JP4945851B2 - 非粘着耐磨耗塗料組成物および非粘着耐磨耗塗装物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非粘着性を特徴とするフッ素樹脂塗料の中でも、特に非粘着性に優れかつ耐磨耗性にも優れた塗料組成物、およびこの塗料組成物を金属基材上に塗装した塗装物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
フッ素樹脂はその表面エネルギーが他の汎用プラスチックに比べて最も低く、一般に物質が付着しにくい性質を有している。そのため、この性質を利用して、フッ素樹脂コーティングは非粘着性が必要とされる様々な分野へ利用されている。
【0003】
その利用例としては、まず家電・厨房用途があげられる。すなわち、フライパンや鍋などの厨房用品、炊飯釜やホットプレートを初めとする家電製品である。また、電子レンジの内壁やジャーポットの内側にも用いられている。
【0004】
また、近年技術進歩の目覚しいOA分野での応用も盛んに行なわれている。その例として、コピー機・レーザービームプリンター・ファクシミリなどの定着部品である定着ロールの表面へのコーティングがある。また、コピー紙をロールから分離・誘導する分離爪の表面へのコーティングなどにも適用されている。
【0005】
たとえば定着ロールの場合、定着ロールの表面ではトナーを加熱・溶融させて紙面に定着させる必要があるが、ロール自体へのトナーの付着は回避する必要がある。もしロール表面にトナーが付着した場合、オフセットを起こしたり、紙の裏汚れの原因となる。そのため、定着ロール表面には、離型性にすぐれかつ耐熱性に優れたフッ素樹脂層を設けることで上記特性の向上を図っている。
【0006】
これらの用途に用いられるフッ素樹脂としては、これまでテトラフルオロエチレン(TFE)の単独重合体であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が多く用いられてきた。PTFEは離型性(非粘着性)および耐熱性に優れているが、溶融加工できないため得られる塗膜表面に細かなボイドが存在することは避けられず、使用の回数を重ねるに従ってこのボイド中にトナーが入り込み、徐々に離型性が低下するという欠点がある。
【0007】
近年、離型性および耐久性の向上を目的として、PTFEに代わってTFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の共重合体(PFA)が使用されている。PFAはPTFEと同等の耐熱性を有しており、かつ溶融加工が可能なため可能なPTFEにみられるボイドもなく初期および経時での離型性に優れている。
【0008】
一方PFAは、上記特性は優れているものの耐磨耗性が低く、長期に使用した場合、PFA層が磨耗して最終的にプライマーや基材が露出することがある。そのため、PFAの優れた耐熱性や加工性を維持しつつ、さらに耐久性すなわち耐磨耗性の向上したフッ素樹脂塗料組成物が要請されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般にPFAやTFE−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体(FEP)などの溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体は、離型性や非粘着性については非常に優れた性能を有しているが、加熱した場合に特に塗膜強度が低下する。そのため、耐久性はPTFEに比較して低い。これまで、この欠点を改良する目的でフッ素樹脂自身の改良というアプローチで行なわれてきた。しかし、溶融加工可能なフッ素樹脂のモノマー組成や分子量などの変更による改良では、PTFEに匹敵する優れた特性を保持しようとすると、耐久性を大きく改善することは難しいものであった。一方、PTFEにおいて、その離型性および耐久性を保持した上で、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体のようなピンホールレスの塗膜を得ることは、PTFEが溶融加工できないという本質的な特性に鑑みて技術的に非常に難しい。
【0010】
そこで、本発明者らは離型性(非粘着性)に優れる溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体に、その優れた非粘着性を保持しながら耐久性を付与する目的で、PTFEをベースポリマーではなく有機充填材として添加することを検討した。
【0011】
しかしながら、PFAやFEPなどの溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体にPTFEを有機充填材として添加するだけでは、双方の特性を生かすことができないばかりか、逆に離型性(非粘着性)および耐久性をともに満足することができないという結果となってしまった。
【0012】
