JP5311291B2 - セラミックメタルハライドランプ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックメタルハライドランプに関し、特に、一対の電極を有する発光管を電極軸が垂直になるような姿勢で点灯させるセラミックメタルハライドランプに関するものである。以下の文中で単に「ランプ」と記載した場合には上記仕様のセラミックメタルハライドランプを意味する。
この種のランプは特許文献1および特許文献2に開示されているように既知である。この種のランプでは、従来からの課題として、ランプをその電極軸が垂直になるような姿勢で点灯した場合と電極軸が水平になるような姿勢で点灯した場合ではランプ特性が大きく異なる。そのためセラミックメタルハライドランプにおいては、水平点灯用のランプと垂直点灯用のランプは別品種として販売されていることが多い。
またセラミックメタルハライドランプの発光管構造には以下のような特徴がある。透光性セラミックス放電容器の構成材料であるセラミックスは、従来から用いられてきた石英ガラスのように軟化、溶融による加工ができないので、封止のために、放電空間を包囲する発光部の両端から細管部を管軸方向に延長させ、細管部内に電極軸を周囲にわずかな隙間を形成しながら挿通し、細管部の外側端部で封止するという特有の封止構造が採用されている。そして、封止は、細管部の端部において、フリットガラスを加熱して溶融、固化させることにより、電極アセンブリと細管部との間の隙間をフリットガラスが埋めて行なうようにした構成を採用しているものが多い。このセラミックメタルハライドランプでは、最冷部は細管部の中のわずかな隙間に進入した液相状態で滞溜する発光封入物の表層部付近に形成される(特許文献1の第3項参照)。
特許文献1には、ランプ始動時にランプ電圧が一時的に定格ランプ電圧より30〜35V高くなるという課題に対し、発光封入物に規定量のセシウムを加えることで点灯初期のランプ電圧上昇値を半減する技術が公開されている。
また特許文献2には、通常点灯状態において、発光封入物封入量のうち点灯時未蒸発分の量を前記細管部の内表面に略全量凝集する分量に選定することによって、ランプ点灯姿勢によるランプ特性の変化を緩和する技術が公開されている。
上記2件の技術はいずれも、発光封入物が所定の場所に存在して蒸発または凝固を繰り返すようになっている状態、すなわちランプを十分な時間点灯した後、ある程度一定の特性を維持できている状態における課題に関するものである。しかし、これらと同じ構造の発光管を有するセラミックメタルハライドランプには、さらに別の課題が存在する。
特開2004−55319号公報 特開2008−10272号公報
本発明は垂直点灯用ランプの製造工程上の課題を解決するものである。この種のランプは天井に取り付けられた器具から床面を照明することが多いため、口金を上にして電極軸がほぼ垂直になるような位置で点灯されることが多い。
この種のランプを製造する方法は、例えば以下のような工程による(図5〜図7参照)。図5は発光管組み立て及び封止工程の説明図である。図6(a)は従来の製造方法を採った場合の排気工程におけるセラミックメタルハライドランプの一例を示す外観図であり、図6(b)は発光管内部における発光封入物の位置を示している。図7(a)は試験点灯直前の状態を示す外観図であり、図7(b)は発光管内部における発光封入物の位置を示している。
(01)まず、発光管封体2に1st側の電極アセンブリ11Aを挿入し、フリットガラス8及び2次リングをセットして図示しない加熱ヒーターでフリットを加熱する。このとき、図示していないが、発光管封体2の下側を冷却している。この工程で、1st側の細管部4Aを気密封止する(図5(a))。
(02)発光管封体2を上下逆転し、発光封入物20を挿入する。同時に図示しないがランプの発光に必要な水銀及びバッファーガス(ArやKrなど)も導入する(図5(b))。細管部を有するセラミックメタルハライドランプに共通する制限事項として、発光管封体2の内部に入れる物質は細管部に設けられた小さな穴を通して発光管内部に入れる必要がある。発光封入物は主に金属のハロゲン化物であり、ヨウ化物または臭化物として直径0.3mmから0.8mm程度の略球形の固体に成形している。水銀は小径パイプ状の水銀ドーザーを用いて液体のまま導入してもよいし、ヨウ化水銀やナトリウムアマルガムなどの形で固体として挿入してもよい。
(03)発光管封体2に2nd側の電極アセンブリ11Bを挿入し、フリットガラス8及び2次リングをセットして図示しない加熱ヒーターでフリットを加熱する。このとき、図示していないが、発光管封体2の下側を冷却している。この工程で、2nd側の細管部4Bを気密封止する(図5(c))。この工程により、セラミックメタルハライドランプの発光管1が出来上がる。
