JP2008259395A - 直流電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】力率のばらつきを抑えることで高力率の直流電源装置を提供する。
【解決手段】交流電源1の半周期に最低1回、リアクタ6を介して交流電源1をスイッチング回路7により短絡する直流電源装置において、フォトカプラ10を用いて交流電源1の正または負の半サイクルのいずれかにおいて、交流電源1に同期したパルス信号を出力する電圧位相検出回路8と、パルス信号の周期より交流電源1の電源周期Tを得るとともに、フォトカプラ10のオン時の出力パルス信号の終了時刻から補正時間Tz経過した時刻T1と、時刻T1から交流電源1の電源周期Tの半分の時間経過した時刻T2を交流電源1のゼロクロス点として推定する制御回路9とを備え、フォトカプラ10のオン時の出力パルス信号の幅Tonに応じて第1の記憶部9cに記憶されたパルス信号幅Tonと補正時間Tzとから決定する補正時間Tzにより交流電源1のゼロクロス点を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】交流電源1の半周期に最低1回、リアクタ6を介して交流電源1をスイッチング回路7により短絡する直流電源装置において、フォトカプラ10を用いて交流電源1の正または負の半サイクルのいずれかにおいて、交流電源1に同期したパルス信号を出力する電圧位相検出回路8と、パルス信号の周期より交流電源1の電源周期Tを得るとともに、フォトカプラ10のオン時の出力パルス信号の終了時刻から補正時間Tz経過した時刻T1と、時刻T1から交流電源1の電源周期Tの半分の時間経過した時刻T2を交流電源1のゼロクロス点として推定する制御回路9とを備え、フォトカプラ10のオン時の出力パルス信号の幅Tonに応じて第1の記憶部9cに記憶されたパルス信号幅Tonと補正時間Tzとから決定する補正時間Tzにより交流電源1のゼロクロス点を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換して負荷に供給する直流電源装置に関するものである。
従来、交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換して負荷へ供給する直流電源装置として、交流電源のゼロクロス点を検出し、交流電源のゼロクロス点付近にて交流電源をリアクタを介して一定時間短絡することで、力率を改善しつつ、高い直流出力電圧を得ることができるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図11は、特許文献1に記載された従来の直流電源装置の構成を示すものである。
図11に示すように、この直流電源装置は、交流電源1と、交流電源1からの交流電圧を整流する第1のダイオードブリッジ31と、平滑用コンデンサ32,33,34とで構成される倍電圧整流回路を備えている。さらに、交流電源1の両端には、リアクタ6を介して第2のダイオードブリッジ35およびスイッチング素子36が接続されている。
また力率改善部37とゼロクロス検出部38とインバータ制御部23とが、制御回路39内に設けられる。ゼロクロス検出部38は交流電源1の両端に接続され、交流電源1のゼロクロス点を検出する。力率改善部37は、交流電源1の半周期毎に、検出されたゼロクロス点から所定の時間だけスイッチング素子36を短絡し、その後開放する。
これにより、交流電源1からの入力電流の導通幅を拡大し、力率を改善するとともに、リアクタ6に蓄えられたエネルギーを平滑コンデンサ32,33,34へ供給することで、通常の倍電圧整流回路よりも高い直流出力電圧を得ることができる。
ゼロクロス検出部38では一般に、安価な構成とするために、交流電源1と制御回路39との間における絶縁のため、フォトカプラが用いられる(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献1に記載の従来の直流電源装置は、負荷として、インバータ回路21およびインバータ回路21により駆動される電動機22を備えており、インバータ回路21を制御するインバータ制御部23におけるパルス幅変調制御信号のデューティ比に基づいてスイッチング素子36の短絡開始時刻および短絡期間を決定することで、負荷状態に応じて力率を改善することができる。
