JP2011090792A - セラミックメタルハライドランプ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時またはランプ出荷後初期に細管部付発光管を有するセラミックメタルハライドランプで生じるロット内色温度ばらつきを低減したセラミックメタルハライドランプの製造方法を提供する。
【解決手段】両端に細管部(12)を有する発光管(1)に発光封入物(20)を入れて気密封止する工程とランプ出荷前に試験点灯する工程との間に、気密封止後の前記発光管(1)両端の細管部(12)内に入り込んだ固形発光封入物(20)を細管部(12)から出す工程と、前記固形発光封入物(20)を発光部(3)中央の1箇所に集める工程と、その後の工程から試験点灯終了まで前記発光封入物(20)の位置を維持する工程とをこの順で含むようにする。さらに発光部(3)中央の1箇所に集めた発光封入物(20)を溶融後に凝固させて移動しにくくする工程も含むことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックメタルハライドランプに関し、特に、中央発光部の両側に一対の細管部および電極アセンブリを配置し、前記細管部内面と前記電極アセンブリ外面との間に狭い隙間を有する発光管を採用したセラミックメタルハライドランプに関するものである。以下の文中で単に「ランプ」と記載した場合には上記仕様のセラミックメタルハライドランプを意味する。
この種のランプは特許文献1および特許文献2に開示されているように既知である。この種のランプでは、従来からの課題として知られているように、ランプをその電極軸が垂直になるような姿勢で点灯した場合と電極軸が水平になるような姿勢で点灯した場合ではランプ特性が大きく異なる。そのためセラミックメタルハライドランプにおいては、水平点灯用のランプと垂直点灯用のランプは別品種として販売されていることが多い。
またセラミックメタルハライドランプの発光管構造には以下のような特徴がある。透光性セラミックス放電容器の構成材料であるセラミックスは、従来から用いられてきた石英ガラスのように軟化、溶融による加工ができない。そのため封止部においては、放電空間を包囲する発光部の両端から細管部を管軸方向に延長させ、細管部内に電極軸を周囲にわずかな隙間を形成しながら挿通し、細管部の外側端部で封止するという特有の封止構造が採用されている。そして封止方法としては、細管部の端部において、フリットガラスを加熱して溶融、固化させることにより、電極アセンブリと細管部との間の隙間をフリットガラスが埋めて行なう方法を採用しているものが多い。このようなセラミックメタルハライドランプでは、細管部の中のわずかな隙間に進入した液相状態で滞溜する発光封入物の表層部付近に最冷部が形成される(特許文献1の第3項参照)。
特許文献1には、ランプ始動時にランプ電圧が一時的に定格ランプ電圧より30〜35V高くなるという課題に対し、発光封入物に規定量のセシウムを加えることで点灯初期のランプ電圧上昇値を半減する技術が公開されている。
また特許文献2には、通常点灯状態において、発光封入物封入量のうち点灯時未蒸発分の量を前記細管部の内表面に略全量凝集する分量に選定することによって、ランプ点灯姿勢によるランプ特性の変化を緩和する技術が公開されている。
上記2件の技術はいずれも、発光封入物が所定の場所に存在して蒸発または凝固を繰り返すようになっている状態、すなわちランプを十分な時間点灯した後、ある程度一定の特性を維持できている状態における課題に関するものである。しかし、これらと同じ構造の発光管を有するセラミックメタルハライドランプには、さらに別の課題が存在する。
特開2004−55319号公報 特開2008−10272号公報
本発明はランプの製造工程上の課題を解決するものである。この種のランプは天井に取り付けられた器具から床面を照明することが多いため、口金を上にして電極軸がほぼ垂直になるような位置で点灯されることが多い。また口金を下にして上方を照明する場合や、口金が水平方向になるような位置で点灯し、天井や壁面に光を照射して間接照明を行なう場合もある。
この種のランプを製造する方法は、例えば以下のような工程による(図5〜図7参照)。図5は発光管組み立て及び封止工程の説明図である。図6(a)は従来の製造方法を採った場合の排気工程におけるセラミックメタルハライドランプの一例を示す外観図であり、図6(b)は発光管内部における発光封入物の位置を示している。図7(a)は試験点灯直前の状態を示す外観図であり、図7(b)は発光管内部における発光封入物の位置を示している。