なお、電極アセンブリ11A及び11Bは基本的に同じ仕様の部材であり、それぞれ電極5と耐ハロゲン性導電部材6と導電性サーメット棒7と外部リード10とをあらかじめ一直線上に接合したものである。
(04)発光管1を支柱などの部材に取付け、外管封体30に挿入する。外管封体30の端部すなわち封止部となる側の開放端を加熱し、ピンチシールなどのガラス加工法で気密封止する。外管封体30の封止部からは外部電源より発光管に電力を伝えるための給電ピン33が突き出している(図6(a))。
なお、外部電源より発光管に電力を伝えるための部材は一般的に口金と呼ばれており、本例では2本の給電ピンが平行に突き出している形状だが、他にも量産されている例として、G12などの碍子を設けた2ピン式口金、GX10などのツイストロック式口金、Eu10やE26などのエジソン型ねじ込み式口金などがある。
(05)封止済の外管封体30を排気ヘッド40に取付け、図示しない排気システムによって外管封体30内部の空気を排気し、外管封体30を真空引きした状態で外部から加熱することにより不純ガスを強制的に放出させ、外管封体30の内部を高真空状態にする(図6(a))。このとき外管封体30の内部に位置する発光管1の内部では、発光封入物20が重力により下側に集まっている(図6(b))。すなわち図6に示した例では、発光封入物20は封止部32側に集まっている。
なお、発光管1は基本的に1st側2nd側とも同じ仕様であり、本例では1st側細管部12Aが外管封体30の封止部側に位置しているが、逆であっても問題ない。
(06)外管封体30の内部を高真空状態にしたまま、排気管31の一部を加熱溶融して排気管31を外管封体30から切り取る(図7(a))。この工程でセラミックメタルハライドランプのランプ35としての形状が完成する。外管封体30は透光性外管34となる。
(07)できあがったランプ35を包装、出荷する前に試験点灯をおこなう。客先では口金33を上側にしてランプを点灯することが多いため、試験点灯装置も口金を上側にして点灯するものが多い。このとき透光性外管34の内部に位置する発光管1の内部では、発光封入物20が重力により下側に集まっているが、その一部は発光部3の上部に付着していることがある(図7(b))。この原因を解析したところ、以下のことがわかった。
第1の原因:発光管1をセットした外管封体30を封止するために透光性外管の開放側端部を加熱すると、その熱が発光管1まで伝わり、発光管1の下側に溜まっている発光封入物20が一部溶融することがある。この場合、発光封入物20は発光管1の内面に固着し、ランプ方向を逆転しても自重で落下しない。特に透光性外管の寸法が小さく石英ガラス性であるような低ワット2ピン型のランプで起こりやすい。
第2の原因:前述のとおり、外管封体30を真空引きした状態で外部から加熱することによりその熱が発光管1まで伝わり、発光管1の下側に溜まっている発光封入物20が一部溶融することがある。この場合も、発光封入物20は発光管1の内面に固着し、ランプ方向を逆転しても自重で落下しない。第1の原因よりも起こる比率が高い。
このようなランプを試験点灯すると、発光封入物の位置が個々のランプごとに異なるため、点灯初期に色温度が大きくばらつくという現象が生じる(図8)。このような色温度ばらつきは長時間点灯していれば解消されるが、点灯時間が数時間程度では収束せず、60時間以上の点灯が必要となる(図9)。図4に示す発光管内部の写真を参照すると、「逆」と表示されている上側の発光管写真がこのような従来技術によって製造されたランプである。この写真を見ると、試験点灯開始後68時間点灯したランプの発光管では発光封入物のほぼ全てが発光管下側に溜まっているが、点灯時間が27時間程度のランプでは、点灯初期に発光管上部および中間部に付着した発光封入物が同じ位置(点線で囲まれた位置)にまだ残っていることがわかる。
特に低電力ランプは発光管容積が比較的小さく、発光封入物の量も少ない。そのため前述の課題によって発光封入物の発光管内での位置が異なるランプ間では、色温度などのランプ特性が大きく異なる。本発明はこれらの課題を解決する製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するためには、発光部両端に一対の細管部を有し、電極と耐ハロゲン性導電部材とを含む電極アセンブリを前記細管部に挿入してフリットガラスで気密封止された発光管を含むセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
前記発光管に発光封入物を入れて気密封止する工程と出荷前のセラミックメタルハライドランプを最初に試験点灯する工程との間に、
前記発光管内の固形の発光封入物を前記試験点灯時に下になる側の前記細管部から出す工程および前記発光封入物を前記試験点灯時に上になる側の前記細管部付近に集めて前記試験点灯の時点までその位置を維持する工程とを含むようにすればよい。試験点灯前に発光管を局部加熱して固形発光封入物を溶融後凝固させてもよい。
