JP2011096704A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリスチレンを塗布プロセスにより形成し不溶化処理を行うことで、半導体層を塗布プロセスで積層可能なポリスチレンからなる絶縁体層を有し、応答速度(駆動速度)が早く、オン/オフ比が大きい、優れたトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する薄膜トランジスタにおいて、前記絶縁体層が、塗布法により積層された層であって、有機溶媒に対して不溶化したポリスチレンからなる薄膜トランジスタ。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜トランジスタに関する。さらに詳しくは、特定の材料を用いた絶縁体層を有する薄膜トランジスタに関する。
薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)は、液晶表示装置等の表示用のスイッチング素子として広く用いられている。従来、このTFTは、アモルファスや多結晶のシリコンを用いて作製されていたが、シリコンを用いたTFTの作製に用いられるCVD(Chemical Vapor Deposition)装置は非常に高額であり、TFTを用いた表示装置等の大型化は製造コストの大幅な増加を伴うという問題点があった。また、アモルファス又は多結晶のシリコンを成膜するプロセスは非常に高い温度下で行われるため、基板として使用可能な材料の種類が限られ、軽量な樹脂基板等は使用できないという問題があった。
上記問題を解決するため、アモルファス及び多結晶のシリコンに替えて、有機物を用いたTFTが提案され、盛んに報告がなされており(例えば非特許文献1及び2)、その実用化が期待されている。
有機物を用いてTFTを形成する際の成膜方法としては、真空蒸着法及び塗布法で成膜可能なことが知られている。特に塗布法を用いることにより、製造コストの上昇を抑えつつ素子の大型化が実現可能になり、成膜時に必要となるプロセス温度を比較的低温にすることができる。プロセス温度を比較的低温にすることができるため、有機物を用いたTFTでは、基板に用いることができる材料の選択の制限が少ないといった利点がある。
TFTにおける電気伝導は、絶縁膜界面に電場誘起された電荷が担うため、電気伝導は、絶縁膜の影響を強く受ける。非特許許文献3は、ペンタセンを蒸着成膜した有機半導体層を有する素子において、ポリスチレン(PS)をゲート絶縁体層として用いると、高い電界効果移動度が得られることを開示している。PSを絶縁膜に用いることで、高性能なTFTを実現できるが、有機TFTの利点は全工程を塗布成膜できることによることであるので、有機半導体層の積層にペンタセンの蒸着のような気相成膜を行った場合は、利点が損なわれてしまう。
一方で、PSは、有機半導体の溶媒として一般的に用いられるクロロホルム、トルエン等の有機溶媒に対して溶解してしまうため、従来の方法ではPSからなる絶縁体層上に塗布成膜により有機半導体層を成膜できないという問題点があった。このため、非特許文献4は、PSポリマー分子を束ねるような試薬(結束試薬)をあらかじめ入れておき、成膜後に試薬によりPSポリマーを束ねることにより、PSを有機溶媒に不溶化させる検討を報告している。この技術は、PSを有機溶媒に不溶化させることはできるが、成膜したPS膜の表面状態が変化してしまい、トランジスタの性能が低下する問題があった。
特開2004−128469号公報
C.Dimitrakopoulosら、Advanced Materials 14巻、99頁 2002年 A.Facchettiら、Advanced Materials 17巻、1705頁 2005年 X.HXangら、Organic Electronics 10巻、1133頁 2009年 M.Yoonら Journal of the American Chemical Society 127巻、10388頁 2005年
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、塗布プロセスの適用可能な絶縁膜の成膜において、PSの塗布成膜後に不溶化処理を行ない、表面状態を変化させることなくPSを不溶化することで、PSからなる絶縁膜上に塗布成膜により半導体層を形成することを可能とし、PSを絶縁体層として用いた場合と同様に、駆動速度やオン/オフ比に関して優れたトランジスタ特性を示す薄膜トランジスタを提供することにある。
本発明によれば、以下の薄膜トランジスタが提供される。
1.少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する薄膜トランジスタにおいて、
前記絶縁体層が、塗布法により積層された層であって、有機溶媒に対して不溶化したポリスチレンからなる薄膜トランジスタ。
2.前記有機溶媒に対して不溶化したポリスチレンが、結晶化したポリスチレンである1に記載の薄膜トランジスタ。
3.前記結晶化したポリスチレンが、シンジオタクチックポリスチレンである2に記載の薄膜トランジスタ。
4.前記有機溶媒に対して不溶化したポリスチレンが、架橋重合したポリスチレンである1に記載の薄膜トランジスタ。
5.前記架橋重合したポリスチレンが、スチレンとジビニルベンゼンを架橋重合してなるポリスチレンである4に記載の薄膜トランジスタ。
6.前記スチレンとジビニルベンゼンを架橋重合してなるポリスチレンにおけるジビニルベンゼンの含有率が1〜50重量%である5に記載の薄膜トランジスタ。
7.前記半導体層が有機半導体層である1〜6のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
本発明によれば、PSを塗布プロセスにより形成し不溶化処理を行うことで、半導体層を塗布プロセスで積層可能なPS絶縁体層を有し、応答速度(駆動速度)が早く、オン/オフ比が大きい、優れたトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタが提供できる。
本発明の薄膜トランジスタの一実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。 基板兼ゲート電極のSi基板及びリード線接続用電極を有する本発明の薄膜トランジスタの一実施形態を示す図である。
本発明の薄膜トランジスタは、少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する。
本発明の薄膜トランジスタの絶縁体層は、塗布法により積層されたポリスチレン(PS)からなる層であり、成膜後にポリスチレンを不溶化処理することで、半導体層の成膜に用いる一般的な有機溶媒に不溶化させることを特徴とする。
不溶化処理できるPSとしては、成膜後に結晶化処理できるPS、スチレンにジビニルベンゼン等を加えて重合した架橋PS、成膜後に電子線又は紫外線の露光により架橋できるPS等が挙げられる。
