JP2011094657A - ラックブーツ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ステアリングギアの仕様ごとに専用の金型を作製すことなく、かつ各種寸法のブーツに容易に対応できるラックブーツを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のラックブーツは、ステアリングギアボックスに締結される大径締結部と該大径締結部に連続する螺旋状の第1蛇腹部とを有する第1部材と、タイロッドに締結される小径締結部と該小径締結部に連続する螺旋状の第3蛇腹部とを有する第3部材と、筒体であって螺旋状の第2蛇腹部からなる第2部材とからなり、この第2部材の両端部に第1蛇腹部と第3蛇腹部とを螺着して一体化したことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明のラックブーツは、ステアリングギアボックスに締結される大径締結部と該大径締結部に連続する螺旋状の第1蛇腹部とを有する第1部材と、タイロッドに締結される小径締結部と該小径締結部に連続する螺旋状の第3蛇腹部とを有する第3部材と、筒体であって螺旋状の第2蛇腹部からなる第2部材とからなり、この第2部材の両端部に第1蛇腹部と第3蛇腹部とを螺着して一体化したことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、自動車などに使用されるステアリングラックブーツに関する。
ラックブーツは、自動車のステアリングギアボックスとタイロッドとの間のボールジョイントを覆う樹脂製の部材であり、ラックブーツ又はステアリングラックブーツと呼ばれている。一般的なラックブーツの軸方向断面図を図4に模式的に示す。
ラックブーツ100は、第1筒部110と、第2筒部120と、蛇腹部130とからなる。第1筒部110および第2筒部120は、各々筒状に形成されている。蛇腹部130は、複数の山部132と複数の谷部134とをもつ。山部132は外周方向に隆起し、谷部134は内周方向に陥没する。蛇腹部130は、山部132と谷部134とが交互に連続し、互いに隣接する山部132と谷部134とが連結壁部136で連結されてなる中空形状(所謂蛇腹状)に形成されている。蛇腹部130の一端側には第1筒部110が形成され、他端側には第2筒部120が形成されている。第1筒部110はステアリングギアボックス200に取り付けられる。第2筒部120はタイロッド310に取り付けられる。そして、蛇腹部130はステアリングギアボックス200から延びるラックバー320、タイロッド310及びラックバー320とタイロッド310とを連結するボールジョイント330等から構成されるジョイント部300を覆う。
ラックブーツ100はステアリングギアボックス200とタイロッド310とに締結された状態でジョイント部300の伸長、圧縮、揺動などの動作に追随して伸縮する。
このようなラックブーツ100に要求される機能を確保するためには、各仕様のステアリングギアごとに最適寸法のラックブーツ100を製作しなければならない。例えば、ステアリングギアボックス200の各締結部サイズに対して所定のシール性能を確保できる第1筒部110の寸法や、各ジョイント部300の伸縮範囲に対して所定の伸縮性能を確保できる蛇腹部130の長さ(山数)などに合わせてそれぞれのラックブーツ100ごとに専用の金型を作製しなければならなかった。
このような課題を解決するために、ラックブーツを軸方向に複数の部材に分割し、ステアリングギアの仕様によって主要寸法の異なるものを各部材ごとに準備し、各部材の組み合わせを変えることで寸法の異なる多品種のラックブーツに対応することが考えられる。このようにすれば、ステアリングギアの仕様が異なるたびにその仕様に合ったラックブーツの金型を個別に作製する必要がなくなり、大きなコストダウンが期待できる。
ところで、特許文献1には、蛇腹部を連結壁部で分割し、分割片の分割端部同士を環状の凸状部と環状の凹溝部との嵌め合わせをもってスライド可能に結合してある等速ジョイント用ブーツが開示されている。しかし、分割片の結合は分割端部に形成された環状の凸状部と環状の凹溝部との嵌め合わせ構造とされているため、ブーツ全体の長さの調整が困難であり、また、凸状部を凹溝部へ挿入して一体化する組立作業性が悪いという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ステアリングギアの仕様ごとに専用の金型を作製すことなく各種寸法のブーツに容易に対応できるラックブーツを提供することを課題とする。
本発明のラックブーツは、ステアリングギアボックスに締結される大径締結部と該大径締結部に連続する螺旋状の第1蛇腹部とを有する第1部材と、タイロッドに締結される小径締結部と該小径締結部に連続する螺旋状の第3蛇腹部とを有する第3部材と、筒体であって螺旋状の第2蛇腹部からなる第2部材とからなり、この第2部材の両端部に第1蛇腹部と第3蛇腹部とを螺着して一体化したことを特徴とする。
