JP5679360B2 - 粉末成形用金型 - Google Patents

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本発明は、粉末成形体を加圧成形する粉末成形用金型に関する。
一般に、焼結部品は、金型により金属粉末を加圧成形して得られる粉末成形体を焼結して製造される。このような焼結部品として、例えば自動車の変速機に用いられるクラッチハブのように、円筒状のボス部と、このボス部の径方向外側に形成された円板状のリム部と、このリム部の径方向外側に形成された外輪部とを有し、外輪部に複数の切欠溝(キー溝)が周方向に沿って形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、このような焼結部品を加圧成形する従来の粉末成形用金型を示す断面図である。また、図8は、図7のB−B矢視断面図である。
図7に示すように、従来の粉末成形用金型100は、成形孔101aを有するダイ101と、ダイ101の成形孔101aに上方から挿入される円筒状の第1〜第3上パンチ111〜113と、ダイ101の成形孔101aに下方から挿入される円筒状の第1〜第4下パンチ121〜124と、コアロッド131とを備えている。粉末成形用金型100は、第1〜第3上パンチ111〜113の各下端部と、第1〜第4下パンチ121〜124の各上端部とで金属粉末を加圧することにより、粉末成形体200のボス部201、リム部202、外輪部203及び複数の切欠溝204(図8参照)を成形する。
特開2009−167477号公報
従来の粉末成形用金型100により粉末成形体200を加圧成形するとき、第2下パンチ122は、その上端部によって、ボス部201の外周面、リム部202の上面及び外輪部203の内周面を成形する。その際、図8に示すように、第2下パンチ122の上端部の内周面122aには、ボス部201の外周面によって径方向外方へ押圧する内圧Paが作用する。また、第2下パンチ122の上端部の外周面122bには、外輪部203の内周面によって、前記内圧Paとバランスするように径方向内方へ押圧する外圧Pbが作用する。
しかし、第2下パンチ122の上端部において、粉末成形体200の切欠部204に対応して形成されたスリット溝122cでは、その径方向外側に粉末成形体200の外輪部203が存在しないため、前記外圧Pbが作用せず、前記内圧Paのみが作用することになる。このため、第2下パンチ122の上端部は、前記スリット溝122cの形成箇所が内圧Paによって径方向外側に膨らむことにより、真円状の円筒形状から図9に示すような歪な形状に弾性変形することがある。この弾性変形は、第2下パンチ122と同様に前記内圧Pa及び外圧Pbが作用する第2上パンチ112の下端部においても生じる。このような弾性変形が生じた場合、第2上パンチ112及び第2下パンチ122の変形後の形状が粉末成形体200に転写されるため、粉末成形体200の真円度が低下するという問題があった。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、粉末成形体の真円度が低下するのを抑制することができる粉末成形用金型を提供することを目的としている。
(1)本発明の粉末成形用金型は、円筒状のボス部と、前記ボス部の径方向外側に形成された円板状のリム部と、前記リム部の径方向外側に形成された円筒状の外輪部とを有し、前記外輪部に複数の切欠溝が周方向に所定間隔をあけて形成された粉末成形体を加圧成形する粉末成形用金型であって、成形孔を有するダイと、下端部を前記成形孔に上方から挿入して前記外輪部を成形する円筒状の第1上パンチと、前記第1上パンチの径方向内側に所定のクリアランスを設けて配置され、下端部を前記成形孔に上方から挿入して前記リム部を成形する円筒状の第2上パンチと、を備え、前記粉末成形体の軸線に対して直交する断面視において、周方向に隣接する一対の前記切欠溝のうち、一方を周方向に二等分する直線を第1直線とし、他方を周方向に二等分する直線を第2直線とし、前記第1直線と前記第2直線とがなす角度を二等分する直線を第3直線とし、前記第1上パンチの内周面と前記第1直線との交点から径方向内側に前記クリアランスと同一長さ離れた点を第1端点とし、前記第1上パンチの内周面と前記第2直線との交点から径方向内側に前記クリアランスと同一長さ離れた点を第2端点とし、前記第1上パンチの内周面と前記第3直線との交点を中間点とした場合、前記第2上パンチの下端部は、前記加圧成形前の状態において、前記第1端点から前記中間点を通過して前記第2端点に至る円弧軌跡上に形成された外周面を有する円弧筒部が周方向に複数形成されてなることを特徴とする。
