JP2011098258A - 排ガス浄化用触媒およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な機構によりシンタリング抑制能を高めた排ガス浄化用触媒およびその製造方法を提供する。
【解決手段】セリアおよびジルコニアを含む複合酸化物から成る触媒担体と、触媒金属としての貴金属とを備え、該貴金属が該触媒担体中に酸化物として固溶しており、還元雰囲気中では該触媒担体から該貴金属が析出し、酸化雰囲気中では該触媒担体中に該貴金属が酸化物として固溶することを特徴とする排ガス浄化用触媒。CeおよびZrを含む前駆体溶液中に貴金属成分を溶解させ、アルカリ溶液中で共沈させた物質を焼成することを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】セリアおよびジルコニアを含む複合酸化物から成る触媒担体と、触媒金属としての貴金属とを備え、該貴金属が該触媒担体中に酸化物として固溶しており、還元雰囲気中では該触媒担体から該貴金属が析出し、酸化雰囲気中では該触媒担体中に該貴金属が酸化物として固溶することを特徴とする排ガス浄化用触媒。CeおよびZrを含む前駆体溶液中に貴金属成分を溶解させ、アルカリ溶液中で共沈させた物質を焼成することを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、触媒金属のシンタリングを抑制して触媒性能を高めた排ガス浄化用触媒およびその製造方法に関する。
一般に、HC、CO、NOxを浄化する三元触媒は、複合酸化物等の触媒担体粒子に触媒金属としてPt、Rh、Pd等の貴金属成分を担持させた触媒層と、コージェライト基材とから構成される。触媒層は、予め結晶化させた酸化物粒子と、硝酸系やアミン系等の貴金属成分を含む薬液とを混合することにより得られる。
近年、排ガス浄化用触媒の設置部位がエンジンに近いマニホールド直下とされる傾向があり、また、高速走行時には排ガス温度が高くなることもあって、排ガス浄化用触媒は高温に晒される場合が多くなっている。そのため、排ガスの高温によって貴金属粒子同士が凝集・粒成長し、粒子の表面積が減少する結果、粒表面の触媒活性点が減少して触媒性能が劣化するという問題があった。
すなわち、(1)貴金属自身の蒸気圧は温度とともに上昇するため熱振動が大きくなり、高温雰囲気下では貴金属の凝集が起きやすくなること、(2)貴金属粒子同士の凝集力が担体と貴金属との結合力よりも強いこと、(3)従来の貴金属担持方法では、貴金属粒子成分が吸着し易い担体粒子表面に優先的に担持され、貴金属粒子同士の距離が近くなることが、貴金属粒子同士の凝集・粒成長の原因となる。
特許文献1には、Ce、Zr、Ptを含むペロブスカイト型複合酸化物を含むインテリジェント触媒において、シンタリング抑制能を向上させることが開示されている。
特許文献2には、セリアにジルコニアを固溶させた複合酸化物から成る触媒が開示されている。
しかし、高温下で貴金属粒子のシンタリング抑制能を更に高める必要があった。
本発明は、新規な機構によりシンタリング抑制能を高めた排ガス浄化用触媒およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の排ガス浄化用触媒は、
セリアおよびジルコニアを含む複合酸化物から成る触媒担体と、触媒金属としての貴金属とを備え、該貴金属が該触媒担体中に酸化物として固溶しており、還元雰囲気中では該触媒担体から該貴金属が析出し、酸化雰囲気中では該触媒担体中に該貴金属が酸化物として固溶することを特徴とする。
セリアおよびジルコニアを含む複合酸化物から成る触媒担体と、触媒金属としての貴金属とを備え、該貴金属が該触媒担体中に酸化物として固溶しており、還元雰囲気中では該触媒担体から該貴金属が析出し、酸化雰囲気中では該触媒担体中に該貴金属が酸化物として固溶することを特徴とする。
本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、CeおよびZrを含む前駆体溶液中に貴金属成分を溶解させ、アルカリ溶液中で共沈させた物質を焼成することを特徴とする。
本発明の排ガス浄化用触媒は、高温(典型的には900℃以上)において、還元雰囲気中では触媒担体から貴金属が析出し、酸化雰囲気中では触媒担体中に貴金属が酸化物として固溶するので、最も貴金属がシンタリング(凝集・粒成長)し易い高温の酸化雰囲気における貴金属のシンタリングを防止でき、高い触媒性能を確保できる。
