JP2011097784A - 回転電機用ロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】永久磁石に温度差を生じることなく、且つ、冷媒が滞留することのない、冷媒から受ける回転反力の影響を軽減して冷却することが可能な回転電機用ロータを提供する。
【解決手段】複数の円環板状の部材を積層して形成された円筒状のロータコアRCと、当該ロータコアRCと一体回転するように固定されたロータ軸体10と、を有する回転電機用ロータRは、冷媒が供給されて流通する冷媒流通空間R1と、ロータ周方向全域に亘って冷媒流通空間R1に対してロータコアRCの内周面を露出してなる冷却内周面CPと、ロータコアRCの回転によって発生する、冷却内周面CPに沿った冷媒の流れに対してロータ軸方向へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制する流れ方向規制部材11と、冷媒流通空間R1からロータ径方向の外側へ向けて冷媒を排出する冷媒排出口12と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】複数の円環板状の部材を積層して形成された円筒状のロータコアRCと、当該ロータコアRCと一体回転するように固定されたロータ軸体10と、を有する回転電機用ロータRは、冷媒が供給されて流通する冷媒流通空間R1と、ロータ周方向全域に亘って冷媒流通空間R1に対してロータコアRCの内周面を露出してなる冷却内周面CPと、ロータコアRCの回転によって発生する、冷却内周面CPに沿った冷媒の流れに対してロータ軸方向へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制する流れ方向規制部材11と、冷媒流通空間R1からロータ径方向の外側へ向けて冷媒を排出する冷媒排出口12と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の円環板状の部材を積層して形成された円筒状のロータコアと、当該ロータコアと一体回転するように固定されたロータ軸体と、を有する回転電機用ロータに関する。
従来、様々な機器に亘って駆動用の動力源の一つとして回転電機が用いられている。このような回転電機は、一般的にコイルを有するステータと永久磁石を有するロータとを備えて構成される。また、回転電機は被駆動側の機器から大きな出力が要求されることが多々あることから、回転電機の各部、特にコイルや永久磁石からの発熱量が大きくなってしまう。このような発熱の原因の一つとして銅損や鉄損が挙げられる。
銅損はコイルに電流を流した場合に当該電流の大小に拘らず常に発生する損失であり、コイルに流れる電流の2乗に比例して増加する。一方、鉄損はヒステリシス損とうず電流損とからなり、磁性材料を交番磁界の中においた際に発生する損失である。ヒステリシス損は鉄心の磁区が交番磁界によって磁界の向きを変える時に発生する損失であり、うず電流損は導体の内部において磁束が変化しているところで発生するうず電流に起因する損失である。これらの損失が熱エネルギー、即ちジュール熱として発散されるため、回転電機のコイルや永久磁石が発熱することとなる。
このような発熱が過度に進行し、永久磁石がキュリー温度に達すると磁性体として機能しなくなることが知られている。このため、回転電機には適切に永久磁石を冷却することが可能な冷却手段を備えているものがある。この種の冷却手段として、例えば下記に出典を示す特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に開示される回転電機は、冷媒を流通させる冷却路が形成された回転シャフトと、当該回転シャフトに固設された筒状のロータコアを有するロータと、当該ロータの周囲を囲むように配置されたステータコア及び当該ステータコアに巻き回されたコイルを含むステータとを備えて構成される。冷却路は回転シャフトの周面上に螺旋状に形成された溝部とロータコアの内周面とにより形成される。この冷却路に冷媒を流通させることによりロータコアを内周面から冷却し、ロータコアに備えられる永久磁石と回転シャフトとを冷却する。また、この冷却路に流通された冷媒をロータの径方向外側に排出する開口部が設けられる。開口部から排出された冷媒は、ステータコアの軸方向端面に位置するコイルのコイルエンドに対して吹き付けられる。これによりコイルエンドも冷却される。
特許文献1に開示されるように冷却路を回転シャフトに対して螺旋状に形成すると、冷媒の流動方向が回転シャフトの回転方向に影響を受け易く、軸方向両端の側に達する冷媒の量が均一にならない可能性がある。このため、ロータに備えられる永久磁石は回転シャフトの軸方向に沿って温度差が発生するおそれがある。また、回転シャフトの軸方向両端の側に達する冷媒の量が均一にならない場合には、コイルエンドの夫々の端部に吹き付けられる冷媒の量も等しくならないため、コイルエンドにおいても当該コイルエンドの軸方向端部毎に温度差が発生するおそれがある。
