JP2011093217A - 気泡シート巻物、長尺シート巻物、気泡シート巻物の製造装置、及び気泡シート巻物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気泡シート巻物10は、キャップ用フィルム121から成形され、真空成形による中空状に膨出する多数の突起を有するキャップフィルム122に、突起の開口側を封止するようにバックフィルム123を積層した気泡シート12が巻き取られており、巻き取られた気泡シート12の終端側に、キャップ用フィルム121にバックフィルム123を積層した、突起の存在しない外袋用シート13が形成されており、巻き取られた気泡シート12の外周面が外周面カバー部130で覆われ、両端面が端面カバー部131で覆われている。
【選択図】 図1
Description
そして、このようにして製造される気泡シートは、長手方向に沿って両端縁の不要部位を切断して取り除いた上で、得られた原反をロール状に巻き取るか、又は、一定の長さに切断して所定形状に切り揃えたものを重ねるなどして市場に供給される。
また、一般には、所定形状に切り揃えられた気泡シートは、加工工場や加工エリアにおいて、気泡シート巻物から製造される。したがって、仕掛かり品である気泡シート巻物は、打突などから気泡シートを保護するために、専用の外袋(通常、樹脂製の通い袋)に収納された状態で、搬送されたり、あるいは、一時保管されたりする。さらに、気泡シートは、紙筒などの巻芯に巻き付けられており、気泡シート巻物を購入した顧客は、気泡シートを使用した後、残った巻芯を廃棄している。
また、気泡シートには幅寸法が約2.4mの長尺のものもあり、これを巻き取った気泡シート巻物を外袋に収納する作業は、取扱いが容易でないために作業性が悪く、生産性を向上させることができないといった問題があった。
また、気泡シート巻物を購入した顧客は、気泡シートを使用した後、残った巻芯を廃棄する必要があり、長さが約2.4mもあるような巻芯を廃棄するには、切断するなどの手間がかかってしまうといった問題があった。
さらに、外袋や、紙筒などの巻芯を社外から購入するということは、その輸送などにおいてエネルギーを消費して二酸化炭素を発生させており、地球温暖化防止や資源の有効利用などの社会的要求に応えるためには、エコロジカルな新技術を確立する必要があった。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる気泡シート巻物を説明するための概略斜視図である。また、図2は、本発明の第一実施形態にかかる気泡シート巻物の外袋用シートを説明するための概略斜視図である。
なお、図2では、突起の一部を省略してある。
また、この気泡シート巻物10は、例えば、後述する気泡シート巻物の製造装置1や気泡シート巻物の製造方法によって製造される。
さらに、本実施形態では、補助材用シートを外袋用シート13としてある。
気泡シート12は、キャップ用フィルム121から成形され、真空成形による中空状に膨出する多数の突起を有するキャップフィルム122に、突起の開口側を封止するようにバックフィルム123が積層された構成としてある。
この気泡シート12は、気泡シート巻物の製造装置1によって連続的に製造され、巻芯としての紙管11に巻き取られる。通常、気泡シート12は、キャップフィルム122がバックフィルム123より中心側に位置する状態で巻き取られる。巻き取られた気泡シート12は、ほぼ円筒形状となる。
なお、本実施形態の気泡シート12は、キャップフィルム122とバックフィルム123とからなる二層構成としてあるが、これに限定されるものではない。例えば、キャップフィルム122の突起の頂面側に、平坦なライナーフィルム(図示せず)を積層した三層構成としてもよい。また、突起による空気粒径や粒高さなどについても、特に限定されるものではない。
補助材用シートである外袋用シート13は、上記の突起が真空成形されていない平坦なキャップ用フィルム121に、平坦なバックフィルム123が積層された構成としてある。これにより、気泡シート巻物10を開梱する使用者は、外袋(梱包材)としての外袋用シート13(突起の存在しない外袋用シート13)と製品である気泡シート12(多数の突起が形成された気泡シート12)とを容易に識別することができる。
また、上記の真空成形の中断や再開においては、ほぼ瞬間的に真空開放され、また、ほぼ瞬間的に真空引きされるとよい。これにより、気泡シート12と外袋用シート13との境界をより明確に区別することができる。
また、外袋用シート13は、突起が全く存在しない状態である必要はなく、例えば、真空成形を中断する際に過渡的に発生する、所定の形状と異なる突起が存在していてもよい。
