JP2011097780A - ステータ - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルエンド部を覆うカバー部材の内面を流通する冷媒を、コイルエンド部に導き、コイルエンド部の広範囲に流通させる冷媒の流通路を形成し、コイルエンド部の冷却に有効利用する。
【解決手段】カバー部材25の軸端内面28に軸端凹凸部45を形成し、コイルエンド部23の導体26間に挿入される相間絶縁シート27をコイルエンド部23の軸方向端面29から突出させて形成した軸方向シート突出部40の先端を、軸端凹凸部45の凹状部42に第一隙間43を有して挿入するとともに、軸端凹凸部45の凸状部41は、その先端がコイルエンド部23の軸方向端面24と第二隙間44を有するように、隣接する2つの軸方向シート突出部40間の隙間に挿入され、第一隙間43と第二隙間44がコイルエンド部23を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、円筒状のステータコアと、前記ステータコアに巻装されるコイルと、当該ステータコアの軸方向端面から突出する前記コイルのコイルエンド部と、前記コイルエンド部を覆うカバー部材とを備え、前記コイルエンド部を冷却する冷媒が前記カバー部材内を流通するステータに関する。
ステータコアの軸方向端面から突出するコイルエンド部を冷却する方法として、コイルエンド部の上方からコイルエンド部を冷却するための冷媒を供給し、コイルエンド部を冷却する技術が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。特許文献1に記載の構成では、コイルエンド部上方の周壁面上に、コイルエンド部を冷却するための冷媒を貯える槽状部が設置され、槽状部の周方向両端に冷媒供給口が設けられる。冷媒は、槽状部の両側からコイルエンド部上方の周壁面の両側に分配して供給される。槽状部が設けられることで、冷媒は、安定した分配率で両側に供給される。そして、供給された冷媒は、重力に従いコイルエンド部の両側の周壁面に沿って下方に流れ、コイルエンド部は、コイルエンド部から滴下するまでの間に行われる冷媒との間の熱交換により冷却される。
特開2005−229672号公報
しかしながら、上記特許文献1では、冷媒は重力によりコイルエンド部の周壁面に沿って下方に流れるように構成されているが、周壁面を流れる冷媒流通路及び流通量については特段の制御はされていない。よって、冷媒は、コイルエンド部の成型形状もしくは重力による冷媒の流通経路によっては、コイルエンド部の周壁面にむらなく供給されないおそれがある。特に、コイルの占積率を向上させるため矩形断面の線状導体26を用いたコイルを採用する場合等には、コイルエンドは一体物ではなく、成型形状によっては多くの隙間を有するため、冷媒をコイルエンド部の表面全体に行き渡らせることは難しくなる。
コイルエンド部を覆うカバー部材を備える場合には、冷媒がカバー部材の内面を伝って流通することがあり、そのように流通する冷媒は、コイルエンド部の表面に接触することなく落下してしまい、コイルエンド部の冷却のために機能しない課題が生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コイルエンド部を覆うように設けられたカバー部材を利用して、コイルエンド部に冷媒を供給し、適切にコイルエンド部を冷却することができるステータを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る、円筒状のステータコアと、前記ステータコアに巻装されるコイルと、前記ステータコアの軸方向端面から突出する前記コイルのコイルエンド部と、前記コイルエンド部を覆うカバー部材と、を備えるステータの特徴構成は、前記コイルエンド部を構成する互いに異なる相の導体間に挿入される相間絶縁シートが、周方向及び軸方向に延びるように配置されると共に、前記コイルエンド部の軸方向端面から軸方向に所定量突出した軸方向シート突出部を有し、径方向から見て重なる位置関係で径方向に複数枚配列され、前記カバー部材は、前記コイルエンド部の軸方向端面に対向する内面である軸端内面に、周方向に延びると共に軸方向に突出する凸状部と周方向に延びると共に当該凸状部に対して軸方向に引退する凹状部とが径方向に複数交互に形成されてなる軸端凹凸部を有し、前記軸方向シート突出部の先端が前記凹状部に挿入されると共に、当該軸方向シート突出部が前記軸端凹凸部に対して第一隙間を有して配置され、前記凸状部の先端が径方向に隣接する2つの前記軸方向シート突出部間に挿入されると共に、当該凸状部の先端が前記コイルエンド部の軸方向端面に対して第二隙間を有して配置され、前記第一隙間及び前記第二隙間が、前記コイルエンド部を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている点にある。
上記の特徴構成によれば、カバー部材の軸端内面に軸端凹凸部が形成され、軸方向シート突出部の先端が凹状部に挿入されると共に、凸状部の先端が径方向に隣接する2つの軸方向シート突出部間に挿入されるので、軸方向シート突出部が有るにも関わらず、当該カバー部材の軸端内面が平らな面とされている場合に比べて、カバー部材の軸端内面とコイルエンド部の軸方向端面との距離(隙間)を小さくすることができる。これにより、カバー部材の軸端内面に沿って流れる冷媒がコイルエンド部の軸方向端面に接する量を多くすることができ、よって、コイルエンド部の軸方向端面の冷却効率を高めることができる。
また、上記の特徴構成によれば、軸方向にカバー部材側へ突出する軸方向シート突出部と、軸方向にコイルエンド部側へ突出する凸状部とが径方向に沿って交互に配列され、前記第一隙間及び前記第二隙間によって径方向に沿って蛇行した所定の流路幅の冷媒流通路が形成される。これにより、カバー部材の軸端内面とコイルエンド部の軸方向端面との隙間を径方向に流れる冷媒の流速を適切に調整することができると共に、当該隙間を径方向に流れる冷媒の量と、軸端凹凸部又は軸方向シート突出部に沿って周方向に流れる冷媒の量との割合を適切に調整することができる。従って、コイルエンド部の軸方向端面を適切に冷却することが可能となる。
ここで、前記ステータコアは、周方向に沿って設けられた複数のスロットを有し、前記コイルエンド部は、各スロットに挿入されたスロット導体部から軸方向に延出する軸方向導体部と、異なるスロット間を周方向につないで2つの前記軸方向導体部同士を接続する周方向導体部を備え、前記軸端凹凸部の前記凸状部は、軸方向から見て、前記周方向導体部の軸方向端面の形状に対応する形状とされていると好適である。
この構成によれば、軸端凹凸部の凸状部を、主に周方向導体部により構成されるコイルエンド部の軸方向端面に対応する形状とすることができる。これにより、コイルエンド部の周方向全域にわたって、カバー部材の軸端内面に形成された凸状部とコイルエンド部の軸方向端面との隙間である前記第二隙間を適切に設定することができる。よって、コイルエンド部の軸方向端面を適切に冷却することができる。また、相間絶縁シートが、互いに隣接する2つの周方向導体部間に配置される場合には、当該相間絶縁シートの軸方向シート突出部の先端が前記凹状部に挿入されると共に、軸方向シート突出部間に凸状部が挿入されるように、軸端凹凸部及び軸方向シート突出部を適切に配置することができる。従って、コイルエンド部の周方向全域にわたって、前記第一隙間及び前記第二隙間による冷媒流通路を適切に形成することができる。
また、径方向に複数枚配列された中で最も外周側に配列された相間絶縁シートである外周側相間絶縁シートが、前記コイルエンド部の外周面から径方向外側に所定量突出した径方向シート突出部を有し、前記カバー部材は、前記コイルエンド部の外周面に対向する内周面であるカバー内周面に、軸方向に延びると共に径方向に引退した凹状部である内周面凹状部を有し、前記径方向シート突出部の先端が、前記内周面凹状部に挿入されていると好適である。
この構成によれば、カバー内周面を伝わって周方向に流れる冷媒は、径方向シート突出部により堰き止められ、カバー内周面より径方向内側に配置されたコイルエンド部へ向かって流れる。より詳しくは、径方向シート突出部により堰き止められた冷媒は、径方向シート突出部に沿って径方向内側に流れ、コイルエンド部の外周部に供給される。あるいは、この堰き止められた冷媒は、径方向シート突出部に沿って軸方向におけるカバー部材の軸端内面へ流れ、コイルエンド部の軸方向端面に供給される。さらに、この軸端内面へ流れた冷媒は、軸端凹凸部及び軸方向シート突出部などにより形成された冷媒流通路を通じて、コイルエンド部の広範囲に行き渡る。