また、ロータコアと冷却路との境界面が螺旋状で形成されているため、永久磁石の熱量が大きい場合には、特に回転シャフトの周面上において互いに隣り合う冷却路の間に位置する部位あっては十分に冷却できない可能性がある。また、ロータコアの回転速度の変化によっては、螺旋状の冷却路内で冷媒が滞留してしまい、係る場合には確実にロータコアを冷却することができなくなってしまう場合がある。更に、螺旋状の溝部では回転シャフトが冷媒の回転反力を受け易く、冷媒の移動に伴って回転シャフトに働く運動エネルギーが消費されてしまう。すなわち、回転電機により発生した運動エネルギーの一部が、冷媒を回転させるために消費されることになるため、エネルギー効率が悪化する可能性がある。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、永久磁石に温度差を生じることなく、且つ、冷媒が滞留することのない、冷媒から受ける回転反力の影響を軽減して冷却することが可能な回転電機用ロータを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る回転電機用ロータの特徴構成は、複数の円環板状の部材を積層して形成された円筒状のロータコアと、当該ロータコアと一体回転するように固定されたロータ軸体と、を有し、前記ロータコアの径方向内側に設けられ、冷媒が供給されて流通する冷媒流通空間と、ロータ軸方向における少なくとも一部の領域に設けられ、ロータ周方向全域に亘って前記冷媒流通空間に対して前記ロータコアの内周面を露出してなる冷却内周面と、前記ロータコアの回転によって発生する、前記冷却内周面に沿った冷媒の流れに対してロータ軸方向へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制する流れ方向規制部材と、前記冷媒流通空間のロータ軸方向端部に設けられ、前記冷媒流通空間からロータ径方向の外側へ向けて冷媒を排出する冷媒排出口と、を有する点にある。
このような特徴構成とすれば、冷媒を供給することでロータ周方向全域に亘ってロータコアの内周面を直接冷却することができるので、回転電機用ロータを内周面から均一に冷却することが可能となる。したがって、例えば回転電機用ロータに永久磁石がロータ周方向に沿って複数備えられる場合に、それらの永久磁石毎に温度差が生じることなく適切に冷却することが可能となる。また、ロータ周方向全域に亘ってロータコアの内周面が露出した冷却内周面が形成されているので、冷媒が冷却内周面に沿って回転電機用ロータに対して周方向に相対移動することが容易となっている。よって、回転電機用ロータの回転速度が変化する際の慣性により回転電機用ロータが冷媒から受ける回転反力を軽減し、回転電機が冷媒を回転させるために用いられる運動エネルギーを少なく抑えることができる。更に、前記のような冷却内周面に沿った冷媒の流れに対してロータ軸方向へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制する流れ方向規制部材が設けられているので、冷媒がロータ軸方向に移動せずに滞留することを抑制し、冷媒をロータ軸方向に積極的に流すことができる。冷媒流通空間のロータ軸方向端部には冷媒排出口が設けられているので、ロータ軸方向に流れた冷媒は冷媒排出口から排出される。したがって、冷媒流通空間に供給された冷媒を積極的に冷媒排出口へ向けて流し、冷媒流通空間を良好に流通させることができる。すなわち、この特徴構成によれば、回転電機用ロータが冷媒から受ける回転反力を軽減して回転電機のエネルギー効率を高めることができると共に、冷媒の流通を促進して冷却効率を高めることができる。
また、前記流れ方向規制部材は、前記冷却内周面に沿って当該冷却内周面から立ち上がるように設けられた流れ方向規制面を備え、当該流れ方向規制面はロータ周方向に対してロータ軸方向に傾斜した傾斜面を有すると好適である。
このような構成とすれば、ロータコアの回転によって生じる冷却内周面に沿った周方向の冷媒の流れに対して、流れ方向規制面の傾斜面によってロータ軸方向へ向かう成分を付与することができる。これにより、冷媒をロータ軸方向へ向けて適切に流すことができる。また、この際、流れ方向規制面の傾斜面によって冷媒の流れに対してロータ軸方向へ向かう成分を付与するので、流れ方向規制部材を設けたことによって回転電機用ロータが冷媒から受ける回転反力が大きくなることを抑制できる。
また、前記冷却内周面の所定位置に冷媒を供給する冷媒供給口が備えられ、前記流れ方向規制部材は、少なくとも前記冷媒供給口からロータ周方向に向かう流れに対してロータ軸方向端部へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制すると好適である。
このような構成とすれば、冷媒供給口から供給された冷媒の流れに対して、直ちにロータ軸方向へ向かう成分を付与することができる。したがって、冷媒がロータ軸方向に移動せずに滞留することを抑制し、冷媒のほとんどをロータ軸方向に流すことができる。
また、前記流れ方向規制部材は、前記冷媒供給口に対してロータ周方向の少なくとも一方側に設けられ、前記冷媒供給口からロータ周方向に離れるにしたがってロータ軸方向両側へ向かって広がるV字状の傾斜面を有する流れ方向規制面を備えていると好適である。
このような構成とすれば、冷媒供給口からロータ周方向に離れるにしたがって、ロータ軸方向両側へ向かう冷媒の流れを形成することが可能となる。