なお、上述したように、外袋用シート13に、真空成形を中断する際に過渡的に発生する、所定の形状と異なる突起が存在する場合、ミシン目132は、通常、正常な突起が存在する領域の気泡シート12に形成される。すなわち、気泡シート12の終端と外周面カバー部130との境界とは、製品としての気泡シート12を提供するための境界である。
このようにすると、図示してないが、端面カバー部131は、直径φD´の外側に位置する四隅の部分を内側に折り曲げられた状態で、巻き取られた気泡シート12の端面に位置合わせされ、続いて、周縁部が、巻き取られた気泡シート12の外周面方向に折り曲げられながら、テープ15によって固定される。これにより、外袋としての品質や生産性などを向上させることができ、さらに、端面カバー部131を強固に固定できるとともに、整然とした外観(周縁部がテープ15からはみ出ない外観)を提供することができる。
また、端面カバー部131を固定するのに、テープ15を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、ホットメルト接着剤などを用いてもよい。
また、端面カバー部131は、一対の端面カバー部131を軸方向に対向して設ける以外に、例えば、原反巻長さが長く、D>W/2である場合には、図12に示すように、送り方向に直交する三つの切れ目133によって形成された一対の端面カバー部131が、帯状連接片131aを介して送り方向に隣接して設けられるようにしてもよい。
また、気泡シート12の巻取作業と連続して、容易に外周面カバー部130を巻き付けることができ、また、端面カバー部131を容易に取り付けることができるので、生産性を向上させることができる。
さらに、外袋の製造メーカから外袋を購入しなくてもすむので、外袋の輸送に消費されるエネルギーを削減することができ、地球温暖化防止などの社会的要求に応えることができる。
図3は、本発明の第一実施形態にかかる気泡シート巻物の製造装置を説明するための要部概略図である。
図3において、本実施形態の気泡シート巻物の製造装置1は、キャップフィルム供給部21、バックフィルム供給部22、成形ロール3、真空発生手段4、加圧ロール23、剥離ローラ24、巻取手段5及び制御部(図示せず)などを備えている。
また、気泡シート巻物の製造装置1は、上述した気泡シート巻物10を製造する。
キャップフィルム供給部21は、押し出し機(図示せず)やフラットダイなどを備えており、キャップ用フィルム121を連続的に成形ロール3に供給する。また、キャップ用フィルム121は、樹脂材料からなり、フィルム状又はシート状に成形される。
成形ロール3は、外周面に多数の凹部(吸引キャビティとも称される)31が千鳥状に配設されている。通常、凹部31には、一又は二以上の吸引孔32が形成されており、これらの吸引孔32は、軸芯方向に形成された吸引用横孔33と連通している。また、所定の領域(バキュームゾーン431)に移動してきた吸引用横孔33は、後述する連通用部材(サイドプレートとも称される)43(図4参照)を介して真空吸引される。
また、上記の所定の領域(バキュームゾーン431)は、通常、キャップ用フィルム121が成形ロール3と接触し始める位置から、キャップフィルム122がバックフィルム123と接触し始める位置までの領域である。これにより、キャップフィルム供給部21から供給されたキャップ用フィルム121は、バックフィルム123と積層されるまでに、吸引用横孔33の真空吸引によって、中空状に膨出し多数の突起が成形される。すなわち、成形ロール3は、供給されたキャップ用フィルム121を、真空成形により多数の突起を有するキャップフィルム122に成形する。
図4は、本発明の第一実施形態にかかる気泡シート巻物の製造装置における真空発生手段の連通用部材などを説明するための要部概略図であり、(a)は真空引き状態の平面図、(b)は真空引きを開放した状態の平面図である。
図3及び図4において、真空発生手段4は、真空ポンプ40、電磁弁41、配管42、連通用部材43、真空開放電磁弁44、及び、移動機器45などを備えている。
この移動機器45は、通常、リニアベアリング及びエアシリンダなどを有しており、連通用部材43を真空引き位置(連通用部材43の一方の面が成形ロール3の端面と摺動する位置)と真空開放位置(連通用部材43の一方の面が成形ロール3の端面から例えば20mm離れた位置)との間で移動させる。また、移動機器45は、エアシリンダのエア圧を調整することによって、所定の付勢力で、連通用部材43を成形ロール3の端面に押し当てることができる。
上記の状態において、気泡シート12を形成するとき、真空発生手段4の移動機器45は、連通用部材43を真空引き位置に移動させる。これにより、バキュームゾーン431が吸引用横孔33と連通し、所定の領域に移動してきた吸引用横孔33に対して真空引きを行い、成形ロール3の多数の凹部31を真空引きする。また、外袋用シート13を形成するとき、移動機器45が、連通用部材43を真空開放位置に移動させる。これにより、吸引用横孔33が大気に開放され、成形ロール3の多数の凹部31の真空引き状態が開放される。
