JP2011098943A - 酸性染毛料組成物及び染毛方法 - Google Patents

酸性染毛料組成物及び染毛方法 Download PDF

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成俊 河津
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Abstract

【課題】酸性染毛料組成物において、染色性の向上と洗髪時のきしみ感を軽減することができる酸性染毛料組成物及び同組成物を用いた染毛方法の提供を図る。
【解決手段】(A)アニオン性高分子、(B)酸性染料、(C)酸性染料の質量に対し質量比で0.02〜1.0のアミドアミン化合物、(D)芳香族アルコール、(E)有機酸を含有する酸性染毛料組成物を提供する。また、上記のアニオン性高分子としては、少なくともカルボキシビニルポリマーを含有するものであることが望ましい。また、酸性染料は、0.01〜5.0重量%含有することが望ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は酸性染毛料組成物にあって、染色性の向上と洗髪時のきしみ感の低減を図った酸性染毛料組成物、並びに、これを用いた染毛方法に関する。
一般に、頭髪を染色する染毛剤としては、酸化染料を用いる酸化染毛剤と酸性染料を用いる酸性染毛料が知られている。前者は染色性が良いものの皮膚や毛髪を損傷されやすい欠点がある。後者は、手軽に染毛ができ、皮膚や毛髪に対する刺激が少ないものの染色性の点で酸化染毛剤より劣るという問題があった。これまでに、特許文献1〜3に記載されるような酸性染毛料組成物が知られており、特定の溶剤と増粘剤としてのアニオン性高分子を組み合わせて使用することが提案されている。
特許文献4にあっては、コンデショニング性の向上を目的として、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドと、酸性染料と、アミノ酸とを配合した染毛料組成物が提案されている。具体的には、その実施例4〜11に示されように、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド1.0重量部と、酸性染料0.1〜0.2重量部と、グリシン2.0重量部を配合することで、染毛性と仕上がり時のくし通り性とをともに改善し得ることが報告されている。このように、コンデショニング剤としてステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドを、酸性染料に対して、十分な量を配合することで、仕上がり時のくし通り性などのコンデショニング性を改善することが知られているが、十分な量のステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドを配合しない場合には、仕上がり時のくし通り性などの改善が僅かでしかなく、しかも、染毛性の低下を招くことが報告されている。具体的には、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド0.05重量部と、酸性染料0.1重量部と、グリシン2.0重量部を配合した染毛剤組成物(特許文献4の比較例4)にあっては、上記実施例4〜11に比して、仕上がり時のくし通り性などの改善は僅かであるとされ、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドを配合しない特許文献4の比較例3に比して、染毛性が低下するとの報告がなされている。
また、増粘剤としてアニオン性高分子を使用する場合、毛髪への薬剤の付着性やなじみは良好になるものの、洗髪時にきしみ感を感じるなどの問題が存在する。また、洗髪時のきしみ感を軽減するため、コンディショニング成分である4級アンモニウム塩を添加すると製剤の染色性や安定性の低下と言った問題を引き起こす。
特開平7−101841号公報 特開2004−43431号公報 特開2008−19203号公報 特開平6−263621号公報
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、増粘剤としてアニオン性高分子を使用しつつも、酸性染料の染色性の向上と洗髪時のきしみ感の低減をすることのできる酸性染毛料組成物、並びにこれを用いた染毛方法の提供を目的とする。
本発明は、(A)アニオン性高分子、(B)酸性染料、(C)酸性染料の質量に対し質量比で0.02〜1.0のアミドアミン化合物、(D)芳香族アルコール、(E)有機酸を含有する染色剤を提供することにより、上記の課題を解決する。また、上記のアニオン性高分子としては、少なくともカルボキシビニルポリマーを含有するものであることが望ましい。また、酸性染料は、0.01〜5.0重量%含有することが望ましい。
本発明に係る酸性染毛料組成物は、常法に従い、頭髪に塗布し、放置後、シャンプー等で洗浄するという一般的な使用方法を採ることができ、これにより、良好な染毛作用を発揮し、洗髪時のきしみ感の低減を実現する。
本発明の開発過程において、上記の特定の配合において、アミドアミン化合物を微量に配合することによって、このアミドアミン化合物を配合しない場合に比して、染毛性が改善されることが知見された。このことは、前記特許文献4の報告に基づく本発明者の予測を覆すものであり、発明者にとって、大きな驚きであった。本発明は、かかる新たな知見に基づき完成されたものである。