また、前記ロータ軸体は、前記ロータコアの内周面により囲まれる内周空間を貫通する貫通軸体部を有し、前記ロータコアの内周面と前記貫通軸体部の外周面との間に前記冷媒流通空間が形成され、前記流れ方向規制部材は、前記貫通軸体部の外周面に一体的に設けられると共に、前記ロータコアの内周面に接するように形成されていると好適である。
このような構成とすれば、ロータコアの内周面と貫通軸体部の外周面との間に冷媒流通空間が形成されているので、回転電機用ロータの回転速度に拘らず、ロータコアの内周面に冷媒を供給しておくことができる。したがって、冷媒が供給されている間は、ロータコアを適切に冷却することが可能となる。また、流れ方向規制部材が貫通軸体部の外周面に一体的に設けられると共に、ロータコアの内周面に接するように形成されているので、流れ方向規制部材を容易かつ適切に配置することができると共に、当該流れ方向規制部材を介してロータ軸体によりロータコアの内周面を径方向に支持することができる。このようにロータコアの内周面を径方向に支持することにより、ロータコアの強度を確保することが容易となる。
また、前記ロータ軸体は、前記ロータコアの内周面により囲まれる内周空間を貫通する貫通軸体部を有し、前記ロータコアの内周面と前記貫通軸体部の外周面との間に前記冷媒流通空間が形成され、前記貫通軸体部は、径方向内側に冷媒供給路を有すると共に、径方向に貫通して前記冷媒供給路と前記冷媒流通空間とを連通させる連通路を有し、前記連通路における前記貫通軸体部の外周面側の開口部が前記冷媒供給口とされると好適である。
このような構成とすれば、冷媒をロータコアの冷却内周面の所定位置に供給することが可能となる。したがって、ロータコアの冷却内周面に適切に冷媒を供給し、回転電機用ロータを冷却することができる。
また、前記冷媒排出口が、前記ロータコアの径方向外側に配設されるステータのコイルエンド部に向けて前記冷媒を噴射する噴射孔とされていると好適である。
このような構成とすれば、回転電機用ロータを冷却した後の冷媒を利用して、更にステータのコイルエンド部を冷却することが可能となる。したがって、回転電機全体を効率良く冷却することが可能となる。
以下、本発明に係る回転電機用ロータR(以下「ロータR」とする)に関して説明する。詳細は後述するが、本ロータRは、冷却液(本発明に係る「冷媒」に相当)がロータコアRCの内周面の周方向全域に亘って接する状態とすることにより、ロータコアRCの内周面を直接冷却すると共に、ロータコアRCの内周面に接する状態とされた冷媒がロータ軸方向に移動せずに滞留することを抑制することが可能なように構成されている。なお、この冷却液は一般的な冷却オイルを用いると好適であるが、これに限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るロータRが配設される回転電機Mの側方断面図である。図1に示されるように、回転電機Mはケース本体MC1と当該ケース本体MC1の開口部を覆うカバーMC2とで形成される空間内に、ステータSとロータRとが収納されるように構成され、ステータSはケース本体MC1に固定される。なお、ケース本体MC1及びカバーMC2は、回転電機Mを収納するケースに相当するため、以降の説明においては、ケース本体MC1及びカバーMC2のいずれかを区別をする必要がない場合には、共にケースMC1、MC2として説明する。
回転電機Mは、当該回転電機Mが発生する駆動力(回転動力)を回転電機Mの外部に出力することが可能である。このような場合には回転電機Mは電動機として機能する。また、回転電機Mに外部から駆動力(回転動力)を伝達することにより、当該回転電機Mが発電を行う発電機として機能することも可能である。本実施形態では回転電機Mが電動機として機能している場合の例を用いて説明する。
電動機として機能する回転電機Mは、コイルCと永久磁石PM(図2参照)との電磁作用により回転動力を取得する。この回転動力の取得は公知技術であるため説明は省略する。本実施形態においては、コイルCはステータSに備えられ、永久磁石PMはロータRに備えられるものとして説明する。
ロータRは、複数の円環板状の部材を積層して形成された円筒状のロータコアRCと、当該ロータコアRCと一体回転するように固定されたロータ軸体10と、を有して構成される。円環板状とはその外周が円形であり、且つその中心部が前記円形と同じ軸心とする前記円形よりも小さい円形の開口でくり抜かれたリング状(ドーナツ状)の板が相当する。円環板状の部材は所定の厚さ(例えば数mm)のコア材(鋼板)をこのようなリング状で打ち抜いて(打ち抜き加工により)形成される。円筒状のロータコアRCは、打ち抜き加工により形成された同一形状の複数の円環板状の部材を積層して形成される。円環板状の部材を積層する際には、夫々の部材の軸心が一致するように積層される。したがって、ロータコアRCは、その径方向中心部にロータ軸心と同心の円形断面の貫通孔20(図2参照)を有する円筒状で形成される。
ロータ軸体10は、ロータコアRCの内周面により囲まれる内周空間を貫通する貫通軸体部10aを有して構成される。上述のようにロータコアRCは貫通孔20を有して形成される。この貫通孔20が、ロータコアRCの内周面により囲まれる内周空間に相当する。貫通軸体部10aは、この貫通孔20を貫通して配設され、特に本実施形態においては所謂ロータ軸として機能する。
