JP2011092237A - 保温・再加熱装置及びそれを備えた配膳車 - Google Patents
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Abstract
【課題】クックチル方式の保温・再加熱装置又は配膳車において、食品の再加熱時に、扉のうち冷蔵庫側の部分を閉じたまま、温蔵庫(再加熱庫)側の部分のみを開閉可能とし、冷蔵庫の庫内温度上昇を防止する。
【解決手段】温蔵庫及び再加熱庫の切り替え可能な第1保温庫31,32と、冷蔵庫として使用される第2保温庫41,42と、第1保温庫の開口部を覆う第1扉部6aと第2保温庫の開口部を覆う第2扉部6bを有し、第1扉部6aと第2扉部6bが第2蝶番62を介して折りたたみ可能な扉6を備え、第1扉部6aは、第1ロック機構70によって本体30に固定され、第2扉部6bは、第2ロック機構80によって、扉6が閉じられた状態において、本体30に仮固定される。
【選択図】図1
【解決手段】温蔵庫及び再加熱庫の切り替え可能な第1保温庫31,32と、冷蔵庫として使用される第2保温庫41,42と、第1保温庫の開口部を覆う第1扉部6aと第2保温庫の開口部を覆う第2扉部6bを有し、第1扉部6aと第2扉部6bが第2蝶番62を介して折りたたみ可能な扉6を備え、第1扉部6aは、第1ロック機構70によって本体30に固定され、第2扉部6bは、第2ロック機構80によって、扉6が閉じられた状態において、本体30に仮固定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、温蔵庫(兼再加熱庫)と冷蔵庫を備えた、いわゆるクックチル方式の保温・再加熱装置及びそれを備えた配膳車に関するものである。
病院、老人保健施設、ホテル、学校などの施設において食事を提供するにあたって、配膳車が用いられているが(例えば、特許文献1参照)、このような配膳車としては、調理された食品(食材も含む)を一旦3℃程度に冷蔵保存しておき、冷蔵保存された食品を安全温度である75℃まで加熱して配膳する、いわゆるクックチル方式のものが提案されている。
ところで、配膳車によって配膳される食品は加熱されたものだけでなく、低温状態に冷蔵されたものも含まれる。従って、温蔵庫(兼再加熱庫)と冷蔵庫を備えた配膳車も存在する(特許文献1参照)。一方、上記病院などのように、短時間の内に大量の配膳を行わなければならない場合、配膳に先立って冷蔵庫から大量の食品をトレイに並べ、さらに配膳車の温蔵庫及び冷蔵庫に移し替える作業は時間がかかるため、厨房業務運営上問題点となっている。
そのため、間仕切りフレームを配膳車とカートの間で相互に着脱可能にしておき、あらかじめ間仕切りフレーム上にトレイを並べ、そのトレイ上に食品を載せた状態で大型の冷蔵庫(又は冷蔵室)に保管しておき、配膳に際して、間仕切りフレームごと配膳車に載せ替えることも提案されている。
クックチル方式の配膳車の場合、冷蔵庫から上記間仕切りフレームを配膳車に載せ替えた後、再加熱せずに提供する食品に関しては、そのまま冷蔵保存すると共に、再加熱するべき食品については、温蔵庫(兼再加熱庫)の庫内温度を120〜130℃に加熱する。そのため、例えば図3に示すように、配膳車の温蔵庫31と冷蔵庫41を仕切る断熱壁10cは、トレイ4を水平に抜き差しでき、且つ、温蔵庫31からの熱が冷蔵庫41に伝わらないように遮蔽する構造を有している。なお、断熱壁10cは、配膳車側に設けられている場合と間仕切りフレーム側に設けられている場合がある。
クックチル方式の配膳車の場合、温蔵庫(兼再加熱庫)31の庫内温度が120〜130℃に加熱されるので、温蔵庫及び冷蔵庫の扉は、内側に断熱材が設けられた金属製や耐熱樹脂製のものが用いられている。また、間仕切りフレームの載せ替え作業を容易にするため、温蔵庫及び冷蔵庫を全開にする必要がある。さらに、開いた扉が間仕切りフレームの載せ替え作業の妨げとならないように、できるだけ小さく扉を折りたたむ必要がある。そのため、図10に示すように、1つの温蔵庫31と1つの冷蔵庫41を1組として、冷蔵庫41側の端部に蝶番62を設け、それら温蔵庫31及び冷蔵庫41を1つの扉6で開閉すると共に、その1つの扉6を途中で2つに折りたたみ可能としている(温蔵庫31及び冷蔵庫41に対応する部分をそれぞれ6a及び6bとする)。
