JP2011098414A - 研磨フィルム、その製造方法及び塗工剤 - Google Patents

研磨フィルム、その製造方法及び塗工剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 その目的は、粗大粒子の生成がなく、被研磨体表面に研磨傷の発生が少なく、高精度研磨に使用でき、かつ、繰り返し多数回使用できる研磨フィルム、その製造方法及び塗工剤を提供する。
【解決手段】 基材フィルム11、研磨材粒子と結合剤とからなる研磨層13を有する研磨フィルムにおいて、前記結合剤が前記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、水酸基を含有するフッ素含有共重合体とを含み、また前記結合剤が硬化剤で硬化されてなることを特徴とし、さらに、研磨層13の中心線平均粗さRaが0.005〜0.5μmであり、全線透過率が60〜95%であり、ヘイズ値が1〜70%であることも特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研磨フィルムに関し、詳しくは、光コネクタフェルール、半導体ウエハ、半導体の集積回路形成時の平坦化、金属、セラミックス、カラーフィルター(液晶表示用等)、プラズマディスプレイ、光学レンズ、磁気ディスクあるいは光ディスク基板、磁気ヘッド、光学読取ヘッド等の精密部品の、表面や端面を仕上げ研磨する研磨フィルムに関し、さらに詳しくは、光コネクタ部の端面の研磨に用いて、フェルール部と光ファイバ部の端面などに対する最終仕上げを繰返して多数回行うのに好適な高耐久性の研磨フィルム、その製造方法及び塗工剤に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「IPA」は「イソプロピルアルコール」、「HMDI」は「ヘキサメチレンジイソシアネート」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(背景技術)従来、光コネクタフェルールや半導体ウエハ等の精密部品は、最終仕上げを行う研磨工程での精度により、その品質が左右され、最終仕上げ研磨には、メカニカルポリッシングと呼ばれている研磨が行われている。このメカニカルポリッシングは、次のように行われる。すなわち、まず苛性ソーダ、アンモニア、エタノールアミン等のアルカリ溶液に、5〜300nmの粒子径を有する研磨材粒子を懸濁させてpH9〜12のコロイダル液からなる研磨液を作製する。次にこの研磨液をポリウレタン等の樹脂シートからなる研磨布上に供給しながら、研磨布上で光コネクタフェルールや半導体ウエハ等の精密部品を研磨している。このような研磨液と研磨布とを利用するメカニカルポリッシングには、研磨中に研磨液中の研磨材粒子の濃度が変化したり、あるいは研磨材粒子の凝集によって研磨材粒子の粒度分布が変化したりするため、光コネクタフェルール、半導体ウエハ等の被研磨体に研磨傷や研磨斑が発生することがある。また研磨終了後に光コネクタフェルール、半導体ウエハ等の被研磨体の表面に付着している研磨材粒子を水洗、除去する工程が必要であり、研磨工程が煩雑であるという欠点があった。
これに対して、プラスチックフィルムからなる研磨フィルム用基材に対して、結合剤(バインダともいう)用樹脂液中に研磨材粒子を分散させてなる塗工剤を塗工、乾燥することによって研磨層を形成して研磨フィルムを作製することが考えられている。光コネクタフェルールおよび半導体ウエハ等はこの研磨フィルム上で研磨されるが、研磨フィルムを作製する際、粒子径1μ以下の研磨材粒子をバインダ用樹脂液中に均一に分散させることはむずかしく、最終仕上げ用の研磨フィルムとしては使用することができないという欠点があった。すなわち、最終仕上げの高精度研磨は、微細な研磨材粒子による研磨によって行われるが、研磨材粒子は粒子径が小さくなるにしたがって表面エネルギーが増大して凝集し易くなるため、微細な研磨材粒子を結合剤中に均一に分散させることはむずかしいという欠点があった。また、凝集状態の研磨材粒子を含有する塗工剤によって研磨層を形成した場合、研磨層中に5〜10μの粗大粒子が生成しており、これによる被研磨体表面の研磨傷の発生が避けられないという欠点があった。さらに、研磨フィルムは1〜2回使用が限度であって、繰り返し多数回の使用ができず、耐久性に欠け、省エネルギーに劣るという欠点があった。
従って、研磨フィルムは、研磨層中に5〜10μの粗大粒子の生成がなく、被研磨体表面の研磨傷が発生が少なくでき、最終仕上げの高精度研磨に使用でき、かつ、繰り返し多数回使用できる耐久性が求められている。研磨フィルムの塗工剤は、粒子径の小さく凝集し易い微細な研磨材粒子でも、結合剤中に均一に分散させることが求められている。研磨フィルムの製造方法は、塗布方法で研磨層を形成する場合でも、分散された研磨材粒子を含有する塗工剤を用い、安定して均一な研磨層が形成できる製造方法が求められている。
特許第3305557号 特許第3279912号
(従来技術)従来、本出願人は研磨層中に粗大粒子からなる研磨材粒子が存在することなく、微細な研磨材粒子のみを存在させて、光コネクタフェルール端面や、半導体ウエハ表面等の精密部品鏡面仕上げを精度良く行うことができる研磨フィルム、その製造方法および研磨フィルム用塗工剤を提供することを目的とする発明を開示している(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、これら発明でも仕上げ用としては1〜2回使用が限度であって、省エネルギー見地から、繰り返し多数回使用できず、耐久性の高い研磨フィルムの発明にまでは至らないという問題点がある。
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、本発明の完成に至ったものである。その目的は、研磨層中に5〜10μの粗大粒子の生成がなく、高い寸法精度で、被研磨体表面に研磨傷の発生が少ない鏡面状態を要求される最終仕上げの高精度研磨に使用でき、かつ、繰り返し多数回使用でき耐久性が高く、省エネルギー性に優れる研磨フィルム、その製造方法及び塗工剤を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる研磨フィルムは、基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に、少なくとも研磨材粒子と結合剤とからなる研磨層を形成した研磨フィルムにおいて、前記結合剤が前記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、を含むように、したものである。
請求項2の発明に係わる研磨フィルムは、上記結合剤が硬化剤で硬化されてなるように、したものである。
請求項3の発明に係わる研磨フィルムは、上記研磨材粒子が平均粒子径1〜200nmのシリカ粒子及び/又はコロイダルシカ粒子であり、上記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂がシロキサン結合を有するポリマー、プレポリマー及び/又はオリゴマーであるように、したものである。
請求項4の発明に係わる研磨フィルムは、上記研磨材粒子がアモルファスシリカ粒子で、上記シリコーン系樹脂がメチルフェニルシリコーン系オリゴマーで、上記フッ素含有共重合体が四フッ化エチレン−ビニルモノマー共重合体で、上記硬化剤がイソシアネート系化合物であるように、したものである。