また、径方向シート突出部の先端が、カバー内周面の内周面凹状部に挿入されているので、カバー内周面を伝わって周方向に流れる冷媒を堰き止めることができる割合を高めることができる。
また、前記相間絶縁シートは、前記ステータコア側の先端が当該ステータコアの軸方向端面に対して第三隙間を有して配置され、前記第三隙間が、前記コイルエンド部を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされていると好適である。
この構成によれば、第三隙間を、径方向内側から径方向外側へ向かって供給される冷媒が流通する冷媒流通路とすることができる。従って、径方向内側から径方向外側へ向かって供給される冷媒をカバー部材の内周面であるカバー内周面に導くことができ、そこから前記第一隙間及び前記第二隙間により形成された冷媒流通路等を介してコイルエンド部の全体に冷媒を供給することが可能となる。従って、コイルエンド部の冷却効率を更に高めることができる。
また、前記カバー部材は、前記軸端内面に冷媒を供給するための冷媒供給部を有すると好適である。
この構成によれば、カバー部材の軸端内面に冷媒を供給し、そこから前記第一隙間及び前記第二隙間により形成された冷媒流通路を介してコイルエンド部の軸方向端面に適切に冷媒を供給することができる。従って、コイルエンド部の軸方向端面を適切に冷却することが可能となる。
また、前記軸端内面が水平面に対して交差する向きに配置され、前記冷媒供給部は、前記軸端内面の最上部に設けられた冷媒供給用の開口部を有していると好適である。
この構成によれば、カバー部材の軸端内面の最上部に設けられた冷媒供給用の開口部から冷媒が供給される。そして、当該開口部から供給された冷媒は、重力により下方へ向かって流れ、前記第一隙間及び前記第二隙間により形成された冷媒流通路に導かれる。従って、コイルエンド部の軸方向端面に適切に冷媒を供給することができ、当該コイルエンド部の軸方向端面を適切に冷却することが可能となる。
また、前記カバー部材は、径方向内側に内側開口部を有し、前記内側開口部は、前記カバー部材の径方向内側から供給される冷媒を通過させるように形成されていると好適である。
この構成によれば、カバー部材の径方向内側から供給される冷媒は、カバー部材の内側開口部を通過し、カバー部材により覆われたコイルエンド部に供給され、更にはカバー部材の内周面であるカバー内周面や軸端内面等に流通される。よって、コイルエンド部の全体に冷媒を供給することが容易となり、コイルエンド部の冷却効率を更に高めることができる。
本発明の実施形態に係るステータの軸方向断面斜視図である。 本発明の実施形態に係るステータの軸方向断面斜視図である。 本発明の実施形態に係るステータの斜視図である。 本発明の実施形態に係るステータの斜視図である。 カバー部材を取り除いた状態におけるステータの斜視図である。 相間絶縁シートを挿入した状態におけるカバー部材の軸方向視図である。 カバー部材の軸方向視図である。 カバー部材の斜視図である。 カバー部材の斜視図である。 カバー部材を取り除いた状態におけるステータの斜視図である。 相間絶縁シートを挿入した状態におけるカバー部材の軸方向視図である。
本発明に係るステータの実施形態について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明を、インナーロータ型の回転電機用のステータに適用した場合を例として説明する。本実施形態に係るステータ20は、コイルエンド部23の軸方向端面24とカバー部材25の軸端内面28との間に、相間絶縁シート27の軸方向シート突出部40と当該軸端内面28に形成された軸端凹凸部45などにより、コイルエンド部23とカバー部材25との間に所定の冷媒流通路が形成されていることに特徴を有している。以下、本実施形態に係るステータ20の構成について、図1から図11を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、特に断らない限り、ステータ20の中心軸を基準として、軸方向、周方向、径方向を定義している。また、「上」は鉛直方向上方を指し、「下」は鉛直方向下方を指すものとする。
1.ステータの構成
ステータ20は、図1から図4に示すように、主な構成要素として、円筒状のステータコア21と、ステータコア21に巻装されるコイル22と、ステータコア21の軸方向端面29から突出するコイル22のコイルエンド部23と、コイルエンド部23を覆うカバー部材25とを備えている。ステータ20は、ステータコア21に巻装されたコイル22に電流を流すことで磁界を発生させることができる。ステータコア21の径方向内側には、図示は省略するが、永久磁石や電磁石を備えた界磁としてのロータが、ステータコア21に対して相対回転可能に配置されている。すなわち、本実施形態に係るステータ20は、インナーロータ型で回転界磁型の回転電機用のステータとされている。ここで、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
1−1.ステータコアの構成
図2及び図3に示すように、ステータコア21は円筒状の形状を有している。ここでは、ステータコア21は、円環板状の電磁鋼板を複数枚積層した積層構造体である。ステータコア21の内周面には、その軸方向に延びる複数のスロット50が周方向に沿って所定間隔で設けられている。各スロット50は互いに同じ断面形状であって、所定の幅及び深さを有して内周面側に開口している。本実施形態では、ステータコア21には、その全周で48個のスロット50が設けられている。そして、図2及び図5に示すように、スロット50のそれぞれにコイル22が巻装され、ステータコア21の軸方向端面24から突出したコイル22の部分によりコイルエンド部23が形成される。
1−2.コイルの構成
コイル22は、図2及び図5に示すように、ステータコア21の各スロット50に挿入される複数のスロット導体部51と、上記コイルエンド部23とを有している。コイルエンド部23の形状は、軸方向両端部で異なる構成となっている。なお、本実施例の説明では、特に断らない限り、コイルエンド部23は、軸方向一方側(図2の右上側、図5の左下側)のコイルエンド部を指すこととする。コイル22のコイルエンド部23は、スロット導体部31から略軸方向に延出する軸方向導体部52と、異なるスロット間を周方向につないで2つの軸方向導体部52同士を接続する周方向導体部53とを有して構成されている。
本実施形態においては、コイル22は、ステータコア21に巻装可能な所定形状に予め形成されており、図2に示されるように、ステータコア21の各スロット50には、コイル22を形成する線状導体26が複数本挿入される。本例では、各スロット50に6本の線状導体26が挿入されている。また、本例では、コイル22を形成する線状導体26は矩形断面を有している。尚、線状導体26が本発明における導体26である。スロット導体部51においては、6本の線状導体26が、スロット50の内部において径方向に一列に整列配置されている。
1−3.コイルエンド部の構成
そして、スロット導体部51に連続して軸方向に延出し、ステータコア21から略軸方向に突出している線状導体26により、コイルエンド部23の軸方向導体部52が構成されている。そして、軸方向導体部52においては、図5及び図10に示すように、スロット50の内部において径方向に互いに隣接して配置されている2本の線状導体26が、ステータコアの軸方向端面29から軸方向に所定距離の位置において、スロット50の内部で径方向に隣接するように重なった2列の配置から、周方向に隣接するように重なった2列の配置になるように曲折して形成されている。同一のスロット50の内部に配置された6本の線状導体26は、軸方向導体部52おいて互いに隣接する2本ずつ3組が同様に曲折されている。
また、本実施形態においては、回転電機は三相交流で駆動される回転電機であり、コイル22も三相構成(U相、V相、W相)で形成されている。そして、隣接する2つのスロットに同じ相の線状導体26が6本ずつ挿入される。各相の線状導体26が、隣接する2つのスロット毎に、三相の順番で周方向に繰り返し配置されている。よって、同じ相の隣接する2つのスロットは、周方向において異なる2つの相に対応する4つのスロットを隔て、繰り返し配置されている。周方向導体部53は、同じ相の隣接する2つのスロットから延出する軸方向導体部52の内の1本と、当該2つのスロットと同じ相であって、周方向において4つのスロットを隔てて位置する、隣接する2つのスロットから延出する軸方向導体部52の内の1本と、を周方向に接続してなる線状導体26である。