具体的には前記試験点灯前に行なう排気工程中で発光封入物の少なくとも一部を溶融後凝固させることによって前記発光封入物を前記発光部の所望の位置に溶着固定してもよい。また、発光管製造後に前記発光封入物を前記発光部の所望の位置に溶着固定するための工程を追加してもよい。
上記の製造方法で製造されたセラミックメタルハライドランプは、製造工程での試験点灯における色バラツキが低減され、すぐに出荷できる状態となるため、工場内での電力削減に貢献し、省エネルギーなランプ生産を実現できる。
本発明を適用したセラミックメタルハライドランプの一例を示す概略図及び部分断面図。 本発明を適用したセラミックメタルハライドランプの製造方法を示す概略図及び部分断面図。 本発明を適用したセラミックメタルハライドランプについて、試験点灯時の発光色温度変化の関係を示すグラフ。 本発明を適用したセラミックメタルハライドランプ及び従来の製造方法によるセラミックメタルハライドランプについて、試験点灯時の発光管内封入物の位置を時間ごとに観察した結果を示す写真。 セラミックメタルハライドランプ発光管製造方法の一例を示す概略断面図。 従来のセラミックメタルハライドランプ発光管製造方法の一例を示す断面図。 従来の製造方法によるセラミックメタルハライドランプの一例を示す概略図及び部分断面図。 従来の製造方法によるセラミックメタルハライドランプについて、試験点灯時の発光色温度変化の関係を示すグラフ(2時間まで)。 従来の製造方法によるセラミックメタルハライドランプについて、試験点灯時の発光色温度変化の関係を示すグラフ(100時間まで)。
本発明を実施するためには、発光部両端に一対の細管部を有し、電極と耐ハロゲン性導電部材とを含む電極アセンブリを前記細管部に挿入してフリットガラスで気密封止された発光管を含むセラミックメタルハライドランプの製造工程において、前記発光管に発光封入物を入れて気密封止する工程と出荷前のセラミックメタルハライドランプを最初に試験点灯する工程との間に、以下の工程A及び工程Bをこの順に組み込めばよい。
工程A:前記発光管内の固形の発光封入物を前記試験点灯時に上になる側の前記細管部から出す。発光管封止工程から前工程までの間、発光封入物が前記試験点灯時に上になる側の前記細管部には存在することが無いように配慮されているなら、この工程は必要ない。
工程B:前記発光封入物を前記試験点灯時に下になる側の前記細管部付近に集めて前記試験点灯の時点までその位置を維持する。試験点灯前に発光管を局部加熱して固形発光封入物を溶融後凝固させてもよい。
以上
本発明の製造方法を採った場合のセラミックメタルハライドランプの一例を図1に示す。図1(a)は試験点灯直前の状態を示す外観図であり、図1(b)は発光管内部における発光封入物の位置を示している。図2(a)は本発明の製造方法を採った場合の排気工程におけるセラミックメタルハライドランプの状態を示す外観図であり、図2(b)は発光管内部における発光封入物の位置を示している。また図3は実施例のランプを試験点灯したときの発光色温度変化を示している。図5はセラミックメタルハライドランプ発光管製造方法の一例を示す概略断面図である。
図1(b)において、発光管1の中央部には発光部3があり、その内部には発光封入物20が封入されている。この発光封入物20は、封入量のほぼすべてである99重量%以上が自重により下側の細管部12A付近に溜まっている。発光部3の形状はセラミックメタルハライドランプとして一般的なもので、発光部中央付近の内径が最も大きく、細管部へ移行する量端部に近づくにつれ、発光部内径が連続的に小さくなる。発光部が円筒形状の発光管では細管部直前まで発光部内面の直径は発光部中央部とほぼ同じであり、細管部と接続する位置で発光部内面の直径が急変する。なお、最近流通している2ピースタイプの発光管では、発光部中央で2つの発光管部材を接合しているため、発光部中央内面に小さな溝を有するものがあるが、このような形状でも本発明の効果にはなんら影響を及ぼさない。
発光封入物20は一般的にセラミックメタルハライドランプの発光に寄与する金属をハロゲン化物として封入しており、多くはヨウ化物もしくは臭化物の形で固形粒子になっている。これらの金属の種類の選定および封入比率は求められる発光特性に応じて適宜設計すればよい。
このようなセラミックメタルハライドランプを製造する場合、まず従来の方法と同様に発光管を製造する。図5において、部材の構成も発光管作成方法も前述した従来の方法と同様なので説明を省略する。その結果、気密封止された直後の発光管1は1st側の細管部12Aを下にした姿勢となっており、そのとき発光管1の内部では、1st側の細管部12A付近の発光部に発光封入物20が溜まった状態になっている。
