JP2014239627A - 回転電機用ロータ - Google Patents
回転電機用ロータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014239627A JP2014239627A JP2013121933A JP2013121933A JP2014239627A JP 2014239627 A JP2014239627 A JP 2014239627A JP 2013121933 A JP2013121933 A JP 2013121933A JP 2013121933 A JP2013121933 A JP 2013121933A JP 2014239627 A JP2014239627 A JP 2014239627A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil passage
- axial
- rotor
- axial direction
- rotor core
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】ロータ軸が水平面に対して傾斜して配置された状態やロータ軸に対して加速度が作用する状態においても、ロータコアを軸方向の広い領域で適切に冷却することが可能な回転電機用ロータを実現する。【解決手段】ロータコア2は、軸方向油路30と、軸挿通孔20と軸方向油路30とを連通する径方向油路40と、軸方向油路30における軸方向Lの中間領域に設けられる流通規制部50とを備える。流通規制部50は、少なくともロータコア10の回転状態で、流通規制部50よりも軸第一方向L1側に配置された第一油路部31と、流通規制部50よりも軸第二方向L2側に配置された第二油路部32との間の油の流通を規制するように構成される。径方向油路40は、軸挿通孔20と第一油路部31とを連通する第一連通部41と、軸挿通孔20と第二油路部32とを連通する第二連通部42とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、円筒状のロータコアを備え、ロータコアの内周面であるコア内周面に囲まれた軸挿通孔にロータ軸が挿通される回転電機用ロータに関する。
上記のような回転電機用ロータとして、特開2013−27100号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。特許文献1には、軸方向に延びる軸方向油路と、径方向に延びて軸挿通孔と当該軸方向油路とを連通する径方向油路とを備えたロータコアが記載されている。なお、特許文献1に記載の構成では、ロータコア内を流れる磁束に対して磁気抵抗として機能する磁気抵抗孔が、軸方向油路として用いられる。この構成では、軸方向油路に対して径方向油路から油が供給され、当該油が軸方向油路を流れる際に行われる油とロータコアとの間の熱交換によって、ロータコアが冷却される。この際、当該文献の段落0037に記載のように、軸方向油路に供給された油を軸方向の両側に向けて流通させることにより、ロータコアが軸方向の広い領域で冷却される。
ところで、回転電機用ロータが用いられる回転電機の用途によっては、常時或いは特定の状況下において、ロータ軸が水平面に対して傾斜して配置される場合がある。また、回転電機が移動体に搭載される場合には、ロータ軸に対して加速度が作用し得る。このような場合、特許文献1に記載の構成では、ロータ軸の傾斜や加速度の程度によっては、軸方向油路における油の流通方向が軸方向のいずれか一方側に大きく偏り、ロータコアを軸方向の広い領域で適切に冷却することが困難になるおそれがある。しかしながら、特許文献1では、この点について、特段の認識がなされていなかった。
そこで、ロータ軸が水平面に対して傾斜して配置された状態やロータ軸に対して加速度が作用する状態においても、ロータコアを軸方向の広い領域で適切に冷却することが可能な回転電機用ロータの実現が望まれる。
本発明に係る円筒状のロータコアを備え、前記ロータコアの内周面であるコア内周面に囲まれた軸挿通孔にロータ軸が挿通される回転電機用ロータの特徴構成は、前記ロータコアは、前記コア内周面と当該ロータコアの外周面であるコア外周面との間を前記ロータ軸を基準とする軸方向に延びる軸方向油路と、前記ロータ軸を基準とする径方向に延びて前記軸挿通孔と前記軸方向油路とを連通する径方向油路と、前記軸方向油路における前記軸方向の中間領域に設けられる流通規制部と、を備え、前記軸方向油路は、前記流通規制部よりも前記軸方向の一方側である軸第一方向側に配置された第一油路部と、前記流通規制部よりも前記軸第一方向とは反対側である軸第二方向側に配置された第二油路部と、を備え、前記流通規制部が、少なくとも前記ロータコアの回転状態で、前記第一油路部と前記第二油路部との間の油の流通を規制するように構成され、前記径方向油路が、前記軸挿通孔と前記第一油路部とを連通する第一連通部と、前記軸挿通孔と前記第二油路部とを連通する第二連通部と、を備える点にある。
本願において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、本願において、部材の形状に関し、ある方向に「延びる」とは、当該方向を基準方向として、部材の延在方向が前記基準方向に平行な形状に限らず、部材の延在方向が前記基準方向に交差する方向であっても、その交差角度が所定範囲内(例えば45度未満)である形状も含む概念として用いている。
また、本願において、部材の形状に関し、ある方向に「延びる」とは、当該方向を基準方向として、部材の延在方向が前記基準方向に平行な形状に限らず、部材の延在方向が前記基準方向に交差する方向であっても、その交差角度が所定範囲内(例えば45度未満)である形状も含む概念として用いている。
上記の特徴構成によれば、軸挿通孔の内周面に油を供給することで、第一連通部を介して第一油路部に油を供給することができると共に、第二連通部を介して第二油路部に油を供給することができる。すなわち、第一油路部と第二油路部とのそれぞれに対して油を直接供給することができ、軸方向の互いに異なる位置に配置された第一油路部と第二油路部とのそれぞれにおいて、油とロータコアとの間の熱交換を適切に行わせることが容易となる。この結果、第一油路部と第二油路部との軸方向の配置領域に対応した軸方向の広い領域で、ロータコアを適切に冷却することが可能となる。
そして、上記の特徴構成によれば、流通規制部によって、少なくともロータコアの回転状態で、第一油路部と第二油路部との間の油の流通が規制される。よって、ロータ軸が水平面に対して傾斜して配置された状態やロータ軸に対して加速度が作用する状態においても、ロータコアの冷却が必要なロータコアの回転状態において、第一油路部に供給された油が重力や加速度の影響を受けて第二油路部に流入することや、第二油路部に供給された油が重力や加速度の影響を受けて第一油路部に流入することを抑制することができる。この結果、ロータ軸が水平面に対して傾斜して配置された状態やロータ軸に対して加速度が作用する状態においても、油とロータコアとの間の熱交換を第一油路部と第二油路部との双方において適切に行わせて、軸方向の広い領域でロータコアを適切に冷却することが可能となる。
そして、上記の特徴構成によれば、流通規制部によって、少なくともロータコアの回転状態で、第一油路部と第二油路部との間の油の流通が規制される。よって、ロータ軸が水平面に対して傾斜して配置された状態やロータ軸に対して加速度が作用する状態においても、ロータコアの冷却が必要なロータコアの回転状態において、第一油路部に供給された油が重力や加速度の影響を受けて第二油路部に流入することや、第二油路部に供給された油が重力や加速度の影響を受けて第一油路部に流入することを抑制することができる。この結果、ロータ軸が水平面に対して傾斜して配置された状態やロータ軸に対して加速度が作用する状態においても、油とロータコアとの間の熱交換を第一油路部と第二油路部との双方において適切に行わせて、軸方向の広い領域でロータコアを適切に冷却することが可能となる。
ここで、前記流通規制部は、前記軸方向油路の少なくとも前記径方向の外側領域を閉塞する閉塞部を有する構成とすると好適である。
この構成によれば、ロータコアの回転状態では、軸方向油路の内部の油が遠心力によって当該軸方向油路の径方向の外側領域を中心に流れることを考慮して、第一油路部と第二油路部との間の油の流通を効果的に規制することができる位置に、閉塞部を設けることができる。