以上に述べた課題および研究を踏まえ、本発明者らはフッ素樹脂系の塗料組成物に関してさらに鋭意検討を行ない、耐熱性および離型性(非粘着性)に優れた溶融加工可能なパーフルオロ系フッ素樹脂に、耐磨耗性と離型性に優れた有機充填材と、さらに補強用に無機充填材とを特定の割合で配合することにより、溶融加工可能なパーフルオロ系フッ素樹脂の離型性や耐熱性、加工性を損なうことなく、耐久性を付与できることを見出した。
【0013】
本発明の目的は、耐熱性、離型性(非粘着性)および耐久性(耐磨耗性)に優れ、しかも長期の使用後にも優れた離型性を維持し得るフッ素樹脂系の非粘着耐摩耗塗料組成物ならびにその塗料組成物の塗膜を有する塗装物品を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の水性分散体と有機充填材と無機充填材とからなり、該溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の固形分100重量部(以下、「部」という)に対して、有機充填材が100部未満および無機充填材が5〜60部含まれている非粘着耐磨耗塗料組成物に関する。
【0015】
前記溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体としては、TFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)および/またはパーフルオロ(アルキルビニル)との共重合体が好ましく用いられる。
【0016】
前記有機充填材としては、数平均分子量500万以上のPTFEの粒子が好ましく、このPTFE粒子を水性分散体の形態で配合することがさらに好ましい。
【0017】
また、前記無機充填材としては、平均繊維長1〜200μmのチタン酸カリウムウィスカー、平均繊維長1〜200μmの酸化チタンウィスカー、平均繊維長1〜200μmの酸化亜鉛ウィスカー、平均粒子径0.1〜30μmの酸化アルミニウム粉末、平均粒子径0.1〜30μmの酸化ジルコニウム粉末および/または平均粒子径0.1〜30μmの酸化ケイ素粉末が好ましくあげられる。
【0018】
かかる非粘着耐摩耗塗料組成物は、金属基材上にフッ素樹脂と耐熱性樹脂からなるプライマー層またはフッ素樹脂と耐熱性樹脂と酸化アルミニウム粉末とからなるプライマー層を介して塗装し焼成することによって、プライマー層上に前記の非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層が形成された非粘着耐磨耗塗装物品を提供できる。
【0019】
また別の観点からみると、本発明は、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の水性分散体と有機充填材と無機充填材とからなる非粘着耐磨耗塗料組成物であって、該非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層をトップコート層として有する塗装物品を下記の条件(以下、「特定条件」という)で測定したときの熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験の磨耗量がいずれも1mg未満であり、かつ該熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験後のそれぞれの塗装物品表面の対ヘキサデカン接触角がいずれも40度以上である塗装物品を与え得るトップコート用非粘着耐磨耗塗料組成物に関する。
【0020】
記
供試塗装物品
サンドブラスト法により表面粗度Ra3μmに粗面化した純アルミニウム板に、厚さ10〜15μmのプライマー層を介して、トップコート層として厚さ20〜25μmの非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層を有する塗装物品。
【0021】
熱時テーバー磨耗試験
加熱型テーバー磨耗試験機を用い、表面に電子複写用紙を固定した磨耗輪を200℃に加熱し、回転数60rpm、荷重1kgで前記供試塗装物品の表面に押し当て、前記トップコート層が磨耗しプライマー層が露出するまで行なう。評価は、最初の100回転後の供試塗装物品重量を基準にし、1000回転ごとの供試塗装物品の重量を測定し、1000回転ごとの重量減少量(mg)を平均した値で行なう。
【0022】
スラスト磨耗試験
摩擦磨耗試験機を用い、ステンレススチール製磨耗輪を荷重700g、線速度200mm/秒で回転させて前記供試塗装物品に1時間押し当てる。評価は試験終了時の供試塗装物品の重量減少量(mg)で行なう。
【0023】
対ヘキサデカン接触角
表面接触角計を用い、前記テーバー磨耗試験後の供試塗装物品およびスラスト磨耗試験後のそれぞれの供試塗装物品の各表面の対ヘキサデカン接触角を5点で測定し、その平均値で評価する。
【0024】
この非粘着耐磨耗塗料組成物としては、前記の塗料組成物が好ましい。
【0025】