次に発光管1を外管封体30内にセットする。このとき外管封体は図2(a)に示すように排気管31を下にした状態に保つ。発光管1は前項と同じように1st側の細管部12Aを下にした姿勢に保つ。発光封入物20は自重により1st側の細管部12A付近の発光部に溜まったままの状態になっている。
次に前工程における姿勢を変えずに、外管封体30の封止側端部を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、ピンチシールなどの方法で封止する(図2(a))。発光封入物20は自重により1st側の細管部12A付近の発光部に溜まったままの状態になっている。
次に外管封体30の排気管31を排気ヘッド40に差込み、外管封体30内の空気を排気し、外管封体の外表面を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、外管封体30内の不純ガスを追い出す。さらに排気を続けながら適当な温度まで外管封体30を冷却し、外管封体30の内部を高真空状態にしたまま、排気管31の一部を加熱溶融して排気管31を外管封体30から切り取る(図1(a))。発光封入物20は自重により1st側の細管部12A付近の発光部に溜まったままの状態になっている。
このようなランプを試験点灯すると、ランプ35を試験点灯する時点では発光封入物20は発光部の下側に溜まったまま溶融・蒸発し、図3に示すとおり点灯初期から安定時特性とほぼ同じ発光色温度を示す。当然、100時間まで試験点灯を続けても発光色温度は安定していた。
第2の実施例においても、第1の実施例と同じランプについて製造工程を説明する。製造工程についても、発光管を製造するまでの工程は第1の実施例と全く同じである。
その後、発光管1を外管封体30内にセットする工程では、発光管1の方向を気にしないで行なう。発光管1の構成は発光部中央を通る断面に対して対称形となっているため、発光管1の姿勢が図2(b)と同じでなくても影響は無い。ただし発光管1を図2(b)の姿勢とは逆の方向にセットした場合、発光管1内の発光封入物20は、発光管下側である2nd側の細管部12B付近に集まっていると同時に、その一部が上側である1st側の細管部12A付近に引っかかったままの状態になっている可能性がある。
次に外管封体30を軽くたたくなどして発光管1内の発光封入物20を完全に下側に落とす。その後、外管封体30の封止側端部を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、ピンチシールなどの方法で封止する(図2(a))。発光管が図2(b)とは逆方向になっている場合でも、すべての発光封入物20は自重により下側の細管部付近の発光部に溜まっている。
次に外管封体30の排気管31を排気ヘッド40に差込み、外管封体30内の空気を排気し、外管封体の外表面を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、外管封体30内の不純ガスを追い出す。さらに排気を続けながら適当な温度まで外管封体30を冷却し、外管封体30の内部を高真空状態にしたまま、排気管31の一部を加熱溶融して排気管31を外管封体30から切り取る(図1(a))。発光封入物20は自重により1st側の細管部12A付近の発光部に溜まったままの状態になっている。
このため、ランプ35を試験点灯する時点では発光封入物20は発光部の下側に溜まったまま溶融・蒸発し、点灯初期から安定時特性とほぼ同じ発光色温度を示す。
第3の実施例においても、第1及び第2の実施例と同じランプについて製造工程を説明する。製造工程についても、外管封止直前までの工程は第2の実施例と全く同じである。
その後、外管封止は封止する部分を外管封体30の下側になるようにして行なう。
次に外管封体30を軽くたたくか、外管封体30を床面から数センチメートルの高さに持ち上げた後落下させるなどして発光管1内の発光封入物20を完全に下側に落とす。その後、外管封体30の排気管31を排気ヘッド40に差込み、外管封体30内の空気を排気し、外管封体の外表面を図示しないバーナーなどを用いて加熱し、外管封体30内の不純ガスを追い出す。さらに排気を続けながら適当な温度まで外管封体30を冷却し、外管封体30の内部を高真空状態にしたまま、排気管31の一部を加熱溶融して排気管31を外管封体30から切り取る(図1(a))。発光封入物20は自重により1st側の細管部12A付近の発光部に溜まったままの状態になっている。
このため、ランプ35を試験点灯する時点では発光封入物20は発光部の下側に溜まったまま溶融・蒸発し、点灯初期から安定時特性とほぼ同じ発光色温度を示す。
第4の実施例においても、第1の実施例と同じランプについて製造工程を説明する。製造工程についても、発光管を製造するまでの工程は第1の実施例と全く同じである。