不溶化処理できるPSは、PSからなる絶縁体層が有機溶媒に対して不溶化できれば特に限定されないが、好ましくは成膜後に結晶化処理できるPS及び架橋PSが望ましい。
不溶化処理できるPSとして、成膜後に結晶化処理できるPSを用いる場合、有機溶媒に常温で又は加熱により結晶化できるPSを溶解させ、調製したPS溶液を用いて塗布成膜プロセスによってPS層を成膜し、当該PS層を結晶化処理することで有機溶媒に対して不溶化したPSからなる絶縁体層とすることができる。
結晶化処理できるPSとは、例えばシンジオタクチックポリスチレンである。
PSを溶解させる溶媒としては、常温又は、加温することによりPSを溶解させることのできる溶媒であれば特に限定されない。
PS溶液の重量濃度は目的の膜厚に応じて選択すればよく特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜20重量パーセントの範囲であり、より好ましくは0.5〜10重量パーセントである。
上記塗布成膜プロセスは、例えば常温又は加温したPS溶液をディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布し、塗布層をベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、溶液からのセルフ・アセンブリ、又はこれらの組合せにより行うことができる。
塗布成膜したPSの結晶化処理は、例えば嫌気下で加熱処理することにより行う。
結晶化する加熱温度としては、通常120〜250℃であり、好ましくは150〜200℃である。また、加熱時間は、通常30分〜6時間であり、好ましくは1〜3時間である。
不溶化処理できるPSとして、架橋PSを用いる場合、市販のスチレンモノマーに架橋剤を添加し、架橋剤の含有量が例えば1〜50重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量%である架橋剤入りスチレン溶液を調製し、調製した架橋剤入りスチレン溶液を塗布成膜して重合することにより、有機溶媒に対して不溶化したPSからなる絶縁体層とすることができる。
架橋剤としては、最終的に成膜される絶縁体層の表面エネルギーが変化しなければ特に限定されないが、ジビニルベンゼン、ポリエチレングルコールジメタクリレート等のアルキレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体が挙げられ、その中でもジビニルベンゼンが好ましい。
架橋剤入りスチレン溶液は、さらに少量の反応開始剤を含んでもよい。
上記反応開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、クメンヒドロパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−ト、t−ブチルパ−オキシベンゾエ−ト、ベンゾイルパ−オキサイド、t−ブチルパ−オキシイソプロピルカ−ボネ−ト、t−ブチルパ−オキシ2−エチルヘキシルモノカ−ボネ−ト、1,1−ジメチルプロピルパ−オキシ−2−エチルヘキシルモノカ−ボネ−ト、1,1−ジメチルブチルパ−オキシ−2−エチルヘキシルモノカ−ボネ−ト、ペンチルパ−オキシ2−エチルヘキシルモノカ−ボネ−ト、ヘキシルパ−オキシ2−エチルヘキシルモノカ−ボネ−ト、ラウロイルパ−オキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−2−メチルシクロヘキサン等のスチレン系単量体に可溶な開始剤が挙げられる。
反応開始剤は、必要に応じて有機溶媒等で希釈してもよい。
必要があれば、架橋剤入りスチレン溶液は、加熱又はUV露光又は電子線露光等の方法によって予め予備重合処理しても良い。また、PSを混ぜることで、架橋PS溶液の粘度を成膜しやすい範囲に調整してもよい。
塗布成膜方法は、例えば架橋PS溶液をディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布し、塗布層をベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、溶液からのセルフ・アセンブリ、又はこれらの組合せが挙げられる。
塗布成膜した架橋PS溶液の重合は、加熱処理、UV露光、電子線露光等の方法が挙げられる。
不溶化処理できるPSとして、成膜後に電子線又は紫外線の露光により架橋できるPSを用いる場合、有機溶媒に電子線又は紫外線の露光により架橋できるPSを溶解させ、調製したPS溶液を用いて塗布成膜プロセスによってPS層を成膜し、当該PS層に電子線又は紫外線を露光することで有機溶媒に対して不溶化したPSからなる絶縁体層とすることができる。
電子線又は紫外線の露光により架橋できるPSは、電子線又は紫外線の露光により一部が架橋するPSであれば特に限定されない。また、塗布成膜方法等は上述の架橋PSと同様である。
結晶化PS及び架橋PSは、共に有機溶剤への耐性を失わない範囲で、粘度及び表面エネルギー調整のため、以下の添加剤をさらに含んでもよい。
ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート等の光ラジカル重合系及び光カチオン重合系の光硬化性樹脂;アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、シアノエチルプルラン、ワックス、ポリエチレン、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリイミドシアノエチルプルラン、ポリ(ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(メチルメタクレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリイミド、ポリキシリレン、エポキシ樹脂、プルラン等の多種ポリマー;オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルビニルトリクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリキシドキシプロピリトリメトリシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシシラン)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリクロロシラン、メタクリレートクロミッククロリド、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤。
結晶化PS及び架橋PSは比誘電率が低いので、各種無機微粒子等をさらに含んでもよい。