請求項5の発明に係わる研磨フィルムは、上記研磨層の表面の中心線平均粗さRaが0.005〜0.5μmであるように、したものである。
請求項6の発明に係わる研磨フィルムは、上記研磨フィルムの全線透過率が60〜95%であり、ヘイズ値が1〜70%であるように、したものである。
請求項7の発明に係わる研磨フィルムは、光ファイバーとその周囲を被覆するフェルールとからなる光コネクタの端面を、上記研磨フィルムで、水を潤滑剤とし、常温で、2分間研磨する堅牢度試験で、10回以上使用できる耐久性を有するように、したものである。
請求項8の発明に係わる研磨フィルムの製造方法は、請求項1に記載の研磨フィルムの製造方法であって、(1)上記基材フィルムを準備する基材準備工程と、(2)上記研磨材粒子と研磨材粒子用溶媒とを含む研磨材粒子液を準備する研磨材粒子液準備工程と、(3)上記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と該シリコーン系樹脂用溶媒とを含むシリコーン系樹脂液を準備するシリコーン系樹脂液準備工程と、(4)上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、該フッ素含有共重合体用溶媒とを含むフッ素含有共重合体液を準備するフッ素含有共重合体液準備工程と、(5)前記研磨材粒子液へ、シリコーン系樹脂液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂液作製工程と、(6)該研磨材粒子シリコーン系樹脂液へ、フッ素含有共重合体液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液(塗工剤)とする塗工剤作製工程と、(7)該塗工剤を基材フィルムへ塗布する塗布工程と、(8)塗布された塗工剤を乾燥させる乾燥工程と、からなるように、したものである。
請求項9の発明に係わる研磨フィルムの製造方法は、請求項2に記載の研磨フィルムの製造方法であって、(1)上記基材フィルムを準備する基材準備工程と、(2)上記研磨材粒子と研磨材粒子用溶媒とを含む研磨材粒子液を準備する研磨材粒子液準備工程と、(3)上記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と該シリコーン系樹脂用溶媒とを含むシリコーン系樹脂液を準備するシリコーン系樹脂液準備工程と、(4)上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、該フッ素含有共重合体用溶媒とを含むフッ素含有共重合体液を準備するフッ素含有共重合体液準備工程と、(5)前記研磨材粒子液へ、シリコーン系樹脂液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂液作製工程と、(6)該研磨材粒子シリコーン系樹脂液へ、フッ素含有共重合体液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液作製工程と、(7)該研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液へ、上記硬化剤と硬化剤用溶媒とを含む硬化剤液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体硬化剤液(塗工剤)とする塗工剤作製工程と、(8)該塗工剤を基材フィルムへ塗布する塗布工程と、(9)塗布された塗工剤を乾燥及び/又は硬化させる乾燥工程と、からなるように、したものである。
請求項10の発明に係わる研磨フィルムの製造方法は、上記塗布工程がグラビアリバース法であるように、したものである。
請求項11の発明に係わる研磨フィルムの製造方法は、上記乾燥工程が上記塗工剤を塗布した後、直ちに塗布剤を加熱して、塗布剤中の溶媒を飛散させるように、したものである。
請求項12の発明に係わる研磨フィルムの製造方法に用いる塗工剤は、請求項8に記載の研磨フィルムの製造方法に用いる塗工剤であって、上記研磨材粒子と、該研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、溶媒と、を混合及び/又は分散してなるように、したものである。
請求項13の発明に係わる研磨フィルムの製造方法に用いる塗工剤は、請求項9に記載の研磨フィルムの製造方法に用いる塗工剤であって、上記研磨材粒子と、該研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、硬化剤と、溶媒と、を混合及び/又は分散してなるように、したものである。
請求項14の発明に係わる研磨フィルムの製造方法に用いる塗工剤は、上記研磨材粒子が平均粒子径1〜200nmのアモルファスシリカ粒子で、上記シリコーン系樹脂がメチルフェニルシリコーン系オリゴマーで、上記フッ素含有共重合体が四フッ化エチレン−ビニルモノマー共重合体であるように、したものである。
請求項15の発明に係わる研磨フィルムの製造方法に用いる塗工剤は、上記研磨材粒子が平均粒子径1〜200nmのアモルファスシリカ粒子で、上記シリコーン系樹脂がメチルフェニルシリコーン系オリゴマーで、上記フッ素含有共重合体が四フッ化エチレン−ビニルモノマー共重合体で、上記硬化剤がイソシアネート系化合物であるように、したものである。
請求項1、5、6の本発明によれば、研磨層中に5〜10μの粗大粒子の生成がなく、高い寸法精度で、被研磨体表面に研磨傷の発生が少ない鏡面状態を要求される最終仕上げの高精度研磨に使用できる効果を奏する。
請求項2、3、4、5、6、7の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、繰り返し多数回使用でき耐久性が高く、省エネルギー性に優れる効果を奏する。
請求項8、10、11の本発明によれば、粗大粒子の発生がなく、安定して請求項1の研磨フィルムを製造できる効果を奏する。
請求項9、10、11の本発明によれば、粗大粒子の発生がなく、安定して請求項2の研磨フィルムを製造できる効果を奏する。
請求項12、14の本発明によれば、請求項8の研磨フィルムの製造方法に用い、粗大粒子の発生がなく、安定して製造できる効果を奏する。
請求項13、14、15の本発明によれば、請求項9の研磨フィルムの製造方法に用い、粗大粒子の発生がなく、安定して製造できる効果を奏する。
本発明の1実施例を示す研磨フィルムの断面図である。 研磨フィルムを用いて半導体ウエハの研磨を説明する要部の断面図である。 研磨フィルムを用いて光コネクタフェルールの研磨を説明する要部の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(研磨フィルム)本願発明の研磨フィルム10は、図1に示すように、基材フィルム11と、該基材フィルム11の少なくとも一方の面に、少なくとも研磨材粒子と結合剤とからなる研磨層13を形成する。研磨層13は少なくとも研磨材粒子と結合剤とからなる。該結合剤は研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、を含ませ、また、結合剤を硬化剤で硬化させてもよい。さらに、必要に応じて、基材フィルム11の研磨層13を形成する面へ、接着性の向上のためにプライマ層12を設けてもよい。
