JP2020109170A - 塗料組成物及び乾性潤滑被膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた低摩擦性を有するとともに、ゴム部材や樹脂部材の表面に対する張り付きが小さい乾性潤滑被膜を形成するのに用いる塗料組成物を提供すること。【解決手段】本発明に係る塗料組成物は、乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物であって、固形成分として、少なくとも、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、を含む。超高分子量ポリエチレンは、平均粒径が5μm〜20μmであることが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、乾性潤滑被膜用塗料組成物に関し、より詳しくは、非粘着で、且つ低摩擦性に優れる乾性潤滑被膜を形成することができる乾性潤滑被膜塗料組成物及びその乾性潤滑被膜に関する。
従来、OA機器、家電、自動車、産業機械等の初期なじみ対策、焼き付き性向上、オイルレス化等を目的として、固体潤滑剤を樹脂中に分散含有させた乾性潤滑被膜が使用されている。この乾性潤滑被膜は、固体潤滑剤とバインダー樹脂とを含む組成物を、金属部材の表面又はゴム部材や樹脂部材の表面に適切な膜厚で塗布し、乾燥又は加熱硬化させることにより被膜化して形成されるものである。
部材表面で硬化した乾性潤滑被膜は、樹脂の接着力により部材表面に定着され、その被膜に含まれる固体潤滑剤によって潤滑性や耐摩耗性を発揮する。なお、乾性潤滑被膜組成物に使用される固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト等が一般的である。また、バインダー樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が広く使用されている。このような乾性潤滑被膜に関しては、例えば特許文献1にあるように、現在に至るまで広く応用されている。
一方で、特許文献2には、固体潤滑剤とバインダー樹脂に加えてさらに所定量の球状樹脂微粒子を含有させた乾性潤滑被膜が開示されている。このような乾性潤滑被膜においては、球状樹脂微粒子を含有させることにより、表面粗さを大きくして相手部材表面との接触面積を小さくし、低摩擦係数を実現している。
ところで、このような乾性潤滑被膜をゴム部材や樹脂部材に塗布する場合、乾性潤滑被膜に含まれる樹脂とゴム部材や樹脂部材の表面との間に強い相互作用が生じ、乾性潤滑被膜がゴム部材や樹脂部材に強く張り付き、ゴム部材や樹脂部材から除去できないこと(本明細書において「張り付き」という)があった。
本発明は、以上のような実情に鑑みて提案されたものであり、良好な密着性を有しながらも非粘着(張り付きがない)で、且つ低摩擦性に優れる乾性潤滑被膜を形成するのに用いる塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物において、固形成分として、少なくとも、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物とを含有させることにより、このような塗料組成物から得られる乾性潤滑被膜が、良好な密着性を有しながらも非粘着で、且つ低摩擦性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物であって、固形成分として、少なくとも、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、を含む、塗料組成物である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記超高分子量ポリエチレンは、平均粒径が2μm〜30μmである、塗料組成物である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記板状又は鱗片状化合物は、アルミナ、グラファイト、及び酸化鉄からなる群から選択される1種以上である、塗料組成物である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、ゴム部材又は樹脂部材の表面に乾性潤滑被膜を形成するための、塗料組成物である。
である。
である。
(5)本発明の第5の発明は、固形成分として、少なくとも、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、を含む、乾性潤滑被膜である。
本発明によれば、優れた低摩擦性を有するとともに、ゴム部材や樹脂部材の表面に対して良好な密着性を有しながらも、非粘着性を有する乾性潤滑被膜を形成するのに用いる塗料組成物を提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書において、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.塗料組成物≫
