JP2011089200A - 陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法、装置、その方法により製造された陽極酸化ポーラスアルミナ、陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として製造された成形体、反射防止物品および撥水性物品 - Google Patents

陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法、装置、その方法により製造された陽極酸化ポーラスアルミナ、陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として製造された成形体、反射防止物品および撥水性物品 Download PDF

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Abstract

【課題】細孔が高い規則性をもって配列されている陽極酸化ポーラスアルミナを確実に作製できるようにした陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法および装置ならびにその方法により製造された陽極酸化ポーラスアルミナを提供する。
【解決手段】アルミニウム材11を陽極酸化するに際し、アルミニウム材の陽極酸化部位に電解液を接触させるとともに、それとは異なる部位に電解液以外の液体を熱媒体12として接触させ、アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して所定の温度に制御する。電解液温度とアルミニウム材の温度を独立して制御することが可能となるため、陽極酸化反応に伴うアルミニウム材の発熱の除去や、アルミニウム材の加温による陽極酸化反応の高速化が可能となる。とくに、高規則性をもって配列された細孔の形成や高電圧での安定した陽極酸化処理が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、陽極酸化処理条件をより適切に制御することにより、より規則性の高い細孔配列を実現できるようにした陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法、および製造装置、ならびにその方法により製造された陽極酸化ポーラスアルミナに関する。また、本発明は前記陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として製造された成形体、反射防止物品および撥水性物品に関する。
アルミニウムを酸性あるいはアルカリ性電解液中で陽極酸化することにより表面に形成される多孔性酸化皮膜は、膜面に対し垂直に配向した微小な細孔を有することから各種機能材料への応用が検討されている。このような陽極酸化ポーラスアルミナは、電圧、電解液組成、浴温等の陽極酸化条件を変化させることで細孔周期、細孔径、膜厚の制御を行うことが可能であるため、所望の構造を有する陽極酸化ポーラスアルミナを作製するためには、これらのパラメーターを精密に制御する必要がある。
陽極酸化条件の中で、アルミナ皮膜の成長速度や細孔配列の規則性は、アルミニウム材の温度に大きく依存するため、アルミニウム材の温度制御が重要となる。皮膜の成長速度を例にとれば、アルミニウム材の温度が低いと皮膜成長速度は遅くなり、アルミニウム材の温度が高いと成長は速くなる。また、アルミニウム材の温度が高すぎると、皮膜の成長が不均一となり、ガス発生が起こるなどして安定な陽極酸化が困難になる場合もある。一般に、陽極酸化の際のアルミニウム材の温度は、用いる電解浴で調節しているため、電解液の温度とアルミニウム材の温度を独立して制御することは困難である。加えて、陽極酸化を行うアルミニウム材が厚い場合には、アルミニウム材中に反応熱がたまり、陽極酸化の際中に電解液温度が徐々に上昇してしまうなど、反応速度を一定に保つことが難しくなることもある。さらには、陽極酸化電圧が高いほど大きな反応熱が生じるために、浴温を低く設定した場合でも高電圧で安定に陽極酸化を行うことが難しくなる。アルミニウム材から生じた過剰な反応熱は、電解液を高速に攪拌することである程度除去することも可能であるが、そのような方法にも限界がある。
また、細孔が規則性をもって配列した、例えば、細孔が三角格子状に配列した高規則性ポーラスアルミナを作製する方法の一つに、高電流密度条件下で陽極酸化を行う手法がある。このような条件では、安定に陽極酸化を行うことが難しく、電解液の攪拌を強くするなどしてアルミニウム材の熱を除去する手法が用いられるが、そのような従来の手法では、再現性良く陽極酸化を行うことは困難であった。
さらに、細孔の理想三角格子状配列を達成するために、陽極酸化に先がけて、モールドを用いて地金の表面にテクスチャリング処理により窪み配列を形成し、各窪みを陽極酸化の初期において細孔発生の起点とする手法も知られているが(例えば、非特許文献1)、モールドの事前作成、使用が必要となるため、陽極酸化ポーラスアルミナを安価に製造することが困難になるとともに、作製されるポーラスアルミナのサイズがテクスチャリング処理に用いるモールドのサイズに制限されるため、大面積のポーラスアルミナを得ることが困難である。また、作製しようとする陽極酸化ポーラスアルミナが平面以外の複雑な曲面等を有している場合、モールドの表面もそれに沿った形状に形成する必要があるため、製造対象物の形状の自由度が小さい。したがって、大面積のアルミニウム材の表面や、複雑な曲面等を有するアルミニウム材の表面に、細孔が規則的に配列したポーラスアルミナを形成するには、最適化された条件下での陽極酸化が適しているが、上述の如く、所望の細孔配列を達成するための条件を見出すことは非常に難しく、また、たとえ何らかの適当な条件を見出すことができた場合にあっても、その再現性を保つことが難しい。
H. Masuda, H. Yamada, M. Satoh, H. Asoh, M. Nakao, and T. Tamamura, Appl. Phys. Lett. 71, 2770(1997)
そこで本発明の課題は、容易にかつ再現性良く陽極酸化条件を最適化できるようにし、最適化された陽極酸化条件に制御、維持することにより、細孔が高い規則性をもって配列されている等の所望の形態の陽極酸化ポーラスアルミナを確実に作製できるようにした陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法、および製造装置、ならびにその方法により製造された陽極酸化ポーラスアルミナを提供することにある。また、前記陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として製造された成形体、反射防止物品および撥水性物品を提供することにある。
本発明は、陽極酸化の条件の最適化にとって、電解液温度とアルミニウム材の温度の条件の最適化が最も重要な要件の一つであると認識した上で完成されたものであるが、前述の如くアルミニウム材の温度は反応熱に影響されるため、現状の陽極酸化プロセスでは安定して目標とする温度に制御することが困難である。そして、現状の陽極酸化プロセスでは、電解液温度とアルミニウム材の温度を独立して制御することが困難である。そこで本発明では、電解液とアルミニウム材の温度を独立して制御することが可能になれば、アルミニウム材から発生した過剰な熱の除去や、アルミニウム地金の温度を高くして反応速度を促進する一方で電解液温度を低くしてポーラスアルミナ皮膜表面の化学的溶解を抑えるなどの精密な陽極酸化条件の制御を行うことが可能となることが期待できることに着目し、陽極酸化に用いる電解液とは別の熱媒体をアルミニウム材に接触させることにより、電解液温度とアルミニウム材温度を独立して制御できるようにし、陽極酸化条件の最適化を意図的に確実にはかれるようにした。
