JP2011089228A - シュープレス用ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】寸法安定性及び耐クラック性が向上され、更には、耐クラック進展性に優れたシュープレス用ベルトを提供する。
【解決手段】シュープレス用ベルトは、樹脂部材と、該樹脂部材内に埋設されたシュープレス用ベルト基布Aと、を備え、シュープレス用ベルト基布Aは、経糸10及び緯糸20を有する経4重織構造である。シュープレス用ベルト基布Aは経糸10及び緯糸20を有する経4重織構造であって、経糸10は、上下4層に、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された4種を有すると共に、第1層経糸11及び第4層経糸14はナイロン糸であり、且つ、緯糸20は、隣り合った経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸25と、経糸20を織り込んでいる屈曲緯糸21と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シュープレス用ベルトに関する。更に詳しくは、寸法安定性及び耐クラック性が向上され、更には、耐クラック進展性に優れたシュープレス用ベルトに関する。
抄紙機において湿紙の脱水を行うプレスパートではシューを用いたシュープレス装置が多く利用されている。近年、製紙効率向上の観点から、製紙工程の更なる高速化が進められ、シューと当接して走行するシュープレス用ベルト(以下「ベルト」ともいう。)に対する負荷が増大し、過酷な条件下でベルトが使用されている。
その結果、繰り返し圧縮によりベルトを構成する基布が扁平化して糸の屈曲の程度が低下し、ベルトに寸法変化が生じやすくなっている。寸法変化が生じると、ベルトの回転状態の安定性に欠ける不都合を生ずる。
また、上記過酷な条件下では、シュープレス用ベルト基布(以下「基布」ともいう。)を埋設、被覆している樹脂にもクラックが生じやすくなる。
従来のシュープレス用ベルト基布は、例えば、図6に示すように、樹脂部材30の溝部31では、緯糸21と第1層経糸11の交点部41から溝底部31aまでが接近しており、その間の樹脂部材30に応力が集中し、クラック32が生じやすい。
また、図6に示すように、緯糸21と2層目経糸12も交点部42では、両者の摩擦により、緯糸21aのフィブリル化(分化)が生じやすく、その上部の樹脂30を支える力が弱くなって、樹脂部材30の溝底部31bにクラック34が生じやすい。クラックを生ずると、十分な脱水効果が得られず、ベルトを交換する必要がある。尚、上記実例は、フェルト側(湿紙側)であるが、シュー側においてもクラックを生ずるとシューからベルトへの潤滑油の滲出という問題を生ずるため、クラック防止する必要がある。
上記問題を解決するため、上下5層に配置された経糸を備える基布が提案されている。この基布であれば、経糸方向の寸法安定性に優れることができる(例えば、特許文献1参照)。また、樹脂部材のクラックの発生を防止するために、ポリアミド系の樹脂を用いた糸からなる基布が提案されている。ポリアミド系の樹脂であれば、伸縮性に富むため、樹脂部材を安定して支持することができ、クラックの発生を効果的に防ぐことができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−197247号公報 特開2007−239132号公報
ここで、更に基布層を薄くし、樹脂部材の厚さを十分確保することができれば、フェルト側溝部の形成が容易となり、より一層、ベルトの強度を大きくすることが可能となる。
また、基布層が、伸縮性に富むとともに、更に樹脂部材を安定して支持することができれば、クラックの発生を効果的に防ぐことができる。
本発明は、上記の従来の問題を解決するものであり、寸法安定性及び耐クラック性が向上され、更には、耐クラック進展性に優れたシュープレス用ベルトを提供することを目的とする。
(1)樹脂部材と、該樹脂部材内に埋設されたシュープレス用ベルト基布と、を備えるシュープレス用ベルトであって、
上記シュープレス用ベルト基布は、経糸及び緯糸を有する経4重織構造であり、
上記経糸は、上下4層に、第1層経糸、第2層経糸、第3層経糸及び第4層経糸の順で配置された4種を有すると共に、該第1層経糸及び該第4層経糸はナイロン糸であり、且つ、
上記緯糸は、隣り合った上記経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸と、を有することを特徴とするシュープレス用ベルト。
(2)上記屈曲緯糸は、樹脂加工された撚糸である請求項1に記載のシュープレス用ベルト。