貫通軸体部10aは、径方向内側に冷媒供給路31を有すると共に、径方向に貫通して冷媒供給路31と冷媒流通空間R1とを連通させる連通路R2を有する。冷媒供給路31は、貫通軸体部10aのロータ軸方向中心部に形成された空間である。この空間は貫通軸体部10aの軸心と同心の円柱状に形成されると好適である。冷媒供給路31には、回転軸Aの軸中心部に形成された冷媒流通路A1から冷却液が供給される。冷媒供給路31に供給された冷却液は、ロータコアRCの回転に応じて生じる遠心力により、連通路R2を介して冷媒流通空間R1に流通される。当該連通路R2における貫通軸体部10aの外周面OP側の開口部が冷媒供給口R3となる。したがって、冷媒供給口R3は、冷却内周面CPの所定位置に冷却液を供給することが可能となる。
このようなロータコアRCとロータ軸体10とを有するロータRは、冷媒流通空間R1、冷却内周面CP、流れ方向規制部材11、冷媒排出口12を備えて構成される。また、ロータRは、冷媒供給路31、連通路R2、冷媒供給口R3も備えて構成される。冷媒流通空間R1は、ロータコアRCの径方向内側に設けられ、冷却液が供給され流通される。上述のようにロータコアRCは径方向中心部にロータ軸方向に沿った貫通孔20を有する円筒状で形成される。冷媒流通空間R1は、貫通孔20の内周面、即ちロータコアRCの内周面(後述する冷却内周面CP)と貫通軸体部10aの外周面OPとが対向する間に形成される空間である。この冷媒流通空間R1には、後述する回転軸Aの軸中心部に形成された冷媒流通路A1から供給される冷却液が流通される。
冷却内周面CPは、ロータ軸方向における少なくとも一部の領域に設けられ、ロータ周方向全域に亘って冷媒流通空間R1に対してロータコアRCの内周面を露出してなる面である。冷却内周面CPは、ロータコアRCの径方向内側の内周面が露出される領域のロータコアRCの内周面(貫通孔20の内周面)が相当する。本実施形態では、流れ方向規制部材11が接する領域を除くロータコアRCの内周面の全体が冷媒流通空間R1に対して露出した冷却内周面CPとされている。
そして、本実施形態に係る冷却内周面CPは、図1に示されるように流れ方向規制部材11が設けられる部分を除いて、ロータ周方向の全域に亘ってロータコアRCの内周面を露出させる。このため、冷媒流通空間R1内の冷却液がロータRに対して周方向に相対移動し易くなるので、ロータRの回転速度が変化する際の慣性により当該ロータRが冷却液から受ける回転反力を軽減することができる。したがって、回転電機が冷媒を回転させるために用いられる運動エネルギーを少なく抑えることができるので、回転電機のエネルギー効率を高めることが可能となっている。
流れ方向規制部材11は、ロータコアRCの回転によって発生する、冷却内周面CPに沿った冷却液の流れに対してロータ軸方向へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制する。上述のように、冷却内周面CPとは、ロータコアRCの径方向内側の内周面が露出される領域であり、冷媒流通空間R1を構成する。当該冷媒流通空間R1には冷却液が供給され流通される。ロータ軸方向へ向かう成分とは、ロータ軸方向に平行な成分、すなわち円筒状の冷却内周面CPの母線方向の成分である。そして、ロータ軸方向へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制するとは、冷却液の流れ方向を表わすベクトルにロータ軸方向の成分を付与し、少なくともロータ軸方向へ冷却液が流れるような流れを形成するという意味である。流れ方向規制部材11は、ロータコアRCの回転によって冷却液を少なくともロータ軸方向へ流すような流れを形成する。したがって、冷媒流通空間R1に供給された冷却液がロータ軸方向に移動せずに滞留することを抑制し、冷却液を積極的に流通させることができる。
冷媒排出口12は、冷媒流通空間R1のロータ軸方向端部に設けられ、冷媒流通空間R1からロータ径方向の外側に向けて冷却液を排出する。図1に示されるように、冷媒排出口12は、冷媒流通空間R1の内部と外部とを連通する孔とされている。ここでは、冷媒排出口12は、後述するリテーナ40a、40bにおけるロータコア端面との当接部に設けられた切欠状の溝(凹溝)と、ロータコア端面とにより形成される。この冷媒排出口12はロータ軸方向視において周方向に沿って複数形成される。図2においては、ロータ軸方向視において周方向に45度毎に形成しているが、もちろん、他の角度毎に形成することも当然に可能である。回転軸Aの軸中心部に形成された冷媒流通路A1から供給された冷媒流通空間R1内の冷却液は、ロータRの回転により生じる遠心力によって冷媒排出口12から径方向外側に向けて排出される。このように排出される冷却液が、図1において破線60で示される。