本実施の形態に係る塗料組成物は、相手部材に対して低摩擦性に優れるとともに、ゴム部材や樹脂部材の表面に対して非粘着性を有する乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物である。
本実施の形態に係る塗料組成物は、相手部材に対して低摩擦性に優れるとともに、ゴム部材や樹脂部材の表面に対して非粘着性を有する乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物である。
具体的に、この塗料組成物は、固形成分として、少なくとも真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物とを含むことを特徴としている。
真球状の超高分子量ポリエチレン粒子は、乾性潤滑被膜において、その一部が乾性潤滑被膜の表面に配置される。このようにして形成される乾性潤滑被膜は表面粗さが小さく、しかも表面付近に配置された超高分子量ポリエチレン粒子により、潤滑面に接する部材(「相手部材」ということもある)が滑らかに摺動できるようになり、低い摩擦係数を達成することができる。特に、超高分子量ポリエチレン粒子を板状又は鱗片状化合物とともに添加すると、超高分子量ポリエチレン粒子が板状又は鱗片状化合物の面上に配置され、乾性潤滑被膜の表面付近に存在する超高分子量ポリエチレン粒子の割合を増加させるとともに、超高分子量ポリエチレン粒子を支えることができ、乾性潤滑被膜内で超高分子量ポリエチレン粒子の摩擦係数の低減効果がより大きくなる。また、その一方で、板状又は鱗片状化合物は、乾性潤滑被膜に非粘着性を付与する。
[(A)超高分子量ポリエチレン粒子]
(A)超高分子量ポリエチレン粒子は、真球状形状を有し、分子量(ここでは、重量平均分子量をいう。)1×106以上のものをいう。乾性潤滑被膜を形成した場合、その乾性潤滑被膜は粗さが小さく、しかも、その表面付近に配置された超高分子量ポリエチレン粒子上を相手部材が滑ることにより、低い摩擦係数を達成することができる。超高分子量ポリエチレン粒子は、後述する(B)板状又は鱗片状化合物の種類にかかわらず、他の球状粒子を用いた場合に比べて乾性潤滑被膜の摩擦係数を低減させる効果がより大きく、また、乾性潤滑被膜の摩擦係数をより安定して発現させることができる。
(A)超高分子量ポリエチレン粒子は、真球状形状を有し、分子量(ここでは、重量平均分子量をいう。)1×106以上のものをいう。乾性潤滑被膜を形成した場合、その乾性潤滑被膜は粗さが小さく、しかも、その表面付近に配置された超高分子量ポリエチレン粒子上を相手部材が滑ることにより、低い摩擦係数を達成することができる。超高分子量ポリエチレン粒子は、後述する(B)板状又は鱗片状化合物の種類にかかわらず、他の球状粒子を用いた場合に比べて乾性潤滑被膜の摩擦係数を低減させる効果がより大きく、また、乾性潤滑被膜の摩擦係数をより安定して発現させることができる。
超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒径としては、該塗料組成物を塗布して形成される乾性潤滑被膜の膜厚等と同等かそれよりわずかに大きくなるように選択することができ、例えば2μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、7μm以上であることがさらに好ましい。平均粒径が2μm以上であることにより、乾性潤滑被膜の表面付近に存在する超高分子量ポリエチレン粒子を適切な量に制御することができ、その表面を相手部材が滑らせるようにし、低い摩擦係数を達成することができる。また、平均粒径としては、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましく、15μm以下であることが特に好ましい。平均粒径が30μm以下であることにより、乾性潤滑被膜の表面粗さが大きくなることを防止することができる。なお、「超高分子量ポリエチレン粒子の平均粒径」は、レーザー回折式粒度分析計を用いて測定することができる。
超高分子量ポリエチレン粒子の分子量としては、上述したとおり1×106以上であれば特に限定されないが、1.2×106以上であることがより好ましく、1.5×106以上であることがさらに好ましい。
超高分子量ポリエチレン粒子の含有量としては、塗料組成物に含まれる板状又は鱗片状化合物100体積%に対して25体積%〜50体積%の範囲であることが好ましい。超高分子量ポリエチレン粒子の含有量が、板状又は鱗片状化合物100体積%に対して25体積%以上であることにより、露出される超高分子量ポリエチレン粒子の表面を増加させ、摩擦及び非粘着性の双方に優れるものとすることができる。
