JP2011094218A - 酸化錫膜付き基体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体温度が高温(例えば、590℃以上)のみならず低温(例えば、450〜550℃)であっても膜中に残留する塩素濃度を効率よく低減することができ、かつ、酸化錫の結晶粒が大きく成長した膜を成膜することができる酸化錫膜付き基体の製造方法の提供。
【解決手段】加熱した基体上に、気化した塩化錫、酸化ガスおよび気化したアンモニア類を含有する原料ガスを吹き付けて酸化錫を成膜する、酸化錫膜付き基体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化錫膜付き基体の製造方法に関する。
太陽電池基板、ディスプレイ基板、タッチパネル基板等の様々な分野では透明導電性の薄膜として、金属酸化物からなる薄膜が使用されている。
これらの用途のうち、薄膜太陽電池等の光電変換デバイスにおいては、高い透明性、光閉じこめ性、電気伝導性、化学的耐久性等が要求されており、これらの要求を満たすものとして酸化錫膜が広く使用されている。
そして、酸化錫の成膜方法としては、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)、ゾルゲル法等が一般的に知られているが、中でもCVD法は比較的安価で大面積の成膜が可能であり、膜の緻密性、結晶性が高い等の優れた利点を有するため、工業的に広く用いられている。
CVD法による酸化錫膜を作製する際の錫原料としては、四塩化錫等の無機原料や、ジメチルジクロロ錫、モノブチルトリクロロ錫等の有機錫が用いられる。
このうち、有機錫を用いた場合、有機錫による環境汚染の懸念があり、また、有機錫が有する炭素成分が酸化錫膜中に混入すると、炭素による光吸収が起こって透過率が悪化する問題もあるため、無機原料が好適に用いられている。
しかしながら、無機原料、特に四塩化錫は、反応速度が速いため、成膜中に塩素が抜けきらずに膜に残留して透明度を下げたり、結晶成長を阻害して結晶粒を小さくしたりする等の問題がある。
これらの問題のうち、酸化錫膜中の塩素濃度を低減する方法としては、例えば、特許文献1には、基板温度を590℃以上にすることが記載されている([請求項7][0013])。
一方、特許文献2には、酸化錫膜に導電性を持たせ太陽電池向けの透明導電膜として使用する場合に、酸化錫の結晶粒の大きさを利用して、酸化錫表面に凹凸を作る方法が記載されている。
特開2001−35262号公報 国際公開第2004/102677号
しかしながら、このような高温下で無機原料(特に、四塩化錫)の吹き付けを行うと、反応速度が速くなりすぎるため、酸化錫膜中の塩素濃度の低減効果は不十分となることが分かった。
そこで、本発明は、基体温度が高温(例えば、590℃以上)のみならず低温(例えば、450〜550℃)であっても膜中に残留する塩素濃度を効率よく低減することができる酸化錫膜付き基体の製造方法を提供することを目的とする。また、酸化錫中の塩素濃度を低減することにより、酸化錫の結晶粒が大きく成長した膜を成膜することができる酸化錫膜付き基体の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、原料ガスにアンモニア類を混在させることにより、基体温度が高温(例えば、590℃以上)のみならず低温(例えば、450〜550℃)であっても膜中に残留する塩素濃度を効率よく低減することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)を提供する。
(1)加熱した基体上に、気化した塩化錫、酸化ガスおよび気化したアンモニア類を含有する原料ガスを吹き付けて酸化錫を成膜する、酸化錫膜付き基体の製造方法。
(2)気化させるアンモニア類としてアンモニアを用いる上記(1)に記載の酸化錫膜付き基体の製造方法。
(3)気化させる塩化錫として四塩化錫を用いる上記(1)または(2)に記載の酸化錫膜付き基体の製造方法。
(4)上記アンモニアと上記四塩化錫とのモル比(アンモニア/四塩化錫)が0.05〜1.0である上記(3)に記載の酸化錫膜付き基体の製造方法。
以下に説明するように、本発明によれば、基体温度が高温(例えば、590℃以上)のみならず低温(例えば、450〜550℃)であっても膜中に残留する塩素濃度を効率よく低減することができる酸化錫膜付き基体の製造方法を提供することができる。また、酸化錫中の塩素濃度を低減することにより、酸化錫の結晶粒が大きく成長した膜を成膜することができる酸化錫膜付き基体の製造方法を提供することができる。