無機微粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等の高誘電率無機微粒子及びこれらを組合せた混合粒子、並びに窒化ケイ素(Si、SixNy(x、y>0))、窒化アルミニウム等の微粒子が挙げられる。
本発明の薄膜トランジスタは、電極の位置、層の積層順序等により、いくつかの構成をとることができ、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)構造を有する。
図1は、本発明の薄膜トランジスタの一実施形態を示す図である。
薄膜トランジスタ1は、基板10上にゲート電極20が積層しており、絶縁体層30がゲート電極20を覆うようにして基板10上に積層している。絶縁体層30上には、ソース電極40及びドレイン電極50が、所定の間隔を空けて、それぞれ並列に積層している。半導体層60は、ソース電極40及びドレイン電極50間の空隙を充填して、絶縁体層30、ソース電極40及びドレイン電極50上に積層している。
半導体層60は、チャネル領域を形成し、ゲート電極20に印加される電圧でソース電極40とドレイン電極50の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
図2は、本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。
薄膜トランジスタ2は、絶縁体層30上に有機半導体層60が積層しており、当該有機半導体層60上にソース電極40及びドレイン電極50が、所定の間隔を空けて、それぞれ並列に積層している他は薄膜トランジスタ1と同様の構造を有する。
図3は、本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。
薄膜トランジスタ3は、基板10上にソース電極40及びドレイン電極50が、所定の間隔を空けて、それぞれ並列に積層しており、半導体層60がソース電極40及びドレイン電極50間の空隙を充填して、基板10、ソース電極40及びドレイン電極50上に積層している。半導体層60上には絶縁体層30が積層しており、当該絶縁体層30上にゲート電極20が積層している。
図4は、本発明の薄膜トランジスタの他の実施形態を示す図である。
薄膜トランジスタ4は、基板10上に半導体層60が積層しており、半導体層60上にソース電極40及びドレイン電極50が、所定の間隔を空けて、それぞれ並列に積層している。絶縁体層30は、ソース電極40、ドレイン電極50及び有機半導体層60上に、ソース電極40及びドレイン電極50間の間隙を充填して積層しており、絶縁体層30上にはゲート電極20が積層している。
本発明の薄膜トランジスタは、半導体層と、相互に所定の間隔をあけて対向するように形成されたソース電極及びドレイン電極と、ソース電極、ドレイン電極からそれぞれ所定の距離をあけて形成されたゲート電極とを有し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース−ドレイン電極間に流れる電流を制御する。
尚、半導体層は、有機化合物層もしくは無機化合物層であってもよい。
本発明の薄膜トランジスタは、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによって、オン/オフ動作、増幅等の効果が発現する仕組みを有するのであればよく、上記素子構成に限定されない。
本発明の薄膜トランジスタは、例えば産業技術総合研究所の吉田らにより第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集27a−M−3(2002年3月)において提案されたトップアンドボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ(図5参照)、及び千葉大学の工藤らにより電気学会論文誌118−A(1998)1440頁において提案された縦形の有機薄膜トランジスタ(図6参照)のような素子構成を有してもよい。
以下、本発明の薄膜トランジスタの各構成部材について説明する。
本発明の薄膜トランジスタの絶縁体層は、塗布法により積層された層であり、有機溶媒に対して不溶化したポリスチレンからなる層である。
一般にポリスチレンは比誘電率が低いため、薄膜トランジスタの駆動電圧を低下させるためには可能な限り薄いほうがよいが、逆に薄膜化に伴いソースーゲート間のリーク電流が大きくなるので、適切な膜厚を選ぶ必要がある。絶縁体層の厚さは、通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1μmである。
絶縁体層は、例えば有機溶媒に対して不溶化できるPSを非ハロゲン溶媒に溶解した溶液を、例えばディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布し、塗布層をベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、溶液からのセルフ・アセンブリ、又はこれらの組合せによって積層できる。
絶縁体層は、不溶化したPSからなる層のみでもよく、さらに他の材料からなる絶縁体層を含む2層以上の積層体でもよい。絶縁体層が、不溶化したPSからなる層のみであっても、絶縁性が高いため、十分薄い膜厚にすることで高性能な薄膜トランジスタが作製できるが、誘電率の高い他の絶縁体層と組み合わせることで、より容易に低閾値電圧化できる。
一般に表面エネルギーの小さいポリマーは、比誘電率が低く薄膜トランジスタの閾値電圧が大きくなる。特開2005−72569号公報及び特開2005−013468号公報は、比誘電率の高い絶縁体層と液相の低誘電率ポリマーを組み合わせることで高移動度且つ低い閾値電圧の有機薄膜トランジスタを開示している。
本発明では、2層以上の絶縁体層の積層体を使用する場合、半導体に直接接する第1絶縁体層が本発明の不溶化したポリスチレンを含めば、ゲート電極に接する第2絶縁体層の材料及び形成方法は特に限定されない。
第1絶縁体層は、本発明の不溶化したPSを含み、塗布法で積層される層である。その膜厚は連続膜を形成できれば薄いほど良く、例えば0.5nm〜100nm、好ましくは1nm〜20nm、さらに好ましくは1nm〜10nmである。
第2絶縁体層を形成する材料は、金属酸化物(珪素の酸化物を含む)、金属窒化物(珪素の窒化物を含む)、高分子、有機低分子等の室温(例えば20〜25℃)での電気抵抗率が10Ωcm以上の材料を用いることができ、特に比誘電率が3より高い材料が好ましい。
第2絶縁体層を上記材料で形成することにより、半導体層中に蓄積層が発生しやすくなり、トランジスタ動作の閾値電圧を低減することができる。