すなわち、本発明は、電解液濃度とアルミニウム材温度を独立に制御する手法について鋭意検討した結果なされたものであり、本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法は、アルミニウム材を陽極酸化するに際し、アルミニウム材の陽極酸化部位に電解液を接触させるとともに、それとは異なる部位に電解液以外の液体を熱媒体として接触させ、アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して制御することを特徴とする方法からなる。とくに、本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法は、アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して予め定めた所定の温度に制御することにより、細孔が規則性をもって、中でも、後述の如き高い規則性をもって配列された陽極酸化ポーラスアルミナを作製することができる方法である。また、とくに、本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法は、アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して予め定めた所定の温度に制御することにより、陽極酸化処理中、化成電圧を所定の電圧に維持することができる方法である。ここで、所定の電圧とは、主として、前述の如く陽極酸化電圧が高く大きな反応熱が生じる場合に、安定に維持することが難しくなるその高電圧を意味し、そのような場合にとくに本発明による効果が大きい。しかし、化成電圧が比較的低い場合にあっても、反応熱の影響を排除して目標とする所定の電圧に容易に維持できるようになることから、化成電圧を所定の電圧により安定して維持することができ、所望の陽極酸化処理を安定して行うことができるようになる。また、陽極酸化電圧が高いときは、印加直後に高電流が流れるため、比較的低い電圧から化成電圧を上昇させて最終的に目的とする電圧に達してもよい。化成電圧の上昇のさせ方は段階的であってもよく、連続的であってもよい。この場合も最終的には大きな反応熱が生じるため本発明による効果が大きい。
このような本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法においては、熱媒体をアルミニウム材の陽極酸化部位とは異なる部位に接触させることにより、熱媒体によりアルミニウム材の加温または冷却を行うことができるようになる。接触させる熱媒体の温度は、電解液温度とは独立して自由に設定することが可能であるから、アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して制御することが可能になり、温度に関して陽極酸化条件の最適化を意図的にしかも安定した再現性の良い条件として達成することが可能になる。例えば、電解液と熱媒体の温度差が50℃程度ある場合においても、安定した温度条件にて陽極酸化を行うことができるようになる。その結果、細孔が高い規則性をもって配列されている所望の形態の陽極酸化ポーラスアルミナをより確実に作製できるようになる。
この本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法において、熱媒体は、アルミニウム材の上記陽極酸化部位の背面側部位に接触させることができる。このような接触形態により、アルミニウム材を背面側から適切に加温または冷却できるようになり、電解液濃度とアルミニウム材の温度を確実に独立して制御することが可能になる。
また、熱媒体は、アルミニウム材に単に接触させるだけでなく、上記電解液の接触部位とは異なる部位に対し、流通させることにより、より効率的にアルミニウム材の温度調節を行うことができる。このためには、外部に取り付けた温調装置により熱媒体の温度を目標温度に調節したものをアルミニウム材に流通させながら接触させることが望ましい。これにより、より精度よくアルミニウム材の温度制御を行うことが可能である。
このとき、流通させる熱媒体の流速は1×10-2m/s以上の速度が好ましく、1×10-1m/s以上の流通速度がさらに好ましい。このような流通速度に制御することにより、熱媒体とアルミニウム材との間で効率の良い熱交換を効果的に行わせることができ、アルミニウム材の温度を適切に目標温度に制御できるようになる。また、熱媒体の温度は電解液浴温よりも5〜0℃低いのが好ましく、2〜0℃低いのが更に好ましい。5℃よりも低い場合は背面冷却により電解液浴温が下がり、電解液中に酸が析出する場合がある。
陽極酸化の際にアルミニウム材に熱媒体を接触させる方法としては、各種の方法を採り得る。例えば、アルミニウム材を冶具に固定し、例えば平板状のアルミニウムを冶具に固定し、該治具およびアルミニウム材の前記陽極酸化部位の背面側部位に対し前記熱媒体を接触させることができる。あるいは、中央部に穴が形成された筒状のアルミニウム材を使用し、該穴の内側に前記熱媒体を接触させ、このアルミニウム材の外側に電解液を接触させて陽極酸化するようにすることもできる。この場合、アルミニウム材に形成された穴が貫通していれば、熱媒体を流通させやすくなるため、温度調節をより効率よく行うことが可能となる。
本発明において使用される電解液の種類は、とくに限定されず、代表的な電解液として、硫酸水溶液やシュウ酸水溶液、リン酸水溶液を挙げることができる。例えば、電解液に硫酸を用いた場合には、通常、化成電圧を30V以上に設定して低電圧化成を安定して行うことは、アルミニウム材から生じる反応熱の影響により困難であるが、本発明を用いれば、アルミニウム材の冷却を効率良く行うことが可能となるので、過剰な反応熱を効率良く除去することが可能となり、30V以上の高電圧条件下においても陽極酸化を行うことができる。このような条件下で陽極酸化を行うと、高電流密度で陽極酸化を安定に行うことができるために、細孔が三角格子状に規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得ることも可能となる。ただし、前述の如く、比較的低電圧の条件下であっても、反応熱の影響を排除して目標とする所定の電圧により安定して容易に維持できるようになることから、所望の陽極酸化処理を安定して行うことができるようになる。また、従来の手法では困難であった、大面積のアルミニウム材の陽極酸化も安定に行うことが可能となるため、細孔が三角格子状に規則配列した大面積陽極酸化ポーラスアルミナの作製も可能となる。このような本発明に係る方法を用いることによる利点は、他の電解液を使用する場合にも、例えばシュウ酸水溶液やリン酸水溶液を用いる場合にも多かれ少なかれ得られる。
発明のシュウ酸水溶液の最大電圧での電流密度は50〜1000mA/cmであることが好ましく、60〜400mA/cmであることが更に好ましく、70〜200mA/cmが最も好ましい。50mA/cm以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすく、1000mA/cm以下であれば本発明の装置を使用して熱暴走を制御しヤケを起こしにくくできる。
本発明のシュウ酸を電解液とした時の最大化成電圧は41〜200Vが好ましく、50〜150Vであることが更に好ましく、60〜130Vが最も好ましい。41V以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすく、200V以下であれば本発明の装置を使用して熱暴走を制御しヤケを起こしにくくできる。