ところで、クックチル方式の配膳車において、配膳前に食品を再加熱する際、温度計などを用いて食品の内部まで完全に所定温度(例えば75℃)以上に加熱されているかどうかを検査する必要がある。そのため、再加熱の際に、少なくとも1回は扉6が開かれる。その際、温蔵庫31の熱風が冷蔵庫41に流れ、冷蔵庫41の庫内温度が上昇するという問題が生じる。ここで、2つに折りたたみ可能な扉6のうち温蔵庫31に対応する部分6bのみを開こうとすると、作業者は、冷蔵庫41に対応する部分6aを手で押さえておかなければならず、両手を必要とし、作業性が非常に悪くなる。
なお、温蔵庫及び冷蔵庫にそれぞれ蝶番で支持された個別の扉を設けること、すなわち、1組の温蔵庫と冷蔵庫の扉をいわゆる観音開きにすることも考えられる。しかしながら、扉の内側に断熱材を設ける必要があるため、扉が厚くなり、配膳車の中央部において一方の組の冷蔵庫の扉と他方の組の温蔵庫の扉が干渉し、全ての温蔵庫及び冷蔵庫を同時に全開にすることができなくなる。その結果、複数の間仕切りフレームを同時に又は連続しての載せ替えることができず、作業性が悪くなる。従って、観音開き式の扉は、クックチル方式の配膳車にはあまり適していない。
本発明は上記従来例の問題点を解決するためになされたものであり、クックチル方式の保温・再加熱装置又はそれを備えた配膳車において、再加熱される食品の再加熱時に、扉のうち冷蔵庫側の部分を閉じた状態に維持したまま、扉のうち温蔵庫(再加熱庫)側の部分のみを開閉可能とし、それによって、冷蔵庫内の温度を維持したまま、その食品の内部まで完全に所定温度以上に加熱されているかどうかを検査することを可能にすることを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、少なくとも温蔵庫及び再加熱庫のいずれかに切り替えて使用可能な第1保温庫と、冷蔵庫として使用される第2保温庫と、前記第1保温庫及び前記第2保温庫をその内部に収納する本体と、前記本体に第1蝶番を介して回転自在に軸支され、前記第1保温庫及び前記第2保温庫の開口部を覆う単一の扉を備えたクックチル方式の保温・再加熱装置において、前記扉は、前記第1保温庫の開口部を覆う第1扉部と前記第2保温庫の開口部を覆う第2扉部を備え、前記第1扉部と前記第2扉部が第2蝶番を介して折りたたみ可能であり、前記扉の前記第2扉部は、前記第2保温庫の開口部の垂直な2つの側辺のうち、前記第1保温庫とは反対側の側辺の近傍において前記本体に前記第1蝶番を介して回転自在に軸支され、前記扉の前記第1扉部の垂直な2つの側辺のうち、前記第2蝶番とは反対側の側辺の近傍には、前記扉が閉じられた状態において、前記第1扉部を前記本体に固定するための第1ロック機構が設けられ、前記扉の前記第2扉部の垂直な2つの側辺のうち、前記第2蝶番側の側辺の近傍には、前記扉が閉じられた状態において、前記第2扉部を前記本体に仮固定するための第2ロック機構が設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のクックチル方式の保温・再加熱装置において、前記本体の側面のうち、少なくとも、前記扉が閉じられた状態で、前記扉に対向する部分は磁性体で形成され、前記第2ロック機構は、前記扉の前記第2扉部の内部又は前記第2扉部の水平な上辺に設けられた永久磁石であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載のクックチル方式の保温・再加熱装置において、前記第2ロック機構は、前記本体のうち、少なくとも、前記扉が閉じられた状態で、前記扉の前記第2扉部に対向する部分近傍に設けられ、水平方向に変位可能な係合部材と、前記扉の前記第2扉部の水平な上辺近傍に設けられ、前記係合部材と係合可能な係合穴が形成された垂直な係止板で構成されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1に記載のクックチル方式の保温・再加熱装置において、前記第2ロック機構は、前記本体のうち、少なくとも、前記扉が閉じられた状態で、前記扉の前記第2扉部に対向する部分に設けられ、垂直方向に変位可能な係合部材と、前記扉の前記第2扉部の水平な上辺に直接形成され、前記係合部材と係合可能な係合穴、又は、前記扉の前記第2扉部の