第2絶縁体層を形成する上記金属酸化物及び金属窒化物等としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、ランタン酸化物、フッ素酸化物、マグネシウム酸化物、ビスマス酸化物、チタン酸ビスマス、ニオブ酸化物、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、五酸化タンタル、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム及びこれらを組合せたものが挙げられ、好ましくは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。
また、窒化ケイ素(Si、SixNy、SiONx(x、y>0))、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。Si、SixNy、SiONx(x、y>0)等の窒化ケイ素で絶縁体層を形成することにより、蓄積層がいっそう発生しやすくなり、トランジスタ動作の閾値電圧をさらに低減させることができる。
第2絶縁体層は、アルコキシド金属を含む前駆物質で形成されていてもよい。
上記アルコキシド金属の金属としては、例えば、遷移金属、ランタノイド、又は主族元素から選択され、具体的には、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、ジルコン(Zr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉛(Pb)、ランタン(La)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)ベリリウム(Be)マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ニオブ(Nb)、タリウム(Tl)、水銀(Hg)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)等が挙げられる。
上記アルコキシド金属のアルコキシドとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等を含むアルコール類、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ペントキシエタノール、ヘプトキシエタノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、ペントキシプロパノール、ヘプトキシプロパノールを含むアルコキシアルコール類等から誘導されるアルコキシドが挙げられる。
第2絶縁体層は、有機化合物で形成されてもよい。
上記有機化合物としては、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることができる。
上記有機化合物の他、ワックス、ポリエチレン、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリイミドシアノエチルプルラン、ポリ(ビニルフェノール)(PVP)、ポリ(メチルメタクレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリイミド、ポリキシリレン、エポキシ樹脂、プルラン等の高い誘電率を有する高分子材料を使用することもできる。
第2絶縁体層は、上述の無機化合物材料又は有機化合物材料を複数用いた混合層であってもよく、これら材料単独からなる層の積層体であってもよい。第2絶縁体層は、必要に応じて誘電率の高い材料と撥水性を有する材料の混合層、又はこれら材料単独からなる層の積層体であってもよい。
第2絶縁体層は、陽極酸化膜、又は該陽極酸化膜を構成としてさらに含んでもよい。
陽極酸化膜は、陽極酸化処理が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成され、好ましくはさらに封孔処理される。
陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができる。
陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができる電解液であれば特に限定されず、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸又はそれらの塩が用いられる。
陽極酸化の処理条件は、使用する電解液によって異なるが、一般的には、電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.5〜60A/cm、電圧1〜100ボルト、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸又はホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であり、交流電流を用いることもできる。電解液の酸の濃度は、5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.5〜20A/cmで20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
第2絶縁体層は、その層の厚さが薄いと有機半導体に印加される実効電圧が大きくなるので、デバイス自体の駆動電圧、閾電圧を下げることができるが、逆にソースーゲート間のリーク電流が大きくなるので、適切な膜厚を選ぶ必要がある。第2絶縁体層の厚さは、通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜2μm、さらに好ましくは100nm〜1μmである。
第2絶縁体層の形成方法は特に限定されず、気相成膜でも液相成膜でも利用でき、例えば真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報に記載の大気圧プラズマ法等の気相成膜;及びスプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、印刷やインクジェット等の液相成膜を材料に応じて使用できる。
第2絶縁体層の積層において、ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤又は水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布及び乾燥する、いわゆるゾルゲル法を用いることができる。例えば第2絶縁体層を、アルコキシド金属を含む前駆物質で形成する場合、当該前駆物質の溶液を、基板に被覆し、被覆層を、熱処理を含む化学溶液処理をすることにより絶縁体層を形成できる。
基板は、薄膜トランジスタの構造を支持する役目を担うものであり、材料としてはガラスの他、金属酸化物や窒化物等の無機化合物、プラスチックフィルム(PET、PES、PC)や金属基板又はこれら複合体や積層体等も用いることが可能である。また、基板以外の構成要素により薄膜トランジスタの構造を十分に支持し得る場合には、基板を使用しないことも可能である。