本発明はさらに、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の水性分散体と有機充填材と無機充填材とからなる非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層をトップコート層として有する塗装物品であって、前記の特定条件で測定したときの熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験の磨耗量がいずれも1mg未満であり、かつ該熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験後のそれぞれの塗装物品表面の対ヘキサデカン接触角がいずれも40度以上である非粘着耐磨耗塗装物品に関する。
【0026】
本発明の非粘着耐摩耗塗装物品において、非粘着耐磨耗塗料組成物としては前記の非粘着耐摩耗塗料組成物が好ましく、また、前記トップコート層が、金属基材上に、フッ素樹脂と耐熱性樹脂からなるプライマー層またはフッ素樹脂と耐熱性樹脂と酸化アルミニウム粉末からなるプライマー層を介して形成されていることが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0028】
本発明における溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体としては、TFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体(PFA)、またはTFEとパーフルオロ(アルキルビニル)との共重合体が好ましく用いられる。パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、たとえばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられ、特にパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)が好ましい。パーフルオロ(アルキルビニル)としては、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)が好ましい。TFEとHFPとの共重合体(FEP)は、耐熱性はPFAに若干劣るものの離型性および加工性についてはPFAと同様に優れているものである。なお本発明における実施例ではPFAとFEPを用いているが、本発明の効果はこれらのパーフルオロ系共重合体に限定されるものではない。
【0029】
このパーフルオロ系共重合体は溶融加工可能なため、塗装後焼成することによりピンホールのない焼成層を形成することができ、長時間の使用後においてもピンホールに起因する問題は生じない。
【0030】
溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体は、その共重合体粒子の水性分散体の形態で使用される。これは、塗料の調製が容易で、製造コストを低減できる点で有利であるからである。共重合体粒子の平均粒子径としては、0.05〜0.7μm、特に0.1〜0.5μmが好ましい。水性分散体の濃度は特に限定されず、20〜80重量%という広い範囲で調整できる。
【0031】
溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体に配合される有機充填材としては、PTFEの粒子が好ましいが、そのほか耐磨耗性と離型性に優れた有機充填材であれば使用できる。
【0032】
有機充填材としてのPTFE粒子としては、高分子量のPTFEの粒子が望ましい。たとえば数平均分子量が500万未満のPTFEではPTFE粒子自体の耐久性が低く、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体にブレンドしても耐磨耗性の向上効果は大きくは期待できない。
【0033】
PTFE粒子を有機充填材として配合する場合は、PTFEの水性分散体の形態で溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体の水性分散体に配合することが、均一な混合、分散ができる点から好ましい。PTFE粒子の平均粒子径は0.05〜0.7μm、特に0.1〜0.5μmが好ましい。PTFE水性分散体の濃度は特に限定されず、20〜80重量%という広い範囲で調整できる。
【0034】
本発明においては、非粘着性および耐磨耗性を確保・維持するために、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体に添加する有機充填材の量は特定の範囲に限定される。すなわち溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体の水性分散体の共重合体固形分100部に対して有機充填材固形分で100部未満、好ましくは20〜99部、さらに好ましくは25〜65部である。この特定の範囲で有機充填材、特に高分子量のPTFE粒子を添加した場合には、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体のもつ優れた非粘着性という利点を保持した状態で、耐磨耗性を向上させることができる。有機充填材の量が少ないと充分な耐磨耗性向上の効果を得ることができない。逆に多い場合は溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体のもつ優れた加工性や離型性の効果が奏されない。