水平な上辺近傍に設けられ、前記係合部材と係合可能な係合穴が形成された水平な係止板で構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載のクックチル方式の保温・再加熱装置において、前記第2蝶番の回転角度を検出する角度センサ、前記係合部材を電気的に駆動する駆動機構及び前記角度センサによる検出角度に応じて前記駆動機構を駆動制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記角度センサが前記扉の前記第1扉部が閉じられた状態から少なくとも90度回転されたことを検出したときに、前記係合部材を前記係合穴から引き抜くように前記駆動機構を駆動することを特徴とする。
請求項6の発明は、クックチル方式の配膳車であって、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の保温・再加熱装置を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、扉が閉じられた状態において、第2ロック機構により第2扉部が本体に仮固定されているので、第1ロック機構を解錠して第1扉部を開いたとしても、第2扉部は第1扉部の開動作に追従できず、第2扉部は開かれない。そのため、第1保温庫の内部から漏れ出た温風は冷蔵庫として機能する第2保温庫の内部に流れ込まず、冷蔵庫内の温度を維持したまま、温蔵庫又は再加熱庫内の食品の内部まで完全に所定温度以上に加熱されているかどうかを検査することが可能になる。
請求項2の発明によれば、第2ロック機構として永久磁石を用い、本体の側面うち、磁性体で形成された部分に永久磁石が吸着することによって、第2扉部が本体に仮固定されているので、例えば、第1扉部を90度開いた状態で、そのまま手前に引くことによって、第2ロック機構による第2扉部の仮固定を解除することができる。その際、第2ロック機構による仮固定及び仮固定の解除のために特に動作は必要としないので、作業者は片手で扉の開閉を行うことができる。
請求項3の発明によれば、第2ロック機構を、水平方向に変位可能な係合部材と、係合部材と係合可能な係合穴が形成された垂直な係止板で構成しているので、係合部材を手動又は電気的又は機械的に操作することにより、扉の第2扉部を強固に固定することができる。また、第2ロック機構による第2扉部の仮固定を解除するには、係合部材を逆方向に変位させればよく、公知のロック機構を応用することにより、容易に第2ロック機構を実現することができる。
請求項4の発明によれば、第2ロック機構を、垂直方向に変位可能な係合部材と、第2扉部の水平な上辺に直接形成された係合穴、又は、係合部材と係合可能な係合穴が形成された水平な係止板で構成しているので、係合部材を手動又は電気的又は機械的に操作することにより、扉の第2扉部を強固に固定することができる。また、第2ロック機構による第2扉部の仮固定を解除するには、係合部材を逆方向に変位させればよく、公知のロック機構を応用することにより、容易に第2ロック機構を実現することができる。
請求項5の発明によれば、係合部材を電気的に駆動すると共に、第1扉部が少なくとも90度回転されたときに、係合部材を係合穴から引き抜くように駆動するので、請求項3又は4に係る第2ロック機構による強固な固定を自動的に解除することができ、第2ロック機構による仮固定の解除のために特に動作は必要としないので、作業者は片手で扉の開閉を行うことができる。なお、扉を閉じる際、第2ロック機構を構成する係合部材を、係止板又は第2扉部の水平な上辺と接触することによって自動的に待避できる構成としてもよい。
請求項6の発明によれば、クックチル方式の配膳車において、配膳開始前に、冷蔵庫内の温度を維持したまま、温蔵庫又は再加熱庫内の食品の内部まで完全に所定温度以上に加熱されているかどうかを検査することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る保温・再加熱装置を備えた配膳車について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る保温・再加熱装置を備えた用いた配膳車は、温蔵庫(兼再加熱庫)と冷蔵庫を備えた、いわゆるクックチル方式のものである。