(01)まず、発光管封体2に1st側の電極アセンブリ11Aを挿入し、フリットガラス8及び2次リングをセットして図示しない加熱ヒーターでフリットを加熱する。このとき、図示していないが、発光管封体2の下側を冷却している。この工程で、1st側の細管部4Aを気密封止する(図5(a))。
(02)発光管封体2を上下逆転し、発光封入物20を挿入する。同時に図示しないがランプの発光に必要な水銀及びバッファーガス(ArやKrなど)も導入する(図5(b))。細管部を有するセラミックメタルハライドランプに共通する制限事項として、発光管封体2の内部に入れる物質は細管部に設けられた小さな穴を通して発光管内部に入れる必要がある。発光封入物は主に金属のハロゲン化物であり、ヨウ化物または臭化物として直径0.3mmから0.8mm程度の略球形の固体に成形している。水銀は小径パイプ状の水銀ドーザーを用いて液体のまま導入してもよいし、ヨウ化水銀やナトリウムアマルガムなどの形で固体として挿入してもよい。
(03)発光管封体2に2nd側の電極アセンブリ11Bを挿入し、フリットガラス8及び2次リングをセットして図示しない加熱ヒーターでフリットを加熱する。このとき、図示していないが、発光管封体2の下側を冷却している。この工程で、2nd側の細管部4Bを気密封止する(図5(c))。この工程により、セラミックメタルハライドランプの発光管1が出来上がる。
なお、電極アセンブリ11A及び11Bは基本的に同じ仕様の部材であり、それぞれ電極5と耐ハロゲン性導電部材6と導電性サーメット棒7と外部リード10とをあらかじめ一直線上に接合したものである。
(04)発光管1を支柱などの部材に取付け、外管封体30に挿入する。外管封体30の端部すなわち封止部となる側の開放端を加熱し、ピンチシールなどのガラス加工法で気密封止する。外管封体30の封止部からは外部電源より発光管に電力を伝えるための給電ピン33が突き出している(図6(a))。
なお、外部電源より発光管に電力を伝えるための部材は一般的に口金と呼ばれており、本例では2本の給電ピンが平行に突き出している形状だが、他にも量産されている例として、G12などの碍子を設けた2ピン式口金、GX10などのツイストロック式口金、Eu10やE26などのエジソン型ねじ込み式口金などがある。
(05)封止済の外管封体30を排気ヘッド40に取付け、図示しない排気システムによって外管封体30内部の空気を排気し、外管封体30を真空引きした状態で外部から加熱することにより不純ガスを強制的に放出させ、外管封体30の内部を高真空状態にする(図6(a))。このとき外管封体30の内部に位置する発光管1の内部では、発光封入物20が重力により下側に集まっている(図6(b))。すなわち図6に示した例では、発光封入物20は封止部32側に集まっている。
なお、発光管1は基本的に1st側2nd側とも同じ仕様であり、本例では1st側細管部12Aが外管封体30の封止部側に位置しているが、逆であっても問題ない。
(06)外管封体30の内部を高真空状態にしたまま、排気管31の一部を加熱溶融して排気管31を外管封体30から切り取る(図7(a))。この工程でセラミックメタルハライドランプのランプ35としての形状が完成する。外管封体30は透光性外管34となる。
(07)できあがったランプ35を包装、出荷する前に試験点灯をおこなう。客先では口金33を上側にしてランプを点灯することが多いため、試験点灯装置も口金を上側にして点灯するものが多い。このとき透光性外管34の内部に位置する発光管1の内部では、発光封入物20が重力により下側に集まっているが、その一部は発光部3の上部に付着していることがある(図7(b))。この原因を解析したところ、以下のことがわかった。
第1の原因:発光管1をセットした外管封体30を封止するために透光性外管の開放側端部を加熱すると、その熱が発光管1まで伝わり、発光管1の下側に溜まっている発光封入物20が一部溶融することがある。この場合、発光封入物20は発光管1の内面に固着し、ランプ方向を逆転しても自重で落下しない。特に透光性外管の寸法が小さく石英ガラス性であるような低ワット2ピン型のランプで起こりやすい。
第2の原因:前述のとおり、外管封体30を真空引きした状態で外部から加熱することによりその熱が発光管1まで伝わり、発光管1の下側に溜まっている発光封入物20が一部溶融することがある。この場合も、発光封入物20は発光管1の内面に固着し、ランプ方向を逆転しても自重で落下しない。第1の原因よりも起こる比率が高い。
このようなランプを試験点灯すると、発光封入物の位置が個々のランプごとに異なるため、点灯初期に色温度が大きくばらつくという現象が生じる(図8)。このような色温度ばらつきは長時間点灯していれば解消されるが、点灯時間が数時間程度では収束せず、60時間以上の点灯が必要となる(図9)。