回転軸Aは、ロータコアRCと一体回転可能に支持ベアリングBRGを介して、ケース本体MC1及びケースMC2に対して回転可能に支持される。この回転軸Aは、貫通軸体部10aの軸方向一方(図1において左側)では貫通軸体部10aと一体で形成される。また、回転軸Aは、貫通軸体部10aの軸方向他方(図1において右側)では当該回転軸Aの軸心が貫通軸体部10aの軸心と一致するように、その外周面が貫通軸体部10aの内周面に、例えばスプライン嵌合等により嵌合して固定される。本実施形態では、このように他方の回転軸Aと貫通軸体部10aとが嵌合固定されるとして説明するが、特に限定されるものではない。例えば夫々を他の方法により固定することも当然に可能である。また、貫通軸体部10aの軸方向両端において回転軸Aを一体的にで形成することも可能であるし、貫通軸体部10aの軸方向両端において回転軸Aを別体で形成して嵌合により固定することも可能である。
回転軸Aの軸中心部には、冷媒流通路A1が形成される。そして、冷媒流通路A1には、当該冷媒流通路A1から冷媒供給路31に冷却液を供給する冷媒供給口A2が形成される。冷媒供給口A2は、一旦、冷媒流通路A1から冷媒供給路31に供給された冷却液が、冷媒流通路A1へ戻ってくること(冷媒流通路A1への逆流)を適切に防止することが可能なように、その先端が冷媒供給路31内に突出して形成される。
上述のように、ロータコアRCの貫通孔20には貫通軸体部10aが貫通して配設される。貫通孔20とは上述のようにロータコアRCのロータ軸方向中央部に形成される空間である。この空間に貫通軸体部10aを貫通させることにより、ロータコアRCの内周面と貫通軸体部10aの外周面OPとの間に冷媒流通空間R1が形成される。このとき、ロータコアRCの内周面が、上述の冷却内周面CPに相当する。このように、本ロータRは、冷却内周面CPと貫通軸体部10aの外周面OPとの間に冷媒流通空間R1が形成される。
流れ方向規制部材11は、貫通軸体部10aの外周面OPに一体的に設けられる。本実施形態では、図2に示されるように、流れ方向規制部材11は貫通軸体部10aの外周面OPに一体的に一定高さで径方向に突出するように設けられる。これにより、流れ方向規制部材11は貫通軸体部10aと一体的に回転することが可能となる。また、流れ方向規制部材11の径方向高さは、ロータコアRCの内周面と貫通軸体部10aの外周面OPとの間の間隔に応じて定められる。本実施形態では、流れ方向規制部材11の径方向高さは、ロータコアRCの内周面と貫通軸体部10aの外周面OPとの間の間隔と一致するように設けられている。したがって、流れ方向規制部材11はロータコアRCの内周面に接するように形成されることになる。
このように、流れ方向規制部材11が貫通軸体部10aの外周面に一体的に設けられると共に、ロータコアRCの内周面に接するように形成されているので、流れ方向規制部材11を容易かつ適切に配置することができる。また、流れ方向規制部材11を介してロータ軸体10によりロータコアRCの内周面を径方向に支持することができる。したがってロータコアRCの内周面を径方向に支持することにより、ロータコアRCの強度を確保することが可能となる。
このようなロータRの構成を示す分解斜視図が図2に示される。ロータコアRCには複数の永久磁石PMが配設される。また、ロータコアRCのロータ軸中心部には、貫通軸体部10aが貫通される。貫通軸体部10aの外周面OPには冷媒供給口R3が形成される。冷媒供給口R3の数は特に限定されるものではないが、例えば外周面OP上に貫通軸体部10aのロータ軸方向視において90度毎に4つ形成すると好適である。
また、貫通軸体部10aのロータ軸中心部には、冷媒供給路31が形成される。この冷媒供給路31に供給された冷却液が、貫通軸体部10aの回転に応じて連通路R2を介して冷媒供給口R3から排出されることとなる。このような部材からなるロータRは、リテーナ40a、40bやナット41を用いてロータコアRC及び貫通軸体部10aの同一の軸心を有するように構成される。なお、図2では、リテーナ40aは貫通軸体部10aと一体で形成されているように示されるが、これに限定されるものではなく、夫々を別体で形成することも当然に可能である。ここで、冷媒排出口12は、上述のようにリテーナ40a、40bにおけるロータコア端面に当接する面に設けられた溝(凹溝)とロータコア端面とにより形成されている。
貫通軸体部10aの外周面OPには、流れ方向規制部材11が形成される。流れ方向規制部材11は、冷却内周面CPに沿って当該冷却内周面CPから立ち上がるように設けられた流れ方向規制面13を備えて形成される。冷却内周面CPから立ち上がるように設けられるとは、流れ方向規制面13冷却内周面CPに交差する向きに設けられていることを示す。本実施形態では、流れ方向規制部材11が厚みを有することにより、流れ方向規制部材11の側面に流れ方向規制面13を形成している。当該流れ方向規制面13はロータ周方向に対してロータ軸方向に傾斜した傾斜面を有するように形成される。このため、流れ方向規制部材11は、少なくとも冷媒供給口R3からロータ周方向に向かう流れに対してロータ軸方向端部へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制することが可能となる。また、流れ方向規制面13は、冷媒供給口R3に対してロータ周方向の少なくとも一方側に設けられ、冷媒供給口R3からロータ周方向に離れるにしたがってロータ軸方向両側へ向かって広がるV字状の傾斜面から形成される。