図1は、本実施形態に係る配膳車1の保温庫の扉6を閉じた状態を示し、図2は配膳車1の保温庫の扉6を開いた状態を示す。配膳車1は、基本的に、移動装置(台車)2と、移動装置2の上に搭載された保温・再加熱装置3で構成されている。移動装置2は、自走式のものであってもよく、あるいは手押し式のものであってもよい。また、自走式移動装置の場合、地図上における自己位置を認識しながらあらかじめ設定されたルートに沿って自律移動するタイプのものの他、あらかじめ床に埋設された誘導装置に誘導されながら移動するタイプのもの、ガイドレールに沿って移動するタイプのものなど、あるいは配膳担当者によって操作されるタイプのものなどであってもよい。
本実施形態に係る配膳車1では、図1及び図2に示すように、保温・再加熱装置3の本体30に2つの扉6が第1蝶番61を介して取り付けられており、扉6はそれぞれ第2蝶番62によって第1扉部6a及び第2扉部6bの2つに折りたたむことができる。扉6の第2扉部6bは、後述する第2保温庫41,42の開口部の垂直な2つの側辺のうち、第1保温庫31,32とは反対側の側辺の近傍において本体30に第1蝶番61を介して回転自在に軸支されている。保温・再加熱装置3の本体30の内部は、見かけ上、2つの扉6に対応して2つの空間30a,30bに区分され、各空間30a,30bには、上記従来例で説明した間仕切りフレーム10が装着されている。
本実施形態で使用されるトレイ4は、加熱される食品が搭載される加熱スペース4aと、加熱されない食品が搭載される非加熱スペース4bで構成されている。間仕切りフレーム10は、このトレイ4の構造に対応して、その両側壁10a,10bには、トレイ4を、例えば水平方向に2列、垂直方向に複数段に収納しうるように、トレイ4の加熱スペース4aと非加熱スペース4bの配列方向の両側壁と係合される水平なガイドレールが形成されている。また、図3に示すように、間仕切りフレーム10の中央部付近(必ずしも中央ではない)には、垂直な断熱壁10cが設けられており、断熱壁10cには、上記ガイドレールに対応して、トレイ4の加熱スペース4aと非加熱スペース4bの間の仕切り部分が挿入される水平な複数のスリット及びそのスリットを塞ぐための垂直方向に変位する可動板が設けられている。
上記2つの空間30a,30bに間仕切りフレーム10が装着されると、各空間30a,30bは、断熱壁10cによって、第1保温庫31,32と、第2保温庫41,42に区分される。第1保温庫31,32は、温蔵庫、再加熱庫及び冷蔵庫のいずれかに切り替えて使用可能であり、第2保温庫41,42は、専ら冷蔵庫として使用される。なお、図2に示す構成例では、見かけ上は4つの保温庫を有することになるが、保温・再加熱装置3の本体30の中央部に2つの第1保温庫31,32を隣接させているので、制御上、2つの第1保温庫31,32を1つの保温庫とみなして制御することも可能である。
ここで、「保温庫」とは、庫内温度を一定の範囲に維持しうる機能を有する食品保存庫をいい、「温蔵庫」とは、庫内温度を室温(例えば20℃)よりも高い温度範囲に維持するものをいい、「冷蔵庫」とは、庫内温度を室温よりも低い温度範囲に維持するものをいうものとする。また、「再加熱庫」とは、庫内温度を120〜130℃の高温に加熱しうるものをいう。
また、保温・再加熱装置3の本体30には、第1保温庫31,32に向けて温風を供給するためのヒータ、ファン、温風ダクトなどが設けられており、また、第1保温庫31,32及び第2保温庫41,42に冷風を供給するための冷凍機エバポレータ、ファン、冷風ダクトなどが設けられている。なお、これらは、従来のものと同様であり、本発明の要旨とは直接関係がないので、図示を省略する。
さらに、保温・再加熱装置3の本体30には、第1保温庫31,32を温蔵庫、再加熱庫及び冷蔵庫のいずれに切り替えるかを設定したり、第1保温庫31,32及び第2保温庫41,42の温度を設定したりするための、表示装置と入力装置を兼ねたタッチパネル7bと、電源のオン/オフ、自動運転のオン/オフ、配膳中に扉6の施錠機構の施錠/解錠などを操作する操作ボタン7aなどを備えた操作パネル7が設けられている。また、保温・再加熱装置3の本体30の内部には、上記ヒータ、冷凍機エバポレータ、及びファンや、後述する電気錠などを制御するための制御部8が設けられている。