[(B)板状又は鱗片状化合物]
(B)板状又は鱗片状化合物は、このうち乾性潤滑被膜の塗布部材(被塗物)との界面に存在するものにより乾性潤滑被膜に対し非粘着性を付与するとともに、内部に存在するものにより超高分子量ポリエチレン粒子をその表面付近に配置させて支え、乾性潤滑被膜に存在する超高分子量ポリエチレン粒子の割合を増加させて潤滑性を高めるものである。
(B)板状又は鱗片状化合物は、このうち乾性潤滑被膜の塗布部材(被塗物)との界面に存在するものにより乾性潤滑被膜に対し非粘着性を付与するとともに、内部に存在するものにより超高分子量ポリエチレン粒子をその表面付近に配置させて支え、乾性潤滑被膜に存在する超高分子量ポリエチレン粒子の割合を増加させて潤滑性を高めるものである。
図1は、乾性潤滑被膜中の超高分子量ポリエチレン粒子と板状又は鱗片状化合物との関係を示す模式図である。この図1に示すように、乾性潤滑被膜中には、超高分子量ポリエチレン粒子(図中、円で示した)と板状又は鱗片状化合物(図中、矩形で示した)が樹脂バインダー中に分散しており、このうち板状又は鱗片状化合物は、超高分子量ポリエチレン粒子の一部をその表面付近に配置するように支え、乾性潤滑被膜の表面に露出する超高分子量ポリエチレン粒子の割合を増加させることができる。このようにして乾性潤滑被膜の表面に露出した超高分子量ポリエチレン粒子によって、低摩擦係数を達成することができる。一方で、乾性潤滑被膜と塗布部材との界面に、板状又は鱗片状化合物が配置することで、乾性潤滑被膜に対し非粘着性を付与することができる。
板状又は鱗片状化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、アルミナ、グラファイト、酸化鉄、層状複水酸化物、メラミンシアヌレート(MCA)等が挙げられる。これらの板状又は鱗片状化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
板状又は鱗片状化合物の平均粒径としては、特に限定されないが、例えば0.5μm以上、1μm以上、2μm以上であってよい。一方、厚さ方向に対して垂直な方向の面の最大長さとしては、例えば30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下であってよい。なお、平均粒径とは、透過型電子顕微鏡観察を行い、無作為に選択した100個の粒子において、厚さ方向に対して垂直な方向の面の最大長さを測定し、その長さを算術平均したものである。
[(C)バインダー樹脂]
(C)バインダー樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。特にゴム部材を用いる場合、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが好ましく、シリコーン樹脂を用いることがより好ましい。これらのバインダー樹脂は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
(C)バインダー樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミドイミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。特にゴム部材を用いる場合、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが好ましく、シリコーン樹脂を用いることがより好ましい。これらのバインダー樹脂は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
バインダー樹脂の含有量としては、塗料組成物に含まれる固形分合計100体積%に対して70体積%〜95体積%の範囲であることが好ましく、80体積%〜90体積%の範囲であることがより好ましく、81〜85体積%であることが特に好ましい。バインダー樹脂の含有量が、固形分合計100質量部に対して70体積%以上であることにより、形成される被膜の摩耗量をより低減させ、より優れた耐摩耗性を発揮させることができる。一方で、95体積%以下であることにより、超高分子量ポリエチレン粒子や板状又は鱗片状化合物の含有量を相対的に増加させ、摩擦や粘着性の低減効果をより高く発揮させることができる。
[(D)有機溶剤]
(D)有機溶剤は、上述したバインダー樹脂を溶解させるためのものである。有機溶剤としては、使用するバインダー樹脂に対する溶解力、乾燥性等を考慮して選定することが好ましい。具体的には、例えば、シリコーン樹脂をバインダー樹脂として使用する場合には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。特に、トルエン及びキシレンの混合溶剤、又はトルエン、キシレン及びメチルエチルケトンの混合溶剤を用いることが好ましい。
