JP6358508B2 - 不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラム - Google Patents

不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6358508B2
JP6358508B2 JP2014245158A JP2014245158A JP6358508B2 JP 6358508 B2 JP6358508 B2 JP 6358508B2 JP 2014245158 A JP2014245158 A JP 2014245158A JP 2014245158 A JP2014245158 A JP 2014245158A JP 6358508 B2 JP6358508 B2 JP 6358508B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
phase
correction value
unit
booster circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014245158A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016111764A (ja
Inventor
角藤 清隆
清隆 角藤
清水 健志
健志 清水
敦之 角谷
敦之 角谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2014245158A priority Critical patent/JP6358508B2/ja
Publication of JP2016111764A publication Critical patent/JP2016111764A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6358508B2 publication Critical patent/JP6358508B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラムに関する。
三相交流電源から供給される交流電圧に基づいてモータを駆動する電圧を生成するシステムがある。一般的に、モータを駆動する電圧を生成するシステムは、AC−DCコンバータとインバータとを備える。そして、そのシステムは、三相交流電源から供給される交流電圧をAC−DCコンバータで交流電圧から直流電圧に変換し、インバータでAC−DCコンバータが変換した直流電圧を交流電圧に変換する。こうすることで、システムは、モータを駆動するのに適したDC電圧を生成している。
特許文献1には、関連する技術として、モータを駆動するシステムにおける高調波電流を低減する技術が記載されている。
特許第5558530号公報
ところで、一般的なモータを駆動する電圧を生成するシステムにおいて、三相交流電源のR相、S相、T相のそれぞれの電圧が不平衡状態となると、三相交流電源から電力が供給される装置、あるいは、その装置の後段に接続される装置に過大な電流が流れることがある。その場合、システムに不具合が発生してしまう可能性がある。
そのため、システムに電力を供給する交流電源における複数の相のそれぞれの電圧が不平衡状態になった場合に、その不平衡状態を容易に特定し、システムを保護する技術が求められていた。
そこで、この発明は、上記の課題を解決することのできる不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の態様によれば、不平衡補正装置は、電源から出力される複数の交流電圧それぞれの位相を特定する位相特定部と、前記位相特定部が特定した前記複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔において、前記電源から出力される前記複数の交流電圧の整流後の整流電圧を特定する電圧特定部と、前記電圧特定部が特定した前記整流電圧に基づいて不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値を生成する補正値生成部と、前記整流電圧を昇圧する昇圧回路における平衡状態を想定したスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間との比と、前記補正値生成部が生成した前記補正値とに基づいて、前記昇圧回路におけるスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間とを制御する昇圧回路制御部と、を備える。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による不平衡補正装置において、前記補正値生成部は、前記位相特定部が特定した前記複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔において、前記電圧特定部が特定した前記整流電圧に基づいて前記補正値を生成するものであってもよい
本発明の第3の態様によれば、不平衡補正方法において、位相特定部は、電源から出力される複数の交流電圧それぞれの位相を特定し、電圧特定部は、前記位相特定部が特定した前記複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔において、前記電源から出力される前記複数の交流電圧の整流後の整流電圧を特定し、補正値生成部は、前記電圧特定部が特定した前記整流電圧に基づいて不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値を生成し、昇圧回路制御部は、前記整流電圧を昇圧する昇圧回路における平衡状態を想定したスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間との比と、前記補正値とに基づいて、前記昇圧回路におけるスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間とを制御する。