【0035】
本発明では、さらに無機充填材を溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体に対して特定の割合で配合する。無機充填材を特定量配合することにより、添加前の塗料組成物がもっている非粘着性・耐磨耗性の特性を損なうことなく、さらに機械的強度(耐久性)を向上させることができる。この配合割合は、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体の水性分散体の共重合体固形分100部に対して無機充填材固形分で5〜60部、好ましくは8〜40部、さらに好ましくは10〜30部である。この割合で配合することで、無機充填材の配合による悪影響を発現することなく、さらに塗膜の機械的強度を増大させることが可能となる。無機充填材の量が少ない場合、充分な補強効果を得ることができない。また、多い場合には、無機充填材固有の特性が塗膜表面に発現し始め、非粘着性の低下が顕著となってくる。
【0036】
無機充填材としては、公知の無機充填材を使用することができるが、特に硬度の高い無機材料を使用することでさらに補強効果を高めることができる。無機充填材としては、平均繊維長が1〜200μm、好ましくは10〜100μmの無機ウィスカーや平均粒子径が0.1〜30μm、好ましくは0.5〜5μmの無機粉末があげられる。具体的にはチタン酸カリウムウイスカー、酸化チタンウイスカー、酸化亜鉛ウィスカーなどの無機ウィスカー、酸化アルミニウム粉末、酸化ジルコニウム粉末、二酸化ケイ素粉末などの無機粉末があげられるが、これらのみに限定されるものではない。また、2種類以上のものを併用することも可能である。さらに、必要に応じて公知の方法で表面処理された無機充填材を使用することも可能であり、適切な表面処理を施すことによりさらに分散性が改善されたり、親和性が向上したりするので、補強効果を高めることが期待できる。
【0037】
本発明の塗料組成物には、塗料組成物に通常添加される各種添加剤、たとえば界面活性剤、着色剤などを添加してもよい。
【0038】
界面活性剤としては、各種含フッ素界面活性剤が使用でき、非フッ素系界面活性剤の場合は非イオン系界面活性剤が好ましい。添加量は、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体の水性分散体の共重合体固形分100部に対して10部以下、特に0.1〜10部が好ましい。界面活性剤の添加量が少なすぎるときには所望の共重合体粒子の分散性の向上効果が得られず、多すぎると共重合体粒子による塗膜形成能を阻害し非粘着性を低下させることがある。
【0039】
着色剤としては、たとえばカーボンブラック、複合酸化物顔料などの無機顔料(ただし、本発明で使用する前記無機充填材は除く)などが例示できるが、これらに限定されるものではない。添加量は形成される塗膜の非粘着性を低下させないという観点から、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体の水性分散体の共重合体固形分100部に対して100部以下とするのが望ましい。
【0040】
本発明の非粘着耐摩耗塗料組成物の調製方法は特に限定されないが、たとえばプロペラ式攪拌機などの混合機に溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体水性分散体を入れ、これに有機充填材の水性分散体と乾燥状態の無機充填材を所定量混合し、攪拌しながら均一に混合する方法などが採用できる。PTFE粒子を有機充填材として用いる場合は、攪拌によりPTFE粒子が繊維化しやすいので、必要以上のせん断力を掛けないように注意を要する。
【0041】
かくして得られる本発明の塗料組成物は、塗装方法により異なるが、通常固形分濃度が10〜60重量%の範囲に調整される。
【0042】
本発明の非粘着耐摩耗塗料組成物は、アルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属基材やガラスや磁器などのセラミック基材などの種々の無機基材からなる被塗物に塗装でき、塗装後200〜400℃の範囲の温度で焼成することにより非粘着性および耐磨耗性、さらに機械的強度のいずれにも優れた焼成層を形成する。塗装膜厚は、用途や適用部分などによって適宜選定すればよいが、耐食性などの観点からは焼成後の膜厚として10μm以上、好ましくは15μm以上となるように塗装することが好ましい。
【0043】
本発明の塗料組成物は、単独で被塗物基材に塗装することも可能であるが、基材に対しての接着性が低い場合がある。そのような場合には、フッ素樹脂用のプライマーを介して塗装することにより、基材への密着性が大幅に改善される。プライマー層の焼成後の膜厚は、通常10〜15μm程度である。
【0044】
そうしたプライマー用塗料としては従来公知のフッ素樹脂塗料組成物用のプライマー用塗料を基材の種類に合わせて使用できる。たとえば、金属基材に対しては、フッ素樹脂と耐熱性樹脂からなるプライマー用塗料、またはフッ素樹脂と耐熱性樹脂と酸化アルミニウム粉末とからなるプライマー用塗料が、金属基材およびトップコート層との密着性が良好な点から好ましい。