図5及び図10に示すように、同じ相の隣接する2つのスロットの間で周方向において同じ位置に配置されている線状導体26であって、当該それぞれのスロットにおいて径方向に隣接して配置されている線状導体26である計4本の線状導体26に対応する4本の軸方向導体部52は、ステータコアの軸方向端面29から軸方向に所定距離の位置において、周方向に隣接するように重なった4列の配置になるように曲折して形成される。そして、4本の軸方向導体部52が、軸方向に隣接するように重なった4列の配置になるように、周方向に曲折して4本の周方向導体部53が形成される。同じ相の隣接する2つのスロットに挿入された計12本の線状導体26から、4本ずつ曲折して形成された3組が径方向に配列される。
よって、同じ相の4本の線状導体26は、軸方向導体部52と周方向導体部53において、周方向及び軸方向に延びるように配置にされている。すなわち、この同じ相の4本の線状導体26は、その外形が、コイルエンド部23の外周面に沿って径方向に湾曲した円弧板状となるように形成されている。本例では、このような円弧板状の4本の線状導体26の組(以下「円弧板状導体部46」という)は、8スロット分の周方向長さに応じた長さで、周方向に延びて形成される。また、円弧板状導体部46は、ステータコアの軸方向端面29から軸方向外側に、軸方向に重なった4列の周方向導体部53の幅だけ延びて形成される。よって、円弧板状導体部46の軸方向端面は、最も軸方向外側の列の周方向導体部53によって形成される。ここで、軸方向外側とは、ステータコアの軸方向端面からステータコア側と反対側を指すものとする。また、この1枚の円弧板状導体部46は、同じ相の隣接する2つのスロットから4本の線状導体26を用いており、同じ相の隣接する2つのスロットには計12本の線状導体26が配置されているため、同じ相の隣接する2つのスロットに対して3枚の同じ相の円弧板状導体部46が形成される。よって、同じ相の円弧板状導体部46は、径方向から見て重なる位置関係で3枚形成される。
全てのスロットについて、同様に、相毎の円弧板状導体部46が形成される。そして、2つの異なる相の円弧板状導体部46が径方向に交互に重なるように6枚配列される。よって、径方向に隣接して重なる2枚の円弧板状導体部46は、互いに異なる相となっている。互いに異なる相の3枚の円弧板状導体部46は、周方向に4スロット分だけずれて配列されている。全てのスロットに対応する互いに異なる相の3枚の円弧板状導体部46は、周方向に4つのスロット分だけずらされながら、全周に亘って互いに径方向に6枚重なるように配列されている。全周に亘って円筒状に配列するため、一つの相(ここではV相)の円弧板状導体部46は、その周方向中央部に径方向の段差が形成されている。また、周方向に隣接する2枚の円弧板状導体部46は、互いに相が異なるように配置されている。よって、径方向及び周方向に隣接する円弧板状導体部46は、互いに相が異なるように配置されている。なお、この互いに異なる相の円弧板状導体部46を構成する線状導体26の間には、後述する相間絶縁シート27が挿入されている。
上記のとおり、コイルエンド部23を構成する線状導体26は、周方向に所定間隔で配置されたスロット50から延出して形成されており、また線状導体26はその矩形断面が所定の方向に整列するように形成されているため、比較的多くの隙間を有する。また、周方向に隣接する2枚の円弧板状導体部46の間は、スロット22の周方向の配置間隔に対応した隙間を有する。
1−4.相間絶縁シートの構成
コイルエンド部23を構成する互いに異なる相の線状導体26の間での電気的絶縁性を確保するため、図1及び図5に示すように、相の異なる線状導体26が隣接する間に相間絶縁シート27が介装されている。相間絶縁シート27は、例えばアラミド繊維とポリエチレンテレフタラートを貼り合わせたもの等の電気的絶縁性及び耐熱性の高い材料で成形したシート等を用いることができる。本実施例では、上記のとおり、コイルエンド部23の線状導体26は、同じ相の4本の線状導体26で形成され周方向及び軸方向に所定幅だけ延びる形状である円弧板状導体部46を構成するように形成されている。そして、円弧板状導体部46は、複数枚形成され、互いに相が異なるように径方向及び周方向に隣接するように配置されている。よって、相間絶縁シート27は、円弧板状導体部46の形状に対応するように、周方向及び軸方向に延びるとともに径方向に湾曲した形状とされる。そして、相間絶縁シート27は、互いに異なる相の円弧板状導体部46の線状導体26の間に挿入され、径方向から見て重なる位置関係で径方向に複数枚配列される。本例では、円弧板状導体部46は径方向に6枚重ねられており、相間絶縁シートは隣接する2枚の円弧板状導体部46の間に1枚ずつ挿入され、径方向に計5枚配列されている。また、本例では、周方向及び軸方向に延びる相間絶縁シート27は、4スロット分の周方向長さに応じた長さで、周方向に延びて配置されている。これは、異なる相の円弧板状導体部46が、周方向に4スロット分だけずれて重なるように配列されていることに対応している。
なお、本例では、周方向に隣接する2枚の円弧板状導体部46は、互いに異なる相となっており、その隙間にも相間絶縁シート27が径方向及び軸方向に延びるように配置されている。この径方向及び軸方向に延びる相間絶縁シート27は、周方向及び軸方向に延びる相間絶縁シート27の周方向端部を径方向へ向けて折り曲げて形成されている。そして、ある部分の相間絶縁シート27は、一枚のシートを複数回折り曲げて形成されており、周方向及び軸方向に延びるシート部分と径方向及び軸方向に延びるシート部分とが交互に複数回繰り返され、軸方向から見て略矩形波状に形成されている。
周方向及び軸方向に延びる相間絶縁シート27は、図1及び図5に示すように、コイルエンド部の軸方向端面24から軸方向に所定量突出した軸方向シート突出部40を有するように設けられる。そして、図1に示すように、軸方向シート突出部40の先端が、後述するカバー部材25の軸端内面28に形成された凹状部42に挿入される。またこの状態で、軸方向シート突出部40は、後述するカバー部材25の軸端内面28に形成された軸端凹凸部45に対して第一隙間43を有して配置される。カバー部材25の軸端内面28は、後述するように、コイルエンド部23の軸方向端面24に対して軸方向に所定距離だけ離れた位置に配置されている。よって、軸方向シート突出部40は、その先端がカバー部材25の軸端内面28に形成された軸端凹凸部45の凹状部42の底面に対して第一隙間43を形成するための間隔を空けて離れた位置に配置されている。なお、この第一隙間43は、後述するように、コイルエンド部23を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている。
図5に示すように、本実施形態においては、相間絶縁シート27は、上記のように、円弧板状導体部46の形状に合わせて、周方向及び軸方向に所定幅だけ延びるように配置されている。さらに、相間絶縁シート27は、円弧板状導体部46の軸方向端面24から軸方向に所定量突出して延びるように配置される軸方向シート突出部40を有する。なお、周方向に隣接する2枚の円弧板状導体部46の間に挿入された、径方向及び軸方向に延びる相間絶縁シート27(後述する径方向シート突出部61を含む)も、同様に、円弧板状導体部46の軸方向端面24から軸方向に所定量突出して延びるように配置される。
軸方向シート突出部40は、相間絶縁シート27における円弧板状導体部46の間に挿入されている部分と同様に、径方向から見て重なる位置関係で径方向に5枚配列されている。そして、図1に示すように、径方向に隣接する2枚の軸方向シート突出部40は、2枚の相間絶縁シート27の間に挟まれている線状導体26の径方向(ステータ径方向)の幅に対応する径方向の隙間を有して配置される。この2枚の軸方向シート突出部40の隙間により形成される空間の軸方向内側(ステータコア21側)の面は、円弧板状導体部46の軸方向端面24で形成されている。この軸方向端面24は、最も軸方向外側に位置する周方向導体部53の軸方向端面24である。よって、2枚の軸方向シート突出部40間に形成される空間は、周方向に連続して形成されている。以上より、径方向に隣接する2枚の軸方向シート突出部40の間には、径方向に線状導体26の径方向の幅を有し、軸方向に所定突出量の高さ有し、周方向に連続して延びる隙間が形成される。本例では、この隙間は、4スロット分の周方向長さに応じた長さで周方向に連続している。また、この周方向に連続して延びる隙間は、上述した円弧状のコイルエンド部23及び相間絶縁シート27の配置位置により、径方向から見て重なる位置関係で径方向に4層形成されているとともに、コイルエンド部23の全周に亘って形成されている。なお、図1に示すように、この周方向に連続して延びる隙間には、後述する、カバー部材25の凸状部41が、軸方向外側から当該隙間に挿入される。またこの状態で、凸状部41の先端はコイルエンド部23の軸方向端面24に対して第二隙間44を有して配置される。この凸状部41は、軸方向から見て周方向導体部53の軸方向端面24の形状に対応する形状、すなわち、2枚の軸方向シート突出部40の隙間の形状に対応する形状に成型されている。よって、4方を囲まれ、周方向に連続して延びる第二隙間44が形成される。そしてこの第二隙間44も第一隙間43と共にコイルエンド部23を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている。