本発明のラックブーツにおいて、第1蛇腹部、第2蛇腹部および第3蛇腹部は同一の螺旋方向を有することが望ましい。
また、本発明のラックブーツにおいて、第2蛇腹部は、螺旋方向の異なる第1螺旋部と第2螺旋部とからなり、第1蛇腹部は該第1螺旋部と同一の螺旋方向を有し、第3蛇腹部は該第2螺旋部と同一の螺旋方向を有するようにしてもよい。
本発明のラックブーツは、軸方向に分割された第1〜3の3つの部材からなっている。このため各部材について主要部位の寸法の異なるものを準備することができるので、各部材の組み合わせを変えることで寸法の異なる多品種のラックブーツに対応することができる。従って、ステアリングギアの仕様が異なるたびにその仕様に合ったラックブーツ用の金型を個別に作製する必要がない。また、各部材の蛇腹部は、螺旋状に形成されているので、第1部材と第3部材とを第2部材の両端部に螺着することができる。従って、所望のラックブーツを容易に得ることができ、組立作業性が高い。
以下、本発明のラックブーツを図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1に第1の実施形態に係るラックブーツ1の軸方向断面図を示す。ラックブーツ1は、軸方向に3分割された第1部材10と、第2部材20と、第3部材30とからなる。
図1に第1の実施形態に係るラックブーツ1の軸方向断面図を示す。ラックブーツ1は、軸方向に3分割された第1部材10と、第2部材20と、第3部材30とからなる。
第1部材10は、一端にステアリングギアボックス200に締結される大径締結部12とこの大径締結部12に連続する第1蛇腹部14とからなる。第2部材20は、全体が螺旋状の第2蛇腹部からなり、一端部20aの内周側には第1蛇腹部14が、また、他端部20bの内周側には後述する第3蛇腹部34が螺入されている。第3部材30は、一端にタイロッド310に締結される小径締結部32とこの小径締結部32に連続する第3蛇腹部34とからなる。
第1蛇腹部14、第2蛇腹部20及び第3蛇腹部34は、いずれも同一ピッチの筒状の螺旋形状を有し、第1蛇腹部14の外周は第2蛇腹部20の一端側の内周に螺着して当接しており、第3蛇腹部14の外周は第2蛇腹部20の他端側の内周に螺着して当接している。すなわち、第1蛇腹部14と第3蛇腹部34の外径が第2蛇腹部20の内径に一致するように形成されている。なお、それぞれの蛇腹部は、いずれも第1部材10から第3部材30に向かう方向に見て時計回り方向の螺旋形状となっている。
このような構成のラックブーツ1は次のようにして作製することができる。図2にラックブーツ1の組立前の状態を側面図で示す。本実施形態において、第1部材10、第2部材20および第3部材30は、それぞれ個別に作製されている。すなわち、第1蛇腹部14は同一形状であるが各種のステアリングギアボックスのハウジングサイズに合わせて大径締結部12寸法が異なる複数種類の第1部材10と、第3蛇腹部34は同一形状であるが各種のタイロッドサイズに合わせて小径締結部32寸法が異なる複数種類の第3部材30と、第2部材20と同一螺旋形態ではあるが、軸方向長さが第2部材20のそれよりも長い一定長さを有する中間素材(図示せず)である。
まず複数種類の第1部材10と複数種類の第3部材30のなかから、所望のステアリングギアの仕様に合致する第1部材10と第3部材30とを選択する。次に、当該ステアリングギアの仕様に合わせて一定長さの中間素材を第1蛇腹部14と第3蛇腹部34とを考慮した所望の長さに切断して第2部材20とする。そして、第1部材10と第3部材30とを第2部材20のそれぞれの端部の内周側にねじ込んで一体化する。このとき、第1部材10と第2部材20、および第3部材30と第2部材20との重ね代d(図1)は、それぞれ2〜4回転とするとよい。重ね代dが2回転未満では締結力が不足して蛇腹部が伸長した際に抜けることがあり、4回転を超えるとスムースな伸縮の妨げとなる場合がある。
本実施形態によれば、ステアリングギアの仕様が異なってもラックブーツ用の金型を個別に作製することなく各種寸法のラックブーツの作製に容易に対応することが可能である。
(第2の実施形態)
図3に本実施形態に係るラックブーツ2の組立前の状態を側面図で示す。ラックブーツ2は、第1の実施形態と同様に軸方向に3分割された第1部材40、第2部材50および第3部材30とからなる。第1部材40は、大径締結部42とこの大径締結部42に連続する第1蛇腹部44とからなる。また、第2部材50は、螺旋方向の異なる第1螺旋部52と第2螺旋部54とが軸方向中央部で連結した円筒状の蛇腹部からなり、一端部50aの内周側には第1蛇腹部44が、また、他端部50bの内周側には後述する第3蛇腹部34が螺入されるようになっている。第3部材30は、第1の実施形態と同様に、小径締結部32とこの小径締結部32に連続する第3蛇腹部34とからなる。