本発明の第4の態様によれば、プログラムは、コンピュータを、電源から出力される複数の交流電圧それぞれの位相を特定する位相特定手段、前記位相特定手段が特定した前記複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔において、前記電源から出力される前記複数の交流電圧の整流後の整流電圧を特定する電圧特定手段、前記電圧特定手段が特定した前記整流電圧に基づいて不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値を生成する補正値生成手段、前記整流電圧を昇圧する昇圧回路における平衡状態を想定したスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間との比と、前記補正値生成手段が生成した前記補正値とに基づいて、前記昇圧回路におけるスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間とを制御する昇圧回路制御手段、として機能させる。

本発明の実施形態による不平衡補正装置によれば、システムに電力を供給する交流電源における複数の相のそれぞれの電圧が不平衡状態になった場合に、その不平衡状態を容易に特定することができ、システムを保護することができる。
本発明の一実施形態による電力制御装置の構成を示す第一の図である。 本発明の一実施形態による昇圧回路制御部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態による三相(R相、S相、T相)交流電圧が平衡状態の場合の電圧及び電流のシミュレーション波形を示す図である。 本発明の一実施形態による三相交流電圧が不平衡状態の場合の電圧及び電流のシミュレーション波形を示す図である。 本発明の一実施形態による電力制御装置の通常状態の処理フローを示す図である。 本発明の一実施形態による電力制御装置の不平衡を補正する処理フローを示す図である。 本発明の一実施形態による電力制御装置が不平衡を補正する処理に使用される信号を示す図である。 本発明の一実施形態による電力制御装置が不平衡を補正する処理を行った場合のR相、S相、T相のそれぞれに対応する電流を示す図である。 本発明の一実施形態による電力制御装置の構成を示す第二の図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
まず、本実施形態による不平衡補正装置80を備える電力制御装置1の構成について説明する。
図1で示すように、本実施形態による電力制御装置1は、交流電源10と、AC(Alternative Current)−DC(Direct Current)コンバータ20と、インバータ30と、モータ40と、インバータ制御部50と、昇圧回路電圧指令部60と、直流電圧検出部70と、不平衡補正装置80と、を備える。
交流電源10は、複数の交流電圧を出力する。例えば、交流電源10は、互いに位相が120度ずれた3つの正弦波交流電圧(R相、S相、T相)をAC−DCコンバータ20に出力する。
AC−DCコンバータ20は、整流回路201と、昇圧回路202と、キャパシタ203と、を備える。
AC−DCコンバータ20が備える整流回路201は、交流電源10が出力する交流電圧を整流する。例えば、整流回路201は、6つのダイオードD1〜D6を備える。ダイオードD1のアノードは、ダイオードD2のカソードに接続されている。また、ダイオードD3のアノードは、ダイオードD4のカソードに接続されている。また、ダイオードD5のアノードは、ダイオードD6のカソードに接続されている。交流電源10は、R相の交流電圧をこのダイオードD1のアノードに出力する。また、交流電源10は、S相の交流電圧をこのダイオードD3のアノードに出力する。また、交流電源10は、T相の交流電圧をこのダイオードD5のアノードに出力する。これにより、整流回路201は、交流電源10が整流部101に出力する交流電圧を全波整流する。
昇圧回路202は、スイッチング素子204と、リアクトル205と、ダイオード206と、を備える。
昇圧回路202が備えるリアクトル205の一端は、整流回路201が備えるダイオードD1のカソードに接続されている。また、リアクトル205の他端は、スイッチング素子204の端子Aとダイオード206のアノードとに接続されている。また、スイッチング素子204の端子Bは、不平衡補正装置80に接続されている。また、スイッチング素子204の端子Cは、整流回路201が備えるダイオードD2のアノードに接続されている。また、ダイオード206のカソードは、キャパシタ203のプラス電荷を蓄える電極の端子に接続されている。
スイッチング素子204は、不平衡補正装置80から入力するスイッチング制御信号に基づいて、オン状態またはオフ状態になる。なお、スイッチング制御信号は、スイッチング素子204をオン状態またはオフ状態にさせる制御信号である。スイッチング素子204は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor − Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタなどのトランジスタスイッチである。
スイッチング素子204がオン状態になると、スイッチング素子204の端子Aと端子Cがほぼ短絡状態となりダイオード206のアノードの電位がカソードの電位よりも低くなる。そのため、ダイオード206は逆バイアスされ電流を流さず、リアクトル205は、整流回路201の出力電圧により磁気エネルギを蓄積する。また、スイッチング素子204がオフ状態になると、スイッチング素子204の端子Aと端子Cがほぼ開放状態となりダイオード206のアノードの電位がカソードの電位よりも高くなる。そのため、ダイオード206は順バイアスされ、リアクトル205は、磁気エネルギとして蓄積したエネルギをダイオード206を介してキャパシタ203に放出する。
キャパシタ203は、リアクトル205が放出したエネルギに基づいて、電荷を蓄積する。昇圧回路202は、キャパシタ203に電荷を蓄積することを繰り返すことにより整流回路201の出力電圧を昇圧する。
インバータ30は、AC−DCコンバータ20が出力する直流電圧を交流電圧に変換する。例えば、インバータ30は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)により構成されるインバータである。
モータ40は、インバータ30が出力する交流電圧に応じて動作する。
インバータ制御部50は、電力制御装置1を備える装置(例えば、空気調和機)から入力したモータ40の回転数を所望の回転数にするための制御信号であるモータ回転数指令m1に基づいて、インバータ30のオン状態の時間とオフ状態の時間とを制御する。