このように、本実施形態の真空発生手段4は、移動機器45を備えることにより、ほぼ瞬間的に、真空引き状態を開放することができる。
バックフィルム供給部22は、押し出し機(図示せず)やフラットダイなどを備えており、バックフィルム123を連続的に加圧ロール23と成形ロール3との間に供給する。すなわち、バックフィルム123は、成形ロール3に密着しているキャップフィルム122と加圧ロール23との間に、溶融状態のまま供給される。このバックフィルム123は、樹脂材料からなり、フィルム状又はシート状に成形される。
なお、凹部31の真空引き状態が開放されているときは、バックフィルム123は、成形ロール3の外周面(凹部31を除く外周面)に密着しているキャップ用フィルム121と加圧ロール23との間に、溶融状態のまま供給される。
加圧ロール23は、成形ロール3との間に、所定の隙間を有する状態で設けられており、熱融着によって、バックフィルム123をキャップフィルム122に積層する。
なお、凹部31の真空引き状態が開放されているときは、加圧ロール23は、バックフィルム123をキャップ用フィルム121に積層する。
剥離ローラ24は、成形ロール3との間に、所定の隙間を有する状態で設けられており、キャップフィルム122及びバックフィルム123からなる気泡シート12を、成形ロール3から剥離させる。なお、凹部31の真空引き状態が開放されているときは、剥離ローラ24は、キャップ用フィルム121及びバックフィルム123からなる外袋用シート13を、成形ロール3から剥離させる。
また、剥離された気泡シート12や外袋用シート13は、複数のガイドロール25などを介して、巻取手段5に供給される。
なお、本実施形態の気泡シート12は、キャップフィルム122とバックフィルム123とからなる二層構成としてあるが、さらに、ライナーフィルム(図示せず)を積層してなる三層構成とする場合には、ライナーフィルムは、剥離ローラ24によって露出した突起の頂面側に、熱融着によって積層される。
巻取手段5は、ターレットに回転可能に取り付けられた巻取軸51、及び、カッタ52などを備えており、気泡シート12及び外袋用シート13を巻き取る。すなわち、巻取手段5は、巻取軸51に巻芯としての紙管11が取り付けられ、紙管11に気泡シート12が巻き取られる。このため、巻取軸51として、フリクション軸、エアシャフト、又は、エアフリクションシャフトなどが用いられる。
なお、本実施形態では、三本の巻取軸51を備える構成としてあるが、これに限定されるものではなく、例えば、二本又は四本以上の巻取軸51を備える構成としてもよい。
なお、本実施形態では、カッタ52を設ける構成としてあるが、これに限定されるものではない。例えば、カッタ52の代わりに、あるいは、カッタ52とともに、抜き型(図示せず)などを設ける構成としてもよい。さらに、カッタ52は、X−Yロボットなどを備える構成としてもよい。
制御部は、コンピュータやシーケンサなどの情報処理装置であり、キャップフィルム供給部21、バックフィルム供給部22、成形ロール3、真空ポンプ40、電磁弁41、真空開放電磁弁44、移動機器45、加圧ロール23、剥離ローラ24及び巻取手段5などを制御する。
この制御部は、成形ロール3及び加圧ロール23が、所定の原反巻長さの気泡シート12を形成すると、真空発生手段4による凹部31の真空引き状態を開放し、真空成形による突起の成形を中断することにより、気泡シート12とつながっている外袋用シート13を形成する。
また、制御部は、成形ロール3及び加圧ロール23が、真空開放による平坦なキャップ用フィルム121と平坦なバックフィルム123とからなる、所定の長さの外袋用シート13を形成すると、真空発生手段4による凹部31の真空引きを開始し、外袋用シート13とつながっている気泡シート12を形成する。
図5は、本発明の第一実施形態にかかる気泡シート巻物の製造方法を説明するための概略フローチャート図である。
図5において、気泡シート巻物の製造装置1は、まず、キャップフィルム供給部21がキャップ用フィルム121を供給し、バックフィルム供給部22がバックフィルム123を供給する(ステップS1)。
また、この際、真空ポンプ40がオン状態にあり、電磁弁41が開かれ、真空開放電磁弁44が閉じられ、連通用部材43が真空引き位置にあり、所定の凹部31が真空引きされている。
なお、一般的に、成形ロール3及び加圧ロール23によって、上記のステップS4及びステップS5が行われている間も、巻取手段5は、気泡シート12を巻き取っている。
通常、ミシン目132を形成するときは、カッタ52付近の気泡シート12及び外袋用シート13は、静止した状態にある。すなわち、気泡シート巻物の製造装置1は、カッタ52による静止中にも、成形ロール3及び加圧ロール23が気泡シート12を形成しているので、気泡シート12がたるまないように、例えば、押えローラやテンション付与手段(図示せず)などを備えている。