(3)上記屈曲緯糸は、ナイロン又はポリエステルのモノフィラメントである(1)に記載のシュープレス用ベルト。
(4)上記第2層経糸及び上記第3層経糸のうちの少なくとも一方は、樹脂加工されたポリエステル糸である(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
(5)上記第1層経糸及び上記第4層経糸をなす上記ナイロン糸は、線径0.10〜0.50mmである(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト基布。
(6)上記ストレート緯糸は、樹脂加工されたポリエステル糸である(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト基布。
本発明のシュープレス用ベルトによれば、そのシュープレス用ベルトに用いられる基布の上下4層に、配置された経糸と、隣り合う2種の上記経糸間に配置された1本のみのストレート緯糸と、を備え、更に、第1層経糸及び上記第4層経糸はナイロン糸であるため、寸法安定性に優れると共に、耐クラック性に優れる。
更に、上記屈曲緯糸が、樹脂加工された撚糸であれば、樹脂加工により糸同士の摩擦を低減させることができる。
また、上記屈曲緯糸が、ナイロンモノフィラメントであれば、伸縮性、低摩擦性に優れるため、隣接する経糸と擦れ合っても経糸に与える損傷を少なくすることができる。経糸に与える損傷を少なくできれば、樹脂層にクラックが入るのを効果的に防ぐことができる。上記屈曲緯糸が、ポリエステルモノフィラメントであれば、より寸法安定性と耐クラック性に優れることができる。
更に、上記第2層経糸及び上記第3層経糸のうちの少なくとも一方が、樹脂加工されたポリエステル糸であれば、ストレート緯糸との摩擦を低減することができ、ストレート糸の寿命を延ばすことができる。
また、上記第1層経糸及び上記第4層経糸をなす上記ナイロン糸が、共に、線径0.10〜0.50mmであれば、基布層の厚さを更に薄くすることができる。
更に、上記ストレート緯糸が、樹脂加工されたポリエステル糸であれば、より寸法安定性と耐クラック性に優れることができる。
シュープレス用ベルト基布の一例の緯方向断面を示す説明図である。 シュープレス用ベルト基布の他例の緯方向断面を示す説明図である。 シュープレス用ベルト基布の更に他例の緯方向断面を示す説明図である。 シュープレス用ベルト基布の従来例の緯方向断面を示す説明図である。 シュープレス用ベルトの耐久性を試験するための装置の模式図である。 シュープレス用ベルトの従来例の緯方向断面におけるクラックの発生を示す説明図である。
以下図1〜3を参照しながら本発明を詳しく説明する。尚、本発明は、かかる図に記載された具体例に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更したものとすることができる。
本発明のシュープレス用ベルトは、樹脂部材と、該樹脂部材内に埋設されたシュープレス用ベルト基布と、を備えるシュープレス用ベルトであって、上記シュープレス用ベルト基布は、経糸及び緯糸を有する経4重織構造であり、上記経糸は、上下4層に、第1層経糸、第2層経糸、第3層経糸及び第4層経糸の順で配置された4種を有すると共に、該第1層経糸及び該第4層経糸はナイロン糸であり、且つ、上記緯糸は、隣り合った上記経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸と、を有することを特徴とする。
本発明のシュープレス用ベルトに用いられる基布の例を図1〜3に示す。
図1に示す基布Aは、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された経糸10と、これらの経糸10に対する緯糸20と、を備えた経4重織構造であって、緯糸20は、隣り合った経糸12と経糸13とで形成された隣接2糸間にのみ配置された1本のみのストレート緯糸25と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸21と、を有し、且つ、上記第1層経糸11及び上記第4層経糸14はナイロン糸である。
また、図2に示す基布Bは、隣り合った経糸11と経糸12とで形成された隣接2糸間にストレート緯糸25が配置されていること以外は、基布Aと同様である。
更に、図3に示す基布Cは、隣り合った経糸13と経糸14とで形成された隣接2糸間にストレート緯糸25が配置されていること以外は、基布Aと同様である。
(1)経糸
上記「経糸」は、上下4層に、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置されている。十分な経強度を得るため、経4重織構造とする。