また、最も径方向外側に配置された軸方向シート突出部40及び周方向導体部53と、後述するカバー部材25の軸端内面28と、により3方を囲まれ、周方向に連続して延びる溝が形成されている。そして、この溝が、コイルエンド部23を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている。そして、最も径方向内側も同様に、最も径方向内側に配置された軸方向シート突出部40及び周方向導体部53と、後述するカバー部材25の軸端内面28と、により3方を囲まれ、周方向に連続して延びる溝が形成され、冷媒流通路とされる。
図5及び図6に示すように、径方向に複数枚配列された中で最も径方向外側、すなわち最も外周側に配列された相間絶縁シート27である外周側相間絶縁シート60が、コイルエンド部23の外周面から径方向外側に所定量突出した径方向シート突出部61を有するように配置される。ここで、コイルエンド部23の外周面とは、本例では、コイルエンド部23を構成する複数の線状導体26における最外周側の面をつないだ面である。本実施形態では、図5及び図10に示すように、最も径方向外側の円弧板状導体部46の径方向内側に接するように配置された当該相間絶縁シート27が当該円弧板状導体部46の径方向外側の面(外周面)から径方向外側に所定量突出した径方向シート突出部61を有するように配置される。また、径方向シート突出部61は、軸方向シート突出部40と同様に、円弧板状導体部46の軸方向端面24から軸方向に所定量突出するように配置される。なお、本例では、径方向シート突出部61は、外周側相間絶縁シート60の周方向端部を径方向外側へ向けて折り曲げて形成される。
径方向シート突出部61の先端は、後述するカバー部材25のカバー内周面62に形成された内周面凹状部63に挿入される。よって、カバー部材25のカバー内周面62は、径方向及び軸方向に延びる径方向シート突出部61により周方向の所定位置で仕切られる。径方向シート突出部61及び内周面凹状部63は、図6に示すように、コイルエンド部23の周方向に沿って複数配置される。そして、カバー部材25のカバー内周面62を伝わって周方向に流れる冷媒の流れが、径方向シート突出部61により、周方向の複数の所定位置で堰き止められる。このように堰き止められた冷媒は、径方向シート突出部61に沿って径方向内側に流れ、コイルエンド部の外周面側のコイルエンド部23に流通される。あるいは、この堰き止められた冷媒は、径方向シート突出部61に沿って軸方向外側に流れ、軸端内面28に流通される。
相間絶縁シート27は、ステータコア21側の先端が当該ステータコアの軸方向端面29に対して第三隙間70を有して配置される。本実施形態では、図1及び図5に示すように、円弧板状導体部46は、ステータコア21の軸方向端面29から軸方向に所定距離だけ離れた位置から形成されており、これに合わせて相間絶縁シート27もステータコア21の軸方向端面29から所定距離だけ離して配置される。それによる、ステータコア21の軸方向端面29と相間絶縁シート27との隙間が第三隙間となる。そして、この第三隙間70は、上述した円弧状のコイルエンド部23及び相間絶縁シート27の配置に合わせて、コイルエンド部23の全周に亘って形成されている。また、この第三隙間70には、軸方向導体部52が配置されているが、軸方向導体部52は、周方向に所定間隔を有して配置されたスロット50から延出されているため、全周に亘って線状導体26間に多くの隙間(以下「導体間隙間」という。)を有する。そして、軸方向導体部52は、径方向に互いに隣接するように一列に重なって配置されたスロット50内の6本の線状導体26から延出されて構成されているので、径方向に連通する導体間隙間を有する。よって、全周に亘って配置される第三隙間70には、径方向に連通する導体間隙間が全周に亘って多数配置される。そして、本実施形態では、この第三隙間70も、コイルエンド部を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている。
1−5.カバー部材の構成
図1から図3に示すように、カバー部材25は、ステータコア21の軸方向端面29から突出するコイル22のコイルエンド部23を覆う部材である。カバー部材25は、軸方向一方端が閉塞された2重円筒状に形成されている。本例では、カバー部材25は、軸方向一方側のコイルエンド部23のみを覆う構成としている。図3及び図9に示すように、カバー部材25は、取り付け壁部82、槽状部81、外周壁部74、端壁部75、及び内周壁部78を備えている。また、取り付け壁部82には、締結ボルト(図示せず)を挿通するための取り付け用孔が形成されている。この取り付け用孔を利用して、カバー部材25は、締結ボルト(図示せず)によりステータコア21とともにケース(図示せず)に固定される。そして、図2に示すように、カバー部材25の内面により規定される空間である収容室73に、コイルエンド部23が収容されている。カバー部材25は、径方向内側に内側開口部72を備えており、収容室73は、カバー部材25の径方向内側(ロータ側)の空間と連通している。なお、カバー部材25は、例えば樹脂等の絶縁材料で形成される。
槽状部81は、図1から図4に示すように、上方への開口部を有する。本実施形態では、槽状部81は、外周壁部74の最上部に、外周壁部74を槽状部81の底部として形成されている。槽状部81の底部には、カバー部材25の内部に形成される収容室73と槽状部81とを連通する冷媒供給用の開口部71が設けられている。
外周壁部74は、図3に示すように、コイルエンド部23の外周面を全周に亘って覆う円筒状に形成されている。外周壁部74は、コイルエンド部23の外周面に対向する内周面であるカバー内周面62を有する。また、外周壁部74は、そのカバー内周面62とコイルエンド部23の外周面との間に所定の隙間を有して形成されている。そして、この隙間が、コイルエンド部23を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている。また、外周壁部74は、コイルエンド部23の軸方向長さよりも長い軸方向長さを有するように形成され、コイルエンド部23の外周面における軸方向の全域を覆うように形成されている。
端壁部75は、図2及び図3に示すように、外周壁部74の軸方向外側の端部から径方向内側に向かって延出し、コイルエンド部23の軸方向端面24を覆う円環板状に形成されている。端壁部75は、コイルエンド部23の軸方向端面24に対向する内面である軸端内面28を有する。また、端壁部75は、その軸端内面28とコイルエンド部23の軸方向端面24との間に所定の隙間を有して形成されている。本実施例では、端壁部75は、周方向の一部に、所定の周方向の幅に亘って、軸方向外側へ突出している突出端壁部76を有し、その突出端壁部76に端壁開口部77を有している。そして、端壁開口部77は、コイル22を構成する各相の線状導体26をカバー部材25の外側に配置されているインバータ(図示せず)に接続するための接続導体(図示せず)が通る構成となっている。突出端壁部76は、同相の線状導体26の端部同士の接続や、中性点での線状導体26の端部同士の接続等のためにコイルエンド部23の軸方向端面24より軸方向外側に突出する導体を収めるために軸方向外側へ突出されている。