なお、巻き取られた気泡シート12と外袋用シート13との境界は、図示してないが、各種のセンサやロータリエンコーダなどによって、精度よく検出される。
ここで、ミシン目132が形成されてから、切れ目133が形成されるまでには、外袋用シート13は、寸法Lだけ移動しており、これにより、外周面カバー部130が形成されている。
また、上記の切れ目133は、軸方向を向いた切断刃を軸方向に移動させることによって形成され、さらに、切れ目134は、切断刃を送り方向と反対の方向に向け、外周面カバー部130を距離L1だけ巻き取ることによって形成される。
なお、次の気泡シート巻物10の気泡シート12は、次の巻取軸51に取り付けられた紙管11に巻き取られる。
なお、本実施形態では、外周面カバー部130の終端及び端面カバー部131は、上述した気泡シート巻物10とほぼ同様に、ラベル14及びテープ15を用いて固定される。これらの作業は、通常、作業者によって行われるが、これに限定されるものではない。
また、気泡シート巻物の製造装置1は、気泡シート12の巻取作業と連続して、容易に外周面カバー部130を巻き付けることができ、また、端面カバー部131を容易に取り付けることができるので、生産性を向上させることができる。
また、本発明は、気泡シート巻物の製造方法の発明としても有効である。
本実施形態の気泡シート巻物の製造方法は、上述した気泡シート巻物の製造装置1を用いて、気泡シート巻物10を製造する方法としてある。
すなわち、製造される気泡シート巻物10は、キャップ用フィルム121から成形され、真空成形による中空状に膨出する多数の突起を有するキャップフィルム122に、突起の開口側を封止するようにバックフィルム123を積層した気泡シート12が巻き取られており、巻き取られた気泡シート12の終端側に、キャップ用フィルム121にバックフィルム123を積層した、突起の存在しない外袋用シート13が形成されており、巻き取られた気泡シート12の外周面及び両端面が、外袋用シート13(外周面カバー部130及び端面カバー部131)で覆われている。
また、気泡シート12の巻取作業と連続して、容易に外周面カバー部130を巻き付けることができ、また、端面カバー部131を容易に取り付けることができるので、生産性を向上させることができる。
図6は、本発明の第二実施形態にかかる気泡シート巻物を説明するための概略斜視図である。また、図7は、本発明の第二実施形態にかかる気泡シート巻物の外袋用シート及び巻芯用シートを説明するための概略斜視図である。
なお、図7では、突起の一部を省略してある。
図6、及び図7において、本実施形態の気泡シート巻物10aは、上述した第一実施形態の気泡シート巻物10と比べると、紙管11の代わりに、巻芯用シート16を備えている点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、気泡シート巻物10とほぼ同様としてある。
したがって、図6、及び図7において、図1、及び図2と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、この気泡シート巻物10aは、例えば、後述する気泡シート巻物の製造装置1aや気泡シート巻物の製造方法によって製造される。
さらに、本実施形態では、補助材用シートを外袋用シート13及び巻芯用シート16としてある。
補助材用シートである巻芯用シート16は、上記の突起が真空成形されていない平坦なキャップ用フィルム121に、平坦なバックフィルム123が積層された構成としてある。これにより、気泡シート巻物10aの使用者は、巻芯(補助材)としての巻芯用シート16と製品である気泡シート12(多数の突起が形成された気泡シート12)とを容易に識別することができる。
また、上記の真空成形の中断や再開においては、ほぼ瞬間的に真空開放され、また、ほぼ瞬間的に真空引きされるとよい。これにより、巻芯用シート16と気泡シート12との境界をより明確に区別することができる。
また、巻芯用シート16は、突起が全く存在しない状態である必要はなく、例えば、真空成形を再開する際に過渡的に発生する、所定の形状と異なる突起が存在していてもよい。このようにすると、所定の形状と異なる突起が存在する(すなわち、製品としての規格を満足しない)巻芯用シート16を、紙管11の代わりに積極的に使用することにより、資源を有効に利用することができる。
なお、上述したように、巻芯用シート16に、真空成形を再開する際に過渡的に発生する、所定の形状と異なる突起が存在する場合、ミシン目136は、通常、正常な突起が存在する領域の気泡シート12に形成される。すなわち、気泡シート12の始端と巻芯用シート16との境界とは、製品としての気泡シート12を提供するための境界である。