上記のように、前記流通規制部が前記閉塞部を有する構成において、前記ロータコアは、円環板状の磁性体板を前記軸方向に複数積層して形成され、前記軸方向油路は、前記ロータコアを構成する複数の前記磁性体板の一部又は全部を、前記軸方向に連続して貫通する孔部により形成され、前記ロータコアを構成する複数の前記磁性体板の一部が、前記閉塞部を構成する板面部分を有する規制磁性体板である構成とすると好適である。
この構成によれば、ロータコアが円環板状の磁性体板を軸方向に複数積層して形成される場合に、一部の磁性体板の構成を他の磁性体板と異ならせることがロータの製造上の観点から比較的容易であることを考慮して、ロータの製造工程の複雑化を抑制しつつ流通規制部を設けることができる。また、閉塞部が磁性体板の板面部分により形成されるため、長期にわたって信頼性の高い流通規制部を設けることができる。
上記の各構成の回転電機用ロータにおいて、前記ロータコアは、円環板状の磁性体板を前記軸方向に複数積層して形成され、前記ロータコアを構成する複数の前記磁性体板の一部が特定磁性体板であり、前記特定磁性体板は、前記径方向における前記コア内周面と前記軸方向油路との間に、前記軸方向に貫通する貫通孔が形成された前記磁性体板であり、前記径方向油路が、複数の前記貫通孔を前記軸挿通孔から前記軸方向油路まで前記径方向に順に連通してなる連通貫通孔群により形成され、前記連通貫通孔群を構成する複数の前記貫通孔は、少なくとも2枚の前記特定磁性体板に分かれて形成されていると共に、前記軸方向に見て一部が重複するように前記径方向の互いに異なる位置に形成されている構成とすると好適である。
この構成によれば、径方向油路が、少なくとも2枚の特定磁性体板に分かれて形成された貫通孔の群により形成されるため、1枚の磁性体板のみにより径方向油路を形成する場合に比べて、各特定磁性体板に形成される貫通孔の寸法(特に径方向の寸法)を短く抑えることができる。よって、ロータコアを構成する各特定磁性体板の強度を適切に確保しつつ、径方向油路を形成することができる。
また、前記第一油路部が、前記ロータコアの前記軸第一方向側の端部に開口する第一開口部まで前記軸方向に延びるように形成され、前記第二油路部が、前記ロータコアの前記軸第二方向側の端部に開口する第二開口部まで前記軸方向に延びるように形成されている構成とすると好適である。
この構成によれば、第一油路部及び第二油路部のそれぞれの構成を簡素なものとして、ロータの製造工程の簡素化を図ることができる。例えば、ロータコアに既存の軸方向に延びる孔部(肉抜き孔や磁気抵抗孔等)をそのまま利用して、第一油路部や第二油路部を形成することもできる。また、第一油路部や第二油路部に供給された油を、ロータコアの外周面を介することなく排出することができるため、ロータコアの回転時にステータコアとの間に生じる油のせん断損失を抑制することができる。
また、前記ロータコアは、前記径方向における前記コア内周面と前記コア外周面との間に、永久磁石が挿入される磁石挿入孔を備え、前記軸方向油路が、前記磁石挿入孔よりも前記径方向の内側に形成されている構成とすると好適である。
この構成によれば、ロータコア内における磁気回路に与える影響の少ない位置に径方向油路を形成することができるため、径方向油路を設けることによる回転電機の性能の低下を抑制することができる。また、磁石挿入孔を避けることなく軸挿通孔と軸方向油路とを連通する径方向油路を形成することができるため、径方向油路の構成を簡素なものとして、径方向油路における油の流通抵抗を小さく抑えることができる。
また、前記軸方向油路における前記径方向の外側部と前記コア外周面との間の前記径方向の距離が、前記軸方向油路における前記径方向の外側部と前記コア内周面との間の前記径方向の距離よりも短くなる位置に、前記軸方向油路が形成されている構成とすると好適である。
この構成によれば、軸方向油路を、コア外周面の近傍に配置される永久磁石に対して比較的近い位置に形成することができるため、永久磁石を効率的に冷却することが可能となる。
本発明に係る回転電機用ロータの実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、特に区別して明記している場合を除き、「軸方向L」、「径方向R」、及び「周方向C」は、ロータ軸3(図1、図2参照)を基準として定義している。「軸第一方向L1」は、軸方向Lにおける一方側へ向かう方向を表し、「軸第二方向L2」は、軸方向Lにおける他方側へ向かう方向(軸第一方向L1とは反対方向)を表す。「周第一方向C1」は、周方向Cにおける一方側へ向かう方向を表し、「周第二方向C2」は、周方向Cにおける他方側へ向かう方向(周第一方向C1とは反対方向)を表す。
以下では、回転電機用ロータ(ロータ2)を構成する各部材について、当該各部材が完成品としてのロータ2に組み付けられた状態を想定して、軸方向L、径方向R、及び周方向Cの各方向を用いて説明している。また、本明細書では、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態も含む概念として用いている。
1.回転電機の全体構成
図1及び図2に示すように、回転電機1は、ロータ2とステータ4とを備えている。なお、図1では、簡略化のためステータ4を省略している。回転電機1は、ケース(図示せず)の内部に収容されており、ステータ4は当該ケースの内面に固定されている。ロータ2は、ステータ4に対して回転可能な状態で、ステータ4の径方向Rの内側に配置されている。本実施形態に係る回転電機1は回転界磁型の回転電機であり、ロータ2は界磁として機能し、ステータ4は電機子として機能する。ステータ4は、ステータコア6と、ステータコア6に巻装されたコイルと、を備えている。コイルエンド部7は、ステータコア6から軸方向Lに突出するコイルの部分であり、ステータコア6の軸方向Lの両側のそれぞれに形成されている。
図1及び図2に示すように、回転電機1は、ロータ2とステータ4とを備えている。なお、図1では、簡略化のためステータ4を省略している。回転電機1は、ケース(図示せず)の内部に収容されており、ステータ4は当該ケースの内面に固定されている。ロータ2は、ステータ4に対して回転可能な状態で、ステータ4の径方向Rの内側に配置されている。本実施形態に係る回転電機1は回転界磁型の回転電機であり、ロータ2は界磁として機能し、ステータ4は電機子として機能する。ステータ4は、ステータコア6と、ステータコア6に巻装されたコイルと、を備えている。コイルエンド部7は、ステータコア6から軸方向Lに突出するコイルの部分であり、ステータコア6の軸方向Lの両側のそれぞれに形成されている。
ロータ2は、回転電機1用のロータであり、ロータコア10と、ロータ軸3とを備えている。ロータ軸3は、ロータコア10の内周面(コア内周面11)に囲まれた軸挿通孔20に挿通されている。すなわち、軸挿通孔20は、コア内周面11に囲まれた空間により形成されている。ロータコア10は円筒状に形成され、コア内周面11と、ロータコア10の外周面(コア外周面12)との双方は、円筒状面である。ロータ軸3は、ロータコア10と一体回転するように連結されている。この連結は、例えば、焼き嵌め、キー結合、或いはスプライン結合等による連結とされる。ロータ軸3は、ロータコア10を軸方向Lに貫通するように配置され、ロータコア10から軸方向Lの両側にそれぞれ突出する部分を有する。
ロータ軸3は、径方向Rの内側部分が中空の円筒状に形成されており、当該中空の部分を利用して軸内油路90が形成されている。軸内油路90には油供給源(例えばオイルポンプ等)から油が供給される。また、ロータ軸3には、軸内油路90とロータ軸3の外周面とを径方向Rに連通する径方向連通路91が形成されている。径方向連通路91は、ロータ軸3の筒状部(壁部)を径方向Rに貫通する貫通孔により形成されており、本実施形態では、径方向Rに平行に延びるように形成されている。軸内油路90に供給された油は、ロータ軸3の回転に伴う遠心力によって、径方向連通路91を介して軸挿通孔20の内周部に供給される。これらの軸内油路90及び径方向連通路91が、油供給源から供給された油を軸挿通孔20の内周部に供給する油供給部92を構成している。
2.ロータコアの構成
ロータコア10は、図1に示すように、径方向Rにおけるコア内周面11とコア外周面12との間に、永久磁石5が挿入される磁石挿入孔21を備えている。磁石挿入孔21は、軸方向Lに延びるように形成されている。本実施形態では、磁石挿入孔21は、軸方向Lに平行に延びるように形成されている。また、本実施形態では、磁石挿入孔21は、ロータコア10を軸方向Lに貫通するように形成されている。ロータコア10には、永久磁石5により形成されて軸方向Lに延びる磁極が、周方向Cに分散して複数形成されている。本実施形態では、ロータ2の磁極数は「10」であり、10極の磁極が周方向Cに沿って均等な間隔で配置されている。