点灯初期から色温度が安定するまでの発光管内部の状態をX線検査装置などを用いて観察すると、点灯初期には点灯初期に発光管上部および中間部に発光封入物の一部が付着している。点灯時間が27時間程度のランプでは、発光封入物が定量的には減少しているものの点灯初期と同じ位置にまだ残っている。試験点灯開始後68時間点灯したランプの発光管では発光封入物のほぼ全てが発光管下側に溜まっている。これは色温度の測定結果とほぼ同じであり、ランプを初期点灯したときに、その色温度を測定することによって、発光封入物が発光部の安定位置に収まっているかどうかを判断することが可能である。
また、前述のランプ(図7)を電極軸が水平となる姿勢で点灯させた場合には、発光部中央下部が最冷部位置となり、発光封入物の蒸発分以外は最終的に発光部中央下部に滞留することとなる。ただし、前述の説明と同様、発光部端部に貼り付いたすべての発光封入物が溶けて発光部の安定位置に収まるまでには相当の時間がかかる。特に垂直点灯の場合よりも発光部端部温度が上昇しにくいため、色温度安定までに長時間必要となる。
特に低電力ランプは発光管容積が比較的小さく、発光封入物の量も少ない。そのため前述の課題によって発光封入物の発光管内での位置が異なるランプが存在すると、それぞれのランプで色温度などのランプ特性は大きく異なったものとなる。このような状態では、ランプ特性が完全に安定するまで試験点灯を続けてから出荷するには、出荷本数かける60時間分の電力量を必要とする。また実質的に問題ないとはいえ、短時間の試験点灯で出荷してしまうと、複数本を購入された客先での初期点灯において、同じランプ仕様にもかかわらずランプの色温度が異なることがありえるため、別種のランプが納入されたという誤解を生じるおそれがある。本発明はこれらの課題を解決する製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するためには、発光部両端に一対の細管部を有し、電極と耐ハロゲン性導電部材とを含む電極アセンブリを前記細管部に挿入してフリットガラスで気密封止された発光管を含むセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
前記発光管に発光封入物を入れて気密封止する工程と出荷前のセラミックメタルハライドランプを最初に試験点灯する工程との間に、
前記発光管内の固形の発光封入物を発光部中央部の1箇所に集める工程と前記試験点灯の時点までその位置を維持する工程とを含み、
前記試験点灯時には、発光管の電極軸が水平になるような姿勢でランプを点灯するようにすればよい。
また、前記試験点灯前に行なう排気工程中で発光封入物の少なくとも一部を溶融後凝固させることによって前記発光封入物を前記発光部の所望の位置に溶着固定してもよい。また、発光管製造後に前記発光封入物を前記発光部の所望の位置に溶着固定するための工程を追加してもよい。
上記の製造方法で製造されたセラミックメタルハライドランプは、製造工程での試験点灯における色バラツキが低減され、すぐに出荷できる状態となるため、工場内での電力削減に貢献し、省エネルギーなランプ生産を実現できる。
本発明を適用したセラミックメタルハライドランプの一例を示す概略図及び部分断面図。 本発明を適用したセラミックメタルハライドランプの製造方法を示す概略図及び部分断面図。 本発明を適用したセラミックメタルハライドランプについて、水平方向で試験点灯した時の発光色温度変化の関係を示すグラフ。 本発明を適用したセラミックメタルハライドランプについて、試験点灯後のランプを口金が上または下に位置する姿勢で点灯した時の発光色温度変化の関係を示すグラフ。 セラミックメタルハライドランプ発光管製造方法の一例を示す概略断面図。 従来のセラミックメタルハライドランプ製造方法の一例を示す断面図。 従来の製造方法によるセラミックメタルハライドランプの一例を示す概略図及び部分断面図。 従来の製造方法によるセラミックメタルハライドランプについて、試験点灯時の発光色温度変化の関係を示すグラフ(2時間まで)。 従来の製造方法によるセラミックメタルハライドランプについて、試験点灯時の発光色温度変化の関係を示すグラフ(100時間まで)。
本発明を実施するためには、発光部両端に一対の細管部を有し、電極と耐ハロゲン性導電部材とを含む電極アセンブリを前記細管部に挿入してフリットガラスで気密封止された発光管を含むセラミックメタルハライドランプの製造工程において、前記発光管に発光封入物を入れて気密封止する工程と出荷前のセラミックメタルハライドランプを最初に試験点灯する工程との間に、以下の工程A及び工程Bをこの順に組み込めばよい。