本発明のシュウ酸水溶液の濃度は0.3M以上飽和濃度以下が好ましく、0.5M以上飽和濃度以下が更に好ましく、0.7M以上飽和濃度以下が最も好ましい。0.3M以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすい。
本発明のシュウ酸水溶液の温度は10℃以上40℃以下が好ましく、15℃以上38℃以下が更に好ましく、18℃以上35℃以下が最も好ましい。10℃以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすい。
本発明の硫酸水溶液の最大電圧での電流密度は5〜5500mA/cmが好ましく、100〜5300mA/cmが好ましく、150〜5200mA/cmが好ましい。5mA/cm以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすく、5500mA/cm以下であれば本発明の装置を使用して熱暴走を制御しヤケを起こしにくくできる。
本発明の硫酸水溶液を電解液として使用した時の化成電圧は40〜200Vが好ましく、40〜180Vが更に好ましく、40〜160Vが最も好ましい。40V以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすく、200V以下であれば本発明の装置を使用して熱暴走を制御しヤケを起こしにくくできる。
本発明の硫酸水溶液の濃度は1M以上飽和濃度以下が好ましい。1M以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすい。
本発明の硫酸水溶液の温度は−10℃以上30℃以下が好ましく、−5℃以上25℃以下が更に好ましく、−3℃以上21℃以下が最も好ましい。−10℃以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすい。
本発明のリン酸水溶液の最大電圧での電流密度は2〜100mA/cmが好ましく、3〜70mA/cmであることが更に好ましく、3〜50mA/cmが最も好ましい。2mA/cm以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすく、100mA/cm以下であれば本発明の装置を使用して熱暴走を制御しヤケを起こしにくくできる。
本発明のリン酸を電解液とした時の化成電圧は70〜300Vが好ましく、80〜250Vであることが更に好ましく、90〜220Vであることが最も好ましい。70V以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすく、300V以下であれば本発明の装置を使用して熱暴走を制御しヤケを起こしにくくできる。
本発明のリン酸水溶液の濃度は0.05M以上飽和濃度以下が好ましく、0.1M以上飽和濃度以下が更に好ましい。0.05M以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすい。
本発明のリン酸水溶液の温度は−10℃以上20℃以下が好ましく、−5℃以上15℃以下が更に好ましく、−3℃以上10℃以下が最も好ましいい。−10℃以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすい。
本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造装置は、上記のような本発明に係る方法に用いる装置であって、電解液の温度制御手段と、電解液温度とは独立して制御可能な熱媒体温度制御手段とを有することを特徴とするものからなる。
この装置においては、熱媒体によりアルミニウム材の温度を効率良く制御するために、熱媒体の流通速度制御手段を有していることが好ましい。
前述の如く、陽極酸化の際に高電流密度条件下で陽極酸化を行うことで、細孔が三角格子状に規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナが得られることが知られているが、このような条件下では、大きな反応熱が生じるために、電解液による冷却だけでは安定に陽極酸化を行うことが難しい。本発明に係る方法および装置を用いれば、熱媒体の使用によりアルミニウム材を効率よく冷却することが可能となるために、陽極酸化により形成された細孔の少なくとも一部が三角格子状に規則配列した陽極酸化ポーラスアルミナを確実に作製することが可能になる。例えば、細孔の周期が50nm〜600nmが好ましく、100〜450nmが更に好ましく、150〜300nmが最も好ましい。この範囲で、細孔が三角格子状に規則配列した陽極酸化ポーラスアルミナの作製が可能になる。
とくに、規則配列した細孔が縦、横4個×4個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている陽極酸化ポーラスアルミナを得ることが可能になり、さらには、規則配列した細孔が縦、横6個×6個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている陽極酸化ポーラスアルミナ、とくに、規則配列した細孔が縦、横10個×10個以上の範囲で理想三角格子状に
配列されている陽極酸化ポーラスアルミナを得ることが可能になる。
本発明は、下記の工程を有する、陽極酸化ポーラスアルミナからなる鋳型の製造方法についても提供する。
(a)アルミニウム基材の表面に上述のような方法で陽極酸化ポーラスアルミナ層を形成する工程。
(b)前記アルミナ層を除去する工程。
(c)前記工程(b)の後、再び陽極酸化を施して細孔を形成する工程。
(d)細孔に孔径拡大処理を施す工程。
(e)前記工程(d)の後、再び陽極酸化を施す工程。
(f)前記工程(d)および工程(e)を交互に繰り返す工程。
このような方法によれば、アルミニウム材の鏡面表面に、細孔の周期が好ましくは50nm〜600nm、更に好ましくは100〜450nm、最も好ましくは150〜300nmの範囲で、細孔が三角格子状に規則配列し、開口部から深さ方向に徐々に径が縮小するテーパー形状の細孔が周期的に形成され、その結果、表面に微細凹凸構造を有する陽極酸化アルミナが形成された鋳型を得ることができる。
このように、本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法および装置によれば、熱媒体をアルミニウム材の陽極酸化部位とは異なる部位に接触させ、アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して目標とする温度に制御することができるので、陽極酸化条件を安定して再現性良く目標とする条件に制御することが可能になる。その結果、細孔が規則的に配列されている所望の形態の陽極酸化ポーラスアルミナをより確実に作製できるようになる。また、陽極酸化処理中に、反応熱の影響を抑えて、安定して所定の化成電圧条件に維持できるようになり、目標とする陽極酸化処理をより容易にかつ安定して行うことができるようになる。
従来の陽極酸化システムを示す概略構成図である。 本発明の一実施態様に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造システムを示す概略構成図である。 本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造装置の一例を示す概略縦断面図である。 本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造装置の別の一例を示す概略斜視図である。 スタンパの製造方法を説明する説明図である。 スタンパの表面に形成された細孔形状を例示する断面図である。 スタンパの表面に形成された細孔形状の他の例を示す断面図である。 スタンパの表面に形成された細孔形状の他の例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、比較のために、従来の通常の陽極酸化システムを示している。図1に示すように、アルミニウム材1が電解液2の浴中に浸漬され、通常の陽極酸化では、アルミニウム材1の温度調節は、電解液2を用いて行うことになる。陽極酸化処理により、アルミニウム材1の表面に陽極酸化ポーラスアルミナ3の多孔性皮膜が形成される。反応熱によりアルミニウム材1の温度が上昇するが、この熱4は電解液2中に逃がされる。したがって、前述の如く、電解液2の温度、ひいては陽極酸化処理温度を安定して所定の温度に維持することが難しくなる場合がある。