ロータコア10は、図1に示すように、径方向Rにおけるコア内周面11とコア外周面12との間に、永久磁石5が挿入される磁石挿入孔21を備えている。磁石挿入孔21は、軸方向Lに延びるように形成されている。本実施形態では、磁石挿入孔21は、軸方向Lに平行に延びるように形成されている。また、本実施形態では、磁石挿入孔21は、ロータコア10を軸方向Lに貫通するように形成されている。ロータコア10には、永久磁石5により形成されて軸方向Lに延びる磁極が、周方向Cに分散して複数形成されている。本実施形態では、ロータ2の磁極数は「10」であり、10極の磁極が周方向Cに沿って均等な間隔で配置されている。
複数の磁極のそれぞれは、単数又は複数の永久磁石5により形成される。本実施形態では、図1に示すように、各磁極は複数の永久磁石5により、具体的には2つの永久磁石5により形成されている。以下、1つの磁極を形成する2つの永久磁石5のうち、周第一方向C1側に配置される永久磁石5を第一永久磁石5aとし、周第二方向C2側に配置される永久磁石5を第二永久磁石5bとする。また、第一永久磁石5aが挿入される磁石挿入孔21を第一磁石挿入孔21aとし、第二永久磁石5bが挿入される磁石挿入孔21を第二磁石挿入孔21bとする。
図1に示すように、1つの磁極を形成する第一永久磁石5aと第二永久磁石5bとは、軸方向Lに直交する断面において、径方向Rの外側に向かうに従って互いの間隔が広くなるV字状に配置されている。すなわち、第一永久磁石5aの軸方向Lに直交する断面の形状は、径方向Rの外側に向かうに従って周第一方向C1側に向かう直線状であり、第二永久磁石5bの軸方向Lに直交する断面の形状は、径方向Rの外側に向かうに従って周第二方向C2側に向かう直線状である。このような永久磁石5の断面形状に合わせて、第一磁石挿入孔21aは、軸方向Lに直交する断面の形状が径方向Rの外側に向かうに従って周第一方向C1側に向かう直線状となるように形成され、第二磁石挿入孔21bは、軸方向Lに直交する断面の形状が径方向Rの外側に向かうに従って周第二方向C2側に向かう直線状となるように形成されている。
図1に示すように、磁石挿入孔21は、ロータコア10内を流れる磁束に対して磁気抵抗(フラックスバリア)として機能する磁気抵抗部22を備えている。磁気抵抗部22は、ロータコア10内における磁気回路の経路(磁路)を制限して所望の経路を形成する。磁気抵抗部22は、磁石挿入孔21における、挿入される永久磁石5の磁化方向M(S極からN極へ向かう方向)に直交する方向(以下、「対象方向」という。)の端部領域に形成される。本実施形態では、磁気抵抗部22は、磁石挿入孔21における対象方向の両側の端部領域に形成されている。磁石挿入孔21の軸方向Lに直交する断面の形状は、磁気抵抗部22の分だけ永久磁石5よりも大きく形成されており、磁石挿入孔21と永久磁石5との間に形成される軸方向Lに延びる隙間により、磁気抵抗部22が形成されている。この隙間に、永久磁石5を固定するための樹脂が充填された構成とすることもできる。
図1及び図2に示すように、ロータコア10は、回転電機1を冷却するための油を流通させる油路として、軸方向油路30と径方向油路40とを備えている。軸方向油路30は、径方向Rにおけるコア内周面11とコア外周面12との間を、軸方向Lに延びるように形成されている。また、径方向油路40は、径方向Rに延びて軸挿通孔20と軸方向油路30とを連通するように形成されている。よって、図1及び図2に油の流れを矢印で示すように、油供給部92によって軸挿通孔20の内周部に供給された油は、ロータコア10の回転に伴う遠心力によって、径方向油路40を介して軸方向油路30に供給される。本実施形態では、軸方向油路30は、軸方向Lに平行に延びるように形成されている。また、本実施形態では、軸方向油路30は、磁石挿入孔21よりも径方向Rの内側に形成されている。すなわち、軸方向油路30は、周方向Cの全ての位置において、磁石挿入孔21よりも径方向Rの内側に配置されている。言い換えれば、軸方向油路30の各部分は、当該部分と周方向Cの同じ位置に配置された磁石挿入孔21の部分よりも径方向Rの内側に配置され、或いは、磁石挿入孔21の配置されていない周方向Cの位置に配置されている。そして、本実施形態では、径方向油路40は、軸方向Lに見て(図1参照)、径方向Rに平行に延びるように形成されている。
軸方向油路30に供給された油は、軸方向油路30の内部を軸方向Lに流れ、この際に行われる油とロータコア10との間の熱交換により、磁石挿入孔21に挿入された永久磁石5が冷却される。本実施形態では、図2に示すように、軸方向油路30は、ロータコア10の軸第一方向L1側の端部に開口する第一開口部31aと、ロータコア10の軸第二方向L2側の端部に開口する第二開口部32aとを備えている。よって、軸方向油路30の内部を流れて第一開口部31aに到達した油は、第一開口部31aからロータコア10の外部へ流出し、ロータコア10の回転に伴う遠心力によって、軸第一方向L1側のコイルエンド部7に供給される。同様に、軸方向油路30の内部を流れて第二開口部32aに到達した油は、第二開口部32aからロータコア10の外部へ流出し、ロータコア10の回転に伴う遠心力によって、軸第二方向L2側のコイルエンド部7に供給される。すなわち、永久磁石5を備えるロータコア10を冷却した後の油を利用して、軸方向Lの両側のコイルエンド部7を冷却することが可能となっている。
図1に示すように、本実施形態では、軸方向油路30は、軸方向Lに直交する断面の形状が径方向Rに平行な直線を対称軸として線対称な形状となるように形成されている。具体的には、本実施形態では、軸方向油路30の軸方向Lに直交する断面の形状は、頂角が底角よりも径方向Rの外側に位置する二等辺三角形状に形成され、具体的には、正三角形状に形成されている。
本実施形態では、ロータコア10は、複数の軸方向油路30を備えている。具体的には、図1に示すように、ロータコア10は、ロータ2の磁極と同数(本例では10個)の軸方向油路30を備えている。そして、本実施形態では、軸方向油路30は、互いに同一の磁極を形成する単数又は複数の永久磁石5(本例では2つの永久磁石5)が配置される領域の周方向Cの中央部ではなく、磁極ピッチの半分だけ当該中央部から周方向Cにずれた位置に配置されている。
本実施形態では、ロータコア10は、軸方向油路30のそれぞれに対して個別に径方向油路40を備えている。具体的には、軸方向油路30のそれぞれに対して1つの径方向油路40が設けられている。すなわち、ロータコア10は、磁極と同数(本例では10個)の径方向油路40を備えている。そして、本実施形態では、径方向油路40のそれぞれに対して個別に径方向連通路91が設けられている。具体的には、径方向油路40のそれぞれに対して1つの径方向連通路91が設けられている。径方向連通路91は、軸挿通孔20の内周部を介して径方向油路40に連通するように形成される。本実施形態では、図1及び図2に示すように、径方向連通路91の径方向Rの外側の端部が、連通対象の径方向油路40の径方向Rの内側の端部に対して径方向Rに対向するように、径方向連通路91が形成されている。また、本実施形態では、径方向連通路91の流路断面積(径方向Rに直交する面に沿って切断した断面の面積)を、径方向油路40における径方向Rの内側部分よりも小さく設定しており、比較的設計変更の容易な径方向連通路91の内径によって、軸方向油路30に供給される油の量を調節可能に構成されている。
ところで、永久磁石5は、図1に示すように、コア外周面12の近傍に配置される。そして、永久磁石5の冷却効率の観点から、軸方向油路30は、回転電機1の性能やロータ2の強度を適切に確保できる範囲内で、永久磁石5に対してできるだけ近い位置に配置されることが望ましい。この点に鑑みて、本実施形態では、軸方向油路30における径方向Rの外側部(以下、「油路外側部」という。)とコア外周面12との間の径方向Rの距離が、油路外側部とコア内周面11との間の径方向Rの距離よりも短くなる位置に、軸方向油路30が形成されている。ここで、「油路外側部」とは、軸方向Lに直交する断面における軸方向油路30の径方向Rの外側の端部を含む部分である。例えば、軸方向油路30が配置される径方向Rの領域を径方向Rの幅が等しい複数(例えば2つ或いは3つ)の領域に分割した場合の、最も径方向Rの外側の分割領域に含まれる部分を、油路外側部とすることができる。また、油路外側部からコア外周面12までの径方向Rの距離や、油路外側部からコア内周面11までの径方向Rの距離は、油路外側部の径方向Rにおける中央部からの距離とすることができる。
