等の有機導電性材料等が挙げられる。
導電剤としては、例えば天然黒鉛若しくは人造黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブラック(AB:acetylene black)、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック若しくはサーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維若しくは金属繊維等の導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛若しくはチタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物、又はフェニレン誘導体等の有機導電性材料等が挙げられる。
次に、負極について詳細に説明する。
−負極−
負極5を構成する負極集電体及び負極合剤層のそれぞれについて順に説明する。
負極5を構成する負極集電体及び負極合剤層のそれぞれについて順に説明する。
負極集電体には、多孔性構造又は無孔性構造の長尺の導電性基板が使用される。負極集電体の材料としては、例えばステンレス鋼、ニッケル、又は銅等が挙げられる。負極集電体の厚さは、特に限定されないが、1μm以上500μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であればさらに好ましい。このように負極集電体の厚さを上記範囲内とすることによって、負極5の強度を保持しながら負極5の重量を軽量化できる。
負極合剤層は、負極活物質以外に、結着剤を含んでいることが好ましい。
以下に、負極合剤層に含まれる負極活物質について説明する。
<負極活物質>
負極活物質としてはリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な物質が用いられ、例えば金属、金属繊維、炭素材料、酸化物、窒化物、珪素化合物、錫化合物又は各種合金材料等が挙げられる。これらのうち炭素材料の具体例としては、例えば各種天然黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、各種人造黒鉛又は非晶質炭素等が挙げられる。
負極活物質としてはリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な物質が用いられ、例えば金属、金属繊維、炭素材料、酸化物、窒化物、珪素化合物、錫化合物又は各種合金材料等が挙げられる。これらのうち炭素材料の具体例としては、例えば各種天然黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、各種人造黒鉛又は非晶質炭素等が挙げられる。
ここで、珪素(Si)若しくは錫(Sn)等の単体、又は珪素化合物若しくは錫化合物は容量密度が大きいため、負極活物質として、例えば珪素、錫、珪素化合物、又は錫化合物を用いることが好ましい。これらのうち珪素化合物の具体例としては、例えばSiOx(但し0.05<x<1.95)、又はB、Mg、Ni、Ti、Mo、Co、Ca、Cr、Cu、Fe、Mn、Nb、Ta、V、W、Zn、C、N及びSnからなる元素群から選択された少なくとも1種以上の元素でSiの一部を置換した珪素合金、若しくは珪素固溶体等が挙げられる。また錫化合物の具体例としては、例えばNi2Sn4、Mg2Sn、SnOx(但し0<x<2)、SnO2、又はSnSiO3等が挙げられる。なお、負極活物質は、上記に列挙された負極活物質のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらには負極集電体上に上記の珪素、錫、珪素化合物、又は錫化合物を薄膜状に堆積させた負極も挙げられる。
次に、セパレータについて詳細に説明する。
−セパレータ(多孔質絶縁体)−
正極4と負極5との間に介在されるセパレータ6としては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度と絶縁性とを兼ね備えた微多孔薄膜、織布又は不織布等が挙げられる。特に、セパレータ6として、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンを用いることが好ましい。ポリオレフィンは耐久性に優れ且つシャットダウン機能を有するため、リチウムイオン二次電池の安全性を向上させることができる。
正極4と負極5との間に介在されるセパレータ6としては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度と絶縁性とを兼ね備えた微多孔薄膜、織布又は不織布等が挙げられる。特に、セパレータ6として、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンを用いることが好ましい。ポリオレフィンは耐久性に優れ且つシャットダウン機能を有するため、リチウムイオン二次電池の安全性を向上させることができる。
