JP2011097765A - 電源供給回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゼロクロス検出部(5a)の検出点に基づき、今回の電源周期tsと、前回までの所定回の電源周期の平均値tsaとを導出し、今回の電源周期tsと前回までの電源周期tsaとの差に基づいて、PAM波形出力部(5c)の出力タイミングを変更するための補正値を算出する算出部(6a)と、算出部(6a)で算出された補正値に基づいて、PAM波形出力部(5c)の出力タイミングを変更させる出力タイミング変更部(6c)と、出力タイミング変更部(6c)で変更されるPAM波形出力部(5c)の出力タイミングが、ゼロクロス検出部(5a)の検出点に対して、所定間隔以上ずれないように、出力タイミングの補正範囲を制限する制限部(6d)とを備える。
【選択図】図2
Description
また、第3の発明によれば、補正係数設定部(6b)に設定された補正係数を変更することで、PAM波形の出力タイミングを補正するための補正値の大小を適宜変更することができる。これにより、例えば補正値を比較的大きくすることで、電源電圧の歪みやチャタリングに対して、比較的早い応答性をもって、PAM波形の出力タイミングを適正に補正することができる。また、この補正値を比較的小さくすることで、発電機等の電源周波数の変動に対して、PAM波形の出力タイミングがゼロクロス点から遠ざかってしまうことを抑制できる。
上記電源供給回路(10)は、交流をコンバータ回路(11)によって整流し、その直流をインバータ回路(14)によって三相交流に変換して電動機(30)へ供給するものである。この電動機(30)は、空調機の冷媒回路に設けられる圧縮機を駆動するものである。空調機の冷媒回路は、図示しないが、圧縮機と凝縮器と膨張機構と蒸発器が閉回路に接続され、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように構成されている。そして、冷房運転では、蒸発器で冷却された空気が室内へ供給され、暖房運転では、凝縮器で加熱された空気が室内へ供給される。
上記マイコン(15)は、インバータ回路(14)のスイッチング制御の他に、コンバータ回路(11)のPAM(Pulse Amplitude Modulation:パルス振幅変調)制御を行うものであり、PAM制御部を構成している。このマイコン(15)は、ゼロクロス検出部(5a)と、タイマー部(5b)と、PAM波形出力部(5c)と、ゼロクロスずれ補正部(6)とを備えている。
以上のようにして、ゼロクロス検出部(5a)は、ゼロクロス信号の立ち上がり位置から時間tzwavが経過した時点をゼロクロス点Pとして推定する。
補正係数設定部(6b)には、補正係数αが設定される。この補正係数αは、算出部(6a)で算出されたΔtに乗じられる値である。つまり、算出部(6a)は、上記の時間差Δtに補正係数α/100を乗じることで、PAM波形出力部(5c)の出力タイミングを変更するための補正値Δtaを算出する(式3を参照)。なお、補正係数設定部(6b)では、補正係数αとして所定の値が任意に設定可能となっている。なお、本実施形態では、この補正係数αとして90が設定されている。
出力タイミング変更部(6c)は、以上のようにして算出された補正値Δtaに基づいて、PAM波形出力部(5c)の出力タイミングを変更するものである(PAM波形の出力タイミングの補正についての詳細は後述する)。
次に、具体的なPAM波形の出力動作について、図3、図4、及び図6に基づいて詳細に説明する。
次に、電源電圧の歪みやチャタリングの影響により、ゼロクロス検出部(5a)によってゼロクロス点(即ち、ゼロクロス信号の立ち下がり位置)が誤って検出された場合における、PAM波形の出力タイミングの補正動作について、図6を参照しながら説明する。なお、図6は、電源電圧に歪みが生じた場合の一例である。
上記の如く、本実施形態では、電源電圧の歪みやチャタリングが生じても、PAM波形の出力タイミングを補正することで、所望とする高調波の抑制効果を得るようにしている。ところが、例えば本実施形態のように、発電機からなる交流電源(20)では、電源電圧の歪みやチャタリング以外の問題として、電源の周波数自体が変動してしまうことがある。ここで、例えば図7に示すように、電源電圧の周波数が通常時よりも早くなったとする。このような場合には、上述した電源電圧の歪みが生じた場合と異なり、ゼロクロス信号の立ち下がり位置(即ち、実質的にはゼロクロス点)は正確に検出される。一方、このようにして、電源周波数が高速化されると、今回の電源周期(例えば図7に示すts1)が、過去の電源周期に対して小さくなってしまう。その結果、算出部(6a)で算出されるΔtaが大きくなり、PAM波形が遅れて出力されてしまう(例えば図7の破線で示すタイミングとなってしまう)。ところが、このようにして電源周波数が小さくなった場合、ゼロクロス点自体は正確に検出されているため、このようにPAM波形の出力タイミングが遅延されてしまうと、ゼロクロス点PとPAM波形の出力タイミングがかえってずれてしまう、という問題が生じる(図7を参照)。更に、このような補正が周期毎に連続して行われると、ゼロクロス点とPAM波形の出力タイミングとが更に離れていき、過電圧異常等の不具合を招いてしまう。