図2は、本発明の一例の概要を示した図である。陽極酸化を行うアルミニウム材11を熱媒体12を流通させる装置の治具13に固定し、電解液14が接触するアルミニウム材11の陽極酸化部位側の面15とは反対側の背面側の面16に、熱媒体12を接触させることにより、アルミニウム材11の温度調節を行うようになっている。例えば図示の如く、アルミニウム材11の熱17が流通される熱媒体12中に奪われ、アルミニウム材11が冷却されて所定の目標とする温度に、電解液14の温度とは独立して制御される。所定温度に制御されたアルミニウム材11の陽極酸化部位側の面15に、細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナ18の多孔性皮膜が形成される。
図3は、本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造装置のより具体的な構成例を示している。電解液21の浴中に、例えば平板状のアルミニウム材22がアルミニウム材固定治具23により所定の姿勢に固定される。アルミニウム材22の電解液21接触側と反対側の面には、熱媒体24が入口側(IN側)から出口側(OUT側)へと流通され、アルミニウム材22と熱媒体24との間で熱25の移動(授受)が行われ、例えばアルミニウム材22が背面側から冷却されて、アルミニウム材22の温度が電解液21の温度とは独立して制御される。アルミニウム材22は、電解液21側とも熱交換されるが、背面側からの冷却により、アルミニウム材22の温度は制度良く目標とする温度に制御される。アルミニウム材22の電解液21接触側と対極26間には、電源27により所定の化成電圧が印加され、アルミニウム材22の電解液21接触側の面で所定の陽極酸化処理が行われる。図示例では、陽極酸化処理の促進、均一化のための電解液21の攪拌子28が設けられている。
図4は、陽極酸化被処理材として、中央部に貫通穴が形成された円筒状のアルミニウム材31が用いられ、このアルミニウム材31の内側に熱媒体32を流通させることにより、アルミニウム材31の温度を電解液33の温度とは独立に制御しながら、アルミニウム材31の外側表面に対して陽極酸化を行う形態を示している。アルミニウム材31の表面と対極34間には、電源35により所定の化成電圧が印加され、図示例では、攪拌子36がスターラー37によって回転されることによって電解液33が攪拌されながら、陽極酸化が行われるようになっている。
以下に、上述の陽極酸化ポーラスアルミナの製造装置を用いて、陽極酸化ポーラスアルミナを製造する具体的な方法について説明する。
本発明の実施形態において、好適に用いられる方法は、下記の工程(a)〜工程(f)を含むことが好ましい。以下の方向により製造された陽極酸化ポーラスアルミナは、表面に微細な凹凸構造を有する反射防止物品や、撥水性物品の製造に用いられるスタンパとして好適である。
(a):アルミニウム基材の表面に請求項1〜16記載の方法で陽極酸化ポーラスアルミナ層を形成する工程。
(b):アルミナ層を除去する工程。
(c):工程(b)の後、再び陽極酸化を施して細孔を形成する工程。
(d):細孔に孔径拡大処理を施す工程。
(e):工程(d)の後、再び陽極酸化を施す工程。
(f):工程(d)および工程(e)を交互に繰り返す工程。
第一の陽極酸化皮膜形成工程(a)では、表面が鏡面化されたアルミニウム材を前記の条件で陽極酸化し図5(a)に示すように、アルミニウム原型40の鏡面表面に、細孔41を備えた酸化皮膜42を形成する。なお、本発明においては、アルミニウム材は純度が95%以上が好ましく、96%以上がさらに好ましく、98%以上が最も好ましい。95%以上であれば陽極酸化の際に均一にマクロな凹凸を形成することができる。
工程(a)では、陽極酸化を長時間施すことで形成される酸化皮膜が厚くなり、細孔配列の規則性を向上させることができるが、その際、酸化皮膜の厚さを30μm以下とすることが好ましい。この範囲にすることにより、結晶粒界によるマクロな凹凸がより抑制され、光学用途成形体の製造により適したスタンパを得ることができる。より好ましい酸化皮膜の厚さは1〜10μmであり、さらに好ましくは1〜3μmである。なお、酸化皮膜の厚さは、電界放出形走査電子顕微鏡などで観察できる。
(酸化皮膜除去工程(b))
上述の工程(a)の後、工程(a)により形成された酸化皮膜42を除去することにより、図5(b)に示すように、除去された酸化皮膜42の底部(バリア層と呼ばれる)に対応する周期的な窪み、すなわち、細孔発生点43を形成する(酸化皮膜除去工程(b))。このように、形成された酸化皮膜42を一旦除去し、陽極酸化の細孔発生点43を形成することで、最終的に形成される細孔の規則性を向上させることができる(例えば、益田,応用物理,vol.69,No.5,p558(2000)参照。)。
酸化皮膜42を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、アルミナを選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
(第2の酸化皮膜形成工程(c))
ついで、細孔発生点43が形成されたアルミニウム原型40を電解液中、定電圧下で再度陽極酸化し、再び酸化皮膜を形成する(第2の酸化皮膜形成工程(c))。工程(c)では、化成電圧さえ同じであれば必ずしも工程(a)と同様の条件(電解液濃度、電解液温度等)下で陽極酸化する必要はない。また、背面冷却も行っても行わなくてもよい。背面冷却を行う場合の条件は工程(a)の項で説明した条件が好ましい。
また、背面冷却を行わず、工程(a)と化成電圧以外が同様の条件でない場合は以下のような条件が好ましい。シュウ酸を電解液として用いる場合、シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こる傾向にあり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
硫酸を電解液として用いる場合、硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こる傾向にあり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
リン酸を電解液として用いる場合、リン酸の濃度は0.05M以上飽和濃度以下が好ましく、0.1M以上飽和濃度以下が更に好ましい。0.05M以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすい。
電解液の温度は、−10℃以上20℃以下が好ましく、−5℃以上15℃以下が更に好ましく、−3℃以上10℃以下が最も好ましいい。−10℃以上であれば規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナを得られやすい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こる傾向にあり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