(形態)研磨フィルム10は広幅の巻取で製造するが、所望の幅にカットしたテープ状の巻取としたりする他に、帯状、円形状、その他所望の形状にしたり、任意の形態に構成してもよい。
(効果)本願発明の研磨フィルム10の研磨層13では、5〜10μの粗大粒子の生成がなく、研磨材粒子が平均粒子径1〜200nmを維持したまま凝集することなく分散できるので、被研磨体表面に研磨傷の発生が少なく、光コネクタフェルール端面や半導体ウエハ表面等の精密部品鏡面仕上げを行える。なお、平均粒子径1〜200nmとは、例え、研磨材粒子が凝集して二次粒子状態となってもその平均粒子径が1〜200nmであればよく、また、凝集して二次粒子となっても、1〜400nmの範囲であれば性能に影響がないので、請求の範囲内とする。即ち、平均粒子径1〜200nmの研磨材粒子を用いればよく、研磨層13中の研磨材粒子には5〜10μの粗大粒子がなければよい。
また、研磨層13表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.005〜0.5μmで、多くの場合は0.007〜0.02μmの範囲内に入っているので、光コネクタフェルールの最終仕上げの高精度研磨にも使用でき、また、繰り返し多数回使用できるほど耐久性が高いので、研磨作業性が高く、省エネルギー性にも優れる。さらに、研磨フィルム10の全光線透過率Ttは60〜95%で、ヘイズ値は1〜70%であり、被研磨体などの物体を透視できる透明性又は半透明性を有するので作業適性上もよく、外観的にもよい。
(表示)研磨フィルム10は基材フィルム11、プライマ層12および研磨層13がいずれも透明性を有している場合、基材面と研磨層面の区別がつきにくいことから、誤使用の可能性がある。これを防止するには、基材フィルム11を着色加工したり、文字や図柄の印刷を施してたりすればよい。
(基材フィルム)基材フィルム11としては、研磨時の潤滑剤や機械的な強度と、研磨剤の塗工・乾燥に耐える強度・耐熱性、寸法変化が少ない合成紙やプラスチックフィルムから適宜に選択できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、ポリアリレート、ジ又はトリ・セルロースアセテートなどのセルロース誘導体や、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主成分とするアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、などよりなる延伸あるいは未延伸のフィルムである。
特に、研磨層の塗工適性、後加工適性及び研磨機における取扱いに優れたポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。該プラスチックフィルムの厚さは、被研磨材の材質、大きさ、厚さなどから適宜選択すれば良いが、その厚さは、例えば、12〜250μmである。基材フィルム11は、作業工程での粉塵の付着を防止するために、帯電防止剤を加えても良い。帯電防止剤は、公知の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤などやポリアミド誘導体やアクリル酸誘導体などを、適宜に選択して加えればよい。
(プライマ層)必要に応じて設けるプライマ層12としては、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル系またはポリメタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとのエチレン共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ−プラスト系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、その他の樹脂を構成するモノマー、プレポリマー若しくはオリゴマーあるいはポリマーの一種ないしそれ以上をビヒクルの主成分とする組成物を塗布ないし印刷して形成することができる。更に、接着性を上げるために、イソシアネート等の硬化剤を入れてもよい。またはコロナ放電処理、オゾンガス処理などの易接着処理を施してもよい。
これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを基材フィルム11に公知のコーティング法で塗布し乾燥してプライマー層12とする。また、樹脂にモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどと、反応開始剤、硬化剤、架橋剤などを適宜組み合わせたり、あるいは、主剤と硬化剤とを組み合わせて、塗布し乾燥して、乾燥または乾燥した後のエージング処理によって反応させて、形成しても良い。該プライマー層12の厚さは、薄くてよく、0.05〜5μm程度で良い。
プライマ層12を塗布することにより、研磨層13との接着性を向上させ、結合剤と研磨粒子の脱落を防止でき、光コネクタフェルール2を研磨フィルム10によって研磨しても、基材フィルム11から研磨層13が剥離することがなく、安定した研磨作業ができる。
(研磨材粒子)研磨材粒子としては、例えば、アルミナ(酸化アルミニュウム)、酸化チタン、ジルコニア(酸化ジルコニュウム)、リチウムシリケート、ダイヤモンド、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化鉄、酸化クロム、シリカ(酸化ケイ素)、酸化アンチモン等の無機化合物を使用することができる。
微細な研磨に適する研磨フィルムを製造するための研磨粒子は、粒子径が1〜300nm程度、好ましくは1〜200nmで、一次粒子の状態のものを使用することが望ましい。特に、本発明に使用する研磨粒子としては、結合剤との親和性、相溶性を考慮すると、シリカ(酸化ケイ素)を使用することが好ましく、平均粒子径1〜200nmのコロイダルシリカ粒子である。
(結合剤)結合剤は研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂(有機無機複合ポリマー樹脂とも呼称する)と、水酸基を含有するフッ素含有共重合体とを含ませる。また、研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、水酸基を含有するフッ素含有共重合体を、該フッ素含有共重合体の水酸基と反応する硬化剤で硬化させることで、研磨層13は堅牢なる高耐久性の研磨フィルム10とすることができる。
(シリコーン系樹脂)研磨材粒子へ親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂としては、構造中にシロキサン結合(Si−O結合)を有するモノマー、プレポリマー若しくはオリゴマーまたはポリマー等を使用することができ、例えば、ポリシロキサンやその誘導体、その変性物、あるいはそのブレンド物、更にはそのモノマー、プレポリマー若しくはオリゴマー等を使用することができる。