本発明によれば、第2上パンチの下端部は、上述の円弧筒部を形成することにより、粉末成形体の第1端点と第2端点との間に対応する箇所が径方向外側に膨らんだ形状となる。すなわち、第2上パンチの下端部は、切欠溝に対応する箇所以外が予め径方向外側に膨らんだ形状となる。これにより、粉末成形体を加圧成形する際に、第2上パンチの下端部に内圧が作用すると、各円弧筒部の切欠溝に対応する箇所が径方向外側に膨らむことにより、第2上パンチの下端部を全体として真円状に弾性変形させることができる。その結果、第2上パンチの変形後の形状が粉末成形体に転写されることにより、粉末成形体の真円度が低下するのを抑制することができる。
(2)本発明の粉末成形用金型は、円筒状のボス部と、前記ボス部の径方向外側に形成された円板状のリム部と、前記リム部の径方向外側に形成された円筒状の外輪部とを有し、前記外輪部に複数の切欠溝が周方向に所定間隔をあけて形成された粉末成形体を加圧成形する粉末成形用金型であって、成形孔を有するダイと、上端部を前記成形孔に下方から挿入して前記外輪部を成形する円筒状の第1下パンチと、前記第1下パンチの径方向内側に所定のクリアランスを設けて配置され、上端部を前記成形孔に下方から挿入して前記リム部を成形する円筒状の第2下パンチと、を備え、前記粉末成形体の軸線に対して直交する断面視において、周方向に隣接する一対の前記切欠溝のうち、一方を周方向に二等分する直線を第1直線とし、他方を周方向に二等分する直線を第2直線とし、前記第1直線と前記第2直線とがなす角度を二等分する直線を第3直線とし、前記第1下パンチの内周面と前記第1直線との交点から径方向内側に前記クリアランスと同一長さ離れた点を第1端点とし、前記第1下パンチの内周面と前記第2直線との交点から径方向内側に前記クリアランスと同一長さ離れた点を第2端点とし、前記第1下パンチの内周面と前記第3直線との交点を中間点とした場合、前記第2下パンチの上端部は、前記加圧成形前の状態において、前記第1端点から前記中間点を通過して前記第2端点に至る円弧軌跡上に形成された外周面を有する円弧筒部が周方向に複数形成されてなることを特徴とする。
本発明によれば、第2下パンチの上端部は、上述の円弧筒部を形成することにより、粉末成形体の第1端点と第2端点との間に対応する箇所が径方向外側に膨らんだ形状となる。すなわち、第2下パンチの上端部は、切欠溝に対応する箇所以外が予め径方向外側に膨らんだ形状となる。これにより、粉末成形体を加圧成形する際に、第2下パンチの上端部に内圧が作用すると、各円弧筒部の切欠溝に対応する箇所が径方向外側に膨らむことにより、第2下パンチの上端部を全体として真円状に弾性変形させることができる。その結果、第2下パンチの変形後の形状が粉末成形体に転写されることにより、粉末成形体の真円度が低下するのを抑制することができる。
(3)前記円弧筒部は、前記ボス部の外周面と対向する高さ範囲の全体に亘って形成されていることが好ましい。
この場合、粉末成形体のボス部の外周面により内圧を受ける高さ範囲の全体に亘って円弧筒部が形成されるため、第2上パンチの下端部又は第2下パンチの上端部が内圧によって弾性変形したときに、その変形後の形状をより真円度の高い形状とすることができる。
本発明によれば、粉末成形体の真円度が低下するのを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る粉末成形用金型を示す断面図である。 上記粉末成形用金型により加圧成形された粉末成形体を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。 上記粉末成形用金型の第2上パンチの下端部を示す断面図である。 上記粉末成形用金型の第2下パンチの上端部を示す断面図である。 上記第2上パンチの下端部及び第2下パンチの上端部を示す断面図であり、(a)は変形前の状態を示し、(b)は変形後の状態を示している。 粉末成形体のボス部及び外輪部の真円度を示す表である。 従来の粉末成形用金型を示す断面図である。 図7のB−B矢視断面図である。 図7の粉末成形用金型の第2下パンチの上端部を示す断面図である。