経糸のうち第1層経糸11及び第4層経糸14は、いずれか一方がフェルト側の経糸、他方がシュー側の経糸を構成する。
(1−1)第1層経糸及び第4層経糸
第1層経糸11及び第4層経糸14はナイロン糸である。ナイロン糸であることにより、基布の表面及び裏面に出る糸を疲労に強い糸にでき、基布の損傷を抑制できる。特にナイロン糸は、伸縮性に優れ、強度に優れると共に、隣接する緯糸21との摩擦を低く抑えることができる。従って、結果的に、屈曲緯糸21のフィブリル化を防ぎ、更には樹脂部材のクラックを防止する効果が得られる。
第1層経糸11及び第4層経糸14は、ナイロン糸であれば特に限定されず用いることができる。ナイロン糸はポリアミド系樹脂を含む糸である。ポリアミド系樹脂とは、ポリアミド構造を有する樹脂である。即ち、例えば、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、ポリアミド系樹脂には、共重合体(ポリアミド系樹脂にポリエーテルを共重合したブロックポリエーテルアミド系樹脂等)、及び、ブレンド物(ポリアミド系樹脂とブロックポリエーテルアミド系樹脂のブレンド物等)などが含まれる。
尚、前記ブロックポリエーテルアミド系樹脂としては、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸との重縮合によって得られる両末端にカルボキシル基を有するポリアミドと、末端アミノポリオキシアルキレン、及び脂肪族ジアミン又は脂環族ジアミン、芳香族ジアミンから選ばれるジアミンを重縮合させることによって得られるブロックポリエーテルアミド系樹脂(特公昭63−55535号公報)が挙げられる。
また、第1層経糸11及び第4層経糸14は、モノフィラメント及びマルチフィラメントを問わない。
第1層経糸11及び第4層経糸14として、モノフィラメントを用いる場合、その線径は、各々独立に0.1〜0.5mmであることが好ましく、0.2〜0.4mmであることが更に好ましく、0.25〜0.35mmあることが特に好ましい。
一方、第1層経糸11及び第4層経糸14として、マルチフィラメントを用いる場合、マルチフィラメントを構成するマルチフィラメント原糸{特に後述する(2)のマルチフィラメント撚糸を構成するマルチフィラメント原糸(撚糸)}の繊度は、各々独立に200〜2000デニールが好ましく、300〜1500デニールであることが更に好ましく、400〜1000デニールであることが特に好ましい。
また、このマルチフィラメントは、無撚糸及び撚糸を問わない。無撚糸であれば糸が扁平化し、基布全体の厚さを薄くすることができるため、樹脂層を厚くでき、耐クラック性を向上させることができる。また、撚糸であればより強度的に安定し、経方向の寸法安定性に優れることができる。
尚、上記マルチフィラメントが撚糸である場合、その構成は特に限定されない。即ち、例えば、(1)モノフィラメントを引き揃えた2本以上のマルチフィラメント原糸を撚り合わせてなるマルチフィラメント撚糸、(2)2本以上のマルチフィラメント撚糸(原糸)を撚り合わせてなるマルチフィラメント撚糸、(3)モノフィラメントを引き揃えた1本のマルチフィラメント原糸を撚ってなるマルチフィラメント撚糸、等が挙げられる。これらのなかでは上記(1)及び上記(2)が好ましい。即ち、2本以上のマルチフィラメント原糸を用いたマルチフィラメント撚糸が好ましい。用いるマルチフィラメント原糸の数は2本以上であればよく特に限定されないが、2〜5本が好ましく、2〜4本がより好ましい。
これらの各種の糸のなかでも、第1層経糸11及び第4層経糸14としては、ナイロンモノフィラメント及びナイロンマルチフィラメント撚糸が好ましく、更には、ナイロンモノフィラメントがより好ましい。ナイロンモノフィラメントであれば線径を小さくできるため、基布に織り込んだ場合、基布全体を薄くすることができる。また、第1層経糸11及び第4層経糸14は、樹脂部材のクラック防止を主目的とするため、線径を小さくしてもその目的を十分達成することができる。更に、第1層経糸11及び第4層経糸14の線径を細くすることにより、ストレート緯糸25を太くした場合でもベルトの樹脂部材を厚く、強度に優れるものにすることができる。
(1−2)第2層経糸及び第3層経糸
第2層経糸及び第3層経糸は、最外層である第1層経糸及び第4層経糸に対して中間層を構成する経糸である。第2層経糸及び第3層経糸の材質は、特に限定はなく、ビニル系樹脂(疎水化ポリビニルアルコール樹脂等、特にビニロン)、ポリアミド系樹脂{脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン等)、芳香族ポリアミド樹脂(パラフェニレンジアミンとテレフタル酸との重合体など)}、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂が好ましい。上記ポリアミド系樹脂については、第1層経糸及び第4層経糸について説明したポリアミド系樹脂をそのまま適用できる。
