JP2011099059A - 化合物半導体薄膜作製用インク、そのインクを用いて得た化合物半導体薄膜、その化合物半導体薄膜を備える太陽電池、及びその太陽電池の製造方法 - Google Patents

化合物半導体薄膜作製用インク、そのインクを用いて得た化合物半導体薄膜、その化合物半導体薄膜を備える太陽電池、及びその太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストの太陽電池の製造を可能とする化合物半導体薄膜作製用インク、その製造方法、そのインクを用いて得た化合物半導体薄膜、その化合物半導体薄膜を備える太陽電池、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】Se原子を含む化合物粒子、及びSe粒子を有機溶媒に分散させてなることを特徴とする化合物半導体薄膜形成用インク。このインクを塗布又は印刷し、熱処理することにより化合物半導体薄膜を形成することが出来、この化合物半導体薄膜を光吸収層として具備する太陽電池が構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、化合物半導体薄膜作製用インク、そのインクを用いて得た化合物半導体薄膜、その化合物半導体薄膜を備える太陽電池、及びその太陽電池の製造方法に関する。
太陽電池は、光起電力効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置であり、地球温暖化防止および枯渇資源代替対策などの観点から、近年、注目されている。
太陽電池は、最も重要な構成要素である光吸収層の材料の種類により、シリコン系(単結晶、多結晶、アモルファス、それらの複合体)、化合物半導体系(CIGS化合物、III-V族化合物、II-VI族化合物)、有機半導体系、及び色素増感系に大別される。これらの中でも、CIGS(CuInGaSe)化合物太陽電池は、光吸収層の光吸収係数が大きいこと、製造工程数が相対的に少ないこと、耐放射性能が高いこと、実験室では19%を超える光電変換効率を有すること等の優れた特性を有しているため、省資源及び温暖化抑止エネルギー源の一翼を担う次世代型太陽電池として期待されている。
現在、CIGS化合物太陽電池の最も重要な構成要素である光吸収層は、主に蒸着、スパッタなどの真空プロセスにより形成されている。しかし、真空プロセスでは、高価な真空設備が必要となり、製造工程も複雑であるため、CIGS化合物太陽電池は、発電コストが高いという欠点がある。また、大面積の製膜の際に、面内各元素の分布の均一性を保つことが難しいという欠点もある。
CIGS化合物太陽電池の更なる普及を図るためには、発電コストを更に低減することが不可欠である。最近、印刷工程という低コストの製膜方法によりCIGS層を形成する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法によると、高価な真空装置を必要とせず、工程もシンプルとなるため、発電コストが大幅に低下する可能性がある。また、面内各元素の分布が均一となり、変換効率が向上することも見込まれる。
しかし、印刷法では、その後の高温かつ長時間の熱処理工程が必要であるため、その熱処理工程においてCIGS化合物に含まれるSeが気化して抜けてしまい、必要とするp型結晶を得ることが難しいため、上記特許文献1では、セレン雰囲気や硫黄雰囲気において熱処理工程を行っている。しかしながら、セレン雰囲気は有毒であり、硫黄雰囲気はコントロールが困難である。従って、そのような問題点の対策のため、熱処理工程は複雑となり、製造コストが高くなるという問題がある。
特開2009−076842号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、低コストの太陽電池の製造を可能とする化合物半導体薄膜作製用インク、その製造方法、そのインクを用いて得た化合物半導体薄膜、その化合物半導体薄膜を備える太陽電池、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、Se原子を含む化合物粒子、及びSe粒子を有機溶媒に分散させてなることを特徴とする化合物半導体薄膜形成用インクを提供する。
このような化合物半導体薄膜形成用インクにおいて、平均粒径1nm以上200nm以下のSe粒子を用いることが出来る。また、平均粒径1nm以上200nm以下のSe原子を含む化合物粒子を用いることが出来る。
前記Se原子を含む化合物粒子として、CuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子、AgInGa1−xSe、(0≦x≦1)粒子、及びCuInGa1−x(Se1−y(0≦x≦1、0≦y≦1)粒子からなる群から選ばれた1種を用いることが出来る。
前記Se原子を含む化合物粒子として、CuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子を用いることが出来る。