具体的には、例えばポリシロキサンを構成するモノマー、プレポリマー若しくはオリゴマーまたはポリマーは勿論のこと、該ポリシロキサンを構成するモノマー、プレポリマー若しくはオリゴマーまたはポリマーと、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル系またはポリメタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン系共重合体、ポリビニルアセタール系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ−プラスト系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、その他の樹脂を構成するモノマー、プレポリマー若しくはオリゴマーまたはポリマーとを混合し、そのブレンド物、あるいは反応変性物等を使用することができる。
特に、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等のプレポリマー若しくはオリゴマーあるいはポリマーと、ポリシロキサンのプレポリマー若しくはオリゴマーあるいはポリマーとを混合してなるブレンド物あるいは反応変性物を使用することが好ましく、更に高耐久性を付与するために水酸基を含有するフッ素含有共重合体を混合・ブレンドしすることが必要で、該フッ素含有共重合体の水酸基と反応する硬化剤とからなる接着剤をさらに混合してなる結合剤とすることがより好ましい。
更に詳しく説明すると、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等のプレポリマー若しくはオリゴマーあるいはポリマーを主鎖とし、その側鎖にポリシロキサンのプレポリマー若しくはオリゴマーあるいはポリマーを、例えば、グラフト重合等によって反応させ、主鎖部分を有機性で構成し、側鎖部分をシロキサン結合からなる無機性で構成してなる有機無機複合ポリマー(シリコーン系樹脂)、そのプレポリマーもしくはオリゴマー等を使用することが望ましいものである。
(フッ素含有共重合体)水酸基を含有するフッ素含有共重合体としては、有機溶剤可溶性で分子中に架橋部位を有するものであり、架橋部位としてはアルコール性水酸基(OH基)などである。
フッ素含有共重合体としては、たとえば、
(1)式:CF2=CFX〔式中、Xはフッ素原子、水素原子ないしトリフルオロメチル基である〕で表されるフルオロオレフィン単量体、
(2)式:CH2=CR(CH2)〔式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基である〕で表されるβ−メチル置換α−オレフィン単量体、
(3)式:CH2=CHR1〔式中、R1は−OR2又は−CH2OR2(但し、R2は水酸基を有するアルキル基)である〕で表される水酸基含有単量体、および、
(4)架橋性官能基を有さず、かつ、前記単量体(1)、(2)、(3)と共重合し得る他の単量体から導かれるフッ素含有共重合体を挙げることができる。
フルオロオレフィン単量体としては、例えば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等を挙げることができる。また、前記β−メチル置換α−オレフィン単量体としては、例えば、イソブチレン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン等を挙げることができる。また、水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル等を挙げることができる。
また、前記フルオロオレフィン単量体、前記β−メチル置換α−オレフィン単量体、水酸基含有単量体と共重合し得る他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,(イソ)酪酸ビニル,カプロン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,ステアリン酸ビニル,安息香酸ビニル,キサフルオロプロピオン酸ビニル,リフルオロ酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、マレイン酸又はフマル酸ジメチル,ジエチル,ジプロピル,ジブチル,ジトリフルオロメチル,ジトリフルオロメチル,ジヘキサフルオロプロピルなどのマレイン酸又はフマル酸のジエステル、メチルビニルエーテル,エチルビニルエーテル,n−プロピルビニルエーテル,iso−ブチルビニルエーテル,tert−ブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル,シクロヘキシルビニルエーテルなどのシクロアルキルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル等の芳香族基を有するビニルエーテル類、あるいは、パーフルオロエチルビニルエーテル,パーフルオロプロピルビニルエーテル等のフルオロアルキルビニルエーテル類等の他に、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、スチレン等を挙げることができる。
前記水酸基を有するフッ素含有共重合体は、上記式(1)〜(4)の単量体を乳化重合、溶液重合、懸濁重合等の周知の方法で共重合することにより得ることができる。前記水酸基を有するフッ素含有共重合体はGPCで測定する数平均分子量が1,000〜500,000、好ましくは、3,000〜100,000のものが用いられる。
(硬化剤)硬化剤としては、架橋部位である水酸基との反応性の高い有機ポリイソシアネート化合物が適当であり、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、n−ペンタン−1,4−ジイソシアネート、および、これらの三量体、これらのアダクト体やビューレット体、あるいは、これらの重合体で2個以上のイソシアネート基を有するもの、さらに、ブロック化されたイソシアネート類等を挙げることができる。
これらの硬化剤を用いて、結合剤である研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、水酸基を含有するフッ素含有共重合体とを硬化させた場合には、例えば、光コネクタフェルールの最終仕上げの高精度研磨に使用でき、かつ、繰り返し多数回使用でき、高い耐久性が発現する。
(製造方法)次に研磨フィルム10の製造方法について説明する。
(1)上記基材フィルムを準備する基材準備工程と、(2)上記研磨材粒子と研磨材粒子用溶媒とを含む研磨材粒子液を準備する研磨材粒子液準備工程と、(3)上記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と該シリコーン系樹脂用溶媒とを含むシリコーン系樹脂液を準備するシリコーン系樹脂液準備工程と、(4)上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、該フッ素含有共重合体用溶媒とを含むフッ素含有共重合体液を準備するフッ素含有共重合体液準備工程と、(5)前記研磨材粒子液へ、シリコーン系樹脂液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂液作製工程と、(6)該研磨材粒子シリコーン系樹脂液へ、フッ素含有共重合体液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液(塗工剤)とする塗工剤作製工程と、(7)該塗工剤を基材フィルムへ塗布する塗布工程と、(8)塗布された塗工剤を乾燥させる乾燥工程と、からなる。