本実施形態では、流れ方向規制面13は、冷媒供給口R3からロータ周方向一方側へ向かう流れに対するV字状の傾斜面と、ロータ周方向他方側へ向かう流れに対するV字状の傾斜面とを一体化した、ロータ径方向外側から見た平面視で菱形状の傾斜面を有している。流れ方向規制部材11は、ロータ径方向外側から見て菱形の平面形状を有し、貫通軸体部10aの外周面に沿って湾曲した形状に形成されている。
特に、本実施形態に係る流れ方向規制部材11は、貫通軸体部10aの周方向に沿って隣り合う2つの冷媒供給口R3の間の領域に形成されると好適である。このように形成した場合には、流れ方向規制部材11は冷媒供給口R3の数と同じ数だけ形成される。本実施形態では、冷媒供給口R3はロータ軸方向視において90度毎に形成されるとしたので、流れ方向規制部材11もロータ軸方向視において90度毎に形成されることとなる。
また、本実施形態では、流れ方向規制部材11の径方向の厚さを貫通軸体部10aの外周面OPの外径とロータコアRCの内周面の内径との差に等しく設定している。これにより、流れ方向規制部材11がロータコアRCを径方向に支持する支持部材として構成されている。
回転軸Aの軸中心部に形成された冷媒流通路A1から貫通軸体部10aのロータ軸中心部に形成された冷媒供給路31に供給された冷却液は、ロータRの回転により生じた遠心力によって連通路R2を介して、冷媒供給口R3から冷媒流通空間R1に供給される。冷媒流通空間R1に供給された冷却液は、上述の流れ方向規制部材11によりロータ径方向の外側への流れに規制される。
このような流れ方向規制部材11が図3に示される。図3には理解を容易にするために、貫通軸体部10a、流れ方向規制部材11、及び冷媒供給口R3が示され、その他の部材は省略されている。なお、図3(a)は貫通軸体部10aが回転していない場合の状態を示している。上述のように、流れ方向構成部材11は、貫通軸体部10aの外周面OP上に所定の厚さを有して形成される。このため、流れ方向規制部材11は、貫通軸体部10aの外周面OPから立ち上がる流れ方向規制面13を有して形成されることとなる。この流れ方向規制面13は、図3(a)に示される流れ方向規制部材11にあっては、平面視で菱形の4つの辺に対応する4つの面を有してなる。
このような流れ方向規制面13は、冷媒供給口R3から離れるにしたがってロータ軸方向両端側へ向かって広がるV字状の傾斜面を有し、本実施形態では周方向双方の流れに対応して2つのV字の一方を反転してつないだ菱形の傾斜面を有して形成される。以下、図3において中央に示される流れ方向規制部材11を用いて説明する。流れ方向規制面13は、上述のように貫通軸体部10aの外周面OPから立ち上がる立上面であり、図3(a)において中央に示される流れ方向規制部材11にあっては、4つの流れ方向規制面13を有する。ここでは、理解を容易とするために、夫々の流れ方向規制面に符号13a−13dを付して説明する。また、周方向に沿って流れ方向規制部材11に隣接するように2つの冷媒供給口R3が備えられる。この2つの冷媒供給口R3は、夫々符号R3a、R3bを付して示される。
冷媒供給口R3の側の面とは、冷媒供給口R3aを対象とする場合には面13a、面13bが相当する。また、冷媒供給口R3bを対象とする場合には面13c、面13dが相当する。このような冷媒供給口R3の側の面により、流れ方向規制部材11が冷媒供給口R3から冷媒流通空間R1に供給された冷却液をロータコアRCのロータ軸方向端面の側へ移動するような流れを形成することが可能となる。
図3(b)は、貫通軸体部10aが、当該貫通軸体部10aの紙面左端側からの軸方向視において、時計方向に回転しつつ加速している場合の冷却液の流れについて示した図である。図3(b)に示されるように、このとき冷媒供給口R3bから供給された冷却液は、貫通軸体部10aの外周面に対してロータRの加速方向とは反対方向となる周方向一方(図3における上方)に相対移動しようとする。よって、面13c、13dに沿って貫通軸体部10aの軸方向端部の側に向かう流れが形成されて移動する。また、冷媒供給口R3aから供給された冷却液も貫通軸体部10aの軸方向端部の側に向かう流れが形成されて移動される。このような冷却液の流れが、図3(b)において破線で示される。
図3(b)に示されるような状態から回転速度を減速させると、図3(c)に示されるように冷媒供給口R3aから供給されていた冷却液は、貫通軸体部10aの外周面に対してロータRの減速方向とは反対方向となる周方向他方(図3における下方)に相対移動しようとする。よって、面13a、13bに沿って貫通軸体部10aの軸方向端部の側に向かう流れが形成されて移動する。また、冷媒供給口R3bから供給された冷却液も貫通軸体部10aの軸方向端部の側に向かう流れが形成されて移動される。このような冷却液の流れが、図3(c)において破線で示される。このようにして、流れ方向規制部材11は、貫通軸体部10aと冷却液との相対速度に応じて冷却液の流れを変更して貫通軸体部10aの軸方向端部の側へ移動させる。もちろん、貫通軸体部10aの回転方向が変更された場合であっても同様に貫通軸体部10aと冷却液との相対速度に応じて軸方向端部の側に向かう冷却液の流れが形成される。