(D)有機溶剤は、上述したバインダー樹脂を溶解させるためのものである。有機溶剤としては、使用するバインダー樹脂に対する溶解力、乾燥性等を考慮して選定することが好ましい。具体的には、例えば、シリコーン樹脂をバインダー樹脂として使用する場合には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。特に、トルエン及びキシレンの混合溶剤、又はトルエン、キシレン及びメチルエチルケトンの混合溶剤を用いることが好ましい。
[(E)その他の添加剤]
また、本実施の形態に係る塗料組成物は、必要に応じて、種々の添加剤成分を含有させることができる。具体的に、その添加剤としては特に限定されないが、例えば、沈降防止剤、湿潤分散剤、消泡剤、表面調整剤等の塗料添加剤を使用することができる。
また、本実施の形態に係る塗料組成物は、必要に応じて、種々の添加剤成分を含有させることができる。具体的に、その添加剤としては特に限定されないが、例えば、沈降防止剤、湿潤分散剤、消泡剤、表面調整剤等の塗料添加剤を使用することができる。
≪2.乾性潤滑被膜用塗料組成物の製造方法≫
本実施の形態に係る塗料組成物の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。
本実施の形態に係る塗料組成物の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。
具体的には、揮発成分である有機溶剤と、超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、バインダー樹脂とを、所定の割合となるように配合させ混練することによって製造することができる。このとき、有機溶剤により均一溶解させたバインダー樹脂中に、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子、及び板状又は鱗片状化合物がそれぞれ均一に分散した状態とすることが重要となる。
具体的に、例えば、この塗料組成物の製造方法としては、揮発成分である有機溶剤と、超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、バインダー樹脂とを混合し、撹拌機により撹拌する。その後、ビーズミル等の分散機を用いて、バインダー樹脂中に超高分子量ポリエチレン粒子及び板状又は鱗片状化合物をそれぞれ均一に分散させる分散処理を実施する。
≪3.塗料組成物による乾性潤滑被膜の形成≫
上述したように、本実施の形態に係る塗料組成物は、乾性潤滑被膜を形成するためのものであり、この塗料組成物を塗布対象となる被塗物に塗布して、その後、硬化処理を施すことによって、乾性潤滑被膜を形成することができる。
上述したように、本実施の形態に係る塗料組成物は、乾性潤滑被膜を形成するためのものであり、この塗料組成物を塗布対象となる被塗物に塗布して、その後、硬化処理を施すことによって、乾性潤滑被膜を形成することができる。
<3−1.乾性潤滑被膜の形成方法>
(被塗物)
被塗物としては、特に限定されるものではなく、例えばゴム部材、樹脂部材等が挙げられ、これらの部材の表面に塗料組成物を塗布して被膜を形成することができる。また、その被塗物となる部材の種類に応じて、上述したバインダー樹脂を選定することによって、いずれの被塗物に対しても高い密着性を有する被膜を形成することができ、摩擦係数及び粘着性を効果的に低減させることが可能な被膜となる。特に、被塗物としてゴム部材を用いる場合、従来の乾性潤滑被膜に含有されるバインダー樹脂が、それらの化学的な類似性や、相互の極性の程度等により、ゴム部材と強く結合することがある。このような場合であっても、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子及び板状又は鱗片状化合物を組み合わせて用いることにより、非粘着性と低摩擦性を兼ね備える乾性潤滑被膜を得ることができる。
(被塗物)
被塗物としては、特に限定されるものではなく、例えばゴム部材、樹脂部材等が挙げられ、これらの部材の表面に塗料組成物を塗布して被膜を形成することができる。また、その被塗物となる部材の種類に応じて、上述したバインダー樹脂を選定することによって、いずれの被塗物に対しても高い密着性を有する被膜を形成することができ、摩擦係数及び粘着性を効果的に低減させることが可能な被膜となる。特に、被塗物としてゴム部材を用いる場合、従来の乾性潤滑被膜に含有されるバインダー樹脂が、それらの化学的な類似性や、相互の極性の程度等により、ゴム部材と強く結合することがある。このような場合であっても、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子及び板状又は鱗片状化合物を組み合わせて用いることにより、非粘着性と低摩擦性を兼ね備える乾性潤滑被膜を得ることができる。
