JP2011089074A - 乾式摺動膜形成用塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動部材に乾式摺動膜(ドライフィルム)を形成するための塗料組成物であって、潤滑性、耐磨耗性、耐蝕性、耐熱性などに優れるだけでなく、耐薬品性及び密着性を改善向上させ、摺動部の長期安定性を向上させることができ、しかも環境規制を受けない環境に優しい摺動部材用塗料組成物を提供する。
【解決手段】バインダ樹脂と、固体潤滑剤としてのフッ素系樹脂と、フッ素系界面活性剤と、有機溶剤とを含有する塗料組成物であって、上記フッ素系界面活性剤として、パーフルオロアルキル基を有する直鎖のフッ素系界面活性剤か、若しくは、パーフルオロアルケニル基を有する分岐鎖のフッ素系界面活性剤のいずれかを用いることを特徴とする塗料組成物。
【選択図】なし
【解決手段】バインダ樹脂と、固体潤滑剤としてのフッ素系樹脂と、フッ素系界面活性剤と、有機溶剤とを含有する塗料組成物であって、上記フッ素系界面活性剤として、パーフルオロアルキル基を有する直鎖のフッ素系界面活性剤か、若しくは、パーフルオロアルケニル基を有する分岐鎖のフッ素系界面活性剤のいずれかを用いることを特徴とする塗料組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、コンプレッサー部品や軸受けなどの摺動部材の表面に乾式摺動膜(ドライフィルムとも称する)を形成するために用いる塗料組成物に関し、更に詳しくは、バインダ樹脂と、固体潤滑剤としてのフッ素系樹脂と、フッ素系界面活性剤及び溶剤からなる乾式摺動膜形成用の塗料組成物に関する。
従来から、低摩擦を得るために固体潤滑剤を利用する方法として、オイルやグリース中に固体潤滑剤を混合する方法がある。例えば、黒鉛や二硫化モリブデンなどの層状物質を導入して層状物質の層間のズレやすさを利用したり、フッ素を導入して固体の表面エネルギーを下げたりして、摩擦する固体界面での相互作用力を下げることが行われている。また、フッ素の導入には、接触界面での濡れ性を低下させる作用もある。
一方、オイルやグリースの存在下では適用できない箇所に対しては、下記非特許文献1に記載されているように、固体潤滑剤を混合した塗料を用いて乾式潤滑被膜を形成する方法が知られている。その場合の代表的な固体潤滑剤としては、低摩擦係数を示し且つ真空中など特殊環境下でも使用できることから、フッ素系樹脂のポリテトラフルオロエチレン(以後、単にPTFEとも称する)が広く使用されている。
このような乾式潤滑被膜について、特に近年では、コンプレッサー部品や軸受けなどの摺動用部材に乾式摺動膜(ドライフィルム)を形成して、潤滑性、耐磨耗性、耐蝕性、耐薬品性、耐熱性などの複合機能を向上させることが要求されるようになり、様々な乾式摺動膜形成用の塗料組成物が研究開発されている。
ところで、塗料組成物は基材に塗布された後に加熱されて摺動膜を形成するため、被膜化する前は塗料として存在し、その塗料中に固体潤滑剤を分散する必要がある。しかし、好適な固体潤滑剤であるPTFEのようなフッ素系高分子は撥水性及び撥油性を有し、塗料の密着性能を発現するバインダ樹脂との濡れ性が悪く互いになじまないため、塗料中でPTFEをバインダ樹脂に十分に分散させることは困難である。
上記塗料中での分散性の問題に対して、固体潤滑剤のPTFEとバインダ樹脂とを十分に分散させ、高性能の被膜を形成するためには、PTFEとバインダ樹脂の間に界面活性剤を存在させることが有効であり、特にフッ素系界面活性剤の使用が好ましいことが、下記非特許文献2に報告されている。
しかしながら、PTFEを配合した塗料では、前述のようにフッ素系界面活性剤がバインダ樹脂とPTFEの間に存在するため、被膜化した場合にバインダ樹脂とPTFEの間にサブミクロンレベルの隙間が生じることになり、得られる乾式摺動膜の強度並びに耐薬品性が低下し、下地材との密着性が低下するなどの問題が生じていた。