研磨材粒子液、シリコーン系樹脂液、フッ素含有共重合体液の混合順序は、(5)研磨材粒子シリコーン系樹脂液作製工程、(6)フッ素含有共重合体液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液(塗工剤)とする塗工剤作製工程、の順で行い、混合順が逆では粒子が凝集して粗大粒子となって、分散することができない。ただし、シリコーン系樹脂液とフッ素含有共重合体液を混合した後に研磨材と混合および/または分散することは可能である。粗大粒子、例えば5〜10μmの粒子があると、被研磨体表面に研磨傷が発生し、鏡面状態で高い寸法精度を要求される仕上げ研磨に使用することができない。
(硬化、製造方法)硬化剤で硬化する場合の製造方法は、(1)上記基材フィルムを準備する基材準備工程と、(2)上記研磨材粒子と研磨材粒子用溶媒とを含む研磨材粒子液を準備する研磨材粒子液準備工程と、(3)上記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と該シリコーン系樹脂用溶媒とを含むシリコーン系樹脂液を準備するシリコーン系樹脂液準備工程と、(4)上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、該フッ素含有共重合体用溶媒とを含むフッ素含有共重合体液を準備するフッ素含有共重合体液準備工程と、(5)前記研磨材粒子液へ、シリコーン系樹脂液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂液作製工程と、(6)該研磨材粒子シリコーン系樹脂液へ、フッ素含有共重合体液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液作製工程と、(7)該研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液へ、上記硬化剤と硬化剤用溶媒とを含む硬化剤液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体硬化剤液(塗工剤)とする塗工剤作製工程と、(8)該塗工剤を基材フィルムへ塗布する塗布工程と、(9)塗布された塗工剤を乾燥及び/又は硬化させる乾燥工程と、からなる。
研磨材粒子液、シリコーン系樹脂液、フッ素含有共重合体液、硬化剤液の混合順序は、(5)研磨材粒子シリコーン系樹脂液作製工程、(6)研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液作製工程、(7)研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体硬化剤液(塗工剤)作製工程、の順で行い、混合順が逆では粒子が凝集して粗大粒子となって、分散することができない。ただし、シリコーン系樹脂液とフッ素含有共重合体液を混合した後に研磨材と混合および/または分散することは可能である。粗大粒子、例えば5〜10μmの粒子があると、被研磨体表面に研磨傷が発生し、鏡面状態で高い寸法精度を要求される仕上げ研磨に使用することができない。
(塗布方法)塗布工程の塗布方法は特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、キスコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコートなどが適用できる。好ましくは、グラビアリバース法、3本ロールリバース法である。
(乾燥工程)乾燥工程は乾燥及び/又は硬化させる工程で、塗工剤中に硬化剤が混入させている場合、研磨層13が塗布された基材フィルム11は更に80℃で10分間加熱される。他方、塗工剤中に硬化剤が混入していない場合、90℃で1時間加熱される。このようにして塗工剤が乾燥し、厚さ0.5〜10μm程度、好ましくは3〜5μmの研磨層13が形成されて研磨フィルム10が得られる。
乾燥工程は塗工剤を塗布した後、直ちに塗布剤を加熱して、塗布剤中の溶媒を飛散させることが好ましい。このように直ちに乾燥させることにより、コロイダルシリカ粒子は凝集することなく研磨層13中で平均粒子径1〜200nmを維持しながら分散することができるのである。すなわち、塗工剤を塗布した後、直ちにイソプロピルアルコール等の溶剤を飛散させないと、塗工剤中でコロイダルシリカ粒子が凝集する時間を与えてしまい、コロイダルシリカ粒子が凝集して平均粒子径が大きくなってしまう。
従来、一般的には粒子径1μ以下の粒子を、結合剤用樹脂液として広く用いられているポリエステル、ポリエステルウレタン、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等の結合剤用樹脂液中に分散させて塗工剤を作製すると、粒子が凝集して5〜10μmの粗大粒子が生成してしまい、この塗工剤を用いて形成された研磨層は研磨層中の粗大粒子が原因となって、被研磨体に傷を発生させ、仕上げ研磨に使用することができなかった。
(研磨層の分散)これに対して、本願発明では、研磨層13の成分を限定することで、塗工剤の作製工程、塗工剤の塗布工程、およびその後の乾燥工程のいずれの工程においても、平均粒子径1〜200nmを維持することで、塗布し乾燥後の研磨層13中においても、コロイダルシリカ粒子の平均粒子径1〜200nmを維持させることができる。このため、この塗工剤を用いて形成された研磨層13を有する研磨フィルム10は、光コネクタフェルール2端面や半導体ウエハ1端面の最終仕上げを行うのに好適な研磨シートになる。
即ち、本願発明によれば、研磨材粒子であるコロイダルシリカがシラノール基を有しており、他方、樹脂液中の研磨材粒子へ親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂(有機無機複合ポリマー樹脂)がSi原子を骨格としたポリシロキサンオリゴマー等の官能基を有しており、このポリシロキサンオリゴマーはシラノール基に対して親和性の高い官能基となっているので、コロイダルシリカは凝集することなく、結合剤用樹脂液中で分散することができる。
また、コロイダルシリカをイソプロピルアルコール等の有機溶媒に安定に分散させたコロイダルシリカゾルと、同様にイソプロピルアルコール等の有機溶媒を含む粘性の低い樹脂液とを混合させて作製された塗工剤中においては、コロイダルシリカゾルと結合剤用樹脂液が同質の有機溶媒を含むので、結合剤用樹脂液中へのコロイダルシリカの分散が容易となり、塗工剤中でのコロイダルシリカの凝集の生成を抑制することができる。これらの有機溶媒としては、イソプロピルアルコールの他、メタノール、エタノール、キシレン、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコール−モノn−プロピルエーテル、ジメチルアセトアミド、メチルイソブチルケトン等が使用できる。
(塗布液)研磨材粒子液、シリコーン系樹脂液、フッ素含有共重合体液、硬化剤液は、それぞれの成分へ、それぞれの成分を溶解及び/又は分散できる公知の溶媒を用いて、作製すればよい。