以下、本発明の粉末成形用金型の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る粉末成形用金型を示す断面図である。
図1において、粉末成形用金型1は、成形孔2aを有するダイ2と、第1〜第3上パンチ3〜5と、第1〜第4下パンチ6〜9と、コアロッド10とを備えており、例えば自動車の変速機に用いられる焼結部品であるクラッチハブの粉末成形体50を加圧成形するのに用いられる。
図2は、粉末成形体50を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
図2(a),(b)において、粉末成形体50は、円筒状のボス部51と、このボス部51の径方向外側に形成された円板状のリム部52と、このリム部52の径方向外側に形成された円筒状の外輪部53とによって構成されている。
ボス部51の外周には、大径部51aと、この大径部51aの下方に形成された小径部51bとが形成されている。ボス部51の内周には、その全周に亘って複数の内歯54が形成されている。
リム部52の内周端は、ボス部51の大径部51aの外周面における上下方向(軸方向)中間部に接続され、リム部52の外周端は、外輪部53の内周面における上下方向(軸方向)中間部に接続されている。
外輪部53の外周には、その全周に亘って複数の外歯55が形成されている。また、外輪部53の外周には、複数(ここでは3個)の切欠溝(キー溝)56が周方向に所定間隔をあけて形成されている。各切欠溝56は、リム部52の外周面よりも径方向内側に窪むように形成されている。
図1において、粉末成形用金型1は、ダイ2の成形孔2aに上方から挿入した第1〜第3上パンチ3〜5の各下端部と、ダイ2の成形孔2aに下方から挿入した第1〜第4下パンチ6〜9の各上端部と、コアロッド10の外周面とによって、これらの間に充填された金属粉末を上下方向から加圧することで粉末成形体50を成形する。以下、粉末成形用金型1の構成部材について詳しく説明する。
ダイ2の成形孔2aには、その全周に亘って、前記外歯55を成形する起伏部2a1が形成されている。コアロッド10の外周面には、その全周に亘って、前記内歯54を成形する起伏部10aが形成されている。
第1上パンチ3は、ダイ2の成形孔2aの孔径よりも若干小さい外径を有する円筒状の部材からなり、その下面により前記外輪部53の上面を成形する。
第2上パンチ4は、第1上パンチ3の内径よりも小さい外径を有する円筒状の部材からなり、第1上パンチ3の径方向内側に所定のクリアランスSを設けて配置されている。なお、本実施形態におけるクリアランスSは、0.03〜0.004mmに設定されている。第2上パンチ4の下端部の外周面には、前記各切欠溝56の底部に対応する複数のスリット溝4d(図3参照)が周方向に所定間隔をあけて形成されている。図1に示すように、第2上パンチ4は、その下端部により、ボス部51(大径部51a)の上側の外周面、リム部52の上面、及び外輪部53の上側の内周面を成形する。
第3上パンチ5は、第2上パンチ4の内径よりも小さい外径を有する円筒状の部材からなり、第2上パンチ4の径方向内側に配置されている。第3上パンチ5は、その下面により前記ボス部51の上面を成形する。
第1下パンチ6は、ダイ2の成形孔2aの孔径よりも若干小さい外径を有する円筒状の部材からなり、その上面により前記外輪部53の下面を成形する。
第2下パンチ7は、第1下パンチ6の内径よりも小さい外径を有する円筒状の部材からなり、第1下パンチ6の径方向内側に所定のクリアランスSを設けて配置されている。本実施形態におけるクリアランスSは、0.03〜0.004mmに設定されている。第2上パンチ4の下端部の外周面には、前記各切欠溝56の底部に対応する複数のスリット溝7d(図4参照)が周方向に所定間隔をあけて形成されている。図1に示すように、第2下パンチ7は、その上端部により、ボス部51(大径部51a)の下側の外周面、前記リム部52の下面、及び外輪部53の下側の内周面を成形する。前記リム部52の下面を成形する。