また、近年においては、フッ素と結合した炭素の数(以下、フッ素結合炭素数と称する)が8以上のフッ素系界面活性剤、例えば、パーフルオロオクタンスルフォン酸(PFOSとも称する)やパーフルオロオクタン酸(PFOAとも称する)は、環境拡散や蓄積性があるとして環境規制物質の対象となっている。そのため、前述のPFOS構造あるいはPFOA構造を有するフッ素系界面活性剤の使用は避けるべき状況にある。
このような現状から、潤滑性、耐磨耗性、耐蝕性、耐薬品性、耐熱性などの複合機能が要求されている乾式摺動膜(ドライフィルム)を摺動部材に形成するため、固体潤滑剤としてPTFEなどのフッ素系樹脂を配合し、且つバインダ樹脂との濡れ性のよいフッ素系界面活性剤を添加した塗料組成物であって、被膜の耐薬品性を向上させると共に密着性を改善し、しかも環境規制を受けない環境に優しい塗料組成物の開発が望まれている。
桐生春雄著、「特殊塗料の機能と開発プロセス」、シーエムシー、1984年、p.93〜97
石川延男著、「フッ素の化合物」、講談社、1979年、p.186〜188
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、摺動部材に乾式摺動膜(ドライフィルム)を形成するために好適な塗料組成物であって、潤滑性、耐磨耗性、耐蝕性、耐熱性などに優れるだけでなく、耐薬品性並びに密着性を改善向上させ、摺動部の長期安定性を向上させることができ、しかも環境規制を受けない環境に優しい摺動部材用塗料組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明が提供する摺動部材用塗料組成物は、バインダ樹脂と、固体潤滑剤としてのフッ素系樹脂と、フッ素系界面活性剤と、有機溶剤とを含有する塗料組成物であって、上記フッ素系界面活性剤が下記化学式3又は化学式4のいずれかの構造を有することを特徴とするものである。
上記フッ素系界面活性剤について、上記化学式3におけるnは1〜2の範囲が環境規制の点で好ましい。また、上記化学式4において、a、b、cとdの総和(EO基数)は12〜18の範囲が好ましい。また、前記フッ素系界面活性剤の配合量は、前記固体潤滑剤に対し1〜50質量%の範囲であることが好ましい。
本発明によれば、バインダ樹脂と固体潤滑剤であるフッ素系樹脂との濡れ性が非常に良く、通常の被膜形成工程によって、強度に優れ且つ極めて緻密であり、耐薬品性及び密着性が飛躍的に向上した乾式摺動膜の形成が可能な摺動部材用塗料組成物を提供することができる。
従って、本発明の塗料組成物を用いることにより、コンプレッサー部品や軸受けなどの摺動部の表面に、長期安定性に優れた乾式摺動膜(ドライフィルム)を形成することができる。また、本発明の塗料組成物は、環境規制を受けない環境に優しいフッ素系界面活性剤を選択して使用するため、安全性が高いという利点もある。
本発明の摺動部材用塗料組成物は、バインダ樹脂、固体潤滑剤としてのフッ素系樹脂、フッ素系界面活性剤、及び有機溶剤を必須の構成成分とすると共に、そのフッ素系界面活性剤として上記した化学式3又は化学式4のいずれかを有する特定のフッ素系界面活性剤を使用する。
即ち、本発明で使用するフッ素系界面活性剤は、上記化学式3に示すパーフルオロアルキル基を有する直鎖のフッ素系界面活性剤か、若しくは、上記化学式4に示すパーフルオロアルケニル基を有する分岐鎖のフッ素系界面活性剤のいずれかである。これらのフッ素系界面活性剤は、固体潤滑剤であるフッ素系樹脂に対する濡れ性が良好であるため、フッ素系樹脂とバインダ樹脂の分散性が向上し、耐薬品性及び密着性に優れた乾式摺動膜を形成することができる。
ここで、上記化学式3を有する直鎖のフッ素系界面活性剤の場合、n=0のものは上記した濡れ性の改善効果が得られない。また、環境拡散や蓄積性による環境規制物質の対象とならないためには、フッ素結合炭素数8未満のものが好ましい。しかし、市販されているフッ素系界面活性剤は、特定のフッ素結合炭素数のクラスに分類されるものでも、上記化学式3のnが近似した複数の化合物の混合物からなる。そこで、本発明においては、フッ素結合炭素数が4〜6の範囲とされているクラスのフッ素系界面活性剤、即ち上記化学式3中のnを1〜2の範囲内(式中のnが1と2である化合物の混合物を含む)とした。