内周壁部78は、本実施形態では、図2及び図8に示すように、端壁部75の径方向内側の端面から軸方向内側(ステータコア21側)へ延出し、コイルエンド部23の内周面の一部を覆うように形成されている。すなわち、内周壁部78は、当該内周壁部78の軸方向内側の端面とステータコアの軸方向端面29との間に隙間を有し、当該隙間が内側開口部72とされている。ここでは、内周開口部72を構成する隙間は全周に亘って一定とされている。そして、内側開口部72は、収容室73とカバー部材25の径方向内側とを全周に亘って連通させており、カバー部材25の径方向内側から供給される冷媒を通過させるように形成されている。なお、冷媒の供給方法については後述する。また、内周壁部78は、図1に示すように、コイルエンド部23の内周面との間に所定の隙間を有して形成され、この隙間は冷媒流通路とされている。ここで、コイルエンド部23の内周面とは、本例では、コイルエンド部23を構成する複数の線状導体26における最内周側の面をつないだ面である。
前記カバー部材25は、図1、図7、及び図8に示すように、コイルエンド部の軸方向端面24に対向する内面である軸端内面28に、周方向に延びると共に軸方向内側に突出する凸状部41と周方向に延びると共に凸状部41に対して軸方向外側に引退する凹状部42とが径方向に複数交互に形成されてなる軸端凹凸部45を有している。軸端凹凸部45は、軸方向シート突出部40の先端が凹状部41に挿入されると共に、当該軸方向シート突出部40が軸端凹凸部45に対して第一隙間43を有して配置されるように形成される。また、軸端凹凸部45は、凸状部41の先端が径方向に隣接する2枚の軸方向シート突出部40間に挿入されるように形成される。そして、凸状部41は、その先端がコイルエンド部23の軸方向端面24に対して第二隙間44を有して配置されるように形成される。
図1に示すように、凸状部41は、軸端内面28の他の部分(凹状部42を含む)に対して軸方向内側に突出して形成され、凹状部42は軸端内面28の他の部分(凸状部41を含む)に対して軸方向外側に引退して形成されている。本実施形態では、凹状部42の底面を軸端内面28の基準面とし、当該基準面から軸方向内側(ステータコア側)へ突出するように凸状部41が形成されている。また、2枚の軸方向シート突出部40間の隙間は、上述したように、線状導体26の径方向の幅に対応する径方向の隙間を有している。よって、凸状部41の径方向の幅は、線状導体26の径方向の幅より小さい幅に形成されている。そして、径方向に隣接する2つの凸状部41の径方向の隙間、すなわち凹状部42の幅は、相間絶縁シート27の厚みより大きい幅に形成されている。具体的には、第一隙間に要求される最小間幅を「第一最小間幅」とした場合に、凸状部41の径方向の幅は、線状導体26の径方向幅から第一最小間幅の2倍を引いた幅より小さく形成される。凹状部42の径方向の幅は、相間絶縁シート27の厚み幅に第一最小間幅の2倍を足した幅より大きい幅に形成される。また、凹状部42の底部は、軸方向シート突出部40の先端に対して隙間を有するように配置されている。この隙間は第一最小間幅より大きい。よって、軸方向シート突出部40がその周囲にある軸端凹凸部45に対して第一最小隙間より大きい隙間を有して配置され、このような軸方向シート突出部40と軸端凹凸部45との隙間が第一隙間43とされる。そして、第一隙間43は、軸方向シート突出部40により仕切られる空間の間を径方向に連通する。本例では、第一隙間43は、軸方向シート突出部40により仕切られて径方向に4層形成される軸方向シート突出部40間の空間を径方向に連通する。そして、この第一隙間43がコイルエンド部23を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている。
また、本実施形態では、凸状部41は、カバー部材25がコイルエンド部23に取り付けられた状態で、その先端がコイルエンド部23の軸方向端面24に対して隙間を有するように形成されている。具体的には、第二隙間に要求される最小間幅を「第二最小間幅」とした場合に、凸状部41とコイルエンド部の軸方向端面24との隙間が第二最小間幅以上となるように凸状部41の突出高さが設定される。なお、第一最小間幅及び第二最小間幅は冷媒の必要流量から定まる。このような必要流量は、回転電機の使用状態等に応じて実験的に求められる。そして、凸状部41は、図6に示すように、2枚の軸方向シート突出部40間の隙間における周方向の幅に対応するように、少なくとも4スロット分の周方向長さに応じた長さだけ周方向に延びて形成されている。また、2枚の軸方向シート突出部40間の空間は、前述したように、円弧板状導体部46を形成する最も軸方向外側の周方向導体部53の軸方向端面に対応して周方向に延びている。そして、軸端凹凸部45の凸状部41は、軸方向から見て、最も軸方向外側の周方向導体部53の軸方向端面の形状に対応する形状に形成されている。具体的には、周方向導体部53の軸方向端面の形状を軸端内面28に転写したような形状に形成されている。従って、4方を、2枚の軸方向シート突出部40、コイルエンド部の軸方向端面24、及び凸状部41で囲まれ、周方向に連続して延びる第二隙間44を含む空間が形成される。そして、この第二隙間44を含む空間も、コイルエンド部23を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている。
また、凸状部41は、図6及び図7に示すように、2枚の軸方向シート突出部40間の隙間に対応して、径方向に4本配列され、突出端壁部76及び径方向に不連続になっている一部の隙間を除き全周に亘って形成されている。従って、径方向に複数本配列され、周方向に連続して延びる第二隙間44を含む空間は、コイルエンド部の軸方向端面24を径方向及び周方向に覆うように形成される。
図6から図8に示すように、カバー部材25は、コイルエンド部23の外周面に対向する内周面であるカバー内周面62に、軸方向に延びると共に径方向に引退した凹状部である内周面凹状部63を有するように形成される。そして、内周面凹状部63は、径方向シート突出部61の先端が挿入されるように、径方向シート突出部61に対応する周方向の位置に形成される。本実施例では、図6に示すように、カバー内周面62の周方向の複数の位置に、突出端壁部76を除く全周に亘って形成されている。なお、本例では、2枚の径方向シート突出部61が周方向に隣接して配置されている箇所がある。そこで、内周面凹状部63は、隣接する2枚の径方向シート突出部61の双方の先端が1つの凹状部に挿入されるように、当該2枚の径方向シート突出部61の周方向の配置間隔より広い所定の周方向の幅を有して形成されている。
また、内周面凹状部63の軸方向の長さは、径方向シート突出部61の先端が挿入できるように、径方向シート突出部61の軸方向の長さより長く形成される。本実施形態では、図8に示すように、内周面凹状部63の軸方向外側の端部は、軸端内面28と略同じ軸方向の位置(近接する位置)に形成されている。これは、径方向シート突出部63は、上述のように、外周側相間絶縁シート60の周方向端部を折り曲げて形成されており、径方向シート突出部61の軸方向外側の端面は、軸方向シート突出部40と同様に、軸端内面28との間に第一隙間43を有して配置されていることに対応している。内周面凹状部63の軸方向内側の端部は、カバー部材の軸方向内側の端面と一致するように形成されている。これにより、カバー部材25は、ステータ20に軸方向外側から装着容易とされている。
カバー部材25は、軸端内面28に冷媒を供給するための冷媒供給部71を有して形成されている。ここでは、軸端内面28が水平面に対して交差する向きに配置され、冷媒供給部71は、軸端内面28の最上部に設けられた冷媒供給用の開口部71を有して形成される。本実施形態では、軸端内面28が水平面に対して直交する向きに配置されている。そして、冷媒供給部71は、軸端内面28の最上部となる鉛直上方の外周縁部に設けられている。また、冷媒供給部71は、上述した槽状部81と軸端内面28とを連通する冷媒供給用の開口部71を有して構成されている。図1、図6、及び図7に示すように、冷媒供給用の開口部71は、軸端内面28の最上部に設けられることにより、軸端凹凸部45及び軸方向シート突出部40の最上部よりも上方に配置されている。
2、冷媒流通路