さらに、本実施形態では、巻芯用シート16が巻取軸51aに数回巻き付けられるが、この巻き付けられた巻芯用シート16どうしを、例えば、部分的に溶着するなどしてもよい。このようにすると、巻芯用シート16は、巻取軸51aが引き抜かれた後も、巻芯として機能することができ、あるいは、巻芯用シート16の先端が、気泡シート巻物10aの端面から突き出るといった不具合を回避することができる。
図8は、本発明の第二実施形態にかかる気泡シート巻物の製造装置を説明するための、要部の概略図を示している。
図8において、本実施形態の気泡シート巻物の製造装置1aは、上述した第一実施形態の気泡シート巻物の製造装置1と比べると、巻取手段5の代わりに、巻取手段5aを備えている点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、気泡シート巻物の製造装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図8において、図3と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、気泡シート巻物の製造装置1aは、上述した気泡シート巻物10aを製造する。
また、巻芯用シート16や外袋用シート13は、切断される前は、突起が真空成形されていない平坦なキャップ用フィルム121に、平坦なバックフィルム123が積層された補助材用シートである。すなわち、補助材用シートは、切断されることなどによって、巻芯用シート16や外袋用シート13となる。このように、気泡シート巻物の製造装置1aは、ほぼ同様にして、巻芯用シート16や外袋用シート13を成形するので、気泡シート巻物10aを効率よく製造することができる。
巻取手段5aは、ターレットに回転可能に取り付けられた巻取軸51a、カッタ52、52a、及び、回転ローラ53などを備えており、巻芯としての紙管11を用いることなく、巻芯用シート16、気泡シート12及び外袋用シート13を巻き取る。
また、図示してないが、巻取軸51aは、巻芯用シート16の幅方向の端部を係止するクリップなどの滑り防止部材を備えていてもよい。このようにすると、巻芯用シート16の巻き始めのときに、巻芯用シート16が巻取軸51a上を滑る(あるいは、空回りする)といった不具合を回避することができる。さらに、この滑り防止部材は、軸方向に移動可能としてもよく、これにより、巻芯用シート16が巻取軸51aに巻き付き始めたところで、滑り防止部材を巻芯用シート16から容易に引き抜くことができる。
このようにすると、一対の軸を巻き取られた巻芯用シート16や気泡シート12から容易に引き抜くことができ、また、幅の広い気泡シート12に対応することができ、さらに、装置が左右方向(軸方向)に長くなるといった不具合を回避することができる。
本実施形態では、五つの回転ローラ53が、周方向に配設されている。すなわち、巻き取られた気泡シート12のほぼ下方の二箇所、並びに、正面側、背面側及び上方の各一箇所に、回転ローラ53が設けられている。また、各回転ローラ53は、巻き取られた気泡シート12の直径に対応して、径方向に移動しながら回転する。さらに、上方に設けられた回転ローラ53は、軸方向に移動可能な構成としてあり、ターレットが回転するときや、巻き取られた気泡シート12を取り外すときに、巻取軸51aとほぼ同様に軸方向に移動(退避)する。
なお、回転ローラ53の構成は、上記に限定されるものではなく、例えば、巻き取られた気泡シート12のほぼ下方、正面側及び背面側に、より多くの回転ローラ53を設ける構成としてもよい。
図9aは、本発明の第二実施形態にかかる気泡シート巻物の製造方法における気泡シートなどの成形方法を説明するための概略フローチャート図である。
図9aにおいて、気泡シート巻物の製造装置1aは、まず、キャップフィルム供給部21がキャップ用フィルム121を供給し、バックフィルム供給部22がバックフィルム123を供給する(ステップS11)。
また、この際、真空ポンプ40がオン状態にあり、電磁弁41が開かれ、真空開放電磁弁44が閉じられ、連通用部材43が真空開放位置にあり、所定の凹部31が真空引き状態から開放されている。
ここで、一つの気泡シート巻物10aを製造するための、巻芯用シート16、気泡シート12及び外袋用シート13が形成される。この間、連続生産中においては、巻芯用シート16及び気泡シート12は、巻取手段5aによって、巻き取られている。
続いて、上記のステップS12、S13及びS14が繰り返される。
図9bにおいて、巻芯用シート16、気泡シート12及び外袋用シート13は、剥離ローラ24によって成形ロール3から剥離させられ、ガイドロール25などを介して、巻取手段5aに供給される(ステップS15)。