このセパレータ6はガーレ数が100[sec/100ml]以上1000[sec/100ml]以下で、平均孔径が0.05μm以上0.15μm以下の多数の孔をもった構成である。前記数値を有するセパレータを用いることでセパレータ内部の孔と孔との間の距離を長くし、かつ小さく多数の孔をつなぐこと、セパレータ内壁面の総距離を長くすることで壁面に沿って析出する析出物が負極表面から正極表面に達することを防ぐ。
ガーレ数を測定する手段として基本的にはJIS規格P8117で規格されている手法を用いる。具体的にはセパレータを50mm×50mmで切り出した後、円孔径28.6mm(透過面積642mm2)の透過領域を一定量の空気を通り抜ける時間(秒)を計測した結果であり、本発明では100cm3の空気が通過した量を用いる。
セパレータ6の平均孔径は、例えば水銀圧入法によって測定すればよい。
セパレータ6の厚さは、一般的に10μm以上300μm以下であるが、10μm以上40μm以下であることが好ましい。また、セパレータ6の厚さは、15μm以上30μm以下であることがより好ましく、10μm以上25μm以下であればさらに好ましい。また、セパレータ6として微多孔薄膜を用いる場合には、微多孔薄膜は、1種の材料からなる単層膜であってもよく、1種又は2種以上の材料からなる複合膜又は多層膜であってもよい。また、セパレータ6の空孔率は、30%以上70%以下であることが好ましく、35%以上60%以下であればさらに好ましい。ここで空孔率とは、セパレータの全体積に対する孔部の体積の比率を示す。
次に、非水電解質について詳細に説明する。
−非水電解質−
非水電解質としては、液状、ゲル状又は固体状の非水電解質を使用できる。
非水電解質としては、液状、ゲル状又は固体状の非水電解質を使用できる。
液状非水電解質(非水電解液)は、電解質(例えばリチウム塩)と、この電解質を溶解させる非水溶媒とを含む。
ゲル状非水電解質は、非水電解質と、この非水電解質を保持する高分子材料とを含む。この高分子材料としては、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、又はポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。
固体状非水電解質は、高分子固体電解質を含む。
ここで、非水電解液について、以下に詳細に説明する。
電解質を溶解させる非水溶媒としては、公知の非水溶媒を使用できる。この非水溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、又は環状カルボン酸エステル等が用いられる。ここで環状炭酸エステルの具体的としては、例えばプロピレンカーボネート(PC;propylene carbonate)又はエチレンカーボネート(EC;ethylene carbonate)等が挙げられる。また、鎖状炭酸エステルの具体的としては、例えばジエチルカーボネート(DEC;diethyl carbonate)、エチルメチルカーボネート(EMC;ethylmethyl carbonate)又はジメチルカーボネート(DMC;dimethyl carbonate)等が挙げられる。また、環状カルボン酸エステルの具体例としては、例えばγ−ブチロラクトン(GBL;gamma-butyrolactone)又はγ−バレロラクトン(GVL;gamma-valerolactone)等が挙げられる。非水溶媒は、上記に列挙された非水溶媒のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非水溶媒に溶解させる電解質としては、例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ホウ酸塩類、又はイミド塩類等が用いられる。ここでホウ酸塩類の具体例としては、例えばビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O,O’)ホウ酸リチウム、又はビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O’)ホウ酸リチウム等が挙げられる。またイミド塩類の具体例としては、例えばビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO2)2NLi)、トリフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CF3SO2)(C4F9SO2))、又はビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((C2F5SO2)2NLi)等が挙げられる。電解質は、上記に列挙された電解質のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電解質の非水溶媒に対する溶解量は、0.5mol/m3以上2mol/m3以下であることが好ましい。