クックチル方式の配膳車の場合、再加熱時には、第1保温庫31,32の庫内温度が120〜130℃の高温になる。一方、再加熱時においても、第2保温庫41,42の庫内温度は3℃程度に保たれている。そのため、本実施形態では、1組の第1保温庫31及び第2保温庫41と、他の1組の第1保温庫32及び第2保温庫42について、それぞれ第1蝶番61で保温・再加熱装置3の本体30に固定され、第2蝶番62で2つ折り可能な単一の扉6を設けている。
また、再加熱時に不用意に扉6が開かれないようにするため、従来から扉6にはロック機構が設けられている。本実施形態では、扉6の第1扉部6aの垂直な2つの側辺のうち、第2蝶番62とは反対側の側辺の近傍に扉6が閉じられた状態において、第1扉部6aを本体30に固定するための第1ロック機構70が設けられている。図4は、電気錠を用いた第1ロック機構70の構成例を示し、(a)解錠状態、(b)は施錠状態を示す。扉6の第1扉部6a内部には、操作ハンドル71(図1参照)の操作に伴って回転する回転レバー72と、回転レバー72の回転に伴って垂直方向に上下動する第1ロッド73及び第2ロッド74と、第1ロッド73及び第2ロッド74をそれぞれ扉6の第1扉部6aから外側に突出させる方向に回転レバー72を付勢するばね75などで構成されている。第2ロッド74の先端部には、切り欠き74aが形成されており、電気錠76のプランジャ76aが切り欠き74aに係合されることにより、操作ハンドル71の操作がロックされ、扉6が施錠される。なお、第1ロック機構70の構成はこれらに限定されるものではなく、その他の構成であってもよい。
さらに、再加熱時に、扉6のうち第1扉部6aのみを開閉可能とするために、換言すれば、第2扉部6bが開かないようにするために、扉6の第2扉部6bの垂直な2つの側辺のうち、第2蝶番62側の側辺の近傍には、扉6が閉じられた状態において、第2扉部6bを本体30に仮固定するための第2ロック機構80が設けられている。前述のように、再加熱される食品の再加熱時に、扉6のうち冷蔵庫側の第2扉部6bを閉じた状態に維持したまま、扉6のうち温蔵庫(再加熱庫)側の第1扉部6aのみを開閉可能とし、それによって、冷蔵庫内の温度を維持したまま、その食品の内部まで完全に所定温度以上に加熱されているかどうかを検査する必要がある。本実施形態によれば、扉6が閉じられた状態において、第2ロック機構80により第2扉部6bが本体30に仮固定されているので、第1ロック機構70を解錠して第1扉部6aを開いたとしても、第2扉部6bは第1扉部6aの開動作に追従できず、第2扉部6bは開かれない。そのため、第1保温庫31,32の内部から漏れ出た温風は冷蔵庫として機能する第2保温庫41,42の内部に流れ込まず、冷蔵庫内の温度を維持したまま、温蔵庫又は再加熱庫内の食品の内部まで完全に所定温度以上に加熱されているかどうかを検査することを可能になる。
次に、第2ロック機構80の具体的構成について説明する。図5は、第2ロック機構80の最もシンプルな第1構成例として、永久磁石を用いた例を示す。一般的に、耐熱性、防錆性及び衛生性などを考慮すると、配膳車、特に保温・再加熱装置3の本体30の材料としてステンレス鋼板などが使用されている。従って、図5に示すように、配膳車又は保温・再加熱装置3の本体30の側面のうち、少なくとも、扉6が閉じられた状態で、扉6に対向する部分(第1保温庫31,32及び第2保温庫41,42の開口部を除く)をステンレス鋼などの磁性体で形成し、第2扉部6bの内部又は第2扉部6bの水平な上辺に永久磁石81を設けている(図5では、第2扉部6bの内部)。それによって、本体30の側面うち、磁性体で形成された部分35に永久磁石81が吸着することによって、第2扉部6bが本体30に仮固定されているので、例えば、第1扉部6aを90度開いた状態で、そのまま手前に引くことによって、第2ロック機構80(永久磁石81)による第2扉部6bの仮固定を解除することができる。その際、第2ロック機構80(永久磁石81)による仮固定及び仮固定の解除のために特に動作は必要としないので、作業者は片手で扉6の開閉を行うことができる。
