JP2011098841A - 球状アルミナ粉末、その製造方法及び用途 - Google Patents

球状アルミナ粉末、その製造方法及び用途 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、球状アルミナ粉末とシリコーン樹脂の密着性をより高めた、孤立OH基の多いアルミナ粉末と、その製造方法、及びそれを用いた球状アルミナ粉末樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】平均粒子径が100μm以下、平均球形度が0.90以上、孤立OH基数が10〜40個/nmであり、かつ(孤立OH基数/水素結合OH基数)が1.0以上である球状アルミナ粉末。平均粒子径が100μm以下のアルミナ原料を2200〜2600℃で火炎溶融し、噴霧量が40〜120L/時間で水噴霧して急冷する平均粒子径が100μm以下、平均球形度が0.90以上、孤立OH基数が10〜40個/nmであり、かつ(孤立OH基数/水素結合OH基数)が1.0以上である球状アルミナ粉末の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は球状アルミナ粉末、その製造方法及び用途に関する。
近年、電子機器の高性能・高機能化に伴い、電子部品の放熱が問題となっている。電子部材の中でもシリコーン樹脂にアルミナを含有させた放熱シートは、使用方法の手軽さから色々な用途に使用されている。放熱シートの熱伝導性を上げるためには、アルミナ粉末の含有率を高くすればよい。
一般的なバイヤー法アルミナ粉末をシリコーン樹脂に高充填すると著しい増粘現象により、アルミナの熱伝導特性を十分に活かすことが出来ない。これを解決するため、特許文献1では水酸化アルミニウム粉末又は水酸化アルミニウム粉末のスラリーを強力な分散機能を有するフィード管から火炎中に噴霧し、球状アルミナ粉末を得ることが提案された。
アルミナ粉末をシリコーン樹脂に含有させる際は、アルミナ粉末をカップリング剤で処理することが多い。カップリング剤によるアルミナ粉末の処理は、アルミナ粉末と樹脂の密着性を高め、放熱シートの強度を上げる効果がある。特許文献2にはLPGと酸素ガスによって形成された高温火炎中にアルミナ粉末を供給し、平均粒子径50〜2μm、球形度0.90以上、表面OH基数(以後、孤立OH基数)3〜6個/nmの球状アルミナを製造する方法が記されている。球状アルミナ粉末とシリコーン樹脂の密着性をより高めるためには孤立OH基数を多くすることが重要であり、改善の余地があった。
特開2001−19425号公報 特開2005−68258号公報
本発明は、球状アルミナ粉末と樹脂の密着性をより高めた、孤立OH基の多い球状アルミナ粉末とその製造方法、及びそれを用いた球状アルミナ粉末樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
(1)平均粒子径が100μm以下、平均球形度が0.90以上、孤立OH基数が10〜40個/nmであり、かつ(孤立OH基数/水素結合OH基数)が1.0以上であることを特徴とする球状アルミナ粉末。
(2)前記(1)に記載のアルミナ粉末を含有してなる樹脂組成物。
(3)樹脂がシリコーンである前記(2)に記載の樹脂組成物。
(4)前記(2)又は(3)に記載の樹脂組成物を用いた放熱部材。
(5)平均粒子径が100μm以下のアルミナ原料を2200〜2600℃で火炎溶融し、噴霧量が40〜120L/時間で水噴霧して急冷することを特徴とする前記(1)に記載の球状アルミナ粉末の製造方法。
本発明の孤立OH基の多い球状アルミナ粉末を用いることにより、球状アルミナ粉末と樹脂の密着性を高め、球状アルミナ粉末を含有した樹脂組成物の強度を上げることができる。特にシートの強度を上げることができる。
アルミナ粉末の製造工程概略図
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はアルミナ原料を火炎溶融する際に水噴霧処理にて急冷することにより、球状アルミナ粉末の孤立OH基の数を多くするものである。本発明により得られた球状アルミナはカップリング剤との結合がしやすいため、樹脂との密着性を高めることができる。