平均粒子径1〜200nmの例えばコロイダルシリカ粒子とイソプロピルアルコール等の研磨材粒子用溶媒とを含んだコロイダルシリカゾル(研磨材粒子液)と、例えば研磨材粒子へ親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂(有機無機複合ポリマー樹脂=主なる結合剤)とイソプロピルアルコール等の結合剤用溶媒とを含んだ結合剤用樹脂液とを混合して塗工剤を作製すればよい。この場合、塗工剤中では、コロイダルシリカ粒子が平均粒子径1〜200nmを維持し、凝集することなく分散している。なお、平均粒子径1〜200nmとは、例え、研磨材粒子が凝集して二次粒子状態となってもその平均粒子径が1〜200nmであればよく、また、凝集して二次粒子となっても、1〜400nmの範囲であれば性能に影響がないので、請求の範囲内とする。
なお、高耐久性を付与させるため、水酸基を含有するフッ素含有共重合体と該フッ素含有共重合体と反応する硬化剤とにより形成する場合、結合剤にフッ素樹脂と熱硬化できる多量体のイソシアネート硬化剤を用いて実施したが、塗工剤中に例えばスズ化合物等の有機金属溶液を混入してもよく、また塗工剤中にコロイダルシリカ粒子を分散させるための分散剤、例えば非イオン界面活性剤を混入してもよい。
塗工剤中に硬化剤を混入する場合、研磨材粒子へ親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂(有機無機複合ポリマー樹脂の固形分)に対する硬化剤の溶液としての比率は、90:10未満であることが好ましい。
(硬化)このような水酸基を含有するフッ素含有共重合体と硬化剤とを反応させてフッ素系樹脂を形成する。例えば、前記フッ素含有共重合体を溶媒に溶解し、該フッ素含有共重合体中の水酸基(−OH基)1当量に対して、イソシアネート系硬化剤のイソシアナート基(−NCO)0.3当量以上、好ましくは0.5〜2.0当量となるように前記硬化剤を添加するのが適当である。多数回使用するため0.3当量未満の場合は研磨材微粒子の保持力が得られなかったり、また、2.0当量超の場合は未反応のイソシアネート基が多量に残存し、塗工剤が早くゲル化したり被膜がブロッキングする恐れがある。
(配合比)塗工剤中における質量基準での配合比は、研磨材粒子(固形分):シリコーン系樹脂(固形分):フッ素含有共重合体(固形分)=20:0.5〜20:0.1〜10程度、好ましくは、20:1〜10:0.3〜5である。
なお、塗工剤中における固形分の質量比は、塗布し乾燥後の研磨層13の質量比でもある。
(凝集)而して、上記のような研磨材粒子と親和性の官能基を持つ有機無機複合ポリマー(シリコーン系樹脂)を使用することによって、研磨材粒子が、塗工剤中、あるいは研磨層中で凝集することなく一次粒子の状態を保持することができ、微細な研磨に適する耐久性に優れる研磨フィルムを製造し得ると言う利点を有するものである。なお、平均粒子径1〜200nmとは、例え、研磨材粒子が凝集して二次粒子状態となってもその平均粒子径が1〜200nmであればよく、また、凝集して二次粒子となっても、1〜400nmの範囲であれば性能に影響がないので、請求の範囲内とする。
研磨粒子が一次粒子の状態を保持し得る理由は定かではないが、後述するように、結合剤として使用する樹脂中にシロキサン結合(Si−O結合)を含有していると、研磨材粒子として、研磨材粒子として例えば、コロイダルシリカ粒子を使用する場合、その両者が相互にSi原子を共通とする官能基を有することになり、両者が親和性を有して該研磨材粒子が、塗工剤としての組成物の状態、あるいは塗膜状の研磨層の状態においても一次粒子の状態を保持し得ることにより、極めて良好に研磨仕上げできる高耐久性研磨フィルムを製造し得るものと推定される。
(透明性)研磨粒子として、例えば、粒子径が5〜50nmのものを使用し、更に、研磨粒子と結合剤(親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と水酸基を含有するフッ素含有共重合体)との配合割合(質量%)を、20:0.5〜20:0.1〜10程度、好ましくは、20:1〜10:0.3〜5の範囲内で使用すると、得られる研磨フィルム10は、全光線透過率が90〜95%、ヘーズ値が2〜15%の範囲内であって、比較的に透明性に富む研磨フィルム10を得ることができ、該研磨フィルム10は、光コネクタフェルール等の精密部品の表面の仕上げ研磨適性を有するものである。
(研磨適性)また、研磨粒子として、例えば、粒子径が50〜200nmのものを使用し、更に、研磨粒子と結合剤(親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と水酸基を含有するフッ素含有共重合体)との配合割合(質量%)を20:0.5〜20:0.1〜10程度、好ましくは、20:1〜10:0.3〜5の範囲内で使用すると、得られる研磨フィルム10は、比較的に白濁した白色ないし半透明性に富む研磨フィルムとなり、上記と同様に、光コネクタフェルール等の精密部品の表面の仕上げ研磨適性を有するものである。
上記のような現象は、研磨粒子として、シリカ粒子を使用する場合に、特に顕著なものである。なお、本発明において、研磨粒子と結合剤との配合割合において、研磨粒子が結合剤より少なくなると、得られる研磨フィルムの表面仕上げ研磨適性は、やや低下する傾向にある
例えば、粒子径が5〜50nmのものを使用し、更に、研磨粒子と結合剤との配合割合(質量%)として、結合剤の量を多くすると、得られる研磨フィルムの表面仕上げ研磨適性は、かなり低下する傾向を示すものである。
この理由は定かではないが、研磨粒子が結合剤中において表面に露出することがないことから、研磨能力を発揮し得ないことによるものと推定される。さらに多数回使用の場合でも、初回から1〜2回目までは研削性が低下するもののその後は研削性が向上することがあって、表層の樹脂層が研磨工程で露出できるようになると研削性が向上することも推察された。
(研磨方法)このようにして製造された研磨フィルムを用いて、被研磨体を研磨する。図2では半導体ウエハ1の表面が研磨され、図3では光コネクタフェルール2端面が研磨される。次に光コネクタフェルール2の表面の研磨方法について説明する。
図3に示すように、回転金属板16上にエラストマ弾性体15を介して研磨フィルム10が配置され、研磨フィルム10面へ光コネクタフェルール2の端部表面が水を潤滑剤として約2分間研磨される。このように研磨フィルム10の研磨層13には凝集による5〜10μmの粗粒子がなく、このため光コネクタフェルール2の表面を効率よく研磨できる。
すなわち、本発明のように研磨フィルム10の研磨層13に凝集による5〜10μmの粗粒子を生じさせないようにすることにより、光コネクタフェルール2を均一かつ精度良く研磨することができる。また光コネクタフェルール2に傷を生じさせることなく、また研磨中に他の研磨材を含む研磨液を供給する必要はない。なお、被研磨体によっては研磨加工時に潤滑剤を供給するとさらに効率よく研摩できることがある。
潤滑剤としては、水、アルコール、界面活性剤、オイル等一般的に知られているものを用いることができ、この場合、潤滑剤中に研摩材は含まれていない。潤滑剤を使用する場合、研摩材を含む研摩液を使用するメニカカルポリッシングと比較して、取扱いが容易であり作業性が良い。