この場合、前記Se粒子とCuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子のモル比をSe/CuInGa1−xSe=0.1〜3とすることが出来る。
本発明の第2の態様は、上述した化合物半導体薄膜形成用インクを塗布又は印刷し、熱処理してなることを特徴とする化合物半導体薄膜を提供する。
本発明の第3の態様は、上述した化合物半導体薄膜からなる光吸収層を具備することを特徴とする太陽電池を提供する。
本発明の第4の態様は、基板上に形成された電極上に、上述した化合物半導体薄膜形成用インクを塗布又は印刷し、化合物半導体塗膜を形成する工程、及び前記化合物半導体塗膜を熱処理して化合物半導体薄膜からなる光吸収層を形成する工程を具備することを特徴とする太陽電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、高い光電変換効率を有し、かつ低コストの化合物半導体薄膜を具備する太陽電池の製造を可能とする化合物半導体薄膜形成用インク、そのインクを用いて得た化合物半導体薄膜、その化合物半導体薄膜を備える太陽電池、及びその太陽電池の製造方法が提供される。
本発明の実施例に係る太陽電池の全体の構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態に係る化合物半導体薄膜形成用インクは、Se原子を含む化合物粒子、及びSe粒子を有機溶媒に分散させてなることを特徴とする。
Se粒子の平均粒径は、1nm以上200nm以下であることが好ましい。Se粒子の平均粒径が200nmより大きくなると、化合物半導体薄膜の熱処理工程において、化合物半導体薄膜に隙間ができやすく、光電変換効率が低下する傾向となる。一方、Se粒子の平均粒径が1nm未満であると、微粒子が凝集しやすくなり、インクの調製が困難となる。なお、Se粒子の平均粒径は、5nm以上100nm以下であることがより好ましい。
Se原子を含む化合物粒子の粒径は、1nm以上200nm以下であることが好ましい。Se原子を含む化合物粒子の平均粒径が200nmより大きくなると、化合物半導体薄膜の熱処理工程において、化合物半導体薄膜に隙間ができやすく、光電変換効率が低下する傾向となる。一方、Se原子を含む化合物粒子の平均粒径が1nm未満であると、微粒子が凝集しやすくなり、インクの調製が困難となる。なお、Se原子を含む化合物粒子の平均粒径は、5nm以上100nm以下であることがより好ましい。
Se原子を含む化合物粒子としては、目的の化合物半導体材料あるいは反応により化合物半導体となる材料を粒子としたものを用いることができ、CuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子、AgInGa1−xSe、(0≦x≦1)粒子、CuInGa1−x(Se1−y(0≦x≦1、0≦y≦1)粒子等を挙げることが出来る。これらの中では、CuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子が好ましい。
Se原子を含む化合物粒子として、CuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子を用いた場合、InとGaの割合を調整することにより、禁制帯幅を適宜変更することができる。
また、Se粒子とCuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子のモル比は、Se/CuInGa1−xSe=0.1〜3であることが望ましい。このモル比(Se/CuInGa1−xSe)が0.1未満であると、熱処理の際にSeが気化により抜けてSeが不足するため、CIGS層の結晶成長が不十分となり、光電変換効率が低くなる。モル比が3より大きくなると、熱処理後もSe粒子が残留し、光電変換効率が低くなる。
本発明の第1の実施形態に係る化合物半導体薄膜形成用インクは、Se原子を含む化合物粒子及びSe粒子を有機溶媒中に分散させることにより製造することが出来る。
有機溶媒としては、特に制限はない。例えば、アルコール、エーテル、エステル、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素などを使用することが出来る。好ましい有機溶媒は、メタノール、エタノール、プタノール等の炭素数10未満のアルコール、ジエチールエーテル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンであり、特に好ましい有機溶媒は、エタノール及びメタノールである。
本実施形態に係るインクには、Se原子を含む化合物粒子及びSe粒子を有機溶媒中に効率よく分散させるために、分散剤を配合することが出来る。分散剤としては、チオール類、セレノール類、炭素数10以上のアルコール類等を挙げることが出来る。
また、本実施形態に係るインクには、強度の高い化合物半導体薄膜を得るために、シリカバインダー等のバインダーを配合することも可能である。
なお、有機溶媒中の粒子の濃度は、特に制限されないが、通常は、1〜20重量%である。