上記のように軸方向油路30を形成することで、コア外周面12の近傍に配置される永久磁石5に対して比較的近い位置に軸方向油路30を形成して、永久磁石5を効率的に冷却することが可能となっている。なお、ロータコア10の回転状態では、軸方向油路30の内部の油は、遠心力によって、軸方向油路30における径方向Rの外側領域を中心に流れる。そのため、油の流れる径方向Rの領域の全て又は大部分を含むように、上記の油路外側部を設定すると好適である。なお、上記の油路外側部を、軸方向Lに直交する断面における軸方向油路30の径方向Rの最外側の端部又は端面とすることもできる。この場合、油路外側部からコア外周面12までの径方向Rの距離や、油路外側部からコア内周面11までの径方向Rの距離は、この端部又は端面からの距離とする。
本実施形態では、図1に示すように、軸方向Lに直交する断面において、軸方向油路30における径方向Rの外側の端部とコア外周面12との間の距離が、軸方向油路30における径方向Rの外側の端部とコア内周面11との間の距離の半分程度に設定されている。また、本実施形態では、軸方向Lに直交する断面において、軸方向油路30の重心とコア外周面12との間の距離が、軸方向油路30の重心とコア内周面11との間の距離と同程度に設定されている。
ところで、回転電機1の用途によっては、常時或いは特定の状況下において、ロータ軸3が水平面に対して傾斜して配置され、或いはロータ軸3に加速度が作用する場合がある。例えば、回転電機1が、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に車輪の駆動力源として備えられる場合、車両に作用する前後方向或いは左右方向の加速度や路面の傾斜によって、軸方向油路30内の油に軸方向Lの加重が作用し得る。このような場合であっても永久磁石5を軸方向Lの広い領域で適切に冷却することを可能とすべく、ロータコア10には、図2に示すように、流通規制部50が備えられている。流通規制部50は、軸方向油路30における軸方向Lの中間領域に設けられており、軸方向油路30は、流通規制部50よりも軸第一方向L1側に配置された第一油路部31と、流通規制部50よりも軸第二方向L2側に配置された第二油路部32とを備えている。そして、流通規制部50は、第一油路部31と第二油路部32との間の油の流通を規制するように構成されている。
本実施形態では、流通規制部50は、軸方向油路30における軸方向Lの中央部に設けられている。また、本実施形態では、第一開口部31aまで軸方向Lに延びる第一油路部31は、軸方向Lに平行に延びるように形成され、第二開口部32aまで軸方向Lに延びる第二油路部32は、軸方向Lに平行に延びるように形成されている。そして、径方向油路40は、軸挿通孔20と第一油路部31とを連通する第一連通部41と、軸挿通孔20と第二油路部32とを連通する第二連通部42とを備えている。よって、図2に油の流れを破線矢印で示すように、第一油路部31には第一連通部41を介して油が供給され、第二油路部32には第二連通部42を介して油が供給される。
ロータ軸3が水平面に対して傾斜した状態では、油に対して重力による下方への力が作用する。また、ロータ軸3に加速度が作用する場合には、油に対して当該加速度とは反対方向への力が作用する。そのため、上記のような流通規制部50が設けられず、第一油路部31と第二油路部32との間の油の流通が規制されない場合には、ロータ軸3が水平面に対して傾斜した状態やロータ軸3に加速度が作用する状態において、以下のように第一油路部31或いは第二油路部32において油が不足するおそれがある。すなわち、第一連通部41を介して第一油路部31に供給された油が重力や加速度の影響を受けて第二油路部32に流入することによって、第一油路部31を軸第一方向L1側に流通する油が不足し、或いは、第二連通部42を介して第二油路部32に供給された油が重力や加速度の影響を受けて第一油路部31に流入することによって、第二油路部32を軸第二方向L2側に流通する油が不足するおそれがある。
これに対して、本実施形態に係るロータ2のように、流通規制部50が設けられる場合には、第一油路部31と第二油路部32との間での油の流通が抑制されるため、第一油路部31を軸第一方向L1側に流通する油の量と、第二油路部32を軸第二方向L2側に流通する油の量との双方を適切に確保することが容易となる。この結果、油とロータコア10との間の熱交換を第一油路部31及び第二油路部32のそれぞれにおいて適切に行うことが可能になると共に、軸第一方向L1側のコイルエンド部7及び軸第二方向L2側のコイルエンド部7のそれぞれに対して適切に油を供給することが可能になる。
ところで、回転電機1の冷却は、回転電機1の動作時、すなわち、ロータコア10の回転時に必要となる。そのため、流通規制部50は、少なくともロータコア10の回転状態で、第一油路部31と第二油路部32との間の油の流通を規制するように構成される。ロータコア10の回転状態では、軸方向油路30の内部の油は、遠心力によって、軸方向油路30における径方向Rの外側領域を中心に流れる。そのため、流通規制部50が、軸方向油路30の少なくとも径方向Rの外側領域を閉塞する閉塞部51を有する構成とすることが好ましい。すなわち、軸方向Lに見て軸方向油路30の流路断面における径方向Rの外側領域と重複するように、閉塞部51が配置される構成とすることが好ましい。なお、軸方向油路30における径方向Rの外側領域とは、軸方向Lに直交する断面における軸方向油路30の径方向Rの外側の端部を含む領域である。軸方向油路30におけるこの径方向Rの外側領域を、上述した油路外側部と同一の領域に設定しても良い。
本実施形態では、図2に示すように、閉塞部51が、軸方向油路30における径方向Rの全域を閉塞するように構成されている。すなわち、本実施形態では、閉塞部51が、軸方向Lに見て軸方向油路30の流路断面の全域と重複するように配置されている。よって、本実施形態では、第一油路部31と第二油路部32とは閉塞部51によって軸方向Lに完全に分離され、流通規制部50が、ロータコア10の回転状態を含む全ての状態で(すなわち常時)、第一油路部31と第二油路部32との間の油の流通を規制するように構成されている。
本実施形態では、図2に示すように、第一連通部41と第二連通部42とは、上流側の部分(径方向Rの内側の部分)が一体的に形成されている。そして、第一連通部41と第二連通部42とが一体的に形成されている部分が、ロータコア10における軸方向Lの中央部に配置されている。また、第一連通部41と第一油路部31との接続部は、第一油路部31の軸方向Lの中央部よりも軸第二方向L2側に形成されることが好ましく、本実施形態では、図2に示すように、第一油路部31を軸方向Lに4等分した場合の最も軸第二方向L2側の部分に形成されている。同様に、第二連通部42と第二油路部32との接続部は、第二油路部32の軸方向Lの中央部よりも軸第一方向L1側に形成されることが好ましく、本実施形態では、図2に示すように、第二油路部32を軸方向Lに4等分した場合の最も軸第一方向L1側の部分に形成されている。
上記のような構成を備えたロータコア10は、本実施形態では、図3に示すように、円環板状の磁性体板60を軸方向Lに複数積層して形成されている。磁性体板60は、例えば電磁鋼板等が用いられる。上述した磁石挿入孔21、軸方向油路30、及び径方向油路40のそれぞれは、磁性体板60に形成された貫通孔81の群により形成されている。貫通孔81のそれぞれは、磁性体板60を軸方向Lに貫通するように形成されている。以下、径方向油路40を形成するための貫通孔81を「特定貫通孔82」とする。すなわち、本実施形態では、特定貫通孔82が本発明における「貫通孔」に相当する。
本実施形態では、ロータコア10を構成する複数の磁性体板60には、通常磁性体板64、第一特定磁性体板61、第二特定磁性体板62、及び第三特定磁性体板63が含まれる。ここで、特定磁性体板61,62,63は、図4〜図6に示すように、径方向Rにおけるコア内周面11と軸方向油路30との間に形成された特定貫通孔82を有する磁性体板60である。本実施形態では、特定貫通孔82は、コア内周面11と軸方向油路30との間の径方向Rの領域の一部に形成されている。また、通常磁性体板64は、図7に示すように、特定貫通孔82を有さない磁性体板60である。このように、ロータコア10を構成する複数の磁性体板60の一部は、特定磁性体板61,62,63であり、本実施形態では、第一特定磁性体板61、第二特定磁性体板62、及び第三特定磁性体板63の3種類の特定磁性体板を用いて、ロータコア10が構成されている。なお、図4〜図7では、1つの磁極を構成する区画(周方向Cの領域)のみを示しているが、各磁性体板60は、各図に示される1区画を周方向Cに10個並べた構成を有する。