しかして、本発明は、増粘剤としてアニオン性高分子を使用しつつも、酸性染料の染色性の向上と洗髪時のきしみ感の低減を図ることが可能な酸性染毛料組成物を提供することができたものである。
また、本発明は、酸性染料の染色性の向上と洗髪時のきしみ感の低減をすることができる染毛方法を提供することができたものである。
以下、本発明の酸性染毛料組成物についてより詳しく説明する。本発明の酸性染毛料組成物は、上記のとおり、(A)アニオン性高分子、(B)酸性染料、(C)酸性染料の質量に対し質量比で0.02〜1.0のアミドアミン化合物、(D)芳香族アルコール及び(E)有機酸を含有する。
まず、上記の(A)アニオン性高分子は、増粘剤として配合されるもので、カルボキシビニルポリマーの他、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリルアミド/アクロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクロイルジメチルタウリン塩共重合体、アクリル酸ナトリウム・アクロイルジメチルタウリン塩共重合体等を例示することができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。その配合量は1.0〜10.0重量%が好ましく、さらに好ましくは2.0〜5.0重量%である。
上記の(B)酸性染料としては、染毛用に用いられる酸性染料を適宜選択して用いることができ、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、黒色401号などが挙げられる。これらの酸性染料は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合量は0.01〜5.0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0重量%である。
上記の(C)アミドアミン化合物は、コンデショニング効果の向上を目的として配合されるものであり、
R1CONH(CH2)n N (R2)2 …[式1]
で示される。R1は炭素数11〜23の飽和、不飽和、ヒドロキシ脂肪酸の残基である。R2は炭素数1〜4のアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル基である。nは2〜4の整数である。
[式1]で表わされるアミドアミン化合物の具体例としては、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。
このアミドアミン化合物の配合量は酸性染料の質量に対し質量比で0.02〜1.0である。アミドアミン化合物の配合量が上記の範囲外であると染色性の向上を期待できない。
上記の(D)芳香族アルコールは、溶剤として用いられるものであり、具体的には、ベンジルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、シンナミルアルコール、フェニルプロパノール、1-フェノキシ−2−プロパノール、フェニルジグリコール、α-メチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、p-アニシルアルコール等が挙げられる。芳香族アルコールの配合量は好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1.0〜15重量%である。芳香族アルコールの配合量が0.5重量%未満であると染色性の低下を招くおそれがある。一方、芳香族アルコールの配合量が20重量%を超えると薬剤の不安定化を招くおそれがある。
上記(E)有機酸は、pH調整剤として配合されるもので、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。なお、酸性染毛料組成物のpHは好ましくは1〜6であり、より好ましくは2〜5に調整される。
本発明の酸性染毛料組成物には、効果を損なわない範囲で溶剤(安定剤)、油脂類、界面活性剤、酸化防止剤、キレート剤、紫外線吸収剤、シリコーンオイル、香料等を配合することが出来る。
上記の溶剤(安定剤)としては、エタノール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
上記の油脂類としては、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、アボガド油、オリーブ油、コメヌカ油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、リシノレイン酸セチル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、乳酸セチル、クエン酸トリエチル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジエチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸フィトステリル等が挙げられる。