図10に示すように、巻芯用シート16は、巻取手段5aの上方に位置する巻取軸51aに、巻き掛けられる(ステップS16)。この際、通常、巻芯用シート16の幅方向の端部は、クリップなどの滑り防止部材(図示せず)によって係止されるので、巻取軸51a上を滑るといった不具合を回避することができる。
また、初回の気泡シート巻物10aを製造するときは、巻芯用シート16が巻取軸51aに巻き掛けられた後、カッタ52aが、巻芯用シート16と気泡シート12との境界にミシン目136を形成する(ステップS17)。
図11(a)に示すように、巻芯用シート16は、巻取手段5aの上方に位置する巻取軸51aに巻き取られ、次に、所定の巻数(例えば、数回〜十数回)の気泡シート12が、巻取手段5aの上方に位置する巻取軸51aに、巻き取られる(ステップS18)。
続いて、ターレットが、反時計回り方向に120°回転し、気泡シート12を巻き取っている巻取軸51aは、巻取手段5aの下方の位置に移動する。なお、この際、上方の回転ローラ53は、軸方向に移動(退避)しているので、ターレットと干渉することはない。
このように、巻取手段5aは、気泡シート12を所定の巻数だけ巻き取ったところで、巻取軸51aを引き抜くので、容易に、かつ、確実に引き抜くことができ、また、気泡シート12が所定の巻数だけ巻き取られているので、回転ローラ53が、容易に、かつ、確実に引き続いて巻き取ることができる。
続いて、気泡シート12に続いて巻き取られた外周面カバー部130の終端が、緩まないように固定され、さらに、端面カバー部131が、巻き取られた巻芯用シート16及び気泡シート12の端面に固定される(ステップS23)。すなわち、外周面カバー部130及び一対の端面カバー部131が、巻き取られた巻芯用シート16及び気泡シート12を覆うように取り付けられる。
また、端面カバー部131の固定された気泡シート巻物10aは、上方の回転ローラ53が軸方向に移動(退避)した後、回転ローラ53から容易に取り外すことができる。これにより、初回の気泡シート巻物10aが製造される。
すなわち、上述したように、巻芯用シート16が、巻取軸51aに巻き掛けられ(ステップS16)、巻芯用シート16及び所定の巻数の気泡シート12が、巻取軸51aに巻き取られ(ステップS18)、気泡シート12が、回転ローラ53によって巻き取られ(ステップS19)、巻き取られた気泡シート12と外袋用シート13との境界に、ミシン目132を形成し(ステップS20)、一対の端面カバー部131を形成し、次に巻き取られる巻芯用シート16と気泡シート12との境界に、ミシン目136を形成し(ステップS21)、外袋用シート13と次に巻き取られる巻芯用シート16との間を切断し(ステップS22)、外周面カバー部130及び端面カバー部131が、巻き取られた気泡シート12を覆うように固定される(ステップS23)。
また、気泡シート巻物の製造装置1aは、巻取軸51aや回転ローラ53を備えることにより、巻芯用シート16や気泡シート12の巻取作業と連続して、容易に外周面カバー部130を巻き付けることができ、また、端面カバー部131を容易に取り付けることができるので、生産性をさらに向上させることができる。
また、本発明は、気泡シート巻物の製造方法の発明としても有効である。
本実施形態の気泡シート巻物の製造方法は、上述した気泡シート巻物の製造装置1aを用いて、気泡シート巻物10aを製造する方法としてある。
すなわち、製造される気泡シート巻物10aは、キャップ用フィルム121から成形され、真空成形による中空状に膨出する多数の突起を有するキャップフィルム122に、突起の開口側を封止するようにバックフィルム123を積層した気泡シート12が巻き取られており、巻き取られた気泡シート12の始端側に、キャップ用フィルム121にバックフィルム123を積層した、突起の存在しない巻芯用シート16が形成されており、巻き取られた気泡シート12の終端側に、キャップ用フィルム121にバックフィルム123を積層した、突起の存在しない外袋用シート13が形成されている。さらに、巻芯用シート16が、巻芯として機能し、また、巻き取られた気泡シート12の外周面及び両端面が、外袋用シート13(外周面カバー部130及び端面カバー部131)で覆われている。
また、巻芯用シート16や気泡シート12の巻取作業と連続して、容易に外周面カバー部130を巻き付けることができ、また、端面カバー部131を容易に取り付けることができるので、生産性をさらに向上させることができる。
図13は、本発明にかかる長尺シート巻物を説明するための概略斜視図である。また、図14は、本発明にかかる長尺シート巻物の外袋用シートを説明するための概略斜視図である。
外袋用シート13は、図14に示すように、巻き取られた長尺シート12aの終端側に、所定の長さ(=L+L1)で設けられている。この外袋用シート13は、長さL及び幅Wを有する外周面カバー部130と、長さL1及び幅W1を有する一対の端面カバー部131とからなっている。