これにより、図1(c)に示すように、円柱状の細孔44が形成された酸化皮膜45を設けることができる。
(孔径拡大処理工程(d))
このような(c)工程の後には、(c)工程で形成された細孔44の径を拡大させる孔径拡大処理工程(d)を行って、図5(d)に示すように、細孔44の径を図5(c)の場合よりも拡径する。
孔径拡大処理の具体的方法としては、アルミナを溶解する溶液に浸漬して、(c)工程で形成された細孔径をエッチングにより拡大させる方法が挙げられ、このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。孔径拡大処理工程(c)の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
(陽極酸化工程(e))
(d)工程の後には、再び陽極酸化を行って図5(e)に示すように、細孔44の形状を径の異なる2段の円柱状とする。陽極酸化の具体的方法は(c)工程と同じである。
(繰り返し工程(f))
ついで、再度(d)工程を行う。このように(d)工程と(e)工程を繰り返す繰り返し工程(f)工程により、図5(f)に示すように、細孔44の形状を開口部から深さ方向に徐々に径が縮小するテーパー形状にでき、その結果、周期的に微細凹凸構造が形成された陽極酸化アルミナを表面に備えたスタンパ50を得ることができる。
ここで(d)工程と(e)工程との条件、例えば陽極酸化の時間と孔径拡大処理の時間を適宜設定することにより、様々な形状の細孔を形成することができる。よって、スタンパから製造しようとする成形体の用途などに応じて、これら条件を適宜設定すればよい。また、このスタンパが反射防止膜などの反射防止物品を製造するものである場合には、このように条件を適宜設定することにより、細孔の周期や深さを任意に変更できるため、最適な屈折率変化を設計することも可能となる。
具体的には、同じ条件で(d)工程と(e)工程とを繰り返せば、図6に示すような略円錐形状の細孔44が形成されるが、(d)工程と(e)工程の処理時間を適宜変化させることで、図7に示すような逆釣鐘形状の細孔44や、図8に示すような先鋭形状の細孔44等を適宜形成できる。
(f)工程における繰り返し回数は、回数が多いほどより滑らかなテーパー形状の細孔を形成できるが、(d)工程と(e)工程との合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔径が減少する傾向にあり、このようなスタンパから反射防止膜などの反射防止物品を製造した場合、その反射率低減効果が劣る可能性がある。
また、繰り返しの最後の工程は(d)工程と(e)工程のどちらで終ってもよい。
本発明のスタンパのスタンパ型としては、平型でもロール型でもよい。また、離型が容易になるよう、微細凹凸構造が形成された表面に離型処理が施されていてもよい。離型処理方法としては特に限定されないが、例えば、シリコーン系ポリマーやフッ素ポリマーをコーティングする方法、フッ素化合物を蒸着する方法、フッ素系またはフッ素シリコーン系のシランカップリング剤をコーティングする方法などが挙げられる。
また、本発明のスタンパからは、直接、光学用途成形体などの製品を製造できるが、これを原盤としてまずレプリカを作製し、このレプリカから光学用途成形体を製造してもよい。レプリカの作製方法としては、例えば原盤上にニッケル、銀等による薄膜を無電界めっき、スパッタ法などにより形成し、次にこの薄膜を電極として電気めっき(電鋳法)を行って、例えばニッケルを堆積させた後、このニッケル層を原盤から剥離して、レプリカとする方法などがある。
[成形体]
以上説明した表面に陽極酸化アルミナが形成されたスタンパを用いることによって、このスタンパの微細凹凸構造が転写された転写面を有する成形体を製造できる。
例えば、このスタンパと透明基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物(以下、硬化性組成物という場合もある。)を配し、この硬化性組成物がスタンパに接触した状態で、この硬化性組成物に活性エネルギー線を照射して、これを硬化する。その後、スタンパを剥離する。その結果、透明基材の表面に、硬化性組成物の硬化物からなる微細凹凸構造が形成された成形体が得られる。
より具体的には、スタンパと透明基材とを対向させ、これらの間に硬化性組成物を充填、配置する。この際、スタンパの微細凹凸構造が形成された側の面(スタンパ表面)が、透明基材と対向するようにする。ついで、充填された硬化性組成物に、透明基材を介して活性エネルギー線(可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、赤外線等の熱線)を例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプにより照射して、硬化性組成物を硬化する。なお、その際には、硬化性組成物がスタンパに接触した状態で、この硬化性組成物に活性エネルギー線を照射する。その後、スタンパを剥離する。その結果、透明基材の表面に、硬化性組成物の硬化物からなる微細凹凸構造が形成された成形体が得られる。この際、必要に応じて、剥離後に再度活性エネルギー線を照射してもよい。また、照射量は、硬化が進行するエネルギー量であればよいが、通常、100〜10000mJ/cmである。
あるいは、透明基材上に固体状の未硬化の活性エネルギー線硬化性組成物をコーティングしておき、この硬化性組成物に対してロール型のスタンパを圧接して微細凹凸構造を転写し、スタンパを剥離した後、未硬化の硬化性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化する方法によっても、同様に本発明の成形体が得られる。
ここで使用される透明基材としては、活性エネルギー線の照射を著しく阻害しないものであればよいが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルメタクリレート(共)重合体、ポリカーボネート、スチレン(共)重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマー、ガラス、石英、水晶などが挙げられる。
透明基材の形状には特に制限はなく、製造する成形体に応じて適宜選択できるが、例えば成形体が反射防止膜などである場合には、シート状またはフィルム状が好ましい。また、硬化性組成物との密着性や、帯電防止性、耐擦傷性、耐候性などの改良のために、透明基材の表面には例えば各種コーティングやコロナ放電処理が施されていてもよい。
活性エネルギー線硬化性組成物は、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマーを適宜含有するものであり、非反応性のポリマーを含有するものでもよい。また、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物を使用したものであってもよい。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、特に限定されることなく使用することができるが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート誘導体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体、(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド誘導体等の単官能モノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、等の三官能モノマー、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能のモノマー、二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレートなどが挙げられる。これらは、単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては特に限定はないが、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基などを有するモノマーが挙げられ、これらの中でも特にエポキシ基を有するモノマーが好ましい。