【0045】
プライマー用のフッ素樹脂としては、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、FEP、PFAなどが、また耐熱性樹脂としてはたとえばポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルスルホン(PES)などが好ましくあげられるが、これらのみに限定されるものではない。
【0046】
本発明は、かくして得られる塗装物品、特にプライマー層を介して金属基材に形成された非粘着耐摩耗塗料組成物の焼成層を有する塗装物品にも関する。
【0047】
本発明の塗装物品は、厨房関連物品、家電関連物品、OA関連物品のほか、従来溶融加工可能なフッ素樹脂が使用されている工業上の物品に有用である。さらに、従来溶融加工できないPTFEが使用されていて、特に耐久性や耐磨耗性が要求されている用途への利用も可能である。
【0048】
より具体的には、つぎのような塗装物品があげられる。
【0049】
厨房関連物品:
レンジ台、フライパン、鍋など
【0050】
家電関連物品:
ホットプレート、炊飯釜、ジャーポットの内面など
【0051】
OA関連物品:
プリンターや静電複写機の定着ロール、プリンターや静電複写機の分離爪など
【0052】
こうした適用対象範囲の検討を進める過程で、本発明者らはフッ素樹脂塗膜の特にOA関連機器のロール、特に定着ロールへの適用において、実機での評価結果と相関性のある効果的な特性を見出した。
【0053】
すなわち、実機における特性評価は、ロールへのトナーの付着防止性(非粘着性、離型性)、紙エッジおよび紙分離爪による摩耗度(耐磨耗性、耐久性)が重要な項目であるが、非粘着性の評価はロール表面のヘキサデカンに対する接触角が良好な相関関係を有しており、耐久性(耐磨耗性)の評価は、塗膜の熱時テーバー磨耗試験とスラスト磨耗試験での結果がそれぞれ紙エッジおよび分離爪による磨耗の結果と良好な相関関係を有している。
【0054】
こうした新たな知見に基づき、適切な定着ロール特性を与える非粘着耐摩耗塗料組成物を検討したところ、上記の特定条件で測定した対ヘキサデカン接触角が40度以上であり、熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験における摩耗量が1mg未満の塗装物品を与える塗料組成物が、実機におけるロール特性を優れたものにすることが判明した。
【0055】
したがって、本発明はまた、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の水性分散体と有機充填材と無機充填材とからなる非粘着耐磨耗塗料組成物であって、該非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層をトップコート層として有する塗装物品を前記特定条件で測定したときの熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験の磨耗量がいずれも1mg未満であり、かつ該熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験後のそれぞれの塗装物品表面の対ヘキサデカン接触角がいずれも40度以上である塗装物品、およびこの塗装物品を与え得るトップコート用非粘着耐磨耗塗料組成物に関する。
【0056】
対ヘキサデカン接触角が40度以上であれば、コピー機のトナーに対する非粘着性は良好である。40度を下回った場合、非粘着性が低くトナーの離型性が低下する結果となる。
【0057】
また、熱時テーバー磨耗試験の結果は紙エッジの磨耗性に関係しており、前記特定条件での磨耗量が1mg未満であれば、耐磨耗性は良好である。同様に、スラスト磨耗試験での磨耗量が1mg未満であれば、分離爪に対する磨耗性が良好であるといえる。
【0058】
非粘着耐摩耗塗料組成物を構成する溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の水性分散体、有機充填材および無機充填材に関しては、前述した説明および具体例が適用できる。
【0059】
また、塗装物品としては、金属基材上に前記のプライマー層を介してトップコート層として非粘着耐摩耗塗料組成物の焼成層を設けたものが好ましい。
【0060】
なお、これらの評価方法によれば、実機試験を行なうことなく塗膜性能の評価を行なうことが可能となるので、材料開発に要する時間を大幅に短縮できる。
【0061】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」はすべて「重量部」を、「%」はすべて「重量%」を表す。また、乾燥および焼成条件はすべて実体温度での条件である。
【0062】
実施例1〜3および比較例1〜4
(塗料組成物の調製)