このようにすると、図示してないが、端面カバー部131は、直径φD´の外側に位置する四隅の部分を内側に折り曲げられた状態で、巻き取られた長尺シート12aの端面に位置合わせされ、続いて、周縁部が、巻き取られた長尺シート12aの外周面方向に折り曲げられながら、テープ15によって固定される。これにより、外袋としての品質や生産性などを向上させることができ、さらに、端面カバー部131を強固に固定できるとともに、整然とした外観(周縁部がテープ15からはみ出ない外観)を提供することができる。
また、端面カバー部131を固定するのに、テープ15を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、ホットメルト接着剤などを用いてもよい。
また、端面カバー部131は、一対の端面カバー部131を軸方向に対向して設ける以外に、例えば、原反巻長さが長く、D>W/2である場合には、前述した気泡シート巻物の第一実施形態について図12に示す例と同様に、送り方向に直交する三つの切れ目133によって形成された一対の端面カバー部131が、帯状連接片131aを介して送り方向に隣接して設けるようにしてもよい。
また、長尺シート12aの巻取作業と連続して、容易に外周面カバー部130を巻き付けることができ、また、端面カバー部131を容易に取り付けることができるので、生産性を向上させることができる。
さらに、外袋の製造メーカから外袋を購入しなくてもすむので、外袋の輸送に消費されるエネルギーを削減することができ、地球温暖化防止などの社会的要求に応えることができる。
3 成形ロール
4 真空発生手段
5,5a 巻取手段
10,10a 気泡シート巻物
10b 長尺シート巻物
11 紙管
12 気泡シート
12a 長尺シート
13 外袋用シート
15 テープ
16 巻芯用シート
21 キャップフィルム供給部
22 バックフィルム供給部
31 凹部
32 吸引孔
33 吸引用横孔
40 真空ポンプ
41 電磁弁
42 配管
43 連通用部材
44 真空開放電磁弁
45 移動機器
51 巻取軸
52、52a カッタ
53 回転ローラ
121 キャップ用フィルム
122 キャップフィルム
123 バックフィルム
130 外周面カバー部
131 端面カバー部
132 ミシン目
133 切れ目
134 切れ目
135 切断線
136 ミシン目
431 バキュームゾーン
Claims (17)
- キャップ用フィルムから成形され、真空成形による中空状に膨出する多数の突起を有するキャップフィルムに、前記突起の開口側を封止するようにバックフィルムを積層した気泡シートが巻き取られており、
巻き取られた前記気泡シートの終端側に、前記キャップ用フィルムに前記バックフィルムを積層した、前記突起の存在しない補助材用シートが形成されており、
前記補助材用シートが外袋用シートであり、巻き取られた前記気泡シートの少なくとも外周面が、前記外袋用シートで覆われていることを特徴とする気泡シート巻物。 - キャップ用フィルムから成形され、真空成形による中空状に膨出する多数の突起を有するキャップフィルムに、前記突起の開口側を封止するようにバックフィルムを積層した気泡シートが巻き取られており、
巻き取られた前記気泡シートの始端側に、前記キャップ用フィルムに前記バックフィルムを積層した、前記突起の存在しない補助材用シートが形成されており、
前記補助材用シートが巻芯用シートであり、前記巻芯用シートが巻芯として機能することを特徴とする気泡シート巻物。 - キャップ用フィルムから成形され、真空成形による中空状に膨出する多数の突起を有するキャップフィルムに、前記突起の開口側を封止するようにバックフィルムを積層した気泡シートが巻き取られており、
巻き取られた前記気泡シートの始端側及び終端側に、前記キャップ用フィルムに前記バックフィルムを積層した、前記突起の存在しない補助材用シートが形成されており、
巻き取られた前記気泡シートの始端側に形成された前記補助材用シートが巻芯用シートであり、前記巻芯用シートが巻芯として機能し、
巻き取られた前記気泡シートの終端側に形成された前記補助材用シートが外袋用シートであり、巻き取られた前記気泡シートの少なくとも外周面が、前記外袋用シートで覆われていることを特徴とする気泡シート巻物。 - 前記外袋用シートに端面カバー部が形成されており、前記端面カバー部によって、巻き取られた前記気泡シートの端面が覆われていることを特徴とする請求項1又は3に記載の気泡シート巻物。
- 前記補助材用シートが、前記真空成形を中断することによって形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の気泡シート巻物。
- 前記気泡シートと前記補助材用シートと境界に、ミシン目が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の気泡シート巻物。