図1に戻り、流れ方向規制部材11により流れが規制された冷却液は、冷媒流通空間R1からロータ径方向の外側へ向けて冷媒排出口12から排出される。流れが規制された冷却液とは、ロータコアRCのロータ軸方向端面の側へ向かう方向に流れが規制され、当該軸心方向端面の側へ移動した冷却液である。このようにロータコアRCのロータ軸方向端面の側へ移動した冷却液を排出すべく、冷媒排出口12はロータコアRCのロータ軸方向端面の側に設けられる。これにより、冷媒供給口R3から冷媒流通空間R1に供給された冷却液は、ロータコアRCの冷却内周面CPに接しながら移動するので適切にロータRを冷却して流通させることが可能となる。
ステータSはロータコアRCの径方向外側に配設され、ケース本体MC1に固定されるステータコアSCを備えて構成される。このステータコアSCに巻かれるコイルCのコイルエンドCEが、ステータコアSCの軸方向両端外側に位置される構成となっている。ステータコアSCは、円板状の鋼板を多数枚、ロータコアRCの軸心方向に沿って積層して構成される。
コイルCはステータコアSCに導線を巻くことにより形成される。このようなコイルCは、ステータコアSCの内周側に設けられ複数のスロット内に挿入されると共に、2つのスロット間をつなぐコイルCの部分がステータコアSCから軸方向両端に突出して形成される。このようなステータコアSCから軸方向両端に突出する突出部がコイルエンドCEとなる。
上述の冷媒排出口12は、ステータSのコイルエンドCEに向けて冷却液を噴射する噴射孔として用いられる。すなわち、コイルエンドCEに対して、ロータRの回転によって生じる遠心力により冷媒排出口12から径方向外側へ向けて冷却液が噴射される。したがって、回転電機Mの回転に応じて発熱するコイルCを適切に冷却することが可能となる。冷媒排出口12から噴射される冷却液が、図1において破線60で示される。このようにコイルエンドCEに冷却液を噴射することにより、ロータR(ロータRが備える永久磁石PM)を冷却した冷却液を利用して、更にステータS(ステータSが備えるコイルC)を適切に冷却することが可能となる。
このように本ロータRによれば、冷却液の回転反力を低減しつつ均一にロータRを冷却し、更にはステータSを冷却することが可能となる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記実施形態では、回転電機Mが電動機として用いられた場合の例を示して説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。回転電機Mを発電機として用いる場合であっても本発明を適用することは当然に可能である。
(1)上記実施形態では、回転電機Mが電動機として用いられた場合の例を示して説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。回転電機Mを発電機として用いる場合であっても本発明を適用することは当然に可能である。
(2)上記実施形態では、ロータコアRCの冷却内周面CPと貫通軸体部10aの外周面OPとの間に、冷却液が流通される冷媒流通空間R1が形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。貫通軸体部10aを備えずに本発明を適用することは当然に可能である。貫通軸体部10aを備えずに形成されたロータRが図4に示される。このようなロータRにおいては、流れ方向規制部材11はロータコアRCの内周面に配置すると好適である。即ち、流れ方向規制部材11の流れ方向規制面13が、ロータコアRCの内周面から立ち上がるように配置される。このような構成であっても、冷却液をロータコアRCの回転により生じる遠心力により冷却内周面CPに供給し、ロータコアRCのロータ軸方向端面の側に冷却液を移動するようにすることは当然に可能である。したがって、ロータRを適切に冷却すると共に、ロータRを冷却した冷却液を冷媒排出口12を介してコイルエンドCEに噴射してコイルCを冷却することも当然に可能である。
なお、冷媒流通路A1から冷媒流通空間R1に供給される冷却液は、図示はしないが上記実施形態と同様に、冷媒供給口A2に対応する位置に供給しても良いし、冷媒流通路A1から何も介さずに直接供給しても良い。このような構成とすることで、流れ方向規制部材11により冷却内周面CPに沿った冷却液の流れに対してロータ軸方向へ向かう成分を付与することが可能となる。
(3)上記実施形態では、流れ方向規制部材11及び冷媒供給口R3が、ロータコアRCのロータ軸方向視において45度毎に設けられるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。45度は単なる例示であり、他の間隔で設けることも当然に可能である。
(4)上記実施形態では、流れ方向規制部材11が、ロータコアRCの内周面で貫通軸体部10aを支持する支持部材であるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば流れ方向規制部材11をロータコアRCの内周面に設け、当該内周面に設けた流れ方向規制部材11により貫通軸体部10aを支持するよう構成することも当然に可能である。また、上記実施形態では、流れ方向規制部材11の径方向高さが、ロータコアRCの内周面と貫通軸体部10aの外周面OPとの間の間隔と一致するように設けられているとして説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、流れ方向規制部材11を貫通軸体部10aの外周面OP及びロータコアRCの内周面のいずれに設ける場合であっても、流れ方向規制部材11の径方向高さがロータコアRCの内周面と貫通軸体部10aの外周面OPとの間の間隔より小さく設定し、ロータコアRCの内周面又は貫通軸体部10aの外周面OPと隙間を有するように形成することも本発明の好適な実施形態の一つである。
