JP2011097349A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿載置台上に定型サイズより小さいサイズの原稿が複数枚間隔を空けて並べられた場合でも原稿の画像領域とそれ以外の領域とを正確に区別できる技術を提供する。
【解決手段】原稿給送部が開姿勢時の読取動作で得られた画像の各画素のうち、各黒画素について、当該黒画素を含む主走査方向及び副走査方向の両画素列に白画素が存在しないかを判断し、前記白画素が存在しないとき当該黒画素を白画素に変換する第1変換処理部と、この処理後に黒画素による黒べた領域と白画素に変換されてなる白べた領域とが主走査方向及び副走査方向に並んで形成されたとき前記両領域の境界を通る直線で囲まれる画像領域のうち第1変換処理部の処理前の白画素を含む第1有効領域を抽出する第1抽出処理部とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機や複合機などの画像形成装置の技術分野に属する。
複写機や複合機においては、定型サイズの原稿だけでなく、身分証明書や葉書など定型サイズより小さいサイズの原稿が複写対象となり得る。したがって、複写機等には、このような原稿が複写対象として設定された場合であっても、原稿の領域とそれ以外の領域とを正確に区別する能力が要求される。
下記特許文献1には、天板を開けた状態で原稿をスキャンするスカイショットを行う場合に原稿領域とそれ以外の領域とを区別するために、原稿領域の左上点と右下点とを対角とする矩形で囲まれる領域を原稿領域として検出する技術が記載されている。
一方、下記特許文献2には、カラー画像情報から色差情報を抽出し、この抽出された色差情報から色差情報の勾配が高い部分(色相の変化が大きい部分)を色差エッジとして検出し、該色差エッジにおける色差強調量を算出し、該色差強調量を用いて前記カラー画像データをエッジ強調する技術が開示されている。
下記特許文献3には、処理対象の画像データから該画像のエッジ部分をぼかしたぼけ画像の画像データを作成し、このぼけ画像と元の画像との差分を求めることによりエッジ部分などの変化の大きな部分を抽出し、その変化の大きな部分について該変化を強調するような処理を行う技術が開示されている。
特開2002−252747号公報 特開2000−278542号公報 特開2005−117462号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、複写機や複合機の原稿載置台上に、身分証明書や葉書など定型サイズより小さいサイズの原稿が複数枚間隔を空けて並べられた状態でスカイショットが行われた場合に、原稿間のスペースも原稿の一部として認識され、用紙の前記スペースに対応する領域に黒色の画像が形成されることとなる。
また、特許文献2,3の技術を、スカイショットを行う場合の画像処理について適用したとしても、前記原稿載置台上に身分証明書など定型サイズより小さいサイズの原稿が複数枚間隔を空けて並べられた状態でスカイショットが行われた場合の前記問題点を解決することはできない。
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、複写機や複合機のコンタクトガラス上に、身分証明書や葉書など定型サイズより小さいサイズの原稿が複数枚間隔を空けて並べられた状態で複写指示が行われた場合であっても、原稿の画像の領域とそれ以外の領域とを正確に区別して、原稿の領域を示すアウトラインを正確に付加することのできる技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、原稿載置台に載置された原稿に光を照射し、その反射光を受光することで前記原稿の画像を読み取る原稿読取部と、前記原稿載置台に対して開閉可能に構成され、閉姿勢のときに前記原稿読取部から出力された光を該原稿読取部に向けて反射する反射板と、前記反射板が開姿勢のときの前記原稿読取部の読取動作で得られた画像の各画素を、予め定められた基準濃度より濃度が濃い黒画素と、原稿の画像を構成する前記基準濃度より薄い白画素とに区分し、前記各黒画素について、当該黒画素を含む主走査方向の画素列と副走査方向の画素列との両方に前記白画素が存在しないか否かを判断し、前記白画素が存在しないとき、当該黒画素を前記白画素に変換する第1変換処理を行うことで第1変換画像を生成する第1変換処理部と、前記第1変換処理により生成された第1変換画像において、前記黒画素による黒べた領域と前記白画素に変換されてなる白べた領域とが主走査方向及び副走査方向において並んで形成されたとき、前記黒べた領域と前記白べた領域との境界を通る直線により囲まれる画像領域であって、且つ、前記第1変換処理部による第1変換処理前の白画素を含む領域を、第1有効領域として抽出する第1抽出処理を行う第1抽出処理部と、前記第1有効領域内の各画素からなる画像を画像形成部に出力する画像形成制御部とを備える画像形成装置である。