図6は、第2ロック機構80の第2構成例として、いわゆる閂(かんぬき)を用いた例を示す。より具体的には、図6に示す第2ロック機構80は、本体30のうち、少なくとも、扉6が閉じられた状態で、扉6の第2扉部6bに対向する部分近傍36に設けられ、水平方向に変位可能な係合部材82と、扉6の第2扉部6bの水平な上辺近傍に設けられ、係合部材82と係合可能な係合穴が形成された垂直な係止板83で構成されている。この構成例では、第2ロック機構80(係合部材82)による仮固定及び仮固定の解除のための動作(手動)を必要とするが、構造が簡単であり、コスト上昇を抑制することができる。なお、図6に示す構成例では、係合部材82を水平方向に変位可能としたが、図7に示すように、係合部材82’を垂直方向に変位可能としてもよい。その場合、係合穴は、扉6の第2扉部6bの水平な上辺に直接形成されていてもよいし、第2扉部6bの水平な上辺近傍に設けられた水平な係止板83’に設けられていてもよい。後者の場合、仮固定されている第2扉部6bに無理な力が加えられた場合であっても、扉6(第2扉部6b)の損傷を軽減することができる。
図8は、第2ロック機構80の第3構成例として、永久磁石及び電磁石を用いて、係合部材を電気的に駆動する駆動機構を構成した例を示す。図8に示す第2ロック機構80は、垂直方向又は水平方向に変位可能に保持された係合部材82の先端にテーパ部82aが形成され、後端が圧縮コイルばね86によって付勢されている。係合部材82の中間部には、永久磁石84が固着されると共に、永久磁石84に対向するように、電磁石85が設けられている。係合部材82と係合される係合穴(図示せず)が形成された係止板83は、例えば、扉6の第2扉部6bの内壁から、本体30の内側に向かって直角に突出するように設けられている。
通常は、電磁石85に通電しておらず、係合部材82はばね86の付勢力によって、係止板83の係合穴と係合する位置に停止している。その状態で扉6(第2扉部6b)を閉じると、係止板83の先端部が係合部材82の先端のテーパ部82aと当接し、ばね86の付勢力に抗しながら係合部材82を図中左側に変位させる。係合部材82の先端が、係止板83の係合穴のエッジを通過すると、ばね86の付勢力によって係合部材82が図中右方向に変位し、係合部材82の先端が係止板83の係合穴と係合される。それによって、扉6の第2扉部6は、第2ロック機構80によって仮固定される。
一方、電磁石85に通電すると、永久磁石84と電磁石85の間に作用する反発力により、永久磁石84及びそれが固定された係合部材82が図中左側に変位する。そして、係合部材82の先端が、係止板83の係合穴から待避する(引き抜かれる)ことによって、第2ロック機構80による第2扉部6bの仮固定が解除される。電磁石85に通電するタイミング及び時間としては、作業者が操作パネル7の特定の操作ボタン7a又はタッチパネル7bを操作したときに、制御部8から電磁石85に一定時間通電を開始するように構成してもよい。あるいは、第2蝶番62の内部にエンコーダやスイッチ等で構成された角度センサを設け、角度センサが扉6の第1扉部6aが閉じられた状態から少なくとも90度回転されたことを検出したときに、制御部8から電磁石85に一定時間通電を開始するように構成してもよい。
図9は、第2蝶番62に設けられる角度センサの構成例を示す。図2などから明らかなように、扉6の第1扉部6aは第2扉部6bに対してほぼ完全に2つ折りにされる。すなわち、第1蝶番62はほぼ180度回転する。図9に示す角度センサ9は、第2蝶番62の回転軸90と、扉6の第1扉部6aと共に回転する第1回転部材91と、扉6の第2扉部6bと共に回転する第2回転部材92と、第2回転部材92に対する第1回転部材91の回転角度を規制するストッパ93と、第2回転部材92に設けられたスイッチ片94及び95などで構成されている。スイッチ片94及び95は、第1扉部6aが閉じられた状態から、例えば90度回転されたときに、第1回転部材91の底面によってスイッチ片94が他方のスイッチ片95に押しつけられ、接触する位置に設けられている。第1回転部材91及びストッパ93と一体化された第2回転部材92は、樹脂成形により形成することができ、また、スイッチ片94及び95は、金めっきされた銅片などの公知のスイッチ片材料で形成することができる。また、第1回転部材91が第2回転部材92に対して90度以上回転しているときは、スイッチ片94及び95の接触状態が維持される。