なお、研磨中、研磨フィルム10の研磨層13は目詰まりすることなく、全体として徐々に減少していく。このため、研磨フィルム10の寿命は研磨層13が存在する限り続くので、研磨フィルム10の寿命を長く維持することができる。繰り返し使用するたびに微細な被削物が浮遊するので水やアルコールなどで1回使用するごとにクリーニングすることが最も好ましい。
尚、光コネクタフェルール2の代わりに半導体ウェハ1等の精密部品を研磨しても同様な効果を奏することができるものである。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)・基材フィルムとして、50μmの低熱収縮タイプのPETフィルムを用い、・シリコーン系樹脂液として、ポリシロキサンオリゴマー溶液(固形分30%)10部を用い、・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径10〜20nm、固形分30%)400部を用い、・フッ素含有共重合体液として、フッ素系ポリオール樹脂液(固形分60%)10部を用いた。
上記のシリコーン系樹脂液へ、研磨材粒子液を加えて超音波分散し、フッ素含有共重合体液を加えて撹拌して、塗工剤とした。この塗工剤を濾過渡精度1μでフィルタリングを行なった後に、基材フィルムへ乾燥後の塗布量が4g/m2になるように、3本リバース法で塗布し、直ちに乾燥して、実施例1の研磨フィルム10を得た。
(実施例2)下記の液を用いる以外は実施例1と同様にして、実施例2の研磨フィルム10を得た。
・シリコーン系樹脂液として、有機無機複合ポリマー(固形分100%)15部を用い、・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径10〜15nm、固形分30%)600部を用い、・フッ素含有共重合体液として、フッ素系ポリオール樹脂液(固形分60%)9部を用いた。
(実施例3)下記の基材フィルム、液を用い、塗布量を3g/m2とする以外は、実施例1と同様にして、実施例3の研磨フィルム10を得た。
・基材フィルムとして、75μmの易接着タイプのPETフィルムを用い、・シリコーン系樹脂液として、シリコーンワニス(固形分51%)15部を用い、・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径10〜15nm、固形分30%)200部を用い、・フッ素含有共重合体液として、4フッ化エチレン−ビニル共重合体液(固形分60%)10部を用いた。
(実施例4)・基材フィルムとして、50μmの低熱収縮タイプのPETフィルムを用い、・シリコーン系樹脂液として、ポリシロキサンオリゴマー溶液(固形分30%)10部を用い、・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径10〜20nm、固形分30%)400部を用い、・フッ素含有共重合体液として、フッ素系ポリオール樹脂液(固形分60%)10部を用い、・硬化剤液として、HMDIを用いた。
上記のシリコーン系樹脂液へ、研磨材粒子液を加えて超音波分散し、フッ素含有共重合体液を加えて撹拌し、さらに、硬化剤をフッ素含有共重合体の水酸基1当量に対し1.1当量を加えて撹拌して、塗工剤とした。この塗工剤を濾過渡精度1μでフィルタリングを行なった後に、基材フィルムへ乾燥後の塗布量が4g/m2になるように、グラビアリバース法で塗布し、直ちに乾燥し、硬化させて、実施例4の研磨フィルム10を得た。
(実施例5)下記の液を用いる以外は実施例4と同様にして、実施例5の研磨フィルム10を得た。
・シリコーン系樹脂液として、有機無機複合ポリマー(固形分100%)15部を用い、・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径10〜15nm、固形分30%)600部を用い、・フッ素含有共重合体液として、フッ素系ポリオール樹脂液(固形分60%)9部を用い、・硬化剤液として、有機ポリイソシアネートを用いた。
(実施例6)下記の基材フィルム、液を用い、塗布量を3g/m2とする以外は、実施例4のと同様にして、実施例6の研磨フィルム10を得た。
・基材フィルムとして、75μmの易接着タイプのPETフィルムを用い、・シリコーン系樹脂液として、シリコーンワニス(固形分51%)15部を用い、・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径10〜15nm、固形分30%)200部を用い、・フッ素含有共重合体液として、4フッ化エチレン−ビニル共重合体液(固形分60%)10部を用い、・硬化剤液として、多量体ポリイソシアネートを用いた。
(実施例7)下記の研磨材粒子液を用いる以外は実施例4と同様にして、実施例7の研磨フィルム10を得た。
・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径70〜100nm、固形分30%)400部を用いた。
(実施例8)下記の研磨材粒子液を用いる以外は実施例5と同様にして、実施例8の研磨フィルム10を得た。
・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径70〜100nm、固形分30%)600部を用いた。
(実施例9)下記の研磨材粒子液を用いる以外は実施例6と同様にして、実施例9の研磨フィルム10を得た。
・研磨材粒子液として、シリカゾルIPA分散液(平均粒子径70〜100nm、固形分30%)200部を用いた。
(測定方法)Raは中心線平均粗さで、JIS−B−0601に準拠して、測定機として((株)東京精密:表面粗さ形状測定機サーフコム590A、商品名)を用いて、カットオフ値0.8mmで測定を行った。Raは中心線平均粗さである。
ヘイズ及び全光線透過率(以降、Ttともいう)は、JIS−K7105に準拠して、スガ試験機(株):カラーコンピュータSM−5、商品名)を用いて測定した。
(評価方法)堅牢度試験は、((株)精工技術:光ファイバ研磨機SFP120A、商品名)を用いて、炭化珪素(SiC)研磨剤の研磨フィルムでコネクタ端面の付着エポキシ樹脂(接着剤)を除去し、平面加工した光コネクタ(ジルコニアフェルール)を研磨する。
実施例の研磨フィルムを125mmφにカットしてセットし、潤滑剤として純水5mlを研磨フィルムの中央部へ滴下して、水を潤滑剤とし、常温で、2分間研磨する。
研磨後の光コネクタフェルールを、800倍光学顕微鏡、及び((株)東京精密:三次元表面粗さ形状解析システムサーフコム590A−3DF、商品名)で観察した。
使用に支障のある傷、ヘコミがなく、寸法精度、形状もよいものを合格(○印)とした。
Figure 2011098414
(評価結果)
表1の結果のように、実施例1〜9は、光コネクタフェルールの端面の研磨を行なったところ、研磨傷や研磨斑のない鏡面仕上げを良好に行え、形状の変形もなく、合格範囲内であり、信号の減衰特性の良好な光コネクタフェルールが得られた。また、実施例1〜9の研磨フィルムのいずれにも、5〜10μmの粗粒子は認められず、研磨後の研磨フィルムも脱落などの異常もなく良好であったので、クリーニングしながら20〜30回使用しても仕上げ研磨をすることができた。
(産業上の利用可能性)本発明の研磨フィルムの主なる用途としては、光コネクタフェルール、半導体ウエハ、半導体の集積回路形成時の平坦化、金属、セラミックス、カラーフィルター(液晶表示用等)、プラズマディスプレイ、光学レンズ、磁気ディスクあるいは光ディスク基板、磁気ヘッド、光学読取ヘッド等の精密部品に利用でき、傷の発生を抑えてしかも精度高く研磨できるものである。しかしながら、精密部品の表面や端面を、高精度な研磨を必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