この発明によれば、複写機や複合機の原稿載置台上に、身分証明書や葉書など定型サイズより小さいサイズの原稿が複数枚間隔を空けて並べられた状態で複写指示が行われた場合であっても、原稿間のスペースを原稿の画像領域と誤認識されるのを回避することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1抽出処理により抽出された前記第1有効領域の角部に前記黒画素が存在するとき、その黒画素を前記第1有効領域から排除した領域を第2有効領域として抽出する第2抽出処理を行う第2抽出処理部と、前記第2有効領域外の画素を前記白画素に変換する第2変換処理を行う第2変換処理部とを更に備え、前記画像形成制御部は、前記第2変換処理後の各画素からなる画像を画像形成部に出力するものである。
この発明によれば、角が丸められた複数枚の原稿が間隔を空けて並べられた状態で複写指示が行われた場合や、原稿が原稿載置台に対してまっすぐに載置されていない場合であっても、原稿の画像領域とそれ以外の領域とを正しく区別して認識することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記第2抽出処理部は、前記第2抽出処理として、前記第1有効領域の画素を、主走査方向及び副走査方向のうち一方向に延びる画素列単位で区分し、この複数の画素列について、主走査方向及び副走査方向のうち他方向における一端側に位置する画素列から順に、当該画素列が当該画素列の端部に前記黒画素を有する画素列であるか否かを探索していき、当該画素列が当該画素列の端部に前記黒画素を1又は複数有する画素列である場合にはその黒画素からなる黒画素領域の内側に隣接する当該画素列内の白画素を特定白画素として抽出し、当該画素列の端部に前記黒画素を有さない画素列を検出すると前記探索を停止する処理と、該処理の後に、前記複数の画素列について、主走査方向及び副走査方向のうち他方向における他端側に位置する画素列から順に、当該画素列が当該画素列の端部に前記黒画素を有する画素列であるか否かを探索していき、当該画素列が当該画素列の端部に前記黒画素を1又は複数有する画素列である場合にはその黒画素からなる黒画素領域の内側に隣接する当該画素列内の白画素を特定白画素として抽出し、当該画素列の端部に前記黒画素を有さない画素列を検出すると前記探索を停止する処理と、それぞれ抽出された特定白画素を、当該特定白画素に隣接する前記黒画素領域に対応する前記第1有効領域の角部の位置ごとにグループ化して、前記主走査方向に並ぶ一対のグループの組み合わせと前記副走査方向に並ぶ一対のグループの組み合わせとを設定し、各組み合わせにおいて、当該組み合わせを構成する一方のグループにおける各特定白画素と他方のグループにおける各特定白画素との組み合わせに着目した場合に、この特定白画素の組み合わせのうち、離間距離が最短となる特定白画素の組み合わせを抽出する処理と、当該組み合わせに対応する一対の特定白画素同士を直線で結ぶとともに、各グループ内において、各特定白画素と当該特定白画素に最も近接する特定白画素とを直線で結んだ場合に、これらの直線で囲まれる領域を前記第2有効領域として抽出する処理とを実行するものである。
この発明によれば、前記原稿が矩形状(長方形状)でない場合であっても、該原稿の画像領域を正確に検出することができる。また、端部に前記黒画素を有さない画素列を検出すると前記探索を停止するようにしたので、端部に前記黒画素を有さない画素列を検出しても前記探索を引き続き行う場合に比して、該探索を省略できる分、前記第2抽出処理部による前記第2抽出処理に要する時間を短縮化することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の画像形成装置において、前記第2有効領域内の白画素のうち最縁部に位置する白画素を含む予め定められたライン幅分の白画素を前記黒画素に変換することにより原稿の輪郭を示すアウトラインを付加する第3変換処理を行う第3変換処理部を更に備え、前記画像形成制御部は、前記第3変換処理後の各画素からなる画像を画像形成部に出力するものである。
この発明によれば、原稿の領域を示すアウトラインを正確に付加することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記反射板の開閉姿勢を検知する開閉検出部を更に備え、前記第3変換処理部は、前記開閉検出部により開姿勢が検出された状態で原稿の読取動作が指示されたときに、前記アウトラインを付加するか否かの入力を要求し、前記アウトラインを付加する旨の入力を受け付けたときに、前記アウトラインを付加する前記第3変換処理を行うものである。
この発明によれば、前記開閉検出部により開姿勢が検出された状態で原稿の読取動作が指示されたときに、前記アウトラインを付加するか否かの入力を要求するようにしたので、反射板を閉じ忘れているのか否か(意図的に開状態にしているのか否か)をユーザに確認させることができるとともに、アウトラインの要否をユーザに選択させることができる。