コイルエンド部を冷却する冷媒は、軸端内面28に形成された冷媒供給用の開口部71、もしくはカバー部材25の径方向内側に形成された内側開口部72から収容室73内に供給される。本実施形態では、一つの冷媒供給経路では、冷媒が、槽状部81に冷媒を供給する冷媒供給口(図示せず)から供給され、重力により槽状部81を経て冷媒供給用の開口部71に供給される。そして、供給された冷媒は、冷媒供給用の開口部71から軸端内面28を経て、重力や表面張力等の力を受けて収容室73内を流通する(図1の最も右上に配置される太線の矢印がこのような冷媒の流れを示す)。また、別のもう一つの冷媒供給経路では、例えば、ステータコア21の径方向内側に配置されたロータ(図示せず)に供給された冷媒がロータの回転による遠心力により径方向外側に飛ばされて、カバー部材25の径方向内側から全周に亘って内側開口部72に供給される。そして、内側開口部72を通過した冷媒は、ステータコア21の軸方向端面29に沿って全周に亘って形成される第三隙間70を通過してカバー内周面62に供給される(図1の最も左側に配置される太線の矢印がこのような冷媒の流れを示す)。そして、カバー内周面62に供給された冷媒は、重力や表面張力等の力を受けて収容室73内を流通される。コイルエンド部23を構成する線状導体26は、冷媒の流通過程で行われる冷媒との間の熱交換により冷却される。収容室73内を流通した冷媒は、カバー部材の外周壁部74の下方に形成される外周壁開口部79から収容室73の外に排出される。
上述のように、コイルエンド部の軸方向端面24とカバー部材の軸端内面28との間に、軸端凹凸部45及び軸方向シート突出部40などにより形成された冷却流通路としての第一隙間43及び第二隙間44が形成される。そして、この冷媒流通路を通じてコイルエンド部の軸方向端面24に対し広範囲に冷媒を供給することができる。
具体的には、図1において、太線の矢印で一部の冷媒の流れを示すように、軸端内面28の上方に形成された冷媒供給用の開口部71から軸端内面28に供給された冷媒は、重力によって軸端内面28に沿って径方向内側に流れ、軸端凹凸部45及び軸方向シート突出部40などにより形成された冷媒流通路としての第一隙間43及び第二隙間44に供給される。軸端凹凸部45及び軸方向シート突出部40により形成された第一隙間43及び第二隙間44の大きさ(流路断面積)の設定により、軸端内面28に沿って径方向内側に流れる冷媒の流速および冷媒の量が調整される。そして、径方向の冷媒の流れは、周方向に連続して延びる第一隙間43及び第二隙間44によって形成される冷媒流通路により周方向にも割り振られ、冷媒をコイルエンド部の軸方向端面24を周方向に流通させることが可能になる。また、第一隙間43及び第二隙間44の大きさ(流路断面積)を調整することにより、径方向に流れる冷媒の量と、周方向に流れる冷媒の量との割合を適切に調整することができる。
本実施形態においては、第一隙間43の第一最小間隔は、第二隙間44の第二最小間隔より小さく設定されている。この設定により、第一隙間43は、主に径方向の流量の調整を行うと共に、径方向と周方向の流量の割り振りを行う。第二隙間44は、周方向に冷媒を流通させ、コイルエンド23の軸方向端面24に冷媒を供給して冷却を行う。
また、径方向外周側及び径方向内周側の周方向導体部53の軸方向外側の溝も、上述したように冷媒流通路となっており、第一隙間43により軸端内面28に沿った径方向の流れを制限された冷媒が周方向に流通される。
本実施形態では、図1に示すように、冷媒流通路としての第二隙間44は、周方向に連続して延びるように形成されるとともに、各相のコイルエンド部の軸方向端面24に対応して径方向から見て重なる位置関係で径方向に4層形成されている。また、冷媒流通路としての第一隙間43は周方向に連続して延びるように形成されるとともに、第二隙間44の各層間を連通するように形成されている。軸端内面28の最上部から供給された冷媒は、第一隙間43により各第二隙間44の間を鉛直上方から下方に向かって順番に流通されながら、各第一隙間43及び第二隙間44に沿って周方向にも流通される。よって、第一隙間43及び第二隙間44に供給された冷媒は、コイルエンド部23の軸方向端面24を径方向及び周方向に広範囲に行き渡ることができる。そして、第二隙間44を流れる冷媒がコイルエンド部23の軸方向端面24を構成する線状導体26に接し、更にはコイルエンド部23の他の線状導体26に接することによりコイルエンド部23が冷却される。なお、軸端内面28の最下部では、図1に示す、最上部における冷媒の流れ方向とは異なり、冷媒は、軸端内面28に沿って径方向内側から外側の方向に流れる。
また、本例では、第二隙間44の径方向の幅は一本の線状導体26の断面幅に設定されており、コイルエンド部23の軸方向端面24を形成する一本の線状導体26毎に第二隙間44を形成しているため、当該一本の線状導体26毎にきめ細かく冷媒を供給することができる。
また、凸状部41を設けることにより、軸端内面28に沿った径方向の冷媒の流れは、軸方向内側、すなわちコイルエンド部23の軸方向端面24側へ向かう。従って、凸状部41を設けることにより、当該凸状部41において軸端内面28とコイルエンド部の軸方向端面24との距離を小さくすることができ、軸端内面28に沿って流れる冷媒がコイルエンド部の軸方向端面24に接する冷媒の量を多くすることができる。よって、凸状部41を設けず軸方向シート突出部40のみを設けた場合に比べて、軸端内面28を流れる冷媒をより多くコイルエンド部23の軸方向端面24に供給でき、コイルエンド部23の冷却効率を高めることができる。
また、第一隙間43及び第二隙間44は、上述のように周方向に連続して延びる周方向導体部53の軸方向端面24と、それと軸方向外側で対向する形状で周方向に連続して延びる凸状部41と、相間絶縁シート27の軸方向シート突出部40と、により形成されているため、周方向に連続して延びるように形成される。そして、周方向に連続して延びる冷媒流通路としての第一隙間43及び第二隙間44は、周方向導体部53の配置に対応して、4スロット分の周方向長さに応じた長さで周方向に連続して形成され、そして、この所定の周方向長さを有する冷媒流通路は、ほぼ全周に亘って繰り返し配置される。よって、コイルエンド部23の周方向に連続して、第一隙間及び第二隙間による冷媒流通路を適切に形成することができ、冷媒を、コイルエンド部23の軸方向端面24に対して周方向の広範囲に行き渡らせることができる。
また、内側開口部72から第三隙間70を通過しカバー内周面62に亘って供給された冷媒は、カバー内周面62を周方向下方側に流れる。図10及び図11において、太線の矢印で一部の冷媒の流れを示すように、カバー内周面62を伝わって周方向に流れる冷媒は、径方向シート突出部61により堰き止められる。この堰き止められた冷媒は、径方向シート突出部61に沿って径方向内側に流れ、コイルエンド部23の外周面側に供給される。あるいは、この堰き止められた冷媒は、径方向シート突出部61に沿って軸方向外側に流れ、軸端内面28に供給される。この軸端内面28に供給された冷媒は、上述した軸端凹凸部45及び軸方向シート突出部40などにより形成された第一隙間43及び第二隙間44を通じてコイルエンド部23の軸方向端面24を広範囲に供給される。
また、径方向シート突出部61の先端が、カバー内周面の内周面凹状部63に挿入されているので、周方向の冷媒の流れに対して径方向シート突出部61が当たり、周方向に流れる冷媒を堰き止めることができる割合を高められる。
また、本実施形態では、径方向シート突出部61及び内周面凹状部63は、図6に示すように、カバー内周面62の周方向の複数の位置に、ほぼ全周に亘って形成されている。従って、冷媒供給用の開口部71及び内側開口部72から供給され、カバー内周面62を伝わって流れる冷媒を利用し、コイルエンド部23の各所に冷媒を供給することが容易になる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態においては、端壁部75は、突出端壁部76および端壁開口部77を有しており、当該場所には軸端凹凸部45、径方向シート突出部61、及び内周面凹状部63が形成されていない場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、インバータと接続するための接続導体を、例えば、外周壁部74等のように端壁部75以外に配置して、端壁部75が突出端壁部76および端壁開口部77を有しない形状とし、コイルエンド部23の軸方向端面の全体を覆う円環板状の形状としても好適である。この場合、軸端内面28の全周に亘って、軸端凹凸部45、軸方向シート突出部40、径方向シート突出部61、及び内周面凹状部63を形成するようにしても好適である。
もしくは、軸端内面28内の一部の領域について、軸端凹凸部45、軸方向シート突出部40、径方向シート突出部61、内周面凹状部63、第三隙間70の何れかもしくは全てを形成しないようにすることも好適な本発明の実施形態の一つである。
このようにすることで、収容室73内における冷媒の流通の偏り、あるいはコイルエンド部23の冷却を行いたい箇所などに応じて、第一隙間43、第二隙間44及び第三隙間70による冷媒流通路、並びに径方向シート突出部61による冷媒流通路の配置を適切なものとし、より効果的に冷媒を流通させることが可能となる。