特開平10−201248号公報
特開2005−192266号公報
しかしながら、従来の直流電源装置のように、ゼロクロス検出部38をフォトカプラで構成した場合、フォトカプラをオンさせるのに必要な交流電源1の電圧位相にてその出力信号のHi/Loが切り替わるために、ゼロクロス検出部38から出力されるゼロクロス検出信号のエッジ検出のタイミング、すなわちゼロクロス検出部38が検出するゼロクロス点と、交流電源1の真のゼロクロス点との間には時間的ずれが生じてしまう。
また、一般にフォトカプラは、CTR(電流増幅率)のばらつき範囲が広いため、この時間的ずれには、通常数百μs程度のばらつきが生じる。
さらに、従来の直流電源装置において、交流電源1の電源周期内に存在する2個のゼロクロス点を検出するためには、2個のフォトカプラの1次側を逆並列接続するか、特許文献2のゼロクロス検知回路のように、交流入力のフォトカプラを用いる必要があり、いずれにしても使用する1対のフォトカプラ間のCTRの違いにより、交流電源1の正の半サイクルと負の半サイクルとにおいて、ゼロクロス検出信号のエッジ検出のタイミングと真のゼロクロス点間の時間に差異が生じる。
上記2つのばらつきは、いずれも交流電源1の半周期毎にリアクタ6を介して交流電源1を短絡・開放して昇圧動作を行う従来の直流電源装置において、スイッチング素子36を短絡する位相タイミングにずれを生じさせる原因となる。
以上のように、従来の直流電源装置では、ゼロクロス検出部38として、よく知られたフォトカプラを用いた回路構成を採用する場合、フォトカプラのばらつきによる直流電源装置の力率ばらつきに留意する必要がある。
特に電源半周期に複数回、リアクタ6を介して交流電源1を短絡・開放する直流電源装置では、交流電源1の電圧が高い位相においてもスイッチング素子36を短絡・開放するため、位相ずれによって生じる力率ばらつきへの影響が大きくなりやすい。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、かかるスイッチング素子36の短絡タイミングの位相ずれによって生じる力率のばらつきを抑制し、安定して高力率動作を実現する直流電源装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の直流電源装置は、交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、前記交流電源に直列に接続されるリアクタと、前記交流電源の両端に接続され前記交流電源を短絡・開放する少なくとも1つのスイッチング手段と、フォトカプラを用いて構成され前記交流電源に同期したパルス信号を発生する電圧位相検出手段と、前記電圧位相検出手段の出力信号に基づいて前記スイッチング手段を駆動する制御手段とを備え、前記交流電源の電圧位相に同期して前記交流電源の半周期毎に少なくとも1回、前記リアクタを介して前記スイッチング手段により交流電源を短絡・開放する直流電源装置において、前記制御手段は、前記パルス信号のエッジおよび周期と、前記パルス信号に応じて決定される補正時間Tzとから交流電源のゼロクロス点を推定し、前記ゼロクロス点を基準として前記スイッチング手段を駆動するものである。
本発明の直流電源装置によれば、フォトカプラのオン期間に出力されるパルス信号の幅に応じて決定される補正時間によって、交流電源の一方のゼロクロス点を補正するとともに、得られたゼロクロス点と交流電源周期とを用いて他方のゼロクロス点を推定することによって、交流電源の真のゼロクロス点を正確に検出することができ、交流電源を最適な電圧位相にてリアクタを介して短絡・開放することができるため、力率ばらつきを抑制し、高力率動作を実現することができる。
第1の発明は、交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、前記交流電源に直列に接続されるリアクタと、前記交流電源の両端に接続され前記交流電源を短絡・開放する少なくとも1つのスイッチング手段と、フォトカプラを用いて構成され前記交流電源に同期したパルス信号を発生する電圧位相検出手段と、前記電圧位相検出手段の出力信号に基づいて前記スイッチング手段を駆動する制御手段とを備え、前記交流電源の電圧位相に同期