また、インバータ制御部50は、モータ40に流れる電流値を示すモータ電流検出値i1に基づいて、インバータ30を過変調領域で制御するための過変調制御信号n1を昇圧回路電圧指令部60に出力する。
昇圧回路電圧指令部60は、電力制御装置1を備える装置から入力したモータ回転数指令m1と、インバータ制御部50から入力した過変調制御信号n1とに基づいて、不平衡補正装置80に電圧指令v1を出力する。
直流電圧検出部70は、AC−DCコンバータ20が備える昇圧回路202の出力電圧である直流電圧を検出する。そして、直流電圧検出部70は、検出した直流電圧の検出値を示す直流電圧検出値v2を不平衡補正装置80に出力する。
不平衡補正装置80は、位相特定部801と、電圧特定部802と、補正値生成部803と、昇圧回路制御部804と、を備える。
不平衡補正装置80が備える位相特定部801は、交流電源10から出力される複数の交流電圧それぞれの位相を特定する。例えば、位相特定部801は、ゼロクロス検出回路を備える。位相特定部801が備えるゼロクロス検出回路は、線間電圧または相電圧を用いてゼロクロス点を検出する。そして、位相特定部801は、検出したゼロクロス点に基づいて、複数の交流電圧それぞれの位相を特定する。なお、ゼロクロス点とは、交流電圧の振幅ゼロを示すバイアス電圧と交流電圧とが交差する点である。
例えば、相電圧を用いてゼロクロス点を検出する場合、位相特定部801が備えるゼロクロス検出回路は、R相の交流電圧のゼロクロス点を検出する。位相特定部801は、ゼロクロス検出回路が検出したR相の交流電圧のゼロクロス点に基づいて、R相の交流電圧のゼロクロスタイミングを特定する。位相特定部801は、特定したR相の交流電圧のゼロクロスタイミングを+120度の位相に相当するタイミングの分(+3分の1周期分)だけずらしたタイミングをS相の交流電圧のゼロクロスタイミングと特定する。また、位相特定部801は、特定したS相の交流電圧のゼロクロスタイミングを+120度の位相に相当するタイミングの分だけずらしたタイミングをT相の交流電圧のゼロクロスタイミングと特定する。
また、例えば、線間電圧を用いてゼロクロス点を検出する場合、位相特定部801が備えるゼロクロス検出回路は、R−S電圧のゼロクロス点を検出する。位相特定部801は、ゼロクロス検出回路が検出したR−S電圧のゼロクロス点に基づいて、R−S電圧のゼロクロスタイミングを特定する。位相特定部801は、特定したR−S電圧のゼロクロスタイミングを+120度の位相に相当するタイミングの分(+3分の1周期分)だけずらしたタイミングをS−T電圧のゼロクロスタイミングと特定する。また、位相特定部801は、特定したS−T電圧のゼロクロスタイミングを+120度の位相に相当するタイミングの分だけずらしたタイミングをT−R電圧のゼロクロスタイミングと特定する。
なお、位相特定部801が備えるゼロクロス検出回路は、三相交流電圧の1相のゼロクロス点(相電圧を用いてゼロクロス点を検出する場合にはR相の交流電圧のゼロクロス点、線間電圧を用いてゼロクロス点を検出する場合にはR−S電圧のゼロクロス点)を検出するものに限定するものではない。例えば、ゼロクロス検出回路は、三相交流電圧の2相のゼロクロス点を検出するものであってもよい。また、ゼロクロス検出回路は、三相交流電圧の3相のゼロクロス点を検出するものであってもよい。なお、ゼロクロス検出回路がゼロクロス点を検出するために用いる交流電圧の数が多い程、ノイズや検出誤差による位相検出結果への影響を低減することができる。
電圧特定部802は、位相特定部801が特定した複数の交流電圧の1周期において直近の2つのゼロクロスタイミングによって示される各期間(複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔)において、複数の交流電圧の整流後の電圧を特定する。例えば、電圧特定部802は、整流回路201の両端に生じる複数の交流電圧のそれぞれに対応する整流後の電圧を特定する。なお、電圧特定部802は、自機能部が整流後の電圧を検出し、特定するものであってもよいし、他の装置が検出した整流後の電圧を特定するものであってもよい。
電圧特定部802は、特定した電圧に基づいて、複数の交流電圧の1周期全体の平均電圧(以下、全体平均電圧)と、複数の交流電圧の1周期において直近の2つのゼロクロスタイミングによって示される各期間の平均電圧(以下、期間平均電圧)とを特定する。
電圧特定部802は、全体平均電圧Vavと、期間平均電圧のそれぞれとを補正値生成部803に出力する。
補正値生成部803は、電圧特定部802から入力した全体平均電圧Vavと、期間平均電圧のそれぞれとに基づいて、不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値を生成する。補正値生成部803は、生成した補正値を昇圧回路制御部804に出力する。
昇圧回路制御部804は、昇圧回路電圧指令部60から入力した電圧指令v1と、直流電圧検出部70から入力した直流電圧検出値v2とから、整流電圧を昇圧する昇圧回路202における平衡状態を想定したスイッチング素子204のオン状態の時間とオフ状態の時間との比を示すPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成する。そして、昇圧回路制御部804は、生成したPWM信号と、補正値生成部803が生成した不平衡電圧の補正値とに基づいて、昇圧回路202におけるスイッチング素子204のオン状態の時間とオフ状態の時間とを制御する。
次に、本実施形態による昇圧回路制御部804について詳細に説明する。
昇圧回路制御部804は、図2に示すように、偏差算出部805と、積分制御部806と、PWM信号生成部807と、デューティ指令電圧補正部808と、を備える。
昇圧回路制御部804が備える偏差算出部805は、昇圧回路電圧指令部60から電圧指令v1を入力する。また、偏差算出部805は、直流電圧検出部70から直流電圧検出値v2を入力する。偏差算出部805は、入力した電圧指令v1から直流電圧検出値v2を減じて偏差を算出する。そして、偏差算出部805は、算出した偏差を積分制御部806に出力する。
積分制御部806は、偏差算出部805から偏差を入力すると、入力した偏差に応じた平衡状態を想定したデューティ指令電圧d1を生成する。そして、積分制御部806は、生成したデューティ指令電圧d1をデューティ指令電圧補正部808に出力する。