また、基板の材料としてはシリコン(Si)ウエハが用いられることが多い。この場合、Si自体をゲート電極兼基板として用いることができる。また、Siの表面を酸化し、SiOを形成して絶縁層として活用することも可能である。この場合、図7に示すように、基板兼ゲート電極のSi基板にリード線接続用の電極として、Au等の金属層を成膜する場合もある。
半導体層に用いる半導体は、上述の通り特に限定されず、例えば有機半導体を用いて有機半導体層を形成する場合には、Chemical Review、107巻、1066頁 2007年に記載の有機半導体材料等を用いることができる。
有機半導体層は、上記有機半導体材料から選ばれる複数の材料を組み合わせて、複数の材料の混合物からなる層、又はこれら材料単独からなる層の積層体でもよい。
有機半導体層の材料の具体例としては、ペンタセン、ナフタセン、アントラセン、ヘプタセン、ヘキサセン、C60、C70、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、ルブレン、フタロシアニン類、ポルフィリン類等の低分子材料及びその誘導体;ジスチリルベンゼン、オリゴアセチレン、オリゴチオフェン、オリゴセレノフェン等のオリゴマー類及びその誘導体;ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−コ−ビチフェン)、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン等のπ共役系高分子類及びその誘導体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
半導体層として無機半導体を用いる場合、無機半導体層の材料の具体例としては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶(マイクロクリスタル)シリコン等に代表される非単結晶半導体膜や結晶シリコン、ZnO、a−InGaZnO、SiGe、GaAs等の化合物半導体及び酸化物半導体等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
半導体層の膜厚は、特に制限されることはないが、通常、0.5nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜250nmである。
半導体層の形成方法は特に限定されることはなく公知の方法を適用できる。
例えば図1及び図2の薄膜トランジスタ1及び2のような素子構成の場合、好ましくは不溶化PS層の塗布形成後、大気に曝すことなく有機半導体層の成膜を行う。当該成膜は、分子線蒸着法(MBE法)、真空蒸着法、化学蒸着法、分子ビーム蒸着等の気相成膜の他、材料を溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の印刷・塗布法で塗布層を形成し、当該塗布層をベーキング、エレクトロポリマラインゼーション、溶液からのセルフ・アセンブリ、及びこれらの組合せた手段にて成膜することも望ましい。半導体層形成は上記成膜方法の2つ以上を組み合わせてもよい。
本発明の不溶化PSを絶縁膜に用いることによる利点は、特に、図1及び2に示されるようなボトムコンタクト型と呼ばれる構成において、塗布プロセスによって有機半導体を成膜する場合に発揮されるが、特に限定されるものではない。
図3及び図4の薄膜トランジスタ3及び4のような素子構成の場合、半導体層を成膜後、大気に曝すことなく不溶化PS層(絶縁体層)を形成することが望ましい。この場合、半導体層の積層は特に限定されず、上記成膜方法を適用できる。
尚、半導体層の材料として無機半導体を用いる場合は、絶縁体層である不溶化PS層に損傷を与えないために、図3及び図4のようなトップゲート型と呼ばれる素子構成であることが好ましい。
半導体層の形成方法は、公知の方法によればよく、望ましくは上記に示したように半導体層及び絶縁体層形成の工程は大気に暴露せず連続して行うことが好ましい。
但し、半導体層としてp型有機半導体材料を選んだ場合、大気に暴露することで性能が向上する半導体材料については、半導体―絶縁体層形成工程以降の工程において大気暴露することが望ましい。
半導体層の結晶性を向上させることにより、電界効果移動度を向上させることができるため、有機半導体層の成膜に、気相成膜(蒸着、スパッタ等)を用いる場合は、成膜中の基板温度を高温で保持することが望ましい。その温度は50〜250℃が好ましく、70〜150℃であるとさらに好ましい。また、成膜方法に関わらず成膜後にアニーリングを実施すると高性能デバイスが得られるため好ましい。アニーリングの温度は50〜200℃が好ましく、70〜200℃であるとさらに好ましく、時間は10分〜12時間が好ましく、30分〜10時間であるとさらに好ましい。
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の材料は、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等を用いることができる。
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の膜厚は、電流の導通さえあれば特に制限はないが、好ましくは0.2nm〜10μm、さらに好ましくは4nm〜300nmの範囲である。電極の膜厚が上記範囲内であれば、膜厚が薄いことで抵抗が高くなって電圧降下を生じるということもなく、また、厚すぎないことから膜形成に時間がかからず、保護層や半導体層等他の層を積層する場合に、段差が生じることが無く積層膜を円滑に形成することができる。
ソース電極及びドレイン電極は、例えば所定の間隔を空けて積層されるが、当該間隔は薄膜トランジスタの用途によって決定され、通常は0.1μm〜1mm、好ましくは1μm〜100μm、さらに好ましくは5μm〜100μmである。
ソース電極及びドレイン電極は、上記の導電性材料を含む、溶液、ペースト、インク、分散液等の流動性電極材料、好ましくは導電性ポリマー、又は白金、金、銀又は銅を含有する金属微粒子を含む流動性電極材料を用いて形成することができる。
上記流動性電極材料の溶媒又は分散媒体としては、半導体へのダメージを抑制するため、水を60質量%以上、好ましくは90質量%以上含有する溶媒又は分散媒体であることが好ましい。
金属微粒子を含有する分散物としては、例えば、公知の導電性ペースト等を用いてもよいが、通常粒子径が0.5nm〜50nm、好ましくは1nm〜10nmの金属微粒子を含有する分散物であると好ましい。この金属微粒子は、例えば白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。