CeおよびZrを含む、触媒担体の前駆体溶液中に貴金属成分を溶解させ、アルカリ溶液中で共沈させた物質を焼成することにより、貴金属が酸化物として触媒担体中に固溶した排ガス浄化用触媒を製造することができる。
本発明の望ましい形態においては、Ce、Zrを含む硝酸系の前躯体溶液中に貴金属成分を溶解させ、この前駆体溶液をpH≧9.0のアルカリ溶液中に滴下することにより得られた物質を焼成により触媒粉末を得る。焼成後に貴金属は、セリア・ジルコニア系触媒担体中に固溶している。
本発明の触媒は、典型的には900℃以上の高温で、還元雰囲気下では貴金属が触媒担体から析出し、酸化雰囲気に曝すことにより触媒担体中へ再固溶する機能を有する。この機能は、典型的には700℃〜1000℃で焼成した触媒粉末において発現する。
還元雰囲気と酸化雰囲気における析出と固溶は可逆的に起きるので、Pt等の貴金属が粒成長し易い高温酸化雰囲気で触媒担体中へ固溶するため、貴金属のシンタリングによる凝集・粒成長を抑制して、高い触媒性能を得ることができる。
本発明による排ガス浄化用触媒を下記の手順および条件で製造した。
(1)CeとZrを含む前駆体溶液の作成
硝酸セリウム・6水和物0.2molおよびオキシ硝酸ジルコニウム・2水和物0.2molの合計0.4molを純粋1Lに溶解した水溶液を作成した。
硝酸セリウム・6水和物0.2molおよびオキシ硝酸ジルコニウム・2水和物0.2molの合計0.4molを純粋1Lに溶解した水溶液を作成した。
(2)前駆体溶液中への貴金属の添加
上記(1)の水溶液中に硝酸白金を、Ptと触媒担体との重量比がPt/触媒担体=0.42wt%となる量で添加した。
上記(1)の水溶液中に硝酸白金を、Ptと触媒担体との重量比がPt/触媒担体=0.42wt%となる量で添加した。
(3)アルカリ溶液中での共沈
純粋1Lとアンモニア水200gを混合・攪拌し、その中に(2)で得られた水溶液を滴下した。滴下速度は100cc/hとした。得られた沈殿物を3回水洗した後、遠心分離機(300rpm×2h)で水分を除去した。
純粋1Lとアンモニア水200gを混合・攪拌し、その中に(2)で得られた水溶液を滴下した。滴下速度は100cc/hとした。得られた沈殿物を3回水洗した後、遠心分離機(300rpm×2h)で水分を除去した。
(4)焼成
120℃×12hの乾燥を行なった後、700〜1000℃×2hの焼成を行い、各焼成温度について各々約30gの触媒粉末を得た。
120℃×12hの乾燥を行なった後、700〜1000℃×2hの焼成を行い、各焼成温度について各々約30gの触媒粉末を得た。
〔比較例〕
上記(2)の工程を除いた以外は、実施例と同様に(1)〜(4)の工程を行なって、約30gの触媒担体粉末を作成し、これに硝酸白金を含浸させてPtを含浸担持させ触媒粉末を得た。
上記(2)の工程を除いた以外は、実施例と同様に(1)〜(4)の工程を行なって、約30gの触媒担体粉末を作成し、これに硝酸白金を含浸させてPtを含浸担持させ触媒粉末を得た。
実施例と比較例の触媒粉末(いずれも700℃焼成品)をペレット化し、900℃×5hで耐久試験を行い、COパルス法によるPt粒子径の測定と、λ=1での触媒活性の評価を行なった。
実施例と比較例について、図1にPt粒子径を、図2に500℃における浄化率をそれぞれ示す。
実施例は、比較品に比べてPtのシンタリングが抑制されており、これに対応して高い浄化性能を発揮することが分かる。
<TEMによる微細構造観察>
図3に、実施例と比較例の触媒のTEM観察像を示す。すなわち、(a)Ptを通常の含浸担持した比較例の耐久前(Fresh)と(b)耐久後(900℃R/L耐久)および(c)Ptを固溶した実施例の耐久前(Fresh)と(d)耐久後(900℃R/L耐久)を示す。図3中、Pt粒子を白抜きの楔形で指し示した。
図3に、実施例と比較例の触媒のTEM観察像を示す。すなわち、(a)Ptを通常の含浸担持した比較例の耐久前(Fresh)と(b)耐久後(900℃R/L耐久)および(c)Ptを固溶した実施例の耐久前(Fresh)と(d)耐久後(900℃R/L耐久)を示す。図3中、Pt粒子を白抜きの楔形で指し示した。
COパルス法で得られたように、TEM観察でも、本発明の実施例ではPtの粒成長が抑制されていることが分かる。すなわち、Pt含浸担持の比較例では、(a)の耐久前の初期状態では1〜2nmであったPt粒子の粒径が(b)の耐久後には10〜100nmに成長している。これに対して、本発明品は(c)の耐久前の初期状態ではPt粒子が観察されず、(d)の耐久後に観察されるが1〜2nmと極めて微粒である。本発明品は、初期状態では、Ptは触媒担体中へ固溶していると考えられ、固溶率はほぼ100%と推定できる。