球状アルミナ粉末の孤立OH基数は、アルミナ原料火炎溶融時の火炎温度と水の噴霧量を変化させることにより、コントロールすることができる。今回、水噴霧処理は炉体中胴部から炉内に常時、水を供給して実施した。冷却媒体については水、氷、水蒸気などを使用することができるが、取り扱い易さを考慮すると水を使用することが好ましい。溶融時の火炎温度は2200〜2600℃であり、2300〜2500℃が好ましく、急冷処理は水を噴霧しない場合に比べ、炉内の温度を100〜250℃低下させる程度が好ましい。
アルミナ原料
本発明のアルミナ原料には水酸化アルミニウム、アルミナ又は電融アルミナ粉砕物を使用した。高球形度の球状アルミナ粉末を製造するためには、原料に電融アルミナを使用することが好ましい。
火炎溶融処理
アルミナ原料の火炎溶融処理は図1に示す設備を用いて実施した。概説すれば、炉頂部よりアルミナ原料を火炎中に噴射し溶融し、炉体中胴部より炉内に常時、水を供給し急冷を行い、得られた球状アルミナ粉末を排ガスと共にブロワーによってバグフィルターに搬送し捕集する。冷却媒体である水の供給については後述する。火炎の形成は、水素、天然ガス、アセチレンガス、プロパンガス、ブタン等の燃料ガスと、空気、酸素等の助燃ガスとを、炉体に設定された燃焼バーナーから噴射して行う。原料粉末供給用のキャリアガスとしては、空気、窒素、酸素、二酸化炭素等を使用することができる。火炎温度は、2200〜2600℃であり、2300〜2500℃が好ましい。火炎温度が2500℃より高い場合に孤立OH基の数がそれほど増えないのは、孤立OH基が縮合して揮発してしまうためと考えられる。また、火炎温度が2300℃より低い場合にも孤立OH基数はそれほど増えない。これについては、噴霧した水がOH基に分解されないためと考えられる。
火炎温度測定
溶融時の火炎温度は炉外にバーナーを設置し、Impac社製放射温度計IS5/F型を使用して測定した。
急冷処理
急冷処理はアルミナ原料を火炎溶融する際に炉内へ水を常時、噴霧することにより行った。水の噴霧はアトマックス社製アトマックスノズルBN160型を用い、ノズルの分散ガスにはコンプレッサーで5.0kgf/cmに加圧した空気を使用した。噴霧する水の温度は10℃に管理した。急冷処理のノズルは炉の中心から15°おきに2段挿入した。1段目のノズル位置は炉頂から80cmの高さ、2段目の位置は炉頂から100cmの高さに設置した。水の噴霧量は、1時間当たりの噴霧量が40〜120L/Hrであり、40〜80L/Hが好ましい。炉内の温度は水を噴霧していない時に比べて100〜250℃低下させることが好ましい。
急冷処理時の温度変化測定
急冷処理の程度については、水噴霧前と噴霧後の炉内温度を測定することで、その冷却効果を確認した。温度計測にはR熱電対を使用し、熱電対は炉頂から100cmの高さに、炉壁面まで挿入した。
球状アルミナ粉末の平均粒子径は、用途に応じて種々選択される。球状アルミナ粉末の平均粒子径は、アルミナ原料の平均粒子径をコントロールすることによって増減できる。
平均粒子径測定
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機シーラスグラニュロメーター「モデル1064」を用いて測定した。平均粒子径25μm以下の粒子についてはサンプル1g、25〜45μmの粒子についてはサンプル2g、45〜120μmの粒子についてはサンプル4gを秤量し、直接シーラスグラニュロメーターのサンプル導入部に投入する。シーラスグラニュロメーター粒度分布測定は溶媒に水を使用し、ポンプ回転数は60rpmで行った。
樹脂に球状アルミナ粉末を高充填するには、球状アルミナ粉末の平均球形度を0.90以上とすることが好ましく、特に0.95以上が好ましい。球状アルミナ粉末の球形度は火炎形成に用いる燃料ガス(例えばLPG)量や原料粉末のフィード量を調整することにより増減させることができる。
平均球形度測定