PFA(TFE/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)=95/5モル%)の粒子(平均粒子径:0.2μm)の水性分散体(濃度65%)と、有機充填材としてPTFE(数平均分子量500万)の粒子(平均粒子径:0.3μm)の水性分散体と、無機充填材としてチタン酸カリウムウィスカー(大塚化学工業(株)製のデントールWK200B。繊維長:10〜20μm)を表1に示す割合(固形分)でプロペラ式攪拌機により、15分間攪拌して塗料組成物を調製した。
【0063】
(供試塗板の作成手順)
塗膜の性能評価に使用する塗板は以下の手順で作製した。
(1)基材:純アルミニウム板(大きさは各試験毎に所定のもの)
(2)粗面化:サンドブラスト(Ra=3μm)
(3)プライマー塗装:上記基材にエアースプレーでプライマー塗料(ダイキン工業(株)製のEK−1908GY)を膜厚10〜15μmで塗装する。塗装後直ちに、90℃で10分間で乾燥を行ない、乾燥後冷却する。
(4)トップコート塗装:実施例および比較例として配合した塗料を、エアースプレーを用い膜厚20〜25μmで塗装する。90℃で10分間乾燥後380℃で15分間焼成後、空冷して供試塗板とした。
【0064】
作製した供試塗板について、以下の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0065】
(試験方法)
(1)熱時テーバー磨耗試験
(株)安田精機製作所製の加熱型テーバー磨耗試験機(No.101特型)を用い、荷重1kg、アルミニウム製の磨耗輪に両面接着テープで市販のPPC用紙を接着して磨耗輪とする。
【0066】
供試塗板を装置に固定後表面温度が200℃になったことを確認して試験を開始する。最初の100回転は慣らし運転としてを行なう。その後、取り外して塗板重量を測定、再度供試塗板を装置にセットして試験を開始する。1000回転運転後、供試塗板を取り外して重量を測定する。これを、トップコート層が磨耗してプライマー層が露出するまで最高10回繰り返す。
【0067】
以上の試験より1000回転ごとの重量減少量(mg)の平均値を求める。
【0068】
(2)スラスト磨耗試験
(株)オリエンテック製の摩擦磨耗試験機(EFM−III−F)を用い、荷重700g、回転は200mm/secの線速度で、相手材はステンレススチール製の磨耗輪を直接押し当てて行なう。試験時間は1時間で試験前後の重量減少量(mg)を算出する。本スラスト磨耗試験の結果については、前記の試験機だけでなく、同様の摩擦磨耗試験方式をもつ鈴木松原式磨耗試験機であれば同等の試験結果が得られる。
【0069】
(3)対ヘキサデカン接触角測定
前記(1)および(2)の試験後のそれぞれの供試塗板について、摩耗試験を行なっていない面(未試験面)と試験により表面が磨耗した面(試験面)の双方で対ヘキサデカン接触角の測定を協和界面科学(株)製の表面接触角計(CA−A)により行なう。測定は5箇所で行ない、それらの平均値を求める。
【0070】
【表1】
【0071】
実施例4〜6および比較例5〜8
溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体としてFEP(TFE/HFP=85/15モル%)の粒子(平均粒子径:0.2μm)の水性分散体(濃度:50%)を用い、PTFE粒子および無機充填材を表2に示す割合(固形分)で配合したほかは、実施例1と同様にして塗料組成物、供試塗板を作製し、これらの供試塗板について実施例1と同様にして熱時テーバー摩耗試験、スラスト摩耗試験および対ヘキサデカン接触角測定を行なった。結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、離型性(非粘着性)および耐久性(耐磨耗性)に優れ、しかも長期の使用後にも優れた離型性を維持し得るフッ素樹脂系の非粘着耐摩耗塗料組成物ならびにその塗料組成物の塗膜を有する塗装物品を提供することができる。
Claims (11)
- 溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の水性分散体と有機充填材と無機充填材とからなり、該溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の固形分100重量部に対して、有機充填材が100重量部未満および無機充填材が5〜60重量部含まれているトップコート用非粘着耐磨耗塗料組成物。
- 前記有機充填材は水性分散体である請求項1記載のトップコート用非粘着耐磨耗塗料組成物。
- 前記溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体が、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)および/またはパーフルオロ(アルキルビニル)との共重合体である請求項1または2記載のトップコート用非粘着耐磨耗塗料組成物。
- 前記有機充填材として、数平均分子量500万以上のポリテトラフルオロエチレンの粒子を水性分散体の形態で配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載のトップコート用非粘着耐磨耗塗料組成物。