一方、上記ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸とグリコールとからなるポリエステルが好ましい。このうちジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらのジカルボン酸成分及びグリコール成分は各々1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
即ち、上記ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等を挙げられる。これらの中でも特にポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
また、ポリエステル系樹脂は単独でも用いてもよく、これらの共重合体を用いてもよく、これらのブレンド物を用いてもよい。更に、ポリエステル系樹脂に他のモノマーとの共重合体や、他の樹脂とのブレンド物等を用いることができる。
上記第2層経糸及び第3層経糸についての各材質の組合せは特に限定されず、(1)両糸にポリエステル系樹脂を用いてもよく、(2)第2層経糸にポリエステル系樹脂を用い、且つ、第3層経糸にポリアミド系樹脂を用いてもよく、(3)第2層経糸にポリアミド系樹脂を用い、且つ、第3層経糸にポリエステル系樹脂を用いてもよく、(4)両糸にポリアミド系樹脂を用いてもよい。
上記材料のうち、ポリエステル系樹脂は形態安定性に優れるため、経方向の寸法安定性を維持し易い。一方、ポリアミド系樹脂は伸縮性及び低摩擦性に優れ、隣接する緯糸と擦れ合っても緯糸に与える損傷を少なくできる。緯糸に与える損傷を少なくできれば、樹脂層にクラックが入るのを効果的に抑制できる。
従って、(1)形態安定性を最も重視する場合は、両糸にポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、(2)形態安定性を重視しつつ、クラック防止する場合は、第2層経糸及び第3層経糸のいずれか一方をポリエステル樹脂、他方をポリアミド樹脂とすることが好ましい。即ち、第2層経糸及び上記第3層経糸のうちの少なくとも一方はポリエステル糸であることが好ましい。
更に、第2層経糸及び第3層経糸は、マルチフィラメント、モノフィラメントのいずれを用いてもよいが、マルチフィラメントであることが好ましい。マルチフィラメントであれば、強度的に安定し、経方向の寸法安定性に優れることができる。
また、第2層経糸及び第3層経糸は、マルチフィラメントとした場合、撚糸、無撚糸(非撚糸)のいずれでもよいが、撚糸であることが好ましい。撚糸にすることによって、より強度的に安定し、経方向の寸法安定性に優れることができる。
特に第2層経糸及び第3層経糸をポリエステル系樹脂で構成する場合はマルチフィラメント撚糸とすることが好ましい。第2層経糸及び第3層経糸をマルチフィラメント撚糸とすることによって、特に、経方向の寸法安定性に優れることができる。
上記マルチフィラメント撚糸は、複数本のマルチフィラメントからなる撚糸である。このマルチフィラメント撚糸の構成は特に限定されない。即ち、例えば、(1)モノフィラメントを引き揃えた2本以上のマルチフィラメント原糸を撚り合わせてなるマルチフィラメント撚糸、(2)2本以上のマルチフィラメント撚糸(原糸)を撚り合わせてなるマルチフィラメント撚糸、(3)モノフィラメントを引き揃えた1本のマルチフィラメント原糸を撚ってなるマルチフィラメント撚糸、等が挙げられる。これらのなかでは上記(1)及び上記(2)が好ましい。即ち、2本以上のマルチフィラメント原糸を用いたマルチフィラメント撚糸が好ましい。用いるマルチフィラメント原糸の数は2本以上であればよく特に限定されないが、2〜5本が好ましく、2〜4本がより好ましい。
上記マルチフィラメント撚糸を構成するマルチフィラメント原糸{特に前記(2)のマルチフィラメント撚糸を構成するマルチフィラメント原糸(撚糸)}の繊度は、各々独立に400〜2000デニールが好ましく、600〜1800デニールであることが更に好ましく、800〜1600デニールであることが特に好ましい。
更に、第2層経糸及び第3層経糸としてマルチフィラメントを用いる場合には、樹脂加工されたマルチフィラメントを用いることが好ましい。樹脂加工により、マルチフィラメント糸表面を滑りをよくし、糸同士の摩擦を低減させることができる。特に、第2層経糸及び第3層経糸として樹脂加工されたマルチフィラメント糸を用いる場合には、緯糸との摩擦を低減し、緯糸のフィブリル化を防止することができる。