(塗布方法)
被塗物に対して塗料組成物を塗布する方法としては、特に限定されず、一般的な塗料と同様に、例えば、エアースプレー塗布、浸漬(ディッピング)塗布、刷毛塗り、吹付けによるタンブリング等の手法により行うことができる。これらの塗布方法の選択は、被塗物の形状や処理数量に応じて決定することができる。
被塗物に対して塗料組成物を塗布する方法としては、特に限定されず、一般的な塗料と同様に、例えば、エアースプレー塗布、浸漬(ディッピング)塗布、刷毛塗り、吹付けによるタンブリング等の手法により行うことができる。これらの塗布方法の選択は、被塗物の形状や処理数量に応じて決定することができる。
なお、塗料組成物を被塗物に塗布するに先立ち、その被塗物に対する脱脂処理を行う。
(乾性潤滑被膜の膜厚)
形成する乾性潤滑被膜の膜厚としては、特に限定されるものではなく、被塗物の用途等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、5μm〜15μmとすることが好ましく、5〜10μmとすることがより好ましい。
形成する乾性潤滑被膜の膜厚としては、特に限定されるものではなく、被塗物の用途等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、5μm〜15μmとすることが好ましく、5〜10μmとすることがより好ましい。
塗料組成物を被塗物に塗布するにあたっては、加熱等の手段により塗膜(乾性潤滑被膜組成物)を硬化させることによって得られる乾燥被膜が、所望とする膜厚(乾燥膜厚)となるように塗布量を決定して塗布することが好ましい。
(硬化処理)
塗料組成物を被塗物に塗布して形成した塗膜の硬化処理は、通常の塗膜の焼付手法により行うことができる。具体的には、例えば、その塗膜に対して、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等を行うことによって焼成することで、塗膜を硬化させることができる。このように、塗膜を硬化させて得られる被膜が、乾性潤滑被膜となる。
塗料組成物を被塗物に塗布して形成した塗膜の硬化処理は、通常の塗膜の焼付手法により行うことができる。具体的には、例えば、その塗膜に対して、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等を行うことによって焼成することで、塗膜を硬化させることができる。このように、塗膜を硬化させて得られる被膜が、乾性潤滑被膜となる。
より具体的に、塗膜硬化のための焼成条件としては、特に限定されるものではなく、使用した塗料組成物中のバインダー樹脂の硬化温度や、被塗物の耐熱性等を考慮して決定することができる。例えば、バインダー樹脂としてシリコーン樹脂を使用した場合、その硬化温度としては、100℃〜200℃の範囲とすることが好ましく、120℃〜180℃の範囲とすることがより好ましく、これらの硬化温度の範囲で適宜設定して焼成することができる。また、焼成処理時間(硬化時間)としては、特に限定されないが、例えば、30分間〜90分間の範囲で適宜設定することができ、30分間〜60分間程度とすることがより好ましい。
<3−2.乾性潤滑被膜>
上述のようにして乾性潤滑被膜用塗料組成物を、ゴム部材等の被塗物の表面に塗布し硬化することによって、乾性潤滑被膜を形成することができる。具体的に、本実施の形態に係る塗料組成物により形成される乾性潤滑被膜は、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、バインダー樹脂と、を含有する被膜である。
上述のようにして乾性潤滑被膜用塗料組成物を、ゴム部材等の被塗物の表面に塗布し硬化することによって、乾性潤滑被膜を形成することができる。具体的に、本実施の形態に係る塗料組成物により形成される乾性潤滑被膜は、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、バインダー樹脂と、を含有する被膜である。
このような乾性潤滑被膜によれば、優れた低摩擦性を発揮し、また、ゴム部品等の相手材と非粘着性を有するものとなる。
上述の塗料組成物から乾性潤滑被膜を形成することにより、例えば表面粗さ(Ra)が2.0未満の乾性潤滑被膜を得ることができる。そして、このように表面粗さの小さい乾性潤滑被膜によれば、低摩擦係数を実現することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
≪試験1≫
乾性潤滑被膜用塗料組成物を製造し、得られた塗料組成物を被塗物であるシリコーンゴムに塗布して硬化させることで乾性潤滑被膜を形成し、その乾性潤滑被膜について摩擦摩耗試験を実施した。摩擦摩耗試験の確認項目は、その乾性潤滑被膜の摩擦係数とした。