して前記交流電源の半周期毎に少なくとも1回、前記リアクタを介して前記スイッチング手段により交流電源を短絡・開放する直流電源装置において、前記制御手段は、前記パルス信号のエッジおよび周期と、前記パルス信号に応じて決定される補正時間Tzとから交流電源のゼロクロス点を推定し、前記ゼロクロス点を基準として前記スイッチング手段を駆動するものである。
して前記交流電源の半周期毎に少なくとも1回、前記リアクタを介して前記スイッチング手段により交流電源を短絡・開放する直流電源装置において、前記制御手段は、前記パルス信号のエッジおよび周期と、前記パルス信号に応じて決定される補正時間Tzとから交流電源のゼロクロス点を推定し、前記ゼロクロス点を基準として前記スイッチング手段を駆動するものである。
これによって、フォトカプラの個別ばらつきに対応できるだけでなく、交流電源内の2個のゼロクロス点を検出する際に1対のフォトカプラのCTR差に影響されないことから、交流電源の正負の半サイクルにおけるばらつき差異によって生じるアンバランスを抑制することもできるため、交流電源のゼロクロス点を正確に検出することができる。その結果、スイッチング手段の短絡・開放を行う電圧位相のタイミングばらつきを抑制することができるため、力率ばらつきを抑えて高力率動作を実現することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記補正時間Tzが、前記パルス信号の周期Tおよびパルス幅Tonとから求められる(T/2−Ton)/2より小さな値に設定されるものである。これによって、フォトカプラのオフ時間による遅れ時間の影響を緩和することで、より正確に交流電源のゼロクロス点を検出することができるため、力率ばらつきをより小さくすることができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記補正時間Tzが、前記パルス信号の周期Tおよびパルス幅Tonと前記パルス信号のパルス幅Tonに対して単調増加な関数α(α>0)とを用いて、Tz=(T/2−Ton)/2−αとして決定されるものである。すなわち、フォトカプラのCTRが大きくパルス信号のパルス幅Tonが広くなるほど、遅れ時間に相当するαが大きくなるように設定されるものである。
これによって、フォトカプラのCTRばらつきに応じたオフ時間のばらつきまでより正確に補正することができるため、直流電源装置の力率ばらつきをさらに小さくすることが可能となる。
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記制御回路が、前記交流電源の半周期毎に前記スイッチング手段の短絡・開放動作を停止する動作モード時に、前記パルス信号の周期Tおよびパルス幅Tonから得られる補正時間Tzを用いるものである。
これによって、スイッチング手段を短絡・開放する動作モードにおいては、交流電源のゼロクロス点検出に必要な処理を簡略化することができるため、制御手段として用いるマイクロコンピュータの性能に対する要求を軽減でき、より安価なシステムにて高力率動作を実現することが可能となる。
第5の発明は、第1〜4のいずれか1つの発明において、周囲温度を検出する温度検出部を備え、周囲温度に応じて前記補正時間Tzを補正するものである。これによって、電圧位相検出手段におけるフォトカプラの温度特性ばらつきを抑制することができるため、直流電源装置の力率ばらつきをさらに小さくすることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による直流電源装置の構成を示すブロック構成図である。
図1は、本発明の実施の形態1による直流電源装置の構成を示すブロック構成図である。