図4に示すように、第一特定磁性体板61に形成された特定貫通孔82は、径方向Rの内側に開口して、コア内周面11に連通する貫通孔81である。また、図6に示すように、第三特定磁性体板63に形成された特定貫通孔82は、径方向Rの外側に開口して、軸方向油路30に連通する貫通孔81である。そして、図5に示すように、第二特定磁性体板62に形成された特定貫通孔82は、全周を板面部分に囲まれて閉じた形状を有する貫通孔81である。第二特定磁性体板62に形成された特定貫通孔82は、径方向Rの内側部分が第一特定磁性体板61に形成された特定貫通孔82と軸方向Lに見て重複すると共に、径方向Rの外側部分が第三特定磁性体板63に形成された特定貫通孔82と軸方向Lに見て重複するように形成されている。
上述したように、本実施形態では、磁石挿入孔21は、ロータコア10を軸方向Lに貫通するように形成されている。そのため、図4〜図7に示すように、本実施形態では、ロータコア10を構成する複数の磁性体板60の全てが、磁石挿入孔21(本例では第一磁石挿入孔21a及び第二磁石挿入孔21b)を形成するための貫通孔81を、周方向Cにおける互いに同一の位置に備えている。本実施形態では、ロータ2の磁極数が「10」であり、各磁極は2つの永久磁石5により形成されているため、各磁性体板60には、磁石挿入孔21を形成するための貫通孔81が、合計で20個形成されている。
ロータコア10を構成する複数の磁性体板60の一部又は全部には、軸方向油路30を形成するための貫通孔81が、周方向Cにおける互いに同一の位置に形成される。複数の磁性体板60を軸方向Lに積層した状態で、それぞれの磁性体板60に形成された当該貫通孔81同士が軸方向Lに連通して、軸方向油路30を構成する孔部が形成される。すなわち、軸方向油路30は、ロータコア10を構成する複数の磁性体板60の一部又は全部を、軸方向Lに連続して貫通する孔部により形成される。なお、本実施形態では、ロータコア10は、ロータ2の磁極と同数(本例では10個)の軸方向油路30を備えているため、ロータコア10を構成する複数の磁性体板60の一部又は全部には、軸方向油路30を形成するための貫通孔81が、合計で10個形成されている。
本実施形態では、上述したように、第一油路部31と第二油路部32とは閉塞部51によって軸方向Lに完全に分離されている。そのため、本実施形態では、ロータコア10を構成する複数の磁性体板60の一部に、軸方向油路30を形成するための貫通孔81が形成されている。具体的には、図3に示すように、閉塞部51より軸第一方向L1側に配置される複数の磁性体板60は、第一油路部31を形成するための貫通孔81を、周方向Cにおける互いに同一の位置に備えている。また、閉塞部51より軸第二方向L2側に配置される複数の磁性体板60は、第二油路部32を形成するための貫通孔81を、周方向Cにおける互いに同一の位置に備えている。そして、軸方向Lにおける閉塞部51に対応する位置には、図3及び図4に示すように、閉塞部51を構成する板面部分を有する規制磁性体板65が配置されている。すなわち、ロータコア10を構成する複数の磁性体板60の一部は、閉塞部51を構成する板面部分を有する規制磁性体板65である。本実施形態では、通常磁性体板64以外の特定磁性体板が、規制磁性体板65として機能するように構成されており、具体的には、第一特定磁性体板61が規制磁性体板65として機能するように構成されている。
図3に示すように、径方向油路40は、複数の特定貫通孔82を軸挿通孔20(コア内周面11)から軸方向油路30まで径方向Rに順に連通してなる連通貫通孔群80により形成されている。径方向油路40は、第一連通部41と第二連通部42とを備えるため、ロータコア10は、第一連通部41を形成する連通貫通孔群80と、第二連通部42を形成する連通貫通孔群80とを備えている。本実施形態では、第一連通部41と第二連通部42とは、上流側の部分が一体的に形成されているため、一部の特定貫通孔82(本例では、第一特定磁性体板61に形成された特定貫通孔82)は、前者の連通貫通孔群80と後者の連通貫通孔群80との双方を構成する。
連通貫通孔群80を構成する複数の特定貫通孔82は、少なくとも2枚の特定磁性体板61,62,63に分かれて形成される。本実施形態では、3種類の特定磁性体板を用いてロータコア10が構成されており、少なくとも3枚の特定磁性体板に分かれて、連通貫通孔群80を構成する複数の特定貫通孔82が形成される。本実施形態では、図3に示すように、第一連通部41を形成する連通貫通孔群80と第二連通部42を形成する連通貫通孔群80のそれぞれは、4枚の第一特定磁性体板61、2枚の第二特定磁性体板62、及び2枚の第三特定磁性体板63の、合計8枚の特定磁性体板に分かれて形成された複数の特定貫通孔82により構成されている。そして、連通貫通孔群80を形成する複数の特定磁性体板61,62,63の群を挟んだ軸方向Lの両側には、図3に示すように、特定貫通孔82を有さない通常磁性体板60が配置されている。
連通貫通孔群80を構成する複数の特定貫通孔82は、軸方向Lに見て一部が重複するように径方向Rの互いに異なる位置に形成される。具体的には、異なる種類の特定磁性体板61,62,63同士が軸方向Lに積層される部分において、隣接する2枚の特定磁性体板のそれぞれに形成された特定貫通孔82が、径方向Rの一部の領域で軸方向Lに連通するように、径方向Rに互いにずらして配置される。この際、下流側の特定貫通孔82が、上流側の特定貫通孔82に対して径方向Rの外側にずらして配置される。本実施形態では、第一特定磁性体板61に形成された特定貫通孔82、第二特定磁性体板62に形成された特定貫通孔82、及び第三特定磁性体板63に形成された特定貫通孔82が、記載の順に上流側から配置される。なお、本実施形態では、同一種類の複数の特定磁性体板が軸方向Lに積層された部分がロータコア10に含まれ、当該部分においては、隣接する2枚の特定磁性体板のそれぞれに形成された特定貫通孔82は、径方向Rの全域で軸方向Lに連通するように、径方向Rの互いに同じ位置に配置される。
特定貫通孔82の軸方向Lの両側における、他の特定貫通孔82に連通する連通部分を除く非連通部分は、異なる種類の特定磁性体板61,62,63の板面部分により閉塞され、或いは、通常磁性体板64により閉塞される。これにより、径方向油路40が適切に軸方向Lに区画される。
3.その他の実施形態
最後に、本発明に係るその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
最後に、本発明に係るその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、流通規制部50の閉塞部51が、軸方向油路30における径方向Rの全域を閉塞する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、図8及び図9に示すように、閉塞部51が、軸方向油路30における径方向Rの外側領域のみを閉塞する構成とすることも可能である。この場合、上記の実施形態とは異なり、第二特定磁性体板62、第三特定磁性体板63、及び通常磁性体板64に加えて、第一特定磁性体板61にも軸方向油路30を形成するための貫通孔81が形成され、ロータコア10を構成する複数の磁性体板60の全部を、軸方向Lに連続して貫通する孔部により、軸方向油路30が形成される。但し、第一特定磁性体板61に形成される軸方向油路30用の貫通孔81は、閉塞部51の分だけ断面積が小さく形成される。なお、閉塞部51の径方向Rの内側の端部の軸方向L視での形状は、図9に示すような直線状に限定されず、例えば、円弧状や折れ線状等とすることが可能である。
また、このように閉塞部51が軸方向油路30における径方向Rの外側領域のみを閉塞する構成において、図10に示すように、閉塞部51の形成領域を含む軸方向Lの領域に、径方向Rの内側に向かって窪む凹部52が形成された構成とすることも可能である。