オリゴマーおよび反応性ポリマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物などの不飽和ポリエステル類、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。 非反応性のポリマーとしては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、特に限定されないが例えばアルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物などが挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、RSi(OR’)で表せるものが使用でき、RおよびR’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、xおよびyはx+y=4の関係を満たす整数である。
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシランなどが挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、RO[Si(OR)(OR)O]で表せるものが使用でき、R1〜R4はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示し、zは3〜20の整数を示す。
具体的にはメチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケートなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物は、通常、硬化のための重合性開始剤を含有する。重合性開始剤としては特に限定されず、公知のものが使用できる。
光反応を利用する場合、光開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド;などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤は例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱反応を利用する場合、熱重合開始剤の具体例としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の添加量は活性エネルギー線硬化性組成物100質量部に対して0.1〜10質量部である。0.1質量部以上であると、重合が進行しやすく、10質量部以下であると、得られる硬化物が着色したり、機械強度が低下したりすることがない。
また、活性エネルギー線硬化性組成物には、上述したもの以外に、帯電防止剤、離型剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物などの添加剤、微粒子、少量の溶剤などが添加されていてもよい。
このような成形体は、光学用途成形体、特に反射防止膜や立体形状の反射防止体などの反射防止物品、または太陽電池や有機エレクトロルミネッセンスの光取り出しのための部材として好適である。
成形体が反射防止膜である場合には、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置のような画像表示装置、レンズ、ショーウィンドー、眼鏡レンズ、1/2波長板、ローパスフィルター等の対象物の表面に貼り付けて使用される。
成形体が立体形状の反射防止体である場合には、あらかじめ用途に応じた形状の透明基材を用いて反射防止体を製造しておき、これを上記対象物の表面を構成する部材として使用することもできる。
また、対象物が画像表示装置である場合には、その表面に限らず、その前面板に対して反射防止膜を貼り付けてもよいし、前面板そのものを本発明の成形体から構成することもできる。
その他にも、このような成形体の用途としては、光導波路、レリーフホログラム、レンズ、偏光分離素子、1/2波長板、ローパスフィルター、水晶デバイスなどの光学用途成形体や、細胞培養シート、超撥水性物品、超親水性物品などが挙げられる。超撥水性物品としては、自動車や鉄道などの車両の窓やミラー用途、建材、標識、信号、看板などへの適用が挙げられる。
各種測定は以下の方法にて行った。
(1)電流密度
最大化成電圧での最大電流値を陽極酸化面積で除した値とした。
(2)陽極酸化アルミナまたは陽極酸化アルミナから成る鋳型の細孔のピッチ、理想三角格子を形成する細孔の数
表面に陽極酸化アルミナまたは陽極酸化アルミナから成る鋳型の縦断面または表面を1分間Pt蒸着し,日本電子製電界放出型走査電子顕微鏡JSM-6700Fにより加速電圧7.00kVで観察した.そして,細孔の周期及び観察中で得られた中で最も規則配列が得られた部分において,配列の欠陥を含まない理想配列した細孔の個数をカウントした。
(3)成形体の微細凹凸
製造された成形体の縦断面または表面を5分間Pt蒸着し、上記(2)の場合と同様の
装置および条件にて、凸部の周期、凸部の高さを測定した。この際、測定箇所10箇所の
平均値を求め、各値とした。
(4)反射率測定
製造された成形体の裏面(微細凹凸構造が形成されていない面)を艶消し黒色スプレー
で塗り、これをサンプルとし、日立社製分光光度計U−4000を用いて入射角5°、波
長380〜780nmの範囲で成形体の表面(微細凹凸構造が形成された面)の相対反射
率を測定した。
(5)撥水性の評価
自動接触角測定器(協和界面科学社製:DM501)を用いて水滴の接触角を測定し、物品の撥水性を評価した。物品ごとに1μLの水滴を5箇所に滴下し、それぞれの接触角をθ/2法で計算してその平均値を求めた。
実施例1〔シュウ酸電解液を用いた陽極酸化ポーラスアルミナの形成〕
純度99.99%のAl板を、過塩素酸/エタノールを用いて電解研磨を施した後、図3に示したような背面冷却陽極酸化装置に装着した。1.5M(飽和濃度)シュウ酸を電解液とし、浴温32℃、熱媒体としての背面冷却水の温度30℃、熱媒体流通速度2×10-1m/sec、電解液強攪拌条件下において、60Vの定電圧で10分間陽極酸化し、化成電圧を70Vに上昇させて10分間、化成電圧を80Vに上昇させて5分間、化成電圧を90Vに上昇させて5分間、最後に化成電圧を100Vに上昇させ、5分間陽極酸化を行うことにより、4cm2 ×4cm2 以上の面積において、陽極酸化ポーラスアルミナを得た。細孔周期200nm,縦、横最大で10個×8個の範囲で理想三角格子状に規則配列したドメイン構造からなる陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
実施例2〔硫酸電解液による高電圧条件化による陽極酸化〕