この樹脂加工は、第2経糸及び第3経糸表面の摩擦を低減できるものであれば、その種類、処理方法は、特に限定はないが、例えば、RFL液(レゾルシン−ホルマリン−ラテックス液)を付与することにより行うことができる。RFL液の組成は特に限定されないが、例えば、RFL液全体を100重量%とした場合に、レゾルシンが0.1〜10重量%、ホルマリンが0.1〜10重量%、ラテックスが1〜28重量%にすることができる。
撚糸のRFL液処理方法は、撚糸にRFL液を付与したのち、そのRFL液の乾燥と定着のために加熱処理を行なうことによりRFL処理した撚糸を得ることができる。加熱処理工程は、ヒートセットとノルマライジングとからなり、それぞれ加熱オーブンの中に搬送ローラが設けられた構成からなり、公知の設備がいずれも使用可能である。即ち、RFL液付与後の撚糸を、ヒートセット・ゾーンとノルマライジング・ゾーンを通過することにより樹脂加工されたポリエステル糸を得ることができる。
上記のことから、上記第2層経糸及び上記第3層経糸としては、その材料は特に限定されないが、少なくとも一方がポリエステル系樹脂であることが好ましい。更に、糸の形態も特に限定されないが、マルチフィラメント糸であることが好ましい。また、樹脂加工の有無は問わないが、マルチフィラメント糸を用いる場合には樹脂加工されていることが好ましい。即ち、第2層経糸及び第3層経糸の少なくとも一方は、樹脂加工されたポリエステル糸(マルチフィラメント糸の原糸がポリエステル糸)であるであることが好ましい。
(2)緯糸
上記「緯糸」は、隣り合った上記経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸と、を有する。
(2−1)ストレート緯糸
上記ストレート緯糸25は、隣り合った上記経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみの糸をいう。「ストレート」とは、緯方向に屈曲することなく略直線的に伸びていることを意味する。即ち、屈曲緯糸のように経糸を織り込む形態で利用されていない糸である。
ストレート緯糸25は、隣り合う2種の上記経糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置されていれば、特に限定はないため、例えば、図1に示す基布Aでは、ストレート緯糸25が、隣り合う第2層経糸12と第3層経糸13の間に配置されている。また、図2に示す基布Bでは、ストレート緯糸25が、第1層経糸11と第2層経糸12の間に配置されている。更に、図3に示す基布Cでは、ストレート緯糸25が、第3層経糸13と第4層経糸14の間に配置されている。このようにストレート緯糸の配置は、目的、用途に応じたものに設定することができる。
ストレート緯糸を構成する材料は特に限定されないが、緯方向の伸縮を抑制するために十分な強度を有する材料であることが好ましく、例えば、ビニル系樹脂(疎水化ポリビニルアルコール樹脂等、特にビニロン)、ポリアミド系樹脂{脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン等)、芳香族ポリアミド樹脂(パラフェニレンジアミンとテレフタル酸との重合体など)}、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ポリエステル系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂については、前記第2層経糸及び前記第3層経糸におけるポリエステル系樹脂についての説明をそのまま適用できる。
また、ストレート緯糸25は、マルチフィラメントであってもよく、モノフィラメントであってもよいが、マルチフィラメントであることが好ましい。マルチフィラメントであれば、強度的に安定し、更に緯方向の寸法安定性に優れることができる。
更に、ストレート緯糸25としてマルチフィラメントを用いる場合、このマルチフィラメントは撚糸でもよく、無撚糸でもよいが、撚糸がより好ましい。撚糸にすることによって、より強度的に安定し、緯方向の寸法安定性に更に優れることができる。また、撚糸を用いる場合、このマルチフィラメント撚糸を構成するマルチフィラメント原糸{特に前記(2)のマルチフィラメント撚糸を構成するマルチフィラメント原糸(撚糸)}の繊度は、各々独立に500〜2000デニールが好ましく。750〜1750デニールであることが更に好ましく、1000〜1500デニールであることが特に好ましい。