これら金属微粒子を、主に有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散した分散物を用いて電極を形成するのが好ましい。
上記金属微粒子の分散物の製造方法としては、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法、コロイド法、共沈法等の液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられ、好ましくは特開平11−76800号公報、同11−80647号公報、同11−319538号公報、特開2000−239853号公報等に示されたコロイド法、特開2001−254185号公報、同2001−53028号公報、同2001−35255号公報、同2000−124157号公報、同2000−123634号公報等に記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。
金属微粒子分散物を用いての電極の形成は、具体的には金属微粒子分散物の溶媒を乾燥させた後、必要に応じて100℃〜300℃、好ましくは150℃〜200℃の範囲で形状様に加熱することにより、金属微粒子を熱融着させることにより、目的の形状を有する電極パターンを形成することができる。
特にソース電極及びドレイン電極を形成する材料は、好ましくは半導体層との接触面において電気抵抗が少ない材料である。当該電気抵抗は、即ち電流制御デバイスを作製したとき電界効果移動度と対応しており、大きな移動度を得る為には出来るだけ抵抗が小さいことが必要である。これは一般に電極材料の仕事関数と有機半導体層のエネルギー準位との大小関係で決まる。
電極材料の仕事関数(W)をa、半導体層のイオン化ポテンシャルを(Ip)をb、半導体層の電子親和力(Af)をcとすると、以下の関係式を満たすことが好ましい。ここで、a、b及びcはいずれも真空準位を基準とする正の値である。
p型薄膜トランジスタの場合には、b−a<1.5eV(式(A))であることが好ましく、さらに好ましくはb−a<1.0eVである。半導体層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ大きいことものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.0eV以上であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数4.2eV以上である。
金属の仕事関数の値は、例えば化学便覧 基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.0eV又はそれ以上の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよい。
高仕事関数金属は、主としてAg(4.26、4.52、4.64、4.74eV)、Al(4.06、4.24、4.41eV)、Au(5.1、5.37、5.47eV)、Be(4.98eV)、Bi(4.34eV)、Cd(4.08eV)、Co(5.0eV)、Cu(4.65eV)、Fe(4.5、4.67、4.81eV)、Ga(4.3eV)、Hg(4.4eV)、Ir(5.42、5.76eV)、Mn(4.1eV)、Mo(4.53、4.55、4.95eV)、Nb(4.02、4.36、4.87eV)、Ni(5.04、5.22、5.35eV)、Os(5.93eV)、Pb(4.25eV)、Pt(5.64eV)、Pd(5.55eV)、Re(4.72eV)、Ru(4.71eV)、Sb(4.55、4.7eV)、Sn(4.42eV)、Ta(4.0、4.15、4.8eV)、Ti(4.33eV)、V(4.3eV)、W(4.47、4.63、5.25eV)、Zr(4.05eV)である。これらの中でも、貴金属(Ag、Au、Cu、Pt)、Ni、Co、Os、Fe、Ga、Ir、Mn、Mo、Pd、Re、Ru、V、Wが好ましい。
金属以外では、ITO、ポリアニリンやPEDOT:PSSのような導電性ポリマー及び炭素が好ましい。電極材料としてはこれらの高仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が前記式(A)を満たせば特に制限を受けるものではない。
n型薄膜トランジスタの場合にはa−c<1.5eV(式(B))であることが好ましく、さらに好ましくはa−c<1.0eVである。半導体層との関係において上記関係が維持できれば高性能なデバイスを得ることができるが、特に電極材料の仕事関数はできるだけ小さいものを選ぶことが好ましく、仕事関数4.3eV以下であることが好ましく、さらに好ましくは仕事関数3.7eV以下である。
低仕事関数金属の具体例としては、例えば化学便覧基礎編II−493頁(改訂3版 日本化学会編 丸善株式会社発行1983年)に記載されている4.3eV又はそれ以上の仕事関数をもつ有効金属の前記リストから選別すればよい。
低仕事関数金属としては、Ag(4.26eV)、Al(4.06、4.28eV)、Ba(2.52eV)、Ca(2.9eV)、Ce(2.9eV)、Cs(1.95eV)、Er(2.97eV)、Eu(2.5eV)、Gd(3.1eV)、Hf(3.9eV)、In(4.09eV)、K(2.28)、La(3.5eV)、Li(2.93eV)、Mg(3.66eV)、Na(2.36eV)、Nd(3.2eV)、Rb(4.25eV)、Sc(3.5eV)、Sm(2.7eV)、Ta(4.0、4.15eV)、Y(3.1eV)、Yb(2.6eV)、Zn(3.63eV)等が挙げられる。これらの中でも、Ba、Ca、Cs、Er、Eu、Gd、Hf、K、La、Li、Mg、Na、Nd、Rb、Y、Yb、Znが好ましい。
電極材料としては、これらの低仕事関数の物質を1種又は複数含んでいても、仕事関数が上記式(B)を満たせば特に制限を受けるものではない。
但し、低仕事関数金属は、大気中の水分や酸素に触れると容易に劣化してしまうので、必要に応じてAg及びAuのような空気中で安定な金属で被覆することが望ましい。被覆に必要な膜厚は10nm以上必要であり、膜厚が厚くなるほど酸素や水から保護することができるが、実用上、生産性を上げる等の理由から1μm以下にすることが望ましい。
ソース電極及びドレイン電極の形成方法としては、例えば蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、大気圧プラズマ法、イオンプレーティング、化学気相蒸着、電着、無電解メッキ、スピンコーティング、印刷又はインクジェット等により形成できる。また、必要に応じて行うパターニング方法としては、上記の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等により、レジストを形成しエッチングする方法がある。