平均球形度は、Sysmex社製フロー式粒子像解析装置「FPIA−3000」を用いて測定する。平均球形度はFPIA−3000から得られる平均円形度の数値を2乗することで得られる。平均円形度は、フロー式粒子像解析装置「FPIA−3000」が、一個の粒子投影像の周囲長と粒子投影像の面積に相当する円の周囲長を解析し、式(円形度)=(粒子投影像の周囲長)/(粒子投影像の面積に相当する円の周囲長)、により求められる。今回の球形度測定に際しては36000個当たりの平均値を自動算出して求めた。本測定は高倍率撮像ユニットで行い、対物レンズにLUCPLFLN20×(倍率20倍)、NDフィルタにAND−40C−70(透過率70%)を使用した。
[平均粒子径20μm以上の粒子の平均球形度]
20mlのガラスビーカー容器に球状アルミナ粉末のサンプルを0.05g計量し、プロピレングリコール25質量%水溶液を10ml加えた後、超音波分散器で3分間分散させる。これをFPIA−3000に全量入れ、LPFモード/定量カウント(トータルカウント数36000個、繰返し測定回数1回)方式で測定する。
[平均粒子径20μm未満の粒子の平均球形度]
20mlのガラスビーカー容器に球状アルミナ粉末のサンプルを0.05g計量し、プロピレングリコール25質量%水溶液を10ml加えた後、超音波分散器で3分間分散させる。これをFPIA−3000に全量入れ、HPFモード/定量カウント(トータルカウント数36000個、繰返し測定回数1回)方式で測定する。
OH基数測定
本発明における孤立OH基数と水素結合OH基数の定量はカールフィッシャー法を用いて行った。カールフィッシャー測定は三菱化学社製水分気化装置VA−122と三菱化学社製水分測定装置CA−100を使用し、水分測定装置の陽極液にはアクアミクロンAX(三菱化学社製)、陰極液にはアクアミクロンCXU(三菱化学社製)を使用した。カールフィッシャー測定に際してはバックグラウンド値を0.10(μg/sec)に固定し、検出される水分がバックグラウンド値を下回るまで継続して測定を行った。温度550℃設定で検出されるものが水素結合OH基であり、温度900℃で検出されるものが孤立OH基由来のものである。測定は予めアルミナサンプルを200℃で30分加熱して物理級着水を除去し、それから550℃、900℃の順で測定を行った。加熱処理時はアルミナサンプルを外気にさらさないようにし、水分気化装置から発生した水分を高純度アルゴン300ml/minに同伴させカールフィッシャー装置に導入し、水分量を測定した。水分気化装置に導入するサンプルは4gで行った。
[水分量のOH基数への換算]
カールフィッシャー測定において検出される水分は、OH基2個が縮合して1個の水分子になると考え、OH基数は次式により求める。(OH基数[個/nm])=0.0662×(水分量[ppm])/(球状アルミナ粉末サンプルの比表面積[m/g])
[比表面積測定]
比表面積測定はマイクロデータ社製AUTO MATIC SURFACE ANALYZER MODEL−4232IIを使用して行った。
本発明の球状アルミナ粉末は、カップリング剤の反応サイトが多く、カップリング剤との反応性が高い。本発明に使用できるカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ジチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどを用いることができる。この中でも、ビニル系のカップリング剤は、引張強度が高くなるので好ましい。
また、カップリング剤の代わりに表面処理剤を使用することもできる。表面処理剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどを用いることができる。