本発明によれば、複写機や複合機の原稿載置台上に定型サイズより小さいサイズの原稿が複数枚間隔を空けて並べられた状態でスカイショットが行われた場合であっても、原稿間のスペースを原稿の画像領域と誤認識されることなく、原稿の画像領域とそれ以外の領域とを正しく区別することができる。その結果、原稿の画像のみを用紙に形成することができるとともに、原稿の領域を示すアウトラインを正確に付加することができる。
本発明に係る画像形成装置の第1の実施形態である複合機の構成を示す図である。 複合機の電気的な構成を示すブロック図である。 原稿の形状の一例を示す図である。 2枚の原稿が原稿台上に一定の間隔を空けて載置された状態を示す図である。 本スキャン動作で得られた画像を示す図である。 従来の問題点の説明図である。 第1変換処理部による第1変換処理の説明図である。 第1変換処理を全ての画素について実施した結果を示す図である。 図8に示す2つの第1有効領域Et1のうち一方の第1有効領域Et1を示す拡大図である。 図9の矢印Aに示す部分の拡大図である。 第2抽出処理部による第2変換処理の説明図である。 原稿領域を示すアウトラインを形成する第3変換処理の説明図である。 制御部の各部による画像処理を示すフローチャートである。 確認画面を示す図である。 メッセージ画面を示す図である。 原稿台に載置された原稿の向きが原稿台に対してずれている場合の画像処理の説明図である。 原稿台に載置された原稿の向きが原稿台に対してずれている場合の画像処理の説明図である。
本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。図1は、画像形成装置の第1の実施形態である複合機の構成を示す図である。
図1に示す複合機1は、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部2の上部に配設された原稿読取部4と、原稿読取部4の上方に配設された原稿給送部5とを有している。
原稿読取部4は、ガラス等の透明部材により構成された原稿台6と、該原稿台6に載置された原稿に対して光を照射する照明部及びその反射光を受光するCCD(Charge Coupled Device)センサを備えるスキャナ部7と、原稿読取スリット8とを備える。スキャナ部7の前記照明部は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台6に載置された原稿を読み取るときは、原稿台6に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを後述する制御部32(図2参照)へ出力する。
また、原稿給送部5により給送された原稿を読み取るときは、スキャナ部7は原稿読取スリット8と対向する位置に移動され、原稿読取スリット8を介して原稿給送部5による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部32へ出力する。
原稿給送部5は、原稿を載置するための原稿載置部9と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部10と、原稿載置部9に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット8に対向する位置へ搬送し、原稿排出部10へ排出するための給紙ローラ(図略)、搬送ローラ(図略)等からなる原稿搬送機構11を備える。原稿搬送機構11は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット8と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿の両面の画像を、原稿読取スリット8を介してスキャナ部7を用いて読取可能にしている。
原稿給送部5は、その前面側が上方に移動可能となるように原稿読取部4に対して回動自在に設けられている。原稿給送部5の前面側を上方に移動させて原稿台6の上面を開放する(図4参照;以下、この原稿給送部5の姿勢を開姿勢という)ことにより、該原稿台6の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等を操作者が載置できるようになっている。
図4に示すように、原稿給送部5の下面には、反射板30が設置されている。反射板30は、原稿給送部5が閉じられたときに前記原稿読取部4から出力された光を該原稿読取部4に向けて反射する。
本体部2の上面適所には、原稿給送部5の開閉状態を検出するための開閉センサ31(図2,図4参照)が設置されている。開閉センサ31は、本体部2の上面から突出する突出位置と本体部2の上面と同一面まで退避する退避位置との間で移動可能なボタン部と、原稿給送部5が閉じられることにより、前記突出位置に向けて付勢されている前記ボタン部が前記退避位置まで移動したときに、該ボタン部によりオンされるスイッチとを備えてなり、該スイッチがオンされると、原稿給送部5が閉じられたことを示す閉信号が後述する制御部32に出力される。