また、ソース電極及びドレイン電極は、上述したように導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、金属微粒子を含有する分散液等を直接インクジェット法によりパターニングして形成してもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。さらに導電性ポリマー又は金属微粒子を含有する導電性インク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングして形成する方法も用いることができる。
上記電極材料の他、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の電極材料として、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることも好ましい。例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。これら材料によりソース電極とドレイン電極の半導体層との接触抵抗を低減することができる。
本発明の薄膜トランジスタでは、例えば注入効率を向上させる目的で、半導体層とソース電極及びドレイン電極との間に、バッファ層を設けてもよい。
n型薄膜トランジスタに設けるバッファ層は、有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極に用いられるLiF、LiO、CsF、NaCO、KCl、MgF、CaCO等のアルカリ金属、アルカリ土類金属イオン結合を持つ化合物が望ましい。
p型薄膜トランジスタに設けるバッファ層は、FeCl、TCNQ、F4−TCNQ、HAT等のシアノ化合物;CFxやGeO、SiO、MoO、V、VO、V、MnO、Mn、ZrO、WO、TiO、In、ZnO、NiO、HfO、Ta、ReO、PbO等のアルカリ金属;アルカリ土類金属以外の金属酸化物、ZnS、ZnSe等の無機化合物が望ましい。これらの酸化物は多くの場合、酸素欠損を起こし、これが正孔注入に好適である。さらにはTPDやNPD等のアミン系化合物やCuPc等の有機EL素子において正孔注入層、正孔輸送層として用いられる化合物でもよい。また、上記の化合物2種類以上からなるものが望ましい。
本発明の薄膜トランジスタでは、例えば大気中に含まれる酸素、水等の有機半導体層に対する影響を考慮し、素子の外周面の全面又は一部に、ガスバリア層を形成してもよい。
ガスバリア層を形成する材料としては、公知の材料を使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレン等が挙げられる。さらに、絶縁体層の材料として例示した絶縁性を有する無機物及び有機物も使用できる。
実施例1
25×20×1.1mmのサイズのガラスを基板として用い、この基板上にITO膜を100nmの厚さで成膜し、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングし、透明ゲート電極とした(以下、ITO膜を備える基板を透明支持基板という)。この透明支持基板をイソプロピルアルコールで5分間超音波洗浄した後、純水で5分間洗浄し、さらにイソプロピルアルコールで5分間超音波洗浄した後に乾燥Nガスを吹き付け乾燥した。そして最後に、UVオゾン洗浄装置(株式会社サムコインターナショナル製)で30分間洗浄した。
シンジオタクチックポリスチレン(ザレック、出光興産株式会社製)0.10gに、ジオキサン溶媒4.90gを加え、120℃に加熱したホットプレート上で約30分間加熱して、2重量パーセントのシンジオタクチックポリスチレン(SPS)溶液を調製した。この加熱SPS溶液を透明支持基板上に滴下し、即座に1500rpmで30秒間スピンコートすることでゲート絶縁体層を形成した。SPS成膜基板をグローブボックス内に入れ、170℃で90分以上加熱することで、SPSを基板上で結晶化して有機溶媒に対して不溶化させた。得られた結晶化SPSからなる絶縁体層の膜厚は、触針式膜厚計により、400〜500nmであることを確認した。
透明支持基板上に成膜した結晶化SPSからなる絶縁体層について、有機溶媒に対する耐性、表面粗さ及び水の接触角を評価した。結果を表1に示す。
尚、有機溶媒に対する耐性、表面粗さ及び水の接触角は以下のように評価した。
(1)有機溶媒に対する耐性
結晶化SPS絶縁体層上に、クロロホルムを滴下し1500rpmで30秒スピンコートした。このクロロホルムのスピンコートを2回繰り返した後乾燥し、触針式膜厚計でスピンコート後の結晶化SPS絶縁体層の膜厚を測定した。
初期膜厚に比べてクロロホルムのスピンコートを実施した後の膜厚が80%以上残存している場合を「○」と評価し、残存膜厚が80%未満である場合を「×」と評価した。また、クロロホルムの代わりにトルエンを用いて同様に有機溶媒に対する耐性を評価した。
(2)表面粗さ
5ミクロン角の原子間力顕微鏡(AFM)像における平均自乗粗さ(RMS)を測定した。
(3)水の接触角
水の接触角は、成膜した不溶化PS上に約0.2mmの水滴を滴下した際の、基板と水滴のなす角により評価した。
Poly(9,9-dioctylfluorene-co-bithiophene)(F8T2)0.025gにクロロホルム4.975gに加え、市販の超音波洗浄器で10分間超音波を照射して、0.5wt%のF8T2溶液を調製し、結晶化SPSからなる絶縁体層を形成した透明支持基板上にF8T2溶液を0.2ミクロンのメンブレンフィルターを通して滴下した後、1500rpmで30秒間スピンコート成膜し、80℃で30分間乾燥させて半導体層を形成した。
半導体層形成後、市販の真空蒸着装置(ULVAC(株)製)の基板ホルダーに固定し、一連の真空環境下で以下の要領で金属電極の形成を実施した。
不溶化PS層及びF8T2半導体層を成膜した透明支持基板を真空蒸着装置の中に固定し、1×10−4Pa以下にまで真空排気した。金入りのタングステンボートを通電加熱して金属マスクを通して金を50nmの膜厚で成膜することにより、互いに接しないソース電極及びドレイン電極を、間隔(チャンネル長L)が75μmになるように形成した。そのときソース電極とドレイン電極の幅(チャンネル幅W)は5mmとなるように成膜して、図2の構成を有する薄膜トランジスタを作製した。
有機半導体層及び金属電極の膜厚及び蒸着速度は、真空チャンバー内に配置されている水晶振動式膜厚計(ULVAC(株)製)により蒸着膜の膜厚をモニターしながら制御した。また、得られた各層の膜厚は触針式膜厚計で測定し、水晶振動式膜厚計の読みと一致することを確認した。
得られた薄膜トランジスタのゲート電極に0〜−100Vのゲート電圧を印加し、ソース−ドレイン間に5〜−100Vの電圧を印加して電流を流し、オン/オフ比、閾値電圧及び電界効果移動度μのFET特性を評価した。その結果、得られた薄膜トランジスタは、電子が有機半導体層のチャンネル領域(ソース−ドレイン間)に誘起され、p型トランジスタとして動作し、電流飽和領域でのソース−ドレイン電極間の電流のオン/オフ比が5.4×10、閾値電圧が−2.0V、電界効果移動度μが8.9×10−4cm/Vsであった。結果を表2に示す。