第3下パンチ8は、第2下パンチ7の内径よりも小さい外径を有する円筒状の部材からなり、第2下パンチ7の径方向内側に配置されている。第3下パンチ8は、その上面により前記ボス部51における大径部51aの下面及び小径部51bの外周面を成形する。
第4下パンチ9は、第3下パンチ8の内径よりも小さい外径を有する円筒状の部材からなり、第3下パンチ8の径方向内側に配置されている。第4下パンチ9は、その上面により前記ボス部51における小径部51bの下面を成形する。
図3は、第2上パンチ4の下端部を示す断面図である。
図3において、第2上パンチ4の下端部は、円弧状の外周面4a1,4b1,4c1及び円弧状の内周面4a2,4b2,4c2をそれぞれ有する複数の円弧筒部4a,4b,4cが周方向に形成されてなる。各円弧筒部4a〜4cは、同一形状であるため、本実施形態では、円弧筒部4aの形状についてのみ説明する。
円弧筒部4aは、後述する内圧Paが作用する高さ範囲、つまり粉末成形体50のボス部51の外周面と対向する高さ範囲H(図1参照)の全体に亘って形成されている。円弧筒部4aの外周面4a1と、円弧筒部4aの周方向両側に隣接する円弧筒部4b,4cの外周面4b1,4c1との接続部には、粉末成形体50の切欠溝56の底部に対応するスリット溝4dがそれぞれ形成されている。
図3に示すように、粉末成形体50の軸線Xに対して直交する断面視において、第1直線C1、第2直線C2、第3直線C3、第1端点P1、第2端点P2及び中間点P3を以下のように定義した場合、円弧筒部4aの外周面4a1は、軸線Xに対してオフセットした中心点P0を中心として、第1端点P1から中間点P3を通過して第2端点P2に至る半径Rの円弧軌跡上に形成されている。なお、図3に示す外周面4a1は、分かり易くするために前記中心点P0のオフセットの程度を誇張して描いている。
ここで、第1直線C1は、周方向に隣接する一対の切欠溝56のうちの一方を周方向に二等分する直線である。第2直線C2は、前記一対の切欠溝56のうちの他方を周方向に二等分する直線である。第3直線C3は、第1直線C1と第2直線C2とがなす角度θを二等分する直線である。
また、第1端点P1は、第1上パンチ3の内周面3aと第1直線C1との交点F1から径方向内側にクリアランスSと同一長さ離れた点である。第2端点P2は、前記内周面3aと第2直線C2との交点F2から径方向内側にクリアランスSと同一長さ離れた点である。中間点P3は、前記内周面3aと第3直線C3との交点である。
円弧筒部4aの内周面4a2は、前記角度θの範囲において、前記中心点P0を中心として外周面4a1の半径Rよりもリム部52の径方向の長さ分だけ短い半径rを有する円弧面として形成されている。
以上の構成により、第2上パンチ4の下端部は、複数の円弧筒部4a〜4cによって、粉末成形体50の第1端点P1と第2端点P2との間に対応する箇所、すなわち各切欠溝56に対応する箇所以外が予め径方向外側に膨らんだ形状となっている。
図4は、第2下パンチ7の上端部を示す断面図である。
図3において、第2下パンチ7の上端部は、円弧状の外周面7a1,7b1,7c1及び円弧状の内周面7a2,7b2,7c2をそれぞれ有する複数の円弧筒部7a,7b,7cが周方向に形成されてなる。各円弧筒部7a〜7cは、同一形状であるため、本実施形態では、円弧筒部7aの形状についてのみ説明する。
円弧筒部7aは、後述する内圧Paが作用する高さ範囲、粉末成形体50のボス部51(大径部51a)の外周面と対向する高さ範囲H(図1参照)の全体に亘って形成されている。円弧筒部7aの周方向両側に隣接する円弧筒部7b,7cの外周面7b1,7c1との接続部には、粉末成形体50の切欠溝56の底部に対応するスリット溝7dがそれぞれ形成されている。
図4に示すように、粉末成形体50の軸線Xに対して直交する断面視において、第1端点P1、第2端点P2及び中間点P3を以下のように定義した場合、円弧筒部7aの外周面7a1は、軸線Xに対してオフセットした中心点P0を中心として、前記第1端点P1から中間点P3を通過して前記第2端点P2に至る半径Rの円弧軌跡上に形成されている。なお、図4に示す外周面7a1は、分かり易くするために前記中心点P0のオフセットの程度を誇張して描いている。