本発明の球状アルミナ粉末は、カップリング剤との反応性が高い。従って、本発明の球状アルミナ粉末をカップリング剤で処理したものはシリコーン以外の樹脂との密着性も良好である。本発明の球状アルミナ粉末樹脂組成物の樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリル−アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン)樹脂、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)樹脂なども用いることができる。また、ゴムとしては、ウレタンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどを用いることもできる。
本発明の球状アルミナ粉末樹脂組成物は、本発明の球状アルミナ粉末を樹脂に含有させたものである。球状アルミナ粉末の含有率は用途によって異なるが、熱伝導特性を考慮すると40〜90体積%とすることが好ましい。
本発明の球状アルミナ粉末をシリコーンに含有させたものは放熱部材として好適である。放熱部材として高い熱伝導率を発現させるためには球状アルミナ粉末の含有率を高くすることに越したことはないが、引張強度や柔軟性、成形性等の特性を考慮すると65〜80体積%にすることが好ましい。
アルミナ原料には、下記に記載のアルミナ原料1〜6を使用した。
[アルミナ原料1]
日本軽金属社製水酸化アルミニウムBHP39(平均粒子径35μm)を使用した。
[アルミナ原料2]
日本軽金属社製アルミナLS−210(平均粒子径4μm)を使用した。
[アルミナ原料3]
日本軽金属社製アルミナLS−21(平均粒子径55μm)を使用した。
[アルミナ原料4〜6]
アルミナ原料2(LS−210)をアーク炉で溶融・冷却・粉砕して電融アルミナ粉砕物を調整し、分級処理によりアルミナ原料4(平均粒子径30μm)とアルミナ原料5(平均粒子径92μm)、アルミナ原料6(平均粒子径120μm)を調製した。
アルミナ原料4〜6調製の粉砕処理はボールミルで行い、粉砕メディアにはアルミナボールを使用した。得られたアルミナ粉砕物を篩、分級処理してアルミナ原料4〜6を調製した。
火炎溶融処理
火炎溶融処理は図1に示す製造装置を用いて行った。アルミナ原料は30kg/Hrを酸素ガス20Nm/Hrに同伴させノズルから火炎中に供給した。
溶融及び急冷処理
球状アルミナ粉末の孤立OH基数をコントロールするために、アルミナ原料を火炎溶融する際に炉内へ水を噴霧して冷却処理を行った。アルミナ原料の種類、溶融条件及び冷却処理条件について表1に示す。
OH基数
得られた球状アルミナ粉末のサンプルについてカールフィッシャー測定にてOH基数(孤立OH基と水素結合OH基)を測定した。結果を表2に示す。
平均球形度
得られた球状アルミナ粉末の円形度をSysmex社製フロー式粒子像解析装置「FPIA−3000」で測定し、平均球形度を算出した。その結果を表2に示す。
平均粒子径
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機シーラスグラニュロメーター「モデル1064」を用いて測定した。その結果を表2に示す。
カップリング剤による表面処理
カップリング剤による表面処理については、ボールミル(セイワ技研社製AXB−15)に球状アルミナ粉末1kgとアルミナボール(20φmm)500g、カップリング剤を封入して行った。カップリング剤を添加し、ボールミルの回転数は250rpmで30分間処理を行った。カップリング剤には信越化学社製カップリング剤、KBM−1003(ビニル系)、KBE−1003(ビニル系)、KBM−403(エポキシ系)を用いた。カップリング剤は以下の式で計算した量を添加した。
カップリング剤の添加量[g]=(球状アルミナ粉末の質量[g])×(球状アルミナ粉末の比表面積[m/g])/カップリング剤の最小被覆面積(m/g)。
カップリング剤の最小被覆面積にはKBM−1003(515m/g)、KBM−573(307m/g)、KBM−403(280m/g)を用いた。
[比表面積測定]
比表面積測定はマイクロデータ社製AUTO MATIC SURFACE ANALYZER MODEL−4232IIを使用して行った。
引張強度評価