さらに、図示は省略するが、閉塞部51が軸方向油路30における径方向Rの外側領域を閉塞しない構成、例えば、閉塞部51が軸方向油路30における径方向Rの内側領域のみを閉塞する構成とすることも可能である。このような場合でも、軸方向油路30の流路断面が減少すること等による油の流通規制効果を得ることが可能である。
また、このように閉塞部51が軸方向油路30における径方向Rの外側領域のみを閉塞する構成において、図10に示すように、閉塞部51の形成領域を含む軸方向Lの領域に、径方向Rの内側に向かって窪む凹部52が形成された構成とすることも可能である。
さらに、図示は省略するが、閉塞部51が軸方向油路30における径方向Rの外側領域を閉塞しない構成、例えば、閉塞部51が軸方向油路30における径方向Rの内側領域のみを閉塞する構成とすることも可能である。このような場合でも、軸方向油路30の流路断面が減少すること等による油の流通規制効果を得ることが可能である。
(2)上記の実施形態では、第一連通部41と第二連通部42とのそれぞれの上流側の部分が一体的に形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、図11に示すように、第一連通部41と第二連通部42とが、上流側の端部から下流側の端部までの全域において、互いに独立に形成された構成とすることも可能である。このような場合において、図11に示すように、径方向油路40の軸方向Lに沿う断面の形状を、上記の実施形態とは異なり径方向Rに平行な直線状とすることも可能である。例えば、図3に示す構成において、第一特定磁性体板61及び第二特定磁性体板62のそれぞれが特定貫通孔82を有さない構成とし、第三特定磁性体板63の特定貫通孔82を、軸方向油路30に加えてコア内周面11にも連通するように形成することで、径方向油路40の軸方向Lに沿う断面の形状が直線状に形成された構成とすることができる。この場合、第三特定磁性体板63の特定貫通孔82は、コア内周面11と軸方向油路30との間の径方向Rの領域の全体に形成される。
(3)上記の実施形態では、第一特定磁性体板61、第二特定磁性体板62、及び第三特定磁性体板63の3種類の特定磁性体板を用いて、ロータコア10が形成される構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第二特定磁性体板62を用いず、第一特定磁性体板61及び第三特定磁性体板63の2種類の特定磁性体板を用いてロータコア10が形成される構成とすることもできる。この場合、第一特定磁性体板61の特定貫通孔82の径方向Rの外側部分が、軸方向Lに見て、第三特定磁性体板63の特定貫通孔82の径方向Rの内側部分と重複するように、各特定貫通孔82を形成する。
或いは、第一特定磁性体板61として、閉塞部51を有する磁性体板60と閉塞部51を有さない磁性体板60との2種類を備え、4種類の特定磁性体板を用いてロータコア10が形成される構成とすることもできる。例えば、図3に示す構成において、軸方向Lに積層された4枚の第一特定磁性体板61のうち、軸方向Lの両外側の合計2枚の第一特定磁性体板61が、閉塞部51を有さない第一特定磁性体板61である構成とすることができる。
また、上記のように、第三特定磁性体板63の特定貫通孔82が、コア内周面11と軸方向油路30との間の径方向Rの領域の全体に形成される場合には、1種類の特定磁性体板を用いてロータコア10が形成される構成とすることができる。この場合、上記の実施形態とは異なり、1つの特定貫通孔82により径方向油路40が形成され、或いは、隣接する複数枚の同一種の特定磁性体板のそれぞれに形成された特定貫通孔82の群により径方向油路40が形成される。
或いは、第一特定磁性体板61として、閉塞部51を有する磁性体板60と閉塞部51を有さない磁性体板60との2種類を備え、4種類の特定磁性体板を用いてロータコア10が形成される構成とすることもできる。例えば、図3に示す構成において、軸方向Lに積層された4枚の第一特定磁性体板61のうち、軸方向Lの両外側の合計2枚の第一特定磁性体板61が、閉塞部51を有さない第一特定磁性体板61である構成とすることができる。
また、上記のように、第三特定磁性体板63の特定貫通孔82が、コア内周面11と軸方向油路30との間の径方向Rの領域の全体に形成される場合には、1種類の特定磁性体板を用いてロータコア10が形成される構成とすることができる。この場合、上記の実施形態とは異なり、1つの特定貫通孔82により径方向油路40が形成され、或いは、隣接する複数枚の同一種の特定磁性体板のそれぞれに形成された特定貫通孔82の群により径方向油路40が形成される。
(4)上記の実施形態では、通常磁性体板64以外の特定磁性体板が、規制磁性体板65として機能する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、特定貫通孔82を有さない通常磁性体板64が、規制磁性体板65として機能する構成とすることもできる。例えば、図3に示す構成において、軸方向Lに積層される複数の第一特定磁性体板61のうちの軸方向Lの中間部に配置された第一特定磁性体板61を、閉塞部51を有する通常磁性体板64に置き換えた構成とすることができる。この場合、第一特定磁性体板61が、閉塞部51を有さず、規制磁性体板65として機能しない構成とすることもできる。
(5)上記の実施形態では、流通規制部50が、軸方向油路30における軸方向Lの中央部に設けられた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、流通規制部50が、軸方向油路30における軸方向Lの中央部から軸方向Lにずれた位置に設けられた構成とすることも可能である。この場合、熱がこもりやすいロータコア10の軸方向Lの中央部を重点的に冷却することが容易となる。
(6)上記の実施形態では、第一油路部31が第一開口部31aまで軸方向Lに延びるように形成されると共に、第二油路部32が第二開口部32aまで軸方向Lに延びるように形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第一油路部31及び第二油路部32の少なくとも一方が、径方向Rの外側に向かって延びる部分を有し、当該部分がロータコア10の径方向Rの外周面に開口する構成とすることも可能である。
(7)上記の実施形態では、ロータコア10の軸方向Lの端面にエンドプレートが備えられない構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、ロータコア10の軸方向Lの一方又は双方の端面に、軸方向Lに見て第一開口部31a或いは第二開口部32aと重複する板状部を有するエンドプレートが設けられた構成とすることもできる。この場合、エンドプレートが、第一開口部31a或いは第二開口部32aと、エンドプレートの外部とを連通する油路(孔部等)を備えた構成とすると好適である。
(8)上記の実施形態では、軸方向油路30を形成する孔部が、磁石挿入孔21とは離間して形成された孔部である構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、磁石挿入孔21が永久磁石5の挿入状態において軸方向Lに延びる隙間を有する場合には、当該隙間により形成される孔部を軸方向油路30として用いる構成とすることができる。例えば、上記の実施形態において、磁石挿入孔21における磁気抵抗部22を軸方向油路30として用いることが可能である。このように、軸方向油路30は、ロータコア10の重量を軽減するための孔部に限らず、磁気抵抗として機能する孔部を用いて形成することが可能である。
(9)上記の実施形態では、軸方向油路30が、互いに同一の磁極を形成する単数又は複数の永久磁石5が配置される領域の周方向Cの中央部から、磁極ピッチの半分だけ周方向Cにずれた位置に配置された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、軸方向油路30が、互いに同一の磁極を形成する単数又は複数の永久磁石5が配置される領域の周方向Cの中央部に配置された構成とすることもできる。
(10)上記の実施形態では、軸方向油路30が、1つの磁極に対して1つ形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、軸方向油路30が、1つの磁極に対して2つ以上形成された構成とすることも可能である。例えば、上記のように磁石挿入孔21における磁気抵抗部22を軸方向油路30として用いる場合において、1つの磁極に対して2つの軸方向油路30が形成された構成とすることができる。また、2つ以上の磁極に対して1つの軸方向油路30が形成された構成とすることもできる。