ここで、第1端点P1は、第1下パンチ6の内周面6aと前記第1直線C1との交点F1から径方向内側にクリアランスSと同一長さ離れた点である。第2端点P2は、前記内周面6aと前記第2直線C2との交点F2から径方向内側にクリアランスSと同一長さ離れた点である。中間点P3は、前記内周面6aと前記第3直線C3との交点である。
円弧筒部7aの内周面7a2は、前記角度θの範囲において、前記中心点P0を中心として外周面7a1の半径Rよりもリム部52の径方向の長さ分だけ短い半径rを有する円弧面として形成されている。
以上の構成により、第2下パンチ7の上端部は、複数の円弧筒部7a〜7cによって、粉末成形体50の第1端点P1と第2端点P2との間に対応する箇所、すなわち各切欠溝56に対応する箇所以外が予め径方向外側に膨らんだ形状となっている。
図3及び図4に示すように、粉末成形用金型1により粉末成形体50を加圧成形するとき、第2上パンチ4の円弧筒部4a〜4cの内周面4a2〜4c2、及び第2下パンチ7の円弧筒部7a〜7cの内周面7a2〜7c2には、ボス部51(大径部51a)の外周面によって径方向外方へ押圧する内圧Paが作用する。
また、第2上パンチ4の円弧筒部4a〜4cの外周面4a1〜4c1、及び第2下パンチ7の円弧筒部7a〜7cの外周面7a1〜7c1には、外輪部53のの内周面によって、前記内圧Paとバランスするように径方向内方へ押圧する外圧Pbが作用する。
しかし、円弧筒部4a〜4c(7a〜7c)の外周面4a1〜4c1(7a1〜7c1)において、前記スリット溝4d(7d)の径方向外側には粉末成形体50の外輪部53が存在しないため、外圧Pbが作用せず、内圧Paのみが作用することになる。このため、第2上パンチ4の下端部(第2下パンチ7の上端部)は、図5(a)に示す複数の円弧筒部4a〜4c(7a〜7c)からなる形状から、スリット溝4d(7d)の形成箇所が内圧Paによって径方向外方(図中の破線矢印方向)に膨らむように弾性変形する。これにより、第2上パンチ4の下端部(第2下パンチ7の上端部)は、図5(b)に示すように、軸線Xを中心点とする外径R’ (R’ )を有する真円状の円筒形状となる。
以上、本実施形態に係る粉末成形用金型によれば、第2上パンチ4の下端部及び第2下パンチ7の上端部は、上述の円弧筒部4a〜4c,7a〜7cを形成することにより、粉末成形体50の切欠溝56に対応する箇所以外が予め径方向外側に膨らんだ形状となる。これにより、粉末成形体50を加圧成形する際に、第2上パンチ4の下端部及び第2下パンチ7の上端部に内圧Paが作用すると、各切欠溝56に対応する箇所が径方向外側に膨らむことにより、第2上パンチ4の下端部及び第2下パンチ7の上端部を全体として真円状に変形させることができる。その結果、第2上パンチ4及び第2下パンチ7の変形後の形状が粉末成形体50に転写されることにより、粉末成形体50の真円度が低下するのを抑制することができる。
また、粉末成形体50のボス部51の外周面によって内圧Paを受ける高さ範囲H,Hの全体に亘って円弧筒部4a〜4c,7a〜7cが形成されているため、第2上パンチ4の下端部及び第2下パンチ7の上端部が内圧Paによって変形したときに、その変形後の形状をより真円度の高い形状とすることができる。
図6は、従来の粉末成形用金型により加圧成形された粉末成形体のボス部と外輪部の真円度、及び本実施形態の粉末成形用金型1により加圧成形された粉末成形体50のボス部51と外輪部53の真円度を示す表である。
図6に示すように、本実施形態のボス部51(大径部51a)の上側の外径d1及び外輪部53の上側の内径d2(図2(b)参照)の各真円度は、いずれも従来の粉末成形体の対応する外径及び内径の真円度よりも小さい値を示している。すなわち、第2上パンチ4の下端部に円弧筒部4a〜4cを形成することにより、粉末成形体50の真円度が改善されていることが分かる。
また、本実施形態のボス部51(大径部51a)の下側の外径d1及び外輪部53の下側の内径d2(図2(b)参照)の各真円度は、いずれも従来の粉末成形体の対応する外径及び内径の真円度よりも小さい値を示している。すなわち、第2下パンチ7の上端部に円弧筒部7a〜7cを形成することにより、粉末成形体50の真円度が改善されていることが分かる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、本実施形態における粉末成形用金型1は、焼結部品であるクラッチハブの粉末成形体50を加圧成形する場合について説明したが、前記ボス部51、リム部52及び外輪部53を有するものであれば、他の焼結部品の粉末成形体に適用することができる。