図1に示すように、整流回路2は、交流電源1の交流電圧を整流する。第1のコンデンサ3は、整流回路2の交流入力端の一方と整流回路2の一方の直流入力端との間に接続される。第2のコンデンサ4は、整流回路2の同じ交流入力端と整流回路2の他方の直流入力端との間に接続される。整流回路2と第1、第2のコンデンサ3、4とにより、負荷5へ直流電圧を供給する倍電圧整流回路が構成される。
リアクタ6は、交流電源1と整流回路2の交流入力端との間に接続される。スイッチング手段として機能するスイッチング回路7は、交流電源1を短絡するための、ダイオードブリッジやMOSFET・IGBTなどの半導体素子で構成される双方向性のスイッチング回路である。電圧位相検出回路8は、交流電源1の両端に接続され、交流電源1の電圧位相を検出する。
制御回路9は、マイクロコンピュータ等で構成され、電圧位相検出回路8からの出力パルス信号をもとに交流電源1の真のゼロクロス点を推測する。また、制御回路9は、電圧位相検出回路8からの出力パルス信号に対して、タイミング補正部9aによってタイミングを補正した後、駆動信号生成部9bにおいて、スイッチング回路7を駆動する駆動信号を生成することによって、電源半周期毎に1回スイッチング回路7の短絡・開放を繰り返す。
スイッチング回路7の短絡・開放動作に関して、制御回路9は、交流電源1の真のゼロクロス点から時間Td後に短絡し、その後時間Tw後に開放するよう、スイッチング回路7を制御する。
図2は、本発明における電圧位相検出回路8の具体的な回路の一例を示すものである。
図2に示すように、電圧位相検出回路8は、フォトカプラ10と抵抗11と抵抗12と抵抗13とダイオード14とによって構成される。フォトカプラ10の1次側は、交流電源1の正または負のいずれかの半サイクル期間(図2では正の半サイクル期間)にのみフォトカプラ10がオンするように、ダイオード14を介して交流電源1に接続され、フォトカプラ10がオンする電源電圧1の電圧位相は、数十kΩ程度の抵抗11と、抵抗12とによって調整される。
フォトカプラ10の2次側は、出力トランジスタのコレクタが抵抗13によってプルアップされて、マイクロコンピュータである制御回路9の入力ポートに接続される。
以上のように構成された直流電源装置について、以下その動作を説明する。図3は、電圧位相検出回路8の出力パルス信号とスイッチング回路7の駆動信号との関係を表すタイミングチャートである。
制御回路9は、電圧位相検出回路8から出力されるパルス信号のパルス幅Tonに応じて、予め制御回路9内に記憶されている補正時間Tzを求めた後、電圧位相検出回路8からのパルス信号の終了に相当するエッジ(図3では立ち上がりエッジ)を検出したタイミングから、補正時間Tzが経過した時刻T1を交流電源1の真のゼロクロス点と見なす。
さらに、制御回路9は、電圧位相検出回路8からのパルス信号周期より得られる交流電源1の周期Tを用いて、時刻T1から電源周期Tの1/2に相当する時間が経過した時刻T2を、次のゼロクロス点(電圧位相180度後のゼロクロス点)と見なす。
制御回路9は、時刻T1およびT2において、それぞれ、予め負荷5に応じて定められ
た時間Tdに基づいて真のゼロクロス点から時間Td経過後にスイッチング回路7の短絡動作を行い、負荷5の状態に応じてスイッチング回路7のオン時間Twを調整する。
た時間Tdに基づいて真のゼロクロス点から時間Td経過後にスイッチング回路7の短絡動作を行い、負荷5の状態に応じてスイッチング回路7のオン時間Twを調整する。
なお、時間Twは、負荷5の状態に応じて予め設定された値とする以外にも、直流電源装置の出力電圧が負荷5に応じて予め設定された所定の目標電圧に等しくなるようにフィードバックして調整してもよい。
次に補正時間Tzの算出方法について説明する。電圧位相検出回路8の出力パルス信号(以下、電圧位相検出信号と呼ぶ)のパルス幅Tonと補正時間Tzとの関係については、予め複数のフォトカプラを用いた実験により、電圧位相検出信号のパルス幅Tonと補正時間Tzとの相関関係が求められ、得られた相関関係は、表や関数の形式で制御回路9の第1の記憶部9cに予め記憶される。
図4(a)は、電圧位相検出信号のパルス幅Tonに対する補正時間Tzの関係を表す関係図の一例である。