デューティ指令電圧補正部808は、積分制御部806からデューティ指令電圧d1を入力する。また、デューティ指令電圧補正部808は、補正値生成部803から補正値h1を入力する。デューティ指令電圧補正部808は、積分制御部806から入力したデューティ指令電圧d1と、補正値生成部803から入力した補正値h1とを乗算した補正デューティ指令電圧dh1を生成する。そして、デューティ指令電圧補正部808は、生成した補正デューティ指令電圧dh1をPWM信号生成部807に出力する。
PWM信号生成部807は、交流電源10の周期に比べ数十倍から数百倍程度の周期を有する三角波電圧を常時生成している。PWM信号生成部807は、デューティ指令電圧補正部808から補正デューティ指令電圧dh1を入力すると、入力した補正デューティ指令電圧dh1と三角波電圧とを比較する。そして、PWM信号生成部807は、補正デューティ指令電圧dh1が三角波電圧よりも低い期間にLow電圧となり、補正デューティ指令電圧dh1が三角波電圧よりも高い期間にHigh電圧となるPWM信号を生成する。PWM信号生成部807は、生成したPWM信号を昇圧回路202が備えるスイッチング素子204に出力する。
次に、本実施形態による整流回路201が行う交流電圧の全波整流について説明する。
図3に示す三相(R相、S相、T相)交流電圧が平衡状態の場合の電圧及び電流のシミュレーションのシミュレーション条件は、三相交流電圧の周波数が50ヘルツである。また、シミュレーション条件は、三相交流電圧の振幅が380ボルトである。
図3(A)は、三相交流電圧の整流後の線間電圧VR(R−S電圧、S−T電圧、T−R電圧)のシミュレーション波形である。横軸は時間を示している。また、縦軸は電圧を示している。
R−S電圧、S−T電圧、T−R電圧のそれぞれのシミュレーション波形は、位相が互いに120度ずつずれている。また、三相交流電圧が平衡状態であるため、R−S電圧、S−T電圧、T−R電圧のそれぞれのシミュレーション波形は、振幅が同一である。
図3(B)は、三相交流電圧のR相、S相、T相のそれぞれに対応する電流Iのシミュレーション波形である。横軸は時間を示している。また、縦軸は電流を示している。
R相、S相、T相のそれぞれに対応する電流は、三相交流電圧が平衡状態であるため、位相が互いに120度ずつずれているが、それぞれの電流波形はほぼ同一である。
図4に示す三相交流電圧が不平衡状態の場合の電圧及び電流のシミュレーションのシミュレーション条件は、三相交流電圧の周波数を50ヘルツである。また、シミュレーション条件は、三相交流電圧の振幅を380ボルトである。なお、電圧及び電流のシミュレーション条件において、不平衡率として3パーセントのばらつきを持たせている。具体的には、S相とT相の交流電圧の振幅は、R相の交流電圧の振幅に比べて3パーセント大きくしている。
図4(A)は、不平衡状態における三相交流電圧の整流後の線間電圧(R−S電圧、S−T電圧、T−R電圧)のシミュレーション波形である。横軸は時間を示している。また、縦軸は電圧を示している。
R−S電圧、S−T電圧、T−R電圧のそれぞれのシミュレーション波形は、位相が互いに120度ずつずれている。また、三相交流電圧が不平衡率3パーセントの不平衡状態であるため、S−T電圧のシミュレーション波形は、R−S電圧、T−R電圧のそれぞれのシミュレーション波形に比べて、振幅が大きくなっている。
図4(B)は、三相交流電圧のR相、S相、T相のそれぞれに対応する電流のシミュレーション波形である。横軸は時間を示している。また、縦軸は電流を示している。
三相交流電圧が不平衡状態であるため、R相、S相、T相のそれぞれに対応する電流の波形は、三相交流電圧が平衡状態である場合とは異なり、互いに異なる電流波形となっている。
ここで、図4に示すように、期間1〜期間6に分け、図4(B)に注目する。
期間1と期間4は、図4(B)に示すように、三相交流電圧のT相に対応する電流が流れず、S相とR相に対応する電流が流れる期間である。
また、期間2と期間5は、図4(B)に示すように、三相交流電圧のS相に対応する電流が流れず、T相とR相に対応する電流も比較的少ない期間である。
また、期間3と期間6は、図4(B)に示すように、三相交流電圧のR相に対応する電流が流れず、T相とS相に対応する電流が流れる期間である。
したがって、図4に示す不平衡状態の場合、三相交流電圧のS相に対応する電流は、R相とT相に対応する電流よりも大きな電流が流れる。
本発明の実施形態による不平衡補正装置80は、図4に示すような三相交流電圧が不平衡状態にある場合にR相、S相、T相のそれぞれに対応する電流が図3で示した平衡状態の電流となるように制御するものである。
次に、本実施形態による電力制御装置1が行う処理について説明する。
なお、ここでは、図1で示した電力制御装置1を例に処理について説明する。
まず、電力制御装置1が三相交流電圧を整流して直流電圧を生成し、生成した直流電圧からモータ40を駆動する交流電圧を生成する通常状態の処理について説明する。
図5に示す本実施形態による電力制御装置1の通常状態の処理フローについて以下で説明する。
電力制御装置1が備える交流電源10は、互いに位相が120度ずつずれた三相(R相、S相、T相)交流電圧をAC−DCコンバータ20に出力する。
交流電源10は、三相交流電圧をAC−DCコンバータ20に出力する。すると、AC−DCコンバータ20が備える整流回路201は、交流電源10から三相交流電圧を入力する(ステップS1)。より具体的には、例えば、整流回路201は、図1に示すように、ダイオードD1のアノードとダイオードD2のカソードとの接続ノードからR相の交流電圧を入力する。また、整流回路201は、ダイオードD3のアノードとダイオードD4のカソードとの接続ノードからS相の交流電圧を入力する。また、整流回路201は、ダイオードD5のアノードとダイオードD6のカソードとの接続ノードからT相の交流電圧を入力する。
そして、整流回路201は、入力した三相交流電圧を全波整流する(ステップS2)。整流回路201は、整流後の電圧を昇圧回路202に出力する。
昇圧回路202は、スイッチング素子204がオン状態にある間にリアクトル205が蓄積したエネルギをスイッチング素子204がオフ状態にある間にダイオード206を介してキャパシタ203に放出することで、整流後の電圧を平滑化する(ステップS3)。そして、AC−DCコンバータ20は、平滑化後の直流電圧をインバータ30に出力する。