図3に本実施形態に係るラックブーツ2の組立前の状態を側面図で示す。ラックブーツ2は、第1の実施形態と同様に軸方向に3分割された第1部材40、第2部材50および第3部材30とからなる。第1部材40は、大径締結部42とこの大径締結部42に連続する第1蛇腹部44とからなる。また、第2部材50は、螺旋方向の異なる第1螺旋部52と第2螺旋部54とが軸方向中央部で連結した円筒状の蛇腹部からなり、一端部50aの内周側には第1蛇腹部44が、また、他端部50bの内周側には後述する第3蛇腹部34が螺入されるようになっている。第3部材30は、第1の実施形態と同様に、小径締結部32とこの小径締結部32に連続する第3蛇腹部34とからなる。
第1部材40の第1蛇腹部44と第2部材50の第1螺旋部52とは、いずれも第1部材40から第3部材30に向かう方向に見て反時計回り(左ねじ)方向の螺旋形状となっている。また、第2部材50の第2螺旋部54と第3部材30の第3蛇腹部34とは、いずれも第1部材40から第3部材30に向かう方向に見て時計回り(右ねじ)方向の螺旋形状となっている。従って、第2部材50の両端部50a、50bにそれぞれ第1蛇腹部44および第3蛇腹部34を臨ませるとともに、第2部材50を第1部材40から第3部材30に向かう方向に見て時計回りに回転させることで、第1部材40と第3部材30とを第2部材50に螺入してラックブーツ2とすることができる。勿論、第1部材40と第3部材30とを回転させて第2部材50に螺入するようにしてもよい。なお、ラックブーツ2は、第1蛇腹部44と第2部材50の第1螺旋部52以外は実施例1のラックブーツ1と同様の態様とすればよい。
本発明のラックブーツは、上記の実施の形態に限定されることなく本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更することができる。例えば、実施の形態では、第1部材10(40)と第3部材30とを第2部材20(50)の内周側に螺入するようにしたが、反対に、第2部材20(50)の両端部20a、20bをそれぞれ第1蛇腹部14(44)と第3蛇腹部34の内周側に螺入するようにしてもよい。また、第2の実施形態において、第1螺旋部52と第2螺旋部54とは第2部材50の軸方向のほぼ中央部で接続するように形成されているが、第2部材50の変形に応じて軸方向の左右いずれかに偏在するように形成してもよい。また、実施の形態では、第2部材20の長さを調節することでラックブーツの長さを調整するようにしたが、重ね代の許容範囲内で第1部材および/又は第3部材の回転数でラックブーツの長さを調節するようにしてもよい。
本発明のラックブーツは、自動車のステアリングラックブーツとして好適である。
1、2:ラックブーツ 10、40:第1部材 12、42:大径締結部 14、44:第1蛇腹部 20、50:第2部材(第2蛇腹部) 30:第3部材 32:小径締結部 34:第3蛇腹部 52:第1螺旋部 54:第2螺旋部 200:ステアリングギアボックス 300:ステアリング部材 310:タイロッド
Claims (3)
- ステアリングギアボックスに締結される大径締結部と該大径締結部に連続する螺旋状の第1蛇腹部とを有する第1部材と、
タイロッドに締結される小径締結部と該小径締結部に連続する螺旋状の第3蛇腹部とを有する第3部材と、
筒体であって螺旋状の第2蛇腹部からなる第2部材とからなり、
前記第2部材の両端部に前記第1蛇腹部と前記第3蛇腹部とを螺着して一体化したことを特徴とするラックブーツ。 - 前記第1蛇腹部、前記第2蛇腹部および前記第3蛇腹部は同一の螺旋方向を有する請求項1に記載のラックブーツ。
- 前記第2蛇腹部は、螺旋方向の異なる第1螺旋部と第2螺旋部とからなり、前記第1蛇腹部と該第1螺旋部とは同一の螺旋方向を有し、前記第3蛇腹部と該第2螺旋部とは同一の螺旋方向を有する請求項1に記載のラックブーツ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009247259A JP2011094657A (ja) | 2009-10-28 | 2009-10-28 | ラックブーツ |
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---|---|---|---|---|
CN105422672A (zh) * | 2015-12-04 | 2016-03-23 | 镇江市润州联轴器厂 | 一种联轴器保护套 |
JP2021147032A (ja) * | 2020-03-18 | 2021-09-27 | 本田技研工業株式会社 | ステアリング構造 |
-
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- 2009-10-28 JP JP2009247259A patent/JP2011094657A/ja active Pending
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JP2021147032A (ja) * | 2020-03-18 | 2021-09-27 | 本田技研工業株式会社 | ステアリング構造 |
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