純度99.99%のAl板を、過塩素酸/エタノールを用いて電解研磨を施した後、図3に示したような背面冷却陽極酸化装置に装着した。8M硫酸を電解液とし、浴温16℃、背面冷却水16℃、熱媒体流通速度2×10-1m/sec、強攪拌条件下において、20Vの定電圧で20分間陽極酸化し、化成電圧を25Vに上昇させて5分間、化成電圧を30Vに上昇させて5分間、35Vに上昇させて5分間、40Vに上昇させて5分間、45Vに上昇させて5分間、50Vに上昇させて5分間、55Vに上昇させて5分間、60Vに上昇させて5分間、65Vに上昇させて5分間、70Vに上昇させて5分間、75Vに上昇させて5分間、80Vに上昇させて5分間、陽極酸化を行った。従来の陽極酸化では行うことのできない高電圧条件下で安定に陽極酸化を行えた。その結果、細孔周期109nmの陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
実施例3〔硫酸電解液を用いた高規則性陽極酸化ポーラスアルミナの形成〕
純度99.99%のAl板を、過塩素酸/エタノールを用いて電解研磨を施した後、図3に示したような背面冷却陽極酸化装置に装着した。8M硫酸を電解液とし、浴温16℃、背面冷却水16℃、熱媒体流通速度2×10-1m/sec、強攪拌条件下において、50Vの定電圧で1分間陽極酸化を行うことにより、細孔が113nm周期で縦、横最大で10個×10個の範囲で理想三角格子状に規則配列したドメイン構造からなる陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
実施例4〔リン酸電解液を用いた高規則性陽極酸化ポーラスアルミナの形成〕
純度99.99%のAl板を、過塩素酸/エタノールを用いて電解研磨を施した。その後、試
料Al板の端のみを0.1M五ホウ酸アンモニウム水溶液を用いて300Vで1分間陽極酸化を行い、マスキング処理を施した。マスキング処理を施したAl板を背面冷却陽極酸化装置に装着した。0.3Mリン酸を電解液とし、浴温-1℃ 、背面冷却水-1℃ 、熱媒体流通速度2× 10-1m/sec、強攪拌条件下において、195Vの定電圧で1時間陽極酸化を行うことにより、細孔が500nm周期で縦、横最大で8個×6個の範囲で理想三角格子状に規則配列したドメイン構造からなる陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
実施例5〔硫酸電解液を用いた細孔周期200nmの高規則性陽極酸化ポーラスアルミナの形成〕
純度99.99%のAl板を、過塩素酸/エタノールを用いて電解研磨を施した.その後、試料Al板の端のみを0.1M五ホウ酸アンモニウム水溶液を用いて300Vで1分間陽極酸化を行い、マスキング処理を施した.マスキング処理を施したAl板を背面冷却陽極酸化装置に装着した。あらかじめ10Ah/Lの条件で前電解を行った1.9M硫酸を電解液とし,浴温0.1℃、背面冷却水0.1℃、熱媒体流通速度2×10-1m/sec、強攪拌条件下において、200mA/cm2の定電流で陽極酸化を開始し、電圧が120Vになった後に定電圧条件に切り替えて10分間の陽極酸化を行った。その結果、細孔が200nm周期で縦、横最大で8個×8個の範囲で理想三角格子状に規則配列したドメイン構造からなる陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
実施例6〔シュウ酸電解液を用いた陽極酸化ポーラスアルミナ、鋳型、成形体の形成〕
化成電圧を60V10分、70V10分と段階的に上げて、最後に80Vで15分陽極酸化した以外は実施例1と同様の方法で行った。その結果細孔が160nm周期で縦、横最大で13個×15個の範囲で理想三角格子状に規則配列したドメイン構造からなる陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
次にこの陽極酸化ポーラスアルミナを形成された酸化皮膜を、6質量%のリン酸と1.8質量%のクロム酸混合水溶液中で一旦溶解除去した(工程(b))後、再び0.05Mのシュウ酸水溶液を電解液で80V、16℃、7秒間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した(工程(c))。その後、5質量%リン酸水溶液(32℃)中に19分間浸漬して、酸化皮膜の細孔を拡径する孔径拡大処理(工程(d))を施した。
さらに工程(e)は工程(c)と同様の条件で行い、工程(c)と工程(d)を繰り返し、これらを合計で5回追加実施することで(工程(f))、図6に示すように、周期p:160nm、深さDep:250nm、縦、横最大で13個×15個の範囲で理想三角格子状に規則配列したドメイン構造からなる略円錐形状のテーパー状細孔が形成され、微細凹凸構造を備えたスタンパを得た。
ついで、離型剤であるダイキン社製「オプツールDSX(商品名)」をハーベス社製「デュラサーフHD−ZV(商品名)」で0.1質量%に希釈した溶液に鋳型を10分間ディッピングし、24時間風乾した。
そして、このように離型処理後した鋳型表面上に、下記の組成の活性エネルギー線
硬化組成物を配置し、さらにその上に透明基材として三菱レイヨン社製アクリルフィルム「アクリプレンHBK003(商品名)」を積層し、硬化性組成物がスタンパに接触した状態で、このアクリルフィルムを介して1000mJ/cm2のエネルギーで紫外線を照射し、硬化組成物を硬化させた。
(硬化性組成物)
トリメチロールエタン・アクリル酸・無水コハク酸縮合エステル:40質量部
ヘキサンジオールジアクリレート:40質量部
信越化学社製商品名「x−22−1602」:10質量部
チバ・スペシャリティケミカルズ社製商品名「イルガキュア184」:2.7質量部
チバ・スペシャリティケミカルズ社製商品名「イルガキュア819」:0.18質量部
その後、透明基材と硬化物からなる成形体を鋳型から剥離した。
得られた成形体の硬化物の表面には、周期160nm、高さ230nmの凸部が形成さ
れ、鋳型表面の微細凹凸構造が良好に転写された微細凹凸構造が形成されていた。
そして、この成形体について反射率を測定したところ、波長380nm〜780nmの
範囲で0.09〜0.22%であり、反射防止物品として良好な性能を備えていた。また、水の接触角は134℃であり撥水性物品として良好な性能を備えていた。
実施例7〔シュウ酸電解液を用いた陽極酸化ポーラスアルミナ形成〕
シュウ酸水溶液の濃度を1M(飽和濃度)に、温度を20℃、背面冷却水の温度を20℃にした以外は実施例1と同様の方法で2cm2×2cm2以上の面積において、陽極酸化ポーラスアルミナを得た。細孔が205nm周期で縦、横最大で10個×8個の範囲で理想三角格子状に規則配列したドメイン構造からなる陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
比較例1〔シュウ酸電解液を用いた陽極酸化ポーラスアルミナ形成〕
シュウ酸水溶液の濃度を0.05M、温度を3℃で背面冷却を行わずに段階的に電圧を上げずにいきなり化成電圧80Vで陽極酸化を行った以外は実施例6と同様の方法で行った。隣り合う細孔間の間隔が200nm程度で規則性配列がない陽極酸化ポーラスアルミナを得た。
比較例2〔シュウ酸電解液を用いた陽極酸化ポーラスアルミナ形成〕
背面冷却を行わなかった以外は実施例6と同様の方法で陽極酸化を行った。その結果60Vでヤケを生じた。
比較例3
背面冷却を行わなかった以外は実施例7と同様の方法で陽極酸化を行った。その結果70Vで発熱を制御できなくなりヤケを生じた。
Figure 2011089200
本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法および装置は、とくに細孔の高規則性や高電圧処理条件が要求される陽極酸化処理に好適であり、この方法および装置により、安定して再現性良く所望の陽極酸化ポーラスアルミナを得ることが可能になる。
1、11、22、31 アルミニウム材
2、14、21、33 電解液
3、18 陽極酸化ポーラスアルミナ
4、17、25 熱
12、24、32 熱媒体
13、23 治具
15 陽極酸化部位側の面
16 背面側の面
26、34 対極
27、35 電源
28、36 攪拌子
37 スターラー