尚、各電圧の印加及びソース−ドレイン電極間の電流の測定は半導体特性評価システム(ケースレーインスツルメンツ(株)製 4200SCS)を用いて行った。また、電界効果移動度μは、下記式(A)を用いて算出した。
=(W/2L)・Cμ・(V−V (A)
(式中、Iはソース−ドレイン間電流、Wはチャンネル幅、Lはチャンネル長、Cはゲート絶縁体層の単位面積あたりの電気容量、Vはゲート閾値電圧、Vはゲート電圧である。)
実施例2
スチレンモノマー2.0gに、ジビニルベンゼン0.4g及びAIBN25mgを添加した溶液を攪拌しながら60℃に加熱したホットプレート上で加熱重合し、溶液の粘度を5mPa・sに調整した。この溶液を室温に冷却し、透明支持基板上に滴下して1500rpmで30秒スピンコート成膜し、得られた架橋PS付基板を150℃で30分間加熱することで、支持基板上でさらに架橋PSの加熱重合を進め、ゲート絶縁体層を形成した他は実施例1と同様にして有機溶媒に対する耐性及びFET特性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
尚、架橋PSからなる絶縁体層の膜厚は、500〜700nmであった。
比較例1
市販のPS(Mw:280,000 Aldrich製)をトルエンに溶解し、PSの含有量が6wt%となるようにPS溶液を調製した。この溶液を透明支持基板上に滴下し、1500rpmでスピンコート成膜し、ゲート絶縁体層を形成した他は実施例1と同様にして有機溶媒に対する耐性及びFET特性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
尚、PSからなる絶縁体層の膜厚は、650〜700nmであった。また、比較例1のトランジスタは、その製造過程においてF8T2溶液の溶媒であるクロロホルムに、PSからなる絶縁体層が溶解してしまったため、FET特性は評価できなかった。
比較例2
市販のPS(Mw:1,040,000 Aldrich製)をトルエンに溶解し、PSの含有量が10wt%となるようにPS溶液を調製した。また、bis(trichlorosilyl)hexane0.25gをトルエンに溶解し、bis(trichlorosilyl)hexaneの含有量が10wt%となるようにbis(trichlorosilyl)hexane溶液を調製した。これら両溶液を同じ重量で混合し、5wt%のPS溶液とした。この溶液を透明支持基板上に滴下し、1500rpmでスピンコート成膜し、ゲート絶縁体層を形成した他は実施例1と同様にして有機溶媒に対する耐性及びFET特性を評価した。
尚、PSからなる絶縁体層の膜厚は、600〜700nmであった。
Figure 2011096704
Figure 2011096704
表1から分かるように、本発明の有機溶媒に対して不溶化したPSからなる絶縁体層は、半導体材料の塗布成膜に使用される代表的な溶媒に対して十分な溶剤耐性を有することが確認できた。水の接触角の結果から、本発明の有機溶媒に対して不溶化したPSは、表面状態が変化していないことが分かる。一方、比較例2では、水の接触角から分かるように絶縁体層の表面状態が変化している。絶縁体層の表面状態が変化すると、半導体―絶縁膜界面付近の有機半導体薄膜の成長に違いが生じると考えられるため、その結果,移動度及びオンオフ比が実施例に比べて劣っていると考えられる。実施例2では水の接触角から表面エネルギーはほとんど変化させること無く不溶化膜を得ることができているが、結晶化処理に伴い表面粗さが粗くなってしまっており、その結果、移動度が低下する結果となった。表1及び表2から分かるように表面エネルギー及び表面粗さが、ともにPSとほぼ同程度となった架橋PSを絶縁膜層として用いた際に、特に良好な結果が得られた。
また、表2から、本発明の絶縁体層を有するトランジスタは、従来のPS絶縁膜では困難であった、半導体層の塗布成膜に対応できることが確認できた。この技術は、電子ペーパーや液晶ディスプレイ等の塗布プロセスへの展開に十分な性能を発揮することが期待できる。
本発明の薄膜トランジスタは、例えば電子ペーパーや液晶及び有機ELディスプレイ等の駆動回路、各種センサー及び認証タグ等に好適に使用することできる。
1,2,3,4 薄膜トランジスタ
10 基板
12 高濃度ドープSi基板
20 ゲート電極
30 絶縁体層
32 SiO
40 ソース電極
42 Au電極
50 ドレイン電極
52 Au電極
60 半導体層
70 リード線接続用電極
72 Au金属層
74 Cr金属層

Claims (7)

  1. 少なくとも基板上にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の3端子、絶縁体層並びに半導体層が設けられ、ソース−ドレイン間電流をゲート電極に電圧を印加することによって制御する薄膜トランジスタにおいて、
    前記絶縁体層が、塗布法により積層された層であって、有機溶媒に対して不溶化したポリスチレンからなる薄膜トランジスタ。
  2. 前記有機溶媒に対して不溶化したポリスチレンが、結晶化したポリスチレンである請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記結晶化したポリスチレンが、シンジオタクチックポリスチレンである請求項2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記有機溶媒に対して不溶化したポリスチレンが、架橋重合したポリスチレンである請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記架橋重合したポリスチレンが、スチレンとジビニルベンゼンを架橋重合してなるポリスチレンである請求項4に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記スチレンとジビニルベンゼンを架橋重合してなるポリスチレンにおけるジビニルベンゼンの含有率が1〜50重量%である請求項5に記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記半導体層が有機半導体層である請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
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JP2015099867A (ja) * 2013-11-20 2015-05-28 住友化学株式会社 スルーホールを有する有機絶縁膜の製造方法

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