図1に戻り、本体部2は、複数の給紙カセット12と、給紙カセット12から記録紙を1枚ずつ繰り出して後述の画像形成部14へ搬送する給紙ローラ13と、給紙カセット12から搬送されてきた記録紙に画像を形成する画像形成部14とを備える。
画像形成部14は、スキャナ部7等で取得された画像データに基づきレーザ等を出力して感光体ドラム15を露光して静電潜像を形成する光走査装置16と、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を顕像化して画像を形成する現像部17と、感光体ドラム15上に形成された画像を記録紙に転写する転写部18と、画像が転写された記録紙を加熱して該画像を記録紙に定着させる定着部19と、画像形成部14内の用紙搬送路上に設けられ、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ22まで搬送する搬送ローラ対20,21等とを備える。
記録紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部14で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ22側の搬送ローラ対20にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ対20を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部14の上流域に再度搬送し、画像形成部14により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ3又は排出トレイ22に排出する。
複合機1のフロント部には、操作部23が設けられている。操作部23には、ユーザが印刷実行指示を入力するためのスタートキー24と、印刷部数等を入力するためのテンキー25と、各種設定入力の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用のタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部26と、表示部26で設定された設定内容等をリセットするリセットキー27と、実行中の印刷(画像形成)動作を停止させるためのストップキー28と、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を切り換えるための機能切換キー29とが備えられている。
図2は、複合機1の電気的な構成を示すブロック図である。なお、図1に示す構成と同一の構成については同一の番号を付してその説明を省略する。
図2に示すように、複合機1は、前述した原稿読取部4、原稿給送部5、原稿搬送機構11、画像形成部14、操作部23及び開閉センサ31に加えて、これらの動作を関連付けて制御する制御部32を備える。
制御部32は、データを一時的に保管する機能や作業領域としての機能を有するRAM(Random Access Memory)、プログラムを予め記憶するROM、及び、前記プログラム等をROMから読み出して実行するCPUを備えて構成されており、CPUとRAM及びROMとはデータバスを介してデータの授受を行うように構成されている。
制御部32は、CPUがROMに格納されている本実施形態特有の画像処理プログラムを実行することで、読取制御部321と、原稿サイズ検出処理部322と、第1変換処理部323と、入力要求部324と、第1抽出処理部325と、第2抽出処理部326と、第2変換処理部327と、第3変換処理部328と、画像形成制御部329としての機能を有し、図13に示す処理を行う。図13は、制御部32の前記各部321〜329による画像処理を示すフローチャートである。
図13に示すように、読取制御部321は、ユーザによりスタートキー24を用いて複写実行指示が入力されると(ステップ♯1でYES)、原稿サイズ検出処理部322により原稿サイズを検出するための原稿サイズ検出用の画像を取得するべくプリスキャン動作を原稿読取部4に行わせる(ステップ♯2)。
原稿サイズ検出処理部322は、前記原稿サイズ検出用の画像を取得すると、該画像に基づいて原稿サイズを検出する。原稿サイズ検出処理部322は、原稿サイズが定型サイズ(A4とかB5など)の場合のみその原稿サイズを検出する。
読取制御部321は、前記原稿サイズ検出処理部322により原稿サイズが検出された場合には(ステップ♯3でYES)、用紙に印刷する原稿の画像を取得するための本スキャン動作を原稿読取部4に行わせ(ステップ♯4)、画像形成制御部329は、前記本スキャン動作で得られた画像に基づく画像形成動作を画像形成部14に指示する(ステップ♯5)。