従って、複雑な構成のエンコーダを用いることなく、比較的簡単な構成により、角度センサを構成することができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変形が可能である。例えば、係合部材82を電気的に駆動する駆動機構として、モータ及び歯車を用いた駆動機構を用いることも可能である。あるいは、水平方向又は垂直方向に変位可能な係合部材の変わりに、軸の周りに回転可能なフックレバーなどを用いてもよい。さらに、上記実施形態の説明では、保温・再加熱装置3を備えた配膳車について説明したが、本発明は、クックチル方式の配膳車のみならず、クックチル方式の保温・再加熱装置にも応用可能である。すなわち、クックチル方式の配膳車であっても、移動中に再加熱することはなく、再加熱された食品を配膳する際は、各保温庫は温蔵庫及び冷蔵庫として使用される。従って、固定式の保温・再加熱装置から保温機能のみを備えた配膳車に移し替えて配膳する場合にも同様の効果が得られる。
1 配膳車
2 移動装置
3 保温・再加熱装置
4 トレイ
4a 加熱スペース
4b 非加熱スペース
6 扉
6a 第1扉部
6b 第2扉部
7 操作パネル
7a 操作ボタン
7b タッチパネル
7c IDカードリーダ
8 制御部
9 角度センサ
10 間仕切りフレーム
30 保温・再加熱装置の本体
31,32 第1保温庫
41,42 第2保温庫
70 第1ロック機構
80 第2ロック機構
81 永久磁石
82,82’ 係合部材
83,83’ 係止板
84 永久磁石
85 電磁石
86 ばね
2 移動装置
3 保温・再加熱装置
4 トレイ
4a 加熱スペース
4b 非加熱スペース
6 扉
6a 第1扉部
6b 第2扉部
7 操作パネル
7a 操作ボタン
7b タッチパネル
7c IDカードリーダ
8 制御部
9 角度センサ
10 間仕切りフレーム
30 保温・再加熱装置の本体
31,32 第1保温庫
41,42 第2保温庫
70 第1ロック機構
80 第2ロック機構
81 永久磁石
82,82’ 係合部材
83,83’ 係止板
84 永久磁石
85 電磁石
86 ばね
Claims (6)
- 少なくとも温蔵庫及び再加熱庫のいずれかに切り替えて使用可能な第1保温庫と、冷蔵庫として使用される第2保温庫と、前記第1保温庫及び前記第2保温庫をその内部に収納する本体と、前記本体に第1蝶番を介して回転自在に軸支され、前記第1保温庫及び前記第2保温庫の開口部を覆う単一の扉を備えたクックチル方式の保温・再加熱装置において、
前記扉は、前記第1保温庫の開口部を覆う第1扉部と前記第2保温庫の開口部を覆う第2扉部を備え、前記第1扉部と前記第2扉部が第2蝶番を介して折りたたみ可能であり、
前記扉の前記第2扉部は、前記第2保温庫の開口部の垂直な2つの側辺のうち、前記第1保温庫とは反対側の側辺の近傍において前記本体に前記第1蝶番を介して回転自在に軸支され、
前記扉の前記第1扉部の垂直な2つの側辺のうち、前記第2蝶番とは反対側の側辺の近傍には、前記扉が閉じられた状態において、前記第1扉部を前記本体に固定するための第1ロック機構が設けられ、
前記扉の前記第2扉部の垂直な2つの側辺のうち、前記第2蝶番側の側辺の近傍には、前記扉が閉じられた状態において、前記第2扉部を前記本体に仮固定するための第2ロック機構が設けられていることを特徴とするクックチル方式の保温・再加熱装置。 - 前記本体の側面うち、少なくとも、前記扉が閉じられた状態で、前記扉に対向する部分は磁性体で形成され、
前記第2ロック機構は、前記扉の前記第2扉部の内部又は前記第2扉部の水平な上辺に設けられた永久磁石であることを特徴とする請求項1に記載のクックチル方式の保温・再加熱装置。 - 前記第2ロック機構は、前記本体のうち、少なくとも、前記扉が閉じられた状態で、前記扉の前記第2扉部に対向する部分近傍に設けられ、水平方向に変位可能な係合部材と、前記扉の前記第2扉部の水平な上辺近傍に設けられ、前記係合部材と係合可能な係合穴が形成された垂直な係止板で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクックチル方式の保温・再加熱装置。