また、本実施形態における粉末成形用金型1は、第2上パンチ4の下端部及び第2下パンチ7の上端部を、円弧筒部4a〜4c,7a〜7cにより形成しているが、第2上パンチ4の下端部及び第2下パンチ7の上端部のうち、少なくとも一方を円弧筒部4a〜4cにより形成していればよい。
1 粉末成形用金型
2 ダイ
2a 成形孔
3 第1上パンチ
4 第2上パンチ
4a,4b,4c 円弧筒部
4a1,4b1,4c1 外周面
6 第1下パンチ
7 第2下パンチ
7a,7b,7c 円弧筒部
7a1,7b1,7c1 外周面
50 粉末成形体
51 ボス部
52 リム部
53 外輪部
56 切欠溝
,H 高さ範囲
P1,P1 第1端点
P2,P2 第2端点
P3,P3 中間点
,S クリアランス
X 軸線

Claims (3)

  1. 円筒状のボス部と、前記ボス部の径方向外側に形成された円板状のリム部と、前記リム部の径方向外側に形成された円筒状の外輪部とを有し、前記外輪部に複数の切欠溝が周方向に所定間隔をあけて形成された粉末成形体を加圧成形する粉末成形用金型であって、
    成形孔を有するダイと、
    下端部を前記成形孔に上方から挿入して前記外輪部を成形する円筒状の第1上パンチと、
    前記第1上パンチの径方向内側に所定のクリアランスを設けて配置され、下端部を前記成形孔に上方から挿入して前記リム部を成形する円筒状の第2上パンチと、を備え、
    前記粉末成形体の軸線に対して直交する断面視において、周方向に隣接する一対の前記切欠溝のうち、一方を周方向に二等分する直線を第1直線とし、他方を周方向に二等分する直線を第2直線とし、前記第1直線と前記第2直線とがなす角度を二等分する直線を第3直線とし、
    前記第1上パンチの内周面と前記第1直線との交点から径方向内側に前記クリアランスと同一長さ離れた点を第1端点とし、前記第1上パンチの内周面と前記第2直線との交点から径方向内側に前記クリアランスと同一長さ離れた点を第2端点とし、前記第1上パンチの内周面と前記第3直線との交点を中間点とした場合、
    前記第2上パンチの下端部は、前記加圧成形前の状態において、前記第1端点から前記中間点を通過して前記第2端点に至る円弧軌跡上に形成された外周面を有する円弧筒部が周方向に複数形成されてなることを特徴とする粉末成形用金型。
  2. 円筒状のボス部と、前記ボス部の径方向外側に形成された円板状のリム部と、前記リム部の径方向外側に形成された円筒状の外輪部とを有し、前記外輪部に複数の切欠溝が周方向に所定間隔をあけて形成された粉末成形体を加圧成形する粉末成形用金型であって、
    成形孔を有するダイと、
    上端部を前記成形孔に下方から挿入して前記外輪部を成形する円筒状の第1下パンチと、
    前記第1下パンチの径方向内側に所定のクリアランスを設けて配置され、上端部を前記成形孔に下方から挿入して前記リム部を成形する円筒状の第2下パンチと、を備え、
    前記粉末成形体の軸線に対して直交する断面視において、周方向に隣接する一対の前記切欠溝のうち、一方を周方向に二等分する直線を第1直線とし、他方を周方向に二等分する直線を第2直線とし、前記第1直線と前記第2直線とがなす角度を二等分する直線を第3直線とし、
    前記第1下パンチの内周面と前記第1直線との交点から径方向内側に前記クリアランスと同一長さ離れた点を第1端点とし、前記第1下パンチの内周面と前記第2直線との交点から径方向内側に前記クリアランスと同一長さ離れた点を第2端点とし、前記第1下パンチの内周面と前記第3直線との交点を中間点とした場合、
    前記第2下パンチの上端部は、前記加圧成形前の状態において、前記第1端点から前記中間点を通過して前記第2端点に至る円弧軌跡上に形成された外周面を有する円弧筒部が周方向に複数形成されてなることを特徴とする粉末成形用金型。
  3. 前記円弧筒部は、前記ボス部の外周面と対向する高さ範囲の全体に亘って形成されている請求項1又は2に記載の粉末成形用金型。
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