一方、前記原稿サイズ検出処理部322により原稿サイズが検出されなかった場合には(ステップ♯3でNO)、入力要求部324は、図14に示すように、用紙に原稿の画像領域を示すアウトラインを付加するか否かをユーザに確認するための確認画面G1を表示し(ステップ♯6)、この確認画面G1においてアウトラインを付加するか否かの入力が行われるまで待機する(ステップ♯7でNO)。
そして、入力要求部324は、確認画面G1においてアウトラインを付加する旨の入力が行われると(ステップ♯7でYES,♯8でYES)、原稿給送部5が開状態になるまで図15に示すように、原稿給送部5(図15では「天板」と表記)を開状態にするように指示するメッセージ画面G2を表示する(ステップ♯9,♯10でNO)。
入力要求部324は、原稿給送部5が開状態になると(ステップ♯10でYES)、前記メッセージ画面G2の表示を止め、読取制御部321は、用紙に印刷する原稿の画像を取得するための本スキャン動作を原稿読取部4に行わせる(ステップ♯11)。
一方、ステップ♯8において、入力要求部324は、前記確認画面G1においてアウトラインを付加しない旨の入力が行われると(ステップ♯7でYES,♯8でNO)、ステップ♯9,♯10の処理をとばすとともに前記確認画面G1の表示を止め、読取制御部321は、用紙に印刷する原稿の画像を取得するための本スキャン動作を原稿読取部4に行わせる(ステップ♯11)。
第1変換処理部323は、前記本スキャン動作で得られた画像に対して次のような第1変換処理を行う(ステップ♯12)。ここで、前記原稿サイズ検出処理部322により原稿サイズが検出されなかった場合として、定型サイズより小さく、四隅が丸められた長方形状に近似する形状(図3参照)を有する2枚の原稿が、図4に示すように、副走査方向に一定の間隔を空けて原稿台6上に載置された場合を想定する。
このとき、原稿給送部5が開状態になっているため、前記本スキャン動作を行うと、スキャナ部7は、原稿からは反射光を受光するが、原稿以外の領域からは反射光を受光しない所謂スカイショットが実行される。すなわち、スキャナ部7による原稿以外の領域についての読取結果は、該領域に黒の原稿が載置されている状態と同様となる。したがって、図5の黒色部分に示すように、前記本スキャン動作で得られた画像は、原稿の領域以外の領域に属する画素が予め定められた画素値より小さい画素(所定の画像濃度よりも濃い画素;以下、黒画素という)となる。
ここで、前記2枚の原稿が前述のように原稿台6上に載置された場合に、2枚の原稿間のスペースX(図4参照)に対応する用紙の領域には何も画像が形成されない状態が適正であるが、スキャナ部7は、この領域からは反射光を受光しないため、従来では、該スペースXが原稿の画像領域の一部(黒色の画像領域)と誤認識され、図6の矢印Yに示すように、黒色の画像が形成されることとなっていた。
本実施形態では、このような不具合を解消するため以下の画像処理を行う。第1変換処理部323は、前記本スキャン動作で得られた画像の各画素を、前記黒画素と前記予め定められた画素値以上の画素(前記所定の画像濃度よりも薄い画素;以下、白画素という)とに区分する。そして、第1変換処理部323は、前記各黒画素について、当該黒画素を含む主走査方向の画素列と副走査方向の画素列との両方に前記白画素が存在しないか否かを判断し、当該黒画素を含む主走査方向の画素列にも副走査方向の画素列にも前記白画素が存在しないとき、当該黒画素を前記白画素に変換する。
すなわち、例えば図7に示すように、或る黒画素g1に着目した場合、該黒画素g1を含む主走査方向の画素列は画素列G1であり、該黒画素g1を含む副走査方向の画素列は画素列G2である。第1変換処理部323は、前記画素列G1,G2を構成する画素の中に前記白画素が存在しないか否かを判断する。この場合、前記画素列G2を構成する画素の中には前記白画素は存在しないが、前記画素列G1を構成する画素の中に前記白画素が存在しているので、該黒画素g1については、前記白画素への変換を行わない。
一方、別の或る黒画素g2に着目した場合、該黒画素g2を含む主走査方向の画素列は画素列G3であり、該黒画素g2を含む副走査方向の画素列は画素列G4である。第1変換処理部323は、前記画素列G3,G4を構成する画素の中に前記白画素が存在しないか否かを判断する。この場合、画素列G3にも画素列G4にも前記白画素が存在しないので、該黒画素g1を前記白画素に変換する。このような第1変換処理を全ての画素について実施した結果を図8に示す。図8に示すように、前記第1変換処理後の画像は、原稿の画像領域の周囲に、黒べた領域BKと白べた領域とが主走査方向及び副走査方向に交互に並んで形成されたものとなる。