CVD成膜装置の構成を示す模式図。 実施例1〜8で作製した酸化錫膜付きガラス基板における膜中の塩素濃度および結晶粒径を成膜時のガラス基板の温度に対してプロットしたグラフ。 比較例1〜3で作製した酸化錫膜付きガラス基板における膜中の塩素濃度および結晶粒径を成膜時のガラス基板の温度に対してプロットしたグラフ。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の酸化錫膜付き基体の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)は、加熱した基体上に、気化した塩化錫、酸化ガスおよび気化したアンモニア類を含有する原料ガスを吹き付けて酸化錫を成膜して酸化錫膜付き基体を得る製造方法である。
次に、本発明の製造方法に用いる基体およびその温度、ならびに、原料ガスおよびそれを用いた酸化錫膜の成膜条件について詳述する。
<基体>
基体の材質は、特に限定されないが、光電変換デバイス(例えば、太陽電池用透明導電性基板等)に用いる場合には、透光性(光透過率)および機械的強度に優れる点で、ガラス、プラスチックが好適に例示される。中でも、透光性、機械的強度および耐熱性に優れ、かつ、コスト面でも優れる点で、ガラスが好ましい。
ガラスは、特に限定されず、例えば、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスが挙げられる。中でも、無色透明であり、安価であり、市場で面積、形状、板厚等の仕様を指定して入手することが容易である点で、ソーダライムシリケートガラスが好ましい。
基体がガラス製である場合、その厚さは用途により異なるため特に限定されないが、光電変換デバイス(例えば、太陽電池用透明導電性基板等)に用いる場合には、0.2〜6.0mmであるのが好ましい。上記範囲であると、機械的強度および透光性のバランスに優れる。
基体は、400〜1200nmの波長領域の光透過率に優れているのが好ましい。具体的には400〜1200nmの波長領域の平均光透過率が80%を超えているのが好ましく、85%以上であるのがより好ましい。
また、基体は、絶縁性に優れているのが好ましく、化学的耐久性および物理的耐久性にも優れているのが好ましい。
また、基体がガラス製である場合、アルカリ成分の拡散を抑制し、酸化錫膜の電気性能を良好に維持する観点から、基体上にアルカリバリア層を設けておくのが好ましい。なお、後述する原料ガスを吹き付ける際の基体の温度が500℃以上の場合は、アルカリバリア層を設けておくのが望ましい。
本発明においては、基体の形状は特に限定されず、例えば、基体を用いて製造される太陽電池の形状に応じて適宜選択することができる。したがって、平面上のみならず、曲面状であってもよく、また他の異形状であってもよい。
<基体の温度>
本発明の製造方法においては、上記基体を加熱した状態で後述する原料ガスを吹き付けて酸化錫膜を成膜する。
ここで、後述する原料ガスを吹き付ける際の上記基体は、450〜650℃の温度であることが好ましく、500〜580℃の温度であることがより好ましい。
基体温度が上述した範囲内であると、酸化錫膜の成膜速度が良好となり、また、ガラス基板を用いた場合でもナトリウム成分の酸化錫膜への拡散を低減することができる。なお、ナトリウム成分の拡散をさらに低減するためには、ガラス基板と酸化錫膜との間に上述したアルカリバリア層を設置することがより好ましい。
<原料ガス>
本発明の製造方法においては、気化した塩化錫、酸化ガスおよび気化したアンモニア類を含有する原料ガスを用いる。
また、本発明の製造方法においては、原料ガスとは別に、原料を気化するためのガスや、原料ガスを希釈したり、原料ガスを輸送したりするためのキャリアガスを使用することもできる。
(気化した塩化錫)
気化前の塩化錫原料としては、四塩化錫などの無機系の錫原料やモノブチルトリクロロ錫、ジメチルジクロロ錫などの有機系の錫原料を使用することができるが、環境汚染や炭素による光吸収を考慮すると、無機系の錫原料を使用するのが好ましく、中でも低温における成膜速度が速い四塩化錫を使用するのが特に好ましい。
これらの錫原料は、例えば、窒素ガスでバブリングすることにより気化した塩化錫とすることができるが、気化する方法は特に窒素ガスによるバブリングに限定されない。
また、成膜後の酸化錫膜に導電性を付与するためのドーピング剤の原料はガスの状態(以下、「ドープガス」という。)で使用するのが好ましい。このドープガスとしては、例えば、ふっ酸やトリフルオロ酢酸等が挙げられる。また、ドープガスは気化した塩化錫に混合してもよい。
(酸化ガス)
酸化ガスとしては、錫を酸化することができる従来公知の酸化ガスを使用することができるが、低温で反応を促進できる理由から水蒸気を使用するのが好ましい。
また、水蒸気には、酸素、オゾン、過酸化水素、一酸化二窒素等の他の公知の酸化剤を混合することもできる。
(気化したアンモニア類)