40 アルミニウム原型
41 細孔
42 酸化皮膜
43 細孔発生点
44 細孔
45 酸化皮膜
50 スタンパ

Claims (28)

  1. アルミニウム材を陽極酸化するに際し、アルミニウム材の陽極酸化部位に電解液を接触させるとともに、それとは異なる部位に電解液以外の液体を熱媒体として接触させ、アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して制御することを特徴とする、陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  2. アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して予め定めた所定の温度に制御することにより、細孔が規則性をもつて配列された陽極酸化ポーラスアルミナを作製する、請求項1に記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  3. アルミニウム材の温度を電解液温度とは独立して予め定めた所定の温度に制御すると共に、陽極酸化処理中、化成電圧を所定の電圧に維持する、請求項1または2に記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  4. 陽極酸化処理中、化成電圧を段階的に上昇させる、請求項1または2に記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  5. アルミニウム材の前記陽極酸化部位の背面側部位に前記熱媒体を接触させる、請求項1〜4のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  6. 前記電解液の接触部位とは異なる部位に対し、前記熱媒体を流通させる、請求項1〜 5のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  7. 前記熱媒体の流通速度が1×10-2m/s以上である、請求項6に記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  8. 前記熱媒体の流通速度が1×10-lm/s以上である、請求項7に記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  9. 前記アルミニウム材を冶具に固定し、該治具およびアルミニウム材の前記陽極酸化部位の背面側部位に対し前記熱媒体を接触させる、請求項1〜8のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  10. 中央部に穴が形成された筒状のアルミニウム材を使用し、該穴の内側に前記熱媒体を接触させ、前記アルミニウム材の外側を陽極酸化する、請求項1〜9のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  11. 前記アルミニウム材に形成された穴が貫通している、請求項10に記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  12. 電解液として硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液のいずれかを用いる、請求項1〜11のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  13. 電解液としてシュウ酸水溶液を用い、最大化成電圧での電流密度が50〜1000mA/cm2である、請求項1〜12のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  14. 電解液としてシュウ酸水溶液を用い、最大化成電圧が41〜200Vである、請求項1〜13のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  15. 電解液としてシュウ酸水溶液を用い、シュウ酸水溶液の濃度が0.3M〜飽和水溶液である、請求項1〜14のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  16. 電解液としてシュウ酸水溶液を用い、シュウ酸水溶液の温度が10〜40℃である、請求項1〜15のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
  17. 下記の工程を有する、陽極酸化ポーラスアルミナからなる鋳型の製造方法。
    (a)アルミニウム基材の表面に請求項1〜16のいずれかに記載の方法で陽極酸化ポーラスアルミナ層を形成する工程。
    (b)前記アルミナ層を除去する工程。
    (c)前記工程(b)の後、再び陽極酸化を施して細孔を形成する工程。
    (d)細孔に孔径拡大処理を施す工程。
    (e)前記工程(d)の後、再び陽極酸化を施す工程。
    (f)前記工程(d)および工程(e)を交互に繰り返す工程。
  18. 前記工程(f)においては、孔径拡大処理で該工程が終了する、請求項17に記載の陽極酸化ポーラスアルミナからなる鋳型の製造方法。
  19. 請求項17または18に記載の方法により細孔に連続的に細孔径が変化するテーパー形状を付与した陽極酸化ポーラスアルミナからなる鋳型、あるいは該陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したスタンパを鋳型として用いることを特徴とする、少なくとも一方の表面に微細凹凸構造を有する成形体の製造方法。
  20. 請求項19の方法で得られた成形体からなる反射防止物品。
  21. 請求項19の方法で得られた成形体からなる撥水性物品。
  22. 請求項1〜 16のいずれかに記載の方法に用いる装置であって、電解液の温度制御手段と、電解液温度とは独立して制御可能な熱媒体温度制御手段とを有することを特徴とする陽極酸化ポーラスアルミナの製造装置。
  23. さらに、前記熱媒体の流通速度制御手段を有している、請求項22に記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造装置。
  24. 請求項1〜 18のいずれかの方法により製造され、陽極酸化により形成された細孔の少なくとも一部が三角格子状に規則配列した陽極酸化ポーラスアルミナ。
  25. 三角格子状に規則配列した細孔の周期が50nm〜600nmの範囲にある、請求項24に記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。
  26. 前記規則配列した細孔が縦、横4個×4個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている、請求項24または25に記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。
  27. 前記規則配列した細孔が縦、横6個×6個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている、請求項26に記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。
  28. 前記規則配列した細孔が縦、横10個×10個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている、請求項27に記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。
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