- キャップ用フィルムを供給するキャップ用フィルム供給部と、
バックフィルムを供給するバックフィルム供給部と、
多数の凹部が外周面に設けられて、前記キャップ用フィルムに中空状に膨出する突起を真空成形するための成形ロールと、
前記成形ロールに設けられた前記凹部を真空引きする真空発生手段と、
少なくとも前記成形ロール、及び前記真空発生手段を制御する制御部と
を備え、
所定の原反巻長さの前記気泡シートを形成されると、前記真空発生手段が前記凹部の真空引き状態を開放し、真空成形による前記突起の成形を中断して前記キャップ用フィルム及び前記バックフィルムからなる補助材用シートを形成し、
所定の長さの前記補助材用シートが形成されると、前記真空発生手段が前記凹部の真空引き状態を再開し、前記気泡シートを形成することを特徴とする気泡シート巻物の製造装置。 - 前記補助材用シートが、巻き取られた前記気泡シートの少なくとも外周面を覆う外袋用シートであり、また、カッタ及び抜き型の少なくとも一つを備え、前記カッタ及び抜き型の少なくとも一つが、巻き取られた前記気泡シートと前記外袋用シートとの境界に、ミシン目を形成し、前記外袋用シートと次に巻き取られる前記気泡シートとの間を切断することを特徴とする請求項7に記載の気泡シート巻物の製造装置。
- 前記補助材用シートが、次に巻き取られる前記気泡シートの巻芯として機能する巻芯用シートであり、また、前記巻取手段が、前記巻芯用シートを巻き取る巻取軸、及び/又は、所定の巻数まで巻き取られた前記気泡シートを、巻取方向に回転させる回転機器を備えたことを特徴とする請求項7に記載の気泡シート巻物の製造装置。
- カッタ及び抜き型の少なくとも一つを備え、前記カッタ及び抜き型の少なくとも一つが、巻き取られた前記気泡シートと前記巻芯用シートとの間を切断し、前記巻芯用シートと次に巻き取られる前記気泡シートとの境界に、ミシン目を形成することを特徴とする請求項9に記載の気泡シート巻物の製造装置。
- 前記補助材用シートが、巻き取られた前記気泡シートの少なくとも外周面を覆う外袋用シート、及び、次に巻き取られる前記気泡シートの巻芯として機能する巻芯用シートであり、また、前記巻取手段が、前記巻芯用シートを巻き取る巻取軸、及び/又は、所定の巻数まで巻き取られた前記気泡シートを、巻取方向に回転させる回転機器を備えたことを特徴とする請求項7に記載の気泡シート巻物の製造装置。
- カッタ及び抜き型の少なくとも一つを備え、前記カッタ及び抜き型の少なくとも一つが、巻き取られた前記気泡シートと前記外袋用シートとの境界に、ミシン目を形成し、前記外袋用シートと前記巻芯用シートとの間を切断し、前記巻芯用シートと次に巻き取られる前記気泡シートとの境界に、ミシン目を形成することを特徴とする請求項11に記載の気泡シート巻物の製造装置。
- 前記カッタ及び抜き型の少なくとも一つが、前記外袋用シートに、巻き取られた前記気泡シートの各端面を覆う一対の端面カバー部を形成することを特徴とする請求項8又は12に記載の気泡シート巻物の製造装置。
- 前記真空発生手段が、真空発生機器と、前記成形ロールの吸引用横孔と連通するバキュームゾーンの形成された連通用部材と、この連通用部材を、真空引き位置と真空開放位置との間で移動させる移動機器とを有することを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の気泡シート巻物の製造装置。
- キャップ用フィルムから成形され、真空成形による中空状に膨出する多数の突起を有するキャップフィルムに、前記突起の開口側を封止するようにバックフィルムを積層した気泡シートが巻き取られており、また、巻き取られた前記気泡シートの終端側に、前記キャップ用フィルムに前記バックフィルムを積層した、前記突起の存在しない補助材用シートが形成されている気泡シート巻物の製造方法であって、
所定の原反巻長さの前記気泡シートを形成すると、真空成形による前記突起の成形を中断して、前記補助材用シートを形成することを特徴とする気泡シート巻物の製造方法。 - 前記補助材用シートが、巻き取られた前記気泡シートの少なくとも外周面を覆う外袋用シート、及び/又は、次に巻き取られる前記気泡シートの巻芯として機能する巻芯用シートであることを特徴とする請求項15に記載の気泡シート巻物の製造方法。
- 長尺シートがロール状に巻き取られてなる長尺シート巻物であって、
外周面カバー部と端面カバー部とが形成された外袋用シートが、巻き取られた前記気泡シートの終端とつながっており、
巻き取られた前記長尺シートの外周面が、前記外周面カバー部で覆われるとともに、
巻き取られた前記長尺シートの端面が、前記端面カバー部で覆われていることを特徴とする長尺シート巻物。
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