そして、第1抽出処理部324は、前記第1変換処理後の前記黒べた領域BKと前記白べた領域Wとの境界線B1〜B6を含む直線により囲まれる領域であって、前記第1変換処理部323による第1変換処理前の白画素を含む矩形状の領域を第1有効領域Et1として抽出する(ステップ♯13)。図9は、図8に示す2つの第1有効領域Et1のうち一方の第1有効領域Et1を示す拡大図である。
第2抽出処理部325は、前記第1抽出処理部324により抽出された前記第1有効領域Et1のうち、前記白画素で構成される領域を第2有効領域Et2として抽出する処理を行う(ステップ♯14〜♯16)。
すなわち、ここでは、前述のように四隅が丸められた原稿を想定しているため、第1有効領域Et1と該原稿の画像領域とは一致せず、該第1有効領域Et1には、その四隅の部分に原稿の画像領域ではない黒画素の領域が存在する。第2抽出処理部325は、この黒画素の領域を排除した領域を前記第2有効領域Et2として抽出するのである。以下、第2有効領域Et2の抽出方法について説明する。図10は、図9の矢印Aで示す第1有効領域Et1の1角部を拡大した図である。
まず、第2抽出処理部325は、第1有効領域Et1内の白画素から後述する特定白画素を抽出する(ステップ♯14)。具体的には、第2抽出処理部325は、前記第1有効領域Et1内の画素を、主走査方向(副走査方向でもよい)に延びる画素列単位で区分する。
次に、図10に示すように、第2抽出処理部325は、この区分により生成される複数の画素列Gx,Gx,Gx,・・・について、副走査方向(前記第1有効領域Et1内の画素を主走査方向に延びる画素列単位で区分した場合は主走査方向)における一端側(例えば図9の上側)に位置する画素列(例えば画素列Gx)から順に、当該画素列が端部に前記黒画素を1又は複数有する画素列であるか否かを探索していく。
そして、第2抽出処理部325は、当該画素列が端部に前記黒画素を1又は複数有する画素列である場合には、その黒画素からなる黒画素領域に隣接する当該画素列内の白画素を特定白画素として抽出する。例えば図10に示すように、画素列Gxの右端部に12個の黒画素が存在している場合、第2抽出処理部325は、12個の黒画素からなる黒画素領域に隣接する当該画素列内の白画素を前記特定白画素として抽出する。
第2抽出処理部325は、このような処理を図10の上側に位置する画素列Gxから順に行っていき、端部に前記黒画素が存在しない画素列(図10では画素列Gx)を検出すると前記探索を停止する。なお、図10においては、前記特定白画素に丸印を付している。また、第2抽出処理部325は、これと同様の処理を、図11に示すように、副走査方向における他端側(例えば図9の下側)に位置する画素列から順に行っていき、端部に前記黒画素を有さない画素列を検出すると前記探索を停止する。
第2抽出処理部325は、このような処理が終わると、それぞれ抽出した複数の特定白画素を、当該特定白画素に隣接する前記黒画素領域に対応する前記第1有効領域Et1の角部の位置ごとにグループ化する(ステップ♯15)。具体的には、各特定白画素を、当該特定白画素に隣接する前記黒画素領域の属する前記第1有効領域の角部のグループに含める。
図9を参照して説明すると、第2抽出処理部325は、それぞれ抽出した複数の特定白画素を、第1有効領域Et1の右上角部の近傍に位置する特定白画素のグループC1と、第1有効領域Et1の右下角部の近傍に位置する特定白画素のグループC2と、第1有効領域Et1の左上角部の近傍に位置する特定白画素のグループC3と、第1有効領域Et1の左下角部の近傍に位置する特定白画素のグループC4とにグループ化する。
そして、第2抽出処理部325は、前記主走査方向に並ぶ一対のグループの組み合わせ(C1,C3),(C2,C4)と、前記副走査方向に並ぶ一対のグループの組み合わせ(C1,C2),(C3,C4)とを設定し、さらに、各組み合わせにおいて、当該組み合わせを構成する一方のグループにおける各特定白画素と他方のグループにおける各特定白画素との組み合わせに着目する。そして、第2抽出処理部325は、この特定白画素の組み合わせのうち、離間距離が最短となる特定白画素の組み合わせを抽出する。
例えば、図11に示すように、前記副走査方向に並ぶ一対のグループの組み合わせ(C1,C2)においては、一方のグループC1における各特定白画素と他方のグループC2における各特定白画素との組み合わせのうち、離間距離が最短となる特定白画素の組み合わせは、特定白画素g(c1)と特定白画素g(c2)との組み合わせである。したがって、この場合、第2抽出処理部325は、前記組み合わせ(C1,C2)については、特定白画素g(c1)と特定白画素g(c2)との組み合わせを抽出する。
そして、第2抽出処理部325は、これらの特定白画素同士を直線で結ぶ(例えば特定白画素g(c1)と特定白画素g(c2)とを直線で結ぶ)とともに、各グループC1〜C4内において、各特定白画素と当該特定白画素に最も近接する特定白画素とを直線で結んだ場合に、これらの直線で囲まれる領域を前記第2有効領域Et2として抽出する(ステップ♯16)。