制御回路9は、電圧位相検出回路8より得られた電圧位相検出信号のパルス幅Tonを測定し、第1の記憶部9cに予め記憶された図4(a)の関係に基づいて補正時間Tzを求めることで、フォトカプラ10によるゼロクロスタイミングのずれを補正する。
なお、上記の電圧位相検出信号のパルス幅Tonに対する補正時間Tzの関係は、システム設計上必要とされる補正時間Tzの精度に応じて、図4(b)のように階段状に設定し、記憶部9cに要するメモリを節約してもよい。
次に、図5は、本実施の形態における電圧位相検出信号の出力パルスと交流電源の電圧位相とのタイミングを示すタイミングチャート(詳細)である。
図5に示すように、電圧位相検出回路8からの電圧位相検出信号の出力位相は、フォトカプラ10のスイッチング時間によって、交流電源1の電圧位相よりもやや遅れて出力されるので、出力パルスの立ち上がりから真のゼロクロス点までの時間、すなわち補正時間Tzは、フォトカプラ10のオンに相当する電圧位相検出信号のパルス幅をTon、電源周期をTとして、(T/2−Ton)の1/2よりも短くなるように設定される。
また、フォトカプラ10のオフ時間toffは、一般的にオン時間tonに比べて遅く、電流増幅率(CTR)が大きくなるほど遅くなる。
したがって、フォトカプラ10のCTRが大きい場合には、図5におけるフォトカプラ10のオフ時間toffが長くなり、その結果、電圧位相検出信号のパルス終了位置は、交流電源1の真のゼロクロス点に近づき、逆にCTRが小さい場合には、電圧位相検出信号のパルス幅が狭くなるとともに、フォトカプラ10のオフ時間が短くなるため、電圧位相検出信号のパルス終了位置は、交流電源1の真のゼロクロス点から遠ざかることになる。したがって、電圧位相検出回路8から得られる電圧位相検出信号のパルス幅Tonが広くなるほど、パルス幅Tonに対する補正時間Tzを、(T/2−Ton)の1/2よりもより小さく設定することによって、フォトカプラ10のCTRばらつきによるオフ時間の影響を小さくすることが可能となる。
すなわち、パルス幅Tonに対して単調増加で常に正の値をとる関数αを用いて、補正時間Tzを、(T/2−Ton)/2−αを満足するように補正時間Tzを決定することによって、さらに精度よく交流電源1のゼロクロス検出のばらつきを抑えることができる。
以上のように、本発明は、電圧位相検出回路8における主要なばらつき要因であるフォトカプラ10によるばらつきを、電圧位相検出回路8から出力される電圧位相検出信号のパルス幅Tonに応じてスイッチング回路7を短絡・開放するタイミングを補正することにより、力率のばらつきを抑制し、高力率動作を実現することができる。
特に、電源の半周期毎に複数回のスイッチングを行うタイプの直流電源装置においては、電源電圧の高い電源位相でのスイッチング動作を多く含むので、スイッチング動作を行う電源位相ずれによる力率への影響が大きく、本発明の効果がより顕著になる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2による直流電源装置の構成を示すブロック構成図である。本実施の形態の直流電源装置において、図1と同じ機能を有するブロックには同じ符号を付し説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2による直流電源装置の構成を示すブロック構成図である。本実施の形態の直流電源装置において、図1と同じ機能を有するブロックには同じ符号を付し説明を省略する。
スイッチング回路7の短絡・開放動作に関して、制御回路9は、交流電源1の真のゼロクロス点から時間Td後に短絡し、その後時間Tw後に開放するよう、スイッチング回路7を制御する。
なお、時間Twは、負荷5の状態に応じて予め設定された値とする以外にも、直流電源装置の出力電圧が負荷5に応じて予め設定された所定の目標電圧に等しくなるようにフィードバックして調整してもよい。
また、直流電源装置の目標電圧は、負荷5が図11に示されるインバータ回路である場合には、インバータ制御回路におけるパルス幅変調制御信号のデューティ比やインバータ周波数に基づいて調整してもよい。
本実施の形態における直流電源装置は、電圧位相検出回路8から出力される電圧位相検出信号のパルス幅Tonから求められる補正時間Tzを記憶する第2の記憶部9dを備える。