上記の界面活性剤としては、ラウリル硫酸Na、アルキル(12,13)硫酸Na、POEラウリルエーテル硫酸Na、POEラウリルエーテル酢酸Na、POEトリデシルエーテル酢酸Na、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸Na、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸TEA、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸K、ラウロイルグルタミン酸K、ラウロイルグルタミン酸Na、ミリストイルグルタミン酸Na、ステアロイルグルタミン酸二Na、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンNa、ラウロイルメチルアラニンTEA、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンNa、テトラデセンスルホン酸Na、スルホコハク酸ラウリル二Na、POEラウリルエーテルリン酸Na、ステアロイル乳酸Na、ヤシ油脂肪酸サルコシンNa、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール等が挙げられる。
上記の酸化防止剤としては、dl-α-トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、エリソルビン酸、エリソルビン酸Na、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、テトラ2ーヘキシルデカン酸アスコルビル、リン酸LーアスコルビルMg、無水亜硫酸Na、Lーシステイン、N−アセチルーLシステイン等が挙げられる。
上記のキレート剤としては、L-アスパラギン酸-N,N-二酢酸四ナトリウム、アラニン、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、エデト酸、エデト酸塩、クエン酸ナトリウム、グルコン酸、L-グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、酒石酸、フィチン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸等が挙げられる。
上記の紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルパラアミノ安息香酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸Na、酸化亜鉛等が挙げられる。
上記のシリコーンオイルとしては、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等が挙げられる。
実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお組成は重量%で表わした。
Figure 2011098943
Figure 2011098943
表1及び表2に示された実施例1〜9、比較例1〜9の酸性染毛料組成物を調製し、得られた酸性染毛料組成物を5%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した市販のヤギ毛束に3g塗布し、36℃で15分間放置した後、水洗し、5%ラウレス硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させることで酸性染毛料処理毛束とした。かかる酸性染毛料処理毛束について染色性を評価した。
(染色性)
酸性染毛料処理毛束を目視で観察し、◎:非常に良い、○:良い、△:普通、×:悪いとし、染色性を評価した。
(水洗時の感触)
各酸性染毛料組成物を塗布した毛束を水洗する時のきしみ感について官能試験を行い、◎:きしみ感を全く感じない、○:少しきしみ感を感じる、△:きしみ感を感じる。×:強くきしみ感を感じるとし、評価した。
実施例1〜7、9と、アミドアミン化合物を含まない比較例4、5、6、9との対比から明らかなように、酸性染料の質量に対し質量比で0.02〜1.0のアミドアミン化合物を含む場合において、染色性の向上と水洗時のきしみ感の軽減が確認された。
比較例7における酸性染料の質量に対して過剰量のアミドアミン化合物を含む酸性染毛料組成物では、水洗時のきしみ感は感じられないものの、染色性は悪くなった。
実施例2、3と比較例1、2から明らかなように、コンディショニング成分としての4級アンモニウム塩の添加は水洗時のきしみ感を多少軽減するものの染色性の向上は確認されなかった。一方でアミドアミン化合物を添加したものでは染色性の向上と水洗時のきしみ感の軽減が確認された。
比較例3と7においては、酸性染料の質量に対して過剰量のアミドアミン化合物又は4級アンモニウム塩を含むと、どちらの場合においても水洗時のきしみ感は感じられないものの染色性は悪くなった。
実施例8と比較例8により、アニオン性高分子としてキサンタンガムを用いた場合においても、アミドアミン化合物を添加したものは染色性の向上と水洗時のきしみ感の軽減が確認された。

Claims (4)

  1. (A)アニオン性高分子、(B)酸性染料、(C)酸性染料の質量に対し質量比で0.02〜1.0のアミドアミン化合物、(D)芳香族アルコール及び(E)有機酸を含有することを特徴とする酸性染毛料組成物。
  2. 上記アニオン性高分子として少なくともカルボキシビニルポリマーを含有することを特徴とする請求項1記載の酸性染毛料組成物。
  3. 上記酸性染料を0.01〜5.0重量%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の酸性染毛料組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の酸性染毛料組成物を頭髪に塗布し、放置後、シャンプー等で洗浄する染毛方法。
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