(2)上記の実施形態においては、軸方向シート突出部40及び凸状部41の周方向の幅は、4スロット分の周方向長さに応じた長さに形成されている場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、軸方向シート突出部40及び凸状部41の周方向の長さは、8スロット分の周方向長さに応じた長さ、全周に亘った長さ、もしくは任意の長さとすることも好適である。また、周方向に隣接する2つの軸方向シート突出部40及び2つの凸状部41の隙間が小さくなるように配列する、もしくは互いに重なるように配列することも好適な本発明の実施形態の一つである。
(3)上記の実施形態においては、複数枚の軸方向シート突出部40もしくは相間絶縁シート27が、径方向から見て重なる位置関係で径方向に配列され、周方向に隣接する2つの軸方向シート突出部40もしくは相間絶縁シート27間の隙間が、径方向から見て重なる位置関係に配列される場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、周方向に隣接する2つの軸方向シート突出部40もしくは相間絶縁シート27間の隙間が径方向から見て重なる位置関係に配列されないように、例えば軸方向シート突出部40もしくは相間絶縁シート27、あるいは軸端凹凸部45を周方向にずらしながら径方向に複数枚配列することも好適な本発明の実施形態の一つである。
(4)上記の実施形態においては、相間絶縁シート27は軸方向に1枚だけ配列される場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、相間絶縁シート27を軸方向に複数枚配列し、軸方向外側の相間絶縁シートに軸方向シート突出部を形成するようにしても好適であり、あるいは、相間絶縁シート27を軸方向にずらして複数枚配列し、径方向外側の相間絶縁シートに軸方向シート突出部を形成することも好適な本発明の実施形態の一つである。
(5)上記の実施形態においては、径方向シート突出部61の他にも、径方向及び軸方向に延びる相間絶縁シート27が形成され、矩形波状とされている場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、径方向シート突出部61を除く径方向及び軸方向に延びる相間絶縁シート27の部分を設けず、複数枚の相間絶縁シート27を径方向から見て重なるように配列しても好適な本発明の実施形態の一つである。
(6)上記の実施形態においては、径方向シート突出部61は、外周側相間絶縁シート60の周方向端部を径方向外側へ向けて折り曲げて形成される場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、径方向シート突出部61を外周側相間絶縁シート60と別体にして形成する、もしくは周方向端部以外の部分を折り曲げて(例えば、凸状)形成することも好適な本発明の実施形態の一つである。
このようにしても、径方向シート突出部61による冷媒流通路を形成することができ、コイルエンド部の冷媒の流通を高める効果を奏する。
(7)上記の実施形態においては、凸状部41は、径方向最外周側及び最内周側の周方向導体部53に対する軸方向外側には形成されない場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、凸状部41は、径方向最外周側及び最内周側の周方向導体部53に対する軸方向外側に形成されるようにしても好適な本発明の実施形態の一つである。
また、上記の実施形態においては、コイルエンド部23の径方向外周側および内周側に相間絶縁シート27及び軸方向シート突出部40を配置しない場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、コイルエンド部23の径方向外周側および内周側に相間絶シート27及び軸方向シート突出部40を配置するようにしても好適な本発明の実施形態の一つである。
(8)上記の実施形態においては、軸端内面28の基準面に対して突出するように凸状部41を形成することにより軸端凹凸部45を形成する場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、軸端内面28の基準面に対して引退するように凹状部42を形成することにより軸端凹凸部45を形成するようにしても好適な本発明の実施形態の一つである。
(9)上記の実施形態においては、第一隙間43、第二隙間44、もしくは第三隙間70のそれぞれの隙間の大きさが、径方向及び周方向の位置によっても基本的に変化しないような場合を例として図示している。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、径方向及び周方向の位置によって、第一隙間43、第二隙間44、もしくは第三隙間70のそれぞれの隙間の大きさを変化されるようにしても好適な本発明の実施形態の一つである。
このようにすることで、収容室73内における冷媒の流通の偏り、あるいはコイルエンド部23の冷却を行いたい箇所などに応じて、第一隙間43、第二隙間44及び第三隙間70のそれぞれを流れる冷媒の流通量、流速などを調整することができ、適切に冷媒を流通させることができる。
(10)上記の実施形態においては、凸状部41は、軸方向から見て、周方向導体部53の軸方向端面の形状に対応する形状に形成される場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、凸状部41は、径方向に隣接する2つの軸方向シート突出部40間に挿入されている形状であればよく、例えば、一部分のみにおいて、周方向導体部53の軸方向端面の形状に対応する形状になるように形成することも好適な本発明の実施形態の一つである。
(11)上記の実施形態においては、コイル22を形成する線状導体26が矩形断面を有している場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、コイル22を形成する線状導体26が、例えば、円形、楕円形、六角形や八角形等の多角形等、矩形断面以外の断面形状を有する構成とすることも、好適な本発明の実施形態の一つである。
(12)上記の実施形態においては、コイルエンド部23の線状導体26と相間絶縁シート27とがほとんど隙間なく接するように配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、コイルエンド部23の線状導体26と相間絶縁シート27間に隙間が設けられた構成とすることも、好適な本発明の実施形態の一つである。
このようすると、第二隙間44を流通する冷媒の一部を、コイルエンド部23の線状導体26と相間絶縁シート27との隙間に流通させることができ、冷媒の流通を高める効果を奏する。
(13)上記の実施形態においては、径方向に隣接する2枚の相間絶縁シート27の間に一本の線状導体26が配置される場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、同じ相の円弧板状導体部46を径方向に2枚隣接して重ねるように配置する、もしくは導体を束状に形成するなどして、径方向に隣接する2枚の相間絶縁シート27の間に2本以上の導体26が配置されるようにすることも好適な本発明の実施形態の一つである。
(14)上記の実施形態においては、周方向導体部53、軸方向シート突出部40、及び軸端凹凸部45が周方向に沿って径方向内側に湾曲した円弧状に形成されている場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない、すなわち、周方向導体部53、軸方向シート突出部40、及び軸端凹凸部45が、円弧以外の形状、たとえば直線の形状、多角形の形状など任意の形状に形成されるようにしても好適な本発明の実施形態の一つである。
(15)上記の実施形態においては、コイルエンド23に軸方向導体部52および周方向導体部53が形成されている場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、軸方向導体部52と周方向導体部53とが明確に区分できないように、例えば楕円状に形成されるなど任意の曲線もしくは直線で形成されるようにして、その形状に合わせて、軸方向シート突出部40、軸端凹凸部45、径方向シート突出部61、第三隙間70などを形成しても好適な本発明の実施形態の一つである。