(11)上記の実施形態では、1つの軸方向油路30に対して1つの径方向油路40が設けられた構成、具体的には、1つの第一油路部31に対して1つの第一連通部41が形成されると共に、1つの第二油路部32に対して1つの第二連通部42が形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、1つの第一油路部31に対して、軸方向Lの異なる位置に複数の第一連通部41が形成された構成や、1つの第二油路部32に対して、軸方向Lの異なる位置に複数の第二連通部42が形成された構成とすることも可能である。
また、上記の実施形態では、複数の軸方向油路30のそれぞれに対応する径方向油路40が、軸方向Lの互いに同一の位置に形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、複数の径方向油路40に、他の径方向油路40とは軸方向Lの異なる位置に形成された径方向油路40が含まれる構成とすることも可能である。
また、上記の実施形態では、複数の軸方向油路30のそれぞれに対応する径方向油路40が、軸方向Lの互いに同一の位置に形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、複数の径方向油路40に、他の径方向油路40とは軸方向Lの異なる位置に形成された径方向油路40が含まれる構成とすることも可能である。
(12)上記の実施形態では、軸方向油路30における径方向Rの外側部とコア外周面12との間の径方向Rの距離(以下、「第一距離」という。)が、当該外側部とコア内周面11との間の径方向Rの距離(以下、「第二距離」という。)よりも短くなる位置に、軸方向油路30が形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第一距離と第二距離とが等しくなる位置に軸方向油路30が形成された構成や、第一距離が第二距離よりも長くなる位置に軸方向油路30が形成された構成とすることも可能である。
(13)上記の実施形態では、ロータ2の各磁極が2つの永久磁石5により形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ロータ2の各磁極が1つ或いは3つ以上の永久磁石5により形成された構成とすることも可能である。
(14)上記の実施形態では、軸方向油路30が、磁石挿入孔21よりも径方向Rの内側に形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、軸方向油路30の少なくとも一部分が、当該部分と周方向Cの同じ位置に配置された磁石挿入孔21の部分よりも径方向Rの外側に配置された構成とすることも可能である。
(15)上記の実施形態では、軸方向油路30の軸方向Lに直交する断面の形状が、頂角が底角よりも径方向Rの外側に位置する二等辺三角形状に形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。軸方向油路30の軸方向Lに直交する断面の形状は、種々の形状を採用することができ、例えば、円形状、楕円形状、四角形状、径方向Rに幅を有する円弧状等とすることができる。径方向油路40を形成する特定貫通孔82の形状についても、円形状や、円弧と直線とをつないだ形状に限らず、楕円形状や直線のみをつないだ形状(三角形状や四角形状等)等を採用することが可能である。
(16)上記の実施形態では、径方向油路40が、軸方向Lに見て、径方向Rに平行に延びるように形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、径方向油路40が、軸方向Lに見て、径方向Rに対して交差する方向に延びる部分を有する構成とすることも可能である。
(17)上記の実施形態では、ロータコア10が、円環板状の磁性体板60を軸方向Lに複数積層して形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ロータコア10が、磁性材料の粉体である磁性粉体を加圧成形してなる圧粉材を主な構成要素として形成された構成とすることもできる。
(18)上記の実施形態では、流通規制部50の閉塞部51が、規制磁性体板65の板面部分により形成された構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、閉塞部51が、樹脂等を軸方向油路30に充填することにより形成された構成とすることも可能である。
(19)上記の実施形態では、ロータコア10が、永久磁石5が挿入される磁石挿入孔21を備えた構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ロータコア10が、磁石挿入孔21に代えて、電磁石として機能する界磁巻線を巻装するための巻線巻装部を備える構成とすることも可能である。巻線巻装部は、例えば、径方向Rの外側に突出する突出部により構成される。この場合、軸方向油路30が、当該巻線巻装部よりも径方向Rの内側に形成された構成とすると好適である。
(20)上記の実施形態では、本発明に係るロータを、回転界磁型の回転電機用のロータに適用した場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本発明に係るロータを、固定界磁型(回転電機子型)の回転電機用のロータに適用することも可能である。
(21)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、円筒状のロータコアを備え、ロータコアの内周面であるコア内周面に囲まれた軸挿通孔にロータ軸が挿通される回転電機用ロータに利用することができる。
1:回転電機
2:ロータ(回転電機用ロータ)
3:ロータ軸
5:永久磁石
10:ロータコア
11:コア内周面
12:コア外周面
20:軸挿通孔
21:磁石挿入孔
30:軸方向油路
31:第一油路部
31a:第一開口部
32:第二油路部
32a:第二開口部
40:径方向油路
41:第一連通部
42:第二連通部
50:流通規制部
51:閉塞部
60:磁性体板
61:第一特定磁性体板(特定磁性体板)
62:第二特定磁性体板(特定磁性体板)
63:第三特定磁性体板(特定磁性体板)
64:通常磁性体板
65:規制磁性体板
80:連通貫通孔群
82:特定貫通孔(貫通孔)
L:軸方向
L1:軸第一方向
L2:軸第二方向
R:径方向
2:ロータ(回転電機用ロータ)
3:ロータ軸
5:永久磁石
10:ロータコア
11:コア内周面
12:コア外周面
20:軸挿通孔
21:磁石挿入孔
30:軸方向油路
31:第一油路部
31a:第一開口部
32:第二油路部
32a:第二開口部
40:径方向油路
41:第一連通部
42:第二連通部
50:流通規制部
51:閉塞部
60:磁性体板
61:第一特定磁性体板(特定磁性体板)
62:第二特定磁性体板(特定磁性体板)
63:第三特定磁性体板(特定磁性体板)
64:通常磁性体板
65:規制磁性体板
80:連通貫通孔群
82:特定貫通孔(貫通孔)
L:軸方向
L1:軸第一方向
L2:軸第二方向
R:径方向
Claims (7)
- 円筒状のロータコアを備え、前記ロータコアの内周面であるコア内周面に囲まれた軸挿通孔にロータ軸が挿通される回転電機用ロータであって、
前記ロータコアは、前記コア内周面と当該ロータコアの外周面であるコア外周面との間を前記ロータ軸を基準とする軸方向に延びる軸方向油路と、前記ロータ軸を基準とする径方向に延びて前記軸挿通孔と前記軸方向油路とを連通する径方向油路と、前記軸方向油路における前記軸方向の中間領域に設けられる流通規制部と、を備え、
前記軸方向油路は、前記流通規制部よりも前記軸方向の一方側である軸第一方向側に配置された第一油路部と、前記流通規制部よりも前記軸第一方向とは反対側である軸第二方向側に配置された第二油路部と、を備え、
前記流通規制部が、少なくとも前記ロータコアの回転状態で、前記第一油路部と前記第二油路部との間の油の流通を規制するように構成され、
前記径方向油路が、前記軸挿通孔と前記第一油路部とを連通する第一連通部と、前記軸挿通孔と前記第二油路部とを連通する第二連通部と、を備える回転電機用ロータ。 - 前記流通規制部は、前記軸方向油路の少なくとも前記径方向の外側領域を閉塞する閉塞部を有する請求項1に記載の回転電機用ロータ。
- 前記ロータコアは、円環板状の磁性体板を前記軸方向に複数積層して形成され、