一方、上記化学式4を有する分岐鎖のフッ素系界面活性剤の場合、フッ素結合炭素数が8以上ではないため、環境規制物質の対象となることはない。しかしながら、式中のa、b、cとdの総和であるEO基数が12未満では濡れ性及び耐薬品性が低下し、またEO基数が18を超えると特に耐薬品性が低下するため、EO基数(a+b+c+d)は12〜18の範囲とする。
本発明の塗料組成物において、上記したフッ素系界面活性剤の配合量は、固体潤滑剤に対して1〜50質量%の範囲が好ましい。フッ素系界面活性剤が1質量%未満では濡れ性の改善向上効果が小さく、逆に50質量%を超えても濡れ性の更なる向上は期待できず、かえって余ったフッ素系界面活性剤が異物となるため好ましくない。
上記フッ素系界面活性剤としては市販のものを用いることができる。具体的には、上記化学式3(n=1〜2)の直鎖のフッ素系界面活性剤として、AGCセイミケミカル(株)製のサーフロンS−611(商品名)、DIC(株)製のメガファックF−555(商品名)、ダイキン工業(株)製のユニダインDS−403N(商品名)などを挙げることができる。
また、上記化学式4の分岐鎖を持つフッ素系界面活性剤としては、(株)ネオス製のフタージェント(商品名)を挙げることができ、更に具体的には、フタージェント212P(EO基数12)、フタージェントFTX−218(EO基数18)などを好適に使用することができる。
本発明の塗料組成物における他の必須の構成成分は、従来から乾式摺動膜(ドライフィルム)形成用の塗料組成物に使用されているものでよい。例えば、バインダ樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。また、バインダ樹脂の配合量は、塗料組成物の全固形分に対して25〜95質量%の範囲が好ましい。バインダ樹脂が25質量%未満では被膜の強度が低下し、95質量%を超えると潤滑性が低下するからである。
固体潤滑剤であるフッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フルオネイトエチレンポリエチレン(FEP)、パーフルオロアルキル(PFA)、及びエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)から選ばれた少なくとも1種のフッ素系樹脂が好ましい。また、固体潤滑剤のフッ素系樹脂の配合量は、塗料組成物の全固形分に対して5〜50質量%が好ましい。フッ素系樹脂が5質量%未満では潤滑性が低下し、50質量%を超えると被膜の強度が低下するからである。
有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。有機溶剤の配合量は塗料組成物の粘度あるいは固形分濃度が適切な範囲となればよく、例えば有機溶剤の配合量を塗料組成物の全量に対して55〜80質量%とすることで好適な塗料組成物を得ることができる。
本発明の塗料組成物は、上記した必須の構成成分を配合し、撹拌並びに分散処理を施すことにより製造することができる。分散処理にはせん断力を物理的に加える機器が望ましく、例えば三本ロールミルによる分散処理が好適に使用できる。尚、本発明の塗料組成物は、塗装方法などに応じて粘度や固形分濃度を調整する必要がある場合には、上記有機溶剤を用いて更に希釈することもできる。
本発明の塗料組成物を摺動部材に適用して被膜化する場合、一般の塗料と同様に、エアスプレー塗布やスクリーン印刷などの手法で摺動部材表面に塗布し、焼成すればよい。尚、焼成条件としては、一般的に焼成温度180〜250℃で焼成時間30〜60分とすることが好ましく、例えば180℃では60分程度の焼成時間とすることによって、良好な乾式摺動膜(ドライフィルム)を形成することができる。
本発明の塗料組成物を用いて形成する乾式摺動膜(ドライフィルム)の膜厚は、5〜30μmの範囲が好ましい。膜厚が5μm未満では耐薬品性が低下してしまい、また膜厚が30μmを超える場合には焼成時溶剤の乾燥時間が長くなって非効率的になるからである。