すると、インバータ30は、AC−DCコンバータ20から入力した直流電圧からモータ40を駆動するための交流電圧を生成する(ステップS4)。インバータ30は、生成した交流電圧をモータ40に出力する。
すると、モータ40は、インバータ30から入力した交流電圧に応じて動作する(ステップS5)。
以上、電力制御装置1が通常状態である場合の処理について説明した。電力制御装置1は、通常状態では上述のような処理を行うことでモータ40を動作させる。
次に、電力制御装置1が通常状態の処理と並行に行う不平衡を補正する処理について説明する。
図6に示す本実施形態による電力制御装置1の不平衡を補正する処理フローについて以下で説明する。
交流電源10は、三相交流電圧をAC−DCコンバータ20に出力する。すると、AC−DCコンバータ20が備える位相特定部801は、交流電源10から三相交流電圧を入力する。そして、位相特定部801は、入力した三相交流電圧のR相、S相、T相のそれぞれの電圧の位相を特定する(ステップS11)。
位相特定部801は、特定した三相交流電圧のR相、S相、T相のそれぞれの電圧の位相を電圧特定部802に出力する。例えば、位相特定部801は、図3について説明した、三相交流電圧のR相、S相、T相のそれぞれの電圧の位相を示す特定線間電圧(R−S電圧、S−T電圧、T−R電圧)のそれぞれのゼロクロスタイミングを電圧特定部802に出力する。
すると、電圧特定部802は、位相特定部801からゼロクロスタイミングを入力し、ゼロクロスタイミングによって示される各期間において、複数の交流電圧の整流後の電圧VRを特定する(ステップS12)。電圧特定部802は、例えば、図7(A)に示すように、整流回路201の両端に生じる複数の交流電圧のそれぞれに対応する整流後の電圧VR(Vac1〜Vac6)を算出し、特定する。
電圧特定部802は、特定した電圧VRに基づいて、複数の交流電圧の1周期全体の平均電圧である全体平均電圧Vavと、複数の交流電圧の1周期Tにおいて直近の2つのゼロクロスタイミングによって示される各期間の平均電圧である期間平均電圧Vav1〜Vav6とを特定する(ステップS13)。例えば、交流電源10が出力する三相交流電圧がRS線間電圧200ボルト、ST線間電圧200ボルト、TR線間電圧210ボルトの不平衡電圧にある場合に、電圧特定部802は、図7(A)に示すように、整流後の電圧VRを特定し、全体平均電圧Vavを272.686ボルトと算出し、特定する。また、電圧特定部802は、図7(A)に示すように、期間平均電圧Vav1を268.117ボルト、期間平均電圧Vav2を268.874ボルト、期間平均電圧Vav3を281.074ボルト、期間平均電圧Vav4を268.119ボルト、期間平均電圧Vav5を268.869ボルト、期間平均電圧Vav6を281.076ボルトと算出し、特定する。なお、以降の説明において使用する数値例は、ここで示した不平衡状態に対応する数値例である。なお、期間平均電圧Vav1は、図3で示した「1.(R,S)」の期間の平均電圧である。また、期間平均電圧Vav2は、「2.(R,T)」の期間の平均電圧である。また、期間平均電圧Vav3は、「3.(S,T)」の期間の平均電圧である。また、期間平均電圧Vav4は、「4.(S,R)」の期間の平均電圧である。また、期間平均電圧Vav5は、「5.(T,R)」の期間の平均電圧である。また、期間平均電圧Vav6は、「6.(T,S)」の期間の平均電圧である。また、全体平均電圧Vavは、「1.(R,S)〜6.(T,S)」の全期間の平均電圧である。
そして、電圧特定部802は、特定した全体平均電圧Vavと、期間平均電圧Vav1〜Vav6のそれぞれとを補正値生成部803に出力する。
補正値生成部803は、電圧特定部802から全体平均電圧Vavと、期間平均電圧Vav1〜Vav6のそれぞれとを入力すると、全体平均電圧Vavと、期間平均電圧Vav1〜Vav6のそれぞれとに基づいて、複数の交流電圧の1周期Tにおいて直近の2つのゼロクロスタイミングによって示される各期間に対して、不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値h1を生成する(ステップS14)。例えば、交流電源10が出力する三相交流電圧がRS線間電圧200ボルト、ST線間電圧200ボルト、TR線間電圧210ボルトの不平衡電圧にあり、昇圧回路電圧指令部60が不平衡補正装置80に出力する電圧指令v1が356ボルトである場合、補正値生成部803は、次のように補正値h1を生成する。
まず、補正値生成部803は、「1.(R,S)〜6.(T,S)」の各期間に対して制御値(D1〜D6)を算出する。理想的な昇圧回路の場合、一般的に制御値(DUTY)は、入力電圧(Vav)と出力電圧(Vdc)から1−Vav/Vdcと計算することができる。そのため、「1.(R,S)〜6.(T,S)」の各期間に対する制御値は、1−期間平均電圧÷電圧指令v1と算出することができる。具体的には、補正値生成部803は、「1.(R,S)」の期間に対して、制御値D1=1−Vav1÷電圧指令v1=1−268.117ボルト÷356ボルト=0.24686236と算出する。また、補正値生成部803は、「2.(R,T)」の期間に対して、制御値D2=1−Vav2÷電圧指令v1=1−268.874ボルト÷356ボルト=0.24473595と算出する。また、補正値生成部803は、「3.(S,T)」の期間に対して、制御値D3=1−Vav3÷電圧指令v1=1−281.074ボルト÷356ボルト=0.21046629と算出する。また、補正値生成部803は、「4.(S,R)」の期間に対して、制御値D4=1−Vav4÷電圧指令v1=1−268.119ボルト÷356ボルト=0.24685674と算出する。また、補正値生成部803は、「5.(T,R)」の期間に対して、制御値D5=1−Vav5÷電圧指令v1=1−268.869ボルト÷356ボルト=0.24475000と算出する。また、補正値生成部803は、「6.(T,S)」の期間に対して、制御値D6=1−Vav6÷電圧指令v1=1−281.076ボルト÷356ボルト=0.21046067と算出する。
次に、補正値生成部803は、1周期全体に対する制御値Dを算出する。具体的には、補正値生成部803は、制御値D=1−Vav÷電圧指令v1=1−272.686ボルト÷356ボルト=0.23402809と算出する。