乾性潤滑被膜用塗料組成物を製造し、得られた塗料組成物を被塗物であるシリコーンゴムに塗布して硬化させることで乾性潤滑被膜を形成し、その乾性潤滑被膜について摩擦摩耗試験を実施した。摩擦摩耗試験の確認項目は、その乾性潤滑被膜の摩擦係数とした。
[乾性潤滑被膜用塗料組成物の製造]
(実施例1〜2、比較例1〜3)
バインダー樹脂としてのシリコーン樹脂と、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子(三井化学株式会社製、ミペロン(登録商標)PM−200:分子量180×104、平均粒径10μm)又は真球状のアクリルビーズ(株式会社日本触媒製、エポスター(登録商標)MA1010:平均粒径10μm)と、板状又は鱗片状化合物としてのグラファイト(伊藤黒鉛工業株式会社製、w−5:板状、平均粒径4μm)又はアルミナ(キンセイマテック株式会社製セラフ 02025:板状、平均粒径2μm)とを下記表1に示す比率にて秤量した。また、トルエンとキシレンを同量の重量で混合した溶媒を用意して、固形成分と混合させ溶解させた。
(実施例1〜2、比較例1〜3)
バインダー樹脂としてのシリコーン樹脂と、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子(三井化学株式会社製、ミペロン(登録商標)PM−200:分子量180×104、平均粒径10μm)又は真球状のアクリルビーズ(株式会社日本触媒製、エポスター(登録商標)MA1010:平均粒径10μm)と、板状又は鱗片状化合物としてのグラファイト(伊藤黒鉛工業株式会社製、w−5:板状、平均粒径4μm)又はアルミナ(キンセイマテック株式会社製セラフ 02025:板状、平均粒径2μm)とを下記表1に示す比率にて秤量した。また、トルエンとキシレンを同量の重量で混合した溶媒を用意して、固形成分と混合させ溶解させた。
撹拌分散に際しては、ビーズミルを用いて混練して行った。ビーズミルによる撹拌分散条件としては、分散メディアとしてジルコニアビーズを用いて、ベッセル容量に対して80%充填させ、流量0.6mL/minにて分散処理を行った。これにより、乾性潤滑被膜用塗料組成物を製造した。
なお、下記表1において「−」の表記は、当該成分を添加しなかったことを示す。
[乾性潤滑被膜の形成]
次に、シリコーンゴムを被塗物として用い、そのシリコーンゴムの表面に、得られた塗料組成物をエアースプレー塗布の手法で均一塗布した。続いて、塗膜を形成した鋼板を熱風循環炉に装入し、焼成温度150℃、焼成時間40分の条件で塗膜を熱硬化させることによって、乾性潤滑被膜を形成させた。乾性潤滑被膜の膜厚は10μmであった。
次に、シリコーンゴムを被塗物として用い、そのシリコーンゴムの表面に、得られた塗料組成物をエアースプレー塗布の手法で均一塗布した。続いて、塗膜を形成した鋼板を熱風循環炉に装入し、焼成温度150℃、焼成時間40分の条件で塗膜を熱硬化させることによって、乾性潤滑被膜を形成させた。乾性潤滑被膜の膜厚は10μmであった。
[潤滑性評価試験]
形成させた乾性潤滑被膜について、摩擦摩耗試験機(フリクションプレーヤー)(株式会社レスカ製,フリクションプレーヤーFRP−2100)を使用して摩擦係数を測定した。フリクションプレーヤー試験の設定条件としては、相手材をSUJ−2 3/8inchφボールとし、荷重0.49N(50gf)、摺速度0.1m/s(回転円径:φ15mm)、測定時間60分として行った。なお、実施例1〜3及び比較例1〜8のいずれにおいてもこの評価試験によって完成潤滑被膜の密着性が維持されていた。
形成させた乾性潤滑被膜について、摩擦摩耗試験機(フリクションプレーヤー)(株式会社レスカ製,フリクションプレーヤーFRP−2100)を使用して摩擦係数を測定した。フリクションプレーヤー試験の設定条件としては、相手材をSUJ−2 3/8inchφボールとし、荷重0.49N(50gf)、摺速度0.1m/s(回転円径:φ15mm)、測定時間60分として行った。なお、実施例1〜3及び比較例1〜8のいずれにおいてもこの評価試験によって完成潤滑被膜の密着性が維持されていた。
実施例1〜2、比較例1〜3のそれぞれの乾性潤滑被膜について、それぞれ同様に製造した乾性潤滑被膜を3試料用意し(n=3)、以上の潤滑評価試験により摩擦係数を測定した。実施例、比較例のそれぞれについて、3つの乾性潤滑被膜試料を用意し、それらの摩擦係数を算術平均して、平均摩擦係数を算出した。それぞれの試料について以下に示す基準で平均摩擦係数を評価した。
○:0.30未満
△:0.30以上0.40未満
×:0.40以上
○:0.30未満
△:0.30以上0.40未満
×:0.40以上
[非粘着性評価試験]