[実施例1]
バインダ樹脂であるポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤であるPTFEと、上記化学式3を有するフッ素系界面活性剤と、有機溶剤のN−メチル−2−ピロリドンとを、それぞれ下記表1に示す量で配合し、ディゾルバー撹拌機を用い撹拌した。その後、三本ロールミルを用い、ギャップ20μm、回転速度220rpmにて2パスを実施して分散させ、試料1〜4の各塗料組成物を得た。
バインダ樹脂であるポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤であるPTFEと、上記化学式3を有するフッ素系界面活性剤と、有機溶剤のN−メチル−2−ピロリドンとを、それぞれ下記表1に示す量で配合し、ディゾルバー撹拌機を用い撹拌した。その後、三本ロールミルを用い、ギャップ20μm、回転速度220rpmにて2パスを実施して分散させ、試料1〜4の各塗料組成物を得た。
使用した上記化学式3のフッ素系界面活性剤は、試料1がダイキン工業(株)製のユニダインDS−403N(商品名)、試料2がAGCセイミケミカル(株)製のサーフロンS−611(商品名)、及び試料3がDIC(株)製のメガファックF−555(商品名)である。尚、これらのフッ素系界面活性剤は、フッ素結合炭素数が4〜6のクラス(上記化学式3のnが1〜2)のものである。
また、比較のための試料4では、フッ素結合炭素数が8のクラス(上記化学式3におけるnがほぼ3)であるフッ素系界面活性剤、即ちAGCセイミケミカル(株)製のサーフロンS−393(商品名)を用いた。
上記の試料1〜4について、使用したフッ素系界面活性剤によるバインダ樹脂とPTFEとの濡れ性を評価した。即ち、各試料の成分を混合した後、三本ロールミルでの分散処理を行う前に、24時間静置したときの沈降度合いを目視にて確認した。固形分が全て沈降したものを○、わずかに沈降しないものがあるがほぼ全ての固形分が沈降したものを△、固形分がほとんど沈降しないものを×と評価し、濡れ性が良好な○〜△を合格と判断した。
また、上記のごとく製造した試料1〜4の各塗料組成物を、テストピースであるアルミニウム板(A1050P)の表面にスクリーン印刷にて塗布した。このスクリーン印刷は、製版用スクリーン(材質:ステンレス、メッシュ:250、線径:0.03mm)を使用し、印刷距離5mmで手刷りにて行った。塗布時の膜厚は約12〜15μmであり、その後180℃で60分間焼成することにより、膜厚が10±2μmの乾式摺動膜を形成した。
得られた試料1〜4の乾式摺動膜について、耐薬品性の評価のために耐硝酸剥離試験を実施した。耐硝酸剥離試験は、温度25.0±0.5℃の濃度60%濃硝酸に各試料のテストピースを浸漬し、取り出した後、碁盤目試験(JIS K 5600−5−6)を実施し、乾式摺動膜が剥離するまでの時間を計測した。剥離時間が10分以下のものを×、10〜15分のものを△、15分以上のものを○と評価し、○〜△を合格と判定した。
上記した濡れ性の評価結果及び耐硝酸剥離試験の結果を、各試料の構成成分及びその配合量と共に、下記表1に示した。
この結果から分るように、試料1〜4は、いずれも濡れ性及び耐薬品性が合格基準を満たしていた。しかしながら、試料4で用いたフッ素系界面活性剤は、フッ素結合炭素数が8のクラス(上記化学式3におけるnがほぼ3)であるため、環境規制物質の対象となり好ましくない。
[実施例2]
バインダ樹脂であるポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤であるPTFEと、上記化学式4を有するフッ素系界面活性剤と、有機溶剤のN−メチル−2−ピロリドンとを、それぞれ下記表2に示す量で配合した以外は上記実施例1と同様にして、試料5〜8の各塗料組成物を得た。