(5)上記実施形態では、流れ方向規制部材11が図3に示されるように貫通軸体部10aの外周面OPに菱形状で形成されるように示した。また、図4においてはロータコアRCの内周面に菱形状で形成されるように示した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示されるように貫通軸体部10aの外周面OPにV字状の凸状部で流れ方向規制部材11を形成することも当然に可能である。このような流れ方向規制部材11であっても、冷却液に適切にロータ軸方向へ向かう成分を付与することが可能となる。また、図示はしないが、このようなV字状の凸状部で形成された流れ方向規制部材11をロータコアRCの内周面に形成することも当然に可能である。更には、このようなV字状の凸状部に限らず、U字形状の凸状部で形成することも可能であるし、曲線形状の凸状部で形成することも当然に可能である。
本発明は、複数の円環板状の部材を積層して形成された円筒状のロータコアと、当該ロータコアと一体回転するように固定されたロータ軸体と、を有するロータを備えた回転電機に利用することが可能である。
10:ロータ軸体
10a:貫通軸体部
11:流れ方向規制部材
13:流れ方向規制面
CE:コイルエンド
CP:冷却内周面
OP:外周面
R:ロータ(回転電機用ロータ)
R1:冷媒流通空間
R2:連通路
R3:冷媒排出口
RC:ロータコア
S:ステータ
10a:貫通軸体部
11:流れ方向規制部材
13:流れ方向規制面
CE:コイルエンド
CP:冷却内周面
OP:外周面
R:ロータ(回転電機用ロータ)
R1:冷媒流通空間
R2:連通路
R3:冷媒排出口
RC:ロータコア
S:ステータ
Claims (7)
- 複数の円環板状の部材を積層して形成された円筒状のロータコアと、当該ロータコアと一体回転するように固定されたロータ軸体と、を有する回転電機用ロータであって、
前記ロータコアの径方向内側に設けられ、冷媒が供給されて流通する冷媒流通空間と、
ロータ軸方向における少なくとも一部の領域に設けられ、ロータ周方向全域に亘って前記冷媒流通空間に対して前記ロータコアの内周面を露出してなる冷却内周面と、
前記ロータコアの回転によって発生する、前記冷却内周面に沿った冷媒の流れに対してロータ軸方向へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制する流れ方向規制部材と、
前記冷媒流通空間のロータ軸方向端部に設けられ、前記冷媒流通空間からロータ径方向の外側へ向けて冷媒を排出する冷媒排出口と、
を有する回転電機用ロータ。 - 前記流れ方向規制部材は、前記冷却内周面に沿って当該冷却内周面から立ち上がるように設けられた流れ方向規制面を備え、当該流れ方向規制面はロータ周方向に対してロータ軸方向に傾斜した傾斜面を有する請求項1に記載の回転電機用ロータ。
- 前記冷却内周面の所定位置に冷媒を供給する冷媒供給口が備えられ、
前記流れ方向規制部材は、少なくとも前記冷媒供給口からロータ周方向に向かう流れに対してロータ軸方向端部へ向かう成分を付与するように流れ方向を規制する請求項1又は2に記載の回転電機用ロータ。 - 前記流れ方向規制部材は、前記冷媒供給口に対してロータ周方向の少なくとも一方側に設けられ、前記冷媒供給口からロータ周方向に離れるにしたがってロータ軸方向両側へ向かって広がるV字状の傾斜面を有する流れ方向規制面を備えている請求項3に記載の回転電機用ロータ。
- 前記ロータ軸体は、前記ロータコアの内周面により囲まれる内周空間を貫通する貫通軸体部を有し、
前記ロータコアの内周面と前記貫通軸体部の外周面との間に前記冷媒流通空間が形成され、
前記流れ方向規制部材は、前記貫通軸体部の外周面に一体的に設けられると共に、前記ロータコアの内周面に接するように形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。 - 前記ロータ軸体は、前記ロータコアの内周面により囲まれる内周空間を貫通する貫通軸体部を有し、
前記ロータコアの内周面と前記貫通軸体部の外周面との間に前記冷媒流通空間が形成され、
前記貫通軸体部は、径方向内側に冷媒供給路を有すると共に、径方向に貫通して前記冷媒供給路と前記冷媒流通空間とを連通させる連通路を有し、
前記連通路における前記貫通軸体部の外周面側の開口部が前記冷媒供給口とされる請求項3又は4に記載の回転電機用ロータ。 - 前記冷媒排出口が、前記ロータコアの径方向外側に配設されるステータのコイルエンド部に向けて前記冷媒を噴射する噴射孔とされている請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。
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