また、ストレート緯糸25としてマルチフィラメントを用いる場合には、樹脂加工を施すことができる。この樹脂加工については、第2経糸及び第3経糸における樹脂加工についての説明をそのまま適用できる。樹脂加工により、ストレート緯糸25表面の滑りをよくし、摩擦を低減させることができ、磨耗及びフィブリル化を抑制できる。
これらの各種の選択肢のなかでも、ストレート緯糸25は、樹脂加工されたポリエステルマルチフィラメントであることが特に好ましい。
(2−2)屈曲緯糸
上記屈曲緯糸21は、経糸を織り込んで屈曲している緯糸21である。即ち、ストレート緯糸25が経糸を織り込んでいないのに対して、経糸を織り込んでいる緯糸である。即ち、屈曲緯糸21は、図1〜3に示す基布A〜Cにおいて共通に、緯糸20のうちの経糸10を織り込む緯糸21であり、第1経糸11との交点部45及び第4経糸14との交点部46において各々屈曲された糸である。
屈曲緯糸21は、特にその材質は特に限定はなく、ビニル系樹脂(疎水化ポリビニルアルコール樹脂等、特にビニロン)、ポリアミド系樹脂{脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン等)、芳香族ポリアミド樹脂(パラフェニレンジアミンとテレフタル酸との重合体など)}、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでポリエステル系樹脂又はポリアミド系樹脂が好ましい。尚、ポリエステル系樹脂には、上記第2層経糸及び第3層経糸における説明をそのまま適用でき、ポリアミド系樹脂には、上記第2層経糸及び第3層経糸における説明をそのまま適用できる。
また、屈曲緯糸21は、マルチフィラメントであってもよく、モノフィラメントであってもよい。マルチフィラメントを用いれば、強度的に安定し、緯方向の寸法安定性に優れ、モノフィラメントを用いれば、線径を小さくできるために基布全体を薄くできる。
このうち、屈曲緯糸21としてマルチフィラメントを用いる場合、このマルチフィラメントは撚糸でもよく、無撚糸でもよいが、撚糸(撚り数は1インチ当たり2〜10回)が好ましく、更には、甘撚り(撚り数は1インチ当たり2〜3回)の撚糸であることが特に好ましい。甘撚りの撚糸であれば、屈曲緯糸21が扁平化して基布全体を薄くできる。
また、屈曲緯糸21として、マルチフィラメントを用いる場合、マルチフィラメントを構成するマルチフィラメント原糸{特に前記(2)のマルチフィラメント撚糸を構成するマルチフィラメント原糸(撚糸)}の繊度は、各々独立に400〜2000デニールが好ましく、600〜1800デニールであることが更に好ましく、800〜1600デニールであることが特に好ましい。
更に、屈曲緯糸21として、マルチフィラメントを用いる場合には、樹脂加工を施すことができる。この樹脂加工については、第2層経糸及び第3層経糸における樹脂加工についての説明をそのまま適用できる。樹脂加工により、屈曲緯糸21表面の滑りをよくし、摩擦を低減させることができ、磨耗及びフィブリル化を抑制できる。
また、屈曲緯糸21としてマルチフィラメントを用いる場合、糸の材質はポリエステル系樹脂が好ましい。
一方、屈曲緯糸21として、モノフィラメントを用いる場合は、その線径は0.10〜0.40mmであることが好ましく、0.12〜0.30mmであることが更に好ましく、0.15〜0.20mmあることが特に好ましい。また、モノフィラメントを用いる場合の糸の材質はポリアミド系樹脂が好ましく、特にナイロンモノフィラメントを用いることが好ましい。
(3)経4重織構造
上記「経4重織構造」は、緯組織において経糸が上下4層に織られた構造をいう。経4重織構造であることにより、経方向の寸法安定性に優れる。
緯組織の構成は特に限定はないが、緯1重織とすることが好ましい。緯1重織であれば、2層目経糸が緯糸に挟まれるのを防ぐことができる。また、経方向は、屈曲糸のクリンプをなだらかにするために、綾織とすることが好ましい。この綾織の枚数は特に限定はないが、8〜16枚綾であることが好ましく、10〜14枚綾であることが更に好ましく、12〜14枚綾であることが特に好ましい。
第1経糸〜第4経糸のメッシュ数は14〜20本/インチであることが好ましく、15〜19本/インチであることが更に好ましく、16〜18本/インチであることが特に好ましい。また、緯糸は22〜34本/インチであることが好ましく、24〜32本/インチであることが更に好ましく、26〜30本/インチであることが特に好ましい。
また、基布全体の厚さは、1.8〜2.5mmであることが好ましく、1.9〜2.4mmであることが更に好ましく、2.0〜2.3mmであることが特に好ましい。
(4)樹脂部材
上記「樹脂部材」は、基布の最外面を構成する部分が埋設されていればよく、その他の部分における樹脂部材の有無は特に限定されないが、通常、基布全体が埋設されるように配置されるか、基布の厚さ方向におけるフェルト側のみに配置される。これらのうちでは前者が好ましい。即ち、基布が樹脂部材内に完全に埋設されていることが好ましい。