さらに、本実施の形態の直流電源装置は、待機動作時などのように負荷5が軽く、直流電圧をさほど必要としない状況において、スイッチング回路7の短絡・開放動作を停止し、昇圧動作を行わない動作モードを備える。
制御回路9は、上記のスイッチング回路7の短絡・開放動作を停止する動作モード時においてのみ、第1の記憶部9cからの情報に基づいて電圧位相検出回路8から出力されるパルス信号のパルス幅より補正時間Tzを求め、その補正時間Tzを第2の記憶部9dに記憶する。そして、負荷5が一定の大きさに到達すると、本実施の形態の直流電源装置は、スイッチング回路7の短絡・開放動作を開始する。
上記の制御を行うことにより、マイクロコンピュータにより構成される制御回路9は、電圧位相検出回路8から出力される電圧位相検出信号におけるパルス幅Tonの測定および補正時間Tzの演算作業を、交流電源1の電源周期毎に行う必要がなくなるため、マイクロコンピュータに要求される処理能力の軽減やタイマ機能の簡略化ができる。
上記の制御は、特に交流電源1の電源電圧や電源周波数が安定している地域において有効であり、本制御を用いることで、安価な構成にて交流電源1のゼロクロス検出のばらつきを抑制でき、常に高力率状態で電源を動作させることが可能となる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3による直流電源装置の構成を示すブロック構成図である。
図7は、本発明の実施の形態3による直流電源装置の構成を示すブロック構成図である。
図7に示すように、本実施の形態の直流電源装置は、実施の形態2の構成におけるスイッチング回路7を、スイッチング回路7aおよび7bに置き換え、交流電源1の半サイクル毎にスイッチング回路7aおよび7bを交互に短絡・開放させるものである。
すなわち、実施の形態2の直流電源装置においては、制御回路9が、交流電源1の半周期毎のゼロクロス点に同期してスイッチング回路7を短絡・開放させるのに対し、本実施の形態における直流電源装置においては、制御回路9が、交流電源1の正の半サイクル期間にはスイッチング回路7bを短絡・開放させ、負の半サイクル期間にはスイッチング回路7aを短絡・開放させる。
このように、本実施の形態の直流電源装置は、特許文献2に示されるゼロクロス検知回路のように、単に交流電源1のゼロクロス点を検出するだけではなく、交流電源1の電圧位相が、交流電源1の正または負のいずれかの半サイクル期間にあるか判別することができる電圧位相検出回路8を備えるため、複数のスイッチング回路を電源位相に応じて切り替えてスイッチングさせる回路構成の場合にも同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4による直流電源装置の構成を示すブロック構成図である。
図8は、本発明の実施の形態4による直流電源装置の構成を示すブロック構成図である。
図8に示すように、本実施の形態の直流電源装置は、実施の形態2の構成に加えて、サーミスタ等で構成されて周囲温度tを検出する温度検出部15と、周囲温度tと補正時間の補正量ΔTzとの関係式を予め記憶した第3の記憶部9eを備える。
本実施の形態の直流電源装置は、電圧位相検出回路8から出力される電圧位相検出信号のパルス幅Tonから求められる補正時間Tzに対して、さらに、第3の記憶部9eに予め記憶された、周囲温度tと補正時間の補正量ΔTzとの関係式を用いて、温度検出部15によって検出された周囲温度tに応じて、補正時間の補正量ΔTzを算出する。
制御回路9は、補正時間Tzに補正量ΔTzを加えた時間Tz´=Tz+ΔTzを補正時間として採用するものである。
以下に具体例を記す。一般にフォトカプラ10で構成される電圧位相検出回路8は、温度特性を持っている。図9にフォトカプラのコレクタ電流に関する温度特性の一例を示す。また、図10に周囲温度と補正時間の補正量との関係を示す関係の一例を示す。
本実施の形態では、周囲温度tが高くなるほど、フォトカプラ10のコレクタ電流が減少することから、電圧位相検出回路8から出力される電圧位相検出信号のパルス幅Tonは、減少する。