- 前記第2ロック機構は、前記本体のうち、少なくとも、前記扉が閉じられた状態で、前記扉の前記第2扉部に対向する部分に設けられ、垂直方向に変位可能な係合部材と、前記扉の前記第2扉部の水平な上辺に直接形成され、前記係合部材と係合可能な係合穴、又は、前記扉の前記第2扉部の水平な上辺近傍に設けられ、前記係合部材と係合可能な係合穴が形成された水平な係止板で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクックチル方式の保温・再加熱装置。
- 前記第2蝶番の回転角度を検出する角度センサ、前記係合部材を電気的に駆動する駆動機構及び前記角度センサによる検出角度に応じて前記駆動機構を駆動制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記角度センサが前記扉の前記第1扉部が閉じられた状態から少なくとも90度回転されたことを検出したときに、前記係合部材を前記係合穴から引き抜くように前記駆動機構を駆動することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のクックチル方式の保温・再加熱装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の保温・再加熱装置を備えたことを特徴とするクックチル方式の配膳車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009246221A JP2011092237A (ja) | 2009-10-27 | 2009-10-27 | 保温・再加熱装置及びそれを備えた配膳車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009246221A JP2011092237A (ja) | 2009-10-27 | 2009-10-27 | 保温・再加熱装置及びそれを備えた配膳車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011092237A true JP2011092237A (ja) | 2011-05-12 |
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ID=44109895
Family Applications (1)
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JP2009246221A Withdrawn JP2011092237A (ja) | 2009-10-27 | 2009-10-27 | 保温・再加熱装置及びそれを備えた配膳車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011092237A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5368651B1 (ja) * | 2013-04-23 | 2013-12-18 | 正人 福島 | 施錠装置及び侵入防止装置 |
JP2014087577A (ja) * | 2012-10-30 | 2014-05-15 | Mikako Takaki | マグネット式シャッター開閉機構を備える温冷配膳車 |
CN107007025A (zh) * | 2017-03-20 | 2017-08-04 | 曹书航 | 一种一体化多功能笔记本电脑桌 |
JP2020165197A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社オーエスエム | 電子錠付きキャビネット |
-
2009
- 2009-10-27 JP JP2009246221A patent/JP2011092237A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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A711 | Notification of change in applicant |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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