バインダ樹脂であるポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤であるPTFEと、上記化学式4を有するフッ素系界面活性剤と、有機溶剤のN−メチル−2−ピロリドンとを、それぞれ下記表2に示す量で配合した以外は上記実施例1と同様にして、試料5〜8の各塗料組成物を得た。
使用した上記化学式4のフッ素系界面活性剤は、試料5が(株)ネオス製のフタージェント212P(商品名;EO基数=12)、試料6が同じくフタージェントFTX−218(商品名;EO基数=18)、試料7が同じくフタージェント208D(商品名;EO基数=8)、及び試料8が同じくフタージェント220D(商品名;EO基数=20)である。
上記の試料5〜8について、上記実施例1と同様にして、濡れ性を評価すると共に、乾式摺動膜の耐薬品性試験(耐硝酸剥離試験)を実施し、得られた結果を各試料の構成成分及びその配合量と共に、下記表2に示した。
上記の結果から分るように、上記化学式4においてEO基数が12〜18のフッ素系界面活性剤を用いた試料5〜6は、いずれも濡れ性及び耐薬品性が合格基準を満たしていた。しかし、EO基数8のフッ素系界面活性剤を用いた試料7は濡れ性及び耐薬品性が悪く、EO基数20のフッ素系界面活性剤を用いた試料8では耐薬品性が低下した。
[実施例3]
バインダ樹脂であるポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤であるPTFEと、上記化学式3又は4のフッ素系界面活性剤と、有機溶剤のN−メチル−2−ピロリドンとを、それぞれ下記表3に示すように配合量を変化させた以外は上記実施例1及び2と同様にして、試料9〜14の塗料組成物を得た。
バインダ樹脂であるポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤であるPTFEと、上記化学式3又は4のフッ素系界面活性剤と、有機溶剤のN−メチル−2−ピロリドンとを、それぞれ下記表3に示すように配合量を変化させた以外は上記実施例1及び2と同様にして、試料9〜14の塗料組成物を得た。
使用した上記化学式3のフッ素系界面活性剤は、試料9〜10がAGCセイミケミカル(株)製のサーフロンS−611(商品名)、及び試料11〜12がDIC(株)製のメガファックF−555(商品名)である。また、使用した上記化学式4のフッ素系界面活性剤は、試料13〜14が(株)ネオス製のフタージェント212P(商品名;EO基数12)である。
上記の試料9〜14について、上記実施例1と同様にして、濡れ性を評価すると共に、乾式摺動膜の耐薬品性試験(耐硝酸剥離試験)を実施し、得られた結果を各試料の構成成分及びその配合量と共に、下記表3に示した。
この結果から分るように、本発明による試料9〜14の全てにおいて、濡れ性及び耐薬品性が合格基準を満たしていた。
Claims (5)
- 前記フッ素系界面活性剤の配合量が前記固体潤滑剤に対し1〜50質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記固体潤滑剤がポリテトラフルオロエチレン、フルオネイトエチレンポリエチレン、パーフルオロアルキル、及びエチレンテトラフルオロエチレンから選ばれた少なくとも1種のフッ素系樹脂であり、その配合量が塗料組成物の全固形分に対し5〜50質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- 前記バインダ樹脂がポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種であり、その配合量が塗料組成物の全固形分に対し25〜95質量%であること特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の塗料組成物。
- 前記有機溶剤がN−メチル−2−ピロリドン、キシレン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の塗料組成物。
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