気化前のアンモニア原料としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、アニリン等の窒素−水素結合を有する低分子化合物が使用できる。
これらのうち、気化が容易であり安価である理由からアンモニアを使用するのが特に好ましい。
これらのアンモニア原料は、例えば、窒素ガスでバブリングすることにより気化したアンモニア類とすることができるが、気化する方法は特に窒素ガスによるバブリングに限定されない。
本発明においては、このようなアンモニア類を原料ガスに用いることにより、基体温度が高温(例えば、590℃以上)のみならず低温(例えば、450〜550℃)であっても膜中に残留する塩素濃度を効率よく低減することができる。
これは、原料ガス中でアンモニア類が塩化錫に対して金属錯体を形成し、アンモニア類中の水素が塩化錫中の塩素と反応して塩化水素となり、一種の触媒として働いているためと考えられる。
そのため、アンモニア類の塩化錫に対する導入モル比(アンモニア類/塩化錫)は、塩素をより効率よく低減する観点から、0.05以上であることが好ましく、0.2以上であるのがより好ましい。ここで、導入モル比は、気化前の塩化錫原料の質量から算出されるモル数と、気化前のアンモニア原料の質量から算出されるモル数とから算出するものである。
一方、アンモニア類の添加量が多すぎると、不純物となって膜中に取り込まれたり、成膜時の酸化錫形成の反応を遅らせたりする場合があるため、アンモニア類の塩化錫に対する導入モル比の上限は、1.0以下であるのが好ましく、0.5以下であるのがより好ましい。
また、本発明においては、このようなアンモニア類を原料ガスに用いて膜中に残留する塩素濃度を効率よく低減することにより、酸化錫の結晶粒が大きく成長した膜を成膜することができる。
ここで、結晶粒の大きさは、X線回折装置で測定するSnの(002)面のX線ピークの半値幅から算出される結晶粒径で評価することができ、本発明の製造方法によれば、結晶粒径が38nm以上となる結晶粒からなる酸化錫膜を成膜することができる。なお、平均結晶粒径という場合は、測定回数で除した平均値を意味する。
更に、本発明においては、アンモニア類の添加量を調整して塩素濃度の低減度合を調節することにより、酸化錫の結晶粒の大きさを操作し、成膜する酸化錫膜表面に凹凸形状を形成することがでる。
そのため、本発明の製造方法を太陽電池用透明導電性基板の製造に用いることにより、例えば、特許文献2に記載された基板における酸化錫膜の表面に形成された凹凸形状を形成することが容易となる。特に、本発明の製造方法を用いれば、塩素濃度が少なく、かつ、結晶粒の大きい酸化錫膜(膜の表面に大きい凹凸を有する酸化錫膜)を形成することができるため非常に有用である。
<酸化錫膜の成膜条件>
本発明の製造方法においては、上記原料ガスの上記基体への吹き付け方法は特に限定されず、上述した気化した塩化錫、酸化ガスおよび気化したアンモニア類をそれぞれ別のノズルから吹き出して基体上で混合してもよいし、予め2以上のガスを混合しておいたものを吹き付けてもよい。
また、上記原料ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスで希釈して吹き付けることも可能である。
また、本発明においては、成膜装置の排気設備の排気管温度は、200℃以上にしておくことが好ましく、300℃以上にしておくことがより好ましい。
これは、上記原料ガスを上記基体に吹き付けた後の排気ガスには、上述したように塩化水素が含まれているが、これが未反応のアンモニア類と反応して塩化アンモニウムを形成して排気管内面に付着し、排気管を閉塞するおそれがあるため、排気管温度を高くしてその閉塞を抑制するものである。
更に、本発明においては、上記原料ガスの上記基体への吹き付ける際の圧力には特に限定されないが、成膜コストの観点から大気圧で吹き付けるのが好ましい。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すようなCVD成膜装置を用いて酸化錫の成膜を行った。
具体的には、まず、四塩化錫8をバブリングタンク1に詰め、窒素150sccmでバブリング(図示せず)し、15sccmの四塩化錫を気化させた。この四塩化錫ガス10を更に2000sccmの窒素(図示せず)で希釈し、ガス混合器3へ導入した。
また、別途、4.7質量%のアンモニア水溶液9を0.013cc/分の速度で気化器2に送り込んでアンモニア−水蒸気の混合ガス11を調製し、これを2000sccmの窒素で希釈して別系統からガス混合器3へ導入した。このとき、気化する前のアンモニアの添加量は、気化する前の四塩化錫に対してモル比(アンモニア/四塩化錫)が0.5となるように調整して添加した。