前記軸方向油路は、前記ロータコアを構成する複数の前記磁性体板の一部又は全部を、前記軸方向に連続して貫通する孔部により形成され、
前記ロータコアを構成する複数の前記磁性体板の一部が、前記閉塞部を構成する板面部分を有する規制磁性体板である請求項2に記載の回転電機用ロータ。 - 前記ロータコアは、円環板状の磁性体板を前記軸方向に複数積層して形成され、
前記ロータコアを構成する複数の前記磁性体板の一部が特定磁性体板であり、
前記特定磁性体板は、前記径方向における前記コア内周面と前記軸方向油路との間に、前記軸方向に貫通する貫通孔が形成された前記磁性体板であり、
前記径方向油路が、複数の前記貫通孔を前記軸挿通孔から前記軸方向油路まで前記径方向に順に連通してなる連通貫通孔群により形成され、
前記連通貫通孔群を構成する複数の前記貫通孔は、少なくとも2枚の前記特定磁性体板に分かれて形成されていると共に、前記軸方向に見て一部が重複するように前記径方向の互いに異なる位置に形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。 - 前記第一油路部が、前記ロータコアの前記軸第一方向側の端部に開口する第一開口部まで前記軸方向に延びるように形成され、
前記第二油路部が、前記ロータコアの前記軸第二方向側の端部に開口する第二開口部まで前記軸方向に延びるように形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。 - 前記ロータコアは、前記径方向における前記コア内周面と前記コア外周面との間に、永久磁石が挿入される磁石挿入孔を備え、
前記軸方向油路が、前記磁石挿入孔よりも前記径方向の内側に形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。 - 前記軸方向油路における前記径方向の外側部と前記コア外周面との間の前記径方向の距離が、前記軸方向油路における前記径方向の外側部と前記コア内周面との間の前記径方向の距離よりも短くなる位置に、前記軸方向油路が形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の回転電機用ロータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121933A JP2014239627A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 回転電機用ロータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121933A JP2014239627A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 回転電機用ロータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014239627A true JP2014239627A (ja) | 2014-12-18 |
Family
ID=52136298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013121933A Pending JP2014239627A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | 回転電機用ロータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014239627A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016144362A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | 日産自動車株式会社 | 回転電機の冷却構造 |
CN110829730A (zh) * | 2018-08-08 | 2020-02-21 | 爱信艾达株式会社 | 旋转电机用转子和具备该转子的车辆用驱动装置 |
DE102019109714A1 (de) * | 2019-04-12 | 2020-10-15 | Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft | Rotor einer elektrischen Maschine |
-
2013
- 2013-06-10 JP JP2013121933A patent/JP2014239627A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016144362A (ja) * | 2015-02-04 | 2016-08-08 | 日産自動車株式会社 | 回転電機の冷却構造 |
CN110829730A (zh) * | 2018-08-08 | 2020-02-21 | 爱信艾达株式会社 | 旋转电机用转子和具备该转子的车辆用驱动装置 |
US11005318B2 (en) | 2018-08-08 | 2021-05-11 | Aisin Aw Co., Ltd. | Rotor for rotary electric machine and vehicle drive device including the rotor for rotary electric machine |
CN110829730B (zh) * | 2018-08-08 | 2021-09-21 | 爱信艾达株式会社 | 旋转电机用转子和具备该转子的车辆用驱动装置 |
DE102019109714A1 (de) * | 2019-04-12 | 2020-10-15 | Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft | Rotor einer elektrischen Maschine |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5773196B2 (ja) | 回転電機 | |
JP5118920B2 (ja) | ロータおよび回転電機 | |
JP5913160B2 (ja) | 回転電機のロータ、および、回転電機 | |
US10128704B2 (en) | Rotor of rotary electric machine | |
US10116178B2 (en) | Rotor with embedded permanent magnet having adhesive on one side and cooling channels on the other side | |
JP5565642B2 (ja) | 回転電機用ロータ | |
JP6079733B2 (ja) | 回転電機のロータ | |
US20130221772A1 (en) | Cooling structure of rotor for rotary electric machine, and rotary electric machine | |
EP3161944B1 (en) | Rotor of rotary electric machine | |
JP2013009508A (ja) | 回転電機の冷却構造 | |
JP7055668B2 (ja) | 回転電機のロータ | |
JP2010166708A (ja) | 電機子 | |
CN107078577A (zh) | 旋转电机的转子 | |
JP2007252018A (ja) | 永久磁石電動機 | |
JP2020156201A (ja) | 回転電機 | |
JP2019041489A (ja) | 回転電機用ロータ、回転電機用電磁鋼板および電動車両 | |
JP2014239627A (ja) | 回転電機用ロータ | |
JP2013051771A (ja) | ロータ | |
JP2010263757A (ja) | かご形誘導機における回転子及びかご形誘導機 | |
JP2013135539A (ja) | 電動機、および、積層ステータ | |
JP2009296841A (ja) | 回転電機 | |
JP2019146387A (ja) | 回転電機の冷却構造、および回転電機 | |
US20200280227A1 (en) | Rotor of rotary electric machine | |
JP2013017334A (ja) | 回転電機 | |
JP5720891B2 (ja) | ステータ及びその製造方法 |