非水電解液は、電解質及び非水溶媒以外に、例えば負極上で分解してリチウムイオン伝導性の高い被膜を形成し、電池の充放電効率を高める添加剤を含んでいてもよい。このような機能を持つ添加剤としては、例えばビニレンカーボネート(VC;vinylene carbonate)、4−メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4−プロピルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート(VEC;vinyl ethylene carbonate)、又はジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。添加剤は、上記に列挙された添加剤のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、上記に列挙された添加剤のうち、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート及びジビニルエチレンカーボネートよりなる群から選択された少なくとも1種が好ましい。なお、添加剤としては、上記に列挙された添加剤の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたものであってもよい。
さらに、非水電解液は、電解質及び非水溶媒以外に、例えば過充電時に分解して電極上に被膜を形成し、電池を不活性化させる公知のベンゼン誘導体を含んでいてもよい。このような機能を持つベンゼン誘導体としては、フェニル基及び該フェニル基に隣接する環状化合物基を有するものが好ましい。ここでベンゼン誘導体の具体例としては、例えばシクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、又はジフェニルエーテル等が挙げられる。また、ベンゼン誘導体に含まれる環状化合物基の具体例としては、例えばフェニル基、環状エーテル基、環状エステル基、シクロアルキル基、又はフェノキシ基等が挙げられる。ベンゼン誘導体は、上記に列挙されたベンゼン誘導体のうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。但し、ベンゼン誘導体の非水溶媒に対する含有量は、非水溶媒全体の10vol%以下であることが好ましい。
なお、本実施形態に係る非水電解質二次電池の構成は、図1に示す構成に限定されるものではない。例えば、本実施形態に係る非水電解質二次電池は、図1に示すように円筒型に限定されるものではなく、角筒型又は高出力型であってもよい。また、電極群8は、図1に示すように正極4と負極5とがセパレータ6を介して渦巻き状に捲回された構成に限定されるものではなく、正極と負極とがセパレータを介して積層された構成であってもよい。
次に、実施形態1に係る非水電解質二次電池としてリチウムイオン二次電池を具体例に挙げ、その製造方法について前述の図1を参照しながら説明する。
正極4の作製方法、及び負極5の作製方法、並びに電池の製造方法について、順に説明する。
−正極の作製方法−
正極4の作製方法は次に示す通りである。まず正極活物質、結着剤(結着剤としては、前述の通り、例えばPVDF、PVDFの誘導体、又はゴム系結着剤が好適に用いられる)及び導電剤を液状成分に混合させて正極合剤スラリーを調製する。次に、得られた正極合剤スラリーを、アルミニウム箔からなる正極集電体の表面に塗布して乾燥させる。次に、表面に正極合剤スラリーが塗布乾燥された正極集電体を圧延(圧縮)し、所定の厚さを有する正極(正極板)を作製する。
正極4の作製方法は次に示す通りである。まず正極活物質、結着剤(結着剤としては、前述の通り、例えばPVDF、PVDFの誘導体、又はゴム系結着剤が好適に用いられる)及び導電剤を液状成分に混合させて正極合剤スラリーを調製する。次に、得られた正極合剤スラリーを、アルミニウム箔からなる正極集電体の表面に塗布して乾燥させる。次に、表面に正極合剤スラリーが塗布乾燥された正極集電体を圧延(圧縮)し、所定の厚さを有する正極(正極板)を作製する。
正極合剤スラリーに含まれる結着剤量は、正極活物質100vol%に対して3.0vol%以上6.0vol%以下であることが好ましい。言い換えれば、正極合剤層中に含まれる結着剤量は、正極活物質100vol%に対して3.0vol%以上6.0vol%以下であることが好ましい。
−負極の作製方法−
負極5の作製方法は次に示す通りである。まず負極活物質、及び結着剤を液状成分に混合させて負極合剤スラリーを調製する。次に、得られた負極合剤スラリーを、負極集電体の表面に塗布して乾燥させる。次に、表面に負極合剤スラリーが塗布乾燥された負極集電体を圧延し、所定の厚さを有する負極を作製する。
負極5の作製方法は次に示す通りである。まず負極活物質、及び結着剤を液状成分に混合させて負極合剤スラリーを調製する。次に、得られた負極合剤スラリーを、負極集電体の表面に塗布して乾燥させる。次に、表面に負極合剤スラリーが塗布乾燥された負極集電体を圧延し、所定の厚さを有する負極を作製する。
<電池の製造方法>
電池の製造方法は次に示す通りである。まず、図1に示すように、正極集電体にアルミニウム製の正極リード4aを取り付け、負極集電体にニッケル製の負極リード5aを取り付ける。その後、正極4と負極5とを、それらの間にセパレータ6を介して捲回し、電極群8を構成する。次に、電極群8の上端に上部絶縁板7aを配置する一方、電極群8の下端に下部絶縁板7bを配置する。その後、負極リード5aを電池ケース1に溶接すると共に、正極リード4aを内圧作動型の安全弁を有する封口板2に溶接して、電極群8を電池ケース1内に収納する。その後、減圧方式により、電池ケース1内に非水電解液を注液する。最後に、電池ケース1の開口端部をガスケット3を介して封口板2にかしめることにより、電池を製造する。