次いで、ガス混合器3内で混合された原料ガス12を、大気圧に保ったCVD成膜装置4内に設置されたシャワー状のノズル5から、4cm角のガラス基板6に1分間吹き付けた。このとき、ガラス基板6とノズル5との距離は2cmとし、ヒーター7によりガラス基板表面を550℃に加熱して行った。また、原料ガスの吹き付けは、ヒーター7に設けられた回転機構により、ガラス基板6を10rpmの速度で回転させた状態で行った。なお、ガラス基板6としては、ガラス中のアルカリ拡散を抑制するため、予め膜厚30nmの酸化珪素膜をCVD法により形成したソーダライムガラスを用いた。
酸化錫の成膜が終了した後、ヒーター7を切り、十分に冷えた後に酸化錫膜付きガラス基板を取り出した。
取り出した酸化錫膜付きガラス基板の酸化錫膜の一部をエッチングにより取り除き、触針式の表面段差計により膜厚を計測したところ、膜厚は345nmであった。
また、蛍光X線装置を用いて膜中の塩素の量を計測した。蛍光X線装置で得られたピークと既知の濃度の標準サンプルの塩素の量を比較して、塩素の量(以下、「塩素濃度」という。)を計測したところ、塩素濃度は0.10質量%であった。
更に、薄膜X線回折装置を用いて、酸化錫膜の(002)面のピークからの結晶粒径を積分ピークと半値幅から計算したところ、その平均粒径は43nmであった。
これらの結果を第1表に示す。
(比較例1)
アンモニア水溶液9に代えて純水を0.0125cc/分の速度で気化器2に導入し気化させた以外は実施例1と同様の方法で酸化錫膜付きガラス基板を製造した。
得られた酸化錫膜付きガラス基板について、実施例1と同様の方法で膜厚、塩素濃度および結晶粒径を測定した結果、膜厚が382nmであり、塩素濃度が0.15質量%であり、結晶粒径が37nmであった。これらの結果を第1表に示す。
(実施例2〜8)
ガス混合器3に導入する混合ガスにおけるアンモニアの四塩化錫に対する導入モル比(アンモニア/四塩化錫(モル比))および成膜時のガラス基板の温度(表では「成膜温度」と表示)を第1表に示す条件に変えた以外は実施例1と同様の方法で酸化錫膜付きガラス基板を製造した。
得られた酸化錫膜付きガラス基板について、実施例1と同様の方法で膜厚、塩素濃度および結晶粒径を測定した。これらの結果を第1表に示す。
(比較例2〜3)
成膜時のガラス基板の温度(表では「成膜温度」と表示)を第1表に示す条件に変えた以外は比較例1と同様の方法で酸化錫膜付きガラス基板を製造した。
得られた酸化錫膜付きガラス基板について、実施例1と同様の方法で膜厚、塩素濃度および結晶粒径を測定した。これらの結果を第1表に示す。
第1表に示す結果から、混合ガスにアンモニアを導入して成膜した実施例1〜8の酸化錫膜付きガラス基板は、基体温度が高温(例えば、590℃以上)のみならず低温(例えば、450〜550℃)であっても膜中に残留する塩素濃度を効率よく低減することができ、かつ、結晶粒も大きく成長した酸化錫膜が形成されていることが分かる。
また、実施例1〜8および比較例1〜3で製造した酸化錫膜付きガラス基板について、塩素濃度および結晶粒径を成膜温度に対してプロットしたグラフをそれぞれ図2および3に示した。
図2に示す結果から、アンモニア類を添加しない場合、525〜600℃の基板温度では残留する塩素の量が変化し、塩素を低減するためには高温にする必要があることが分かる。これに対し、アンモニア/四塩化錫のモル比0.5では、基板温度による塩素の量の変化が少なくなり、アンモニア類を添加せずに600℃の基板温度で成膜した場合に含まれる塩素量が、550℃の基板温度で達成できていることが分かる。
また、図3に示す結果から、525〜550℃の基板温度では、アンモニア/四塩化錫のモル比が高くなると平均結晶粒径が増大し、600℃の場合には、アンモニア/四塩化錫のモル比が0.2または0.5になると、アンモニア類を添加しない系に比べ平均結晶粒径が非常に高く、一定になっていることが分かる。
1 バブリングタンク
2 気化器
3 ガス混合器
4 CVD成膜装置
5 ノズル
6 ガラス基板
7 ヒーター
8 四塩化錫
9 アンモニア水溶液
10 四塩化錫ガス
11 アンモニア−水蒸気の混合ガス
12 原料ガス
13 排気ガス

Claims (4)

  1. 加熱した基体上に、気化した塩化錫、酸化ガスおよび気化したアンモニア類を含有する原料ガスを吹き付けて酸化錫を成膜する、酸化錫膜付き基体の製造方法。
  2. 気化させるアンモニア類としてアンモニアを用いる請求項1に記載の酸化錫膜付き基体の製造方法。
  3. 気化させる塩化錫として四塩化錫を用いる請求項1または2に記載の酸化錫膜付き基体の製造方法。
  4. 前記アンモニアと前記四塩化錫とのモル比(アンモニア/四塩化錫)が0.05〜1.0である請求項3に記載の酸化錫膜付き基体の製造方法。
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