工程A:前記発光管内の固形の発光封入物を、前記発光管の発光部端部および細管部から発光部中央部に出す。その後、工程Bまで前記発光封入物が前記発光部端部および細管部に入り込まないように配慮する。
工程B:前記発光管の電極軸が水平になる姿勢で前記発光封入物の一部を溶融し、前記発光封入物が前記試験点灯前記発光管を局部加熱して固形発光封入物を溶融後凝固させてもよい。
本発明の製造方法を採った場合のセラミックメタルハライドランプの一例を図1に示す。図1(a)は通常使用されることの多い、口金33を上にした状態のランプ35を示す外観図であり、図1(b)は図1(a)の状態での発光管1内部における発光封入物20の位置を示している。図2(a)は本発明の製造方法を採った場合の排気工程におけるセラミックメタルハライドランプの状態を示す外観図であり、図2(b)は発光管内部における発光封入物の位置を示す部分断面図である。また図3は実施例のランプを試験点灯したときの発光色温度変化を示すグラフであり、図4は本発明にしたがって試験点灯工程まで行なったランプを、口金が上または下に位置する姿勢で点灯した時の発光色温度変化の関係を示すグラフである。図5はセラミックメタルハライドランプ発光管製造方法の一例を示す概略断面図である。
図1(b)において、発光管1の中央部には発光部3があり、その内部には発光封入物20が封入されている。この発光封入物20は、封入量のほぼすべてである99重量%以上が発光部3中央部の一部に集まっている。発光部3の形状はセラミックメタルハライドランプとして一般的なもので、発光部中央付近の内径が最も大きく、細管部へ移行する量端部に近づくにつれ、発光部内径が連続的に小さくなる。発光部が円筒形状の発光管では細管部直前まで発光部内面の直径は発光部中央部とほぼ同じであり、細管部と接続する位置で発光部内面の直径が急変する。なお、最近流通している2ピースタイプの発光管では、発光部中央で2つの発光管部材を接合しているため、発光部中央内面に小さな溝を有するものがあるが、このような形状でも本発明の効果にはなんら影響を及ぼさない。
発光封入物20は一般的にセラミックメタルハライドランプの発光に寄与する金属をハロゲン化物として封入しており、多くはヨウ化物もしくは臭化物の形で固形粒子になっている。これらの金属の種類の選定および封入比率は求められる発光特性に応じて適宜設計すればよい。
このようなセラミックメタルハライドランプを製造する場合、まず従来の方法と同様に発光管を製造する。図5において、部材の構成も発光管作成方法も前述した従来の方法と同様なので説明を省略する。その結果、気密封止された直後の発光管1は1st側の細管部12Aを下にした姿勢となっており、そのとき発光管1の内部では、1st側の細管部12A付近の発光部に発光封入物20が溜まった状態になっている。
次に発光管1を外管封体30内にセットする。このとき発光管1の方向は気にしないでよい。発光管1の構成は発光部中央を通る断面に対して対称形となっているため、図2(b)のように1st側の細管部12Aが左側に位置していなくても最終的なランプ特性などに影響は無い。ただし発光管1を図2(b)の姿勢とは逆の方向にセットした場合、発光管1内の発光封入物20は、発光管下側である発光部3中央下部付近に集まっていると同時に、その一部が1st側の細管部12A付近に引っかかったままの状態になっている可能性がある。
次に外管封体30を軽くたたくなどして発光管1内の発光封入物20を両側の細管部付近から出し、発光部中央に集める。固体の発光封入物20は自重により発光部中央付近の下側に溜まっている(図2(b))。
次に、外管封体30の封止側端部を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、ピンチシールなどの方法で封止する。ピンチシール工程は外管封体30が水平になるような姿勢で行なう。
次に外管封体30を水平に保ったまま、外管封体30の排気管31を排気ヘッド40に差込み、外管封体30内の空気を排気し、外管封体の外表面を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、外管封体30内の不純ガスを追い出す。さらに排気を続けながら適当な温度まで外管封体30を冷却し、外管封体30の内部を高真空状態にしたまま、排気管31の一部を加熱溶融して排気管31を外管封体30から切り取る。この段階でのランプ35の形状は図1(a)に示す形状を発光管軸が水平になるように90度回転した形状となっている。外管封体30を水平に保っているため、発光封入物20は自重により発光部中央に溜まったままの状態になっている。