1:半導体ウエハ
2:光コネクタフェルール
2a:端面
3:光ファイバ
4:被覆部
10:研磨フィルム
11:基材フィルム
12:プライマ層
13:研磨層
21:回転金属板
23:エラストマ弾性体

Claims (15)

  1. 基材フィルムと、該基材フィルムの少なくとも一方の面に、少なくとも研磨材粒子と結合剤とからなる研磨層を形成した研磨フィルムにおいて、前記結合剤が前記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、を含むことを特徴とする研磨フィルム。
  2. 上記結合剤が硬化剤で硬化されてなることを特徴とする請求項1記載の研磨フィルム。
  3. 上記研磨材粒子が平均粒子径1〜200nmのシリカ粒子及び/又はコロイダルシカ粒子であり、上記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂がシロキサン結合を有するポリマー、プレポリマー及び/又はオリゴマーであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の研磨フィルム。
  4. 上記研磨材粒子がアモルファスシリカ粒子で、上記シリコーン系樹脂がメチルフェニルシリコーン系オリゴマーで、上記フッ素含有共重合体が四フッ化エチレン−ビニルモノマー共重合体で、上記硬化剤がイソシアネート系化合物であることを特徴とする請求項2〜3のいずれかに記載の研磨フィルム。
  5. 上記研磨層の表面の中心線平均粗さRaが0.005〜0.5μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の研磨フィルム。
  6. 上記研磨フィルムの全線透過率が60〜95%であり、ヘイズ値が1〜70%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の研磨フィルム。
  7. 光ファイバーとその周囲を被覆するフェルールとからなる光コネクタの端面を、上記研磨フィルムで、水を潤滑剤とし、常温で、2分間研磨する堅牢度試験で、10回以上使用できる耐久性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の研磨フィルム。
  8. 請求項1に記載の研磨フィルムの製造方法であって、(1)上記基材フィルムを準備する基材準備工程と、(2)上記研磨材粒子と研磨材粒子用溶媒とを含む研磨材粒子液を準備する研磨材粒子液準備工程と、(3)上記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と該シリコーン系樹脂用溶媒とを含むシリコーン系樹脂液を準備するシリコーン系樹脂液準備工程と、(4)上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、該フッ素含有共重合体用溶媒とを含むフッ素含有共重合体液を準備するフッ素含有共重合体液準備工程と、(5)前記研磨材粒子液へ、シリコーン系樹脂液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂液作製工程と、(6)該研磨材粒子シリコーン系樹脂液へ、フッ素含有共重合体液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液(塗工剤)とする塗工剤作製工程と、(7)該塗工剤を基材フィルムへ塗布する塗布工程と、(8)塗布された塗工剤を乾燥させる乾燥工程と、からなることを特徴とする研磨フィルムの製造方法。
  9. 請求項2に記載の研磨フィルムの製造方法であって、(1)上記基材フィルムを準備する基材準備工程と、(2)上記研磨材粒子と研磨材粒子用溶媒とを含む研磨材粒子液を準備する研磨材粒子液準備工程と、(3)上記研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と該シリコーン系樹脂用溶媒とを含むシリコーン系樹脂液を準備するシリコーン系樹脂液準備工程と、(4)上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、該フッ素含有共重合体用溶媒とを含むフッ素含有共重合体液を準備するフッ素含有共重合体液準備工程と、(5)前記研磨材粒子液へ、シリコーン系樹脂液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂液作製工程と、(6)該研磨材粒子シリコーン系樹脂液へ、フッ素含有共重合体液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液とする研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液作製工程と、(7)該研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体液へ、上記硬化剤と硬化剤用溶媒とを含む硬化剤液を混合及び/又は分散して研磨材粒子シリコーン系樹脂フッ素含有共重合体硬化剤液(塗工剤)とする塗工剤作製工程と、(8)該塗工剤を基材フィルムへ塗布する塗布工程と、(9)塗布された塗工剤を乾燥及び/又は硬化させる乾燥工程と、からなることを特徴とする研磨フィルムの製造方法。
  10. 上記塗布工程がグラビアリバース法であることを特徴とする請求項8〜9のいずれかに記載の研磨フィルムの製造方法。
  11. 上記乾燥工程が上記塗工剤を塗布した後、直ちに塗布剤を加熱して、塗布剤中の溶媒を飛散させることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の研磨フィルムの製造方法。
  12. 請求項8に記載の研磨フィルムの製造方法に用いる塗工剤であって、上記研磨材粒子と、該研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、溶媒と、を混合及び/又は分散してなることを特徴とする塗工剤。
  13. 請求項9に記載の研磨フィルムの製造方法に用いる塗工剤であって、上記研磨材粒子と、該研磨材粒子と親和性の官能基を持つシリコーン系樹脂と、上記水酸基を含有するフッ素含有共重合体と、硬化剤と、溶媒と、を混合及び/又は分散してなることを特徴とする塗工剤。
  14. 上記研磨材粒子が平均粒子径1〜200nmのアモルファスシリカ粒子で、上記シリコーン系樹脂がメチルフェニルシリコーン系オリゴマーで、上記フッ素含有共重合体が四フッ化エチレン−ビニルモノマー共重合体であることを特徴とする13に記載の塗工剤。
  15. 上記研磨材粒子が平均粒子径1〜200nmのアモルファスシリカ粒子で、上記シリコーン系樹脂がメチルフェニルシリコーン系オリゴマーで、上記フッ素含有共重合体が四フッ化エチレン−ビニルモノマー共重合体で、上記硬化剤がイソシアネート系化合物であることを特徴とする14に記載の塗工剤。
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