第2変換処理部326は、前記第2抽出処理部325により設定された前記第2有効領域Et2外の画素(前記第2有効領域Et2を規定する前記各直線より内側に位置する画素以外の画素)を前記白画素に変換する。これにより、第1有効領域Et1の四隅の部分に存在する、原稿の画像領域ではない黒画素の領域を排除することができる。
次に、前記確認画面G1においてアウトラインを付加しない旨の入力が行われた場合には(ステップ♯17でNO)、画像形成制御部328は、ステップ♯16の処理後の各画素を画像形成部14に出力し、該画素に基づく画像形成動作を前記画像形成部14に行わせる(ステップ♯18)。
一方、前記確認画面G1においてアウトラインを付加する旨の入力が行われた場合には(ステップ♯17でYES)、第3変換処理部327は、前記第2有効領域Et2を規定する前記直線に沿った所定幅分の白画素を前記黒画素に変換することにより、図12に示すように、原稿領域を示すアウトラインを形成する第3変換処理を実施し(ステップ♯19)、画像形成制御部328は、前記第3変換処理後の各画素を画像形成部14に出力して、該画素に基づく画像形成動作を前記画像形成部14に行わせる(ステップ♯20)。
以上のような処理により、前記原稿台6上に、身分証明書や葉書など定型サイズより小さいサイズの原稿が複数枚間隔を空けて並べられた状態で複写指示が行われた場合であっても、原稿間のスペースを原稿の画像領域と誤認識されることなく、原稿の画像領域とそれ以外の領域とを正確に区別することができる。その結果、原稿の画像のみを用紙に形成することができるとともに、原稿の画像領域を示すアウトラインを正確に付加することができる。
なお、本実施形態では、四隅が丸められた原稿を想定したことにより、第1有効領域Et1と該原稿の画像領域とは一致せず、該第1有効領域Et1には、その四隅の部分に原稿の画像領域ではない黒画素の領域が存在するため、第2有効領域Et2を抽出する処理を要したが、四隅が丸められていない長方形状(矩形状)の原稿の場合には、第1有効領域Et1と該原稿の画像領域とが一致するから、前記第2有効領域Et2を抽出する処理を実施する必要はなく、第1有効領域Et1を抽出し、該第1有効領域Et1以外の領域の画素を白画素に変換する処理を行うことで、そのような原稿が、前記原稿台6上に複数枚間隔を空けて並べられた状態で複写指示が行われた場合であっても、原稿間のスペースを原稿の画像領域と誤認識されることなく、原稿の画像領域とそれ以外の領域とを正確に区別することができる。
また、本実施形態では、原稿台6に載置された原稿の向きが原稿台6に対してずれていない状況を想定したが、原稿台6に載置された原稿の向きが原稿台6に対してずれている場合にも、前記と同様の画像処理を適用することができる。
すなわち、図16に示すように、原稿台6に載置された原稿の向きが原稿台6に対してずれている場合、第1変換処理部323は、前記第1の実施形態と同様に前記第1変換処理を実施し、図16に示すように、白べた領域Wと黒べた領域BKとを設定し、第1抽出処理部324は、第1有効領域Et1を抽出する。
そして、前記第1有効領域Et1の各角部には、黒画素領域がそれぞれ存在しているので、第2抽出処理部325は、前記特定白画素の抽出方法と同様の方法により特定白画素を抽出し、図17に示すように、前記第1有効領域Et1の右上角部の近傍に位置する特定白画素のグループD1と、前記第1有効領域Et1の右下角部の近傍に位置する特定白画素のグループD2と、前記第1有効領域Et1の左上角部の近傍に位置する特定白画素のグループD3と、前記第1有効領域Et1の左下角部の近傍に位置する特定白画素のグループD4とを求め、グループD1を前記第1の実施形態におけるグループC1に、グループD2を前記第1の実施形態におけるグループC2に、グループD3を前記第1の実施形態におけるグループC3に、グループD4を前記第1の実施形態におけるグループC4にそれぞれ対応させて前記第1の実施形態と同様の方法により第2有効領域Et2を抽出する。
これにより、原稿台6に載置された原稿の向きが原稿台6に対してずれている場合にも、原稿の画像領域とそれ以外の領域とを正確に区別することができる。
1 複合機
4 原稿読取部
6 原稿台
7 スキャナ部
9 原稿載置部
14 画像形成部
22 排出トレイ
32 制御部
321 読取制御部
322 原稿サイズ検出処理部
323 第1変換処理部
324 入力要求部
325 第1抽出処理部
326 第2抽出処理部
327 第2変換処理部
328 第3変換処理部
329 画像形成制御部

Claims (5)

  1. 原稿載置台に載置された原稿に光を照射し、その反射光を受光することで前記原稿の画像を読み取る原稿読取部と、
    前記原稿載置台に対して開閉可能に構成され、閉姿勢のときに前記原稿読取部から出力された光を該原稿読取部に向けて反射する反射板と、