本発明の第2の実施形態に係る化合物半導体薄膜は、上述したインクを基体上に塗布又は印刷し、乾燥して有機溶媒を除去し、次いで熱処理することにより形成されたものである。
塗布方法としては、ドクター法、スピンコーティング法等が挙げられ、印刷方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
塗布又は印刷により形成された塗膜の膜厚は、乾燥及び熱処理後の化合物半導体薄膜の膜厚が0.5〜10μm、例えば2μm程度になるような膜厚が好ましい。
熱処理は、加熱炉によるアニールのほか、ラピッドサーマルアニール(RTA)によっても行うことが出来る。
熱処理温度は、化合物半導体の結晶化に必要な温度である必要があるため、400℃以上であるのが望ましく、また基板としてガラス基板を用いた場合には、ガラス基板に耐え得る温度である必要があるため、600℃以下、特に550℃以下であるのが望ましい。
本実施形態に係る化合物半導体薄膜の製造プロセスにおいて、結晶成長を促進する観点から、インクの塗膜の上に、CuSeのナノ粒子層を塗布することが望ましい。このようにCuSeのナノ粒子層を塗布することにより、熱処理に際しCuSe層が液相となり、化合物半導体の結晶成長を促進し、化合物半導体結晶の粒径を増大させる効果がある。
CuSe粒子の平均粒径は、1nm以上200nm以下の範囲内であるのが好ましい。平均粒径が200nmより大きくなると、熱処理工程において、化合物半導体膜に隙間ができやすく、光電変換効率が低下する。平均粒径が1nm未満であると、微粒子が凝集しやすくなってしまい、インクの調製が困難となるため、1nm以上、より好ましくは 5nm以上の平均粒径が好ましい。
以上のように、本発明の第2の実施形態によると、化合物半導体形成可能なSe原子を含む化合物粒子及びSe粒子を分散したインクを塗布又は印刷し、乾燥及び熱処理することにより、従来の方法のように有毒なSe雰囲気やコントロールの困難な硫黄雰囲気を必要とすることなく、従ってシンプルな工程で低コストでの化合物半導体薄膜の形成が可能である。
次に、本発明の第3の実施形態に係る太陽電池について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の第3の実施形態に係る太陽電池を示す断面図である。図1に示す太陽電池では、基板101上に裏面電極102が形成されている。基板101としては、ソーダライムガラス、金属板、プラスチックフィルムなどを用いることができる。裏面電極102としては、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)などの金属を用いることができる。
裏面電極102上に、上述した本発明の第2の実施形態に係る化合物半導体薄膜が、光吸収層103として形成されている。即ち、光吸収層3は、上述した本発明の第1の実施形態に係るインクを裏面電極102上に塗布し、乾燥し、熱処理することにより形成される。
光吸収層103上には、バッファー層104、i層105、及びn層106が順次形成されている。バッファー層104としては、公知のCdS、Zn(S,O,OH)、Inを用いることができる。i層105としては、公知のZnOなどの金属酸化物を用いることができる。また、n層106としては、公知のAl、Ga、Bなどを添加したZnOを用いることができる。
そして、n層106上に表面電極107を形成して、太陽電池が完成する。表面電極107としては、公知のAl、Agなどの金属を用いることができる。
なお、図示していないが、n層106上に、光の反射を抑え、より多い光を光吸収層で吸収させる役割を有する反射防止膜を設けることも可能である。反射防止膜の材質は特に制限されないが、例えばフッ化マグネシウム(MgF)を用いることが出来る。反射防止膜の膜厚は、100nm程度が適当である。
以上のように構成される本発明の第3の実施形態に係る太陽電池は、化合物半導体形成可能なSe原子を含む化合物粒子及びSe粒子を分散したインクを塗布又は印刷し、乾燥及び熱処理することにより、光吸収層を形成しているため、従来の方法のように有毒なSe雰囲気やコントロールの困難な硫黄雰囲気を必要とすることなく、従ってシンプルな工程で低コストで製造される。
実施例
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(CIGSナノ粒子の合成)
CuI、InI、及びGaIをピリジンに溶解した溶液を、NaSeをメタノールに溶解した溶液と混合し、不活性ガス雰囲気下で0℃で反応させた。なお、混合溶液は、CuI、InI、GaI、NaSeのモル比が0.9:0.7:0.3:2.0となるように調製した。
反応溶液をろ過し、メタノールで洗浄した後、得られたCIGSナノ粒子をエタノールに分散させた。
(Seナノ粒子の合成)
濃度0.01MのHSeOと濃度0.01MのNaBHを、重量比1:10の割合になるように混合し、0℃で5分間反応させた。反応溶液をろ過し、得られたSeナノ粒子をエタノールに分散させた。
(インクの作製)
以上のようにして得たSeナノ粒子分散液とCIGSナノ粒子分散液を、Seナノ粒子とCIGSナノ粒子のモル比が0.5/1の割合になるように混合した。この混合物の固形分が5重量%になるように、更にエタノールを加え、インクを調製した。