図4に、本発明品をその場(in-situ)観察したTEM像を示す。図4(a)において、初期状態の本発明品を真空(還元雰囲気)下(1×10-5Torr [1.3×10-3Pa])で900℃に昇温すると、触媒担体中に固溶していたPtが析出する。その後、図4(b)に示すように、酸化雰囲気(O2 1Pa)に曝されると、Ptは触媒担体中に再固溶する。次いで、図4(c)に示すように、再び真空下(1×10-5Torr [1.3×10-3Pa])に保持するとPtが析出し、更に、図4(d)に示すように、再び酸化雰囲気(O2 1Pa)に曝されると、Ptは触媒担体中に再固溶する。
このように、還元雰囲気と酸化雰囲気に対応してPtは析出と固溶を繰り返し、再現性の高い可逆的な現象である。この現象は焼成温度700℃〜1000℃の範囲全体に亘って、同様に観察された。
<従来技術との比較>
既述の特許文献1に開示されている従来のペロブスカイト型触媒(CaZrO3、BaZrO3)と比較した。図5にPt粒径を、図6に500℃における浄化率を、それぞれまとめて示す。
既述の特許文献1に開示されている従来のペロブスカイト型触媒(CaZrO3、BaZrO3)と比較した。図5にPt粒径を、図6に500℃における浄化率を、それぞれまとめて示す。
いずれも、本発明品は、従来技術のペロブスカイト型触媒に比べてPt粒径、浄化性能ともに格段に優位性があることが分かる。
図7に、本発明品と従来品について、比表面積(SSA)とPt粒径との関係を示す。全体の傾向からすると比表面積が大きい方がPtの隆盛長が抑制される。つまりPtの分散性を確保するためには、担体の比表面積が大きい方が有利であるため、本発明品がペロブスカイト型触媒よりも高活性なのはこれに起因すると考えられる。
本発明によれば、新規な機構によりシンタリング抑制能を高めた排ガス浄化用触媒およびその製造方法が提供される。
Claims (3)
- セリアおよびジルコニアを含む複合酸化物から成る触媒担体と、触媒金属としての貴金属とを備え、該貴金属が該触媒担体中に酸化物として固溶しており、還元雰囲気中では該触媒担体から該貴金属が析出し、酸化雰囲気中では該触媒担体中に該貴金属が酸化物として固溶することを特徴とする排ガス浄化用触媒。
- CeおよびZrを含む前駆体溶液中に貴金属成分を溶解させ、アルカリ溶液中で共沈させた物質を焼成することを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
- 請求項2において、前記前躯体が硝酸系であることを特徴とする製造方法。
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JP2009252937A JP2011098258A (ja) | 2009-11-04 | 2009-11-04 | 排ガス浄化用触媒およびその製造方法 |
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WO2013084307A1 (ja) * | 2011-12-07 | 2013-06-13 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
JP2014218918A (ja) * | 2013-05-07 | 2014-11-20 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JPWO2013084307A1 (ja) * | 2011-12-07 | 2015-04-27 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
CN112983665A (zh) * | 2019-12-16 | 2021-06-18 | 丰田自动车株式会社 | 内燃机的排气净化装置 |
CN114558570A (zh) * | 2022-01-27 | 2022-05-31 | 清华大学 | 不可还原氧化物稳定贵金属催化剂及其制备方法 |
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2009
- 2009-11-04 JP JP2009252937A patent/JP2011098258A/ja active Pending
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