次に発光管1を、発光封入物20が溜まっているほうの発光部端部を下にして加熱し、発光封入物の少なくとも一部を溶融させ、その後加熱停止することで発光管封入物を発光部端部に固着させる。発光封入物のうち融点の低いものは500℃程度で溶融する。融点の高い発光封入物が固体のままであっても、溶融した発光封入物が接着剤の役割をはたして発光封入物全体が発光部端部に溶着固定される。
その後、発光封入物20が固化している側の細管部が試験点灯時に下側に来るように発光管1を外管封体30内にセットし、外管封止・排気工程を行なう。外管封止および外管排気工程では、発光封入物が完全に溶融して移動するような温度まで発光部温度が上昇することは無いため、上記工程中に発光管がどのような姿勢をとっても、すでに固化し発光部内壁に溶着している発光封入物20の位置が変化することは無い。もしも外管封止工程または外観排気工程において、発光封入物が溶融して移動するような温度まで発光管温度が上昇するような工程を含む場合は、その工程においてはランプの姿勢を試験点灯時の姿勢と一致させる必要がある。
この方法で製造されたランプでは、ランプ35を試験点灯する時点では発光封入物20は発光部の下側に溜まったまま溶融・蒸発し、点灯初期から安定時特性とほぼ同じ発光色温度を示す。
以上の実施例では主に口金を上にして点灯するセラミックメタルハライドランプについて説明したが、口金を下方向にして点灯する場合でも、同じ仕様のランプを複数本点灯した場合の初期色変化は全てのランプで同じようになるため、個々のランプの色バラツキが気になることは無い。
また発光管の形状は、発光部の両端に一対の細管部を有しているような種類の発光管であれば本発明の技術を適用できる。発光管封体を構成する部品が1ピース、2ピース、3ピース、5ピースなどに分けられている場合も同様である。また発光部形状が回転楕円体様の場合でも、略球状でも略円筒状であっても本発明の製造方法を適用すれば、本明細書に記載されたものと同様な効果が得られる。
本発明は、製造工程における試験点灯時間を長時間必要とするランプの試験点灯時間を短縮し、生産効率を飛躍的に高めることのできるセラミックメタルハライドランプの製造方法を提供するものである。
1 発光管
2 発光管封体
3 発光部
11A,11B 電極アセンブリ
12A,12B 細管部
20 発光封入物
30 外管封体
31 排気管
33 給電ピン(口金)
34 透光性外管
35 ランプ

Claims (4)

  1. 発光部両端に一対の細管部を有し、電極と耐ハロゲン性導電部材を含む電極アセンブリを前記細管部に挿入してフリットガラスで気密封止された発光管を含むセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記発光管に発光封入物を入れて気密封止する工程と出荷前のセラミックメタルハライドランプを最初に試験点灯する工程との間に、
    前記発光封入物を前記試験点灯時に下になる側の前記細管部付近のみに集め、
    その後の工程から前記試験点灯の終了時点までその位置を維持する工程を含むことを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  2. 請求項1に記載されたセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記発光管に発光封入物を入れて気密封止する工程と出荷前のセラミックメタルハライドランプを最初に試験点灯する工程との間に、
    前記発光管内の固形の発光封入物を前記試験点灯時に上になる側の前記細管部から出す工程
    および前記発光封入物を前記試験点灯時に下になる側の前記細管部付近に集めて
    その後の工程から前記試験点灯の終了時点までその位置を維持する工程を含むことを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  3. 請求項1から請求項2のいずれかに記載されたセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記発光管を気密封止した後、前記発光管を外管封体に挿入する前に、前記発光封入物を前記試験点灯時に下になる側の前記細管部付近のみに集め、
    前記発光封入物の少なくとも一部が溶融する程度に加熱後凝固させて、前記発光封入物を所望の位置に溶着固定する工程を含むことを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたセラミックメタルハライドランプの製造方法において、
    前記発光封入物は、前記細管部の電極アセンブリを挿入する穴径より小さな直径を有する粒状の固体であることを特徴とするセラミックメタルハライドランプの製造方法。
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