次に、補正値生成部803は、補正値h1を「1.(R,S)〜6.(T,S)」の各期間に対して生成する。「1.(R,S)〜6.(T,S)」の各期間に対して補正値は、各期間に対する制御値÷1周期全体に対する制御値と算出することができる。具体的には、補正値生成部803は、「1.(R,S)」の期間に対して、補正値H1=D1÷D=1.05472436と算出し、生成する。また、補正値生成部803は、「2.(R,T)」の期間に対して、補正値H2=D2÷D=1.04563925と算出し、生成する。また、補正値生成部803は、「3.(S,T)」の期間に対して、補正値H3=D3÷D=0.89922143と算出し、生成する。また、補正値生成部803は、「4.(S,R)」の期間に対して、補正値H4=D4÷D=1.05470036と算出し、生成する。また、補正値生成部803は、「5.(T,R)」の期間に対して、補正値H5=D5÷D=1.045699266と算出し、生成する。また、補正値生成部803は、「6.(T,S)」の期間に対して、補正値H6=D6÷D=0.89919743と算出し、生成する(図7(B)参照)。
以上のように、補正値生成部803は、補正値h1を生成する。
そして、補正値生成部803は、生成した補正値h1を昇圧回路制御部804に出力する。
昇圧回路制御部804が備える偏差算出部805は、通常状態において昇圧回路電圧指令部60から電圧指令v1を所定のタイミングで入力している。また、偏差算出部805は、通常状態において直流電圧検出部70から直流電圧検出値v2を電圧指令v1と同様の所定のタイミングで入力している。偏差算出部805は、入力した電圧指令v1から直流電圧検出値v2を減じて偏差を算出する(ステップS15)。そして、偏差算出部805は、算出した偏差を積分制御部806に出力する。
積分制御部806は、偏差算出部805から偏差を入力すると、入力した偏差に応じたデューティ指令電圧d1(図7(C)参照)を生成する(ステップS16)。そして、積分制御部806は、生成したデューティ指令電圧d1をデューティ指令電圧補正部808に出力する。
デューティ指令電圧補正部808は、積分制御部806からデューティ指令電圧d1を入力する。また、デューティ指令電圧補正部808は、補正値生成部803から補正値h1を入力する。デューティ指令電圧補正部808は、積分制御部806から入力したデューティ指令電圧d1と、補正値生成部803から入力した補正値h1とを乗算した補正デューティ指令電圧dh1(図7(D)参照)を生成する(ステップS17)。なお、デューティ指令電圧補正部808が積分制御部806からデューティ指令電圧d1を入力するタイミングは、補正値生成部803から補正値h1を入力するタイミングと同一である。また、デューティ指令電圧補正部808が補正値生成部803から入力する補正値h1は、同一タイミングに積分制御部806から入力したデューティ指令電圧d1に対して算出された補正値である。そして、デューティ指令電圧補正部808は、生成した補正デューティ指令電圧dh1をPWM信号生成部807に出力する。
PWM信号生成部807は、交流電源10の周期に比べ数十倍から数百倍程度の周期を有する三角波電圧を常時生成している。PWM信号生成部807は、デューティ指令電圧補正部808から補正デューティ指令電圧dh1を入力すると、入力した補正デューティ指令電圧dh1と三角波電圧とを比較する。そして、PWM信号生成部807は、補正デューティ指令電圧dh1が三角波電圧よりも低い期間にLow電圧となり、補正デューティ指令電圧dh1が三角波電圧よりも高い期間にHigh電圧となるPWM信号を生成する(ステップS18)。PWM信号生成部807は、生成したPWM信号を昇圧回路202が備えるスイッチング素子204に出力する。
スイッチング素子204は、PWM信号生成部807からPWM信号を入力し、入力したPWM信号に基づいて、オン状態またはオフ状態となる。そして、昇圧回路202は、インバータ30がモータ40を駆動する交流電圧を生成するのに適した直流電圧をインバータ30に出力する(ステップS19)。
なお、上述の実施形態による電力制御装置1の処理は、電力制御装置1の動作中に常時行われている。
次に、三相交流電圧が不平衡状態にあるときに、本実施形態による電力制御装置1が不平衡を補正する処理を行った場合のR相、S相、T相のそれぞれに対応する電流を示す。
三相交流電圧が図4で示した電圧と同様の不平衡状態にあるときに電力制御装置1が図6で示した処理を行うことで、図8に示すように、電力制御装置1において、R相、S相、T相のそれぞれに対応する電流が三相交流電圧が平衡状態にあるときと同様の電流となる。したがって、電力制御装置1に電力を供給する交流電源10における複数の相のそれぞれの電圧が不平衡状態になった場合に、電力制御装置1を保護することができる。
以上、本発明の一実施形態による電力制御装置1の処理フローについて説明した。上述の電力制御装置1の処理において、三相交流電圧が不平衡状態にあるときに、位相特定部801は、入力した三相交流電圧のR相、S相、T相のそれぞれの電圧の位相を特定する。電圧特定部802は、位相特定部801からゼロクロスタイミングを入力すると、ゼロクロスタイミングによって示される各期間において、複数の交流電圧の整流後の電圧を特定する。電圧特定部802は、特定した電圧に基づいて、複数の交流電圧の1周期全体の平均電圧(全体平均電圧)と、複数の交流電圧の1周期において直近の2つのゼロクロスタイミングによって示される各期間の平均電圧(期間平均電圧)とを特定する。補正値生成部803は、電圧特定部802から全体平均電圧Vavと、期間平均電圧のそれぞれとを入力すると、全体平均電圧Vavと、期間平均電圧のそれぞれとに基づいて、不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値h1を生成する。
このようにすれば、三相交流電圧が不平衡状態にあるときにその不平衡状態を容易に特定することができる。そして、PWM信号生成部807は、デューティ指令電圧補正部808が生成した補正デューティ指令電圧dh1に基づいてPWM信号を生成する。スイッチング素子204は、PWM信号生成部807が生成したPWM信号に基づいて、オン状態またはオフ状態となり、昇圧回路202は、インバータ30がモータ40を駆動するのに適した電圧を出力する。このとき、R相、S相、T相のそれぞれに対応する電流は、三相交流電圧が平衡状態にあるときと同様の電流となり、電力制御装置1を保護することができる。