(16)上記の実施形態においては、カバー部材25は、2重円筒状に形成されている場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、内周壁部78を有さない構成として、外周壁部74、端壁部75のみで構成してもよい。この場合、内側開口部72は、端壁部75の径方向内側の端面とステータコアの軸方向端面29との間の隙間により形成される。
また、カバー部材25の外周壁部74と端壁部75と内周壁部78とが明確に区分できないように、例えば断面形状が楕円状に形成されるなど任意の曲線もしくは直線で形成されるようにし、その形状に合わせて、軸方向シート突出部40、軸端凹凸部45、径方向シート突出部61、内周面凹状部63などを形成しても好適な本発明の実施形態の一つである。
(17)上記の実施形態においては、相間絶縁シート27が、ステータコア20の軸方向端面29の垂直方向に形成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、相間絶縁シート27が、ステータコア20の軸方向端面29の垂直方向から径方向内側もしくは外側に傾けて形成してもよい。この場合、この相間絶縁シート27の傾斜に合わせて、軸端凹凸部45、軸端内面28、及び径方向シート突出部61などを傾けて形成しても好適な本発明の実施形態の一つである。
(18)上記の実施形態においては、カバー内周面62に凹状部を形成することにより内周面凹状部63を形成する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、カバー内周面62に2つの凸状部を形成することにより内周面凹状部63を形成するようにしても好適な本発明の実施形態の一つである。
また、カバー内周面62に内周面凹状部63を形成しないようにし、径方向シート突出部61の先端をカバー内周面62に近接、又は当接させることも好適な本発明の実施形態の一つである。
このようにしても、冷媒を、第一隙間43及び第二隙間44の冷媒流通路、及び径方向シート突出部61による冷媒流通路に流通することができ、コイルエンド部の冷媒の流通を高める効果を奏する。
(19)上記の実施形態においては、冷媒供給用の開口部71が、軸端内面28の最上部に形成されている場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、冷媒供給用の開口部71が、最上部以外の軸端内面28に形成されるようにしても好適であり、冷媒供給用の開口部71が軸端内面の複数の箇所に形成されるようにしても好適であり、カバー部材25の内面の何れかの箇所に形成されるようにしても好適な本発明の実施形態の一つである。
このようにしても、冷媒を、第一隙間43及び第二隙間44の冷媒流通路、及び径方向シート突出部61による冷媒流通路に流通することができ、コイルエンド部の冷媒の流通を高める効果を奏する。
(20)上記の実施形態においては、冷媒は、重力もしくは表面張力等の力により収容室73内を流通される場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、圧力ポンプ等を用いて冷媒を圧送してカバー部材25の収容室73内に供給するようにしても好適である。この場合は、必ずしも重力の力は必要でないため、開口部71等の冷媒供給部を軸端内面28の最上部以外の場所に形成しても好適に冷媒を流通させることができる。
(21)上記の実施形態においては、軸端内面28が水平面に対して直交する向きに配置される場合を例として説明した、しかし、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、軸端内面28が水平面に対して直交以外の交差する向きとなるように傾斜させて配置することも好適な本発明の実施形態の一つである。
このようにしても、重力の力による冷媒の流通を行うことができ、第一隙間43及び第二隙間44の冷媒流通路、及び径方向シート突出部61による冷媒流通路により、冷媒を流通できる効果を奏する。
本発明は、円筒状のステータコアと、前記ステータコアに巻装されるコイルと、当該ステータコアの軸方向端面から突出する前記コイルのコイルエンド部と、前記コイルエンド部を覆うカバー部材とを備え、前記コイルエンド部を冷却する冷媒が前記カバー部材内を流通するステータに好適に利用することができる。
20:ステータ
21:ステータコア
22:コイル
23:コイルエンド部
24:コイルエンド部の軸方向端面
25:カバー部材
26:導体(線状導体)
27:相間絶縁シート
28:軸端内面
29:ステータコアの軸方向端面
40:軸方向シート突出部
41:凸状部
42:凹状部
43:第一隙間
44:第二隙間
45:軸端凹凸部
46:円弧板状導体部
50:スロット
51:スロット導体部
52:軸方向導体部
53:周方向導体部
60:外周側相間絶縁シート
61:径方向シート突出部
62:カバー内周面
63:内周面凹状部
70:第三隙間
71:冷媒供給用の開口部(冷媒供給部)
72:内側開口部
73:収容室
81:槽状部
82:取り付け壁部
74:外周壁部
75:端壁部
76:突出端壁部
77:端壁開口部
78:内周壁部
79:外周壁開口部

Claims (7)

  1. 円筒状のステータコアと、前記ステータコアに巻装されるコイルと、前記ステータコアの軸方向端面から突出する前記コイルのコイルエンド部と、前記コイルエンド部を覆うカバー部材と、を備えるステータであって、
    前記コイルエンド部を構成する互いに異なる相の導体間に挿入される相間絶縁シートが、周方向及び軸方向に延びるように配置されると共に、前記コイルエンド部の軸方向端面から軸方向に所定量突出した軸方向シート突出部を有し、径方向から見て重なる位置関係で径方向に複数枚配列され、
    前記カバー部材は、前記コイルエンド部の軸方向端面に対向する内面である軸端内面に、周方向に延びると共に軸方向に突出する凸状部と周方向に延びると共に当該凸状部に対して軸方向に引退する凹状部とが径方向に複数交互に形成されてなる前記凹凸部を有し、
    前記軸方向シート突出部の先端が前記凹状部に挿入されると共に、当該軸方向シート突出部が前記軸端凹凸部に対して第一隙間を有して配置され、
    前記凸状部の先端が径方向に隣接する2つの前記軸方向シート突出部間に挿入されると共に、当該凸状部の先端が前記コイルエンド部の軸方向端面に対して第二隙間を有して配置され、
    前記第一隙間及び前記第二隙間が、前記コイルエンド部を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされているステータ。
  2. 前記ステータコアは、周方向に沿って設けられた複数のスロットを有し、前記コイルエンド部は、各スロットに挿入されたスロット導体部から軸方向に延出する軸方向導体部と、異なるスロット間を周方向につないで2つの前記軸方向導体部同士を接続する周方向導体部を備え、
    前記軸端凹凸部の前記凸状部は、軸方向から見て、前記周方向導体部の軸方向端面の形状に対応する形状とされている請求項1に記載のステータ。
  3. 径方向に複数枚配列された中で最も外周側に配列された相間絶縁シートである外周側相間絶縁シートが、前記コイルエンド部の外周面から径方向外側に所定量突出した径方向シート突出部を有し、
    前記カバー部材は、前記コイルエンド部の外周面に対向する内周面であるカバー内周面に、軸方向に延びると共に径方向に引退した凹状部である内周面凹状部を有し、
    前記径方向シート突出部の先端が、前記内周面凹状部に挿入されている請求項1又は2に記載のステータ。
  4. 前記相間絶縁シートは、前記ステータコア側の先端が当該ステータコアの軸方向端面に対して第三隙間を有して配置され、
    前記第三隙間が、前記コイルエンド部を冷却する冷媒が流通する冷媒流通路とされている請求項1から3のいずれか一項に記載のステータ。
  5. 前記カバー部材は、前記軸端内面に冷媒を供給するための冷媒供給部を有する請求項1から4のいずれか一項に記載のステータ。
  6. 前記軸端内面が水平面に対して交差する向きに配置され、
    前記冷媒供給部は、前記軸端内面の最上部に設けられた冷媒供給用の開口部を有している請求項5に記載のステータ。
  7. 前記カバー部材は、径方向内側に内側開口部を有し、
    前記内側開口部は、前記カバー部材の径方向内側から供給される冷媒を通過させるように形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載のステータ。
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