電池の製造方法は次に示す通りである。まず、図1に示すように、正極集電体にアルミニウム製の正極リード4aを取り付け、負極集電体にニッケル製の負極リード5aを取り付ける。その後、正極4と負極5とを、それらの間にセパレータ6を介して捲回し、電極群8を構成する。次に、電極群8の上端に上部絶縁板7aを配置する一方、電極群8の下端に下部絶縁板7bを配置する。その後、負極リード5aを電池ケース1に溶接すると共に、正極リード4aを内圧作動型の安全弁を有する封口板2に溶接して、電極群8を電池ケース1内に収納する。その後、減圧方式により、電池ケース1内に非水電解液を注液する。最後に、電池ケース1の開口端部をガスケット3を介して封口板2にかしめることにより、電池を製造する。
次に、実施例について、詳細に説明する。
<実施例1>
以下に、実施例の電池1の製造方法について詳細に説明する。
以下に、実施例の電池1の製造方法について詳細に説明する。
〔電池1〕
−正極の作製−
まず、平均粒子径が10μmのLiNi0.82Co0.15Al0.03O2を準備した。
−正極の作製−
まず、平均粒子径が10μmのLiNi0.82Co0.15Al0.03O2を準備した。
次に、導電剤としてアセチレンブラックと、N−メチルピロリドン(NMP)の溶剤に結着剤としてPVDFを溶解させた溶液と、正極活物質としてLiNi0.82Co0.15Al0.03O2とを混合し、正極合剤スラリーを得た。アセチレンブラックおよびPVDFは、それぞれ正極活物質100vol%に対して4.5vol%、4.7vol%の量とした。
この正極合剤スラリーを、正極集電体として厚さが15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥させた。その後、両面に正極合剤スラリーが塗布乾燥された正極集電体を圧延し、厚さ0.157mmの板状の正極用板を得た。この正極用板を幅57mm、長さ564mmに裁断して、厚さ0.157mm、幅57mm、長さ564mmの正極を得た。この正極には正極活物質は19g含有されており、その中にリチウムは1.36g含まれていた。
−負極の作製−
まず、負極集電体として厚さが18μmであり両面を粗面化加工した銅箔のそれぞれの面にシリコンを真空蒸着法によって成膜した。このとき真空蒸着機の中に酸素を25sccm導入しつつ、内部の真空度は1.5×10−3Paになるように制御して行った。シリコンの薄膜の膜厚はそれぞれの面で10μmになるように制御して成膜した。またこの薄膜の活物質組成はSiO0.42に相当することが燃焼法による酸素量測定とICP法によるシリコン量測定から判明した。
まず、負極集電体として厚さが18μmであり両面を粗面化加工した銅箔のそれぞれの面にシリコンを真空蒸着法によって成膜した。このとき真空蒸着機の中に酸素を25sccm導入しつつ、内部の真空度は1.5×10−3Paになるように制御して行った。シリコンの薄膜の膜厚はそれぞれの面で10μmになるように制御して成膜した。またこの薄膜の活物質組成はSiO0.42に相当することが燃焼法による酸素量測定とICP法によるシリコン量測定から判明した。
さらに、上記薄膜に対しリチウムを真空蒸着することで不可逆容量の低減を行った。リチウムは厚み3.2g/m2(6μm相当)になるように制御して蒸着した。リチウム蒸着後は露点―30℃以下のドライエア環境で取扱った。
この極板を幅58.5mm、長さ750mmに加工し負極を得た。この負極にはリチウムが0.14g含まれていた。
−非水電解液の調製−
非水溶媒として体積比が1:3となるように混合されたエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとからなる混合溶媒に、電池の充放電効率を高める添加剤として5wt%のビニレンカーボネートを添加すると共に、非水溶媒に対するモル濃度が1.4mol/m3となるように電解質としてLiPF6を溶解させて、非水電解液を得た。
非水溶媒として体積比が1:3となるように混合されたエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとからなる混合溶媒に、電池の充放電効率を高める添加剤として5wt%のビニレンカーボネートを添加すると共に、非水溶媒に対するモル濃度が1.4mol/m3となるように電解質としてLiPF6を溶解させて、非水電解液を得た。
−円筒型電池の作製−
まず、正極集電体にアルミニウム製の正極リードを取り付け、負極集電体にニッケル製の負極リードを取り付けた。その後、正極と負極とを、それらの間に多孔質ポリエチレン製のセパレータ(厚み20μm)を介して捲回し、電極群を構成した。このときに用いたセパレータはガーレ数430[sec/100ml](平均値)、平均孔径は0.09μmであった。この電極群の正極および負極に含まれるリチウム量をICP分析より求めたところ、正極に含まれるNi、CoおよびAlの総モル量を1とした場合、リチウムの総モル量は1.13という比率となった。なおガーレ数は、一つのセパレータのサンプルを5回測定してその平均値とした。