また、インバータの制御は、キャリア周期毎(3kHz〜6kHz程度)の演算が必要なため、低コストの1個のCPUを利用してインバータ30の制御と昇圧回路202の制御の両方を演算する場合、コンバータの制御に割ける演算周期は、交流電源10の1周期(50Hz又は60Hz)程度になる。そこで、交流電源10の1周期中は、昇圧回路制御部804が生成するデューティ指令電圧d1は通常状態と同様に生成し、補正値生成部803が生成した補正値h1をデューティ指令電圧d1に乗算することにより補正したPWM信号を生成することで、演算の複雑さを低減している。
なお、PWM信号を補正する方法は、上述の方法に限定するものではない。例えば、図9に示すように、昇圧回路制御部804aにおいて、積分制御部806は、平衡状態を想定したデューティ指令電圧d1を生成する。PWM信号生成部807は、積分制御部806が生成したデューティ指令電圧d1に基づいて平衡状態を想定したPWM信号を生成する。PWM補正部809は、補正値生成部803が生成したPWMの補正値とPWM信号生成部807が生成した平衡状態を想定したPWM信号とに基づいて、補正したPWM信号を生成するものであってもよい。
このようにすれば、三相交流電圧が不平衡状態にあるときにその不平衡状態を容易に特定することができる。
また、インバータの制御は、キャリア周期毎(3kHz〜6kHz程度)の演算が必要なため、低コストの1個のCPUを利用してインバータ30の制御と昇圧回路202の制御の両方を演算する場合、コンバータの制御に割ける演算周期は、交流電源10の1周期(50Hz又は60Hz)程度になる。そこで、交流電源10の1周期中は、昇圧回路制御部804が生成するPWM信号は通常状態と同様に生成し、補正値生成部803が生成した補正値とPWM信号とに基づいて補正したPWM信号を生成することで、演算の複雑さを低減している。
なお、本発明の実施形態によるAC−DCコンバータ20の後段は、インバータ30とそれに接続されたモータ40であるものとして説明したが、AC−DCコンバータ20の後段はそれに限定するものではない。例えば、AC−DCコンバータ20の後段は、抵抗やDC−DCコンバータなど、インバータ30とそれに接続されたモータ40以外の負荷であってもよい。
また、本発明の実施形態による電力制御装置1の処理フローは、三相交流電圧についての処理を例に説明したが、それに限定するものではない。例えば、電力制御装置1の処理フローは、二相交流電圧や四相以上の交流電圧についての処理であってもよい。ただし、電力制御装置1が二相交流電圧や四相以上の交流電圧についての処理を行う場合、各電圧の位相差は、三相交流電圧の位相差120度とは異なる。
なお、本発明の一実施形態における処理フローは、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
なお、本発明の実施形態について説明したが、上述の電力制御装置1が備える不平衡補正装置80は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。
1・・・電力制御装置
10・・・交流電源
20・・・AC−DCコンバータ
30・・・インバータ
40・・・モータ
50・・・インバータ制御部
60・・・昇圧回路電圧指令部
70・・・直流電圧検出部
80・・・不平衡補正装置
201・・・整流回路
202・・・昇圧回路
203・・・キャパシタ
204・・・スイッチング素子
205・・・リアクトル
206、D1、D2、D3、D4、D5、D6・・・ダイオード
801・・・位相特定部
802・・・電圧特定部
803・・・補正値生成部
804・・・昇圧回路制御部
805・・・偏差算出部
806・・・積分制御部乗算部
807・・・PWM信号生成部
808・・・デューティ指令電圧補正部
809・・・PWM補正部

Claims (4)

  1. 電源から出力される複数の交流電圧それぞれの位相を特定する位相特定部と、
    前記位相特定部が特定した前記複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔において、前記電源から出力される前記複数の交流電圧の整流後の整流電圧を特定する電圧特定部と、
    前記電圧特定部が特定した前記整流電圧に基づいて不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値を生成する補正値生成部と、
    前記整流電圧を昇圧する昇圧回路における平衡状態を想定したスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間との比と、前記補正値生成部が生成した前記補正値とに基づいて、前記昇圧回路におけるスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間とを制御する昇圧回路制御部と、
    を備える不平衡補正装置。
  2. 前記補正値生成部は、
    前記位相特定部が特定した前記複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔において、前記電圧特定部が特定した前記整流電圧に基づいて前記補正値を生成する、
    請求項に記載の不平衡補正装置。
  3. 位相特定部は、電源から出力される複数の交流電圧それぞれの位相を特定し、
    電圧特定部は、前記位相特定部が特定した前記複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔において、前記電源から出力される前記複数の交流電圧の整流後の整流電圧を特定し、
    補正値生成部は、前記電圧特定部が特定した前記整流電圧に基づいて不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値を生成し、
    昇圧回路制御部は、前記整流電圧を昇圧する昇圧回路における平衡状態を想定したスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間との比と、前記補正値とに基づいて、前記昇圧回路におけるスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間とを制御する、不平衡補正方法。
  4. コンピュータを、
    電源から出力される複数の交流電圧それぞれの位相を特定する位相特定手段、