    前記反射板が開姿勢のときの前記原稿読取部の読取動作で得られた画像の各画素を、予め定められた基準濃度より濃度が濃い黒画素と、原稿の画像を構成する前記基準濃度より薄い白画素とに区分し、前記各黒画素について、当該黒画素を含む主走査方向の画素列と副走査方向の画素列との両方に前記白画素が存在しないか否かを判断し、前記白画素が存在しないとき、当該黒画素を前記白画素に変換する第1変換処理を行うことで第1変換画像を生成する第1変換処理部と、
    前記第1変換処理により生成された第1変換画像において、前記黒画素による黒べた領域と前記白画素に変換されてなる白べた領域とが主走査方向及び副走査方向において並んで形成されたとき、前記黒べた領域と前記白べた領域との境界を通る直線により囲まれる画像領域であって、且つ、前記第1変換処理部による第1変換処理前の白画素を含む領域を、第1有効領域として抽出する第1抽出処理を行う第1抽出処理部と、
    前記第1有効領域内の各画素からなる画像を画像形成部に出力する画像形成制御部と
    を備える画像形成装置。
  2. 前記第1抽出処理により抽出された前記第1有効領域の角部に前記黒画素が存在するとき、その黒画素を前記第1有効領域から排除した領域を第2有効領域として抽出する第2抽出処理を行う第2抽出処理部と、
    前記第2有効領域外の画素を前記白画素に変換する第2変換処理を行う第2変換処理部と
    を更に備え、
    前記画像形成制御部は、前記第2変換処理後の各画素からなる画像を画像形成部に出力するものである請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2抽出処理部は、前記第2抽出処理として、
    前記第1有効領域の画素を、主走査方向及び副走査方向のうち一方向に延びる画素列単位で区分し、この複数の画素列について、主走査方向及び副走査方向のうち他方向における一端側に位置する画素列から順に、当該画素列が当該画素列の端部に前記黒画素を有する画素列であるか否かを探索していき、当該画素列が当該画素列の端部に前記黒画素を1又は複数有する画素列である場合にはその黒画素からなる黒画素領域の内側に隣接する当該画素列内の白画素を特定白画素として抽出し、当該画素列の端部に前記黒画素を有さない画素列を検出すると前記探索を停止する処理と、
    該処理の後に、前記複数の画素列について、主走査方向及び副走査方向のうち他方向における他端側に位置する画素列から順に、当該画素列が当該画素列の端部に前記黒画素を有する画素列であるか否かを探索していき、当該画素列が当該画素列の端部に前記黒画素を1又は複数有する画素列である場合にはその黒画素からなる黒画素領域の内側に隣接する当該画素列内の白画素を特定白画素として抽出し、当該画素列の端部に前記黒画素を有さない画素列を検出すると前記探索を停止する処理と、
    それぞれ抽出された特定白画素を、当該特定白画素に隣接する前記黒画素領域に対応する前記第1有効領域の角部の位置ごとにグループ化して、前記主走査方向に並ぶ一対のグループの組み合わせと前記副走査方向に並ぶ一対のグループの組み合わせとを設定し、各組み合わせにおいて、当該組み合わせを構成する一方のグループにおける各特定白画素と他方のグループにおける各特定白画素との組み合わせに着目した場合に、この特定白画素の組み合わせのうち、離間距離が最短となる特定白画素の組み合わせを抽出する処理と、
    当該組み合わせに対応する一対の特定白画素同士を直線で結ぶとともに、各グループ内において、各特定白画素と当該特定白画素に最も近接する特定白画素とを直線で結んだ場合に、これらの直線で囲まれる領域を前記第2有効領域として抽出する処理と
    を実行する請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第2有効領域内の白画素のうち最縁部に位置する白画素を含む予め定められたライン幅分の白画素を前記黒画素に変換することにより原稿の輪郭を示すアウトラインを付加する第3変換処理を行う第3変換処理部を更に備え、
    前記画像形成制御部は、前記第3変換処理後の各画素からなる画像を画像形成部に出力するものである請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記反射板の開閉姿勢を検知する開閉検出部を更に備え、
    前記第3変換処理部は、前記開閉検出部により開姿勢が検出された状態で原稿の読取動作が指示されたときに、前記アウトラインを付加するか否かの入力を要求し、前記アウトラインを付加する旨の入力を受け付けたときに、前記アウトラインを付加する前記第3変換処理を行う請求項4に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017135631A (ja) * 2016-01-29 2017-08-03 株式会社沖データ 画像処理装置

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