この樹脂部材を構成する樹脂は基布を含浸させて埋設できる樹脂であればよく特に限定されない。通常、所定処理前には基布を構成する経糸及び緯糸の間に行きわたりやすいように粘度の低い樹脂であり、所定の処理をすることで弾性のある樹脂部材となるものであることが好ましい。従って、通常、硬化されて弾性を発揮できる弾性樹脂を用いる。このような樹脂としては、ウレタン樹脂が挙げられる。
ウレタン樹脂は、1液タイプであってもよく、2液タイプであってもよいが、1液タイプであることが好ましい。また、硬化形式は特に限定されず、例えば、水硬化型ウレタン樹脂(NCO末端を有するプレポリマーが水分と反応して硬化されたウレタン樹脂等)、加熱硬化型(イソシアネート基が保護基によって保護されたポリイソシアネートを含み、加熱によって保護基が解離して硬化されたウレタン樹脂等)、溶剤除去硬化型(重合された高分子化ポリウレタンを有機溶剤に溶解させた溶液から、有機溶剤を除去することで硬化されるウレタン樹脂等)、分散媒除去硬化型(水等の分散媒に乳化分散させたウレタンエマルジョンから分散媒を除去することで硬化されるウレタン樹脂等)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ベルトを構成する樹脂部材のフェルト側を構成する表面には、排水効率を向上するための排水溝を備えることができる。
[1]実施例1
(1)シュープレス用ベルト基布
実施例1に係るシュープレス用ベルト基布Aは、図1に示すように、経4重織、緯糸1重織の構造をなす。また、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された経糸10を有する。
更に、第2層経糸12と第3層経糸13との間に配置された1本のみのストレート緯糸25、及び、経糸10を織り込む屈曲緯糸21を有する。各糸は各々下記の通りである。
尚、下記樹脂加工とは、いずれも、撚糸にRFL液(レゾルシン;5重量%、ホルマリン;5重量%、ラッテクス;14重量%)を付与した後、搬送ローラが設けられたヒートセット・ゾーンとノルマライジング・ゾーンを通過させて行った加工である。
第1層経糸11及び第4層経糸14;
線径0.30mmのナイロンモノフィラメント
第2層経糸12及び第3層経糸13;
1500デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)したマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
屈曲緯糸21;
1000デニールのPET甘撚り(撚り数2〜3回/1インチ)のマルチフィラ
メントを樹脂加工した糸。
ストレート緯糸25;
1000デニールのPETマルチフィラメントを3本撚り(撚り数が下撚り9回/1
インチ、上撚り9回/1インチ)してマルチフィラメントを樹脂加工した糸。
(2)シュープレス用ベルト
基布Aの第1層経糸11側にウレタンプレポリマーをスプレー塗布し、十分に含浸させた後、ウレタンプレポリマーを加熱硬化させて第1層経糸11側の樹脂部材を形成した。次いで、第4層経糸14側にウレタンプレポリマーをスプレー塗布し、十分に含浸させた後、ウレタンプレポリマーを加熱硬化させて第4層経糸14側の樹脂部材を形成して、シュープレス用ベルトA’を得た。
[2]実施例2
実施例2に係るシュープレス用ベルト基布Bは、図2に示すように、経4重織、緯糸1重織の構造をなす。また、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された経糸10を有する。
更に、第1層経糸11と第2層経糸12との間に配置された1本のみのストレート緯糸25、及び、経糸10を織り込む屈曲緯糸21を有する。各糸は実施例1と同様である。更に、基布Bを用いて実施例1と同様に樹脂部材を形成してシュープレス用ベルトB’を得た。
[3]実施例3
実施例3に係るシュープレス用ベルト基布Cは、図3に示すように、経4重織、緯糸1重織の構造をなす。また、第1層経糸11、第2層経糸12、第3層経糸13及び第4層経糸14の順で配置された経糸10を有する。
更に、第3層経糸13と第4層経糸14との間に配置された1本のみのストレート緯糸25、及び、経糸10を織り込む屈曲緯糸21を有する。各糸は実施例1と同様である。更に、基布Cを用いて実施例1と同様に樹脂部材を形成してシュープレス用ベルトC’を得た。
[4]比較例
比較例に係るシュープレス用ベルト基布Dは、図4に示すように、従来タイプの経4重織りである。この基布Dを用いて実施例1と同様に樹脂部材を形成してシュープレス用ベルトD’を得た。