前項の製造工程において、外管封体の外表面を加熱することによって発光管1の温度が上昇し、発光封入物の融点を越えると溶融し、発光管温度が下がって凝固したときに溶融しなかった発光封入物を発光管内壁に接着することがある。また温度測定では融点を超えていなくとも発光封入物が発光管内壁に固着して移動しにくくなることもある。このような場合でも発光封入物の位置が図2(b)に示すように発光部中央に位置していれば問題はない。
次にチップオフされたランプ35を、外管封体30を水平に保ったまま、点灯台にセットし、水平に保ったまま試験点灯を行なう。
このような手順でランプを製造し試験点灯すると、ランプ35を試験点灯する工程において、発光封入物20は発光部の下側に溜まったまま溶融・蒸発する。そのためランプの発光色は、図3に示すとおり点灯初期から安定時特性とほぼ同じ色温度となる。当然、100時間まで試験点灯を続けても発光色温度は安定していた。試験点灯後、発光管1の内部では、図2(c)に示すように発光封入物20が溶融して発光部3の中央下部に集まった状態で発光部3の内壁に固着している。
また試験点灯後のランプを口金を上にした姿勢(BU)、または口金を下にした姿勢(BD)で点灯させたところ、図4に示すとおり、点灯後数十分は個々のランプごとに色温度にバラツキが見られたが、点灯1時間後でほぼ収束し、2時間後以降、色温度の変化は見られなかった。
なお、ランプの設計仕様によっては水平点当時と垂直点灯時とでは安定点灯時の色温度が異なるランプも存在するが、そのようなランプでも、試験点灯時に仮に安定していた発光状態の色温度から垂直点灯時の本来の色温度まで1時間程度で遷移し、その後は安定した設計仕様どおりの発光特性を維持する。
第2の実施例においても、第1の実施例と同じランプについて製造工程を説明する。製造工程についても、発光管を製造するまでの工程は第1の実施例と全く同じである。
次に発光管1を軽くたたくなどして発光管1内の発光封入物20を両側の細管部付近から出し、発光部中央に集める。固体の発光封入物20は自重により発光部中央付近の下側に溜まっている(図2(b))。
次に発光管1の発光封入物20が溜まっている部分を加熱し、発光封入物20の少なくとも一部を溶融させ、その後加熱停止することで発光管封入物を発光部中央に固着させる。溶融後の発光管1内部では、図2(c)に示すように発光封入物20が溶融して発光部3の中央下部に集まった状態で発光部3の内壁に固着している。
発光封入物のうち融点の低いものは500〜700℃程度で溶融する。融点の高い発光封入物が固体のままであっても、溶融した発光封入物が接着剤の役割をはたして発光封入物全体が発光部中央に溶着固定される。
前記発光部3の加熱は、発光管1全体を不活性ガス雰囲気中に置いて行なうのが好ましい。または、発光管1両端の細管部12の温度が300℃以上に上がらないよう配慮した上で、大気中で発光部3中央のみを加熱してもよい。
次に、外管封体30の封止側端部を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、ピンチシールなどの方法で封止する。ピンチシール工程における外管封体30の姿勢は水平または垂直になるような姿勢が好ましい。
ピンチシール工程は外管封体30を封止部32が下になるような位置で保持するのが一般的であり、封止品質も安定する。しかしランプ定格電力70W以下の小形ランプをコンパクトな外管封体に収めるような仕様のランプでは上記ピンチシール工程で発光封入物の一部が溶融し、封止部に近いほうの細管部付近に発光封入物が流れ落ち、その場所で固着したまま動かせなくなってしまうことがある。この状態になると、その後の工程で発光封入物20を再び発光部3の中央に固着することができない。このようなランプを製造する際には、実施例1のように水平ピンチシールで封止を行なう必要がある。ただし十分に外管封体30の寸法が大きく、封止工程において発光封入物が工程中に再溶融しない温度条件で封止が可能なランプにおいては、実施例1の封止工程において、発光管が垂直になるように保持し、外管封体の下部を加熱してピンチシールするか、外管封体とステムのフレア部分とを溶着させる一般的な封止工程を採用してもよい。
次に外管封体30の排気管31を排気ヘッド40に差込み、外管封体30内の空気を排気し、外管封体の外表面を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、外管封体30内の不純ガスを追い出す。さらに排気を続けながら適当な温度まで外管封体30を冷却し、外管封体30の内部を高真空状態にしたまま、排気管31の一部を加熱溶融して排気管31を外管封体30から切り取る(図1(a))。発光封入物20は自重により1st側の細管部12A付近の発光部に溜まったままの状態になっている。