- 前記無機充填材が、平均繊維長1〜200μmのチタン酸カリウムウィスカー、平均繊維長1〜200μmの酸化チタンウィスカー、平均繊維長1〜200μmの酸化亜鉛ウィスカー、平均粒子径0.1〜30μmの酸化アルミニウム粉末、平均粒子径0.1〜30μmの酸化ジルコニウム粉末および/または平均粒子径0.1〜30μmの酸化ケイ素粉末である請求項1〜4のいずれかに記載のトップコート用非粘着耐磨耗塗料組成物。
- 金属基材上にフッ素樹脂と耐熱性樹脂からなるプライマー層を介して請求項1〜5のいずれかに記載の非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層を有するトップコート用非粘着耐磨耗塗装物品。
- 金属基材上にフッ素樹脂と耐熱性樹脂と酸化アルミニウム粉末とからなるプライマー層を介して請求項1〜5のいずれかに記載の非粘着耐磨耗塗料組成物の塗膜を有するトップコート用非粘着耐磨耗塗装物品。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物であって、溶融加工可能なパーフルオロ系共重合体粒子の水性分散体と有機充填材と無機充填材とからなる非粘着耐磨耗塗料組成物であって、該非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層をトップコート層として有する塗装物品を下記の条件で測定したときの熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験の磨耗量がいずれも1mg未満であり、かつ該熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験後のそれぞれの塗装物品表面の対ヘキサデカン接触角がいずれも40度以上である塗装物品を与え得るトップコート用非粘着耐磨耗塗料組成物。
記
供試塗装物品
サンドブラスト法により表面粗度Ra3μmに粗面化した純アルミニウム板に、厚さ10〜15μmのプライマー層を介して、トップコート層として厚さ20〜25μmの非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層を有する塗装物品。
熱時テーバー磨耗試験
加熱型テーバー磨耗試験機を用い、表面に電子複写用紙を固定した磨耗輪を200℃に加熱し、回転数60rpm、荷重1kgで前記供試塗装物品の表面に押し当て、前記トップコート層が磨耗しプライマー層が露出するまで行なう。評価は、最初の100回転後の供試塗装物品重量を基準にし、1000回転ごとの供試塗装物品の重量を測定し、1000回転ごとの重量減少量(mg)を平均した値で行なう。
スラスト磨耗試験
摩擦磨耗試験機を用い、ステンレススチール製磨耗輪を荷重700g、線速度200mm/秒で回転させて前記供試塗装物品に1時間押し当てる。評価は試験終了時の供試塗装物品の重量減少量(mg)で行なう。
対ヘキサデカン接触角
表面接触角計を用い、前記テーバー磨耗試験後の供試塗装物品およびスラスト磨耗試験後のそれぞれの供試塗装物品の各表面の対ヘキサデカン接触角を5点で測定し、その平均値で評価する。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物の焼成層をトップコート層として有する塗装物品であって、下記の条件で測定したときの熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験の磨耗量がいずれも1mg未満であり、かつ該熱時テーバー磨耗試験およびスラスト磨耗試験後のそれぞれの塗装物品表面の対ヘキサデカン接触角がいずれも40度以上である非粘着耐磨耗塗装物品。
記
供試塗装物品
サンドブラスト法により表面粗度Ra3μmに粗面化した純アルミニウム板に、厚さ10〜15μmのプライマー層を介して、トップコート層として厚さ20〜25μmの非粘着耐磨耗塗料組成物の焼成層を有する塗装物品。
熱時テーバー磨耗試験
加熱型テーバー磨耗試験機を用い、表面に電子複写用紙を固定した磨耗輪を200℃に加熱し、回転数60rpm、荷重1kgで前記供試塗装物品の表面に押し当て、前記トップコート層が磨耗しプライマー層が露出するまで行なう。評価は、最初の100回転後の供試塗装物品重量を基準にし、1000回転ごとの供試塗装物品の重量を測定し、1000回転ごとの重量減少量(mg)を平均した値で行なう。
スラスト磨耗試験
摩擦磨耗試験機を用い、ステンレススチール製磨耗輪を荷重700g、線速度200mm/秒で回転させて前記供試塗装物品に1時間押し当てる。評価は試験終了時の供試塗装物品の重量減少量(mg)で行なう。
対ヘキサデカン接触角
表面接触角計を用い、前記テーバー磨耗試験後の供試塗装物品およびスラスト磨耗試験後のそれぞれの供試塗装物品の各表面の対ヘキサデカン接触角を5点で測定し、その平均値で評価する。 - 前記トップコート層が、金属基材上にフッ素樹脂と耐熱性樹脂からなるプライマー層を介して形成されている請求項9記載の非粘着耐磨耗塗装物品。
- 前記トップコート層が、金属基材上にフッ素樹脂と耐熱性樹脂と酸化アルミニウム粉末からなるプライマー層を介して形成されている請求項9記載の非粘着耐磨耗塗装物品。
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