まず、正極集電体にアルミニウム製の正極リードを取り付け、負極集電体にニッケル製の負極リードを取り付けた。その後、正極と負極とを、それらの間に多孔質ポリエチレン製のセパレータ(厚み20μm)を介して捲回し、電極群を構成した。このときに用いたセパレータはガーレ数430[sec/100ml](平均値)、平均孔径は0.09μmであった。この電極群の正極および負極に含まれるリチウム量をICP分析より求めたところ、正極に含まれるNi、CoおよびAlの総モル量を1とした場合、リチウムの総モル量は1.13という比率となった。なおガーレ数は、一つのセパレータのサンプルを5回測定してその平均値とした。
次に、電極群の上端に上部絶縁板を配置すると共に電極群の下端に下部絶縁板を配置した。その後、負極リードを電池ケースに溶接すると共に、正極リードを内圧作動型の安全弁を有する封口板に溶接して、電極群を電池ケース内に収納した。その後、減圧方式により、電池ケース内に非水電解液を注液した。最後に、電池ケースの開口端部をガスケットを介して封口板にかしめることにより、電池を作製した。この電池を電池1とする。
〔電池2〕
セパレータをガーレ数130[sec/100ml](平均値)、平均孔径は0.15μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池2と称する。
セパレータをガーレ数130[sec/100ml](平均値)、平均孔径は0.15μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池2と称する。
〔電池3〕
セパレータをガーレ数440[sec/100ml](平均値)、平均孔径は0.05μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池3と称する。
セパレータをガーレ数440[sec/100ml](平均値)、平均孔径は0.05μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池3と称する。
〔電池4〕
セパレータをガーレ数960[sec/100ml](平均値)、平均孔径は0.05μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池4と称する。
セパレータをガーレ数960[sec/100ml](平均値)、平均孔径は0.05μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池4と称する。
電池1〜4のそれぞれにおいて組立直後の電池電圧は約2.8Vになるが、電池作成から48時間後の電池電圧測定を実施して48時間後の不良率を算出した。正極中に含まれる金属異物が溶解、負極上で析出して内部短絡を起こした場合、電池電圧は2.8Vより低くなるので、本実施形態では電池電圧が48時間後に2.6Vより低くなった場合を不良と判断し、50セル中の不良数をカウントして不良率を算出した。
また、電池1〜4のそれぞれにおいて放電容量の測定を実施した。放電容量の測定方法は次に示す通りである。各電池1〜4を25℃の環境下、1.4Aの定電流で電圧が4.15Vに至るまで充電を行い、その後4.15Vの定電圧で電流が50mAになるまで充電を行った後、0.56Aの定電流で電圧が2.0Vに至るまで放電を行った時の放電容量を測定した。
またこれらの電池について同様に充電を行った後、5.6Aの定電流で電圧が2.0Vに至るまで放電を行い高率放電時の電池容量を測定し、この値を用いて上記の放電容量を100としたときの高率放電時電池容量の割合を高率放電率とした。
さらにこれらの電池を用いて充放電サイクル特性の評価を行い、500サイクル後における内部短絡による不良の発生率を測定した。充放電サイクル特性の評価として、45℃の環境下、1.4Aの定電流で電圧が4.15Vになるまで充電を行い、その後4.15Vの定電圧で電流が50mAになるまで充電を行った後、2.8Aの定電流で電圧が2.0Vに至るまで放電を行う一連の作業を1サイクルとした。充電−放電間および放電−充電間はどちらも30分間の休止を設けた。
次に比較例として以下のような電池を作成した。
<比較例1>
〔電池5〕
セパレータをガーレ数90(平均値)、平均孔径は0.18μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池5と称する。
〔電池5〕
セパレータをガーレ数90(平均値)、平均孔径は0.18μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池5と称する。
〔電池6〕
セパレータをガーレ数1070(平均値)、平均孔径は0.04μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池6と称する。
セパレータをガーレ数1070(平均値)、平均孔径は0.04μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池6と称する。