したがって、本実施の形態の直流電源装置は、周囲温度tが上昇するにつれて補正時間Tzが長くなるように、図10に示すように予め第3の記憶部9eに記憶された補正量ΔTzを用いて補正時間Tzをさらに調整することによって、フォトカプラ10による温度特性の影響を低減し、より正確なタイミングでスイッチング回路7を駆動することができる。
以上のように、本発明にかかる直流電源装置は、力率のばらつきが小さく、高力率動作を行うことができるため、特にコンセント容量の定格電流を最大限に利用して暖房運転を行う空気調和機を始めとして、ヒートポンプ給湯機や冷蔵庫や洗濯機などの電化製品への用途に適用できる。
1 交流電源
2 整流回路
3 第1のコンデンサ
4 第2のコンデンサ
5 負荷
6 リアクタ
7 スイッチング回路
8 電圧位相検出回路
9 制御回路
9a タイミング補正部
9b 駆動信号生成部
9c 第1の記憶部
9d 第2の記憶部
9e 第3の記憶部
10 フォトカプラ
15 温度検出部
2 整流回路
3 第1のコンデンサ
4 第2のコンデンサ
5 負荷
6 リアクタ
7 スイッチング回路
8 電圧位相検出回路
9 制御回路
9a タイミング補正部
9b 駆動信号生成部
9c 第1の記憶部
9d 第2の記憶部
9e 第3の記憶部
10 フォトカプラ
15 温度検出部
Claims (5)
- 交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、前記交流電源に直列に接続されるリアクタと、前記交流電源の両端に接続され前記交流電源を短絡・開放する少なくとも1つのスイッチング手段と、フォトカプラを用いて構成され前記交流電源に同期したパルス信号を発生する電圧位相検出手段と、前記電圧位相検出手段の出力信号に基づいて前記スイッチング手段を駆動する制御手段とを備え、前記交流電源の電圧位相に同期して前記交流電源の半周期毎に少なくとも1回、前記リアクタを介して前記スイッチング手段により交流電源を短絡・開放する直流電源装置において、
前記制御手段は、前記パルス信号のエッジおよび周期と、前記パルス信号に応じて決定される補正時間Tzとから交流電源のゼロクロス点を推定し、前記ゼロクロス点を基準として前記スイッチング手段を駆動する直流電源装置。 - 前記補正時間Tzが、前記パルス信号の周期Tおよびパルス幅Tonとから求められる(T/2−Ton)/2より小さな値に設定される請求項1に記載の直流電源装置。
- 前記補正時間Tzが、前記パルス信号の周期Tおよびパルス幅Tonと前記パルス信号のパルス幅Tonに対して単調増加な関数αとを用いて、Tz=(T/2−Ton)/2−αとして決定される請求項2に記載の直流電源装置。
- 前記制御回路が、前記交流電源の半周期毎に前記スイッチング手段の短絡・開放動作を停止する動作モード時に、前記パルス信号の周期Tおよびパルス幅Tonから得られる補正時間Tzを用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載の直流電源装置。
- 周囲温度を検出する温度検出部を備え、前記補正時間Tzは、温度検出部によって検出された温度に応じて、予め定められた温度の関数ΔTzを用いてTz+ΔTzに補正される請求項1〜4のいずれか1項に記載の直流電源装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011205723A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-13 | Panasonic Corp | ドラム式洗濯機 |
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WO2019123618A1 (ja) * | 2017-12-21 | 2019-06-27 | 東芝キヤリア株式会社 | ゼロクロス検出装置および電力変換装置 |
-
2007
- 2007-09-06 JP JP2007230968A patent/JP2008259395A/ja active Pending
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