次に、図1に示す構造の太陽電池セルを以下のようにして製造した。
(裏面電極102の形成)
ソーダライムガラス101の上に、スパッタ法を用いて、0.6μmの厚さのMo層からなる裏面電極102を形成した。
(光吸収層103の形成)
裏面電極102の上に、上で得たインクをドクター法により塗布し、250℃のオーブンで溶剤を蒸発した後、550℃で10分間加熱することにより、膜厚2μmのCIGSからなる光吸収層103を形成した。
(バッファー層104の形成)
光吸収層103を形成した構造体を、それぞれのモル濃度が0.0015M、0.0075M、及び1.5Mの、硫酸カドミウム(CdSO)、チオ尿素(NHCSNH)、アンモニア水(NHOH)を加えた70℃の混合水溶液中に浸漬し、光吸収層103上に膜厚50nmのCdSからなるバッファー層104を形成した。
(i層105の形成)
バッファー層104の上に、ジエチル亜鉛と水を原料として、MOCVD法を用いて、厚さ50nmのZnOからなるi層105を形成した。
(n層106の形成)
i層105の上に、ジエチル亜鉛、水、及びジボランを原料として、MOCVD法を用いて厚さ1μmのZnO:Bからなるn層106を形成した。
(表面電極107の形成)
n層106上に、蒸着法を用いて、厚さ3μmのAlからなる表面電極107を形成した。
以上により、CIGS太陽電池セルが完成した。
比較例
光吸収層103の形成に、Seナノ粒子を含まないCIGSナノ粒子のみを5重量%含むエタノール分散液からなるインクを用いたことを除いて、実施例と同様にして、CIGS太陽電池セルを得た。
上記の実施例及び比較例の太陽電池セルについて、標準太陽光シミュレータ(光強度:100mW/cm、エアマス:1.5)による評価を行った。
その結果、実施例に係る太陽電池セルの光電変換効率は1.1%であるのに対し、比較例に係る太陽電池セルの光電変換効果は無かった。これは、実施例に係る太陽電池セルでは、塗布による光吸収層の形成に、CIGS粒子以外にSe粒子を含むインクを用いたため、熱処理によっても光吸収層には十分な量のSeが確保され、p型の半導体結晶が成長しているのに対し、比較例に係る太陽電池セルでは、Se粒子を含まずCIGS粒子のみを含むインクを用いたため、熱処理によりSeが気化してCIGSから抜け、Se量の不足によりp型の半導体結晶が得られなかったためと考えられる。
101…ガラス基板
102…裏面電極
103…光吸収層
104…バッファー層
105…i層
106…n層
107…表面電極。

Claims (9)

  1. Se原子を含む化合物粒子、及びSe粒子を有機溶媒に分散させてなることを特徴とする化合物半導体薄膜形成用インク。
  2. 前記Se粒子の平均粒径が1nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体薄膜形成用インク。
  3. 前記Se原子を含む化合物粒子の平均粒径が1nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体薄膜形成用インク。
  4. 前記Se原子を含む化合物粒子は、CuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子、AgInGa1−xSe、(0≦x≦1)粒子、及びCuInGa1−x(Se1−y(0≦x≦1、0≦y≦1)粒子からなる群から選ばれた1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化合物半導体薄膜形成用インク。
  5. 前記Se原子を含む化合物粒子は、CuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子であることを特徴とする請求項4に記載の化合物半導体薄膜形成用インク。
  6. 前記Se粒子とCuInGa1−xSe(0≦x≦1)粒子のモル比がSe/CuInGa1−xSe=0.1〜3であることを特徴とする請求項5に記載の化合物半導体薄膜形成用インク。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化合物半導体薄膜形成用インクを塗布又は印刷し、熱処理してなることを特徴とする化合物半導体薄膜。
  8. 請求項7に記載の化合物半導体薄膜からなる光吸収層を具備することを特徴とする太陽電池。
  9. 基板上に形成された電極上に、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物半導体薄膜形成用インクを塗布又は印刷し、化合物半導体塗膜を形成する工程、及び
    前記化合物半導体塗膜を熱処理して化合物半導体薄膜からなる光吸収層を形成する工程
    を具備することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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