排気工程も前記封止工程と同様、排気工程において発光封入物が工程中に再溶融しない温度条件で排気が可能なランプにおいては、ランプ35の姿勢が水平であっても垂直であってもよい。排気工程中に発光封入物が再溶融するおそれのあるランプでは、水平姿勢での排気に限定される。
次にチップオフされたランプ35を、外管封体30を水平にした姿勢で、点灯台にセットし、水平に保ったまま試験点灯を行なう。
このような手順でランプを製造し試験点灯すると、実施例1の手順で製造したランプと同様、試験点灯初期から安定時特性とほぼ同じ色温度となる。また、また試験点灯後のランプを口金を上にした姿勢(BU)、または口金を下にした姿勢(BD)で点灯させた場合にも、実施例1の手順で製造したランプと同様、点灯後数十分は個々のランプごとに色温度にバラツキが見られたが、点灯1時間後でほぼ収束し、2時間後以降、色温度の変化は見られなかった。
以上の実施例では主にコンパクトな石英ガラス製外管を有するセラミックメタルハライドランプについて説明したが、硬質ガラス製または軟質ガラス製の比較的大きな寸法の外管を有するセラミックメタルハライドランプの場合でも、同様の効果が得られる。
また発光管の形状は、発光部の両端に一対の細管部を有しているような種類の発光管であれば本発明の製造技術を適用できる。発光管封体を構成する部品が1ピース、2ピース、3ピース、5ピースなどに分けられている場合も同様である。また発光部形状が回転楕円体様の場合でも、略球状でも略円筒状であっても本発明の製造方法を適用すれば、本明細書に記載されたものと同様な効果が得られる。
本発明は、製造工程における試験点灯時間を長時間必要とするランプの試験点灯時間を短縮し、生産効率を飛躍的に高めることのできるセラミックメタルハライドランプの製造方法を提供するものである。
1 発光管
2 発光管封体
3 発光部
11A,11B 電極アセンブリ
12A,12B 細管部
20 発光封入物
30 外管封体
31 排気管
33 給電ピン(口金)
34 透光性外管
35 ランプ

Claims (4)

  1. 発光部両端に一対の細管部を有し、電極と耐ハロゲン性導電部材を含む電極アセンブリを前記細管部に挿入してフリットガラスで気密封止された発光管を含むセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記発光管に発光封入物を入れて気密封止する工程と出荷前のセラミックメタルハライドランプを最初に試験点灯する工程との間に、
    前記発光封入物を発光部中央のみに集め、
    その後の工程から前記試験点灯の終了時点までその位置を維持する工程を含むことを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  2. 請求項1に記載されたセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記発光管に発光封入物を入れて気密封止する工程と出荷前のセラミックメタルハライドランプを最初に試験点灯する工程との間に、
    前記発光管内の固形の発光封入物を両側の前記細管部から出す工程、
    および前記発光封入物を発光部中央のみに集め、
    その後の工程から前記試験点灯の終了時点までその位置を維持する工程を含むことを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  3. 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記発光管を気密封止した後、前記発光管を外管封体に挿入する前に、前記発光封入物を発光部中央のみに集め、
    前記発光封入物の少なくとも一部が溶融する程度に加熱後凝固させて、前記発光封入物を所望の位置に溶着固定する工程を含むことを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  4. 請求項1から請求項2のいずれかに記載されたセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記発光封入物は、前記細管部の電極アセンブリを挿入する穴径より小さな直径を有する粒状の固体であることを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
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