上記摩擦試験後に、乾性潤滑被膜表面の粘着性を素手で確認した。乾性潤滑被膜が非粘着であるものを「○」、乾性潤滑被膜が粘着性を有しているものを「×」として評価した。
上記摩擦試験後に、乾性潤滑被膜表面の粘着性を素手で確認した。乾性潤滑被膜が非粘着であるものを「○」、乾性潤滑被膜が粘着性を有しているものを「×」として評価した。
[評価結果]
下記表1に、実施例1〜2、比較例1〜3にて製造した塗料組成物の固形分組成(乾性潤滑被膜の組成)と、それぞれの評価結果をまとめて示す。表1において、各成分の含有量は、体積%で表す。
下記表1に、実施例1〜2、比較例1〜3にて製造した塗料組成物の固形分組成(乾性潤滑被膜の組成)と、それぞれの評価結果をまとめて示す。表1において、各成分の含有量は、体積%で表す。
表1に示すように、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と板状又は鱗片状化合物を用いた実施例1〜2の塗料組成物により得られた乾性潤滑被膜は、平均摩擦係数が低く、優れた潤滑性を有していた。また、実施例1〜3の塗料組成物により得られた乾性潤滑被膜は、非粘着被膜であった。
≪試験2≫
真球状粒子の化学種の影響を検討すべく、以下の実験を行った。
真球状粒子の化学種の影響を検討すべく、以下の実験を行った。
[乾性潤滑被膜用塗料組成物の製造]
(実施例3、比較例4〜7)
バインダー樹脂としてのシリコーン樹脂と、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子(三井化学株式会社製、ミペロン(登録商標)PM−200:分子量180×104、平均粒径10μm)又は他の真球状の粒子と、板状又は鱗片状化合物としてのグラファイト(板状、平均粒径4μm)とを下記表2に示す比率にて秤量した。また、トルエンとキシレンとメチルエチルケトン(MEK)とを混合した溶媒を用意して、固形成分と混合させ溶解させた。その後、実施例1〜2、比較例1〜3と同様にして乾性潤滑被膜用塗料組成物を製造した。
・アクリルビーズ(株式会社日本触媒製、エポスター(登録商標)MA1010:平均粒径10μm)
・シリコーン球状粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、トスパール(登録商標)1110:平均粒径11μm)
・ナイロン12球状粒子(東レ株式会社製、SP−10:平均粒径10μm)
・ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物(株式会社日本触媒製、エポスター(登録商標)L15:平均粒径9μm)
(実施例3、比較例4〜7)
バインダー樹脂としてのシリコーン樹脂と、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子(三井化学株式会社製、ミペロン(登録商標)PM−200:分子量180×104、平均粒径10μm)又は他の真球状の粒子と、板状又は鱗片状化合物としてのグラファイト(板状、平均粒径4μm)とを下記表2に示す比率にて秤量した。また、トルエンとキシレンとメチルエチルケトン(MEK)とを混合した溶媒を用意して、固形成分と混合させ溶解させた。その後、実施例1〜2、比較例1〜3と同様にして乾性潤滑被膜用塗料組成物を製造した。
・アクリルビーズ(株式会社日本触媒製、エポスター(登録商標)MA1010:平均粒径10μm)
・シリコーン球状粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、トスパール(登録商標)1110:平均粒径11μm)
・ナイロン12球状粒子(東レ株式会社製、SP−10:平均粒径10μm)
・ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物(株式会社日本触媒製、エポスター(登録商標)L15:平均粒径9μm)
(比較例8)
バインダー樹脂としてのシリコーン樹脂と、板状又は鱗片状化合物としてのグラファイト(板状、平均粒径4μm)とを下記表2に示す比率にて秤量した。また、トルエンとキシレンとメチルエチルケトン(MEK)とを混合した溶媒を用意して、固形成分と混合させ溶解させた。その後、実施例1〜2、比較例1〜3と同様にして乾性潤滑被膜用塗料組成物を製造した。
バインダー樹脂としてのシリコーン樹脂と、板状又は鱗片状化合物としてのグラファイト(板状、平均粒径4μm)とを下記表2に示す比率にて秤量した。また、トルエンとキシレンとメチルエチルケトン(MEK)とを混合した溶媒を用意して、固形成分と混合させ溶解させた。その後、実施例1〜2、比較例1〜3と同様にして乾性潤滑被膜用塗料組成物を製造した。
なお、下記表2において「−」の表記は、当該成分を添加しなかったことを示す。
[潤滑性評価試験]