第1層経糸;500デニールのPETマルチフィラメントを3本撚りした糸。
第2層経糸;0.35mmPETモノフィラメント。
第3層経糸;3000デニールのPETマルチフィラメント。
第4層経糸;0.35mmナイロンモノフィラメント。
緯糸; 0.40mmPETモノフィラメント。
[5]耐久性評価
(1)耐久性試験
(1−1)クラック進展試験
上記実施例1〜3及び比較例で得られたシュープレス用ベルトA’〜D’を、JIS K6260に定義されるデマッチャ式屈曲試験機を用いて、次の条件でクラック進展性の試験を行なった。試験片のサイズは、幅20mm、長さ150mmとし、往復運動は、最大距離80.5mm、最小距離38.5mm、運動距離42.0mmとした。切り込みは、試験片の長さ方向中央、幅方向一端部外面に、長さ3mm、深さ1.5mm入れた。この条件で、1000回屈曲させた後、亀裂の大きさを実施例1〜3について比較した。結果を、表1の「クラック進展」の欄に示した。
「小」;亀裂の大きさが、3.5mm未満であった。
「中」;亀裂の大きさが、3.5mm以上4.0mm未満であった。
「大」;亀裂の大きさが、4.0mm以上であった。
(1−2)強伸度試験
耐久性試験には図5に示される中型プレス試験機(自社製)に、5本のステンレスロール53を介して架け回したシュープレス用ベルト基布A〜Dを、図5に示す進行方向に131.8m/分の速度で、25時間走行させた。またこの際、各基布には、ステンレスロール51とゴムロール52との間において線圧40kg/cmの圧力を加えて走行させた。この結果、上記25時間後における強伸度、即ち、基布の疲労後の残存強度を引張圧縮試験機(株式会社東洋精機製作所製、形式「ストログラフV10−D」)により測定した。更に、この強伸度を下記基準に従って、評価し、その結果を表1の「耐久試験後の残存強度」の欄に示した。
「○」;強伸度が、160kN/m以上であった。
「△」;強伸度が、140kN/m以上160kN/m未満であった。
「×」;強伸度が、140kN/m未満であった。
(2)耐久性試験の結果
Figure 2011089228
上記試験結果より、実施例1〜3は比較例と比較して、クラック進展試験においては進展が小さく、また強伸度試験については残存強度が高かった。この結果から、実施例1〜3は比較例に比べて、寸法安定性に優れていることが分かる。
尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて
種々変更した実施例とすることができる。
本発明のシュープレス用ベルトは、抄紙機の湿紙脱水を目的とするシュープレス装置
において好適に用いられる。
A、B及びC;シュープレス用ベルト基布、A’、B’及びC’;シュープレス用ベルト、10;経糸、11;第1層経糸、12;第2層経糸、13;第3層経糸、14;第4層経糸、20;緯糸、21;屈曲緯糸、25;ストレート緯糸、30;樹脂部材、31;溝部、31a及び31b;溝底部、32及び34;クラック、41、42、45及び46;交点部。

Claims (6)

  1. 樹脂部材と、該樹脂部材内に埋設されたシュープレス用ベルト基布と、を備えるシュープレス用ベルトであって、
    上記シュープレス用ベルト基布は、経糸及び緯糸を有する経4重織構造であり、
    上記経糸は、上下4層に、第1層経糸、第2層経糸、第3層経糸及び第4層経糸の順で配置された4種を有すると共に、該第1層経糸及び該第4層経糸はナイロン糸であり、且つ、
    上記緯糸は、隣り合った上記経糸で形成された隣接2糸間のうちのいずれか1箇所にのみ配置された1本のみのストレート緯糸と、上記経糸を織り込んでいる屈曲緯糸と、を有することを特徴とするシュープレス用ベルト。
  2. 上記屈曲緯糸は、樹脂加工された撚糸である請求項1に記載のシュープレス用ベルト。
  3. 上記屈曲緯糸は、ナイロン又はポリエステルのモノフィラメントである請求項1に記載のシュープレス用ベルト。
  4. 上記第2層経糸及び上記第3層経糸のうちの少なくとも一方は、樹脂加工されたポリエステル糸である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト基布。
  5. 上記第1層経糸及び上記第4層経糸をなす上記ナイロン糸は、線径0.10〜0.50mmである請求項1乃至4のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
  6. 上記ストレート緯糸は、樹脂加工されたポリエステル糸である請求項1乃至5のうちのいずれかに記載のシュープレス用ベルト。
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