上記実施形態では、電源電圧の歪みやチャタリングによってゼロクロス検出部(5a)の検出点がずれてしまった場合にも、そのずれ量に対応するようにPAM波形出力部(5c)のPAM波形の出力タイミングを補正するようにしている。このため、電源電圧の歪みやチャタリングが生じても、PAM波形を適正に出力することができ、高調波電流を抑制できる。また、このような補正行う際、電源周波数の変動に起因して、本来のゼロクロス点PからPAM波形の出力タイミングが大きくずれようとすると、制限部(6d)が、このようなずれを上限値Maxと下限値Minの範囲内に制限する。従って、電源周波数が比較的大きく変動し易い発電機等の交流電源(20)に、本実施形態の電源供給回路(10)を適用すると、PAM波形の出力タイミングがゼロクロス点に対して大きくずれてしまうのを回避できる。その結果、このような電源周波数の変動が大きな交流電源に対しても、高調波の抑制効果を得ることができ、過電流や過電圧に起因して電源供給回路が停止してしまうことも未然に回避できる。
上述した実施形態については以下のような構成としてもよい。
5c PAM波形出力部
6a 算出部
6b 補正係数設定部
6c 出力タイミング変更部
6d 制限部
10 電源供給回路
12 ダイオードブリッジ回路(整流回路)
S スイッチング素子
D1〜D4 ダイオード
C1,C2 コンデンサ
Claims (4)
- 交流電源に接続され、交流電流を整流する整流回路(12)と、ONされて該整流回路(12)の出力電力を短絡させるスイッチング素子(S)と、上記整流回路(12)の入力電圧のゼロクロス点を導出するために該整流回路(12)の入力電圧が所定の電圧値以上になる点を検出するゼロクロス検出部(5a)と、上記整流回路(12)の入力電流の波形が正弦波になるように上記スイッチング素子(S)をスイッチングさせる複数のパルス信号を上記ゼロクロス検出部(5a)の検出時から所定の出力タイミングで出力するPAM波形出力部(5c)とを備えた電源供給回路であって、
上記ゼロクロス検出部(5a)の検出点に基づき、今回の電源周期tsと、前回までの所定回の電源周期の平均値tsaとを導出し、今回の電源周期tsと前回までの電源周期の平均値tsaとの差に基づいて、PAM波形出力部(5c)の出力タイミングを変更するための補正値を算出する算出部(6a)と、
上記算出部(6a)で算出された補正値に基づいて、上記PAM波形出力部(5c)の出力タイミングを変更させる出力タイミング変更部(6c)と、
上記出力タイミング変更部(6c)で変更されるPAM波形出力部(5c)の出力タイミングが、ゼロクロス検出部(5a)の検出点に対して、所定間隔以上ずれないように、出力タイミングの補正範囲を制限する制限部(6d)とを備えていることを特徴とする電源供給回路。 - 請求項1において、
上記制限部(6d)は、上記出力タイミング変更部(6c)で変更されるPAM波形出力部(5c)の出力タイミングが、所定の上限値よりも遅くなる場合に、該出力タイミングを該上限値に保持し、上記出力タイミング変更部(6c)で変更されるPAM波形出力部(5c)の出力タイミングが、所定の下限値よりも早くなる場合に、該出力タイミングを上記下限値に保持するように構成されていることを特徴とする電源供給回路。 - 請求項1又は2において、
所定の補正係数が設定される補正係数設定部(6b)を備え、
上記算出部(6a)は、今回の電源周期tsと前回までの電源周期の平均値tsaとの差に基づいて、上記補正係数設定部(6b)に設定された補正係数を乗じた値を、上記補正値として算出することを特徴とする電源供給回路。 - 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
上記整流回路は、ダイオードブリッジ回路(12)であり、
互いに直列接続された2つのコンデンサ(C1,C2)が上記ダイオードブリッジ回路(12)の出力側に設けられ、該ダイオードブリッジ回路(12)の入力側と上記2つのコンデンサ(C1,C2)の中点とが上記スイッチング素子(S)を介して接続されて、倍電圧整流するように構成されていることを特徴とする電源供給回路。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2021240597A1 (ja) * | 2020-05-25 | 2021-12-02 |
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2009
- 2009-10-30 JP JP2009250223A patent/JP2011097765A/ja active Pending
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