〔電池7〕
セパレータをガーレ数1100(平均値)、平均孔径は0.12μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池7と称する。
セパレータをガーレ数1100(平均値)、平均孔径は0.12μmのものを用いて電池1と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池1と同様の条件で構成した電池を電池7と称する。
電池5乃至7も、電池1乃至4と同様に「組立後48時間後の不良率」、「放電容量」、「高率放電率」及び「500サイクル後の不良発生率」を評価した。評価結果を表1に記す。
<実施例2>
〔電池8〕
実施例1と同様の材料及び手法によって正極を作成した。この正極用板を幅57mm、長さ467mmに裁断して正極板を得た。この正極板には正極活物質は15.3g含有されており、その中にリチウムは1.09g含まれていた。
〔電池8〕
実施例1と同様の材料及び手法によって正極を作成した。この正極用板を幅57mm、長さ467mmに裁断して正極板を得た。この正極板には正極活物質は15.3g含有されており、その中にリチウムは1.09g含まれていた。
負極の作成においては、まず平均粒子径が約20μmになるように、鱗片状人造黒鉛を粉砕及び分級した。次に、負極活物質として100重量部の鱗片状人造黒鉛に、結着剤としてスチレンブタジエンゴムを3重量部とカルボキシメチルセルロースを1重量%含む水溶液100重量部とを加えて混合し、負極合剤スラリーを得た。この負極合剤スラリーを、負極集電体として厚さ8μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥させて負極合剤層とした。その後、両面に負極合剤スラリーが塗布乾燥された負極集電体を圧延し、厚さ0.156mmの板状の負極用板を得た。この負極用板に対し、190℃の下、8時間、窒素雰囲気中にて、熱風により熱処理を施した。この負極用板を裁断して厚さ0.156mm、幅58.5mm、長さ750mmの負極板を得た。電極群構成時に正極活物質と対向しない負極部分はあらかじめ負極活物質を除去した。
この負極板の長手方向端部の銅箔表面上に厚み100μm、幅50mm、長さ50mmの金属リチウムを貼り付けた。このリチウムの重さは0.13gであった。正極と負極とのリチウムの総量は1.22gであり、正極に含まれるNi、CoおよびAlの総モル量を1とするとリチウムの総モル量は1.12という比率となった。
上記負極と正極とをポリエチレン製の多孔質絶縁体(セパレータ、厚み20μm)を介して捲回し、電極群を構成した。このときに用いたセパレータはガーレ数430(平均値)、平均孔径は0.09μmであった。それ以外は電池1と同様に電池を作成した。この電池を電池8と称する。
〔電池9〕
負極の作成において、金属リチウムの貼付を行わないこと以外は電池8と同様にして電池を作成した。この電池を電池9と称する。
負極の作成において、金属リチウムの貼付を行わないこと以外は電池8と同様にして電池を作成した。この電池を電池9と称する。
<比較例2>
〔電池10〕
セパレータをガーレ数90(平均値)、平均孔径は0.18μmのものを用いて電池8と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池8と同様の条件で構成した電池を電池10と称する。
〔電池10〕
セパレータをガーレ数90(平均値)、平均孔径は0.18μmのものを用いて電池8と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池8と同様の条件で構成した電池を電池10と称する。
〔電池11〕
セパレータをガーレ数1070(平均値)、平均孔径は0.04μmのものを用いて電池8と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池8と同様の条件で構成した電池を電池11と称する。
セパレータをガーレ数1070(平均値)、平均孔径は0.04μmのものを用いて電池8と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池8と同様の条件で構成した電池を電池11と称する。
〔電池12〕
セパレータをガーレ数1100(平均値)、平均孔径は0.12μmのものを用いて電池8と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池8と同様の条件で構成した電池を電池12と称する。
セパレータをガーレ数1100(平均値)、平均孔径は0.12μmのものを用いて電池8と同様に電極群を構成した。セパレータ以外は電池8と同様の条件で構成した電池を電池12と称する。
これらの電池8〜12において放電容量の測定を実施した。放電容量の測定方法は以下に示す通りである。
各電池8〜12を25℃の環境下、1.4Aの定電流で電圧が4.2Vに至るまで充電を行い、4.2Vの定電圧で電流が50mAになるまで充電を行った後、0.56Aの定電流で電圧が2.5Vに至るまで放電を行った時の容量を測定し放電容量とした。