    前記位相特定手段が特定した前記複数の交流電圧それぞれの位相に基づいて決定した時間間隔において、前記電源から出力される前記複数の交流電圧の整流後の整流電圧を特定する電圧特定手段、
    前記電圧特定手段が特定した前記整流電圧に基づいて不平衡電圧に対応する電流を補正する補正値を生成する補正値生成手段、
    前記整流電圧を昇圧する昇圧回路における平衡状態を想定したスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間との比と、前記補正値生成手段が生成した前記補正値とに基づいて、前記昇圧回路におけるスイッチング素子のオン状態の時間とオフ状態の時間とを制御する昇圧回路制御手段、
    として機能させるプログラム。
JP2014245158A 2014-12-03 2014-12-03 不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラム Active JP6358508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014245158A JP6358508B2 (ja) 2014-12-03 2014-12-03 不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014245158A JP6358508B2 (ja) 2014-12-03 2014-12-03 不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016111764A JP2016111764A (ja) 2016-06-20
JP6358508B2 true JP6358508B2 (ja) 2018-07-18

Family

ID=56125091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014245158A Active JP6358508B2 (ja) 2014-12-03 2014-12-03 不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6358508B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018216158A1 (ja) * 2017-05-25 2018-11-29 三菱電機株式会社 電力変換装置
JP7226234B2 (ja) * 2019-10-11 2023-02-21 株式会社明電舎 チョッパ回路の制御装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08105921A (ja) * 1994-10-07 1996-04-23 Meidensha Corp 交流電圧検出回路
JP2010187521A (ja) * 2009-01-16 2010-08-26 Mitsubishi Electric Corp モーター駆動制御装置、圧縮機、送風機、空気調和機及び冷蔵庫又は冷凍庫
JP5984470B2 (ja) * 2012-04-11 2016-09-06 三菱電機株式会社 電力変換装置、圧縮機、送風機、空気調和装置、及び冷蔵庫
JP5717838B2 (ja) * 2013-12-26 2015-05-13 三菱電機株式会社 電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016111764A (ja) 2016-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6497553B2 (ja) 交流−直流変換装置
US9748865B2 (en) Power conversion device and three-phase alternating current power supply device
US10498257B2 (en) Switching power converters controlled with control signals having variable on-times
WO2016158805A1 (ja) 3相/単相マトリクスコンバータ
US11218107B2 (en) Control device for power converter
JP4889674B2 (ja) 交流直流変換装置および圧縮機駆動装置並びに空気調和機
JP2015159687A (ja) 電力変換器
JP2014197945A (ja) 電力変換装置およびそれを備えたモータ駆動装置
JP6358508B2 (ja) 不平衡補正装置、不平衡補正方法及びプログラム
JP6543872B2 (ja) 制御装置、制御方法及びプログラム
KR101915991B1 (ko) 전력 변환 장치 및 이를 포함하는 공기 조화기
JP6361539B2 (ja) 変換装置
JP6501942B2 (ja) 電力変換装置、設備機器、及び設備機器システム
JP6840896B2 (ja) 電力変換装置
JP5950970B2 (ja) 電力変換装置
KR20180085999A (ko) 고조파 제어 전원 장치, 이를 포함하는 공기 조화기 및 고조파 제어 방법
JP6532099B2 (ja) 電流推定回路、ac−dcコンバータ、電力制御装置、電流推定方法及びプログラム
JP6522227B2 (ja) コンバータ回路、インバータ回路および空気調和機の電力変換装置
JP5157826B2 (ja) 三相電力変換装置
CN111641333A (zh) 多载波周期pfc控制方法
KR102160049B1 (ko) 전력 변환 장치 및 이를 포함하는 공기 조화기
JP7136613B2 (ja) コンバータ装置、制御切り替え方法及びプログラム
JP2008211896A (ja) 三相フィルタ装置
JP6591374B2 (ja) 励磁装置
WO2020012802A1 (ja) コンバータ装置、制御信号特定方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180522

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6358508

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350