実施例3及び比較例4〜8それぞれについて、実施例1〜2、比較例1〜3と同様の操作を行い乾性潤滑被膜の平均摩擦係数を算出した。それぞれの試料について以下に示す基準で平均摩擦係数を評価した。
○:0.12未満
△:0.12以上0.15未満
×:0.15以上0.20未満
××:0.20以上
なお、試験2では、真球状粒子の化学種の影響を検討すべく試験1に比べて真球状粒子の含有量を多くしたが、その結果、全体的に乾性潤滑被膜の平均摩擦係数が試験1に比べて低くなった。このため、評価基準を試験1の基準から以上のとおり変更した。
実施例3及び比較例4〜8それぞれについて、実施例1〜2、比較例1〜3と同様の操作を行い乾性潤滑被膜の平均摩擦係数を算出した。それぞれの試料について以下に示す基準で平均摩擦係数を評価した。
○:0.12未満
△:0.12以上0.15未満
×:0.15以上0.20未満
××:0.20以上
なお、試験2では、真球状粒子の化学種の影響を検討すべく試験1に比べて真球状粒子の含有量を多くしたが、その結果、全体的に乾性潤滑被膜の平均摩擦係数が試験1に比べて低くなった。このため、評価基準を試験1の基準から以上のとおり変更した。
また、実施例3及び比較例4〜8それぞれについて3つの乾性潤滑被膜試料より測定した摩擦係数のうち、最大の値を最大摩擦係数として、以下に示す基準で評価した。
○:0.20未満
△:0.20以上0.25未満
×:0.25以上0.30未満
××:0.30以上
○:0.20未満
△:0.20以上0.25未満
×:0.25以上0.30未満
××:0.30以上
[非粘着性評価試験]
実施例1〜2、比較例1〜3と同様にして乾性潤滑被膜の粘着性を確認し評価した。
実施例1〜2、比較例1〜3と同様にして乾性潤滑被膜の粘着性を確認し評価した。
[評価結果]
下記表2に、実施例3及び比較例4〜8にて製造した塗料組成物の固形分組成(乾性潤滑被膜の組成)と、それぞれの評価結果をまとめて示す。表2において、各成分の含有量は、体積%で表す。
下記表2に、実施例3及び比較例4〜8にて製造した塗料組成物の固形分組成(乾性潤滑被膜の組成)と、それぞれの評価結果をまとめて示す。表2において、各成分の含有量は、体積%で表す。
表2に示すように、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子を用いた実施例3の塗料組成物により得られた乾性潤滑被膜は、平均摩擦係数及び最大摩擦係数がいずれも低いものとなった。このことから、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子を用いた実施例3の塗料組成物により得られた乾性潤滑被膜は、安定して優れた潤滑性を達成できることが分かった。
Claims (5)
- 乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物であって、
固形成分として、少なくとも、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、を含む
塗料組成物。 - 前記超高分子量ポリエチレンは、平均粒径が2μm〜30μmである
請求項1に記載の塗料組成物。 - 前記板状又は鱗片状化合物は、アルミナ、グラファイト、及び酸化鉄からなる群から選択される1種以上である
請求項1又は2に記載の塗料組成物。 - ゴム部材又は樹脂部材の表面に乾性潤滑被膜を形成するための塗料組成物である
請求項1乃至3のいずれかに記載の塗料組成物。 - 固形成分として、少なくとも、真球状の超高分子量ポリエチレン粒子と、板状又は鱗片状化合物と、を含む
乾性潤滑被膜。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018247082 | 2018-12-28 | ||
JP2018247082 | 2018-12-28 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020109170A true JP2020109170A (ja) | 2020-07-16 |
Family
ID=71570047
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019238130A Pending JP2020109170A (ja) | 2018-12-28 | 2019-12-27 | 塗料組成物及び乾性潤滑被膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020109170A (ja) |
-
2019
- 2019-12-27 JP JP2019238130A patent/JP2020109170A/ja active Pending
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