電池8乃至12において実施例1の電池と同様に「高率放電率」、「組立後48時間後の不良率」および「500サイクル後の不良発生率」を評価した。このとき500サイクル後の不良発生率の測定において充電終止電圧を4.2Vに、放電終止電圧を2.5Vに設定して行った。評価結果を表2に記す。
以下に実施例1、2及び比較例1、2について、表1、2に基づいて詳細に検討する。
実施例1において、電池1乃至4では組立48時間後および500サイクル後での短絡による不良発生率は0であった。これらの電池を分解して負極およびセパレータの断面を観察すると、一部にFeやNiなどの金属元素の析出物が観察された。ただし、これらの析出物は正極に到達するに至っておらず、負極表面近傍からセパレータ内を屈曲・枝状に分岐した状態で析出していることが判明した。
これに対して比較例1の電池5では、組立48時間後および500サイクル後において90%以上の数の電池が短絡した。電池5において短絡した電池を同様に解析したところ、金属が針状に析出し、かつセパレータ内を負極から正極まで最短距離で到達するように析出していた。短絡に至らなかった電池においても500サイクル後には短絡には至っていないが正極に近い位置までセパレータ内に析出した形態になっていることが判明した。比較例1の電池6は、組立後48時間後の不良率は0%であったが、500サイクル後は14%の不良発生率となった。
電池1〜4および電池5〜7においてセパレータ部分そして電解液に存在する析出物の金属と同じ金属種の量をICP分析で定量したところ、電解液中の存在量はほぼ同量であることが判明した。どちらの場合においても溶解した金属異物量は同等であるが、析出形態が異なるために短絡に至る場合と至らない場合が存在することが判明した。
また電池6および電池7において放電容量は他の電池とほぼ同等だったものの高率放電率では著しく低下することが判明した。この要因はセパレータのイオン透過性が低過ぎるために高率電流下での電解液の供給が追いつかず、その結果高率放電率が低下したと考えられる。
また電池6において500サイクル後の不良発生率が他の実施例や電池7に対して高い値を有する。この原因を調査するため、500サイクル後の短絡した電池を分解したところ、セパレータ中を金属リチウムが負極表面から正極表面まで貫通しており、その短絡によって不良に至ったと考えられる。
実施例2の電池8,9でも、組立48時間後および500サイクル後での短絡による不良発生率は0であった。比較例2の電池10は、組立48時間後および500サイクル後での短絡による不良発生率が90%であり、電池11は500サイクル後の短絡による不良発生率が8%であった。これらの電池を分解したところ実施例1、比較例1と同様の析出構造が観察された。また、比較例2の電池11,12において、比較例1の電池6,7と同じように高率放電率が著しく低下した。
電池9で放電容量が電池8に比べ少ないが、これは負極の不可逆容量の補填がされてないためである。またこの電池9の正極および負極の総リチウム量(モル量)を測定したところ、正極に含まれるNi、CoおよびAlの総モル量を1とした場合、リチウムの量は1.02となった。
なお、正極および負極の総リチウム量(モル量)および正極に含まれるNi、CoおよびAlの総モル量の測定は、電池を分解して正極及び負極をそれぞれ取り出して電解液を除去した後に、所定の処理を行ってICPによる金属種の定性・定量分析を行うことによって行った。正極にNi、CoおよびAl以外の金属種(例えばMn、Zn、Cr、Fe等)が含まれている場合も同じ手法で総モル量を測定することができる。
以上説明したように、本発明の非水電解質二次電池は、例えば高エネルギー密度化された民生用電源、自動車搭載用電源、又は大型工具用電源等として有用である。
1 電池ケース
4 正極
5 負極
6 セパレータ(多孔質絶縁体)
8 電極群
4 正極
5 負極
6 セパレータ(多孔質絶縁体)
8 電極群
Claims (3)
- リチウム含有複合酸化物を含有する正極と、
リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な負極と、
前記正極及び前記負極の間に配置された多孔質絶縁体とを備え、
前記正極と前記負極と前記多孔質絶縁体とを含む電極群を非水電解質とともに電池ケースに封入して形成されており、
前記多孔質絶縁体のガーレ数が100[sec/100ml]以上1000[sec/100ml]以下であり、
前記多孔質絶縁体の平均孔径が0.05μm以上0.15μm以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記リチウム含有複合酸化物が、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
- 前記正極と負極とが有するリチウムの総モル量xと、前記リチウム複合酸化物に含まれるリチウム以外の金属元素の総モル量yとの比(x/y)が1.05よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の非水電解質二次電池。
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