実施例1〜11、比較例1〜6は、表1で調製した球状アルミナ粉末をカップリング剤で表面処理したものを、液状シリコーン35体積%と球状アルミナ粉末65体積%で混合して球状アルミナ粉末含有シリコーン樹脂組成物を作製し、その引張強度を以下に従い評価した。また実施例12では、配合を液状シリコーン25体積%と球状アルミナ粉末75体積%に変えて、実施例1〜11と同様に球状アルミナ粉末含有シリコーン樹脂組成物を作製し、その引張強度を評価した。その結果を表3に示す。
[球状アルミナ粉末含有シリコーン樹脂組成物の作製]
液状シリコーンにはMOMENTIVE performance materials社製YE5822(A),YE5822(B)を使用し、YE5822(A)とYE5822(B)の比率は10:1[質量比]で行った。段落(0032)に記載したカップリング剤で表面処理した球状アルミナ粉末とYE5822(A)とYE5822(B)を遊星式撹拌・脱泡装置(MAZERUSTAR KK−400W)で60秒混合した後、シ−シリコーン樹脂組成物を作製した。球状アルミナ粉末含有シリコーン樹脂組成物の厚さは2.5mmとした。
[引張強度測定用試験片作製]
厚さ2.5mmのシートに成形された球状アルミナ粉末含有シリコーン樹脂組成物を高分子計器株式会社製試験片打抜刃JIS1号でダンベル型に打ち抜いて、引張強度測定用試験片を作成した。
[引張強度測定]
引張強度測定は島津製作所製オートグラフAG−2000Dを使用し、JIS K6251に準拠して行った。
熱伝導率測定
球状アルミナ粉末含有シリコーン樹脂組成物を25×25mm、厚さ2.5mmに成形し、これを15×15mmの銅製ヒーターケースと銅板の間に挟み、締め付けトルク5kgf/cmにてセットした後、銅製ヒーターケースに15Wの電力をかけて4分間保持し、銅製ヒーターケースと銅板の温度差を測定し、熱抵抗を測定する。熱抵抗は(熱抵抗[℃/W])=(銅製ヒーターケースと銅板の温度差[℃])/(ヒーター電力[W])で算出できる。熱伝導率は熱抵抗[℃/W]と伝熱面積(銅製ヒーターケースの面積)[m]、締め付けトルク5kgf/cm時の成形体厚[m]から算出することができる。熱伝導率の計算式は(熱伝導率[W/m・K])=(成形体厚[m])/{(熱抵抗[℃/W])×(伝熱面積[m])}である。熱伝導率の結果を表3に示す。
Figure 2011098841
Figure 2011098841
Figure 2011098841
表3から明らかなように、本発明の球状アルミナ粉末を用いた球状アルミナ粉末含有シリコーン樹脂組成物は、熱伝導率に優れ、かつ引張強度が高いことが示されている。
従って、本発明の球状アルミナ粉末とシリコーン樹脂との密着性が著しく向上しているものと推定される。
本発明の球状アルミナ粉末を用いた樹脂組成物は、特に放熱部材の用途に好適に使用できる。
本発明の球状アルミナ粉末は、樹脂組成物の充填材として使用される。本発明の樹脂組成物は、自動車、携帯電子機器、産業用機器、家庭用電化製品等の放熱シートやモールディングコンパウンド等に使用することができる。
1 溶融炉
2 バーナー
3 燃料ガス供給管
4 助燃ガス供給管
5 原料粉末供給管
6 冷却媒体供給口
7 バグフィルター
8 ブロワー
9 R熱電対

Claims (5)

  1. 平均粒子径が100μm以下、平均球形度が0.90以上、孤立OH基数が10〜40個/nmであり、かつ(孤立OH基数/水素結合OH基数)が1.0以上であることを特徴とする球状アルミナ粉末。
  2. 請求項1に記載の球状アルミナ粉末を含有してなる樹脂組成物。
  3. 樹脂がシリコーンである請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項2又は3に記載の樹脂組成物を用いた放熱部材。
  5. 平均粒子径が100μm以下のアルミナ原料を2200〜2600℃で火炎溶融し、噴霧量が40〜120L/時間で水噴霧して急冷することを特徴とする請求項1に記載の球状アルミナ粉末の製造方法。
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